JP2997627B2 - 外部用鉄骨耐火被覆積層構造 - Google Patents

外部用鉄骨耐火被覆積層構造

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JP2997627B2 JP6259553A JP25955394A JP2997627B2 JP 2997627 B2 JP2997627 B2 JP 2997627B2 JP 6259553 A JP6259553 A JP 6259553A JP 25955394 A JP25955394 A JP 25955394A JP 2997627 B2 JP2997627 B2 JP 2997627B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築物等の屋外部に露出
する鉄骨等の耐火被覆において、長期にわたって所期の
耐火性能を維持することのできる耐火被覆積層構造を提
供するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、鉄骨造等の建築物、構造物には
耐火被覆材を施工することが、法的に義務づけられてい
る場合がある。これは火災による高温状態において、建
築物、構造物の重量を支える鉄骨の強度が低下し、極端
な場合には挫屈してしまうのを防ぎ、最低限度の構造維
持をさせる為である。一方、昨今個性的な建築物等が設
計され、本来それら建築物の躯体内部において構造維持
の目的を達していた鉄骨を、躯体外部、特に屋外に露出
させる構造が見受けられるようになってきた。また、ビ
ルの高層化やインテリジェント化によって、屋上に機械
設置用鉄骨やヘリポート用鉄骨構造物等が設けられるこ
とが多くなってきた。このような屋外における鉄骨の耐
火被覆では、例えばラスモルタルこて塗り工法が多く使
用されている。このラスモルタルこて塗り工法は下地に
ラス金網を使用し、左官でモルタルやプラスターを塗る
工法である。どのような形状の下地に対しても施工で
き、施工ジョイントがなくきれいに仕上がるという特徴
を有している。また、この他にもロックウール吹き付け
後、アルミ等の金属パネルで囲う方法や、あまり化粧性
を要求しないプラント関係のパイプラック等の耐火被覆
には、撥水処理したケイ酸カルシウム板を取りつける工
法等も用いられている。ロックウール吹き付けは乾式ロ
ックウール、あるいは半乾式ロックウールと言われるも
ので、ロックウールを主体に一部アスベストを加えたも
のに、セメントを混合した材料を、ノズルから鉄骨面に
吹き付けるものである。このときポンプで送られた圧縮
空気により噴霧化された混合水が、ノズルの周囲から同
時に噴霧され、構成材料を包むように混合しながら施工
面に吹き付けられる。この工法は安価であり、吹き付け
機械等の装置も軽量であり取扱いやすいので施工実績が
多い。ケイ酸カルシウム板等の成形板を用いた工法は、
予め工場で生産された成形板を鉄骨梁、柱に接着剤にて
仮止めし、続いて釘やかすがいを使用して取りつける工
法である。これら耐火被覆工法以外に湿式耐火被覆材を
用いる工法も試みられている。例えばセメントなどの無
機質バインダーに、ロックウール、アスベスト、ガラス
繊維などの無機質繊維状物質、パーライト、バーミキュ
ライトなどの軽量骨材を水と混練し、ペースト状或いは
スラリー状になった混合組成物を基材表面に吹き付けや
こて塗りにて厚付けする湿式ロックウールや結晶水を含
有する無機質粉体、例えば水酸化アルミニウムなどを、
セメントなどの無機質バインダー、ガラス繊維などの無
機質繊維状物質、パーライト、バーミキュライトなどの
軽量骨材、水と混練したセラミック系耐火被覆材等であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モルタ
ルによる施工は1時間耐火性能(標準加熱曲線にて1時
間加熱した場合、鋼材温度が平均で350℃以下、最高
温度で450℃以下であること)が40mmと厚いため
一度に厚塗りができず、数回の塗り重ねのたびに2週間
程度の養生期間が必要であることから、施工に非常に手
間および工期がかかった。また、モルタル自身にクラッ
クが入りやすく、クラック部から雨水が内部へ侵入する
ことによってラス金網や鉄骨の錆を誘発し、長期的には
モルタルが脱落する危険性があった。さらに単位面積当
たりの重量も大きく躯体への負担が過剰となり、構造上
その分の重量を考慮した設計が必要な場合もあった。一
方、ロックウール吹き付け後、アルミ等の金属パネルで
囲う方法では、金属パネルの施工までの降雨によって、
耐水性に劣るロックウール耐火被覆材に悪影響を与え、
剥離や削れのおそれが常につきまとっていた。一方、金
属パネルの加工も高価かつ手間がかかり、特に複雑な取
り合い部の処理が困難であった。すなわち取り合い部の
シーリングが不十分になりやすく、施工後においても金
属パネル裏面への漏水の危険性があり、その場合には降
雨と同様に内部ロックウール耐火被覆層が剥離脱落する
という問題がある。さらに撥水処理したケイ酸カルシウ
ム板を使用する場合にも、板材であるためパネル同様
に、複雑な取り合い部への施工は難しく、目地のシーリ
ング処理にも手間がかかった。また、長期的には撥水性
能の低下により材料への吸水が進行し、凍結による材料
破壊を生じる可能性が高かった。つぎに、湿式耐火被覆
材単独での使用においては例えば湿式のロックウールで
は材料の強度が不足しているため、降雨によって表面が
削られたり、材料内部への水の侵入によって鉄骨やラス
が錆びる可能性が高い。セラミック系耐火被覆材におい
てはロックウールに比べ強度が高くなっていることか
ら、降雨による影響は短期間に発生することは少ない
が、長期的にはロックウール同様に表面の削れや、ラス
の錆を発生する。以上のような問題点を解決し、長期に
わたって所期の耐火性能を有する外部用鉄骨耐火被覆構
造を提供することが本発明の解決しようとする課題であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような問題点を解決
するために、本発明者らは鋭意研究の結果、従来の外部
で使用する耐火被覆材での問題は、降雨等による水分の
侵入の問題に集約できるものと推察し、まず耐火被覆
材に防水処理を施すことにより、外部からの水分侵入を
防止すること、次に予め耐火被覆材中に含有している
水分により、先の防水材が押上げられ膨れる問題が生じ
ないように、耐火被覆材が内部の水分を拡散できる通気
性を有し、かつ鉄骨の取り合い等の複雑な部位にも施工
容易な湿式材料であること等の方法に想到し本発明を完
成した。すなわち、本発明は図1に示した概念図のよう
な構成であるが、その具体的な態様としては、 1.鉄骨表面に、(1) ラス金網、(2) 乾燥時の通気性が
10〜10000 (l/m2 min・100 mmHg・20mm) の湿
式耐火被覆材層、(3) 防水層を順次積層したことを特徴
とする外部用鉄骨耐火被覆積層構造。 2.鉄骨表面に、(1) ラス金網、(2) 乾燥時の通気性が
10〜10000 (l/m2 min・100 mmHg・20mm) の湿
式耐火被覆材層、(3) 下塗層、(4) 防水層を順次積層し
たことを特徴とする外部用鉄骨耐火被覆積層構造。 3.防水層の引張強度が50N/cm2 以上、塗膜の伸び
率が50%以上、透水量が0.5ml/24h以下であるこ
とを特徴とする1.または2.に記載の外部用鉄骨耐火
被覆積層構造。 4.湿式耐火被覆材が、セメント、水酸化アルミニウ
ム、軽量骨材、充填材を主要組成とする湿式耐火被覆材
であることを特徴とする1.から3.の何れかに記載の
外部用鉄骨耐火被覆積層構造。 5.防水層の表面に仕上層をさらに積層することを特徴
とする1.から4.の何れかに記載の外部用鉄骨耐火被
覆積層構造。があげられる。
【0005】本発明において使用される鉄骨は、一般の
構造物に適用される構造用鋼材、例えば、JIS G 3101
一般構造用圧延鋼材、JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼
材、JIS G 3114 溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材、JIS
G 3350 一般構造用軽量形鋼、JIS G 3353 一般構造用
溶接軽量H形鋼、JIS G 3444 一般構造用炭素鋼鋼管、
JIS G 3466 一般構造用角形鋼管、JIS G 5201 溶接構
造用遠心力鋳造管、耐火鋼、JIS G 3601 ステンレスク
ラッド鋼等のものであり、さらにその表面に防錆層を有
するものが望ましい。このような防錆層としては鉄骨の
錆を防止するための錆止めペイントを塗付して形成する
ものであり、JIS K 5621の一般用さび止めペイント、JI
S K 5622の鉛丹さび止めペイント、JIS K 5623の亜酸化
鉛さび止めペイント、JIS K 5624の塩基性クロム酸鉛さ
び止めペイント、JIS K 5625のシアナミド鉛さび止めペ
イント、JIS K 5627ジンククロメートさび止めペイン
ト、JIS K 5628鉛丹ジンククロメートさび止めペイント
等があげられる。
【0006】ラス金網とは、防火建築に最も相応しい左
官モルタル下地材であり、一般にメタルラスとワイヤー
ラスがあげられる。メタルラスとは薄鋼板に一定間隔の
切れ目を入れて引き伸ばして網としたエキスパンデッド
ラスのことであり、その形状により平ラス、コブラス、
波型ラス、リブラスがあるが、本発明ではリブラスが望
ましい。また、ワイヤーラスとは針金を編んで作った金
網である。編み方により菱形、甲型、丸型などがある。
また、本発明のラス金網にはエキスパンドメタルも使用
できる。これらラス金網を鉄骨に取りつける際は、予め
鉄骨に鉄筋を溶接し、その鉄筋に針金で取りつける方法
が一般的であるが、鉄骨の大きさがさほど大きくない場
合には、ラス金網を鉄骨に巻き付けて、その後にさらに
針金を巻いて取りつける方法も可能である。
【0007】湿式耐火被覆材としては、従来から使用さ
れているものであれば特に限定はされないが、乾燥時の
通気性が上述した範囲であり、かつ耐火被覆材層の強度
や耐火性能を考慮すると、セメント、水酸化アルミニウ
ム、軽量骨材、充填材を主要組成とするものが望まし
い。特に、(a) セメント、(b) 再乳化型粉末合成樹脂お
よび/または合成樹脂エマルション、(c) 軽量骨材、
(d) 水酸化アルミニウムを主要組成とし、(a) 100重
量部に対して、(b) 3〜50重量部(固形分)、(c) 2
0〜300重量部、(d)50〜600重量部からなるも
のは、強度、耐火性能、通気性から最も望ましい。この
湿式耐火被覆材の乾燥時の通気性は10〜10000
(l/m2 min・100 mmHg・20mm) の範囲であるが、10
(l/m2 min・100 mmHg・20mm) より小さいときは、鉄
骨の取り合い部分等から水が侵入し、耐火被覆材に含浸
している場合において、直射日光等による急激な温度上
昇により水蒸気が発生し、その水蒸気によって下塗層ま
たは防水層が押上げられ膨れてしまう。また、耐火被覆
材の緻密性が高く強度が大きいため、収縮が大きくなり
耐火被覆材そのものにクラック発生の可能性がある。1
0000 (l/m2 min・100mmHg・20mm) より大きいと
きは、耐火被覆材の強度が低下し、塗膜本来の付着強度
が保持できず下塗層または防水層が剥離する。乾燥時の
通気性の測定方法は図2に示した通気性測定装置を使用
して、エアポンプから段階的に圧力を上昇させながら空
気を送り、その際の試験体を通過する空気の量を流量計
により測定して得られた圧力と流量のデータから求めら
れる一次曲線より、単位面積(m2) 、単位時間(min) 、
一定圧力(100mm Hg)、一定厚み(20mm)に換算して
表したものである。尚、鉄骨の取り合い等の複雑な部位
以外の場合は、このような湿式耐火被覆材を予め成形加
工したものを取り付ける方法によれば、吹き付けの手間
が省けてより効率的になる。
【0008】防水層としては、湿式耐火被覆材に密着す
ると共に外部からの水の侵入を防ぎ、湿式耐火被覆材の
耐久性を当初のレベルで確保するものであれば特に限定
されない。このようなものには、シート防水、塗膜防水
がある。シート防水とは、塩化ビニルや加硫ゴム等の防
水シートを下塗材(接着材)を介して躯体に接着させる
防水工法であり、塗膜防水とは、液状のゴムや樹脂を塗
料化して、ローラーや吹き付けにより躯体に塗付して形
成される防水塗膜による防水工法である。耐火被覆材と
して、鉄骨の取り合い等の複雑な部位にも施工容易であ
るという長所を活かして、湿式を使用しているので、防
水層としても複雑な部位への施工が容易な塗膜防水が望
ましい。このような防水層は、その防水層の20℃、標
準状態における引張強度が50N/cm2 以上、塗膜の伸
び率が50%以上、透水量が0.5ml/24h以下の場合
において、本発明の効果としての、耐火被覆材の外部で
の長期にわたる性能維持をより顕著に得ることができ
る。上述の物性を有する防水層としては、望ましくはJI
S A 6021 屋根用塗膜防水材や、JIS A 6910 複層仕上
塗材防水形主材に該当するもの等があげられる。防水層
の引張強度、塗膜の伸び率は、JIS K 5400 8.8「引張強
さと伸び率」の規定に基づいて、また透水量は、JIS K
5400 8.16 「透水度」の規定に基づいて測定する。尚、
防水層がシート防水の場合や塗膜防水においても、耐火
被覆材との密着性が劣る場合には、耐火被覆材に下塗材
(接着材)を塗布した後に防水層を施す必要がある。こ
のような下塗層としては、アクリル、ウレタン、エポキ
シ系等の各種接着材、アクリル、ウレタン、エポキシ、
塩素化ポリオレフィン系等の溶剤系シーラーや、水性系
シーラー、エマルションとセメントからなるポリマーセ
メント、弾性ポリマーセメント等が使用できる。
【0009】本発明の外部用鉄骨耐火被覆積層構造は、
上記のような構成によってその効果を得ることができる
が、防水層の外観と耐久性をより向上させるために、さ
らに防水層表面に仕上層を設けることが望ましい。この
ような仕上層としては、弾性を有する防水層に密着可能
であれば特に限定されないが、例えば、JIS K 5654「ア
クリル樹脂エナメル」、JIS K 5656「建築用ポリウレタ
ン樹脂塗料」、JIS K5658「建築用ふっ素樹脂塗料」、J
IS K 5660「つや有合成樹脂エマルションペイント、JIS
K 5663「合成樹脂エマルションペイント」、JIS K 566
7「多彩模様塗料」、JIS K 5668「合成樹脂エマルショ
ン模様塗料」、アクリル変性シリコン塗料、水性アクリ
ル変性シリコン塗料等があげられるが、防水層表面への
塗布のため、ある程度の弾性を有していることが望まし
い。
【0010】
【実施例】
(実施例1) <通気性試験方法>表1に記載の配合例に混練用の水を
加えて湿式耐火被覆材スラリーを調整したこれを型枠に
流し込んで、硬化、脱型し、相対する二辺の距離が60
mmとなるような厚み20mmの八角形の基板を作製した。
この基板の表裏面に50mmφの非塗布面を残して、他の
部分をエポキシ樹脂系接着剤を使用して被覆して硬化さ
せた。その後、エポキシ樹脂接着剤面をサンドペーパー
にて研磨して図3のようなアタッチメントmにシール用
パッキンnと共に挟持した後、図2に示すような通気性
測定装置にセットした。通気性測定装置はエアポンプh
から、圧力調整弁iを介して、圧力計jで圧力を測定さ
れた空気が圧送され、試験体装着部へと導入されてい
る。一方、試験体装着部から排出された空気は流量計k
に導かれ、1分間の流量がリットル単位で測定される。
試験体装着部は図4のようになっており、先のように基
板にエポキシ樹脂系接着剤を使用して被覆した以外の部
分(50mmφ)を空気が通過するようになっている。こ
のようにして測定した圧力と流量のデータから求められ
る一次曲線より、単位面積(m2 )、単位時間(min
)、一定圧力(100mm Hg)、一定厚み(20mm)に換
算したところ乾燥時の通気性は6454 (l/m2 min・10
0 mmHg・20mm) であった。 <圧縮強度>次に、前記湿式耐火被覆材スラリーを型枠
に流し込んで、硬化、脱型し、断面40×40×160
mmの角柱を作製し、これを使用してJIS A 1172「ポリマ
ーセメントモルタルの強さ試験方法」に基づいて圧縮強
度を測定したところ67N/cm2 であった。 <嵩密度>圧縮強度測定の際に作製した角柱の重量を測
定して、嵩密度を算出したところ0.51g/cm3
あった。 <塗膜の膨れ>次に、前記湿式耐火被覆材スラリーを型
枠に流し込んで、硬化、脱型し、300×300×20
mmの基板を作製した。この基板を充分に乾燥した後
に、図5のように下塗層eとして塩化ゴム系シーラー
(エスケー化研株式会社製「レナエクセレント下塗
材」)を塗布量0.20kg/m2 で塗布した。下塗層
の乾燥後に、防水層fとしてアクリルゴム系屋根用塗膜
防水材(エスケー化研株式会社製「レナエクセレント
A」)を塗布量2.4kg/m2 にて塗布乾燥し、さら
に仕上層gとして溶剤形二液反応タイプ弾性ウレタンエ
ナメル(エスケー化研株式会社製「弾性ウレタンカラ
ー」)を塗布した。塗装後14日間養生(20℃、65
%RH)したものを、7日間水浸漬し試験体とした。こ
の試験体の塗膜面を、図5のようにセラミックヒーター
oにて加熱し、最大70℃にして6時間保持し、その後
塗膜の膨れを目視にて確認した。 <耐候性>次に、1000×400×5mmの鉄板に9
mmφの鉄筋を溶接し、さらにその鉄筋にリブラスを針
金にて取りつける。該リブラスに前記湿式耐火被覆材ス
ラリーをコテにて厚み20mmで塗りつける。このよう
にして作製した試験体を屋外に1年間暴露し、クラック
の発生の有無を確認したところ、クラックの発生はみら
れなかった。 (実施例2〜比較例2)表1に記載した配合例によって
作製した耐火被覆材を使用した以外は、実施例1と同様
にして、各試験をおこなった。結果を表2に示した。
【表1】
【表2】
【0011】
【発明の効果】本発明によって、鉄骨耐火被覆を外部で
使用しても長期にわたってその性能を維持することが可
能になった。特に湿式の耐火被覆材を使用するため、複
雑な取り合い部への施工が容易である点が優れている。
また、本発明では使用する湿式耐火被覆材として軽量骨
材、水酸化アルミニウム、充填材等からなる場合は、モ
ルタルに比較して単位面積当たりの重量も軽く、1時間
耐火性能が20mmと薄いため耐火被覆材の施工が早
い。さらに、耐火被覆材が特定の通気性を有しているた
め、もし鉄骨の取り合い部分等の他の部位から水分が侵
入し、耐火被覆材が含水することになっても、耐火被覆
材中に含有する水分を拡散することができる。一方、防
水層は弾性を有していることから、鉄骨及び耐火被覆材
の振動やたわみ、熱による膨張収縮にも追従することが
でき、外部からの雨水の侵入を起因とする仕上げ層の膨
れや凍害による耐火被覆材料の破壊を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】外部用鉄骨耐火被覆積層構造の概念断面図であ
る。
【図2】通気性測定装置の概要図である。
【図3】通気性測定装置において試験体を挟持するアタ
ッチメントの平面図である。
【図4】通気性測定装置における試験体装着部の断面図
である。
【図5】含水した耐火被覆材での塗膜の膨れの試験体と
試験方法を示す説明図である。
【符号の説明】
a 鉄骨 b 鉄筋 c リブラス d 耐火被覆材層 e 下塗層 f 防水層 g 仕上層 h エアポンプ i 圧力調整弁 j 圧力計 k 流量計 m アタッチメント n シール用パッキン o セラミックヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/94

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄骨表面に、1.ラス金網、2.乾燥時の
    通気性が10〜10000 (l/m2 min・100 mmHg・20
    mm) の湿式耐火被覆材層、3.防水層を順次積層したこ
    とを特徴とする外部用鉄骨耐火被覆積層構造。
  2. 【請求項2】鉄骨表面に、1.ラス金網、2.乾燥時の
    通気性が10〜10000 (l/m2 min・100 mmHg・20
    mm)の湿式耐火被覆材層、3.下塗層、4.防水層を順
    次積層したことを特徴とする外部用鉄骨耐火被覆積層構
    造。
  3. 【請求項3】防水層の引張強度が50N/cm2 以上、塗
    膜の伸び率が50%以上、透水量が0.5ml/24h以下
    (何れも20℃、標準状態)であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の外部用鉄骨耐火被覆積層
    構造。
  4. 【請求項4】湿式耐火被覆材が、セメント、水酸化アル
    ミニウム、軽量骨材、充填材を主要組成とする湿式耐火
    被覆材であることを特徴とする請求項1から請求項3の
    何れかに記載の外部用鉄骨耐火被覆積層構造。
  5. 【請求項5】防水層の表面に仕上層をさらに積層するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の
    外部用鉄骨耐火被覆積層構造。
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「建築耐火講法」第197〜204頁、1973年8月30日、株式会社工業調査会 発行

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