JP2003278866A - マイクロトラクションドライブ - Google Patents

マイクロトラクションドライブ

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JP2003278866A
JP2003278866A JP2002083977A JP2002083977A JP2003278866A JP 2003278866 A JP2003278866 A JP 2003278866A JP 2002083977 A JP2002083977 A JP 2002083977A JP 2002083977 A JP2002083977 A JP 2002083977A JP 2003278866 A JP2003278866 A JP 2003278866A
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康嘉 東崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型装置中の限られた寸法内に備えることが
でき、ギヤの歯切りの必要がなく製作容易で、強度が高
く、高い伝達トルクを有するマイクロトラクションドラ
イブを提供する。 【解決手段】 マイクロトラクションドライブを、ケー
シング内の入力軸支持軸受に支持された入力軸の先端
と、入力軸と中心軸線を同じくしケーシング内の出力軸
支持軸受に支持された出力軸の後端とを間隔をあけて相
対させ、ケーシングに取り付けられまたはケーシングの
一部を構成しケーシングに対して回転方向が固定された
外輪の内周面と、入力軸に取り付けられた内輪の外周面
との間に、内輪の回転により外輪の内周面と内輪の外周
面との間で転動し中心軸線周りに公転する滑らかな回転
面の複数の回転体を嵌装し、出力軸の後端に設けられた
保持器を回転体に係合させ、外輪を複数の回転体に押圧
させて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小サイズの装置内
にも収められ、破損の恐れが少なく大きな減速比と高ト
ルクを得られるマイクロトラクションドライブに関す
る。
【0002】
【従来の技術】土壌調査用の小形掘削装置や、タービン
ロータ中心孔レプリカ採取装置のように、小径の筒状の
本体内にモータ等の回転駆動源を備え本体先端の作業部
を回転駆動するマイクロロボット等小型装置において
は、本体内に回転を減速伝達するマイクロトラクション
ドライブを備える必要がある。
【0003】しかし、例えばそれらマイクロロボットの
筒状の本体の径は約10〜数10mmと小さく、そのよ
うな限られた寸法内にマイクロトラクションドライブを
備える場合、従来の減速ギヤや遊星ギヤで構成するとギ
ヤのモジュールは例えば0.05mm以下というような
小モジュールとなり、現状の加工方法では工作精度が悪
く製作上の問題がある他に、ギヤの強度上の問題を生じ
作業部のトルクを著しく制約され、あるいは破損の恐れ
が高いものとなった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来のマイクロトラクションドライブの問題点を解消
し、小型装置中の限られた寸法内に備えることができ、
ギヤの歯切りの必要がなく製作容易で、強度が高く、高
い伝達トルクを有するマイクロトラクションドライブを
提供することを課題とするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】(1)本発明は、上記の
課題を解決するためになされたものであり、その第1の
手段として、ケーシング内の入力軸支持軸受に回転自在
に支持された入力軸の先端と、同入力軸と中心軸線を同
じくし前記ケーシング内の出力軸支持軸受に回転自在に
支持された出力軸の後端とを間隔をあけて相対させ、ケ
ーシングに取り付けられまたはケーシングの一部を構成
しケーシングに対して回転方向が固定された外輪の内周
面と、前記入力軸に取り付けられた内輪の外周面との間
に、前記内輪の回転により前記外輪の内周面と前記内輪
の外周面との間で転動し前記中心軸線周りに公転する複
数の回転体を嵌装し、前記出力軸の後端に設けられた保
持器を前記回転体に係合させ、前記外輪を前記複数の回
転体に押圧させてなることを特徴とするマイクロトラク
ションドライブを提供する。
【0006】第1の手段によれば、遊星ギヤ装置と同様
に出力軸は、内輪の外周面と外輪の外周面の径の関係に
基づき、入力軸の回転によって中心軸線回りを公転する
回転体により、入力軸の回転に対し一定の減速比で減速
されて回転する。したがって、小サイズであっても比較
的大きな減速比が設定でき、回転体は滑らかな回転面を
有するから、歯を有する必要がないため、装置を小型化
しても微細な歯車の製造上、強度上の問題を発生しな
い。
【0007】(2)第2の手段としては、第1の手段の
マイクロトラクションドライブにおいて、前記回転体は
鋼製の玉であり、前記外輪は複数の同鋼製の玉を押圧す
るように焼嵌めされたものであることを特徴とするマイ
クロトラクションドライブを提供する。
【0008】第2の手段によれば、第1の手段の作用に
加え、回転体として鋼製の玉を用いるので、各部材の製
造が極めて容易となり強度も高く、外輪の焼嵌めで強い
法線力を与えることにより、鋼製の玉の接触面での十分
な伝達力が得られ、マイクロトラクションドライブとし
て高い伝達トルクを有する。
【0009】(3)また、第3の手段として、第1の手
段のマイクロトラクションドライブにおいて、前記回転
体は鋼製の玉であり、前記外輪は外周側が開いたチャン
ネル状の断面を有する弾性材で形成し、同チャンネルの
両フランジ部を狭めるような締結構造を備えてなること
を特徴とするマイクロトラクションドライブを提供す
る。
【0010】第3の手段によれば、第1の手段の作用に
加え、回転体として鋼製の玉を用いるので、各部材の製
造が極めて容易となり強度も高く、外輪のフランジ部の
締め付けで外輪が内周方向に弾性変形して強い法線力を
与えることにより、鋼製の玉の接触面での十分な伝達力
が得られ、マイクロトラクションドライブとして高い伝
達トルクを有する。また、使用に際して締め付け力を適
切に調整し、あるいは締め付けを増して法線力を加える
ことができる。
【0011】(4)第4の手段として、第1の手段のマ
イクロトラクションドライブにおいて、前記回転体は鋼
製の玉であり、前記外輪は隣合わせて中心軸線を同じく
する第1テーパリングと第2テーパリングからなり、同
第1テーパリングと第2テーパリングは、相互に中心軸
線方向に移動可能なインロウ嵌合部を有し、互いの間隔
を調整する締結構造を備え、それぞれ断面上隣合う内周
側角部を斜めに形成した第1テーパ面、第2テーパ面を
有してなることを特徴とするマイクロトラクションドラ
イブを提供する。
【0012】第4の手段によれば、第1の手段の作用に
加え、回転体として鋼製の玉を用いるので、各部材の製
造が極めて容易となり強度も高く、両テーパリングの締
め付けで強い法線力を与えることにより、鋼製の玉の接
触面での十分な伝達力が得られ、マイクロトラクション
ドライブとして高い伝達トルクを有する。また、使用に
際して締め付け力を適切に調整し、あるいは締め付けを
増して法線力を加えることができる。
【0013】(5)第5の手段として、第1の手段のマ
イクロトラクションドライブにおいて、前記回転体は鋼
製の玉であり、前記外輪は前記ケーシングに対して前記
中心軸線方向の一定範囲内の移動を許容するように取り
付けられ、前記外輪と鋼製の玉と内輪は同外輪に課され
る入力軸反先端方向のスラストに抗するように構成さ
れ、同外輪と同ケーシングとの間に同外輪を入力軸反先
端方向に付勢する第1バネ体を装填して前記玉と内輪を
介し前記入力軸に入力軸反先端方向のスラストを課し、
前記入力軸支持軸受をその軸受内輪に課された入力軸反
先端方向のスラストに対してその軸受玉と軸受外輪とを
介して抗するラジアル玉軸受としてなることを特徴とす
るマイクロトラクションドライブを提供する。
【0014】第5の手段によれば、第1の手段の作用に
加え、回転体として鋼製の玉を用いるので、各部材の製
造が極めて容易となり強度も高く、装填した第1バネ体
で強い法線力を与えることにより、鋼製の玉の接触面で
の十分な伝達力が得られ、マイクロトラクションドライ
ブとして高い伝達トルクを有する。また、第1バネ体の
バネ力を調整して設定することにより伝達トルクの調整
ができる。
【0015】(6)第6の手段として、第5の手段のマ
イクロトラクションドライブにおいて、前記入力軸支持
軸受の内輪は前記入力軸に対して回転方向に移動を許容
せず前記中心軸線方向の一定範囲内の移動を許容するよ
うに取り付けられ、同入力軸支持軸受の軸受内輪と前記
内輪との間に同軸受内輪を入力軸反先端方向に付勢する
第2バネ体を装填してなることを特徴とするマイクロト
ラクションドライブを提供する。
【0016】第6の手段によれば、第5の手段の作用に
加え、装填した第1バネ体および第2バネ体で強い法線
力を与えることにより、鋼製の玉の接触面でのより十分
な伝達力が得られ、マイクロトラクションドライブとし
て高い伝達トルクを有する。また、第1バネ体および第
2バネ体のバネ力を調整して設定することにより伝達ト
ルクの調整ができる。
【0017】(7)第7の手段として、第5の手段また
は第6の手段のマイクロトラクションドライブにおい
て、前記保持器を、前記入力軸支持軸受の軸受玉とも係
合させてなることを特徴とするマイクロトラクションド
ライブを提供する。
【0018】第7の手段によれば、第5の手段または第
6の手段の作用に加え、軸受玉の周方向の公転によって
も、保持器は回転力を得ることができ、出力軸への回転
トルクの伝達が向上する。
【0019】(8)第8の手段として、第5の手段ない
し第7の手段のいずれかのマイクロトラクションドライ
ブにおいて、前記鋼製の玉に代え、鋼製の円錐台形のコ
ロとして前記内輪と外輪を構成し、前記入力軸支持軸受
を前記ラジアル玉軸受に代え、円錐台形の軸受コロを備
えた円すいコロ軸受としてなることを特徴とするマイク
ロトラクションドライブを提供する。
【0020】第8の手段によれば、第5ないし第7のい
ずれかの手段の作用に加え、鋼製の円錐台形のコロを用
いるので、鋼製の玉よりもさらに強度が高く、装填した
バネ体で強い法線力を与えることにより、鋼製の円錐台
形のコロの接触面での十分な伝達力が得られ、マイクロ
トラクションドライブとしてより高い伝達トルクを有す
る。
【0021】(9)第9の手段として、第1の手段のマ
イクロトラクションドライブにおいて、前記回転体は鋼
製の玉であり、前記内輪は前記入力軸に固定され同内輪
と鋼製の玉は前記外輪に課された入力軸先端方向のスラ
ストに抗するように構成され、同外輪は前記入力軸支持
軸受の軸受外輪と係合し、同入力軸支持軸受の軸受内輪
は前記入力軸に対して回転方向の移動を許容せず前記中
心軸線方向の一定範囲内の移動を許容するように取り付
けられ、前記軸受内輪と軸受玉と軸受外輪は同軸受内輪
に課された入力軸先端方向のスラストに抗するラジアル
玉軸受とし、前記入力軸に設けられたネジ部に螺合した
ナットが前記軸受内輪を入力軸先端方向に押圧するよう
に構成されてなることを特徴とするマイクロトラクショ
ンドライブ。
【0022】第9の手段によれば、第1の手段の作用に
加え、回転体として鋼製の玉を用いるので、各部材の製
造が極めて容易となり強度も高く、入力軸に設けられた
ネジ部に螺合したナットで強い法線力を与えることによ
り、鋼製の玉の接触面での十分な伝達力が得られ、マイ
クロトラクションドライブとして高い伝達トルクを有す
る。また、ナットの締め付けによる押圧力を調整して設
定することにより伝達トルクの調整ができる。
【0023】(10)第10の手段として、第9の手段
のマイクロトラクションドライブにおいて、前記保持器
を、前記入力軸支持軸受の軸受玉とも係合させてなるこ
とを特徴とするマイクロトラクションドライブを提供す
る。
【0024】第10の手段によれば、第9の手段の作用
に加え、軸受玉の周方向の公転によっても、保持器は回
転力を得ることができ、出力軸への回転トルクの伝達が
向上する。
【0025】(11)第11の手段として、第9の手段
または第10の手段のマイクロトラクションドライブに
おいて、前記鋼製の玉に代え、鋼製の円錐台形のコロと
して前記内輪と外輪を構成し、前記入力軸支持軸受を前
記ラジアル玉軸受に代え、円錐台形の軸受コロを備えた
円すいコロ軸受としてなることを特徴とするマイクロト
ラクションドライブ。
【0026】第11の手段によれば、第9の手段または
第10の手段の作用に加え、鋼製の円錐台形のコロを用
いるので、鋼製の玉よりもさらに強度が高く、入力軸に
設けられたネジ部に螺合したナットで強い法線力を与え
ることにより、鋼製の円錐台形のコロの接触面での十分
な伝達力が得られ、マイクロトラクションドライブとし
てより高い伝達トルクを有する。
【0027】(12)第12の手段として、第1の手段
ないし第11の手段のいずれかのマイクロトラクション
ドライブにおいて、筒状の本体内に回転駆動源を備え同
本体先端の作業部を回転駆動する小型装置の前記回転駆
動源と前記作業部との間に備えられてなることを特徴と
するマイクロトラクションドライブを提供する。
【0028】第12の手段によれば、第1ないし第11
のいずれかの手段の作用により、マイクロロボット等小
型装置においてマイクロトラクションドライブによる作
業部のトルクの制約が緩和し、あるいは破損の恐れが低
くなる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第1形態に係るマ
イクロトラクションドライブを、図1に基づき説明す
る。図1は本実施の形態のマイクロトラクションドライ
ブの中心軸線方向断面図である。
【0030】図1に示すように、本実施の形態のマイク
ロトラクションドライブ100においては、中心軸線X
を囲むハウジング101の中央を外輪102で構成し、
ハウジング101の中心軸線X方向の一端に入力軸口1
03を設けシール104を装着し、中心軸線X上に入力
軸105が貫装され、入力軸105はハウジング101
内に設けられた入力軸支持軸受106に回転自在に支持
される。
【0031】一方、ハウジング101の中心軸線X方向
の他端には出力軸口107を設けシール108を装着
し、中心軸線X上に出力軸109が貫装され、出力軸1
09はハウジング101内に設けられた出力軸支持軸受
110に回転自在に支持される。入力軸105の先端
(図1において左端)と出力軸109の後端(図1にお
いて右端)は、同軸上で間隔をあけて相対している。
【0032】入力軸105の入力軸支持軸受106より
先端側には、内輪111が固定されている。内輪111
の外周面には周方向に凹溝が設けられて内輪軌道面11
1aが形成され、外輪102の内周面が周方向に形成す
る外輪軌道面102aとの間に、滑らかな回転面の回転
体として、鋼製の複数の玉112が周方向に転動可能に
嵌装されている。
【0033】出力軸109の後端には、内輪軌道面11
1aと外輪軌道面102aとの間において玉112と係
合する保持器113が設けられており、玉112の周方
向の転動に従い回転せしめられ、その結果、出力軸10
9が回転するように構成されている。保持器113は、
各玉112の間に差し込まれたフォーク状のものや各玉
112を個々に緩く嵌める穴を有する筒状のもの等であ
る。
【0034】外輪102は、内輪軌道面111a上に配
置された複数の玉112を、外輪軌道面102aで圧接
するように焼嵌めされて、玉112との圧接点におい
て、接触面の法線方向N(この場合、中心軸線Xからの
半径方向となる)の圧接力である法線力が強く加えられ
た状態となっており、そのため複数の玉112は内輪軌
道面111aおよび外輪軌道面102aと滑りを起こさ
ず転動する。
【0035】また、ハウジング101は、それを備える
図示しないマイクロロボット装置等の本体の一部を構成
し、あるいは本体内部に固定され、マイクロロボット装
置等において回転方向が固定される。
【0036】以上のように構成された本実施の形態のマ
イクロトラクションドライブ100においては、遊星ギ
ヤ装置と同じく出力軸109は、内輪軌道面111aと
外輪軌道面102aの径の関係に基づき、入力軸105
の回転によって中心軸線X回りを公転する玉112によ
り、入力軸105の回転に対し一定の減速比で減速され
て回転する。
【0037】従って、遊星ギヤ装置と同じく、小サイズ
であっても比較的大きな減速比が設定でき、玉112は
滑らかな回転面を有する回転体であるから、歯車の歯を
有する必要がないため、装置を小型化しても微細な歯車
の製造上、強度上の問題を発生しない。しかも歯車に代
えて鋼製の玉112を用いるので、各部材の製造が極め
て容易となり強度も高く、外輪102の焼嵌めで強い法
線力を与えることにより、接触面での十分な伝達力が得
られ、マイクロトラクションドライブ100として高い
伝達トルクを有するものとなる。
【0038】本発明の実施の第2形態に係るマイクロト
ラクションドライブを、図2に基づき説明する。図2は
本実施の形態のマイクロトラクションドライブの中心軸
線方向要部断面図である。
【0039】本実施の形態は、外輪の構造が実施の第1
形態と異なるほかは、基本的に実施の第1形態と同様の
構成であるので、入力軸支持軸受、出力軸支持軸受等は
図示省略し、図2にその要部を示し異なる点を主に説明
する。
【0040】図2に示すように、本実施の形態のマイク
ロトラクションドライブ200においては、中心軸線X
を囲むハウジング201の中央を弾性外輪202で構成
している。弾性外輪202は外周側が開いたチャンネル
状の断面を有する弾性の高い鋼、合金等の弾性材から形
成され、その内周面は外輪軌道面202aとなている。
【0041】また、断面上中心線X方向左右の両フラン
ジ部202bには相対してボルト穴202cが設けら
れ、その間をボルト214が挿通し、ナット215によ
って両フランジ部202bを狭めるように締めつけてい
る締結構造を備えている。
【0042】ハウジング201は、弾性外輪202を他
の部分に、ボルト214、ナット215を利用する等適
宜の手段で取り付けて構成されるが、実施の第1形態と
同様に、それを備える図示しないマイクロロボット装置
等の本体の一部を構成し、あるいは本体内部に固定さ
れ、マイクロロボット装置等において回転方向が固定さ
れる。
【0043】入力軸205と出力軸209とは、それぞ
れの端部が間隔をあけて相対していおり、入力軸205
の先端側には、内輪211が固定され、内輪211の外
周面には周方向に凹溝が設けられ内輪軌道面211aが
形成され、弾性外輪202の内周面が周方向に形成する
外輪軌道面202aとの間に、鋼製の複数の玉212が
周方向に転動可能に嵌装されている。
【0044】出力軸209の後端には、実施の第1形態
と同様に保持器213が設けられており、玉212の周
方向の転動に従い回転せしめられ、その結果、出力軸2
09が回転するように構成されている。
【0045】弾性外輪202は、ボルト214、ナット
215を締めつけることで、外輪軌道面202aが内周
方向に弾性変形させられ、内輪軌道面211a上に配置
された複数の玉212を、外輪軌道面202aで圧接し
ており、玉212の圧接点において、接触面の法線方向
N(図1参照)の圧接力である法線力が強く加えられた
状態となっている。そのため複数の玉212は内輪軌道
面211aおよび外輪軌道面202aと滑りを起こさず
転動する。
【0046】以上のように構成された本実施の形態のマ
イクロトラクションドライブ200においては、遊星ギ
ヤ装置と同じく出力軸209は、内輪軌道面211aと
外輪軌道面202aの径の関係に基づき、入力軸205
の回転によって中心軸線X回りを公転する玉212によ
り、入力軸205の回転に対し一定の減速比で減速され
て回転する。
【0047】従って、遊星ギヤ装置と同じく、小サイズ
であっても比較的大きな減速比が設定でき、然も歯車の
歯を有する必要がないため、装置を小型化しても微細な
歯車の製造上、強度上の問題を発生せず、しかも歯車に
代えて鋼製の玉212を用いるので、各部材の製造が極
めて容易となり強度も高く、弾性外輪202の締め付け
で強い法線力を与えることにより、接触面での十分な伝
達力が得られ、マイクロトラクションドライブ200と
して高い伝達トルクを有するものとなる。
【0048】また玉212にかける法線力は、弾性外輪
202を、ボルト214、ナット215を締め付けるこ
とで与えられるので、装置構造、組み立てを簡略化で
き、また使用に際して締め付け力を適切に調整し、ある
いは締め付けを増して法線力を加えることができるた
め、磨耗等による緩みにも対応が容易なものとなる。
【0049】本発明の実施の第3形態に係るマイクロト
ラクションドライブを、図3に基づき説明する。図3は
本実施の形態のマイクロトラクションドライブの中心軸
線方向要部断面図である。
【0050】本実施の形態は、外輪の構造が実施の第1
形態と異なるほかは、基本的に実施の第1形態と同様の
構成であるので、入力軸支持軸受、出力軸支持軸受等は
図示省略し、図3にその要部を示し異なる点を主に説明
する。
【0051】図3に示すように、本実施の形態のマイク
ロトラクションドライブ300においては、中心軸線X
を囲むハウジング301の中央に中心軸線Xを同じくし
た第1テーパリング316と第2テーパリング317を
隣合わせて設け、第1テーパリング316の内周向き段
部と第2テーパリング317の外周向き段部とが当接
し、相互に中心軸線X方向に移動可能インロウ嵌合部3
18を有している。
【0052】また、第1テーパリング316と第2テー
パリング317は、それぞれ断面上隣合う内周側角部を
斜めに形成した第1テーパ面316a、第2テーパ面3
17aを有し、また第2テーパリング317のボルト穴
317cを挿通させたボルト317bを第1テーパリン
グ316のねじ穴316bに螺合し、両テーパリングを
締結する締結構造を有し、その締結構造により両者の間
隔の調整が行なえるように構成されている。
【0053】したがって、第1テーパリング316と第
2テーパリング317とが外輪を構成し、第1テーパ面
316aと第2テーパ面317aとが外輪の内周面に周
方向に設けられたV溝部をなす外輪軌道面を形成してい
る。
【0054】ハウジング301は、第1テーパリング3
16と第2テーパリング317を適宜の手段で取り付け
て構成されるが、実施の第1形態と同様に、それを備え
る図示しないマイクロロボット装置等の本体の一部を構
成し、あるいは本体内部に固定され、第1テーパリング
316と第2テーパリング317の少なくとも一方はマ
イクロロボット装置等において回転方向が固定される。
【0055】入力軸305と出力軸309とは、それぞ
れの端部が間隔をあけて相対していおり、入力軸305
の先端側には、内輪311が固定され、内輪311の外
周面には周方向に凹溝が設けられ内輪軌道面311aが
形成され、両テーパリング316、317の両テーパ面
316a、317aが形成する外輪軌道面との間に鋼製
の複数の玉312が周方向に転動可能に嵌装されてい
る。
【0056】出力軸309の後端には、実施の第1形態
と同様に保持器313が設けられており、玉312の周
方向の転動に従い回転せしめられ、その結果、出力軸3
09が回転するように構成されている。
【0057】両テーパリング316、317は、ボルト
317bを締めつけることで、両テーパ面316a、3
17aが中心軸線X方向において狭められ、内輪軌道面
311a上に配置された複数の玉312を、両テーパ面
316a、317aで圧接しており、玉312の圧接点
において、接触面の法線力が強く加えられた状態となっ
ている。そのため複数の玉312は内輪軌道面311a
および第1テーパ面316a、第2テーパ面317aと
滑りを起こさず転動する。
【0058】以上のように構成された本実施の形態のマ
イクロトラクションドライブ300においては、遊星ギ
ヤ装置と同じく出力軸309は、内輪軌道面311aと
外輪軌道面をなす両テーパ面316a、317aの径の
関係に基づき、入力軸305の回転によって中心軸線X
回りを公転する玉312により、入力軸305の回転に
対し一定の減速比で減速されて回転する。
【0059】従って、遊星ギヤ装置と同じく、小サイズ
であっても比較的大きな減速比が設定でき、然も歯車の
歯を有する必要がないため、装置を小型化しても微細な
歯車の製造上、強度上の問題を発生せず、しかも歯車に
代えて鋼製の玉312を用いるので、各部材の製造が極
めて容易となり強度も高く、両テーパリング316、3
17の締め付けで強い法線力を与えることにより、接触
面での十分な伝達力が得られ、マイクロトラクションド
ライブ300として高い伝達トルクを有するものとな
る。
【0060】また玉312にかける法線力は、両テーパ
リング316、317をボルト317bを締め付けるこ
とで与えられるので、装置構造、組み立てを簡略化で
き、また使用に際して締め付け力を適切に調整し、ある
いは締め付けを増して法線力を加えることができるた
め、磨耗等による緩みにも対応が容易なものとなる。
【0061】本発明の実施の第4形態に係るマイクロト
ラクションドライブを、図4に基づき説明する。図4は
本実施の形態のマイクロトラクションドライブの中心軸
線方向断面図である。
【0062】図4に示すように、本実施の形態のマイク
ロトラクションドライブ400においては、中心軸線X
を囲むハウジング401内部の略中央にハウジング40
1に接して回転方向の移動は許容せず中心軸線X方向の
一定範囲内の移動を許容するように取り付けられた外輪
402を設け、ハウジング401の中心軸線X方向の一
端に入力軸口403を設けシール404を装着し、中心
軸線X上に入力軸405が貫装され、入力軸405はハ
ウジング401内に設けられた入力軸支持軸受406に
回転自在に支持される。
【0063】入力軸支持軸受406は入力軸405の反
先端方向(図4において右方向)のスラストに抗するア
ングル軸受となっており、内輪406a、外輪406
b、玉406cで構成され、外輪406bがハウジング
401の入力側端部401aと係合している。内輪40
6aは入力軸405上を回転方向の移動を許容せず中心
軸線X方向の一定範囲内の移動を許容するように取り付
けられている。
【0064】一方、ハウジング401の中心軸線X方向
の他端には出力軸口407を設けシール408を装着
し、中心軸線X上に出力軸409が貫装され、出力軸4
09はハウジング401内に設けられた出力軸支持軸受
410に回転自在に支持される。入力軸405の先端
(図4において左端)と出力軸409の後端(図4にお
いて右端)は、同軸上で間隔をあけて相対している。
【0065】入力軸405の入力軸支持軸受406より
先端側には、拡径部405aが設けられ、それより先端
側に内輪411が固定されている。拡径部405aは入
力軸405自体であってもよく、固定された間座であっ
てもよい。内輪411の外周面には入力軸先端方向(図
4において左方向)が開いたアングル溝が設けられ内輪
軌道面411aが形成され、外輪402の内周面には入
力軸反先端方向(図4において右方向)が開いたアング
ル溝が設けられ外輪軌道面402aが形成されており、
内輪軌道面411aと外輪軌道面402aとの間に鋼製
の複数の玉412が周方向に転動可能に嵌装されてい
る。
【0066】ハウジング401内の出力側端部401b
と外輪402との間には拡大方向に付勢する第1バネ4
19が装填され、内輪411と入力軸支持軸受406の
内輪406aとの間には拡大方向に付勢する第2バネ4
20が装填されている。
【0067】第1バネ419は、外輪402を入力軸反
先端方向に押し、玉412を介し内輪411を押圧す
る。外輪軌道面402aと内輪軌道面411aのアング
ル溝はその押圧に抗する方向に配置され、内輪411は
拡径部405aに係合し、第2バネ420にも入力軸先
端方向に押圧されているので、玉412と外輪軌道面4
02aおよび内輪軌道面411aとの接触面には第1バ
ネ419による法線力が働き、そのため複数の玉412
は内輪軌道面411aおよび外輪軌道面402aと滑り
を起こさず転動する。
【0068】第2バネ420は、入力軸支持軸受406
の内輪406aを入力軸反先端方向に押し、玉406c
を介し外輪406bを押圧する。また、拡径部405a
が内輪406aに当接すれば第1バネ419の押圧力も
働く。入力軸支持軸受406のアングル溝はその押圧に
抗する方向に配置され、外輪406bは入力側端部40
1aに係合しているので、玉406cと内輪406aお
よび外輪406bとの接触面には第2バネ420による
法線力が働き、そのため複数の玉406cは内輪406
aおよび外輪406bと滑りを起こさず転動する。
【0069】出力軸409の後端には、実施の第1形態
と同様に保持器413が設けられており、玉412の周
方向の転動に従い回転せしめられ、その結果、出力軸4
09が回転するように構成されている。
【0070】内輪軌道面411aおよび外輪軌道面40
2aの径と、入力軸支持軸受406の内輪406a外周
面および外輪406b内周面の径とが、それぞれ等しい
場合は、保持器413に、入力軸支持軸受406の玉4
06cとも係合する延在部413aを設けることによ
り、玉406cの周方向の公転によっても、保持器41
3は回転力を得ることができ、出力軸409への回転ト
ルクの伝達を向上できる。
【0071】なお、ハウジング401は、それを備える
図示しないマイクロロボット装置等の本体の一部を構成
し、あるいは本体内部に固定し、マイクロロボット装置
等において回転方向が固定されている。
【0072】以上のように構成された本実施の形態のマ
イクロトラクションドライブ400においては、遊星ギ
ヤ装置と同じく出力軸409は、内輪軌道面411aと
外輪軌道面402aの径の関係に基づき、入力軸405
の回転によって中心軸線X回りを公転する玉412(お
よび玉406c)により、入力軸405の回転に対し一
定の減速比で減速され回転する。
【0073】従って、遊星ギヤ装置と同じく、小サイズ
であっても比較的大きな減速比が設定でき、然も歯車の
歯を有する必要がないため、装置を小型化しても微細な
歯車の製造上、強度上の問題を発生せず、しかも歯車に
代えて鋼製の玉412を用いるので、各部材の製造が極
めて容易となり強度も高く、装填した第1バネ419お
よび第2バネ420で強い法線力を与えることにより、
接触面での十分な伝達力が得られ、マイクロトラクショ
ンドライブ400として高い伝達トルクを有するものと
なる。また、第1バネ419および第2バネ420のバ
ネ力を調整して設定することにより伝達トルクの調整も
可能となる。
【0074】なお、本実施の形態において、保持器41
3が玉412のみに係合させる場合は、第2バネ420
を省いてもよく、その時は拡径部405aを入力軸支持
軸受406の内輪406aに接するようにするか、内輪
406aの中心軸線X方向の移動を許容しないようにす
るかによって、入力軸405が第1バネ419から受け
たスラストを入力軸支持軸受406が入力側端部401
aで支えるようにすればよい。
【0075】本発明の実施の第5形態に係るマイクロト
ラクションドライブを、図5に基づき説明する。図5は
本実施の形態のマイクロトラクションドライブの中心軸
線方向断面図である。
【0076】本実施の形態は、外輪と内輪、および入力
軸支持軸受が、玉に代えて円錐台形のコロを用いたもの
としていることが実施の第4形態と異なるほかは、基本
的に実施の第4形態と同様の構成であるので、同様の点
は説明省略し異なる点を主に説明する。
【0077】図5に示すように、本実施の形態のマイク
ロトラクションドライブ500においては、中心軸線X
を囲むハウジング501内部の略中央にハウジング50
1に接して回転方向の移動は許容せず中心軸線X方向の
一定範囲内の移動を許容するように取り付けられた外輪
502を設け、ハウジング501の一端側に中心軸線X
上に入力軸505が貫装され、入力軸505はハウジン
グ501内に設けられた入力軸支持軸受506に回転自
在に支持される。
【0078】入力軸支持軸受506は入力軸505の反
先端方向のスラストに抗する円すいコロ軸受となってお
り、内輪506a、外輪506b、コロ506cで構成
され、外輪506bがハウジング501の入力側端部5
01aと係合している。内輪506aは入力軸505上
に固定されている。
【0079】一方、ハウジング501の中心軸線X方向
の他端側には中心軸線X上に出力軸509が貫装され、
出力軸509はハウジング501内に設けられた出力軸
支持軸受510に回転自在に支持される。
【0080】入力軸505の入力軸支持軸受506より
先端側には、間座521を固定し、それより先端側に内
輪511が固定されている。内輪511の外周面には入
力軸先端方向に傾斜した内輪軌道面511aが形成さ
れ、外輪502の内周面には入力軸反先端方向に傾斜し
た外輪軌道面502aが形成されており、内輪軌道面5
11aと外輪軌道面502aとの間に、滑らかな回転面
の回転体として、鋼製の複数のコロ512が周方向に転
動可能に嵌装されている。
【0081】ハウジング501内には外輪502を入力
軸反先端方向に付勢するバネ522が装填され、コロ5
12を介し内輪511を押圧する。外輪軌道面502a
と内輪軌道面511aはその押圧に抗する方向に配置さ
れ、内輪511は間座521に係合しているので、コロ
512と外輪軌道面502aおよび内輪軌道面511a
との接触面にはバネ522による法線力が働き、そのた
め複数のコロ512は内輪軌道面511aおよび外輪軌
道面502aと滑りを起こさず転動する。
【0082】入力軸505が受けた入力軸反先端方向の
スラストは入力軸支持軸受506により支えられる。
【0083】出力軸509の後端には、実施の第1形態
と同様に保持器513が設けられており、コロ512の
周方向の転動に従い回転せしめられ、その結果、出力軸
509が回転するように構成されている。保持器513
は各コロ512の間に差し込まれたフォーク状のものや
各コロ512を個々に緩く嵌める穴を有する筒状のもの
等であり、寸法的に許容されればコロ512の回転軸を
備えることによってコロ512と係合させてもよい。
【0084】なお、ハウジング501は、それを備える
図示しないマイクロロボット装置等の本体の一部を構成
し、あるいは本体内部に固定し、マイクロロボット装置
等において回転方向が固定されている。
【0085】以上のように構成された本実施の形態のマ
イクロトラクションドライブ500においては、図4の
実施の第4形態と同様に、出力軸509は、入力軸50
5の回転に対し一定の減速比で減速され回転する。
【0086】従って、遊星ギヤ装置と同じく、小サイズ
であっても比較的大きな減速比が設定でき、コロ512
は滑らかな回転面の回転体であるから、歯車の歯を有す
る必要がないため、装置を小型化しても微細な歯車の製
造上、強度上の問題を発生しない。しかも歯車に代えて
鋼製のコロ512を用いるので、各部材の製造が極めて
容易となり、実施の第4形態の玉412よりもさらに強
度が高く、装填したバネ522で強い法線力を与えるこ
とにより、接触面での十分な伝達力が得られ、マイクロ
トラクションドライブ500としてより高い伝達トルク
を有するものとなる。また、バネ522のバネ力を調整
して設定することのより伝達トルクの調整も可能とな
る。
【0087】なお、本実施の形態において、前述の実施
の第4形態のように、内輪511と入力軸支持軸受50
6の内輪506aとの間に第2のバネを装填してもよ
く、その場合は内輪506aは入力軸505上を回転方
向の移動を許容せず中心軸線X方向の一定範囲内の移動
を許容するように取り付けられる。
【0088】そしてさらに、内輪軌道面511aおよび
外輪軌道面502aの径と、入力軸支持軸受506の内
輪506a外周面および外輪506b内周面の径とが、
それぞれ等しい場合は、保持器513に、入力軸支持軸
受506のコロ506cとも係合する延在部を設けるこ
とにより、コロ506cの周方向の公転によっても、保
持器513は回転力を得ることができ、出力軸509へ
の回転トルクの伝達を向上できる。
【0089】本発明の実施の第6形態に係るマイクロト
ラクションドライブを、図6に基づき説明する。図6は
本実施の形態のマイクロトラクションドライブの中心軸
線方向断面図である。
【0090】図6に示すように、本実施の形態のマイク
ロトラクションドライブ600においては、中心軸線X
を囲むハウジング601内部の略中央の入力軸先端方向
を狭くするハウジング内段部623に係合するようにハ
ウジング601内面に接して外輪602が固定されてお
り、ハウジング601の中心軸線X方向の一端に入力軸
口603を設けシール604を装着し、中心軸線X上に
入力軸605が貫装され、入力軸605はハウジング6
01内に設けられた入力軸支持軸受606に回転自在に
支持される。
【0091】入力軸支持軸受606は入力軸605の先
端方向(図6において左方向)のスラストに抗するアン
グル軸受となっており、内輪606a、外輪606b、
玉606cで構成され、外輪606bが外輪602と間
座624を介して係合している。
【0092】また、内輪606aは、入力軸605上を
回転方向の移動を許容せず中心軸線X方向の一定範囲内
の移動を許容するように取り付けられており、間座62
5を介して、入力軸606に設けられたネジ605cに
螺合するナット626により、入力軸先端方向へ押圧さ
れている。
【0093】一方、ハウジング601の中心軸線X方向
の他端には出力軸口607を設けシール608を装着
し、中心軸線X上に出力軸609が貫装され、出力軸6
09はハウジング601内に設けられた出力軸支持軸受
610に回転自在に支持される。入力軸605の先端
(図6において左端)と出力軸609の後端(図6にお
いて右端)は、同軸上で間隔をあけて相対している。
【0094】入力軸605の入力軸支持軸受606より
先端側には、間隔をあけて内輪611が固定されてお
り、その先端側の入力軸605に設けられた軸端拡径部
605bに係合し固定されている。
【0095】内輪611の外周面には入力軸反先端方向
が開いたアングル溝が設けられ内輪軌道面611aが形
成され、外輪602の内周面には入力軸先端方向が開い
たアングル溝が設けられ外輪軌道面602aが形成され
ており、内輪軌道面611aと外輪軌道面602aとの
間に鋼製の複数の玉612が周方向に転動可能に嵌装さ
れている。
【0096】ネジ605cに螺合するナット626は、
間座625を介し入力軸支持軸受606の内輪606a
を入力軸先端方向へ押圧し、さらに、玉606c、外輪
606b、間座624を介し外輪602を入力軸先端方
向へ押圧する。
【0097】外輪軌道面602aと内輪軌道面611a
のアングル溝はその押圧に抗する方向に配置され、内輪
611は軸端拡径部605bに係合しているので、玉6
12と外輪軌道面602aおよび内輪軌道面611aと
の接触面にはナット626の締め付け力による法線力が
働き、そのため複数の玉612は内輪軌道面611aお
よび外輪軌道面602aと滑りを起こさず転動する。
【0098】出力軸609の後端には、実施の第1形態
と同様に保持器613が設けられており、玉612の周
方向の転動に従い回転せしめられ、その結果、出力軸6
09が回転するように構成されている。
【0099】内輪軌道面611aおよび外輪軌道面60
2aの径と、入力軸支持軸受606の内輪606a外周
面および外輪606b内周面の径とが、それぞれ等しい
場合は、保持器613に、入力軸支持軸受606の玉6
06cとも係合する延在部613aを設けることによ
り、玉606cの周方向の公転によっても、保持器61
3は回転力を得ることができ、出力軸609への回転ト
ルクの伝達を向上できる。
【0100】なお、ハウジング601は、それを備える
図示しないマイクロロボット装置等の本体の一部を構成
し、あるいは本体内部に固定し、マイクロロボット装置
等において回転方向が固定されている。
【0101】以上のように構成された本実施の形態のマ
イクロトラクションドライブ600においては、遊星ギ
ヤ装置と同じく出力軸609は、内輪軌道面611aと
外輪軌道面602aの径の関係に基づき、入力軸605
の回転によって中心軸線X回りを公転する玉612(お
よび玉606c)により、入力軸605の回転に対し一
定の減速比で減速され回転する。
【0102】従って、遊星ギヤ装置と同じく、小サイズ
であっても比較的大きな減速比が設定でき、然も歯車の
歯を有する必要がないため、装置を小型化しても微細な
歯車の製造上、強度上の問題を発生せず、しかも歯車に
代えて鋼製の玉612を用いるので、各部材の製造が極
めて容易となり強度も高く、ナット626の締め付け力
で強い法線力を与えることにより、接触面での十分な伝
達力が得られ、マイクロトラクションドライブ600と
して高い伝達トルクを有するものとなる。また、ナット
626の締め付け力を調整して設定することにより伝達
トルクの調整も可能となる。
【0103】本発明の実施の第7形態に係るマイクロト
ラクションドライブを、図7に基づき説明する。図7は
本実施の形態のマイクロトラクションドライブの中心軸
線方向断面図である。
【0104】本実施の形態は、外輪と内輪、および入力
軸支持軸受が、玉に代えて円錐台形のコロを用いたもの
としていることが実施の第6形態と異なるほかは、基本
的に実施の第6形態と同様の構成であるので、同様の点
は説明省略し異なる点を主に説明する。
【0105】図7に示すように、本実施の形態のマイク
ロトラクションドライブ700においては、中心軸線X
を囲むハウジング701内部の略中央にハウジング70
1内面に接して外輪702が固定されており、ハウジン
グ701の中心軸線X方向の一端側の中心軸線X上に入
力軸705が貫装され、入力軸705はハウジング70
1内に設けられた入力軸支持軸受706に回転自在に支
持される。
【0106】入力軸支持軸受706は、入力軸705の
先端方向のスラストに抗する円すいコロ軸受となってお
り、内輪706a、外輪706b、コロ706cで構成
され、外輪706bがハウジング内小径部727と係合
している。ハウジング内小径部727は外輪702と係
合している。よってハウジング内小径部727は、ハウ
ジング701内面に装填された間座に代えてもよい。
【0107】また、内輪706aは、入力軸705上を
回転方向の移動を許容せず中心軸線X方向の一定範囲内
の移動を許容するように取り付けられており、間座72
5を介して、入力軸705に設けられたネジ705cに
螺合するナット726により、入力軸705の先端方向
へ押圧されている。
【0108】一方、ハウジング701の中心軸線X方向
の他端側には、中心軸線X上に出力軸709が貫装さ
れ、出力軸709はハウジング701内に設けられた出
力軸支持軸受710に回転自在に支持される。
【0109】入力軸705の入力軸支持軸受706より
先端側には、間隔をあけて内輪711が固定されてお
り、その先端側の入力軸705に設けられた軸端拡径部
705bに係合している。
【0110】内輪711の外周面には、入力軸反先端方
向に傾斜した内輪軌道面711aが形成され、外輪70
2の内周面には入力軸反先端方向に傾斜した外輪軌道面
702aが形成されており、内輪軌道面711aと外輪
軌道面702aとの間に鋼製の複数のコロ712が周方
向に転動可能に嵌装されている。
【0111】ネジ705cに螺合するナット726は、
間座725を介し入力軸支持軸受706の内輪706a
を入力軸先端方向へ押圧し、さらに、玉706c、外輪
706b、間座725を介し外輪702を入力軸先端方
向へ押圧する。
【0112】外輪軌道面702aと内輪軌道面711a
はその押圧に抗する方向に配置され、内輪711は軸端
拡径部705bに係合しているので、コロ712と外輪
軌道面702aおよび内輪軌道面711aとの接触面に
はナット726の締め付け力による法線力が働き、その
ため複数のコロ712は内輪軌道面711aおよび外輪
軌道面702aと滑りを起こさず転動する。
【0113】出力軸709の後端には、実施の第1形態
と同様に保持器713が設けられており、コロ712の
周方向の転動に従い回転せしめられ、その結果、出力軸
709が回転するように構成されている。
【0114】なお、ハウジング701は、それを備える
図示しないマイクロロボット装置等の本体の一部を構成
し、あるいは本体内部に固定し、マイクロロボット装置
等において回転方向が固定されている。
【0115】以上のように構成された本実施の形態のマ
イクロトラクションドライブ700においては、遊星ギ
ヤ装置と同じく出力軸709は、内輪軌道面711aと
外輪軌道面702aの径の関係に基づき、入力軸705
の回転によって中心軸線X回りを公転するコロ712に
より、入力軸705の回転に対し一定の減速比で減速さ
れ回転する。
【0116】従って、遊星ギヤ装置と同じく、小サイズ
であっても比較的大きな減速比が設定でき、然も歯車の
歯を有する必要がないため、装置を小型化しても微細な
歯車の製造上、強度上の問題を発生せず、しかも歯車に
代えて鋼製のコロ712を用いるので、各部材の製造が
極めて容易となり、実施の第6形態の玉612よりもさ
らに強度が高く、ナット726の締め付け力で強い法線
力を与えることにより、接触面での十分な伝達力が得ら
れ、マイクロトラクションドライブ700としてより高
い伝達トルクを有するものとなる。また、ナット726
の締め付け力を調整して設定することにより伝達トルク
の調整も可能となる。
【0117】そしてさらに、内輪軌道面711aおよび
外輪軌道面702aの径と、入力軸支持軸受706の内
輪706a外周面および外輪706b内周面の径とが、
それぞれ等しい場合は、保持器713に、入力軸支持軸
受706のコロ706cとも係合する延在部を設けるこ
とにより、コロ706cの周方向の公転によっても、保
持器713は回転力を得ることができ、出力軸709へ
の回転トルクの伝達を向上できる。
【0118】また、以上の実施の形態のいずれかのマイ
クロトラクションドライブを、土壌調査用の小型掘削装
置や、タービンロータ中心孔レプリカ採取装置のよう
に、小径の筒状の本体内にモータ等の回転駆動源を備え
本体先端の作業部を回転駆動するマイクロロボット等小
型装置の回転駆動源と作業部との間に備え、回転を減速
伝達させた場合、従来の減速ギヤや遊星ギヤの製作上の
問題、強度上の問題が解消し、マイクロロボット等小型
装置の作業部のトルクの制約が緩和し、あるいは破損の
恐れが低いものとなる。
【0119】以上、本発明を図示の実施の形態について
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。
【0120】
【発明の効果】(1)請求項1の発明によれば、マイク
ロトラクションドライブを、ケーシング内の入力軸支持
軸受に回転自在に支持された入力軸の先端と、同入力軸
と中心軸線を同じくし前記ケーシング内の出力軸支持軸
受に回転自在に支持された出力軸の後端とを間隔をあけ
て相対させ、ケーシングに取り付けられまたはケーシン
グの一部を構成しケーシングに対して回転方向が固定さ
れた外輪の内周面と、前記入力軸に取り付けられた内輪
の外周面との間に、前記内輪の回転により前記外輪の内
周面と前記内輪の外周面との間で転動し前記中心軸線周
りに公転する複数の回転体を嵌装し、前記出力軸の後端
に設けられた保持器を前記回転体に係合させ、前記外輪
を前記複数の回転体に押圧させてなるように構成したの
で、遊星ギヤ装置と同様に出力軸は、内輪の外周面と外
輪の外周面の径の関係に基づき、入力軸の回転によって
中心軸線回りを公転する回転体により、入力軸の回転に
対し一定の減速比で減速されて回転する。したがって、
小サイズであっても比較的大きな減速比が設定でき、回
転体は滑らかな回転面を有するから、歯を有する必要が
ないため、装置を小型化しても微細な歯車の製造上、強
度上の問題を発生せず、製造が極めて容易となる。
【0121】(2)請求項2の発明によれば、請求項1
に記載のマイクロトラクションドライブにおいて、前記
回転体は鋼製の玉であり、前記外輪は複数の同鋼製の玉
を押圧するように焼嵌めされたものであるように構成し
たので、請求項1の発明の効果に加え、回転体として鋼
製の玉を用いるため、各部材の製造が極めて容易となり
強度も高く、外輪の焼嵌めで強い法線力を与えることに
より、鋼製の玉の接触面での十分な伝達力が得られ、マ
イクロトラクションドライブとして高い伝達トルクを有
するものとなる。
【0122】(3)請求項3の発明によれば、請求項1
に記載のマイクロトラクションドライブにおいて、前記
回転体は鋼製の玉であり、前記外輪は外周側が開いたチ
ャンネル状の断面を有する弾性材で形成し、同チャンネ
ルの両フランジ部を狭めるような締結構造を備えてなる
ように構成したので、請求項1の発明の効果に加え、回
転体として鋼製の玉を用いるため、各部材の製造が極め
て容易となり強度も高く、外輪のフランジ部の締め付け
で外輪が内周方向に弾性変形して強い法線力を与えるこ
とにより、鋼製の玉の接触面での十分な伝達力が得ら
れ、マイクロトラクションドライブとして高い伝達トル
クを有するものとなる。また、構造、組み立てを簡略化
でき、使用に際して締め付け力を適切に調整し、あるい
は締め付けを増して法線力を加えることができるため、
磨耗等による緩みにも対応が容易なものとなる。
【0123】(4)請求項4の発明によれば、請求項1
に記載のマイクロトラクションドライブにおいて、前記
回転体は鋼製の玉であり、前記外輪は隣合わせて中心軸
線を同じくする第1テーパリングと第2テーパリングか
らなり、同第1テーパリングと第2テーパリングは、相
互に中心軸線方向に移動可能なインロウ嵌合部を有し、
互いの間隔を調整する締結構造を備え、それぞれ断面上
隣合う内周側角部を斜めに形成した第1テーパ面、第2
テーパ面を有してなるように構成したので、請求項1の
発明の効果に加え、回転体として鋼製の玉を用いるた
め、各部材の製造が極めて容易となり強度も高く、両テ
ーパリングの締め付けで強い法線力を与えることによ
り、鋼製の玉の接触面での十分な伝達力が得られ、マイ
クロトラクションドライブとして高い伝達トルクを有す
るものとなる。また、構造、組み立てを簡略化でき、ま
た使用に際して締め付け力を適切に調整し、あるいは締
め付けを増して法線力を加えることができるため、磨耗
等による緩みにも対応が容易なものとなる。
【0124】(5)請求項5の発明によれば、請求項1
に記載のマイクロトラクションドライブにおいて、前記
回転体は鋼製の玉であり、前記外輪は前記ケーシングに
対して前記中心軸線方向の一定範囲内の移動を許容する
ように取り付けられ、前記外輪と鋼製の玉と内輪は同外
輪に課される入力軸反先端方向のスラストに抗するよう
に構成され、同外輪と同ケーシングとの間に同外輪を入
力軸反先端方向に付勢する第1バネ体を装填して前記玉
と内輪を介し前記入力軸に入力軸反先端方向のスラスト
を課し、前記入力軸支持軸受をその軸受内輪に課された
入力軸反先端方向のスラストに対してその軸受玉と軸受
外輪とを介して抗するラジアル玉軸受としてなるように
構成したので、請求項1の発明の効果に加え、回転体と
して鋼製の玉を用いるため、各部材の製造が極めて容易
となり強度も高く、装填した第1バネ体で強い法線力を
与えることにより、鋼製の玉の接触面での十分な伝達力
が得られ、マイクロトラクションドライブとして高い伝
達トルクを有するものとなる。また、第1バネ体のバネ
力を調整して設定することにより伝達トルクの調整も可
能となる。
【0125】(6)請求項6の発明によれば、請求項5
に記載のマイクロトラクションドライブにおいて、前記
入力軸支持軸受の内輪は前記入力軸に対して回転方向に
移動を許容せず前記中心軸線方向の一定範囲内の移動を
許容するように取り付けられ、同入力軸支持軸受の軸受
内輪と前記内輪との間に同軸受内輪を入力軸反先端方向
に付勢する第2バネ体を装填してなるように構成したの
で、請求項1の発明の効果に加え、装填した第1バネ体
および第2バネ体でより強い法線力を与えることによ
り、鋼製の玉の接触面でのより十分な伝達力が得られ、
マイクロトラクションドライブとして高い伝達トルクを
有するものとなる。また、第1バネ体および第2バネ体
のバネ力を調整して設定することにより伝達トルクの調
整も可能となる。
【0126】(7)請求項7の発明によれば、請求項5
または請求項6に記載のマイクロトラクションドライブ
において、前記保持器を、前記入力軸支持軸受の軸受玉
とも係合させてなるように構成したので、請求項5また
は請求項6の発明の効果に加え、軸受玉の周方向の公転
によっても、保持器は回転力を得ることができ、出力軸
への回転トルクの伝達を向上できる。
【0127】(8)請求項8の発明によれば、請求項5
ないし請求項7のいずれかに記載のマイクロトラクショ
ンドライブにおいて、前記鋼製の玉に代え、鋼製の円錐
台形のコロとして前記内輪と外輪を構成し、前記入力軸
支持軸受を前記ラジアル玉軸受に代え、円錐台形の軸受
コロを備えた円すいコロ軸受としてなるように構成した
ので、請求項5ないし請求項7のいずれかの発明の効果
に加え、鋼製の円錐台形のコロを用いるため、鋼製の玉
よりもさらに強度が高く、装填したバネ体で強い法線力
を与えることにより、鋼製の円錐台形のコロの接触面で
の十分な伝達力が得られ、マイクロトラクションドライ
ブとしてより高い伝達トルクを有するものとなる。
【0128】(9)請求項9の発明によれば、請求項1
に記載のマイクロトラクションドライブにおいて、前記
回転体は鋼製の玉であり、前記内輪は前記入力軸に固定
され同内輪と鋼製の玉は前記外輪に課された入力軸先端
方向のスラストに抗するように構成され、同外輪は前記
入力軸支持軸受の軸受外輪と係合し、同入力軸支持軸受
の軸受内輪は前記入力軸に対して回転方向の移動を許容
せず前記中心軸線方向の一定範囲内の移動を許容するよ
うに取り付けられ、前記軸受内輪と軸受玉と軸受外輪は
同軸受内輪に課された入力軸先端方向のスラストに抗す
るラジアル玉軸受とし、前記入力軸に設けられたネジ部
に螺合したナットが前記軸受内輪を入力軸先端方向に押
圧するように構成されてなるように構成したので、請求
項1の発明の効果に加え、回転体として鋼製の玉を用い
るため、各部材の製造が極めて容易となり強度も高く、
入力軸に設けられたネジ部に螺合したナットで強い法線
力を与えることにより、鋼製の玉の接触面での十分な伝
達力が得られ、マイクロトラクションドライブとして高
い伝達トルクを有するものとなる。また、ナットの締め
付けによる押圧力を調整して設定することにより伝達ト
ルクの調整も可能となる。
【0129】(10)請求項10の発明によれば、請求
項9に記載のマイクロトラクションドライブにおいて、
前記保持器を、前記入力軸支持軸受の軸受玉とも係合さ
せてなることを特徴とするマイクロトラクションドライ
ブを提供する。
【0130】第10の手段によれば、第9の手段の作用
に加え、軸受玉の周方向の公転によっても、保持器は回
転力を得ることができ、出力軸への回転トルクの伝達を
向上できる。
【0131】(11)第11の手段として、第9の手段
または第10の手段のマイクロトラクションドライブに
おいて、前記鋼製の玉に代え、鋼製の円錐台形のコロと
して前記内輪と外輪を構成し、前記入力軸支持軸受を前
記ラジアル玉軸受に代え、円錐台形の軸受コロを備えた
円すいコロ軸受としてなるように構成したので、請求項
1の発明の効果に加え、鋼製の円錐台形のコロを用いる
ため、鋼製の玉よりもさらに強度が高く、入力軸に設け
られたネジ部に螺合したナットで強い法線力を与えるこ
とにより、鋼製の円錐台形のコロの接触面での十分な伝
達力が得られ、マイクロトラクションドライブとしてよ
り高い伝達トルクを有するものとなる。
【0132】(12)請求項12の発明によれば、請求
項1ないし請求項11のいずれかに記載のマイクロトラ
クションドライブにおいて、筒状の本体内に回転駆動源
を備え同本体先端の作業部を回転駆動する小型装置の前
記回転駆動源と前記作業部との間に備えられてなるよう
に構成したので、請求項1ないし請求項11のいずれか
の発明の効果により、従来のマイクロロボット等小型装
置における減速ギヤや遊星ギヤの製作上の問題、強度上
の問題が解消し、マイクロトラクションドライブによる
小型装置の作業部のトルクの制約が緩和し、あるいは破
損の恐れが低いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るマイクロトラク
ションドライブの中心軸線方向断面図である。
【図2】本発明の実施の第2形態に係るマイクロトラク
ションドライブの中心軸線方向要部断面図である。
【図3】本発明の実施の第3形態に係るマイクロトラク
ションドライブの中心軸線方向要部断面図である。
【図4】本発明の実施の第4形態に係るマイクロトラク
ションドライブの中心軸線方向断面図である。
【図5】本発明の実施の第5形態に係るマイクロトラク
ションドライブの中心軸線方向断面図である。
【図6】本発明の実施の第6形態に係るマイクロトラク
ションドライブ中心軸線方向断面図である。
【図7】本発明の実施の第7形態に係るマイクロトラク
ションドライブ中心軸線方向断面図である。
【符号の説明】
100、200、300、400、500、600、7
00 マイクロトラクションドライブ101、201、30
1、401、501、601、701ハウジング 102、402、502、602、702外輪 102a、202a、402a、502a、602a、
702a外輪軌道面 105、205、305、405、505、605、7
05入力軸 106、206、306、406、506、606、7
06入力軸支持軸受 109、209、309、409、509、609、7
09出力軸 110、210、310、410、510、610、7
10出力軸支持軸受 111、211、311、411、511、611、7
11内輪 111a、211a、311a、411a、511a、
611a、711a内輪軌道面 112、212、312、412、612玉 113、213、313、413、513、613、7
13保持器 202 弾性外輪 202b フランジ部 214 ボルト 215 ナット 316 第1テーパリング 316a 第1テーパ面 316b ネジ穴 317 第2テーパリング 317a 第2テーパ面 317b ボルト 318 インロウ嵌合部 419 第1バネ 420 第2バネ 512、712 コロ 522 バネ 605c、705c ネジ 626、726 ナット

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内の入力軸支持軸受に回転自
    在に支持された入力軸の先端と、同入力軸と中心軸線を
    同じくし前記ケーシング内の出力軸支持軸受に回転自在
    に支持された出力軸の後端とを間隔をあけて相対させ、
    ケーシングに取り付けられまたはケーシングの一部を構
    成しケーシングに対して回転方向が固定された外輪の内
    周面と、前記入力軸に取り付けられた内輪の外周面との
    間に、前記内輪の回転により前記外輪の内周面と前記内
    輪の外周面との間で転動し前記中心軸線周りに公転する
    複数の回転体を嵌装し、前記出力軸の後端に設けられた
    保持器を前記回転体に係合させ、前記外輪を前記複数の
    回転体に押圧させてなることを特徴とするマイクロトラ
    クションドライブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のマイクロトラクション
    ドライブにおいて、前記回転体は鋼製の玉であり、前記
    外輪は複数の同鋼製の玉を押圧するように焼嵌めされた
    ものであることを特徴とするマイクロトラクションドラ
    イブ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のマイクロトラクション
    ドライブにおいて、前記回転体は鋼製の玉であり、前記
    外輪は外周側が開いたチャンネル状の断面を有する弾性
    材で形成し、同チャンネルの両フランジ部を狭めるよう
    な締結構造を備えてなることを特徴とするマイクロトラ
    クションドライブ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のマイクロトラクション
    ドライブにおいて、前記回転体は鋼製の玉であり、前記
    外輪は隣合わせて中心軸線を同じくする第1テーパリン
    グと第2テーパリングからなり、同第1テーパリングと
    第2テーパリングは、相互に中心軸線方向に移動可能な
    インロウ嵌合部を有し、互いの間隔を調整する締結構造
    を備え、それぞれ断面上隣合う内周側角部を斜めに形成
    した第1テーパ面、第2テーパ面を有してなることを特
    徴とするマイクロトラクションドライブ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のマイクロトラクション
    ドライブにおいて、前記回転体は鋼製の玉であり、前記
    外輪は前記ケーシングに対して前記中心軸線方向の一定
    範囲内の移動を許容するように取り付けられ、前記外輪
    と鋼製の玉と内輪は同外輪に課される入力軸反先端方向
    のスラストに抗するように構成され、同外輪と同ケーシ
    ングとの間に同外輪を入力軸反先端方向に付勢する第1
    バネ体を装填して前記玉と内輪を介し前記入力軸に入力
    軸反先端方向のスラストを課し、前記入力軸支持軸受を
    その軸受内輪に課された入力軸反先端方向のスラストに
    対してその軸受玉と軸受外輪とを介して抗するラジアル
    玉軸受としてなることを特徴とするマイクロトラクショ
    ンドライブ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のマイクロトラクション
    ドライブにおいて、前記入力軸支持軸受の内輪は前記入
    力軸に対して回転方向に移動を許容せず前記中心軸線方
    向の一定範囲内の移動を許容するように取り付けられ、
    同入力軸支持軸受の軸受内輪と前記内輪との間に同軸受
    内輪を入力軸反先端方向に付勢する第2バネ体を装填し
    てなることを特徴とするマイクロトラクションドライ
    ブ。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載のマイク
    ロトラクションドライブにおいて、前記保持器を、前記
    入力軸支持軸受の軸受玉とも係合させてなることを特徴
    とするマイクロトラクションドライブ。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし請求項7のいずれかに記
    載のマイクロトラクションドライブにおいて、前記鋼製
    の玉に代え、鋼製の円錐台形のコロとして前記内輪と外
    輪を構成し、前記入力軸支持軸受を前記ラジアル玉軸受
    に代え、円錐台形の軸受コロを備えた円すいコロ軸受と
    してなることを特徴とするマイクロトラクションドライ
    ブ。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のマイクロトラクション
    ドライブにおいて、前記回転体は鋼製の玉であり、前記
    内輪は前記入力軸に固定され同内輪と鋼製の玉は前記外
    輪に課された入力軸先端方向のスラストに抗するように
    構成され、同外輪は前記入力軸支持軸受の軸受外輪と係
    合し、同入力軸支持軸受の軸受内輪は前記入力軸に対し
    て回転方向の移動を許容せず前記中心軸線方向の一定範
    囲内の移動を許容するように取り付けられ、前記軸受内
    輪と軸受玉と軸受外輪は同軸受内輪に課された入力軸先
    端方向のスラストに抗するラジアル玉軸受とし、前記入
    力軸に設けられたネジ部に螺合したナットが前記軸受内
    輪を入力軸先端方向に押圧するように構成されてなるこ
    とを特徴とするマイクロトラクションドライブ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のマイクロトラクショ
    ンドライブにおいて、前記保持器を、前記入力軸支持軸
    受の軸受玉とも係合させてなることを特徴とするマイク
    ロトラクションドライブ。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10に記載のマ
    イクロトラクションドライブにおいて、前記鋼製の玉に
    代え、鋼製の円錐台形のコロとして前記内輪と外輪を構
    成し、前記入力軸支持軸受を前記ラジアル玉軸受に代
    え、円錐台形の軸受コロを備えた円すいコロ軸受として
    なることを特徴とするマイクロトラクションドライブ。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11のいずれか
    に記載のマイクロトラクションドライブにおいて、筒状
    の本体内に回転駆動源を備え同本体先端の作業部を回転
    駆動する小型装置の前記回転駆動源と前記作業部との間
    に備えられてなることを特徴とするマイクロトラクショ
    ンドライブ。
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