JP3032401U - 裏目地防水構造 - Google Patents
裏目地防水構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 勾配付き防水シート及び工場生産する防水被
覆層を6面に有する不燃無機質防水板を裏面に水勾配を
付け表面の周囲2方向に凹溝を形成したプラスチック発
泡板材に貼着した断熱防水板を使用し、現場作業が容易
にできる建造物の裏目地防水構造を目的とする。 【構成】 床面に勾配の付いた防水シートを貼着しさら
に合成繊維不織布を積層してその上面に表面の周囲2方
向に凹溝を形成したプラスチック発泡板材の表面に無機
質平板の表裏面及び端面の6面に不燃防水被膜層を形成
した不燃無機質防水板の横及び縦方向の端部をプラスチ
ック発泡板材に形成されている凹溝の中央に位置させた
断熱防水板を作製し、この凹溝にシーリング材を充填し
て他の断熱防水板を突き合わせ接合する。
覆層を6面に有する不燃無機質防水板を裏面に水勾配を
付け表面の周囲2方向に凹溝を形成したプラスチック発
泡板材に貼着した断熱防水板を使用し、現場作業が容易
にできる建造物の裏目地防水構造を目的とする。 【構成】 床面に勾配の付いた防水シートを貼着しさら
に合成繊維不織布を積層してその上面に表面の周囲2方
向に凹溝を形成したプラスチック発泡板材の表面に無機
質平板の表裏面及び端面の6面に不燃防水被膜層を形成
した不燃無機質防水板の横及び縦方向の端部をプラスチ
ック発泡板材に形成されている凹溝の中央に位置させた
断熱防水板を作製し、この凹溝にシーリング材を充填し
て他の断熱防水板を突き合わせ接合する。
Description
【0001】
本考案は建造物の防水工法に係るものにして、建物の屋根、屋上、バルコニー 、外壁、駐車場・地下道・プール・厨房・浴室・玄関などの床、内外装の防水工 事を行なうに際し、特に防火性、施工性に優れた防水構造を提洪するものである 。
【0002】
従来建造物の防水工事の方法として金属板やシートを敷きつめるシート防水工 法、アスフアルト系の材料を用いて防水層をつくるアスフアルト防水工法、モル タルを塗布するモルタル防水工法、合成樹脂製の防水材料を塗って防水塗膜を形 成する塗膜防水工法などがある。
【0003】 上記いずれの方法による場合でも、風雨や温度変化による膨張収縮を繰り返す ことによる経年劣化によりクラックが発生する。クラックの発生により漏水を生 ずると共に水路が形成され漏水が拡大する因子となる。しかもこのクラック箇所 は容易に発見することができず漏水箇所の補修を行なうことは非常に困難であっ た。
【0004】 さらに従来の防水工法は被防水施工面を完全に被覆するため、被防水施工面内 から発生する空気、水分等の影響によつて剥離したり浮きが生じたりすることが あった。このため脱気塔を設けて脱気、脱水をしなければならないという問題が あった。
【0005】 防水工事は作業員の熟練の程度に負うところが大きく、未熟練作業員において は、その施工の良悪の差が著るしく生ずるものである。また屋外工事が多いため 天候に左右され雨天時は作業ができないという問題もあった。
【0006】 防火地域等に建設する建物に対しては建物各部位に対する規制があり、不燃材 の使用が義務付けられている。可燃材質による防水塗膜層ではなく不燃材による 防水構造が強く望まれていたのである。又防水構造の目地は、すべて外目地であ り直接外部に接するものであるため、耐候性が悪く劣化したり、きずによって剥 離するなどの問題が生じていたのである。
【0007】
本考案はこのような問題点を解決するために成されたもので現場における水切 り勾配をきわめて容易に行なえると共に工場生産された不燃防水被膜層を6面に 有する不燃無機質防水板を表面の周囲2方向に凹溝を形成したプラスチック発泡 板材に貼着した防水板を使用することによって現場作業がきわめて容易で、作業 員の熟練度の差異による仕上がりの良悪の心配がなくなり、雨上がり直後におい てもただちに施工を行なうことができ、手待ち時間の無だを省きさらに塗膜のク ラックに起因する漏水を完全に防止すると共に目地に充填するシーリング材を外 部に露出させず裏目地とすることによって内部に形成し耐候性、耐久性を向上さ せることを目的としている。
【0008】
上記目的を達成するため本考案に係る裏目地防水構造は、バルコニーや屋上の 床面に付いた防水シートを貼着し、その上面に合成繊維不織布を積層して、断熱 防水板を合成繊維不織布の上面に貼着する。この断熱防水板は表面の周囲2方向 に凹溝を形成したプラスチック発泡板材の表面に無機質平板の表裏面及び端部の 6面に不燃防水被膜層を形成した不燃無機質防水板の横及び縦方向の端部をプラ スチック発泡板材に形成されている凹溝のほぼ中央に位置させ、他の2辺である 横及び縦方向の端部をプラスチック発泡板材の端部より30〜50mm程度外側 となるように貼着して断熱防水板を作製する。この断熱防水板の2方向にある凹 溝にシーリング材を充填して、この断熱防水板に接合すべき他の断熱防水板のプ ラスチック発泡板材の端部より30〜50mm程度外側に貼着されている不燃無 機質防水板の端部を凹溝のシーリング材充填部の上に位置させ突き合わせ接合す る。
【0009】 プラスチック発泡板材の縦横寸法は、不燃無機質防水板より5〜15mm程度 小さめにすることによって断熱防水板の突き合わせ接合を行なう際の逃げをとる ことができる。
【0010】
上記の如き構造で勾配の付いた防水シートに合成繊維不織布を積層しあらかじ め任意寸法の矩形形状無機質平板の6面に防水被膜層を形成せしめた不燃無機質 防水板を表面の周囲2方向に凹溝を形成したプラスチック発泡板材に貼着した断 熱防水板を工場生産することによって、未熟者においても取り付け用止め金具ま たは接着剤を用いて容易に基盤目状に貼設し、不燃無機質防水板間の隙間を裏目 地としシーリング材でシールし、シール材上面で接合し防水塗膜層を形成せしめ ることができる。
【0011】 防水施工面が雨天あるいは雨天直後であっても乾燥待ちなどの時間的ロスもな くただちに施工しても防水施工面に含まれる水分あるいは雨による浸透水等は防 水施工面に貼着された勾配の付いた防水シートに接するが上面にある合成繊維不 織布は空気は通すが水は通さず不燃無機質防水板の裏面は防水被膜層があるため 不燃無機質防水板を通して上昇することはなく、浸透水等は被防水施工面の内部 面から徐々に自然放散する。
【0012】 上記により防水施工後建造物の防水施工面は本考案に係る6面に防水被膜層を 有する不燃無機質防水板および裏目地に充填されたシーリング材及び合成繊維不 織布によって雨水あるいは降水などから完全に遮断することができる。
【0013】 不燃無機質防水板の裏面および端面の防水被膜層及び裏目地に充填させたシー リング材は外部に露出していないため太陽光の紫外線、近赤外線等による性能劣 化を防止することができ、耐候性は高く経年変化が生じ難い。
【0014】 シーリング材の上面は不燃無機質防水板であるためシーリング材は外部に露出 していない。このためシーリング材の耐水性、耐候性は向上しシーリング材の劣 化を防止することができる。不燃無機質防水板を接合する際不燃無機質防水板間 の微小な隙間にもシーリング材は充填され、シーリング材の防水効果および耐久 性を一層向上させる。
【0015】 不燃無機質防水板の単位寸法は施工上ハンドリング容易な程度の大きさであり 、単位塗布面積が小さいため温度変化による膨張収縮によってクラックが生じる ことはない。さらに防水施工面の伸縮等に対してもフレキシブルに追従すること ができ重荷重や地震荷重等の衝撃に対しても強靭な耐力を有する。このため本考 案に成る裏目地防水構造はほとんど経年変化を受けることなく非常に耐久性の高 いものである。
【0016】 本考案に成る防水構造は不燃材の無機質平板に基材同等の不燃防水材を塗布す ることにより全体として不燃材と認定され防火地域あるいは準防火地域における 建物各部位に対する不燃材使用を義務付けた規制に対してすべて適応できるもの であり、建造物の防水構造として最適の方法で耐火建造物へも使用することがで きる。
【0017】 建造物の床面など防水施工面に勾配の付いた防水シートを貼着しその上面に合 成繊維不織布を積層するのは接着剤を用いるのであり、又その上面に適宜寸法で 断熱防水板を基盤目状に貼着する場合、軽微な建造物の場合はそのまま接着剤を 用いて敷設する。又フラットなコンクリート面などの場合も接着剤を用いて貼着 するのが一般的である。下地が木造の場合接着剤で貼着し釘又はネジ等で固着し この面に不燃防水被膜層を形成することもある。
【0018】 無機質平板はスラグ石膏ボード・珪酸カルシウム板・石膏ボード・フレキシブ ルボード・石綿セメントパーライト板・パルプセメント板・ALC・PC板・ブ ロック・セラミック板・GRCパネル・押出しセメント板等が用いられる。矩形 形状無機質板の寸法は特に限定されるものではないが、ハンドリング並びに施工 のし易い寸法であれば良く、縦横寸法共400〜1000mm程度で厚みは6〜 30mmの範囲が好ましい。
【0019】 無機質平板の6面に形成せしめる防水被膜層はアスファルト系の材料を用いた 防水層・合成ゴムや合成樹脂製のシートを用いた防水層・合成樹脂製の液状材料 を補強布およびメッシュなどを張り付けながら塗布または吹き付けてつくる防水 層のいずれでもよい。しかし建築基準法に基ずく防火材料としての建築用仕上塗 材でなければならず建設省で認定された基材同等不燃防水材でなければならない 。基材同等不燃防水材を不燃材である無機質平板の6面に塗布することによって 不燃無機質防水板を形成することができるのである。
【0020】 ここで用いられる接着剤は弾性を有するものであってエポキシ変性ゴム系ラテ ツクス型、ゴム系ラテツクス型、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型、ビニル共重 合系エマルジョン型などが使用できる。好ましくはエポキシ変性ゴム系ラテツク ス型である。
【0021】 表面の周囲2方向に凹溝を形成したプラスチック発泡板材は押出形成又はビー ズ成形できるものであれば特にプラスチックの種類を問わないがより好ましくは ポリスチレン、塩化ビニール、ポリウレタン、フェノール、ポリイソシアヌレー ト等である。プラスチック発泡板材の厚みは10〜50mmの範囲であるがより 好ましくは15〜40mmである。表面の周囲2方向に形成する凹溝はプラスチ ック発泡板材の端部10〜30mmから幅10〜30mmでその深さは5〜15 mmの範囲とする。
【0022】 合成繊維不織布はブチルゴム系、塩ビ樹脂系、E.V.A系、ゴムアスファル ト系、E.P.Tブチルゴム系、ナイロン系などいずれも使用することができる 。
【0023】 勾配の付いた防水シートの勾配は1/100〜1/200程度でシートの縦又 は横の一方向、対角線方向、シートの中心から両方向等防水施工面の形状に応じ 任意に作製することができる。シートの厚みは0.1〜30mmの範囲である。 その板質は軟質合成樹脂系、ゴム系などが使用できる。
【0024】 6面に防水被膜の形成された無機質平板間の目地をシールするシーリング材は シリコーン系シーリング材1成分形あるいは/または2成分形、変性シリコーン 系シーリング材1成分形あるいは/または2成分形、変性シリコーン系シーリン グ材2成分形が好適である。より好ましくは変性シリコーン系シーリング材2成 分形である。
【0025】 プラスチック発泡体の凹溝の中心から片側に不燃無機質防水板を貼着した状態 で凹溝に充分シーリング材を充填する。充填された凹溝の他の側の上に接合すべ き他の断熱防水板に貼着された不燃無機質防水板を載置し締め付けると余剰のシ ーリング材は不燃無機質防水板間の突き合わせ接合部の僅かな隙間をも充填し、 さらに不燃無機質防水板の上に多少流出した部分はふき取るのみで充分であるが 、この上面に基材同等不燃防水塗材を塗布し防水被膜層を形成させてもよい。
【0026】
以下本考案に係る防水構造の実施例について図面に基ずいて説明する。
【0027】 合成床下地面に1/200の勾配を付けたゴムアスファルト系防水シートを貼 着し、その上面に0.16mm厚の合成繊維不織布(旭・デュポン製「タイベッ ク」)を積層した。さらにこの上面に断熱防水板を貼着した。貼着に用いた接着 剤はいずれもエポキシ変性ゴムラテックス型である。
【0028】 貼着した断熱防水板は30mm厚のポリスチレン発泡板材の表面に11mm厚 みのスラグ石膏板の表裏面および端面の6面を合成ゴムアクリル樹脂エマルジョ ンからなる基材同等不燃防水材(東洋エクステリア(株)製「リボールマイティ 」)で塗布し被覆した不燃無機質防水板を貼着して断熱防水板を作製した。不燃 無機質防水板の寸法は900×900×11mmでポリスチレン発泡板材は89 0×890×30mmで不燃無機質防水板に比較して縦横共に10mmずつ寸法 を小さくした。
【0029】 プラスチック発泡板材の縦横2面の端都から30mmを中心線とし幅20mm 、深さ10mmの凹溝を形成した。不燃無機質防水板2面の端部をこの凹溝の中 心線上となるように貼着した。図1はこの斜視図である。この縦横2面では不燃 無機質防水板の端面からプラスチック発泡板材の端面迄の寸法は30mmである 。一方不燃無機質防水板の他の縦横2面の端面はプラスチック発泡板材の外側に 40mmの位置である。即ち不燃無機質防水板の端面からプラスチック発泡板材 の端面迄の寸法は40mmである。
【0030】 プラスチック発泡板材に形成した凹溝に変性シリコン系のシーリング材(日立 化成ポリマー(株)製「ハイボン2000」)を充填した。充填したシーリング 材の上面に他の断熱防水板の不燃無機質防水板を載置し、不燃無機質防水板同士 の突き合わせ接合部上に僅かにあふれたコーキング材をふき取り、この上面を基 材同等不燃防水材で塗布し防水被膜層を形成した。図2は以上の裏目地防水構造 の断面を示したものである。
【0031】
本考案に係る防水構造は高度の現場施工技術が不要であり、未熟練作業員が行 なっても高性能の建造物防水性能を確保できると共に、工期を大幅に短縮するこ とができさらに従来得られなかった長期耐候性、耐久性を有し風雨、温度変化に よる膨張収縮が少なく経年劣化のきわめて低い不燃材が仕上面となり防火及び耐 火建造物に好適な防水構造を可能ならしめることができた。
【図1】断熱防水板の斜視図である。
【図2】裏目地防水構造断面図である。
1.不燃無機質防水板 2.プラスチック発泡板材 3.凹溝 4.接着剤 5.合板 6.勾配付き防水シート 7.合成繊維不織布 8.シーリング材 9.逃げ寸法隙間 10.勾配 11.防水被膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04F 15/02 8702−2E E04F 15/14 15/14 E04B 1/68 L
Claims (2)
- 【請求項 1】 バルコニーや屋上の床面に勾配の付い
た防水シートを貼着しその上面に合成繊維不織布を積層
して表面の周囲2方向に凹溝を形成したプラスチック発
泡板材の表面に、無機質平板の表裏面及び端部の6面に
不燃防水被膜層を形成した不燃無機質防水板の横及び縦
方向の端部をプラスチック発泡板材に形成されている凹
溝のほぼ中央に位置させ、他の横及び縦方向の端部をプ
ラスチック発泡板材の端部より外側となるよう貼着した
断熱防水板を作製し、合成繊維不織布の上面に貼着する
に際しこの断熱防水板の2方向にある凹溝にシーリング
材を充填して、他の断熱防水板のプラスチック発泡板材
の端部より外側となるように貼着されている不燃無機質
防水板の端部を凹溝のシーリング材充填部の上で接合す
ることを特徴とする裏目地防水構造。 - 【請求項 2】 施工時の逃げをとるためプラスチック
発泡板材の縦横寸法は不燃無機質防水板よりやや小さめ
とすることを特徴とする請求項1記載の裏目地防水構
造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996006860U JP3032401U (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 裏目地防水構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996006860U JP3032401U (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 裏目地防水構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3032401U true JP3032401U (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=43167319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1996006860U Expired - Lifetime JP3032401U (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 裏目地防水構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3032401U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101363342B1 (ko) * | 2012-07-04 | 2014-02-19 | 정현주 | 몰딩 복합체 판재를 이용한 복합판재 제조방법 |
-
1996
- 1996-06-13 JP JP1996006860U patent/JP3032401U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101363342B1 (ko) * | 2012-07-04 | 2014-02-19 | 정현주 | 몰딩 복합체 판재를 이용한 복합판재 제조방법 |
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