JP2003279469A - 複合劣化促進方法 - Google Patents

複合劣化促進方法

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JP2003279469A
JP2003279469A JP2002083394A JP2002083394A JP2003279469A JP 2003279469 A JP2003279469 A JP 2003279469A JP 2002083394 A JP2002083394 A JP 2002083394A JP 2002083394 A JP2002083394 A JP 2002083394A JP 2003279469 A JP2003279469 A JP 2003279469A
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Yoshihiro Tsujimoto
吉寛 辻本
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Sekisui House Ltd
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Sekisui House Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属板の総合的な性能を精度よく評価するため
に、より実環境に近い条件で、被膜の劣化と鋼板の腐食
を同時的かつ複合的に進行させることのできる複合劣化
促進方法を提供する。 【解決手段】本発明の複合劣化促進方法は、表面に被膜
を有してなる金属板の試験体Tを、任意の温湿度を維持
しうる恒温恒湿槽4内に定置し、この恒温恒湿槽4内で
前記試験体Tに対し、光線の照射と各種水の散布または
噴霧を所定のサイクルに基づいて連続的または断続的に
実施するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、塗装金属板や樹脂
被覆金属板など、表面に被膜を有する金属板の耐久性や
耐候性を試験するために、人工的な環境下で金属板に複
合的な劣化を生じさせる方法に関する。 【0002】 【従来の技術】建築用の外・内装材や自動車のボディ等
に用いられる金属板は、一般に、耐候性試験と耐食性試
験によってその性能が評価されている。 【0003】耐候性試験のための装置としては、カーボ
ンアークを光源とするサンシャインウェザーメーター、
キセノンランプを光源とするキセノンウェザーメータ
ー、メタルハライドランプを光源とするメタルハライド
ランプ試験機などがある。それらを用いて、試験体に対
し、連続照射、または連続照射と散水を繰り返す方法
(例えばJIS・D0205「自動車部品の耐候性試験
方法」)や、これに休止を組み合わせたり、結露を生ぜ
しめる方法が採用されている。 【0004】一方、耐食性試験のための装置としては、
JIS・Z2371「塩水噴霧試験方法」に規定され
た、塩水を連続的に噴霧する塩水噴霧装置がある。ま
た、JASO・M609−91「自動車用材料腐食試験
方法」に規定された、塩水噴霧・乾燥・湿潤を繰り返し
て行える複合サイクル試験装置がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】実際の屋外環境下で使
用される塗装金属板や樹脂被覆金属板などの金属板に
は、光線(可視光・紫外線・赤外線)や熱による被膜の
劣化と、水分、塩分、酸(酸性雨)および湿潤・乾燥の
繰り返しによる鋼板の腐食が、複合的かつ連続的に生じ
る。 【0006】にもかかわらず、前記従来のような試験方
法では、耐候性試験と耐食性試験とが別々に行われてい
る。一部の試験においては、耐候性試験および耐食性試
験をそれぞれ一定時間ずつ交互に行う方法が実施されて
いるが、この試験方法でも、塗膜の劣化と鋼板の腐食を
断続的に進行させているにすぎず、同時的かつ複合的な
劣化を進行させているとは言えない。また、試験体を耐
候性試験装置と耐食性試験装置との間で何度も移動させ
る必要があり、長期の試験期間と手間を要する。 【0007】本発明は前記のような問題に鑑みてなされ
たもので、金属板の総合的な性能を精度よく評価するた
めに、より実環境に近い条件で、被膜の劣化と鋼板の腐
食を同時的かつ複合的に進行させることのできる複合劣
化促進方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の複合劣化促進方法は、表面に被膜を有して
なる金属板の試験体を、任意の温湿度を維持しうる恒温
恒湿槽内に定置し、この恒温恒湿槽内で前記試験体に対
し、光線の照射と各種水の散布または噴霧を所定のサイ
クルに基づいて連続的または断続的に実施することを特
徴とする。 【0009】すなわち、この発明は、恒温恒湿槽内に定
置された試験体に対し、各種光線による加熱や乾燥と各
種水分による湿潤や結露とを同時的に作用させること
で、塗膜および鋼板を複合的に劣化させようとするもの
である。これにより、熱風等による単純な加熱のみを行
う従来の劣化促進方法に比べて、より実環境に近い状態
で、金属板に作用する膨張・収縮、熱劣化、加水分解等
の影響を再現することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。 【0011】図1は、本発明を実施するための複合劣化
促進装置1の基本構成を示す概念図である。この複合劣
化促進装置1は、散水装置2および照射装置3を組み込
んだ恒温恒湿槽4内に、金属板の試験体Tを定置できる
ように構成されている。 【0012】恒温恒湿槽4は、電源部5に接続された制
御装置6によって、槽内の温度および湿度を自由に変化
させ、かつ一定の温湿度状態を維持できるようになって
いる。 【0013】散水装置2は、中性水、酸性水(希硫酸、
希塩酸、蓚酸など)、塩水など、成分の異なる複数種類
の水を供給することのできる給水部21を備える。それ
らの水は、定置される試験体Tの上方に設けられたノズ
ル部22から試験体Tに向けて雨滴状に散布されたり、
あるいは槽内全体に向けて噴霧される。 【0014】照射装置3は、試験体Tに正対する位置に
紫外線や可視光を照射しうるランプ31を備え、これら
のランプ31から試験体Tに向けて各種光線を照射す
る。 【0015】かかる複合劣化促進装置1を用いた金属板
の性能試験は、以下のようにして実施される。 【0016】例えば日射を想定した高温の環境(ブラッ
クパネル40〜100℃)で、試験体Tに対し一定時
間、紫外線照射を行って、試験体Tを表面から急激に加
熱する。続いて、塩水や酸性水等を噴霧し、試験体Tを
冷却しつつ湿潤させる。そして、再び紫外線照射を行
い、その熱によって試験体Tを加熱しながら乾燥させ
る。あるいはまた、厳冬期を想定した低温の環境で、塩
水を噴霧して結露を発生させた後、紫外線照射を行って
徐々に乾燥させる。 【0017】このようなサイクルを一定回数、連続し
て、あるいは断続的に繰り返すことにより、実環境に近
い負荷を試験体Tに作用させることができる。紫外線照
射、散水、噴霧、冷却、乾燥、あるいはそれらの休止
(放置)等の時間配分については、試験体Tの組成や試
験目的に応じて適宜設定されればよいが、比較的短いタ
ームを選択することにより、短い試験時間で実際の劣化
パターンに近い劣化状態を再現することができる。ま
た、光線や水の種類も、試験体Tの組成や試験目的に応
じて選択的に組み合わせられればよい。 【0018】例えば10年相当の劣化を促進させるとし
たとき、従来の試験であれば、メタルハライドランプ照
射による耐候性試験100時間と、複合サイクル試験装
置による耐食性試験80時間(塩水噴霧2時間・熱風乾
燥4時間・湿潤2時間を10サイクル)とを1単位2年
分として、これを5単位分で900時間、さらに試験装
置間の入れ替え時間等を加味して合計で約1000時間
の試験時間が必要であった。これに対し、本発明の複合
劣化促進方法では、例えば塩水噴霧2時間、メタルハラ
イドランプ照射10時間、水噴霧による湿潤2時間、と
いうサイクル(14時間)を1単位とし、これを50回
(合計700時間)繰り返すことにより、前記と同量の
光線照射および塩水噴霧が実行されることとなる。こう
して、従来よりも短い試験時間で、しかも実環境に近い
劣化状態を再現することができる。 【0019】なお、この発明は、建築物の外装用金属板
や、表面に被膜を有する内装用の金属板、あるいは自動
車や家電製品、設備機器等に用いられる金属板等に対し
て広く利用することができる。 【0020】 【実施例】本発明に係る複合劣化促進方法により、実環
境に近い劣化状態が再現されることを以下の実験によっ
て確認した。 【0021】<試験体>試験体として、建築外装用の塩
化ビニル鋼板を使用した。 【0022】<試験方法>本発明に係る実施例として
は、実環境に近づけるために、塩水、紫外線、結露等の
劣化因子を短いタームで作用させた。具体的には、前記
塩化ビニル鋼板に、塩水噴霧2時間・メタルハライドラ
ンプ試験機による紫外線を含む光線の照射4時間・湿潤
2時間を1サイクルとして、これを25回(合計200
時間)繰り返した。 【0023】また、比較例1として、同じ塩化ビニル鋼
板に、塩水噴霧2時間・乾燥4時間・湿潤2時間を1サ
イクルとして、これを25回(合計200時間)繰り返
した。 【0024】また、比較例2として、同じ塩化ビニル鋼
板に、メタルハライドランプ試験機による紫外線を含む
光線の連続照射を500時間行った後、前記比較例1と
同じく、塩水噴霧2時間・乾燥4時間・湿潤2時間を1
サイクルとして、これを25回(合計200時間)繰り
返した。 【0025】<試験結果>本発明に係る実施例では、塩
化ビニル層の劣化(可塑剤の減少・収縮とクラックの発
生)と、鋼板端部の腐食(白錆から赤錆への変化)が徐
々に進行し、端部近傍から内側に向かって塩化ビニル層
の剥離が進行した。 【0026】これに対し比較例1では、塩化ビニル層は
全く劣化せず、鋼板端部が白錆から赤錆に変化しただけ
で、塩化ビニル層の剥離は生じなかった。 【0027】また比較例2では、前半のメタルハライド
ランプ試験機による光線の照射によって塩化ビニル層が
劣化し、端部近傍から一部剥離を生じたが、後半の塩水
噴霧・乾燥・湿潤試験では、鋼板端部が白錆から赤錆に
変化しただけで、塩化ビニル層の剥離はそれ以上進行し
なかった。 【0028】実環境下では、例えば屋根の登り棟の棟包
に使用される塩化ビニル鋼板の場合、経年によって塩化
ビニル層が固くなって収縮しようとし、端部近傍から徐
々に剥離する。そして、剥離した部分に海塩等が作用し
て腐食が進行し、それらが複合的に進行するという現象
が見られる。このような劣化状態が、前記実施例に係る
複合劣化促進方法によって再現されることが確認され
た。 【0029】 【発明の効果】本発明の複合劣化促進方法は、恒温恒湿
槽内に定置された金属板の試験体に対し、各種光線によ
る加熱や乾燥と各種水分による湿潤や結露とを同時的に
作用させるように構成されている。したがって、この複
合劣化促進方法によれば、より実環境に近い状態で、金
属板の塗膜および鋼板を複合的に劣化させることがで
き、金属板の性能試験の精度上昇に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を実施するための複合劣化促進装置の基
本構成を示す概念図である。 【符号の説明】 T 試験体 1 複合劣化促進装置 4 恒温恒湿槽

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 表面に被膜を有してなる金属板の試験体
    を、任意の温湿度を維持しうる恒温恒湿槽内に定置し、
    この恒温恒湿槽内で前記試験体に対し、光線の照射と各
    種水の散布または噴霧を所定のサイクルに基づいて連続
    的または断続的に実施することを特徴とする複合劣化促
    進方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007206017A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Railway Technical Res Inst 腐食試験装置及び腐食試験方法
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JP2018096733A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 日本電信電話株式会社 促進耐候性試験方法及び促進耐候性試験装置

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