JP2003279987A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents

液晶表示装置および電子機器

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JP2003279987A
JP2003279987A JP2002087119A JP2002087119A JP2003279987A JP 2003279987 A JP2003279987 A JP 2003279987A JP 2002087119 A JP2002087119 A JP 2002087119A JP 2002087119 A JP2002087119 A JP 2002087119A JP 2003279987 A JP2003279987 A JP 2003279987A
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Tsuyoshi Maeda
強 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明るい使用環境下でもある程度の視認性を確
保できる液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明の液晶表示装置は、対向基板3と
素子基板2との間に液晶層27を挟持した液晶セル15
と、液晶セル15の外面側に配置されたバックライト1
8とを有している。対向基板3の外面側に上偏光板20
が設けられ、素子基板2とバックライト18との間に基
板側から下偏光板23、反射偏光板24、指向性散乱層
25がこの順に設けられている。また、バックライト1
8の導光板16の外面側に反射板29が設けられてい
る。指向性散乱層25は、低入射角範囲の光や或る方位
に傾斜した高入射角範囲の光に対しては散乱度合が弱
く、逆の方位に傾斜した高入射角範囲の光に対しては強
い散乱を起こすように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置およ
び電子機器に関し、特に照明装置を備えた透過表示主体
の液晶表示装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】暗所でも表示可能な液晶表示装置とし
て、液晶セルの背面側に照明装置(以下、バックライト
ということもある)を備え、この照明装置から発せられ
る光を利用して表示を行う透過型の液晶表示装置があ
る。ここで用いられる照明装置は、一般に冷陰極管(C
CFL)、発光ダイオード(LED)などからなる光源
と、光源から入射された光を内部で伝播する間に液晶セ
ル側に出射させる構造を有する導光板とを有している。
【0003】また、高精細で表示品位に優れた液晶表示
装置として、アクティブマトリクス型液晶表示装置が知
られている。アクティブマトリクス型液晶装置の表示方
式としては、ツイステッドネマティック(Twisted Nema
tic, 以下、TNと略記する)モードの表示方式が現在
主流を占めている。その理由は、明るい、コントラスト
が高い、応答速度が比較的速い、駆動電圧が低い、階調
表示が容易であるなど、TNモードの液晶装置はディス
プレイとして基本的に必要とされる諸特性をバランス良
く具備しているからである。TNモードの液晶セルの場
合、素子基板と対向基板との間で液晶分子の長軸方向が
90°ねじれた構造を採り、これら基板の外面側に透過
軸が互いに直交するように偏光板がそれぞれ配置されて
いる。
【0004】図11には、上記従来の液晶表示装置の概
略構成を示す。この装置においては、前面側(すなわち
観察側)から順に、上偏光板A、上基板B、液晶層C、
下基板D、下偏光板E、プリズムシートFが配置され、
さらにその背後に、光源G及び導光板Hを有するバック
ライトが配置され、導光板Hの背後には反射板Jが配置
される。
【0005】ここで、上記のプリズムシートFを液晶セ
ルとバックライトとの間に配置することにより、バック
ライトから放出される光のうち導光板Hの表面の法線に
対する出射角の大きい光をプリズムシートFによって集
光することが可能になり、表示に寄与するバックライト
の光量を増大させるようにしている。
【0006】ところが、この種の液晶表示装置は表示原
理上、バックライトから出射される不定偏光状態の光R
bのうち、一方向の振動方向を有する偏光のみを下偏光
板Eと上偏光板Aにより取りだして透過光Rtとし、表
示に利用している。そして、従来の液晶表示装置の場
合、液晶セルの上下に配置された偏光板A,Eは吸収型
の偏光板であったため、表示に利用されない方の偏光は
偏光板によって吸収されていた。つまり、従来の液晶表
示装置はバックライトから出射される光のうち、約半分
程度の光しか表示に寄与せず、バックライトの光の利用
効率が低いという問題があった。
【0007】この問題に対処するため、図11に点線で
示す反射型の偏光板(以下、単に「反射偏光板」とい
う。)Rを上記の下偏光板Eの背後に備えた液晶表示装
置が提案された。この液晶表示装置の場合、導光板Hか
ら照射される光のうち表示に利用されない偏光Rcは反
射偏光板Rにより反射され、その偏光Rcはバックライ
トの導光板Hの外面に設置した反射板Jなどで反射して
再度反射偏光板Rに戻ってくることになる。しかし、そ
の間で多少の偏光解消が起こるとしても、光はほとんど
初めに反射偏光板Rによって反射された偏光状態のまま
で戻ってくるので、反射偏光板Rを透過して表示に利用
されるようになる光はごく僅かに過ぎず、バックライト
の光の利用効率を充分に向上できるものではなかった。
総じて言えば、従来の透過型の液晶表示装置は、バック
ライトの輝度の割には表示が暗く、バックライトの光の
利用効率を高めることでより明るい透過表示を実現する
ことが求められていた。
【0008】そこで、バックライトの光の利用効率を高
める手法として、反射偏光板Rのさらに背後に1/4波
長板を備えた液晶表示装置が提案されている。反射偏光
板Rの背後に1/4波長板を配置した場合、反射偏光板
Rで反射された一偏光方向の直線偏光Rcが1/4波長
板を透過すると、例えば右回りの円偏光に変換される。
この右回りの円偏光がバックライトの導光板の外面に設
置した反射板などで反射すると、今度は左回り(逆回
り)の円偏光として戻ってきて1/4波長板を透過する
ため、1/4波長板を透過した後は透過前とは偏光軸が
直交した直線偏光に変換される。すると、この直線偏光
は今度は反射偏光板Rを透過するため、表示に利用する
ことができる。このように、1/4波長板を用いた場
合、バックライトから出射され、反射偏光板Rによって
反射された多くの光を再利用することができるので、明
るい透過表示を得ることができる。この技術は、例えば
特開平10−162619号公報、特開2000−98
372号公報などに開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の透
過型液晶表示装置は、近年、携帯電話の画像表示部、デ
ジタルカメラの画像表示部などにも採用されており、小
型、軽量の利点を生かして種々の携帯用電子機器を中心
に広く用いられている。上記の技術によりバックライト
の光の利用効率が向上しているため、透過表示の明るさ
も年々向上している。しかしながら、透過型液晶表示装
置は携帯用電子機器への応用にとって、以下のような大
きな欠点を有している。すなわち、携帯用電子機器の使
用環境によって、例えば日差しの強い屋外などでは太陽
光に比べてバックライトの輝度がはるかに弱いため、液
晶画面に表示された画像が非常に暗く、極めて視認しに
くいという問題があった。
【0010】この問題を解決する方法として、例えば液
晶パネルを照明するバックライトの出力を上げることが
考えられる。ところが、バックライトの出力を上げる
と、バックライトの消費電力が増大するため、大容量の
電源装置が必要となる。このことは携帯性が重要視され
る電子機器にとって実用的でない。
【0011】また、バックライトとしては、通常、LE
D(発光ダイオード)等の光源Gから放出された光をア
クリル樹脂等で構成された導光板Hによって液晶セルに
導くように構成されているが、樹脂成形時における溶湯
の流れ方などによって導光板Hの内部に屈折率分布が形
成される場合があり、このような場合には、導光板Hに
おいて生ずる複屈折のばらつきによって表示にムラが生
ずるといった問題点もある。これは、光源Gから放出さ
れた光が光学的に不均一な導光板Hを通過して液晶セル
に照射されるためである。
【0012】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、光の利用効率を上げることで明る
い表示が得られるとともに、明るい使用環境下でもある
程度の視認性を確保することのできる液晶表示装置を提
供することを目的とする。特に、バックライトから放出
される光の透過率を或る程度確保するとともに外光につ
いてもその実質的な反射効率を高めることによって明る
い表示を得ることを目的とする。さらに、バックライト
を構成する導光板の光学的不均一性に起因する表示ムラ
を低減することができる液晶表示装置を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の液晶表示装置は、対向配置された第1の
基板と第2の基板との間に液晶を挟持した液晶セルと、
光源及び導光板を有し、前記液晶セルの第2の基板の外
面側に配置された照明装置とが備えられた液晶表示装置
であって、前記第1の基板の外面側に第1の偏光板が設
けられ、前記第2の基板と前記照明装置との間に前記第
2の基板側から第2の偏光板、指向性散乱層がこの順に
設けられ、前記導光板の前記液晶セルが配置された側と
反対側の面に反射板が設けられ、前記指向性散乱層は、
所定方位に傾斜した方向から入射する第1の高入射角範
囲の入射光に対して、前記所定方位と逆の方位に傾斜し
た方向から入射する第2の高入射角範囲の入射光よりも
高い散乱能を有することことを特徴とする。
【0014】従来の液晶表示装置においては、図11に
示すように、外光Roが入射して液晶セルを透過した後
に、液晶セルの背後にプリズムシートFが配置されてい
る場合には、プリズムシートFによって光が散逸して観
察側に戻ってこなくなるため、外光Roの明るさを表示
に利用できなかった。また、外光Roは観察者とは異な
る方向から角度を持って斜めに入射する場合が多いこと
から表示面に対する入射角が大きくなり、この外光Ro
が導光板Hの背後に配置された反射板Jで反射されてな
る反射光Rr(すなわち正反射によって戻ってくる光)
も表示面に対して傾斜した光となるため、観察者の側に
戻ることがなく、表示に利用されないという問題点があ
った。
【0015】これに対して、本発明では、図10に示す
ように、上偏光板A、上基板B、液晶層C、下基板D、
下偏光板Eを有する液晶セルの背後に、指向性散乱層K
を配置した。これによって、バックライトから照射され
た光のうち表示に用いることができる光成分の割合を高
めることができるとともに、外光に基づく反射板Jによ
る反射光を表示に効率的に用いることが可能になる。な
お、図10に点線で示すように、反射偏光板Rを液晶セ
ルとバックライトの間に配置してもよい。この場合、反
射偏光板Rと指向性散乱層Kとは図示状態に対して上下
逆に配置されていてもよい。
【0016】この指向性散乱層Kは、所定方位に傾斜し
た方向から入射した光(第1の高入射角範囲の入射光)
に対する散乱能と、該所定方位の逆の方位に傾斜した方
向から入射した光(第2の高入射角範囲の入射角)に対
する散乱能とが異なるものである。すなわち、所定方位
側から斜めに入射する光については強く散乱させ、逆の
方位側から斜めに入射する光についてはほとんど散乱さ
せないといった特性を有する。ここで、本明細書では、
指向性散乱層を基準にして上記の所定方位を定義する。
したがって、指向性散乱層の表面に入射する光に対して
所定方位が右側であったとすると、光の可逆性により指
向性散乱層の裏面に入射する光に対して所定方位は左側
となる。
【0017】この結果、光源Gから放出された照明光R
bのうち、導光板Hから斜めに照射され、指向性散乱層
Kを基準にして上記所定方位の側(図示左下側)から斜
めに入射する光は強い散乱を受ける。そして、ここで生
じた散乱光のうち、入射角が小さい散乱光Rs1はその
まま液晶セルを通過して表示の一部を構成する。したが
って、導光板Hから放出される光の利用効率を従来より
も高めることができる。
【0018】また、表示面に対して或る程度傾斜した、
すなわち入射角の比較的大きい外光Roが所定方位の逆
側(図示左上側)から斜めに入射したときには、当該外
光Roが液晶セルを透過した後に指向性散乱層Kを通過
する際にはほとんど散乱が生ずることなく、導光板Hを
透過して反射板Jにて反射される。そして、反射後に再
び導光板Hを透過して指向性散乱層Kに到達すると、こ
の反射光は、指向性散乱層Kにとって往路の外光とは逆
に所定方位の側(図示左下側)から斜めに入射する光と
なるため、散乱される。ここで生じた散乱光のうち、入
射角が小さい散乱光Rs2はそのまま液晶セルを通過し
て表示の一部を構成する。したがって、装置に入射する
外光の反射表示に寄与する割合を高めることができる。
【0019】本発明において、前記指向性散乱層は、該
指向性散乱層の法線方向を含む低入射角範囲の入射光に
対して、前記第1の高入射角範囲の入射光よりも低い散
乱能を有することが好ましい。
【0020】この発明によれば、低入射角範囲の入射光
については指向性散乱層により散乱される度合が低く、
高入射角範囲の入射光については指向性散乱層により散
乱される度合が高いので、低入射角範囲の光はそのまま
透過させる一方、高入射角範囲の入射光をより強く散乱
させて表示に寄与し得る低出射角の放出光とすることが
できることから、全体として、透過光についても反射光
についても表示に利用される割合を高めることができ
る。
【0021】本発明において、前記指向性散乱層は、前
記低入射角範囲及び前記第2の高入射角範囲の入射光に
対して、前記第1の高入射角範囲の入射光よりも高い平
行線透過率を有することが好ましい。
【0022】この発明によれば、第1の高入射角範囲の
入射光よりも低入射角範囲及び第2の高入射角範囲の入
射光に対して高い平行線透過率を有することによって、
元々表示に寄与することのできたバックライトから照射
される低出射角の光や低入射角の外光及びその反射光を
減衰させることなく観察側に射出させることができると
ともに、所定方位とは逆側から斜めに入射する外光を効
率的に装置内に取り込むことができるため、表示の明る
さの増大効果をさらに向上させることができる。
【0023】本発明において、前記照明装置において
は、前記光源が前記導光板の側方に配置され、前記導光
板が前記液晶セルと平面的に重なるように配置され、前
記導光板側から入射する光に関しては、前記所定方位が
前記光源に向かう方向であることが好ましい。
【0024】この発明によれば、バックライトからの照
明光のうち、導光板の側方に配置された光源の側から斜
めに指向性散乱層に対して入射する光は、指向性散乱層
から見て第1の高入射角範囲の入射光となるため、指向
性散乱層によって強く散乱される。一般に、光源から導
光板に入射され、導光板の内部から放出される照明光に
おいては、光源側から斜めに出射する光成分が多くなる
ので、上記のように構成されていることによって、光源
側から斜めに入射する第1の高入射角範囲の入射光が散
乱され、この散乱光の一部が低出射角の光となって観察
側に出射されることにより、バックライトから放出され
る照明光のうち、表示に寄与する光の割合を高めること
ができる。したがって、表示の明るさを十分に得ること
ができる。
【0025】本発明において、前記指向性散乱層は、使
用時において前記液晶セル側から入射する光に関して前
記所定方位が表示面の下方となるように配置されること
が好ましい。
【0026】この発明によれば、前記指向性散乱層は、
液晶表示装置を使用する際に外光に対する所定方位が表
示面の下方となる態様で設置されるように構成されてい
ることにより、上方から斜めに表示面に対して入射する
外光を指向性散乱層において散乱させることなく、その
背後に取り込むことができるとともに、反射板によって
反射された反射光が再度指向性散乱層に到達したときに
散乱させ、その散乱光の一部を表示に利用することが可
能になる。この場合、通常の使用状態においては、上方
から入射する外光が他の方向から入射する外光に較べて
多い(例えば、照明や太陽光は上方から照射される)こ
とから、視認性を損なうことなく表示を明るくすること
が可能になる。
【0027】本発明において、前記指向性散乱層の前記
低入射角範囲の入射光に対する平行線透過率は60%以
上であることが好ましい。
【0028】この発明によれば、前記指向性散乱層の低
入射角範囲の入射光に対する平行線透過率が60%以上
であることによって、指向性散乱層による低い入射角の
光に対する遮蔽効果が制限されるため、本発明の効果を
十分に得ることができるとともに、低入射角範囲の入射
光に対する60%以上の平行線透過率を有する素材であ
れば容易に入手することができるため、実用的に用いる
ことが可能になる。
【0029】本発明において、前記指向性散乱層の前記
高入射角範囲は入射角10〜40度の範囲内にあること
が好ましい。
【0030】この発明によれば、高入射角範囲が入射角
10〜40度の範囲内に設定されていることにより、当
該角度範囲が装置内に取り込まれる高入射角の外光のほ
とんどを占めることから、主要な高入射角の外光を表示
に利用できるようになり、高い効果を得ることができる
とともに、低入射角範囲を10度程度確保できることか
ら、表示の視認性に影響を与え難くなる。ここで、高入
射角範囲が10〜40度の範囲と一致する場合には、液
晶表示装置に対して実質的に入射し得る外光のほとんど
を用いることができるようになる。
【0031】本発明において、前記第2の偏光板と前記
照明装置との間に、前方散乱層が配置されていることが
好ましい。
【0032】この発明によれば、導光板側から観察側へ
抜ける光を前方に散乱させることができるため、導光板
の光学的不均一性に起因する表示ムラを低減することが
できる。ここで、この前方散乱層と、上記指向性散乱層
とは、いずれの順番にて配置されていても構わない。ま
た、後述する反射偏光板も配置されている場合には、こ
の反射偏光板をも含めて3者がいずれの順番で配置され
ていてもよい。
【0033】本発明において、前記前方散乱層のヘイズ
が60%以上であることが好ましい。
【0034】この発明によれば、前方散乱層のヘイズ
(曇価)が60%以上であることによって、導光板の光
学的不均一性に起因する表示ムラの低減効果が十分に高
まるとともに、60%以上のヘイズを有する素材であれ
ば容易に入手することができる。特に、ヘイズの数値範
囲としては60〜80%の範囲内のものであることが入
手の容易性を担保可能であるとともに、光の利用効率の
低下を抑制することができる点で望ましい。
【0035】ここで用いる「ヘイズ」とは、光学の分野
において一般にヘイズ(Haze)或いは曇価と称される光
透過特性を示す尺度であり、物質の法線周りの8度範囲
の円錐内の領域を除いた角度部分の拡散透過率を全光線
透過率で除算して%表示した値である。ヘイズの値が大
きいほど散乱光が多く、ヘイズの値が小さいほど散乱光
が少ないことを示す。本発明の前方散乱層の機能として
は、ヘイズが大きいほど導光板に起因する表示ムラを低
減する効果が高くなるという点では望ましいが、その反
面、照明装置からの出射光が散乱してしまうので、透過
表示が暗くなることになる。よって、そのバランスを最
適化する必要がある。ヘイズの値が60%以上であれ
ば、表示の明るさを大きく減ずることなく、導光板に起
因する表示ムラを十分に低減できる。
【0036】なお、この前方散乱層としては、粘着剤
と、この粘着剤中に混入され、粘着剤と屈折率の異なる
粒子とを有することが望ましい。このようにすると、前
後の層、例えば反射偏光板又は指向性散乱層と導光板、
反射偏光板と指向性散乱層、或いは、液晶セルの第2の
基板と反射偏光板又は指向性散乱層を相互に接着する接
着層として機能すると同時に、前方散乱機能を有するこ
ととなるため、製造の手間を低減することができるとと
もに、装置構成を簡略化することができる。
【0037】本発明において、前記第2の偏光板と前記
照明装置との間に反射偏光板が配置されていることが好
ましい。
【0038】この発明によれば、バックライトから照射
される光のうちの表示に直接利用されない偏光成分を反
射偏光板によってバックライト側に反射させることがで
きるため、当該偏光成分の少なくとも一部を何らかの形
で表示に利用することが可能になる。
【0039】本発明において、前記反射偏光板に対して
前記液晶セルが配置された側と反対側に第1の位相差板
が配置されていることが好ましい。
【0040】この発明によれば、照明装置から放出され
た光については、反射偏光板の透過軸と直交する方向の
偏光成分が反射偏光板によって反射されてしまうため、
その半分程度が観察側に透過することができなくなる
が、第1の位相差板を配置することにより、反射偏光板
により反射された上記偏光成分の偏光状態を変えること
ができるため、上記偏光成分が反射板で反射した後であ
れば、少なくともその一部が反射偏光板を通過できるよ
うにすることが可能になることから、表示の明るさをさ
らに増大できる。
【0041】本発明において、前記第1の位相差板が、
1/4波長板を少なくとも含むことが好ましい。
【0042】この発明によれば、反射偏光板にて反射さ
れた上記偏光成分が反射板にて反射されて再び反射偏光
板に戻ってくる過程において、反射板での反射の前後に
おいて1/4波長板を2度通過することによって、上記
偏光成分を90度回転させ、反射偏光板の透過軸と一致
した偏光方向を有する偏光に変換することができるた
め、効率的に反射偏光板を透過させることができるよう
になる。
【0043】さらに、本発明において、前記第1の位相
差板が、1/4波長板と1/2波長板を含むことが望ま
しい。ただしこの場合、反射偏光板側に1/2波長板を
配置する必要がある。
【0044】この発明によれば、1/4波長板と1/2
波長板とを組み合わせた波長板は広帯域の1/4波長板
として知られており、この構成によれば、広い波長帯域
で照明光の再利用を図ることができる。
【0045】本発明において、前記第1の位相差板のリ
ターデーション値が100nm〜180nmの範囲であ
ることが望ましい。
【0046】この構成によれば、波長が380〜780
nmの可視光の帯域を大部分カバーすることができ、可
視光に対して本発明の液晶表示装置における第1の位相
差板としての機能を果たすことができる。
【0047】本発明において、前記第1の位相差板の波
長分散が1以下の値であることが望ましい。
【0048】例えば波長450nmにおけるリターデー
ション値と波長590nmにおけるリターデーション値
との比で波長分散を表した場合、従来市販されていた位
相差板は波長分散が1を越えるものが通常であった。こ
れに対して、近年、波長分散が1以下の値を取る位相差
板が提供されている。この位相差板を用いた場合、波長
分散が1以下の値を取るということは、波長が長くなる
につれてリターデーション値が大きくなることを意味
し、例えば1/4波長板であれば、入射光の波長が変わ
っても1/4波長板として機能することになる。したが
って、この構成によれば、異なる波長の光に対して本発
明の第1の位相差板としての機能を果たすことができ
る。
【0049】照明装置の導光板の外面側に配置する反射
板に関しては、その反射面を鏡面状態とすることが望ま
しい。
【0050】本発明における反射板は、最初に照明装置
から出射する光を液晶セル側に導くだけでなく、透過表
示における反射偏光板からの反射光の再利用のために機
能する。また、反射表示においては、外光が光拡散層を
透過した分を反射させる機能を果たしている。したがっ
て、より多くの光を反射させることが求められ、その意
味で反射面を鏡面状態とすることが望ましい。
【0051】また、前記第1の偏光板と前記第1の基板
との間、もしくは前記第2の偏光板と前記第2の基板と
の間に、第2の位相差板を設けることが望ましい。
【0052】この構成によれば、例えばSTN(Super
Twisted Nematic)液晶を用いた場合などに表示に色付
きが生じた場合であっても、その色付きを補償すること
ができる。
【0053】ところで、前記第2の偏光板の透過軸と前
記反射偏光板の透過軸の関係については、以下の2通り
が考えられる。
【0054】まず一つは、第2の偏光板の透過軸と反射
偏光板の透過軸を平行とする構成である。この構成によ
れば、透過表示において反射偏光板を透過した光が全て
第2の偏光板の透過軸を透過できるので、透過表示にお
ける光の利用効率を最大限に高めることができる。
【0055】これに対して、第2の偏光板の透過軸と反
射偏光板の透過軸を平面的に交差させ、そのなす角ψが
0°<ψ<10°の範囲となるように配置することもで
きる。この構成の場合は上の構成とは逆に、透過表示に
おいて反射偏光板を透過した光の一部は第2の偏光板の
透過軸を透過できないので、透過表示における光の利用
効率は上の構成に比べて若干低下する。その反面、反射
表示においては第2の偏光板の透過軸を透過した光の一
部が反射偏光板で反射されるので、反射表示を若干明る
くすることが可能となる。第2の偏光板の透過軸と反射
偏光板の透過軸のなす角ψが0°<ψ<10°の範囲が
好ましい理由については後述する。
【0056】本発明の液晶表示装置の表示モードは、ノ
ーマリーホワイトモードであることが望ましい。
【0057】この構成によれば、白地に黒表示の画面を
低消費電力で実現することができる。
【0058】前記第1の偏光板および前記第2の偏光板
は、吸収型偏光板を用いることが望ましい。
【0059】この構成によれば、高コントラストの表示
を得ることができる。
【0060】本発明の電子機器は、上記本発明の液晶表
示装置を備えたことを特徴とする。
【0061】この構成によれば、上記本発明の液晶表示
装置を備えたことによって、例えば日差しの強い屋外な
どで使用するのに好適な明るい表示画面を備えた携帯型
電子機器を実現することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の基本的構成例に
関する作用効果について、再度図10を参照してより詳
細に説明する。
【0063】図10に示すように、本発明の基本的構成
例には、上偏光板A(第1の偏光板)、上基板B(第1
の基板)、液晶層C、下基板D(第2の基板)、下偏光
板E(第2の偏光板)、指向性散乱層K、光源G、導光
板H、反射板Jが含まれる。ここで、上偏光板A、上基
板B、液晶層C、下基板D及び下偏光板Eは液晶セルを
構成する。また、光源G及び導光板Hはバックライト
(照明装置)を構成する。なお、バックライトの背後に
配置された反射板Jは、バックライトに含まれる反射手
段としての機能をも有するように構成されていてもよい
が、本発明の場合、外光を反射させる機能をも有するよ
うに構成することによって、外光の反射光による表示の
明るさ増大に寄与することができる。特に反射板Jを鏡
面状の反射面を有するものとすることによって外光反射
の効果を高めることができる。また、反射偏光板の背後
に位相差板(例えば1/4波長板)を配置した場合に
は、反射偏光板によって反射されてバックライト側に戻
ってきた光を再反射させる意味もある。
【0064】まず、以下の説明においては、図10に示
した液晶表示装置において、例えば、上偏光板Aの透過
軸を紙面に平行な方向、下偏光板Eの透過軸を紙面に垂
直な方向、反射偏光板Rの透過軸を紙面に垂直な方向と
する。すなわち、下偏光板の透過軸と反射偏光板の透過
軸とは平行である。また、液晶層Cは電界無印加状態で
90度ツイストのTN液晶であることとする。さらに、
図10に点線で示す反射偏光板Rが液晶セルの背後に配
置されているものとして説明する。
【0065】また、指向性散乱層Kは、観察側から入射
する光(図10の上方から入射する光)については、図
示右方向が上述の所定方位となり、その結果、図示左上
側から斜めに入射する光に対して散乱を生じにくく、高
い平行線透過率を呈する一方、図示右上側から斜めに入
射する光に対して散乱を生じ易く、低い平行線透過率を
呈する。これに対して、バックライト側から入射する光
(図10の下方から入射する光)については、図示左方
向が所定方位となり、その結果、図示左下側から斜めに
入射する光に対して散乱を生じ易く、低い平行線透過率
を呈する一方、図示右下側から斜めに入射する光に対し
て散乱を生じ難く、高い平行線透過率を呈する。
【0066】この液晶表示装置においては、液晶セルの
背後のバックライトから出射された光のうち、紙面に垂
直な振動方向を有する直線偏光は、反射偏光板R、下偏
光板Eをともに透過し、液晶層Cに入射される。
【0067】ここで、電圧無印加状態では、液晶層Cを
透過した光は偏光方向が90°回転し、紙面に平行な振
動方向を有する直線偏光に変換されて上偏光板Aを透過
し、白表示となる(すなわち、この場合はノーマリーホ
ワイトモードとなる)。このときの表示に寄与するのは
液晶セルを透過する光である。一方、電圧印加状態で
は、液晶層Cを透過しても偏光方向が紙面に垂直なまま
であるため、この偏光が上偏光板Aを透過することはで
きず、黒表示となる。
【0068】上記液晶セルを透過する光のうち、実際に
表示に寄与する光成分は、基本的に表示面と直交する低
出射角の光であるため、上記のように透過する過程にお
いて、指向性散乱層Kによる散乱をほとんど受けること
なく透過する。したがって、指向性散乱層は上記表示に
はほとんど影響を与えない。特に、指向性散乱層の低入
射角の光に対する平行線透過率が高ければ、光損失も低
く抑制される。
【0069】また、バックライトから照射される光Rb
のうち、光源G側から反対側に向けて斜めに出射する光
は、指向性散乱層Kから見ると、上述の所定方位の側か
ら斜めに入射する光となるため、強い散乱を受ける。そ
して、その散乱光の一部Rs1は低出射角を持つ光とな
るので、液晶セルを通過し、表示に寄与することにな
る。通常、光源Gから放出された光は導光板H内で屈折
して液晶セルの側にほぼ均一に照射されるが、全体とし
て見た場合、導光板Hから出射する光のうち、光源側か
ら反対側に斜めに出射する光の割合が逆の方向に斜めに
出射する光の割合よりも高いため、指向性散乱層Kの散
乱によってバックライトから照射される全光量に対する
表示に寄与する光の量を効率的に増大させることができ
る。
【0070】次に、外部が明るい場合には、外光Roが
装置内に入射する。この外光Roは、上偏光板Aを通過
して紙面に平行な振動方向を有する直線偏光となり、電
圧無印加状態では液晶層Cを通過して紙面に直交する振
動方向を有する直線偏光となる。そして、そのまま下偏
光板E及び反射偏光板Rを透過して、指向性散乱層Kに
入射する。なお、このときの外光に基づく直線偏光に対
して反射偏光板Rは基本的に影響を及ぼさないため、反
射偏光板Rと指向性散乱層Kの位置関係が図示上下に逆
転しても以下に説明する作用効果は変わらない。
【0071】上記の場合において、外光Roの入射角が
或る程度大きいとともに、図示の左上から斜めに入射す
るときには、上記直線偏光は指向性散乱層Kによりほと
んど散乱を受けず、そのまま透過して導光板H内を通過
した後に反射板Jによって反射される。この反射光Rr
は再び導光板Hを経て指向性散乱層Kに入射するが、こ
のとき、当該反射光Rrの入射方向は指向性散乱層Kに
とって上述の所定方位から斜めに入射する光となってい
るため、強く散乱される。そして、このときに生ずる散
乱光の一部(前方散乱光)Rs2は低出射角で液晶セル
に向かうので、表示を構成する光となる。また、後方に
散乱された散乱光は導光板Hを透過して反射板Jにより
反射され、復路にて再び指向性散乱層Kに戻るので、そ
れらのうちの一部もまた表示に寄与し得るものとなる。
【0072】一方、電界印加時においては、外光Roが
入射し上偏光板Aを通過して紙面と平行な振動方向を備
えた直線偏光になった後、液晶層Cを通過しても偏光の
振動方向は変化しないため、下偏光板Eを透過すること
ができず、下偏光板Eが吸収型である場合には下偏光板
Eにおいてそのまま吸収される。
【0073】[第1実施形態]以下、図1乃至図3を参
照して本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態の
液晶表示装置は薄膜トランジスタ(Thin Film Transist
or, 以下、TFTと略記する)をスイッチング素子に用
いたアクティブマトリクス方式の透過型液晶表示装置の
例であり、図1(a)は液晶表示装置の全体構成を示す
斜視図、図1(b)は図1(a)における一画素の拡大
図、図2は同液晶表示装置の断面図、図3は本実施形態
に用いられる指向性散乱層の光学特性を示すグラフであ
る。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やす
くするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜
異ならせてある。また図2においては、各基板の内面側
の配線やスイッチング素子、電極、配向膜等の図示は省
略してある。
【0074】本実施形態の液晶表示装置1は、図1
(a)に示すように、液晶セル15とその外面側に配置
された導光板16とLED17(光源)とを有するバッ
クライト18(照明装置)から概略構成されている。液
晶セル15は、TFTが形成された側の素子基板2(第
2の基板)と対向基板3(第1の基板)とが対向配置さ
れ、これら基板2,3間に液晶層(図示略)が封入され
ている。素子基板2の内面側には、多数のソース線4お
よび多数のゲート線5が互いに交差するように格子状に
設けられている。各ソース線4と各ゲート線5の交差点
の近傍にはTFT6が形成されており、各TFT6を介
して画素電極7がそれぞれ接続されている。すなわち、
マトリクス状に配置された各画素毎に一つのTFT6と
画素電極7が設けられている。一方、対向基板3の内面
側全面には、多数の画素がマトリクス状に配列されてな
る表示領域の全体にわたって一つの共通電極8が形成さ
れている。なお、本明細書では液晶セル15を構成する
各基板の液晶層側の面を「内面」、反対側の面を「外
面」と呼ぶことにする。
【0075】TFT6は、図1(b)に示すように、ゲ
ート線5から延びるゲート電極10と、ゲート電極10
を覆う絶縁膜(図示略)と、絶縁膜上に形成された多結
晶シリコン、アモルファスシリコン等からなる半導体層
11と、半導体層11中のソース領域に電気的に接続さ
れたソース線4から延びるソース電極12と、半導体層
11中のドレイン領域に電気的に接続されたドレイン電
極13とを有している。そして、TFT6のドレイン電
極13が画素電極7に電気的に接続されている。画素電
極7はITO等の透明導電膜で形成され、対向基板3側
の共通電極8もITO等の透明導電膜で形成されてい
る。
【0076】液晶表示装置1の断面構造を見ると、図2
に示すように、対向基板3を構成する上ガラス基板19
の外面に上偏光板20(第1の偏光板)が設けられ、内
面側にR(赤)、G(緑)、B(青)の各色材層を有す
るカラーフィルター21が設けられている。さらに図示
を省略するが、カラーフィルター21上に共通電極、配
向膜が形成されている。
【0077】一方、素子基板2を構成する下ガラス基板
22の外面には、下ガラス基板22側から下偏光板23
(第2の偏光板)、反射偏光板24、指向性散乱層25
がこの順に設けられている。さらに図示を省略するが、
下ガラス基板22の内面側には上述のゲート線5、ソー
ス線4、TFT6、画素電極7が形成され、配向膜が形
成されている。これら基板2,3間に誘電率異方性が正
のTN液晶からなる液晶層27が封入されている。
【0078】具体的には、上偏光板20、下偏光板23
はともに吸収型の偏光板で構成されている。反射偏光板
24には、例えばDBEF(商品名、スリーエム社製)
と呼ばれるものが用いられる。
【0079】一方、指向性散乱層25には、例えば、屈
折率が異なる2種以上の重合性2重結合を有するモノマ
ー又はオリゴマーの組合せ、或いは、これらのモノマー
又はオリゴマーであって、硬化前後で屈折率が相互に異
なる樹脂組成物を素材として形成したものを用いること
ができる。この樹脂組成物に用いられるモノマーとして
は、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エ
チルカルビトールアクリレート、ジシクロペンテニルオ
キシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリ
レート、ノニルフェノキシエチルアクリレート等及びこ
れらの混合物が上げられる。また、上記オリゴマーとし
ては、ポリオールポリアクリレート、メラミンアクリレ
ート、ポリブタジエンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ウレタンアクリレート等及びこれらの混合物が挙
げられる。
【0080】また、上記樹脂組成物には適宜に光重合開
始剤を添加して、硬化性を向上させることが好ましい。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミ
ヒラーズケトン等が挙げられる。さらに、上記樹脂組成
物には適宜のフィラー(微粒子状の充填材)を添加した
り、紫外線吸収剤を添加したりすることもできる。
【0081】上記樹脂組成物は、スピンコーティング法
その他の適宜の方法により薄膜状に塗布され、特定の角
度から光(例えば紫外線)を照射することによって硬化
され、上記指向性散乱層25が形成される。このときの
光照射方向を特定の方向に設定することによって、その
散乱特性の入射角依存性を適宜に構成することが可能に
なる。図3(a)には、このようにして形成された指向
性散乱層25の光透過特性の光入射角依存性のグラフを
示す。このグラフは、光源LTと光検出器DTとの間に
指向性散乱層25を配置し、指向性散乱層25の表面と
平行な軸線AXを中心にして指向性散乱層25を回転さ
せることにより光源LTから入射する光の入射角を変え
ながら光検出器DTにて検出された光強度を測定した結
果である。すなわち、図3(a)のグラフは、指向性散
乱層25に対して光の入射方向を上記軸線AXと直交す
る所定方位D1に向けて傾斜させていった場合の平行線
透過率を示す。
【0082】図3(a)に示すように、この例の指向性
散乱層25では、入射角が0度である場合(すなわち表
面の法線Nに沿って入射する光)を含む、上記所定方位
D1に向けて光の入射方向を傾斜させた場合における入
射角φがφ1(図示例では10度)未満の低入射角範囲
φAにおいては、比較的散乱が弱く、60%以上、特に
70〜85%の範囲の高い平行線透過率を有している。
一方、入射角φがφ1(10度)以上、φ2(40度)
以下の高入射角範囲φB(第1の高入射角範囲)におい
ては、散乱強度が増大し、その分、平行線透過率が20
〜60%程度まで低下している。
【0083】また、上記所定方位D1とは反対側の方位
に光の入射方向を傾斜させた場合には、入射角φが10
〜40度の高入射角範囲φC(第2の高入射角範囲)に
おいて比較的散乱が弱く、高い平行線透過率(70〜8
5%)を有している。本実施形態の場合、図3(a)に
は所定方位D1とその逆の方位の特性のみを示してある
が、他の方位はほぼ所定方位D1と逆の方位と同様の光
学特性(弱い散乱強度と高い平行線透過率)を有するこ
とが好ましい。この場合、上述のようにして形成された
指向性散乱層25の図3(a)に示す特性は、高入射角
範囲φB内の所定方向から入射する光を選択的に散乱さ
せるといったものである。
【0084】再び図2に戻って液晶表示装置1の説明を
行う。バックライト18は、導光板16とその入射端面
に配置されたLED等の光源17とを有しており、導光
板16の外面側には、表面が鏡面状態とされた反射板2
9が設けられている。ここで、導光板16は液晶セル1
5と平面的に重なるように配置され、また、光源17
は、導光板16の側方に配置されている。
【0085】また、各偏光板の軸配置に関しては、上偏
光板20と下偏光板23の透過軸が直交するように配置
され、下偏光板23と反射偏光板24の透過軸が平行と
なるように配置されている。素子基板2上、対向基板3
上に形成された配向膜は直交する方向にラビング処理が
施され、これら配向膜間に挟持された液晶層27は電圧
無印加状態で90°ねじれた状態をとっている。
【0086】本実施形態において、指向性散乱層25
は、観察側(液晶セル15の側)から入射する光につい
ては、図示右方向、すなわち光源17に向かう方向とは
反対方向が上記の所定方位となり、また、バックライト
18側から入射する光については、図示左方向、すなわ
ち光源17に向かう方向が上記の所定方位になるように
配置されている。
【0087】本実施形態では、バックライト18から出
射された光のうち、例えば紙面に垂直な振動方向を有す
る直線偏光が反射偏光板24、下偏光板23をともに透
過し、液晶層27に入射される。電圧無印加状態では液
晶層27を透過した光は偏光方向が90°回転し、紙面
に平行な振動方向を有する直線偏光に変換されて上偏光
板20を透過し、白表示となる(ノーマリーホワイトモ
ード)。一方、電圧印加状態では、液晶層27を透過し
ても偏光方向が紙面に垂直なままであるため、この偏光
が上偏光板20を透過できず、黒表示となる。本実施の
形態においては、ノーマリーホワイトモードを採用した
ことにより、白地に黒表示の画面を低消費電力で実現す
ることができる。
【0088】この場合、バックライト18から出射され
た光のうち、上記低入射角範囲φA及び高入射角範囲φ
Cに属する入射角で指向性散乱層25に入射する光は、
指向性散乱層25が低入射角範囲φA及び高入射角範囲
φCにおいて比較的高い平行線透過率を有するために、
ほぼそのまま指向性散乱層25を透過する。また、バッ
クライト18から出射される光に対しては、指向性散乱
層25の所定方位は光源17に向かう方向であるので、
導光板16から図示右上に向けて出射する光は、上記高
入射角範囲φBに属する入射角で指向性散乱層25に入
射する。したがって、この光は強く散乱されるため、そ
の一部は観察側に散乱されて、表示の一部となる。
【0089】一方、この液晶表示装置1を明るい場所で
使用する場合、液晶セル15の図示上側(観察方向を含
むが、通常は観察方向に対してやや傾斜した方向から主
に外光が入射する。)から外光が入射する。この入射光
のうち、紙面に平行な振動方向を有する直線偏光が上偏
光板20を透過し、液晶層27に入射される。電圧無印
加状態では液晶層27を透過した光は偏光方向が90度
回転し、紙面に垂直な振動方向を有する直線偏光に変換
されて下偏光板23、反射偏光板24を順次透過し、指
向性散乱層25に到達する。
【0090】本実施形態の場合、指向性散乱層25は、
観察側から入射する光については、図3(b)に示す所
定方位D1が図2の右側に向かう方向となるように配置
されている。したがって、図2に示すように外光が図示
右下に向かうように入射する場合には、その外光は図3
(a)に示す高入射角範囲φCに属する入射角を備えて
いることとなり、指向性散乱層25により強い散乱を受
けることなくそのまま透過し、導光板16内に入射す
る。導光板16を透過した光は反射板29によって反射
するので、再び導光板16を透過して指向性散乱層25
に到達する。このとき、指向性散乱層25に到達した反
射光は、往路とは反対側から入射する光となるため、図
3(a)に示す高入射角範囲φBに属する光となり、こ
こで光が強く散乱される。したがって、指向性散乱層2
5からは対向基板3側(観察者側)に向けて前方散乱光
の一部(出射角が小さいもの)が出射され、この光が液
晶層27によって再度紙面に平行な振動方向を有する直
線偏光に変換され、上偏光板20を透過する。また、後
方散乱光であっても、その出射角が小さいものは、再度
反射板29にて反射された後に観察側へ戻り、液晶セル
15を透過する。そして、これらの光によって反射表示
が可能になる。
【0091】このように、本実施の形態の液晶表示装置
1によれば、高入射角を有する外光についても多くを観
察側へ戻すことができるため、明るい使用環境下でもあ
る程度の視認性を確保することのできるカラー液晶表示
装置を実現することができる。
【0092】また、カラーフィルター21として、人間
の目にとって最も視感度が高いGの分光特性が可視光域
での最小透過率10%以上、R、G、B3色の平均透過
率が40%以上というように、透過率が比較的高く、淡
い色のカラーフィルターが用いられることにより、明る
い透過表示と反射表示を共に実現することができる。
【0093】さらに、指向性散乱層25として粘着性を
有する材料を用いることによって、この指向性散乱層2
5を反射偏光板24と導光板16とを接着する接着層と
して機能するのと同時に、その接着層自身が光を散乱さ
せる機能を有するので、装置構成を簡略化することがで
きる。
【0094】なお、本実施形態では、下偏光板23の透
過軸と反射偏光板24の透過軸を平行としたが、下偏光
板23の透過軸と反射偏光板24の透過軸を平面的に交
差させ、そのなす角ψが0°<ψ<10°の範囲となる
ように配置してもよい。この構成の場合は、透過表示に
おいて反射偏光板24を透過した光の一部は下偏光板2
3の透過軸を透過できず、透過表示における光の利用効
率は若干低下するが、反射表示においては下偏光板23
の透過軸を透過した光の一部が反射偏光板24で反射さ
れるので、反射表示をさらに明るくすることが可能とな
る。
【0095】[第2実施形態]次に、図4を参照して、
本発明に係る第2実施形態について説明する。この実施
形態においては、図4に示す上偏光板20、上ガラス基
板19、カラーフィルター21、下ガラス基板22、下
偏光板23、反射偏光板24、指向性散乱層25、光源
17、導光板16及び反射板29については第1実施形
態と全く同様であり、また、図4に示していない構造に
ついても第1実施形態と全く同様であるので、これら同
一部分には同一符号を付し、これらの説明は省略する。
【0096】本実施形態では、図4に示すように、指向
性散乱層25のさらにバックライト18側に1/4波長
板26(第1の位相差板)が配置されている。なお、こ
の1/4波長板26は、反射偏光板25と反射板29の
間であればいずれに配置されていてもよい。
【0097】この実施形態では、バックライト18から
放出された光のうち、反射偏光板24で反射された紙面
に平行な振動方向を有する直線偏光は、1/4波長板2
6を透過することによって例えば右回りの円偏光に変換
される。この右回りの円偏光は、反射板29等で反射し
た後、左回りの円偏光として戻り1/4波長板26を透
過するため、1/4波長板26を透過した後は紙面に垂
直な振動方向を有する直線偏光に変換される。この直線
偏光は反射偏光板24および下偏光板23を透過できる
ため、表示に利用することができる。このように、反射
偏光板24からの反射光を再利用することによって透過
表示をより明るくすることができる。特に本実施の形態
の場合、下偏光板23の透過軸と反射偏光板24の透過
軸が平行であるため、透過表示において反射偏光板24
を透過した光が全て下偏光板23を透過できるので、透
過表示における光の利用効率を最大限に高めることがで
きる。
【0098】1/4波長板26は、ポリカーボネート等
からなる通常のものを用いてもよいが、できれば波長分
散が1以下のものを用いることが好ましい。もしくは、
1/4波長板26の内面側にさらに1/2波長板を装入
しても良い。1/4波長板26のリターデーション値は
100nm〜180nmの範囲にあることが望ましい。
その場合、全ての可視光に対して1/4波長板としての
機能を果たすことができる。
【0099】なお、上記実施形態では、第1の位相差板
が1/4波長板であるとして説明したが、前記第1の位
相差板としては、例えば3/4波長板など、1/2波長
板を除く種々の位相差板を用いることができる。しかし
ながら、1/4波長板を少なくとも含むことが望まし
い。
【0100】すなわち、第1の位相差板は必ずしも1/
4波長板でなくても、反射偏光板の下面で一旦反射され
た偏光が照明装置外面の反射板等で反射されて戻ってき
たときに第1の位相差板で偏光変換が生じ、反射偏光板
を透過できる何らかの成分が発生するので、効果の大小
は別として第1の位相差板が無い場合に比べれば反射光
の再利用の効果は必ず生じることになる。しかしなが
ら、上で説明したように第1の位相差板を1/4波長板
とした場合、反射偏光板の下面で一旦反射された偏光が
再度反射されて戻ってきたときには、理論的にはその偏
光が100%反射偏光板を透過できることになり、全て
が表示に寄与することができる。そのため、再利用効率
を最も高めることができ、他の位相差板を用いた場合と
比べてより明るい透過表示を得ることができる。
【0101】[第3実施形態]次に、図5を参照して、
本発明に係る第3実施形態について説明する。この実施
形態においては、図5に示す上偏光板20、上ガラス基
板19、カラーフィルター21、下ガラス基板22、下
偏光板23、反射偏光板24、指向性散乱層25、光源
17、導光板16及び反射板29については第1実施形
態と全く同様であり、また、図5に示していない構造に
ついても第1実施形態と全く同様であるので、これら同
一部分には同一符号を付し、これらの説明は省略する。
【0102】本実施形態では、図5に示すように、前方
散乱層28が指向性散乱層25のバックライト側に配置
されている。この前方散乱層28は、液晶セル15とバ
ックライト18の間であれば如何なる位置に配置されて
いても構わない。
【0103】前方散乱層28は、透明な基材中に、該基
材とは屈折率の異なる透明で微小な粒子を分散させたも
のであり、これによって、光を主として前方に向けて散
乱させる機能を有する。すなわち、前方散乱層28によ
って生ずる散乱光のほとんどが前方散乱光となる。この
前方散乱層28は、例えば、10〜50μm、好ましく
は20〜30μm程度の厚さのアクリル樹脂(例えば光
屈折率=1.55)中に、光硬化状態を変えたアクリル
樹脂で構成された2〜3μmの微粒子乃至はビーズ(例
えば光屈折率=1.6)を多数分散させたものである。
【0104】上記のような前方散乱層28を配置するこ
とによって、バックライト18から放出された光が前方
散乱層28で前方(すなわち観察側)に向けて散乱させ
られる。したがって、導光板16の光学的不均一性に起
因する表示ムラを低減することができる。導光板16の
光学的不均一性は、例えば、導光板16を樹脂成形にて
形成する際に、樹脂の溶湯の流れ方のばらつき等に起因
する凝固態様によって屈折率の異なる部分ができること
によって生ずる。本実施形態では、前方散乱層28の存
在によって、導光板16から放出される光を前方に散乱
させることによって、表示の明るさを極力損なうことな
く表示ムラを低減することができる。
【0105】また、外光が装置内に入射した場合、液晶
セル15、反射偏光板24、指向性散乱層25を透過し
た光は前方散乱層28で前方(すなわちバックライト
側)に向けて散乱させられる。しかしながら、外光は通
常、観察側とは異なる方向から入射する成分が多いた
め、特に高入射角範囲φB,φCに属する入射角を有す
る外光においては、第1実施形態と同様に指向性散乱層
25によって散乱を受けることから、前方散乱層28に
よる外観上の影響はきわめて少ない。
【0106】上記前方散乱層28のヘイズ(曇価)は6
0%以上であることが好ましい。特に実用的なヘイズの
範囲としては、60〜80%である。ヘイズが60%を
下回ると、導光板に起因する表示ムラを低減する効果が
低下し、また、80%を越えると表示に寄与し得る光量
に影響が出て表示が暗くなる。
【0107】上記前方散乱層28としては、粘着性を有
するものであることが好ましい。この場合には、例え
ば、アクリル樹脂系の粘着剤中に、この粘着剤と異なる
屈折率を有する例えば粒径2〜3μmの微粒子(ビー
ズ)が混入されたものが用いられる。前方散乱層28が
粘着性を有することによって、表裏両側に配置された部
材を相互に接着させる接着剤としての機能をも兼ねるこ
とができる。例えば、液晶セル15と反射偏光板24又
は指向性散乱層25、反射偏光板24と指向性散乱層2
5、反射偏光板24又は指向性散乱層25と導光板16
とを接着することができる。
【0108】なお、この第3実施形態において、第2実
施形態と同様の位相差板(1/4波長板)を配置しても
よい。この場合にも、上記第2実施形態と同様の効果が
得られる。
【0109】[第4実施形態]次に、図6を参照して、
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の
液晶表示装置もアクティブマトリクス方式の透過型液晶
表示装置の例であり、その基本構成は第1実施形態と全
く同様である。図6は本実施形態の液晶表示装置を示す
断面図であるが、第1実施形態と異なるのは指向性散乱
層25の位置のみである。よって、図6において図2と
共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省
略する。
【0110】第1実施形態では、反射偏光板24とバッ
クライト18との間に指向性散乱層25が配置されてい
るのに対し、本実施形態では下偏光板23と反射偏光板
24との間に指向性散乱層25が配置されている。この
点が異なるのみであって、それ以外の構成は第1実施形
態と全く同様である。
【0111】本実施の形態の液晶表示装置においても、
明るい使用環境下でもある程度の視認性が確保できる液
晶表示装置を実現することができる、といった第1実施
形態と同様の効果を得ることができる。
【0112】また、この実施形態において、第2実施形
態と同様に位相差板を配置したり、第3実施形態と同様
に前方散乱層28を配置したりしてもよい。これらの場
合であっても、それぞれ上記と同様の効果が得られる。
【0113】[電子機器]最後に、上記各実施形態の液
晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。図
7は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図7にお
いて、符号1000は携帯電話本体を示し、符号100
1は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
【0114】図8は、腕時計型電子機器の一例を示した
斜視図である。図8において、符号1100は時計本体
を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた表
示部を示している。
【0115】図9は、ワープロ、パソコンなどの携帯型
情報処理装置の一例を示した斜視図である。図9におい
て、符号1200は情報処理装置、符号1202はキー
ボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本
体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた表示部
を示している。
【0116】図7〜図9に示す電子機器は、上記実施の
形態の液晶表示装置を備えているので、例えば日差しの
強い屋外などで使用するのに好適な明るい(カラー)液
晶表示部を備えた携帯型電子機器を実現することができ
る。
【0117】なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に
限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範
囲において種々の変更を加えることが可能である。例え
ば上偏光板と上ガラス基板との間、もしくは下偏光板と
下ガラス基板との間に位相差板(第2の位相差板)を設
けるようにしてもよい。上記実施の形態ではTN液晶を
用いたが、特にSTN液晶を用いた場合などに表示に色
付きが生じた場合であっても、この位相差板を設けるこ
とによってその色付きを補償することができる。
【0118】[実施例]次に、本発明者は、図11に示
す従来構成の液晶表示装置(比較例1)と、図11に示
す構成からプリズムシートを除去した構成の従来の液晶
表示装置(比較例2)と、上記第1実施形態を基本構成
とした液晶表示装置(実施例1)とを実際に試作し、本
発明の効果を実証するべくそれらの表示を観察するとと
もに、表示のコントラスト(白表示の明るさを黒表示の
明るさで除算した値)を測定した。以下、その結果につ
いて報告する。なお、実施例1の液晶表示装置の指向性
散乱層には、住友化学社製の「ルミスティ」(商標)の
うち、「LCY0050」、「LCY1060」、「L
CY2070」(いずれも商品番号)などを用いた。な
お、以下に示す結果に対応するものには、上記図3
(a)に示す特性とほぼ一致する光学特性を有する「L
CY1060」を用いている。
【0119】まず、上記3種の液晶表示装置に対して、
バックライト18の輝度を2000[cd/m]と
し、外光のない場所(暗室)で液晶表示装置の輝度を測
定した。このときの各液晶表示装置の輝度は比較例1が
200[cd/m]、比較例2が120[cd/
]、実施例1が198[cd/m]であった。比
較例2はプリズムシートがないためにバックライトの光
を有効に表示に利用できていないことが推定される。一
方、実施例1の場合には、プリズムシートを含まないに
も拘わらず、プリズムシートを有する比較例1と同等の
輝度を実現できている。
【0120】次に、各液晶表示装置を晴れた野外と同様
の明るさ(約10万ルクス)を有する測定室へ持ち込
み、ここで、上記と同様にコントラストを測定した。こ
の場合には、比較例1ではコントラストが1.5と大き
く低下したのに対して、比較例1では9.5となり、実
施例1では14.8となった。比較例1では、プリズム
シートの存在によって外光が散逸されてコントラストが
大きく低下している。また、比較例2では、プリズムシ
ートがないために外光の散逸が少ないことから、比較例
1ほどはコントラストが低下していないが、やはり大き
くコントラストが低下している。これらに対して実施例
1では、外光が強くてもコントラストの低下が比較例
1,2に較べて小さく、十分に視認可能なレベルにとど
まっている。
【0121】さらに、通常の室内において上記3種の液
晶表示装置に加えて、第3実施形態の構成を有する液晶
表示装置(実施例2)の表示を観察し、導光板に起因す
る表示ムラの有無を確認した。その結果、比較例1で
は、プリズムシートが配置されていることによって導光
板に起因する表示ムラは見られなかったが、比較例2と
実施例1では導光板に起因する表示ムラが観察された。
これらに対して、前方散乱層を配置した実施例2では、
導光板に起因する表示ムラは一切観察されなかった。
【0122】なお、導光板の光学的不均一性に起因する
表示ムラを低減する前方散乱層の効果は、例えば、バッ
クライトの内部や表面に存在するゴミ等の異物に起因す
る表示ムラにも同様に有効である。
【0123】以上説明した実施形態ではアクティブマト
リクス型の液晶表示装置を例示したが、本発明はパッシ
ブマトリクス型の液晶表示装置にも同様に適用できる。
【0124】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、日差しの強い屋外のような明るい使用環境下で
もある程度の視認性が確保できる液晶表示装置を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の液晶表示装置を示す
図であって、図1(a)は液晶表示装置の全体構成を示
す斜視図、図1(b)は図1(a)における一画素の拡
大図である。
【図2】 同液晶表示装置を示す断面図である。
【図3】 同液晶表示装置に用いられる指向性散乱層の
光透過特性の光入射角依存性を示すグラフである。
【図4】 本発明の第2実施形態の液晶表示装置を模式
的に示す断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態の液晶表示装置を模式
的に示す断面図である。
【図6】 本発明の第4実施例の液晶表示装置を模式的
に示す断面図である。
【図7】 本発明の液晶表示装置を用いた電子機器の一
例を示す斜視図である。
【図8】 電子機器の他の例を示す斜視図である。
【図9】 電子機器のさらに他の例を示す斜視図であ
る。
【図10】 本発明の液晶表示装置の表示原理を説明す
るための概略説明図である。
【図11】 従来の液晶表示装置の表示原理を説明する
ための概略説明図である。
【符号の説明】
1・・・液晶表示装置 2・・・素子基板(第2の基板) 3・・・対向基板 15・・・液晶セル 16・・・導光板 17・・・光源 18・・・バックライト(照明装置) 20・・・上偏光板(第1の偏光板) 21・・・カラーフィルター 23・・・下偏光板(第2の偏光板) 24・・・反射偏光板 25・・・指向性散乱層 26・・・1/4波長板(第1の位相差板) 27・・・液晶層 28・・・前方散乱層 29・・・反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 AA04 AA26 BA09 BA12 BA14 BA20 DA21 2H049 BA02 BA06 BA07 BA24 BB03 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11Z FA14Z FA21Z FA23Z FA31Z FA42Z FA45Z FB04 FB12 FC01 FC14 FD06 HA07 HA10 KA02 KA10 LA17 LA18

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向配置された第1の基板と第2の基板
    との間に液晶を挟持した液晶セルと、光源及び導光板を
    有し、前記液晶セルの第2の基板の外面側に配置された
    照明装置とが備えられた液晶表示装置であって、 前記第1の基板の外面側に第1の偏光板が設けられ、前
    記第2の基板と前記照明装置との間に前記第2の基板側
    から第2の偏光板、指向性散乱層がこの順に設けられ、
    前記導光板の前記液晶セルが配置された側と反対側の面
    に反射板が設けられ、 前記指向性散乱層は、所定方位に傾斜した方向から入射
    する第1の高入射角範囲の入射光に対して、前記所定方
    位と逆の方位に傾斜した方向から入射する第2の高入射
    角範囲の入射光よりも高い散乱能を有することを特徴と
    する液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記指向性散乱層は、該指向性散乱層の
    法線方向を含む低入射角範囲の入射光に対して、前記第
    1の高入射角範囲の入射光よりも低い散乱能を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記指向性散乱層は、前記低入射角範囲
    及び前記第2の高入射角範囲の入射光に対して、前記第
    1の高入射角範囲の入射光よりも高い平行線透過率を有
    することを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記照明装置においては、前記光源が前
    記導光板の側方に配置され、前記導光板が前記液晶セル
    と平面的に重なるように配置され、 前記導光板側から入射する光に関しては、前記所定方位
    が前記光源に向かう方向であることを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記指向性散乱層は、使用時において前
    記液晶セル側から入射する光に関して前記所定方位が表
    示面の下方となるように配置されることを特徴とする請
    求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記指向性散乱層の前記低入射角範囲の
    入射光に対する平行線透過率は60%以上であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載
    の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記指向性散乱層の前記第1の高入射角
    範囲は入射角10〜40度の範囲内にあることを特徴と
    する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液晶
    表示装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の偏光板と前記照明装置との間
    に、前方散乱層が配置されていることを特徴とする請求
    項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】 前記前方散乱層のヘイズが60%以上で
    あることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の偏光板と前記照明装置との
    間に反射偏光板が配置されていることを特徴とする請求
    項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の液晶表示装
    置。
  11. 【請求項11】 前記反射偏光板に対して前記液晶セル
    が配置された側と反対側に第1の位相差板が配置されて
    いることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装
    置。
  12. 【請求項12】 前記第1の位相差板が、1/4波長板
    を少なくとも含むことを特徴とする請求項11に記載の
    液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の位相差板が、1/4波長板
    と1/2波長板とを含むことを特徴とする請求項11に
    記載の液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 前記第1の位相差板のリターデーショ
    ン値が100nm〜180nmの範囲であることを特徴
    とする請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載
    の液晶表示装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の位相差板の波長分散が1以
    下の値であることを特徴とする請求項11乃至請求項1
    4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  16. 【請求項16】 前記反射板の反射面が鏡面状態とされ
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか
    1項に記載の液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 前記第1の偏光板と前記第1の基板と
    の間もしくは前記第2の偏光板と前記第2の基板との間
    に、第2の位相差板が設けられたことを特徴とする請求
    項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の液晶表示装
    置。
  18. 【請求項18】 前記第2の偏光板の透過軸と前記反射
    偏光板の透過軸が平行であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項17のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 前記第2の偏光板の透過軸と前記反射
    偏光板の透過軸とが平面的に交差しており、そのなす角
    ψが0°<ψ<10°の範囲にあることを特徴とする請
    求項1乃至18のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  20. 【請求項20】 表示モードがノーマリーホワイトモー
    ドであることを特徴とする請求項1乃至請求項19のい
    ずれか1項に記載の液晶表示装置。
  21. 【請求項21】 前記第1の偏光板および前記第2の偏
    光板が吸収型の偏光板であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項20のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至請求項21のいずれか1
    項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子
    機器。
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