JP2003279468A - 外装材の複合劣化促進方法 - Google Patents
外装材の複合劣化促進方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】異種類の材料を組み合わせて構成された外装材
の耐久性や耐候性を精度よく評価するために、より実環
境に近い条件で複合的な劣化を促進させるための複合劣
化促進方法を提供する。 【解決手段】本発明の外装材の複合劣化促進方法は、異
種類の材料を組み合わせて構成される外装材の試験体T
を、任意の温湿度を維持しうる恒温恒湿槽4内に定置
し、この恒温恒湿槽4内で前記外装材に対し、赤外線を
含む波長域の光の照射と、中性水、酸性水または塩水の
散布または噴霧を、所定のサイクルに基づいて連続的ま
たは断続的に実施するものである。
の耐久性や耐候性を精度よく評価するために、より実環
境に近い条件で複合的な劣化を促進させるための複合劣
化促進方法を提供する。 【解決手段】本発明の外装材の複合劣化促進方法は、異
種類の材料を組み合わせて構成される外装材の試験体T
を、任意の温湿度を維持しうる恒温恒湿槽4内に定置
し、この恒温恒湿槽4内で前記外装材に対し、赤外線を
含む波長域の光の照射と、中性水、酸性水または塩水の
散布または噴霧を、所定のサイクルに基づいて連続的ま
たは断続的に実施するものである。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築その他の用途
に供される各種外装材の耐久性や耐候性を試験するため
に、人工的な環境下で外装材に複合的な劣化を生じさせ
る方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、建築物の外装部分は、化粧材
(表面材)や下地材、補強材など、異種類の素材を組み
合わせて構成されている。したがって、そのような外装
部分の耐久性や耐候性を正確に評価するためには、構成
材料個々の耐久性や耐候性だけでなく、それらの構成材
料を組み合わせた状態での複合的な劣化状態を正確に把
握する必要がある。 【0003】屋根構造を例にとると、例えば野地板等か
らなる下地材をアスファルトルーフィングで被覆し、そ
の上面に瓦桟木等を介して、各種素材からなる瓦その他
の屋根葺き材を釘やビスで固定する工法がある。このよ
うな工法からなる屋根構造においては、屋根葺き材を通
過する日射熱(赤外線)によってアスファルトルーフィ
ングが経時的に酸化劣化し収縮する。また、アスファル
トルーフィングを構成するフェルト等の芯材は、吸湿や
乾燥を繰り返すうちに皺や波うちを生じる。さらに、野
地板も吸湿や乾燥によって伸縮する。そして、これらが
複合的に進行することによって、釘やビスの周辺におけ
るシール性能が徐々に低下し、野地板に水が達するよう
になって漏水を招くこととなる。 【0004】それ以外にも、近年では、建築構法や建築
材料の工業化(プレファブ化)が進むことにより、あら
かじめ異種素材を組み合わせて工場生産された複合建材
も多用されている。外壁材を例にとると、例えば下地材
にあらかじめタイルを接着剤で貼着する工法がある。こ
のような工法に係る外壁構造においては、タイルが日射
により急激に熱せられ、表面から裏面へと徐々に温度が
上がる。その熱はさらに接着剤から下地材へと徐々に伝
わる。その間、タイルと下地材の膨張率が異なるため
に、接着剤には断続的に剪断力が作用する。このような
作用が正逆方向に何度も繰り返されると、接着剤の熱劣
化や加水分解などが生じ、接着力が次第に低下して、タ
イルの剥離を招く。 【0005】しかしながら現状では、前記のような複合
劣化を実環境に近い条件で人工的に進行させ、その状態
を検査する方法は確立していない。アスファルトルーフ
ィングについては、例えば「JIS・A・1436(建
築用被膜材料の下地不連続部における耐疲労性試験方
法)」に規定された試験方法があるが、この試験方法
は、所定の下地板に接着または塗布したシート状のアス
ファルトルーフィングからなる試験体を、所定温度に制
御した恒温槽内に定置し、その状態で試験体の面方向に
周期的な引張力を加える、というものである。したがっ
て、この試験方法では、アスファルトルーフィングに作
用する日射熱の影響や、吸湿・乾燥の繰り返しによる形
状の変化、釘やビスに対する密着性の低下など、現実的
な劣化状態を把握することができない。 【0006】また、タイル用接着剤については、「JI
S・A・5548(陶磁器質タイル用接着剤)」に規定
された性能規格がある。この規格には、タイル用接着剤
を介して接着した試験体について、温水浸漬、乾燥と水
中浸漬の繰り返し、乾燥と湿潤の繰り返し、などの条件
下で接着強さを測定する試験方法が規定されている。し
かし、これらの試験方法は試験体を接着面に垂直な方向
に引っ張るものであって、前記のようにタイルと下地材
との間で接着剤に断続的な剪断力が作用する状況とは負
荷の加わり方が異なる。また、日射による熱劣化や加水
分解などの影響を把握することもできない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題に鑑みてなされたもので、異種類の材料を組み合わ
せて構成される外装材の耐久性や耐候性を精度よく評価
するために、より実環境に近い条件で複合的な劣化を促
進させるための複合劣化促進方法を提供することを目的
とする。 【0008】なお、外装材の耐候性や耐久性を試験する
技術としては、本出願人らの出願に係る特開平10−0
48122号「加熱散水試験装置」がある。この試験装
置は、外装材の試験体に赤外線を均一に照射する加熱装
置と、試験体の表面に沿って水を流下させる散水装置と
を組み合わせたものである。この試験装置は、大型の試
験体を試験することができるが、装置自体が外気に開放
されているので、外気の温湿度の影響を受ける。そのた
め、試験体の温度を上げた状態で散水して急激な温度低
下を生じさせるような試験を行うことができない。そこ
で本発明は、このような不都合も解決しうるような複合
劣化促進方法を同時に提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の外装材の複合劣化促進方法は、異種類の材
料を組み合わせて構成される外装材の試験体を、任意の
温湿度を維持しうる恒温恒湿槽内に定置し、この恒温恒
湿槽内で前記外装材に対し、赤外線を含む波長域の光の
照射と、中性水、酸性水または塩水の散布または噴霧
を、所定のサイクルに基づいて連続的または断続的に実
施することを特徴とする。 【0010】すなわち、この発明は、赤外線を含む波長
域の光の照射によって、実環境下で外装材に作用する急
激な温度上昇や乾燥を試験体に作用させるとともに、各
種水の散布や噴霧によって雨水や結露の影響を近似的に
再現するものである。これによれば、熱風等による単純
な加熱を行う劣化促進方法に比べて、より実態に近い状
態で、外装材に作用する膨張・収縮、熱劣化、加水分解
等の進行を促すことができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。 【0012】図1は、本発明を実施するための複合劣化
促進装置1の基本構成を示す概念図である。この複合劣
化促進装置1は、散水装置2および照射装置3を組み込
んだ恒温恒湿槽4内に、外装材の試験体Tを定置できる
ように構成されている。 【0013】恒温恒湿槽4は、電源部5に接続された制
御装置6によって、槽内の温度および湿度を自由に変化
させ、かつ一定の温湿度状態を維持できるようになって
いる。 【0014】散水装置2は、中性水、酸性水、塩水な
ど、成分の異なる複数種類の水を別々に供給することの
できる給水部21を備える。それらの水は、定置される
試験体Tの上方に設けられたノズル部22から、試験体
Tに向けて雨滴状に散布されたり、あるいは槽内全体に
向けて噴霧される。 【0015】照射装置3は、試験体Tに正対する位置に
赤外線ランプを含む各種ランプ31を備え、電源部5か
ら供給される電力により、これらのランプ31から試験
体Tに向けて赤外線を含む波長域の光を照射する。 【0016】かかる複合劣化促進装置1を用いた外装材
の性能試験は、以下のようにして実施される。 【0017】例えば日射を想定した高温の環境(ブラッ
クパネル40〜100℃)で、試験体Tに対し一定時
間、赤外線を含む波長域の光を照射して、試験体Tを表
面から急激に加熱する。続いて、中性水または酸性水を
散布し、試験体Tを冷却しつつ湿潤させる。そして、再
び赤外線を含む波長域の光を照射し、その輻射熱によっ
て試験体Tを表面から加熱しながら乾燥させる。あるい
はまた、厳冬期を想定した低温の環境で、塩水を噴霧し
て結露を発生させた後、赤外線を含む波長域の光を照射
して徐々に乾燥させる。 【0018】このようなサイクルを一定回数、連続し
て、あるいは断続的に繰り返すことにより、実環境に近
い負荷を試験体Tに作用させることができる。特に、赤
外線を含む波長域の光の照射で「乾燥モード」を実行す
ることにより、単純な熱風乾燥に比べて、輻射熱で表面
から急激に加熱されるという実環境に近い加熱状態が得
られる。また、雰囲気温度と水温とを別々に制御して
「散水モード」を実行することにより、夏季の夕立のよ
うに、加熱されていた状態が表面から急激に冷却される
状態を再現することができる。 【0019】赤外線を含む波長域の光の照射、散水、噴
霧、冷却、乾燥、あるいはそれらの休止(放置)等の時
間配分については、試験体Tの組成や試験目的に応じて
適宜設定されればよい。また、紫外線による影響も含め
て調査するような場合は、赤外域から紫外域までの波長
の光を、一つまたは複数個のランプを用いて照射しても
よい。 【0020】このような複合劣化促進方法を採用するこ
とにより、単純な加温または熱風だけで試験体Tを乾燥
させていた従来のような試験方法に比べて、より実環境
に近い加熱・乾燥状態で試験体Tに劣化因子を作用させ
ることができる。こうして、前記した屋根構造における
アスファルトルーフィングの劣化や、タイル貼り外壁材
におけるタイル用接着剤の劣化を、より現実に近い状態
で、かつ短時間に進行させることができる。また、樹脂
塗膜によって被覆された各種外装材等についても、樹脂
塗膜の硬化過程で膜厚の不均一部分に生じる膨れなどを
再現することが容易になる。 【0021】なお、本発明の複合劣化促進方法は、建築
用外装材に限らず、自動車その他の各種機械装置等に利
用される塗装金属板や、ある程度の厚みがあって、表面
から内部、さらに裏面にかけて含水率や熱伝導率、熱収
縮率等が異なり、それにより複雑な寸法変化や物性変化
を示す材料全般に利用することができる。 【0022】 【実施例】本発明に係る複合劣化促進方法により実環境
に近い複合的な劣化状態が再現されることを、以下の2
種類の試験によって確認した。 【0023】−実験1:塗膜膨れ試験− <試験体>試験体として、以下の2種類を用意した。 【0024】試験体a:実環境で塗膜に比較的大きな膨
れが発生しやすい塗料として、弾性を有し塗膜の透湿抵
抗の高い塗料(JIS・A6909「建築用仕上塗材」
に規定された防水型合成樹脂エマルジョン系複層仕上塗
材)を塗布した200mm角のフレキシブルボード 試験体b:実環境で塗膜の膨れが発生しない塗料とし
て、塗膜の透湿抵抗の低い塗料(JIS・A6909
「建築用仕上塗材」に規定されたポリマーセメント系複
層仕上塗材)を塗布した200mm角のフレキシブルボ
ード <試験方法>前記2種類の試験体を、以下の方法で加熱
し、塗膜効果させた。 【0025】本発明に係る実施例:赤外線を含む波長域
の光の照射による16時間の加熱と、先端にノズルを取
り付けた配管から水道水を霧状に8時間噴霧とを1サイ
クルとして、これを3回(72時間)繰り返した。 【0026】比較例1:70℃に温度制御した空気循環
式乾燥機に入れて72時間、連続的に加熱した。 【0027】比較例2:熱電対で表面温度を70℃に制
御しながら、赤外線ランプで72時間、連続的に照射し
た。 【0028】<試験結果>試験体aについては、本発明
に係る実施例では、初期に小さな膨れが発生し、それら
の膨れが徐々に合体して比較的大きな膨れになった。こ
れに対し、比較例1では膨れは全く発生せず、比較例2
では小さな膨れが発生した。これにより、本発明に係る
複合劣化促進方法で実環境に近い劣化状態が再現される
ことが確認された。 【0029】−実験2:ルーフィングの耐久性試験− <試験体>試験体として、300mm×600mmの合
板にアスファルトルーフィングを敷き、その上から30
0mmピッチで2組4本の釘を打ったものを用意した。 【0030】<試験方法>前記試験体を以下の方法で劣
化させた。その後、各試験体の釘の部分にガラスの円筒
を立て、その中に50mmの高さまで水を入れて、合板
への漏水の有無を確認した。 【0031】本発明に係る実施例:プログラム式恒温恒
湿槽内で、温度80℃で20時間の加熱、次いで温度2
0℃・湿度95%で4時間の吸湿を1サイクルとし、こ
の加熱・吸湿を4サイクル繰り返す毎に、先端にノズル
を取り付けた配管から水道水をシャワー状に8時間散水
し、さらに熱電対で表面温度を80℃に制御しながら赤
外線ランプで16時間の照射を行った。これを、全体で
1200時間(加熱・吸湿40サイクル、散水・照射1
0サイクル)繰り返した。 【0032】比較例3:80℃に温度制御した空気循環
式乾燥機に入れて1200時間、連続的に加熱した。 【0033】比較例4:プログラム式恒温恒湿槽内で、
温度80℃で20時間の加熱、次いで温度マイナス20
℃で4時間の冷却を1サイクルとし、この加熱・冷却を
50回(計1200時間)繰り返した。 【0034】<試験結果>本発明に係る実施例では、ル
ーフィングのアスファルト分は酸化し、皺や波うちが発
生した。特に、散水・照射時時に皺や波うちが大きくな
った。そして、合板への漏水が認められた。 【0035】これに対し、比較例3では、アスファルト
分は酸化したが、皺や波うちは発生せず、合板への漏水
は全く認められなかった。また、比較例4では、アスフ
ァルト分は酸化し、ごく僅かの皺や波うちが発生した
が、合板への漏水は全く認められなかった。 【0036】実環境下では、10年以上を経過したほと
んどの施工箇所にてアスファルトルーフィングの皺や波
うち、及び下地材への漏水が発生している。これに鑑み
れば、本発明に係る複合劣化促進方法で実環境に近い劣
化状態が再現されることが確認された。 【0037】 【発明の効果】本発明の外装材の複合劣化促進方法は、
恒温恒湿槽内で、外装材の試験体に対して、赤外線を含
む波長域の光による加熱と、散水、噴霧、冷却等を一定
のサイクルで反復的に作用させるように構成されてい
る。そのため、アスファルトルーフィングや接着剤、樹
脂塗膜など、特に有機的材料を用いて組み合わされた外
装材について、より実環境に近い状態で、加熱、乾燥・
結露などによる複合劣化を促進させることができ、外装
材の性能試験の精度上昇に大きく寄与する。
に供される各種外装材の耐久性や耐候性を試験するため
に、人工的な環境下で外装材に複合的な劣化を生じさせ
る方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、建築物の外装部分は、化粧材
(表面材)や下地材、補強材など、異種類の素材を組み
合わせて構成されている。したがって、そのような外装
部分の耐久性や耐候性を正確に評価するためには、構成
材料個々の耐久性や耐候性だけでなく、それらの構成材
料を組み合わせた状態での複合的な劣化状態を正確に把
握する必要がある。 【0003】屋根構造を例にとると、例えば野地板等か
らなる下地材をアスファルトルーフィングで被覆し、そ
の上面に瓦桟木等を介して、各種素材からなる瓦その他
の屋根葺き材を釘やビスで固定する工法がある。このよ
うな工法からなる屋根構造においては、屋根葺き材を通
過する日射熱(赤外線)によってアスファルトルーフィ
ングが経時的に酸化劣化し収縮する。また、アスファル
トルーフィングを構成するフェルト等の芯材は、吸湿や
乾燥を繰り返すうちに皺や波うちを生じる。さらに、野
地板も吸湿や乾燥によって伸縮する。そして、これらが
複合的に進行することによって、釘やビスの周辺におけ
るシール性能が徐々に低下し、野地板に水が達するよう
になって漏水を招くこととなる。 【0004】それ以外にも、近年では、建築構法や建築
材料の工業化(プレファブ化)が進むことにより、あら
かじめ異種素材を組み合わせて工場生産された複合建材
も多用されている。外壁材を例にとると、例えば下地材
にあらかじめタイルを接着剤で貼着する工法がある。こ
のような工法に係る外壁構造においては、タイルが日射
により急激に熱せられ、表面から裏面へと徐々に温度が
上がる。その熱はさらに接着剤から下地材へと徐々に伝
わる。その間、タイルと下地材の膨張率が異なるため
に、接着剤には断続的に剪断力が作用する。このような
作用が正逆方向に何度も繰り返されると、接着剤の熱劣
化や加水分解などが生じ、接着力が次第に低下して、タ
イルの剥離を招く。 【0005】しかしながら現状では、前記のような複合
劣化を実環境に近い条件で人工的に進行させ、その状態
を検査する方法は確立していない。アスファルトルーフ
ィングについては、例えば「JIS・A・1436(建
築用被膜材料の下地不連続部における耐疲労性試験方
法)」に規定された試験方法があるが、この試験方法
は、所定の下地板に接着または塗布したシート状のアス
ファルトルーフィングからなる試験体を、所定温度に制
御した恒温槽内に定置し、その状態で試験体の面方向に
周期的な引張力を加える、というものである。したがっ
て、この試験方法では、アスファルトルーフィングに作
用する日射熱の影響や、吸湿・乾燥の繰り返しによる形
状の変化、釘やビスに対する密着性の低下など、現実的
な劣化状態を把握することができない。 【0006】また、タイル用接着剤については、「JI
S・A・5548(陶磁器質タイル用接着剤)」に規定
された性能規格がある。この規格には、タイル用接着剤
を介して接着した試験体について、温水浸漬、乾燥と水
中浸漬の繰り返し、乾燥と湿潤の繰り返し、などの条件
下で接着強さを測定する試験方法が規定されている。し
かし、これらの試験方法は試験体を接着面に垂直な方向
に引っ張るものであって、前記のようにタイルと下地材
との間で接着剤に断続的な剪断力が作用する状況とは負
荷の加わり方が異なる。また、日射による熱劣化や加水
分解などの影響を把握することもできない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題に鑑みてなされたもので、異種類の材料を組み合わ
せて構成される外装材の耐久性や耐候性を精度よく評価
するために、より実環境に近い条件で複合的な劣化を促
進させるための複合劣化促進方法を提供することを目的
とする。 【0008】なお、外装材の耐候性や耐久性を試験する
技術としては、本出願人らの出願に係る特開平10−0
48122号「加熱散水試験装置」がある。この試験装
置は、外装材の試験体に赤外線を均一に照射する加熱装
置と、試験体の表面に沿って水を流下させる散水装置と
を組み合わせたものである。この試験装置は、大型の試
験体を試験することができるが、装置自体が外気に開放
されているので、外気の温湿度の影響を受ける。そのた
め、試験体の温度を上げた状態で散水して急激な温度低
下を生じさせるような試験を行うことができない。そこ
で本発明は、このような不都合も解決しうるような複合
劣化促進方法を同時に提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の外装材の複合劣化促進方法は、異種類の材
料を組み合わせて構成される外装材の試験体を、任意の
温湿度を維持しうる恒温恒湿槽内に定置し、この恒温恒
湿槽内で前記外装材に対し、赤外線を含む波長域の光の
照射と、中性水、酸性水または塩水の散布または噴霧
を、所定のサイクルに基づいて連続的または断続的に実
施することを特徴とする。 【0010】すなわち、この発明は、赤外線を含む波長
域の光の照射によって、実環境下で外装材に作用する急
激な温度上昇や乾燥を試験体に作用させるとともに、各
種水の散布や噴霧によって雨水や結露の影響を近似的に
再現するものである。これによれば、熱風等による単純
な加熱を行う劣化促進方法に比べて、より実態に近い状
態で、外装材に作用する膨張・収縮、熱劣化、加水分解
等の進行を促すことができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。 【0012】図1は、本発明を実施するための複合劣化
促進装置1の基本構成を示す概念図である。この複合劣
化促進装置1は、散水装置2および照射装置3を組み込
んだ恒温恒湿槽4内に、外装材の試験体Tを定置できる
ように構成されている。 【0013】恒温恒湿槽4は、電源部5に接続された制
御装置6によって、槽内の温度および湿度を自由に変化
させ、かつ一定の温湿度状態を維持できるようになって
いる。 【0014】散水装置2は、中性水、酸性水、塩水な
ど、成分の異なる複数種類の水を別々に供給することの
できる給水部21を備える。それらの水は、定置される
試験体Tの上方に設けられたノズル部22から、試験体
Tに向けて雨滴状に散布されたり、あるいは槽内全体に
向けて噴霧される。 【0015】照射装置3は、試験体Tに正対する位置に
赤外線ランプを含む各種ランプ31を備え、電源部5か
ら供給される電力により、これらのランプ31から試験
体Tに向けて赤外線を含む波長域の光を照射する。 【0016】かかる複合劣化促進装置1を用いた外装材
の性能試験は、以下のようにして実施される。 【0017】例えば日射を想定した高温の環境(ブラッ
クパネル40〜100℃)で、試験体Tに対し一定時
間、赤外線を含む波長域の光を照射して、試験体Tを表
面から急激に加熱する。続いて、中性水または酸性水を
散布し、試験体Tを冷却しつつ湿潤させる。そして、再
び赤外線を含む波長域の光を照射し、その輻射熱によっ
て試験体Tを表面から加熱しながら乾燥させる。あるい
はまた、厳冬期を想定した低温の環境で、塩水を噴霧し
て結露を発生させた後、赤外線を含む波長域の光を照射
して徐々に乾燥させる。 【0018】このようなサイクルを一定回数、連続し
て、あるいは断続的に繰り返すことにより、実環境に近
い負荷を試験体Tに作用させることができる。特に、赤
外線を含む波長域の光の照射で「乾燥モード」を実行す
ることにより、単純な熱風乾燥に比べて、輻射熱で表面
から急激に加熱されるという実環境に近い加熱状態が得
られる。また、雰囲気温度と水温とを別々に制御して
「散水モード」を実行することにより、夏季の夕立のよ
うに、加熱されていた状態が表面から急激に冷却される
状態を再現することができる。 【0019】赤外線を含む波長域の光の照射、散水、噴
霧、冷却、乾燥、あるいはそれらの休止(放置)等の時
間配分については、試験体Tの組成や試験目的に応じて
適宜設定されればよい。また、紫外線による影響も含め
て調査するような場合は、赤外域から紫外域までの波長
の光を、一つまたは複数個のランプを用いて照射しても
よい。 【0020】このような複合劣化促進方法を採用するこ
とにより、単純な加温または熱風だけで試験体Tを乾燥
させていた従来のような試験方法に比べて、より実環境
に近い加熱・乾燥状態で試験体Tに劣化因子を作用させ
ることができる。こうして、前記した屋根構造における
アスファルトルーフィングの劣化や、タイル貼り外壁材
におけるタイル用接着剤の劣化を、より現実に近い状態
で、かつ短時間に進行させることができる。また、樹脂
塗膜によって被覆された各種外装材等についても、樹脂
塗膜の硬化過程で膜厚の不均一部分に生じる膨れなどを
再現することが容易になる。 【0021】なお、本発明の複合劣化促進方法は、建築
用外装材に限らず、自動車その他の各種機械装置等に利
用される塗装金属板や、ある程度の厚みがあって、表面
から内部、さらに裏面にかけて含水率や熱伝導率、熱収
縮率等が異なり、それにより複雑な寸法変化や物性変化
を示す材料全般に利用することができる。 【0022】 【実施例】本発明に係る複合劣化促進方法により実環境
に近い複合的な劣化状態が再現されることを、以下の2
種類の試験によって確認した。 【0023】−実験1:塗膜膨れ試験− <試験体>試験体として、以下の2種類を用意した。 【0024】試験体a:実環境で塗膜に比較的大きな膨
れが発生しやすい塗料として、弾性を有し塗膜の透湿抵
抗の高い塗料(JIS・A6909「建築用仕上塗材」
に規定された防水型合成樹脂エマルジョン系複層仕上塗
材)を塗布した200mm角のフレキシブルボード 試験体b:実環境で塗膜の膨れが発生しない塗料とし
て、塗膜の透湿抵抗の低い塗料(JIS・A6909
「建築用仕上塗材」に規定されたポリマーセメント系複
層仕上塗材)を塗布した200mm角のフレキシブルボ
ード <試験方法>前記2種類の試験体を、以下の方法で加熱
し、塗膜効果させた。 【0025】本発明に係る実施例:赤外線を含む波長域
の光の照射による16時間の加熱と、先端にノズルを取
り付けた配管から水道水を霧状に8時間噴霧とを1サイ
クルとして、これを3回(72時間)繰り返した。 【0026】比較例1:70℃に温度制御した空気循環
式乾燥機に入れて72時間、連続的に加熱した。 【0027】比較例2:熱電対で表面温度を70℃に制
御しながら、赤外線ランプで72時間、連続的に照射し
た。 【0028】<試験結果>試験体aについては、本発明
に係る実施例では、初期に小さな膨れが発生し、それら
の膨れが徐々に合体して比較的大きな膨れになった。こ
れに対し、比較例1では膨れは全く発生せず、比較例2
では小さな膨れが発生した。これにより、本発明に係る
複合劣化促進方法で実環境に近い劣化状態が再現される
ことが確認された。 【0029】−実験2:ルーフィングの耐久性試験− <試験体>試験体として、300mm×600mmの合
板にアスファルトルーフィングを敷き、その上から30
0mmピッチで2組4本の釘を打ったものを用意した。 【0030】<試験方法>前記試験体を以下の方法で劣
化させた。その後、各試験体の釘の部分にガラスの円筒
を立て、その中に50mmの高さまで水を入れて、合板
への漏水の有無を確認した。 【0031】本発明に係る実施例:プログラム式恒温恒
湿槽内で、温度80℃で20時間の加熱、次いで温度2
0℃・湿度95%で4時間の吸湿を1サイクルとし、こ
の加熱・吸湿を4サイクル繰り返す毎に、先端にノズル
を取り付けた配管から水道水をシャワー状に8時間散水
し、さらに熱電対で表面温度を80℃に制御しながら赤
外線ランプで16時間の照射を行った。これを、全体で
1200時間(加熱・吸湿40サイクル、散水・照射1
0サイクル)繰り返した。 【0032】比較例3:80℃に温度制御した空気循環
式乾燥機に入れて1200時間、連続的に加熱した。 【0033】比較例4:プログラム式恒温恒湿槽内で、
温度80℃で20時間の加熱、次いで温度マイナス20
℃で4時間の冷却を1サイクルとし、この加熱・冷却を
50回(計1200時間)繰り返した。 【0034】<試験結果>本発明に係る実施例では、ル
ーフィングのアスファルト分は酸化し、皺や波うちが発
生した。特に、散水・照射時時に皺や波うちが大きくな
った。そして、合板への漏水が認められた。 【0035】これに対し、比較例3では、アスファルト
分は酸化したが、皺や波うちは発生せず、合板への漏水
は全く認められなかった。また、比較例4では、アスフ
ァルト分は酸化し、ごく僅かの皺や波うちが発生した
が、合板への漏水は全く認められなかった。 【0036】実環境下では、10年以上を経過したほと
んどの施工箇所にてアスファルトルーフィングの皺や波
うち、及び下地材への漏水が発生している。これに鑑み
れば、本発明に係る複合劣化促進方法で実環境に近い劣
化状態が再現されることが確認された。 【0037】 【発明の効果】本発明の外装材の複合劣化促進方法は、
恒温恒湿槽内で、外装材の試験体に対して、赤外線を含
む波長域の光による加熱と、散水、噴霧、冷却等を一定
のサイクルで反復的に作用させるように構成されてい
る。そのため、アスファルトルーフィングや接着剤、樹
脂塗膜など、特に有機的材料を用いて組み合わされた外
装材について、より実環境に近い状態で、加熱、乾燥・
結露などによる複合劣化を促進させることができ、外装
材の性能試験の精度上昇に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための複合劣化促進装置の基
本構成を示す概念図である。 【符号の説明】 1 複合劣化促進装置 4 恒温恒湿槽 T 試験体
本構成を示す概念図である。 【符号の説明】 1 複合劣化促進装置 4 恒温恒湿槽 T 試験体
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 異種類の材料を組み合わせて構成される
外装材の試験体を、任意の温湿度を維持しうる恒温恒湿
槽内に定置し、この恒温恒湿槽内で前記外装材に対し、
赤外線を含む波長域の光の照射と、中性水、酸性水また
は塩水の散布または噴霧を、所定のサイクルに基づいて
連続的または断続的に実施することを特徴とする外装材
の複合劣化促進方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002083393A JP2003279468A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 外装材の複合劣化促進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002083393A JP2003279468A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 外装材の複合劣化促進方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003279468A true JP2003279468A (ja) | 2003-10-02 |
Family
ID=29231191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002083393A Pending JP2003279468A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 外装材の複合劣化促進方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003279468A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006317315A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Sekisui House Ltd | 耐候性試験方法及び耐候性試験装置 |
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2002
- 2002-03-25 JP JP2002083393A patent/JP2003279468A/ja active Pending
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