JP2003278016A - 使捨用手袋及びその製造方法 - Google Patents

使捨用手袋及びその製造方法

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JP2003278016A
JP2003278016A JP2002082664A JP2002082664A JP2003278016A JP 2003278016 A JP2003278016 A JP 2003278016A JP 2002082664 A JP2002082664 A JP 2002082664A JP 2002082664 A JP2002082664 A JP 2002082664A JP 2003278016 A JP2003278016 A JP 2003278016A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた溶解性、離解性又は分散性によって例
えば水洗トイレ等に直接流すことができ、かつ、廃棄時
までは優れた防水性を有する使捨用手袋及びその製造方
法の提供を目的とするものである。 【解決手段】 複数の樹脂シート片(手の平被覆用の樹
脂シート片2及び手の甲被覆用の樹脂シート片3)が手
袋状に接合された使捨用手袋1であって、この樹脂シー
ト片2、3が(a)樹脂マトリックス6中に充填剤7を
含有する外面側の耐水樹脂層5と(b)水溶性又は水離
解性を有する内面側の樹脂フィルム4とを備え、複数の
樹脂シート片2、3が接合部で内側に折り返され、外面
側の耐水樹脂層5同士で接合されていることを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性、水離解性
又は水分散性を有し、ペット等の糞尿処理に好適な使捨
用手袋及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】糞尿等の汚物を処理するための使捨用袋
(又は手袋)は、今日、ペット等の糞尿処理、簡易トイ
レ、人工肛門からの排泄物の貯納、介護分野における汚
物処理などに広く使用されている。かかる使捨用袋の材
料としては、従来、ポリエチレン等の合成樹脂フィルム
が用いられている。そのため、これらの使捨用袋は、使
用後、焼却処分又は埋立処分による廃棄処理が行われて
おり、環境負荷の大きいものである。
【0003】かかる環境負荷を低減すべく、耐水性及び
生分解性を有する耐水樹脂層及び水溶性又は水分解性を
有する樹脂フィルムの2層で構成される樹脂シートを用
い、この樹脂シートを袋状に成形した使捨用袋が開発さ
れている(特開平4−328616号等公報参照)。こ
の使捨用袋は、耐水樹脂層の耐水性によって糞尿等の汚
物の貯納が可能であり、さらに水洗トイレ等に投棄する
と、樹脂フィルムが水に溶解又は離解し、耐水樹脂層が
微生物によって生分解されるよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の使捨用袋
は、上述のように溶解、離解及び生分解されるため焼
却、埋立等の廃棄処理が不要になるが、耐水樹脂層の微
生物による生分解には長時間を要する。従って、この使
捨用袋を水洗トイレ等に投棄すると、樹脂フィルムが溶
解又は離解しても耐水樹脂層が残存し、トイレ配管、下
水道、下水処理施設等において詰まり等の不都合が発生
するおそれがある。
【0005】また、上記従来の使捨用袋10は、詳細に
は図3に示すように、耐水樹脂層11を外側に、樹脂フ
ィルム12を内側に位置するように樹脂シートを重ね、
積層された樹脂フィルム12の外縁部をヒートシール等
の手段で袋状に接合することで形成しておき、袋内に手
を入れてペットの糞等の汚物を把持し、把持した状態で
内側と外側とを反転させる(つまり裏返す)ことで汚物
を内側の耐水樹脂層11内に収納するのが便利である。
【0006】しかし、上記従来の使捨用袋10は、接合
端面に水溶性又は水分解性を有する樹脂フィルム12が
露出しているため、端面に水分が付着すると、樹脂フィ
ルム12が溶解又は分解して容易に開口が形成され、汚
物処理に必要な防水性の確保が困難である。特に、上述
のように反転させて内部に汚物を収納した状態では、樹
脂フィルム12が露出した接合端面が袋の内側に配設さ
れるため、樹脂フィルム12が収納した汚物と接触し、
容易に溶解又は分解してしまうという不都合がある。
【0007】本発明はこれらの不都合に鑑みてなされた
ものであり、優れた溶解性、離解性又は分散性によって
例えば水洗トイレ等に直接流すことができ、かつ、廃棄
時までは優れた防水性を有する使捨用手袋及びその製造
方法の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた発明は、複数の樹脂シート片が手袋状に接合
された使捨用手袋であって、この樹脂シート片が(a)
樹脂マトリックス中に充填剤を含有する外面側の耐水樹
脂層と(b)水溶性又は水離解性を有する内面側の樹脂
フィルムとを備え、複数の樹脂シート片が接合部で内側
に折り返され、外面側の耐水樹脂層同士で接合されてい
ることを特徴とするものである。
【0009】当該使捨用手袋の構成材料である樹脂シー
ト片の樹脂フィルムは、水溶性又は水離解性を有するた
め、水中へ浸積することで水中に溶解又は離解する。一
方、この樹脂シート片の耐水樹脂層は、樹脂マトリック
ス中に充填剤を含有することから、水中へ浸積し、流
水、撹拌等によって外的応力を付加することで離解又は
分散する。そのため、当該使捨用手袋は、例えば水洗ト
イレ等に流すことで、全体が溶解、離解又は分解し、焼
却、埋立等の廃棄処理を回避することができる。
【0010】また、当該使捨用手袋によれば、外面側の
耐水樹脂層によって防水性を有するため、例えば糞尿等
の水分を含む汚物を把持し、この状態で反転させること
で汚物を内部に収納することができる。さらに、当該使
捨用手袋は、構成材料である複数の樹脂シート片が接合
部で内側に折り返され、外面側の耐水樹脂層同士で接合
されていることから、接合端面に樹脂フィルムが露出し
ていない。そのため、汚物処理時に当該使捨用手袋の外
面(収納時には反転して内面となる)に水分が接触して
も、上記従来の使捨用袋のように開口が生じてしまうこ
とが防止され、廃棄時まで優れた防水性を発揮すること
ができる。
【0011】上記複数の樹脂シート片を、手の甲被覆用
の樹脂シート片及び手の平被覆用の樹脂シート片から構
成するとよい。かかる手の甲被覆用の樹脂シート片及び
手の平被覆用の樹脂シート片を用いることで、最も部品
点数が少なくかつ容易に当該使捨用手袋を形成すること
ができる。
【0012】上記樹脂フィルムの形成材料としては、溶
解性及び溶解後の安全性が高いポリビニルアルコールを
用いるとよい。
【0013】上記耐水樹脂層の形成材料としては生分解
性樹脂を用いるとよい。上述のように耐水樹脂層が水中
で離解又は分解した後に、例えば流された下水処理施設
等において生分解され、環境負荷を格段に低減すること
ができる。
【0014】上記充填剤としても生分解性樹脂製の充填
剤を用いるとよい。このように生分解性樹脂製の充填剤
を用いることで、耐水樹脂層の離解又は分解後に、充填
剤をも生分解されるため、環境負荷の低減化を促進する
ことができる。
【0015】上記充填剤の平均粒子径としては耐水樹脂
層の厚みの30%以上100%以下が好ましい。このよ
うに、耐水樹脂層に含有する充填剤の平均粒子径を上記
範囲とすることで、耐水樹脂層の防水性を維持しつつ、
水中での外的応力付加時の離解又は分解性を促進するこ
とができる。
【0016】上記樹脂シート片としては、樹脂フィルム
の内面側にさらに耐水樹脂層を備えるとよい。このよう
に、樹脂フィルムの上下両面に耐水樹脂層が積層された
樹脂シート片を用いると、防水性が向上し、ひいては取
扱性が向上する。
【0017】また、上記課題を解決するためになされた
別の発明は、(A)(a)水溶性又は水離解性を有する
樹脂フィルムと(b)樹脂マトリックス中に充填剤を含
有する耐水樹脂層とを備える樹脂シートを手形状に裁断
し、手の甲被覆用の樹脂シート片と手の平被覆用の樹脂
シート片とを形成する裁断行程と、(B)これらの手の
甲被覆用の樹脂シート片と手の平被覆用の樹脂シート片
とを互いの耐水樹脂層が接面するよう重ね、これらの耐
水樹脂層の外縁部(手挿入部を除く外縁部を意味する)
を接合する接合行程と、(C)接合された手の甲被覆用
の樹脂シート片及び手の平被覆用の樹脂シート片の内側
と外側とを反転させる裏返し行程とを有する使捨用手袋
の製造方法である。
【0018】当該使捨用手袋の製造方法によれば、裁断
行程、接合行程及び裏返し行程を経ることで、接合部で
樹脂シート片が内側に折り返され、外面側の耐水樹脂層
同士で接合された当該使捨用手袋を容易に製造すること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ本発
明の実施の形態を詳説する。図1(a)は本発明の一実
施形態に係る使捨用手袋を示す平面図、図1(b)は図
1(a)の使捨用手袋の接合部を示す模式的部分端面
図、図2(a)及び(b)は図1の使捨用手袋の製造方
法を説明する模式的斜視図である。
【0020】図1の使捨用手袋1は、手形状(人の手が
挿入できる形状)に形成された手の甲被覆用の樹脂シー
ト片2と、この樹脂シート片2と略同一形状に形成され
た手の平被覆用の樹脂シート片3とから構成されてい
る。これらの樹脂シート片2、3は、重ねられ、手挿入
部8以外の外縁部9で接合されている。これらの樹脂シ
ート片2、3は、同様の構造を有しており、具体的には
外面側(手袋の外面側)の耐水樹脂層5と内面側(手袋
の内面側)の樹脂フィルム4とを備えている。
【0021】樹脂フィルム4は、水溶性又は水離解性を
有するものであり、強度等を考慮して多層構造とするこ
とも可能である。この樹脂フィルム4の形成材料として
は、水溶性又は水離解性を有するものであれば特に限定
されるものではなく、例えばポリビニルアルコール等の
水溶性樹脂が用いられ、その他にワックスエマルジョ
ン、樹脂エマルジョン、合成ゴム系ラテックス、これら
の混合物なども用いられる。中でも、高い水溶性又は水
離解性を有し、溶解又は離解前に高い強度及び内容物の
保護性を有する水溶性樹脂が好適に用いられ、特に優れ
た水溶性又は水離解性を有し、かつ、溶解又は離解後に
おいて環境等に対する安全性を有するポリビニルアルコ
ールが好ましい。
【0022】上記ポリビニルアルコールの具体例として
は、例えば部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコール誘導体などが挙げられる。この部分ケン化
ポリビニルアルコールのケン化度の下限としては75モ
ル%、特に80モル%が好ましく、このケン化度の上限
としては98モル%、特に95モル%が好ましい。ケン
化度をこの範囲とすることで優れた水溶性を発揮するこ
とができる。また、この部分ケン化ポリビニルアルコー
ルの重合度の下限としては300、特に500が好まし
く、この重合度の上限としては3000、特に2000
が好ましい。これは、部分ケン化ポリビニルアルコール
の重合度が上記下限より小さいと、成形後のフィルム強
度が小さくなり、逆に、重合度が上記上限を超えると、
溶解又は離解が完了するまでの時間が長くなることから
である。
【0023】上記ポリビニルアルコール誘導体として
は、(a)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、酢酸アリル等の不飽和カルボン酸と酢酸ビニルと
の共重合体のケン化物、(b)無水コハク酸、無水フタ
ル酸、無水マレイン酸等の酸無水物によるエステル化物
などが挙げられる。
【0024】上記合成ゴム系ラテックスとしては、具体
的には、スチレンブタジエンラテックス、メタクリレー
トブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエン
ラテックスなどが挙げられるが、耐水性が良好で、伸び
がよく折割れによる亀裂が生じにくいスチレンブタジエ
ンラテックスが好適である。
【0025】上記アクリル系エマルジョンとしては、具
体的には、スチレンおよびスチレン誘導体、アクリル酸
(メタクリル酸)、アクリル酸(メタクリル酸)エステ
ル等を共重合したアクリルコポリマー、アクリル−スチ
レンコポリマー等の共重合体系を用いることができる。
【0026】なお、この樹脂フィルム4の形成材料に
は、上記基材ポリマーに加えて、例えばその他の樹脂、
炭化水素系オリゴマー、界面活性剤、可塑剤、スリップ
剤、分散剤、安定剤、着色剤、顔料、芳香剤等を適宜配
合することができる。
【0027】樹脂フィルム4の厚みは、特に限定される
ものではなく、当該使捨用手袋1の使用目的、用いられ
る形成材料等に応じて適宜決定することができる。例え
ば、当該使捨用手袋1をペットの糞処理袋、簡易トイレ
の内袋等の使捨用袋などに使用する場合、樹脂フィルム
4の厚みの下限としては10μm、特に25μmが好ま
しく、その厚みの上限としては150μm、特に120
μmが好ましい。これは、樹脂フィルム4の厚みが上記
下限より小さいと、包装材としての強度が不足するおそ
れがあり、逆に、上記上限を超えると、水中への浸積後
溶解又は離解するまでの時間がかかることからである。
【0028】樹脂フィルム4の形成方法としては、特に
限定されるものではなく、上記形成材料に応じて好適な
公知の方法が採用される。一般的には、(a)溶融合成
樹脂をフィルム状に押し出すTダイ法、インフレーショ
ン法等の押出成形や、(b)溶剤で溶解した合成樹脂を
ステンレスベルト等の板状型に流し、溶剤を乾燥させる
キャスティングなどによって製造される。
【0029】耐水樹脂層5は、耐水性を有する樹脂マト
リックス6と、この樹脂マトリックス6中に含有する充
填剤7とを有している。かかる耐水樹脂層5は、水中へ
浸積し、加えて流水、撹拌等によって外的応力を付加す
ることで、樹脂マトリックス6と充填剤7との界面で容
易に裂け、比較的細かく離解又は分散する。
【0030】耐水樹脂層5の厚みは、特に限定されるも
のではなく、当該使捨用手袋1の使用用途、当該層の形
成材料の物性等を考慮して適宜決定することができる。
例えば、当該使捨用手袋1をペットの糞処理袋、簡易ト
イレの内袋等の汚物処理袋などに使用する場合、耐水樹
脂層5の厚みの下限としては1μm、特に5μmが好ま
しく、耐水樹脂層5の厚みの上限としては100μm、
特に60μmが好ましい。これは、耐水樹脂層5の厚み
が上記下限より小さいと、防水性が低下するおそれがあ
り、逆に、上記上限を超えると、不経済になるばかりで
あり、上述のように生分解性樹脂を用いた場合には生分
解されるのに時間がかかり過ぎることからである。
【0031】樹脂マトリックス6はポリマー組成物から
形成されている。このポリマー組成物の基材ポリマーと
しては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フ
ッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミドイミド、エ
ポキシ系樹脂、セルロース系樹脂等を用いることができ
る。中でも、基材ポリマーとしては生分解性樹脂が好ま
しい。かかる生分解性樹脂から耐水樹脂層5を形成する
と、耐水樹脂層5が生分解され、耐水樹脂層5によるゴ
ミの発生や下水道等の詰まりの発生を防止することがで
きる。
【0032】上記生分解性樹脂は、脂肪族ポリエステル
等の合成生分解性樹脂と天然生分解性樹脂とに大別され
る。この脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリヒド
ロキシ酢酸、ポリラクタイド、ポリプロピオラクトン、
ポリ3−ホドロキシブチレート、ポリε−カプロラクト
ン、ポリピバラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリ
エチレンアゼテート、ポリエチレンスベレート、3ヒド
ロキシブチレート−3ヒドロキシバリレート共重合体な
どが挙げられる。また、上記天然生分解性樹脂として
は、例えばシェラック、ダンマル、キサンタンガム、キ
トサン、コラーゲン、セルロース誘導体などが挙げられ
る。
【0033】なお、耐水樹脂層5の樹脂マトリックス6
を形成するためのポリマー組成物には、上記基材ポリマ
ーの他に、例えば可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散
剤、界面活性剤、スリップ剤、着色剤、顔料、芳香剤等
が配合されてもよい。
【0034】充填剤7には、無機フィラー及び有機フィ
ラーがある。この無機フィラーとしては、具体的にはシ
リカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜
鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれ
らの混合物を用いることができる。また、有機フィラー
の具体的な材料としては、例えばアクリル樹脂、アクリ
ロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコ
ーン系樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。特
に、この充填剤7として生分解性樹脂製のものを用いる
とよく、上述のように樹脂マトリックス6の基材ポリマ
ーに生分解性樹脂を用いることと相まって、耐水樹脂層
5の全てが離解又は分解後に生分解され、環境負荷の低
減化をより一層促進することができる。
【0035】充填剤7の形状としては、特に限定される
ものではなく、例えば球状、粒状、立方状、針状、棒
状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、
中でも耐水樹脂層5の離解又は分散性に優れる球状が好
ましい。
【0036】充填剤7の平均粒子径の下限としては耐水
樹脂層5の厚みの30%、特に50%、さらに60%が
好ましく、上記平均粒子径の上限としては耐水樹脂層5
の厚みの100%、特に90%、さらに80%が好まし
い。これは、充填剤7の平均粒子径が上記下限より小さ
いと、充填剤7による耐水樹脂層5の離解又は分散作用
が低減するおそれがあり、逆に、上記平均粒子径が上記
上限を越えると、充填剤7が耐水樹脂層5の表面から突
出し、耐水樹脂層5の防水性が低下するおそれがあるこ
とからである。
【0037】樹脂マトリックス6を形成する上記ポリマ
ー組成物の基材ポリマー100部に対する充填剤7の配
合量の下限としては10部、特に25部、さらに50部
が好ましく、上記配合量の上限としては500部、特に
300部、さらに200部が好ましい。これは、充填剤
7の配合量が上記下限より小さいと、充填剤7による耐
水樹脂層5の離解又は分散作用が低減するおそれがあ
り、逆に、充填剤7の配合量が上記上限を越えると、耐
水樹脂層5の防水性が低下するおそれがあることからで
ある。
【0038】上記耐水樹脂層5の形成方法としては、樹
脂フィルム4の表面に耐水樹脂層5が積層できれば特に
限定されないが、一般的には塗工等の手段が採用され
る。耐水樹脂層5を塗工により形成する方法としては、
具体的には、樹脂マトリックス6を構成するポリマー組
成物に充填剤7を混合することで塗工液を製造する工程
と、この塗工液を樹脂フィルム4の表面に塗工すること
で耐水樹脂層5を積層する工程とからなる。
【0039】上記構造の樹脂シート片2、3の外縁部9
は、図1(b)に示すように、互いに内側に折り返さ
れ、外面側の互いの耐水樹脂層5同士で接合されてい
る。従って、当該使捨用手袋1の外面には水溶性又は水
理解性を有する樹脂フィルム4が一切露出していない。
そのため、当該使捨用手袋1の外面に水分が付着して
も、樹脂フィルム4の溶解等による開口が防止され、例
えば糞尿等の水分を含む汚物を把持し、反転させて内部
に収容することができる。一方、廃棄時には、当該使捨
用手袋1は、水中への浸積によって樹脂フィルム4が溶
解又は離解し、水中への浸積及び流水、撹拌等による外
的応力の付加によって耐水樹脂層5が離解又は分散す
る。
【0040】次に、当該使捨用手袋1の製造方法を図2
に従って説明する。当該使捨用手袋1の製造方法として
は、上記構造の使捨用手袋1の製造が可能であれば特に
限定されるものではないが、裁断行程、接合行程及び裏
返し行程を有する製法が好適である。
【0041】この裁断行程において、水溶性又は水離解
性を有する樹脂フィルム4と、樹脂マトリックス6中に
充填剤7を含有する耐水樹脂層5とを備える樹脂シート
を用い、図2(a)に示すように、この樹脂シートを略
同一形状の手形状に裁断し、手の甲被覆用の樹脂シート
片2と手の平被覆用の樹脂シート片3とを形成する。こ
の裁断方法としては、特に限定されず、シートを裁断す
るための公知の手段が採用される。
【0042】接合行程において、図2(b)に示すよう
に、手の甲被覆用の樹脂シート片2と手の平被覆用の樹
脂シート片3とを互いの耐水樹脂層5が接面するよう重
ね、これらの耐水樹脂層5の外縁部を接合する。この接
合手段としては、特に限定されず、接着剤による接合や
ヒートシールなどが可能である。但し、当該使捨用手袋
1の分解性、溶解性等の弊害にならないヒートシールが
好ましい。
【0043】裏返し行程において、接合された手の甲被
覆用の樹脂シート片2及び手の平被覆用の樹脂シート片
3の内側と外側とを反転させる。
【0044】当該製造方法は、換言すると、樹脂シート
片2、3の外縁部9をいわゆる中表で接合しておき、樹
脂シート片2、3を裏返すものである。当該製造方法に
よれば、上述のように中表で接合するという簡易な方法
で、樹脂シート片2、3の外面側の互いの耐水樹脂層5
同士で接合された接合部を形成することができる。
【0045】なお、本発明の使捨用手袋及びその製造方
法は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、
使捨用手袋の構成材料としては、手の甲被覆用の樹脂シ
ート片2及び手の平被覆用の樹脂シート片3に限定され
ず、複数の樹脂シート片を用いて手袋状に接合した使捨
用手袋も可能である。また、樹脂シート片としては、樹
脂フィルム4の内面側にさらに耐水樹脂層5が積層され
たものを用いることができる。このように、樹脂フィル
ム4の表面に耐水樹脂層5が積層された樹脂シート片を
用いることで、防水性が向上し、ひいては取扱性が向上
する。
【0046】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、
この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈され
るものではない。
【0047】[実施例]厚さ100μmのポリビニルア
ルコール製の樹脂フィルムの表面に、アクリル系樹脂中
に充填剤を含有する耐水樹脂層が積層された樹脂シート
を用い、上記裁断行程、ヒートシールによる接合行程及
び裏返し行程を経ることで実施例の使捨用手袋を得た。
【0048】[比較例]上記実施例の樹脂シートを用
い、上記裁断行程を経ることで、手の甲被覆用の樹脂シ
ート片及び手の平被覆用の樹脂シート片を形成し、これ
らの樹脂シート片を互いの樹脂フィルムが接面するよう
重ね、樹脂フィルムの外縁部をヒートシールすることで
比較例の使捨用手袋を得た。
【0049】[特性の評価]上記実施例の使捨用手袋及
び比較例の使捨用手袋を用い、これらの使捨用手袋の手
挿入部以外の先側部分を水中に浸漬し、内部に水が浸透
するまでの時間を測定した。その結果、実施例の使捨用
手袋は6時間以上水が浸透しなかったが、比較例の使捨
用手袋は5秒以内に水が浸透した。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の使捨用手
袋によれば、全体が溶解、離解又は分解されるため、例
えば水洗トイレ等に直接流すことができ、環境に優しい
ものとなる。また、廃棄時までは優れた防水性を有し、
ペットの糞尿等の水分を含む汚物の処理を容易かつ確実
に行うことができる。一方、本発明の使捨用手袋の製造
方法によれば、本発明の使捨用手袋を容易に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る使捨用手袋
を示す平面図で、(b)は(a)の使捨用手袋の接合部
分を示す模式的部分端面図である。
【図2】図1の使捨用手袋の製造方法を説明する模式的
斜視図である。
【図3】従来の使捨用使捨用袋を示す模式的斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 使捨用手袋 2 樹脂シート片 3 樹脂シート片 4 樹脂フィルム 5 耐水樹脂層 6 樹脂マトリックス 7 充填剤 8 手挿入部 9 外縁部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の樹脂シート片が手袋状に接合され
    た使捨用手袋であって、 この樹脂シート片が、樹脂マトリックス中に充填剤を含
    有する外面側の耐水樹脂層と、水溶性又は水離解性を有
    する内面側の樹脂フィルムとを備え、 複数の樹脂シート片が接合部で内側に折り返され、外面
    側の耐水樹脂層同士で接合されていることを特徴とする
    使捨用手袋。
  2. 【請求項2】 上記複数の樹脂シート片が、手の甲被覆
    用の樹脂シート片及び手の平被覆用の樹脂シート片から
    なる請求項1に記載の使捨用手袋。
  3. 【請求項3】 上記樹脂フィルムの形成材料としてポリ
    ビニルアルコールが用いられている請求項1又は請求項
    2に記載の使捨用手袋。
  4. 【請求項4】 上記耐水樹脂層の形成材料として生分解
    性樹脂が用いられている請求項1、請求項2又は請求項
    3に記載の使捨用手袋。
  5. 【請求項5】 上記充填剤として生分解性樹脂製の充填
    剤が用いられている請求項1から請求項4のいずれか1
    項に記載の使捨用手袋。
  6. 【請求項6】 上記充填剤の平均粒子径が耐水樹脂層の
    厚みの30%以上100%以下である請求項1から請求
    項5のいずれか1項に記載の使捨用手袋。
  7. 【請求項7】 上記樹脂シート片が、樹脂フィルムの内
    面側にさらに耐水樹脂層を備えている請求項1から請求
    項6のいずれか1項に記載の使捨用手袋。
  8. 【請求項8】 水溶性又は水離解性を有する樹脂フィル
    ムと、樹脂マトリックス中に充填剤を含有する耐水樹脂
    層とを備える樹脂シートを手形状に裁断し、手の甲被覆
    用の樹脂シート片と手の平被覆用の樹脂シート片とを形
    成する裁断行程と、 これらの手の甲被覆用の樹脂シート片と手の平被覆用の
    樹脂シート片とを互いの耐水樹脂層が接面するよう重
    ね、これらの耐水樹脂層の外縁部を接合する接合行程
    と、 接合された手の甲被覆用の樹脂シート片及び手の平被覆
    用の樹脂シート片の内側と外側とを反転させる裏返し行
    程とを有する使捨用手袋の製造方法。
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KR20190138539A (ko) * 2018-06-05 2019-12-13 (주)광장이노텍 에어로젤 장갑 및 그 제조방법
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