JP2003277377A - ベンゾオキサゼピン化合物 - Google Patents

ベンゾオキサゼピン化合物

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JP2003277377A
JP2003277377A JP2003010125A JP2003010125A JP2003277377A JP 2003277377 A JP2003277377 A JP 2003277377A JP 2003010125 A JP2003010125 A JP 2003010125A JP 2003010125 A JP2003010125 A JP 2003010125A JP 2003277377 A JP2003277377 A JP 2003277377A
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三木  隆
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スクアレン合成酵素阻害作用などを有し、脂質
低下剤、高脂血症の予防・治療剤などとして有用なベン
ゾオキサゼピン化合物の提供。 【解決手段】式 【化1】 〔式中、Wはハロゲン原子を示し、Rは低級アルキル
基を示し、Rはホルミル基および置換されていてもよ
い水酸基から選ばれる置換基1ないし3個で置換されて
いてもよい低級アルキル基を示し、Rは式 【化2】 〔式中、xは1−3の整数を示し、yは0−2の整数を
示し、破線aおよびbは何れか一方が二重結合を示し、
他方は一重結合を示し、Rは水素原子または−(CH
−R〔Rはエステル化されていてもよいカル
ボキシル基を示し、zは0−3の整数を示す。〕を示
す。但し、破線aが二重結合のとき、yは0でない。〕
で表される基を示す。〕で表わされる化合物またはその
塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高脂血症等の予防
治療に有用なスクアレン合成酵素阻害作用、コレステロ
ール低下作用及びトリグリセライド低下作用を有する新
規なベンゾオキサゼピン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】血清脂質濃度の異常増加を高脂質血症
(hyperlipidemia)または高脂血症(h
yperlipemia)と呼ぶ。血清脂質にはコレス
テロール(コレステロールエステル,遊離コレステロー
ル)、リン脂質(レシチン,スフィンゴミエリンな
ど)、トリグリセライド(中性脂肪)、遊離脂肪酸、そ
の他のステロール類などがあるが、とくに臨床的に問題
となるのは、コレステロール,トリグリセライドの増加
である(非特許文献1参照)。血中コレステロール値を
低下させる薬剤としては、コレスチラミン(Chole
styramine)、コレスチポール(Colest
ipol)等の胆汁酸を捕捉してその吸収を阻害するも
の(例,特許文献1)、メリナミド(Melinami
de)等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル
移転酵素(ACAT)を阻害してコレステロールの腸管
吸収を抑制するもの等の他、コレステロールの生合成を
抑制する薬剤がある。コレステロール生合成抑制薬剤と
して、特に3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエ
ンザイムA(HMG−CoA)還元酵素を阻害するロバ
スタチン(Lovastatin)(特許文献2)、シ
ンバスタチン(Simvastatin)(特許文献
3)、プラバスタチン(Pravastatin)(特
許文献4)等が医薬に供されている。またトリグリセラ
イド低下剤としては、フィブリン酸系化合物、例えば、
クロフィブラート(特許文献5),フェノフィブラート
(特許文献6)などが医薬に供されている。一方、スク
アレン合成酵素を阻害することによるコレステロールの
生合成阻害作用を有する化合物としては、非特許文献
2、特許文献7〜21に開示されている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第4027009号明細書
【特許文献2】米国特許第4231938号明細書
【特許文献3】米国特許第4444784号明細書
【特許文献4】米国特許第4346227号明細書
【特許文献5】英国特許第860303号明細書
【特許文献6】独国特許発明第2250327号明細書
【特許文献7】特開平1−213288号公報
【特許文献8】特開平2−101088号公報
【特許文献9】特開平2−235820号公報
【特許文献10】特開平2−235821号公報
【特許文献11】特開平3−20226号公報
【特許文献12】特開平3−68591号公報
【特許文献13】特開平3−148288号公報
【特許文献14】米国特許第5019390号明細書
【特許文献15】米国特許第5135935号明細書
【特許文献16】米国特許第5726306号明細書
【特許文献17】米国特許第5698691号明細書
【特許文献18】欧州特許第0645377号明細書
【特許文献19】国際公開第92/15579号パンフ
レット
【特許文献20】国際公開第93/09115号パンフ
レット
【特許文献21】国際公開第97/10224号パンフ
レット
【非特許文献1】「コモン・ディジーズ・シリーズ(CO
MMON DISEASE SERIES),No.19 高脂血症 中村
治雄編集 1991年10月10日発行南江堂」
【非特許文献2】「ジャーナル・オブ・メディシナル・
ケミストリー (Journal of Medicinal Chemistry),1
988年,第31巻,p.1869−1871」
【0004】
【発明が解決しようとする課題】血清脂質濃度の適切な
コントロールは、虚血性心疾患、脳梗塞などに代表され
る動脈硬化に関連した諸疾患の予防または治療に極めて
重要である。また、高トリグリセライド血症は、膵障害
を併発すると考えられる。HMG−CoA還元酵素阻害
剤によりHMG−CoA還元酵素を阻害するとコレステ
ロールの生合成以外に、ユビキノン、ドリコールやヘム
Aの様な、その他の生体に必要な成分の生合成も阻害さ
れるため、それらに起因する副作用が懸念される。ま
た、トリグリセライド低下剤とスタチン系化合物との併
用は肝毒性のため禁忌となっている。一方、スクアレン
合成酵素は、コレステロール生合成経路の必須段階に関
与する酵素である。この酵素は、2分子のファルネシル
ピロリン酸の還元二量化を触媒してスクアレンを形成す
る酵素である。このような状況下、本発明は、より安全
で、かつより強力なスクアレン合成酵素阻害作用(コレ
ステロール低下作用)、トリグリセライド低下作用等の
脂質低下作用を有し、高脂血症の予防治療等の医薬とし
て有用な化合物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、3位に特定の置換基を有する化学構造を
特徴とする4,1−ベンゾオキサゼピン化合物を初めて
合成し、この化合物が予想外にも該特異な化学構造に基
づいて優れた脂質低下作用等の医薬作用を有することを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)式
【化7】 〔式中、Wはハロゲン原子を示し、Rは低級アルキル
基を示し、Rはホルミル基および置換されていてもよ
い水酸基から選ばれる置換基1ないし3個で置換されて
いてもよい低級アルキル基を示し、Rは式
【化8】 〔式中、xは1、2または3の整数を示し、yは0、1
または2の整数を示し、破線aおよびbは何れか一方が
二重結合を示し、他方は一重結合を示し、Rは水素原
子または式 −(CH−R〔式中、Rはエス
テル化されていてもよいカルボキシル基を示し、zは
0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基を示
す。但し、破線aが二重結合のとき、yは0でない。〕
で表される基を示す。〕で表される化合物またはその
塩; (2)前記(1)記載の化合物のプロドラッグ; (3)Wが塩素原子である前記(1)記載の化合物; (4)RがC1−4アルキルである前記(1)記載の
化合物; (5)Rがメチルである前記(1)記載の化合物; (6)Rが置換されていてもよい水酸基1ないし3個
で置換されていてもよいC1−6アルキルである前記
(1)記載の化合物; (7)Rが置換されていてもよい水酸基1ないし3個
で置換されていてもよい分枝状のC3−6アルキルであ
る前記(1)記載の化合物; (8)置換されていてもよい水酸基が置換されていても
よいアシル基で置換されていてもよい水酸基または置換
されていてもよいアルキル基で置換されていてもよい水
酸基である前記(1)記載の化合物; (9)置換されていてもよいアシル基が(i)ハロゲン
原子、アミノ、モノ−C 1−4アルキルアミノおよびジ
−C1−4アルキルアミノから選ばれる1ないし3個の
置換基で置換されていてもよいC1−20アルキル−カ
ルボニルまたは(ii)ハロゲン原子、アミノ、モノ−C
1−4アルキルアミノおよびジ−C1−4アルキルアミ
ノから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていて
もよいC −6アルコキシ−カルボニルである前記
(8)記載の化合物; (10)置換されていてもよいアルキル基がハロゲン原
子、アミノ、モノ−C −4アルキルアミノおよびジ−
1−4アルキルアミノから選ばれる1ないし3個の置
換基で置換されていてもよいC1−6アルキルである前
記(8)記載の化合物; (11)Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニル
オキシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイル
オキシ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび2−アミ
ノプロピオニルオキシから選ばれた1ないし3個の置換
基を有していてもよいC1−6アルキルである前記
(1)記載の化合物; (12)Rが2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロ
ピル、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メ
チルプロピル、3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロ
ピル、3−アセトキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メ
チルプロピルまたは3−アセトキシ−2−アセトキシメ
チル−2−メチルプロピルである前記(1)記載の化合
物; (13)Rが式
【化9】 〔式中、xは1、2または3の整数を示し、Rは水素
原子または式−(CH−R〔式中、Rはエス
テル化されていてもよいカルボキシル基を示し、zは
0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基を示
す。〕で表される基である前記(1)記載の化合物; (14)Rが式
【化10】 〔式中、xは1、2または3の整数を示し、Rは水素
原子または式−(CH−R〔式中、Rはエス
テル化されていてもよいカルボキシル基を示し、zは
0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基を示
す。〕で表される基である前記(1)記載の化合物; (15)Rが式
【化11】 または
【化12】 で表される基である前記(1)記載の化合物; (16)Rが−(CH−COOH〔式中、zは
0、1、2または3の整数を示す。〕である前記(1)
記載の化合物; (17)1−[[(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,3,5−テ
トラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル
プロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン
−3−イル]アセチル]−1,2,3,6−テトラヒド
ロピリジン−4−酢酸;1−[[(3R,5S)−1−
(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−
クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾ
オキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,4
−テトラヒドロピリジン;1−[[(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−
(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−
オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベン
ゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,
4−テトラヒドロピリジン;1−[[(3R,5S)−
7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ
−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−
ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,
3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸;1−
[[(3R,5S)−1−[3−(アセトキシ)−2,
2−ジメチルプロピル]−7−クロロ−5−(2,3−
ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロピリジ
ン−4−酢酸またはその塩; (18)前記(1)または(2)記載の化合物を含有し
てなる医薬; (19)スクアレン合成酵素阻害剤である前記(18)
記載の医薬; (20)トリグリセライド低下剤である前記(18)記
載の医薬; (21)脂質低下剤である前記(18)記載の医薬; (22)高脂血症の予防治療剤である前記(18)記載
の医薬; (23)高密度リポタンパク−コレステロール上昇剤で
ある前記(18)記載の医薬; (24)前記(1)記載の化合物またはその塩、または
そのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを
特徴とする哺乳動物におけるスクアレン合成酵素の阻害
方法; (25)スクアレン合成酵素阻害剤の製造のための前記
(1)記載の化合物またはその塩、またはそのプロドラ
ッグの使用;などに関する。
【0007】上記式(I)中、Wで示されるハロゲン原
子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など
が挙げられ、なかでも、塩素原子などが好ましく用いら
れる。上記式(I)中、Rで示される低級アルキル基
としては、例えば、メチル,エチル,n−プロピル,イ
ソプロピル,n−ブチル,イソブチル,tert−ブチ
ルなどのC1−4アルキルなどが挙げられ、なかでも、
メチルなどが好ましく用いられる。上記式(I)中、R
で示される「ホルミル基および置換されていてもよい
水酸基から選ばれる置換基1ないし3個で置換されてい
てもよい低級アルキル基」における「低級アルキル基」
としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキ
シルなどのC1−6アルキルなどが挙げられ、なかで
も、C3−6アルキルなどが好ましく、とりわけ、イソ
ブチル、ネオペンチル等のC4−5アルキルなどが好ま
しく、特に、ネオペンチルが好ましく用いられる。該
「低級アルキル基」は、置換可能な位置に1〜3個の
「ホルミル基」および「置換されていてもよい水酸基」
で置換されていてもよい。Rで示される「置換されて
いてもよい水酸基で置換されていてもよい低級アルキル
基」において、「置換されていてもよい水酸基」におけ
る「水酸基」が有していてもよい置換基としては、例え
ば、置換されていてもよいアシル基、置換されていても
よいアルキル基などが挙げられる。該「水酸基」が有し
ていてもよい置換基としての「置換されていてもよいア
シル基」としては、(i)ハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)、アミノ、モノ−C1−4
ルキルアミノおよびジ−C1−4アルキルアミノから選
ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−20アルキル−カルボニル(好ましくは、C1−6
アルキル−カルボニルなど)、(ii)ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、アミノ、モ
ノ−C1−4アルキルアミノおよびジ−C1−4アルキ
ルアミノから選ばれる1〜3個の置換基で置換されてい
てもよいC1−6アルコキシ−カルボニルなどが挙げら
れる。該「水酸基」が有していてもよい置換基としての
「置換されていてもよいアルキル基」としては、ハロゲ
ン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、アミ
ノ、モノ−C1−4アルキルアミノおよびジ−C1−4
アルキルアミノから選ばれる1〜3個の置換基で置換さ
れていてもよいC1−6アルキルなどが挙げられる。R
としては、水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオ
キシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイルオ
キシ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび2−アミノ
プロピオニルオキシから選ばれた1ないし3個の置換基
を有していてもよいC1−6アルキルなどが好ましく、
なかでも、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピ
ル、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチ
ルプロピル、3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピ
ル、3−アセトキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチ
ルプロピル、3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−
2−メチルプロピルなどが好ましく用いられる。
【0008】上記式(I)中、Rは式
【化13】 〔式中、xは1、2または3の整数(好ましくは、1ま
たは2の整数;さらに好ましくは、2)を示し、yは
0、1または2の整数(好ましくは、0または1の整
数;さらに好ましくは、1)を示し、破線aおよびbは
何れか一方が二重結合を示し、他方は一重結合を示し、
は水素原子または式−(CH−R〔式中、
はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示
し、zは0、1、2または3の整数(好ましくは、0、
1または2の整数;さらに好ましくは、1)を示す。〕
で表される基を示す。但し、破線aが二重結合のとき、
yは0でない。〕で表される基を示す。Rとしては、
【化14】 〔式中、xは1、2または3の整数(好ましくは、1ま
たは2の整数;さらに好ましくは、2)を示し、R
水素原子または式−(CH−R〔式中、R
エステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、z
は0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基を
示す。〕で表される基;式
【化15】 〔式中、xは1、2または3の整数(好ましくは、1ま
たは2の整数;さらに好ましくは、2)を示し、R
水素原子または式−(CH−R〔式中、R
エステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、z
は0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基を
示す。〕で表される基;などが好ましく、なかでも、式
【化16】
【化17】 で表される基;などが好ましく用いられる。また、R
としては、式−(CH−COOH〔式中、zは
0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基が好
ましく用いられる。上記式(I)中、Rで示される
「エステル化されていてもよいカルボキシル基」として
は、例えばカルボキシル基、C1−6アルコキシ−カル
ボニル基等が用いられる。
【0009】上記式(I)で表される化合物〔以下、化
合物(I)と称することがある。〕は遊離体であって
も、薬理学的に許容される塩であっても本発明に含まれ
る。このような塩としては、化合物(I)がカルボキシ
ル基等の酸性基を有する場合、無機塩基(例、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシ
ウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属
等)や有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ピリ
ジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、
N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの有機アミ
ン類、アルギニン、リジン、オルニチンなどの塩基性ア
ミノ酸類等)などとの塩を形成していてもよい。本発明
の化合物(I)がアミノ基等の塩基性基を有する場合、
無機酸や有機酸(例、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、炭酸、
重炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢
酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエ
ン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、アスパラ
ギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸等との塩を形
成してもよい。本発明の化合物(I)またはその塩のプ
ロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸
等による反応により化合物(I)またはその塩に変換す
る化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を
起こして化合物(I)またはその塩に変化する化合物、
胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)また
はその塩に変化する化合物をいう。化合物(I)または
その塩のプロドラッグとしては、化合物(I)またはそ
の塩がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、
アルキル化、りん酸化された化合物(例、化合物(I)
またはその塩のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル
化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−
オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカ
ルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチ
ル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化
された化合物など);化合物(I)またはその塩が水酸
基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、り
ん酸化、ほう酸化された化合物(例、水酸基がアセチル
化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、
サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミ
ノメチルカルボニル化された化合物など);化合物
(I)またはその塩がカルボキシル基を有する場合、該
カルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物
(例、カルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエ
ステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミ
ノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル
化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタ
リジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3
−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロ
ヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルア
ミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの
プロドラッグは自体公知の方法によって化合物(I)ま
たはその塩から製造することができる。また、化合物
(I)またはその塩のプロドラッグは、広川書店199
0年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から1
98頁に記載されているような、生理的条件で化合物
(I)またはその塩に変化するものであってもよい。ま
た、化合物(I)またはその塩は水和物および非水和物
のいずれであってもよい。また、化合物(I)またはそ
の塩は同位元素(例、H, 14C, S,
125Iなど)などで標識されていてもよい。
【0010】本発明の化合物(I)またはその塩として
は、具体的には以下のものなどが好ましい。 1−[[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−
ジメトキシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ
−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)
−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]アセチル]−1,2,3,6−テトラヒドロピリジ
ン−4−酢酸;1−[[(3R,5S)−1−(3−ア
セトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−
5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサ
ゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,4−テト
ラヒドロピリジン;1−[[(3R,5S)−7−クロ
ロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−
ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ
−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,4−テ
トラヒドロピリジン;1−[[(3R,5S)−7−ク
ロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,
3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2
−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオ
キサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,4−
テトラヒドロピリジン−4−酢酸;1−[[(3R,5
S)−1−[3−(アセトキシ)−2,2−ジメチルプ
ロピル]−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェ
ニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−
1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸また
はその塩。
【0011】上記式(I)で表される化合物及びその塩
は、例えば、EPA567026号、WO95/218
34、EPA645377、EPA645378などに
開示の方法又はそれに準ずる方法などにしたがって製造
することができるが、例えば、次の方法に従って製造す
ることもできる。
【0012】
【化18】 すなわち、化合物(I)またはその塩は、例えば、3位
カルボキシルメチル体(II)(式中、各記号は前記と
同意義)、その塩またはそのカルボキシル基の反応性誘
導体と、化合物(III)(式中、各記号は前記と同意
義)またはその塩とを反応させることにより製造するこ
とができる。該カルボキシル基の反応性誘導体として
は、例えば活性エステル、酸無水物および酸ハライド
(酸クロライド等)などが挙げられる。化合物(II)
および(III)の塩としては、前記した化合物(I)
の塩と同様な塩が用いられる。
【0013】該反応は、例えば溶媒中、好ましくは塩基
存在中、縮合剤を用いることにより有利に反応を行うこ
とができる。用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン系溶媒、エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド等が挙げられる。塩基としては、
トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、トリ
エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデ−7−セ
ン等の有機アミン類が用いられる。縮合剤としては、ペ
プチド合成に用いられる縮合剤が挙げられ、例えばジシ
クロヘキシルカルボジイミド、シアノりん酸ジエチル、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド等が挙げられる。
【0014】化合物(II)、その塩またはその反応性
誘導体約1モルに対し、化合物(III)またはその塩
を通常約0.5から約2モル当量、好ましくは約1.0
から約1.2モル当量用い、塩基を用いる場合、通常約
0.7から約5モル当量、好ましくは約1.0から約
2.5モル当量用い、縮合剤を用いる場合、通常約0.
5から約5モル当量、好ましくは約1.0から2モル当
量用いる。反応温度は通常約0から100℃、好ましく
は約20から50℃、反応時間は通常約0.5から24
時間,好ましくは約1から5時間程度である。化合物
(I)のRがアシル化またはRがエステル化されて
いる場合の加水分解は、化合物(I)を酸又は塩基で処
理することにより行うことができる。即ち、化合物
(I)を酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸、
ヨウ素酸等)又は塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム等)の
水、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等)、エーテル類(ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ジグリム等)又はそれらの混合溶媒に
溶解し、0ないし100℃、好ましくは10ないし70
℃で、0.1ないし50時間好ましくは0.5ないし5
時間反応させることによって、行うことができる。酸又
は塩基の強さとしては、0.1ないし10規定がよく、
好ましくは1ないし5規定である。aが二重結合を示
し、yが1を示す場合、化合物(I)は、例えば以下に
示す方法等により合成することができる。
【化19】 [式中、R、R、R、Wおよびxは前記と同意義
を示す。Rは水素原子または−(CH−COO
H(式中、zは0、1、2または3の整数を示す。)ま
たはそのエステル体または分子内のヒドロキシル基とラ
クトンを形成していても良い。] 3位カルボキシルメチル体(II)、その塩またはその
カルボキシル基の反応性誘導体と、化合物(IV)また
はその塩とを反応させることにより化合物(V)または
(VI)を製造することができる。該カルボキシル基の
反応性誘導体としては、例えば活性エステル、酸無水物
および酸ハライド(酸クロライド等)などが挙げられ
る。化合物(II)および(IV)の塩としては、前記
した化合物(I)の塩と同様な塩が用いられる。該反応
は、例えば溶媒中、好ましくは塩基存在中、縮合剤を用
いることにより有利に反応を行うことができる。用いる
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタ
ン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、エ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド
等が挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、4
−ジメチルアミノピリジン、トリエチレンジアミン、テ
トラメチルエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデ−7−セン等の有機アミン類が用
いられる。縮合剤としては、ペプチド合成に用いられる
縮合剤が挙げられ、例えばジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、シアノりん酸ジエチル、1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等が挙げられ
る。式(II)で示される化合物、その塩またはその反
応性誘導体約1モルに対し、式(IV)で示される化合
物またはその塩を通常約0.5から約2モル当量、好ま
しくは約1.0から約1.2モル当量用い、塩基を用い
る場合、通常約0.7から約5モル当量、好ましくは約
1.0から約2.5モル当量用い、縮合剤を用いる場
合、通常約0.5から約5モル当量、好ましくは約1.
0から2モル当量用いる。反応温度は通常約0から10
0℃、好ましくは約20から50℃、反応時間は通常約
0.5から24時間,好ましくは約1から5時間程度で
ある。
【化20】 〔式中、各記号は前記と同意義〕 化合物(VI)は以
下に示す加水分解により化合物(VII)又はその塩に
導くことができる。即ち、化合物(VI)を酸(例え
ば、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ素酸等)又は
塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化バリウム、水酸化リチウム等)の水又は低級アルコ
ール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール
等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、
ジグリム等)又はそれらの混合溶媒に溶解し、0ないし
100℃、好ましくは10ないし70℃で、0.1ない
し50時間好ましくは0.5ないし5時間反応させるこ
とによって、行うことができる。酸又は塩基の強さとし
ては、0.1ないし10規定がよく、好ましくは1ない
し5規定である。
【化21】 〔式中、各記号は前記と同意義〕 化合物(VII)又はその塩は以下に示すエステル化に
より化合物(V)に導くことができる。即ち、化合物
(VII)とハロゲン化アルキル(例えば、ヨードメタ
ン、ヨウ化エチル、臭化エチル、臭化プロピル等)並び
に必要に応じて塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチ
ルアミン等)の非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン、アセ
トニトリル等)溶液中、0ないし100℃、好ましくは
10ないし50℃で、0.1ないし10時間、好ましく
は0.5ないし2時間反応させることによって行うこと
ができる。
【化22】 〔式中、各記号は前記と同意義〕 化合物(V)の酸化反応の方法として、ジメチルスルホ
キシドによる酸化反応を挙げることが出来る。例えばジ
メチルスルホキシドと塩化オキサリル(テトラへドロン
(Tetrahedron) 第34巻、 1651頁
(1978年)、日本化学会編“新実験化学講座1
5、酸化と還元[I−2]”p80.1に記載の方
法)、ジメチルスルホキシドとジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカ
ル・ソシエティー(Journal of the A
merican Chemical Society)
第85巻、 3027頁 (1963年) に記載の方
法)、ジメチルスルホキシドとピリジン三酸化硫黄複合
体(フィーザー・アンド・フィーザー、リエージェンツ
・フォー・オルガニック・シンセシス (Fieser
& Fieser, Reagents for O
rganic Synthesis) 第2巻、394
頁に記載の方法)を用いる方法等が挙げられる。また、
クロム反応剤による酸化反応を挙げることが出来る。例
えばCollins酸化(日本化学会編“新実験化学講
座15、酸化と還元[I−1]”p152に記載の方
法)、ピリジニウムクロロクロマートによる酸化(テト
ラへドロン・レターズ(Tetrahedron Le
tters)1977年、2647頁に記載の方法)等
が挙げられる。脱水反応は、上記酸化反応で得られた化
合物と0.001ないし1当量好ましくは0.01ない
し0.5当量の酸触媒を非プロトン性極性溶媒中で10
ないし150℃好ましくは25ないし80℃に加熱する
ことにより進行する。反応時間は、通常10分間ないし
24時間、好ましくは0.5時間ないし3時間である。
酸触媒としては例えば、p−トルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホ
ン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等
の有機酸、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸、過塩素酸、
硝酸、リン酸等の鉱酸、例えば無水塩化亜鉛、無水塩化
アルミニウム、四塩化チタン、三弗化ホウ素エーテラー
ト等のルイス酸等が用いられる。非プロトン性極性溶媒
としては例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエ
タン、ジオキサン、アセトニトリル等が用いられる。R
がホルミル基で置換されている場合、還元反応に付す
ことによりアルコール体に変換することが出来る。還元
反応には、有機合成化学においてよく知られたカルボニ
ル基を還元する各種の方法、反応条件を採用できるが、
例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミ
ニウムなどの水素化金属錯体を用いる方法を挙げること
が出来る。例えば還元剤が水素化ホウ素ナトリウムの場
合、溶媒はアルコール類(例えば、メタノール、エタノ
ール等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒ
ドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニ
トリル等)、水、或いはそれらの混合溶媒などが使用さ
れる。また、例えば還元剤が水素化リチウムアルミニウ
ムの場合、溶媒はエーテル類(例えば、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジ
メトキシエタン、ジグリム等)、炭化水素類(例えば、
ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン等)、またはその混合溶媒等が使用される。還元剤
は通常0.5当量ないし10当量、好ましくは1.0当
量ないし5当量用いられる。反応温度は通常−78ない
し100℃、好ましくは−20ないし50℃、反応時間
は0.1ないし24時間、好ましくは0.5から5時間
である。Rがアシル化またはRがエステル化されて
いる場合の加水分解は、化合物(I)を酸又は塩基で処
理することにより行うことができる。即ち、化合物
(I)を酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸、
ヨウ素酸等)又は塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム等)の
水又は低級アルコール(例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等)、エーテル類(ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ジグリム等)又はそれらの混合溶媒に
溶解し、0ないし100℃、好ましくは10ないし70
℃で、0.1ないし50時間、好ましくは0.5ないし
5時間反応させることによって行うことができる。酸又
は塩基の強さとしては、0.1ないし10規定がよく、
好ましくは1ないし5規定である。Rがヒドロキシル
基で置換されている場合、例えば以下の方法でアシル化
することが出来る。例えば、1.0当量ないし10当
量、好ましくは1.0当量ないし4当量の酸クロリド
(例えば、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化パル
ミトイル等)または酸無水物(例えば、無水酢酸、ジ炭
酸ジ−tert−ブチル等)を、1.0当量ないし10
当量、好ましくは1.0当量ないし5当量の塩基(例え
ば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セ
ン等)存在下で反応させる方法が挙げられる。用いる溶
媒は炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン等)、エステル類(酢酸エチル等)、非プロトン
性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキ
シエタン、ジオキサン、アセトニトリル等)、ハロゲン
系溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム等)など
が挙げられる。反応温度は通常0ないし100℃、好ま
しくは20ないし50℃、反応時間は0.5ないし24
時間、好ましくは1から5時間である。或いは1.0当
量ないし10当量、好ましくは1.0当量ないし4当量
のカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸等)と1.
0当量ないし10当量、好ましくは1.0当量ないし4
当量の縮合剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、シアノリン酸ジエチル、1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド等)を用いて行
うことが出来る。塩基を用いる場合は例えば、炭酸水素
ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチ
ルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン等が挙げら
れる。塩基は通常1.0当量ないし10当量、好ましく
は1.0当量ないし5当量用いられる。用いる溶媒は炭
化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン
等)、エステル類(酢酸エチル等)、非プロトン性極性
溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン、アセトニトリル等)、ハロゲン系溶媒
(例えば、塩化メチレン、クロロホルム等)などが挙げ
られる。反応温度は通常0ないし100℃、好ましくは
20ないし50℃、反応時間は0.5ないし24時間、
好ましくは1から5時間である。Rがカルボキシル基
を含んでいる場合、化合物(I)は以下に示す方法でエ
ステル化することができる。即ち、化合物(I)とハロ
ゲン化アルキル(例えば、ヨードメタン、ヨウ化エチ
ル、臭化エチル、臭化プロピル等)並びに必要に応じて
塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン等)の
非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル
等)溶液中、0ないし100℃、好ましくは10ないし
50℃で、0.1ないし10時間、好ましくは0.5な
いし2時間反応させることによって行うことができる。
またはメタノール、エタノール等のアルコール溶媒中、
0.001ないし1当量の酸(例えば、p−トルエンス
ルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸、硫酸等)存在下、
0.1時間ないし24時間、好ましくは0.5時間ない
し8時間加熱還流することにより行うことが出来る。
【0015】上記反応で用いられる化合物(II)のラ
セミ体またはその塩は、例えばWO95/21834に
記載の方法ないしは該方法に準じる方法により得ること
ができる。化合物(II)またはその塩の光学活性体
は、上記のラセミ体を、自体公知な光学分割手段または
それに準じる手段、例えば光学活性なアミノ酸エステル
またはその誘導体と反応させてアミド結合を生成させた
後、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等を用
い、光学活性異性体を分離精製し、その後アミド結合を
再度切断することによって得ることもできる。
【0016】あるいは、例えば、式
【化23】 〔式中、Pivはピバロイル基を示し、他の記号は前記
と同意義を示す。〕で表わされる工程で酵素的不斉加水
分解を行い、ベンジルアルコール誘導体の光学活性異性
体(S体)を得、この光学活性異性体を出発原料にし
て、EPA567026に記載の方法に従い、上記記載
の化合物(II)またはその塩〔(3R,5S)体〕を
得てもよい。また、例えば特開平09−235255に
記載の不斉還元手段を用いて、式
【化24】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる工
程の不斉還元を行い、ベンジルアルコール誘導体の光学
活性異性体(S体)を得、この光学活性異性体を出発原
料にして、EPA567026に記載の方法に従い、上
記記載の化合物(II)またはその塩〔(3R,5S)
体〕を得てもよい。また、前記した化合物(I)、(I
I)またはその塩の製造法の各反応および原料化合物合
成の各反応において、原料化合物が置換基としてアミノ
基,カルボキシル基,ヒドロキシ基を有する場合、これ
らの基にペプチド化学などで一般的に用いられるような
保護基が導入されたものであってもよく、反応後に必要
に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得る
ことができる。アミノ基の保護基としては、例えば、ホ
ルミル、置換基を有していてもよいC 1−6アルキルカ
ルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニルな
ど)、フェニルカルボニル、C1−6アルキル−オキシ
カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C
7−10アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルカ
ルボニルなど)、トリチル、フタロイルまたはN,N−
ジメチルアミノメチレンなどが用いられる。これらの置
換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素など)、C1− アルキル−カルボニル
(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチ
ルカルボニルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基
の数は1ないし3個程度である。カルボキシル基の保護
基としては、例えば、置換基を有していてもよいC1−
アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、
フェニル、トリチルまたはシリルなどが用いられる。こ
れらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ホルミル、C1−6
ルキル−カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボ
ニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基などが用いら
れ、置換基の数は1ないし3個程度である。ヒドロキシ
基の保護基としては、例えば、置換基を有していてもよ
いC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル
など)、フェニル、C7−10アラルキル(例えば、ベ
ンジルなど)、ホルミル、C1−6アルキル−カルボニ
ル(例えば、アセチル、エチルカルボニルなど)、フェ
ニルオキシカルボニル、ベンゾイル、C7−10アラル
キル−カルボニル(例えば、ベンジルカルボニルな
ど)、ピラニル、フラニルまたはシリルなどが用いられ
る。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル
(例えば、メチル、エチル、n−プロピルなど)、フェ
ニル、C7−10アラルキル(例えば、ベンジルな
ど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし
4個程度である。また、保護基の除去方法としては、そ
れ自体公知またはそれに準じた方法が用いられるが、例
えば酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒ
ドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、
テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム
などで処理する方法が用いられる。以上の方法によって
得られる化合物(I)、(II)またはそれらの塩は、
たとえば再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常
の分離手段により単離、精製することができる。かくし
て得られる本発明の化合物(I)が遊離体で得られた場
合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法(例
えば、中和など)によって塩に変換することができ、逆
に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに
準じる方法により、遊離体または他の塩に変換すること
ができる。得られる化合物がラセミ体である場合は、通
常の光学分割手段により、d体、1体に分離することが
できる。
【0017】本発明おける式(I)で表される化合物ま
たはその塩は、式
【化25】 〔式中、Wはハロゲン原子(例えば、塩素原子など)を
示し、Rは低級アルキル基(例えば、メチルなど)を
示し、Rはホルミル基および置換されていてもよい水
酸基から選ばれる置換基1ないし3個で置換されていて
もよい低級アルキル基(例えば、3−ヒドロキシ−2,
2−ジメチルプロピル、3−アセトキシ−2,2−ジメ
チルプロピル、3−ホルミル−2,2−ジメチルプロピ
ルなど)を示し、R’は式
【化26】 (式中、xは1、2または3の整数を示し、yは0、1
または2の整数を示し、Rは水素原子または式 −
(CH−R〔式中、Rはエステル化されてい
てもよいカルボキシル基を示し、zは0、1、2または
3の整数を示す。〕で表される基を示す。)で表される
基を示す。〕で表される化合物またはその塩の生体内代
謝物としても得ることができる。
【0018】また、式
【化27】 〔式中、Wはハロゲン原子(例えば、塩素原子など)を
示し、R1aおよびR はそれぞれ独立して水素原子
または低級アルキル基(例えば、メチルなど)を示し、
はホルミル基および置換されていてもよい水酸基か
ら選ばれる置換基1ないし3個で置換されていてもよい
低級アルキル基(例えば、3−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチルプロピル、3−アセトキシ−2,2−ジメチルプ
ロピル、3−ホルミル−2,2−ジメチルプロピルな
ど)を示し、Rは式 −X−Ar−X−COOH
(式中、XおよびXはそれぞれ独立して結合手また
はC −4アルキレン(例えば、メチレン、エチレン、
プロピレンなど)を示し、Arはフェニレンを示す。)
で表される基を示す。〕で表される化合物またはその塩
において、R1aおよび/またはR1bが水素原子であ
る化合物またはその塩は、R1aおよびR1bがともに
低級アルキル基(例えば、メチル)である化合物または
その塩の生体内代謝物として得られうる。
【0019】式(I)、(VIII)および(IX)で
表される化合物またはその塩、プロドラック(以下、そ
の塩およびプロドラックも含めて、単に式(I)、(V
III)および(IX)の化合物又は化合物(I)、
(VIII)および(IX)と称することがある)は、
低毒性であり、スクアレン合成酵素阻害作用、LDLコ
レステロール低下作用、トリグリセライド低下作用、脂
質低下作用、およびHDLコレステロール上昇作用を有
するので、哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、
犬、ネコ、牛、豚、サル、ヒト等)の高コレステロール
血症、高トリグリセライド血症、低HDL血症等の高脂
血症の予防治療に安全な医薬として有用であり、また腎
炎,腎症などの腎疾患、動脈硬化、虚血性疾患、心筋梗
塞、狭心症、心不全、動脈瘤、脳動脈硬化、脳卒中、一
過性脳虚血発作、脳梗塞、末梢動脈硬化症、間欠性跛
行、血栓症、高血圧症、骨粗鬆症、糖尿病(例えば、イ
ンスリン抵抗性に基づく型など)、糖尿病合併症(例え
ば糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、
糖尿病性血管障害など)、膵障害、経皮的冠動脈形成術
(PTCA)あるいはステント留置後の再狭搾の予防治
療に安全な医薬として有用である。
【0020】以下、本発明の有用性をさらに詳しく述べ
る。式(I)、(VIII)および(IX)の化合物は
優れたトリグリセライド低下作用及びコレステロール低
下作用並びにそれらの生物学的性質を有しており、高脂
血症、特に高トリグリセライド血症、高リポタンパク血
症および高コレステロール血症並びにそれから生じるア
テローム性動脈硬化血管病変およびそれらの続発性、例
えば、冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳虚
血、間欠性跛行、抹消動脈硬化症、壊疽等の治療および
予防に特に適している。これらの疾患の治療において、
式(I)、(VIII)および(IX)の化合物は単独
で治療のために使用されてもよく、またはその他の脂質
低下薬、コレステロール低下薬もしくはHDL上昇薬な
どの他の医薬成分と共に組合わせて(同時投与あるいは
時間差を設けて投与して)使用されてもよく、この場
合、これらの化合物は経口製剤(口腔内崩壊錠も含む)
として投与されることが好ましく、また必要により直腸
製剤として坐薬の形態で投与されてもよい。この場合の
可能な組み合わせ成分としては、例えばフィブレート類
〔例、クロフィブレート、ベンザフィブレート、ジェム
フィプロジル、フェノフィブレート、Wy−1463、
GW9578等〕などのPPARα作動薬、ニコチン
酸、その誘導体および類縁体〔例、アシピモックスおよ
びプロブコール〕、胆汁酸結合樹脂〔例、コレスチラミ
ン、コレスチポール等〕、コレステロール吸収を抑制す
る化合物〔例、シトステロールやネオマイシン等〕、コ
レステロール生合成を阻害する化合物〔例、ロバスタチ
ン、シンバスタチン、プラバスタチン、アトロバスタチ
ン、ZD−4522(ロスバスタチン)、イタバスタチ
ン等のHMG−CoA還元酵素阻害薬〕、スクアレンエ
ポキシダーゼ阻害薬〔例、NB−598および類縁化合
物等〕、コレステロールエステル転送蛋白の阻害による
HDL上昇薬〔例、JTT−705、CP−529−4
14等〕が挙げられる。また、アシルコエンザイムAコ
レステロールアシル転移酵素(ACAT)阻害薬(例、
メリナミド等)との併用も挙げられる。更に別の可能な
組み合わせ成分は、オキシドスクアレン−ラノステロー
ルサイクラーゼ阻害剤、例えばデカリン誘導体、アザデ
カリン誘導体およびインダン誘導体である。特に、HM
G−CoA還元酵素阻害薬との併用は該HMG−CoA
還元酵素阻害薬の副作用でもある筋肉痛や筋融解症を軽
減し得る。さらに、脂質低下だけでなく骨粗鬆症および
アルツハイマー病にも有効であり、虚血性疾患(脳卒
中、心筋梗塞など)の予後も改善し得る。
【0021】加えて、式(I)、(VIII)および
(IX)の化合物は、高カイロミクロン血症に関連する
疾患、例えば、急性膵炎の治療に適している。膵炎発症
の機序については、カイロミクロンによって膵毛細血管
に微小塞栓がおこる、あるいは高カイロミクロン血症の
ため膵リパーゼによってトリグリセライドが分解されて
生成する遊離脂肪酸が増加し局所を強く刺激するために
おこるともいわれている。従って、式(I)、(VII
I)および(IX)の化合物はトリグリセライド低下作
用を有するので膵炎の治療が可能であり、単独で、また
は既知の治療法と組み合わせて膵炎の治療に使用し得
る。本疾患の治療のために、式(I)、(VIII)お
よび(IX)の化合物は経口投与または局所投与でき、
またはそれらは単独であるいは既知の活性化合物と組み
合わせて使用し得る。この場合の可能な組み合わせ成分
は、例えば抗酵素療用にアプロチニン(トラジロー
ル),メシル酸ガベキサート(エフオーワイFOY),
メシル酸ナファモスタット(フサン),シチコリン(ニ
コリン),ウリナスタチン(ミラクリッド)等があげら
れる。又疼痛の除去の目的で、抗コリン作動薬、非麻薬
性鎮痛薬、麻薬も使用される。式(I)、(VIII)
および(IX)の化合物の更に注目に値する適用例とし
て、続発性高脂血症がある。これには、糖尿病、甲状腺
機能低下症、ネフローゼ症候群あるいは慢性腎不全など
が含まれ、これらの疾患によって高脂血症が発症する
が、多くの場合、高脂血症がこれらの疾患を憎悪させ
る、いわゆる悪循環を形成している。脂質低下作用から
考えて、式(I)、(VIII)および(IX)の化合
物はこれらの疾患の治療および進展予防にも適してお
り、その際それらは単独で、または以下に挙げる医薬と
組み合わせて投与できる。
【0022】糖尿病治療薬:キネダック,ベンフィル,
ヒューマリン,オイグルコン,グリミクロン,ダオニー
ル,ノボリン,モノタード,インシュリン類,グルコバ
イ,ジメリン,ラスチノン,バシルコン,デアメリン
S,イスジリン類,インスリン抵抗性改善薬(チアゾリ
ジン系及び非チアゾリジリジン系PPARアゴニスト:
ピオグリタゾン、アバンデイア、KRP−297、TA
K−559、MCC−555等、イソキサゾリジン系薬
剤:JTT−501等)、ビグアナイド系薬剤(例、ミ
チグリニド等)、インスリン分泌促進薬(例、スルホニ
ルウレア剤等)、α−グルコシダーゼ阻害薬(例、ボグ
リボース等)、β−アゴニスト(例、TAK−677
等)、インスリン製剤等; 甲状腺機能低下症治療薬:乾燥甲状腺(チレオイド),
レボチロキシンナトリウム(チラージンS),リオチロ
ニジンナトリウム(サイロニン、チロミン);ネフロー
ゼ症候群治療薬:プレドニゾロン(プレドニン),コハ
ク酸プレドニゾロンナトリウム(プレドニン),コハク
酸メチルプレドニゾロンナトリウム(ソル・メドロー
ル),ベタメタゾン(リンデロン); 抗凝固療法剤:ジピリダモール(ベルサンチン),塩酸
ジラゼプ(コメリアン)等; 慢性腎不全治療薬:利尿薬〔例、フロセミド(ラシック
ス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイア
ート)等〕、ACE阻害薬〔例、マレイン酸エナラプリ
ル(レニベース)等〕、アンジオテンシンII受容体拮抗
薬〔例、カンデサルタンシレキセチル(ブロプレス)、
ロサルタンカリウム(ニューロタン)、バルサルタン
(デイオバン)、イルベサルタン等〕及びCa拮抗薬
(マニンヒロン)、α受容体遮断薬などと組み合わせ
て、好ましくは経口投与で使用し得る。
【0023】高脂血症は動脈硬化症を増悪させ、高血圧
症を引き起こすから、式(I)、(VIII)および
(IX)の化合物は高血圧症の治療・予防にも適してお
り、その際式(I)、(VIII)および(IX)の化
合物は単独、あるいは以下に例示する薬剤と組合わせて
投与することができる。この場合の可能な組合わせは、
例えばアンジオテンシンII受容体拮抗薬〔例、ロサル
タンカリウム(ニューロタン)、カンデサルタンレキセ
チル(プロブレス)等〕、ACE阻害薬〔例、マレイン
酸エナラプリル(レニベース)、リシノプリル(ゼスト
リル、ロンゲス)、塩酸デラプリル(アデカット)、カ
プトプリル等〕、カルシウム拮抗薬〔例、トシル酸アム
ロジピン(アムロジン、ノルバスク)、塩酸マニジピン
(カルスロット)等〕、降圧利尿剤、α受容体遮断薬、
β受容体遮断薬などが挙げられる。
【0024】式(I)、(VIII)および(IX)の
化合物のさらに注目すべき適応症は、血中コレステロー
ルの上昇に伴う骨粗鬆症である。式(I)、(VII
I)および(IX)の化合物の優れた脂質低下作用によ
り、血中コレステロールの上昇に伴う骨粗鬆症の治療・
予防に用いることができ、その際、式(I)、(VII
I)および(IX)の化合物は単独あるいは以下に例示
する薬剤と組合せて投与することができる。この場合の
可能な組合せとしては、例えば性ホルモンおよび関連薬
剤〔例、エストロゲン製剤、イプリフラボン(オステ
ン)、ラロキシフェン、オサテロン、チボロン等〕、カ
ルシトニン類、ビタミンD製剤〔例、アルファカルシド
ール、カルシトリオール等〕、ビスホスホン酸類(例、
エチドロネート、クロドロネート、アレンドロネート、
リセドロネート等)などの骨吸収抑制剤、フッ素化合
物、PTHなどの骨形成促進剤、およびHMG−CoA
還元酵素阻害薬などが挙げられる。
【0025】式(I)、(VIII)および(IX)の
化合物の更に可能な用途は、血栓形成の抑制である。血
中トリグリセライド値と血液凝固に関与する第VII因子
とは正相関し、ω−3系脂肪酸の摂取によりトリグリセ
ライドが低下すると共に、凝固は抑制されることから、
高トリグリセライド血症が血栓形成を促進する。また、
正脂血症者よりも高脂血症患者のVLDLが血管内皮細
胞からのプラスミノーゲンアクチベータインヒビター分
泌を強く増加させたことから、トリグリセライド(以下
TG)が線溶能を低下させるとも考えられる。それゆ
え、TG低下作用から考えて、式(I)、(VIII)
および(IX)の化合物は血栓形成の予防および治療に
適している。その際それらは単独で、または既知の下記
治療薬と組み合わせて、好ましくは経口投与で使用し得
る。 血栓形成予防治療薬:血液凝固阻止薬〔例、ヘパリンナ
トリウム,ヘパリンカルシウム,ワルファリンカルシウ
ム(ワーファリン)等〕,血栓溶解薬〔例、ウロキナー
ゼ〕,抗血小板薬〔例、アスピリン,スルフィンピラゾ
ン(アンツーラン),ジピリダモール(ペルサンチ
ン),アクロピジン(パナルジン),シロスタゾール
(プレタール),クロピドグレル等〕
【0026】また、式(I)、(VIII)および(I
X)の化合物は、優れた高密度リポタンパク−コレステ
ロール上昇作用を有し、かつ低毒性である。よって、こ
れらの化合物及びその塩は、哺乳動物(例えば、マウ
ス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、
ウマ、ヒツジ、サル、ヒト等)において、例えば原発性
低高密度リポタンパク−コレステロール血症予防治療
薬、タンジェール病予防治療薬などの他、心筋梗塞予防
治療薬、動脈硬化性疾患予防治療薬、高脂血症予防治療
薬、混合型脂質異常症予防治療薬、糖尿病予防治療薬、
糖尿病性合併症予防治療薬等として安全に用いることが
でき、動脈硬化、高脂血症、高血圧症、糖尿病、糖尿病
性合併症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性
網膜症、不整脈、末梢血管疾患、血栓症、膵障害、虚血
性心疾患、脳虚血、心筋梗塞後遺症、心不全、心弁膜
症、アルツハイマー病等の治療又は予防に用いることが
できる。加えて低HDL血症(原発性低HDL血症を含
む)、Tangier病、及び閉経後の糖尿病患者に多
発する虚血性心疾患の治療及び予防に適している。ま
た、高脂血症、特に高トリグリセリド血症、高リポタン
パク血症及び高コレステロール血症並びにそれから生じ
るアテロ−ム性動脈硬化血管病変及びそれらの続発症、
例えば、冠動脈疾患、脳虚血、動脈瘤、脳動脈硬化、末
梢動脈硬化症、間欠性跛行、壊疽等の治療及び予防に特
に適している。
【0027】式(I)、(VIII)および(IX)の
化合物の更に注目に値する適用例として、アルツハイマ
ー病の予防、治療が挙げられる。血中コレテロールの上
昇は、アルツハイマー病の危険因子であることが知られ
ている。式(I)、(VIII)および(IX)で表さ
れる化合物またはその塩、またはそのプロドラックなど
は、その優れた高密度リポタンパク−コレステロール上
昇及び脂質低下作用により、アルツハイマー病の予防、
治療に用いることができ、その際、単独あるいは以下に
例示する薬剤と組み合わせて投与することができる。こ
の場合の可能な組み合わせは、例えば、アセチルコリン
エステラーゼ阻害薬(例えば、アリセプト、エクセロン
など)、アミロイドβ産生・分泌阻害薬(例えば、JT-5
2やLY-374973などのγあるいはβセクレターゼ阻害剤、
あるいはSIB-1848など)、アミロイドβ凝集阻害薬(例
えば、PTI-00703やBETABLOC(AN-1792)など)などが挙
げられる。
【0028】更に、式(I)、(VIII)および(I
X)の化合物は、血糖低下作用を示し、肥満型糖尿病ラ
ットにおいて血糖低下作用を示すことから、インスリン
抵抗性を改善する。それらの生物学的性質を考えると、
高血糖症及びそれから生じる続発症、例えば、糖尿病性
腎症および腎不全期に認められる合併症、貧血、骨代謝
異常、嘔吐、悪心、食欲不振、下痢などの循環器疾患、
神経障害などの神経症状、糖尿病性神経障害、糖尿病性
網膜症、糖尿病性血管障害並びにインスリン抵抗性及び
それから生じる、例えば高血圧症や耐糖能異常、さらに
その続発症、例えば、心臓病、心不全、虚血性心疾患、
脳虚血、間欠性跛行、壊疽等の治療及び予防に特に適し
ている。これらの疾患の治療において、本発明の高密度
リポタンパク−コレステロール上昇剤は単独で予防治療
のために使用されてもよく、またその他の血糖低下薬又
は降圧薬と共に使用されてもよく、この場合、これらの
化合物は経口製剤(口腔内崩壊錠を含む)として投与さ
れることが好ましく、また必要により直腸製剤として坐
薬の形態で投与されてもよい。この場合組み合わせが可
能な成分としては、例えば、(1)インスリン製剤(例
えば、ヒトインスリン等)、(2)スルホニルウレア剤
(例えば、グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピ
リド等)、(3)α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、
ボグリボース、アカルボース等)、(4)インスリン感
受性増強剤(例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン
等)、(5)アルドース還元酵素阻害剤(例えば、エパ
ルレスタット、トルレスタット等)、グリケーション阻
害剤(例えば、アミノグアニジン等)等が挙げられる。
婦人科疾患治療薬(更年期障害治療薬(結合型エストロ
ゲン、エストラジオール、エナント酸テストステロン、
吉草酸エストラジオール等)、乳癌治療薬(クエン酸タ
モキシフェン等)、子宮内膜症・子宮筋腫治療薬(酢酸
リュープロレリン、ダナゾール等)等との組み合わせ、
あるいはこれら薬剤と糖尿病治療薬との組み合わせも可
能である。更に降圧剤との組み合わせが可能であり、例
えば、(1)利尿薬(例えば、フロセミド、スピロノラ
クトン等)、(2)交感神経抑制薬(例えば、アテノロ
ール等)、(3)アンジオテンシンII受容体拮抗薬(例
えば、ロサルタン、カンデサルタンシレキセチル、バル
サルタン、イルベサルタン、オルメサルタン等)、
(4)アンジオテンシンI変換酵素阻害薬(例えば、マ
レイン酸エナラプリル、塩酸デラプリル等)、(5)カ
ルシウム拮抗薬(例えば、ニフェジピン、塩酸マニジピ
ン、トシル酸アムロジピン等)等が挙げられる。また慢
性心不全治療薬との組み合わせが可能であり、例えば
(1)β受容体遮断薬、(2)ACE阻害薬〔例、マレ
イン酸エナラプリル(レニベース)、リシノプリル(ロ
ンゲス、ゼストリル)等〕、(3)アンジオテンシンII
受容体拮抗薬〔例、カンデサルタンシレキセチル(ブロ
プレス)、バルサルタン、ロサルタン等〕、(4)アル
ドステロン拮抗薬(スピロノラクトン、エプレレノ
ン)、(5)エンドセリン拮抗薬、(6)Na−H交換
阻害薬(7)Na−Ca交換阻害薬、(8)MCC−1
35等が挙げられる。
【0029】さらに、式(I)、(VIII)および
(IX)の化合物を上記各疾患に適用する際に、生物製
剤(例:抗体、ワクチン製剤など)と併用することも可
能であり、また、遺伝子治療法などと組み合わせて、併
用療法として適用することも可能である。抗体およびワ
クチン製剤としては、例えば、アンジオテンシンIIに
対するワクチン製剤、CETPに対するワクチン製剤、
CETP抗体、TNFα抗体や他のサイトカインに対す
る抗体、アミロイドβワクチン製剤、1型糖尿病ワクチ
ン(Peptor社のDIAPEP−277など)など
の他、サイトカイン、レニン・アンジオテンシン系酵素
およびその産物に対する抗体あるいはワクチン製剤、血
中脂質代謝に関与する酵素や蛋白に対する抗体あるいは
ワクチン製剤、血中の凝固・線溶系に関与する酵素や蛋
白に関する抗体あるいはワクチン、糖代謝やインスリン
抵抗性に関与する蛋白に対する抗体あるいはワクチン製
剤などが挙げられる。また、遺伝子治療法としては、例
えば、サイトカイン、レニン・アンジオテンシン系酵素
およびその産物に関連する遺伝子を用いた治療法、NF
κBデコイなどのDNAデコイを用いる治療方法、アン
チセンスを用いる治療方法、血中脂質代謝に関与する酵
素や蛋白に関連する遺伝子(例えば、コレステロール又
はトリグリセリド又はHDL−コレステロール又は血中
リン脂質の代謝、排泄、吸収に関連する遺伝子など)を
用いた治療法、末梢血管閉塞症などを対象とした血管新
生療法に関与する酵素や蛋白(例えば、HGF,VEG
Fなどの増殖因子など)に関連する遺伝子を用いた治療
法、糖代謝やインスリン抵抗性に関与する蛋白に関連す
る遺伝子を用いた治療法、TNFなどのサイトカインに
対するアンチセンスなどが挙げられる。また、心臓再
生、腎再生、膵再生、血管再生など各種臓器再生法や骨
髄細胞(骨髄単核細胞、骨髄幹細胞など)の移植を利用
した血管新生療法と併用することも可能である。式
(I)、(VIII)および(IX)の化合物を上記各
疾患に適用する際に、これらの化合物を他の薬剤と組み
合わせる場合は、これらの有効成分を一つの製剤に処方
した合剤として投与することもできる。式(I)、(V
III)および(IX)の化合物は経口的に、あるいは
非経口的に、注射、点滴、吸入法、直腸投入、あるいは
局所投与により用いることができ、そのまま、あるいは
医薬品組成物の製剤(例えば、粉末、顆粒、錠剤、ピル
剤、カプセル剤、注射剤、シロップ剤、エマルジョン
剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤など)として用いる
ことができる。すなわち少なくとも一つの式(I)、
(VIII)および(IX)の化合物を単独で、あるい
は医薬として許容される担体(アジュバンド剤、賦形
剤、補形剤及び/又は希釈剤など)と混合して用いるこ
とができる。
【0030】本発明の医薬において、活性成分である式
(I)の化合物は、原末のままでもよいが、通常製剤用
担体、例えば賦形剤(例えば、炭酸カルシウム、カオリ
ン、炭酸水素ナトリウム、乳糖、澱粉類、結晶セルロー
ス、タルク、グラニュー糖、多孔性物質等)、結合剤
(例えば、デキストリン、ゴム類、アルコール化澱粉、
ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、プルラン等)、崩壊剤(例
えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロス
カルメロースナトリウム、クロスポピドン、低置換度ヒ
ドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化澱粉
等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム、タルク、澱粉、安息香酸ナトリ
ウム等)、着色剤(例えば、タール色素、カラメル、三
二酸化鉄、酸化チタン、リボフラビン類等)、矯味剤
(例えば、甘味類、香料等)、安定剤(例えば、亜硫酸
ナトリウム等)及び保存剤(例えば、パラベン類、ソル
ビン酸等)等の中から適宜、適量用いて、常法に従って
調製された形で投与される。前記製剤を含む本発明の医
薬は、式(I)の化合物を疾病を治療及び予防するのに
有効な量を適宜含有する。式(I)の化合物の本発明医
薬中の含有量は、通常製剤全体の0.1ないし100重
量%である。また本発明で用いられる医薬は、活性成分
として式(I)の化合物以外の他の医薬成分を含有して
いてもよく、これらの成分は本発明の目的が達成される
限り特に限定されず、適宜適当な配合割合で使用が可能
である。剤形の具体例としては、例えば錠剤(糖衣錠、
フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、カプセル剤、
顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、注
射剤、徐放性注射剤、吸入剤、軟膏剤等が用いられる。
これらの製剤は常法(例えば日本薬局方記載の方法等)
に従って調製される。
【0031】具体的には、錠剤の製造法は、式(I)の
化合物をそのまま、賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそ
のほかの適当な添加剤を加えて均等に混和したものを、
適当な方法で顆粒とした後、滑沢剤等を加え、圧縮成型
するか又は、式(I)の化合物をそのまま、又は賦形
剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な添加剤を
加えて均等に混和したものを、直接圧縮成型して製する
か、又はあらかじめ製した顆粒にそのまま、もしくは適
当な添加剤を加えて均等に混和した後、圧縮成型しても
製造することもできる。また、本剤は、必要に応じて着
色剤、矯味剤等を加えることができる。さらに、本剤
は、適当なコーティング剤で剤皮を施すこともできる。
注射剤の製造法は、式(I)の化合物の一定量を、水性
溶剤の場合は注射用水、生理食塩水、リンゲル液等、非
水性溶剤の場合は通常植物油等に溶解、懸濁もしくは乳
化して一定量とするか、又は式(I)の化合物の一定量
をとり注射用の容器に密封して製することができる。経
口用製剤担体としては、例えばデンプン、マンニトー
ル、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナト
リウム等の製剤分野において常用されている物質が用い
られる。注射用担体としては、例えば蒸留水、生理食塩
水、グルコース溶液、輸液剤等が用いられる。その他、
製剤一般に用いられる添加剤を適宜添加剤することもで
きる。また、本発明の医薬は、徐放性製剤として用いる
こともできる。該徐放性製剤は、例えば水中乾燥法(o
/w法、w/o/w法等)、相分離法、噴霧乾燥法ある
いはこれらに準ずる方法によって製造されたマイクロカ
プセル(例えばマイクロスフェア・マイクロカプセル、
マイクロパーティクル等)をそのまま、あるいはこのマ
イクロカプセル又は球状、針状、ペレット状、フィルム
状、クリーム状の医薬組成物を原料物質として種々の剤
型に製剤化し、投与することができる。該剤型として
は、例えば非経口剤(例えば、筋肉内、皮下、臓器等へ
の注射又は埋め込み剤;鼻腔、直腸、子宮等への経粘膜
剤等)、経口剤(例えば、硬カプセル剤、軟カプセル
剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤等)等が挙げられる。該徐放
性製剤が注射剤である場合は、マイクロカプセルを分散
剤(例えば、Tween 80,HCO−60等の界面
活性剤;カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナト
リウム、ヒアルロン酸ナトリウム等の多糖類;硫酸プロ
タミン、ポリエチレングリコール等)、保存剤(例え
ば、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化剤
(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトー
ル、ブドウ糖等)、局所麻酔剤(例えば、塩酸キシロカ
イン、クロロブタノール等)等とともに水性懸濁剤とす
るか、植物油(例えば、ゴマ油、コーン油等)あるいは
これにリン脂質(例えば、レシチン等)を混合したも
の、又は中鎖脂肪酸トリグリセリド(例えば、ミグリオ
ール812等)とともに分散して油性懸濁剤として徐放
性注射剤とする。該徐放性製剤がマイクロカプセルであ
る場合、その平均粒子径は、約0.1ないし約300μ
mであり、好ましくは、約1ないし約150μm、さら
に好ましくは約2ないし約100μmである。マイクロ
カプセルを無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にす
る方法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方
法等が挙げられるが、特に限定されない。本発明の医薬
は、通常の方法にしたがって製剤化することができる。
かかる製剤は通常活性成分を賦型剤、希釈剤、担体等の
添加剤と混合/練合することにより製造することができ
る。本明細書において、非経口とは、皮下注射、静脈内
注射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などを含
むものである。注射用調剤、例えば、無菌注射用水性懸
濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤または湿化
剤及び懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調製
されうる。その無菌注射用調剤は、また、例えば水溶液
などの非毒性の非経口投与することのできる希釈剤ある
いは溶剤中の無菌で注射のできる溶液または懸濁液であ
ってよい。使用することのできるベーヒクルあるいは溶
剤として許されるものとしては、水、リンゲル液、等張
食塩液などがあげられる。さらに、通常溶剤または懸濁
化溶媒として無菌の不揮発性油も用いられうる。このた
めには、いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然
あるいは合成あるいは半合成の脂肪性油又は脂肪酸、そ
して天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジ
あるいはトリグリセライド類も含められる。直腸投与用
の座剤は、その薬物と適当な非刺激性の補形剤、例え
ば、ココアバターやポリエチレングリコール類といった
常温では固体であるが腸管の温度では液体で、直腸内で
融解し、薬物を放出するものなどと混合して製造される
ことができる。
【0032】経口投与用の固形投与剤型としては、粉
剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上記した
ものがあげられる。そのような剤型の製剤は、活性成分
化合物と、少なくとも一つの添加物、例えば、ショ糖、
乳糖(ラクトース)、セルロース糖、マンニトール(D
−マンニトール)、マルチトール、デキストラン、デン
プン類(例、コーンスターチ)、微結晶セルロース、寒
天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン
類、トラガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、
コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成
のポリマー類又はグリセリド類とを混合及び/又は練合
することにより製造することができる。そのような剤型
物はまた、通常の如く、さらなる添加物を含むことがで
き、例えば不活性希釈剤、ステアリン酸、マグネシウム
などの滑沢剤、パラベン類、ソルビン類などの保存剤、
アスコルビン酸、α−トコフェロール、システインなど
の抗酸化剤、崩壊剤(例、クロスカロメロースナトリウ
ム)、結合剤(例、ヒドロキシプロピルセルロース)、
増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、パ
ーフューム剤などがあげられる。錠剤及びピル剤はさら
にエンテリックコーティングされて製造されることもで
きる。経口投与用の液剤は、医薬として許容されるエマ
ルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液
剤などがあげられ、それらは当該分野で普通用いられる
不活性希釈剤、例えば水及び必要により添加物を含んで
いてよい。これら経口用液剤は、活性成分化合物と不活
性希釈剤、及び必要により他の添加剤を混合する等慣用
方法に従い、製造することができる。
【0033】経口投与剤には剤形にもよるが、通常約
0.01〜99W%、好ましくは約0.1〜90W%通
常約0.5〜50%の本発明の活性成分化合物を配合す
るのがよい。ある特定の患者の投与量は、年令、体重、
一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排
泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行っ
ている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因
を考慮して決められる。本発明の化合物(I)を含有し
てなる医薬は、低毒性で安全に使用することができ、そ
の1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投
与経路等によって異なるが、例えば、高脂血症予防・治
療剤として使用する場合、成人(体重約60kgとし
て)1日当たりの投与量は、経口剤の場合有効成分〔化
合物(I)〕として、約1〜500mg、好ましくは約
10〜200mgであり、非経口剤の場合、有効成分と
して約0.1〜100mg、好ましくは約1〜50m
g、通常約1〜20mgであり、この範囲では何ら毒性
は見られない。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に実施例、製剤例、実験例を
あげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。H−NMRスペクトル
は、内部基準としてテトラメチルシランを用いてバリア
ンジェミニ200(200MHz)型または300(3
00MHz)型スペクトルメーターで測定し、全δ値を
ppmで示した。混合溶媒において示した数値は、特に
断らない限り各溶媒の容量混合比である。%は、特に断
らない限り重量%を意味する。またシリカゲルクロマト
グラフィーにおける溶出溶媒の比は、特に断らない限り
容量比を示す。本明細書中における室温(常温)とは約
20℃から約30℃の温度を表す。なお、実施例中の各
記号は次の意味を表す。 Ac:アセチル,Pr:n−プロピル,Me:メチ
ル,Bu:n−ブチル,Et:エチル,Pr:イソ
プロピル,EtO:ジエチルエーテル,s:シングレ
ット,d:ダブレット,t:トリプレット,q:クアル
テット,dd:ダブルダブレット,dt:ダブルトリプ
レット,m:マルチプレット,br:幅広い,J:カッ
プリング定数
【0035】
【実施例】(参考例1)1−tert−ブチルオキシカ
ルボニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4
−酢酸エチル
【化28】 ホスホノ酢酸トリエチル(7.3 g) のテトラヒド
ロフラン (20 ml) 溶液を1−tert−ブチ
ルオキシカルボニルピペリジン−4−オン(5.0
g) 、水素化ナトリウム (1.2 g) 並びにテ
トラヒドロフラン(50 ml) の混合物に室温で添
加した。室温で1時間撹拌した後、反応を5% 硫酸水
素カリウム水溶液を添加して止めた。この混合物を 酢
酸エチル(100ml)で希釈し、飽和食塩水で洗浄
し,無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣をカラムクロマトグラフィー [展開溶媒: ヘキサ
ン−酢酸エチル (10:1)] にて精製することに
より、表題化合物 (1.0 g) を無色油状物とし
て得た。 H−NMR (CDCl) δ: 1.27 (3
H, t, J = 7.4 Hz), 1.47
(9H, s), 2.09−2.20 (2H,
m), 3.02 (2H, m), 3.51 (2
H, t, J =5.9 Hz), 3.85−3.
93 (2H, m), 4.15 (2H, q,
J = 7.4 Hz), 5.50−5.56 (1
H, m).
【0036】(参考例2)1,2,3,6−テトラヒド
ロピリジン−4−酢酸エチル塩酸塩
【化29】 参考例1で得られた化合物 (0.5 g) と4規定
塩化水素酢酸エチル溶液 (10 ml) の混合物を
室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下留去することに
より、表題化合物(0.22 g) を無色非結晶状固
体として得た。 H−NMR (DO) δ: 1.15 (3H,
t, J = 7.0Hz), 2.25−2.35
(2H, m), 3.09 (2H, s),
3.25 (2H, t, J = 6.1 Hz),
3.55−3.63 (2H, m), 4.07
(2H, q, J = 7.0 Hz), 5.52
−5.60 (1H, m).
【0037】(実施例1)1−[[(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,
2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−
2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,
3,6−テトラヒドロピリジン−4−酢酸エチル
【化30】 (3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキ
シフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−
(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−
オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
(0.48 g) と参考例2で得られた化合物
(0.22 g) のN,N−ジメチルホルムアミド
(20 ml) 溶液に シアノりん酸ジエチル
(0.18 g) を室温で添加し、次いでトリエチル
アミン(0.25 g)を添加した。反応混合物を室温
で30分間撹拌した後、酢酸エチル (100 ml)
で希釈した。水、5% 硫酸水素カリウム水溶液、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液並びに飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を
酢酸エチル−ヘキサン (1:2) から再結晶して表
題化合物(0.56 g) を無色粉末として得た。 融点 146−149℃.元素分析値(C3341
Cl)計算値:C, 63.00; H, 6.
57; N, 4.45. 実測値: C,62.6
7; H, 6.59; N, 4.29.
【0038】(実施例2)1−[[(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,
2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−
2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,
3,6−テトラヒドロピリジン−4−酢酸
【化31】 実施例1で得られた化合物 (0.46 g)、1規定
水酸化ナトリウム水溶液 (2 ml) とエタノール
(6 ml) の混合物を60℃で30分間撹拌し
た。この混合物を水(100ml)で希釈し、酸性化
後、酢酸エチル (100ml、二回)で抽出した。全
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下濃縮。残渣をエタノール−ヘキサン
(1:2) から再結晶して表題化合物(0.34
g) を無色プリズム晶として得た。 融点 225−228℃.元素分析値(C3137
Cl)計算値:C, 61.94; H, 6.
20; N, 4.66. 実測値: C,61.8
0; H, 6.27; N, 4.39.
【0039】(参考例3)[(3R,5S)−N−(5
−ヒドロキシペンチル)−1−(3−アセトキシ−2,
2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−
ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]アセトアミド
【化32】 (3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメ
チルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキ
シフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−2−オ
キソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸 (2.
0 g) と5−ヒドロキシペンチルアミン(0.44
g) のN,N−ジメチルホルムアミド (20 m
l) 溶液にシアノりん酸ジエチル (0.72 g)
を0℃で添加し、次いでトリエチルアミン (0.5
8 g)を添加した。この混合物を0℃で30分間撹拌
し、酢酸エチル (100 ml)で希釈した。水、5
%硫酸水素カリウム水溶液, 飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液並びに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラ
フィー (展開溶媒: 酢酸エチル) にて精製するこ
とにより、表題化合物(1.74 g) を無色非結晶
状固体として得た。 元素分析値(C3141Cl・0.5H
O)計算値: C, 60.63; H, 6.8
9; N, 4.56. 実測値: C, 60.6
1; H, 7.09; N, 4.65.
【0040】(実施例3)1−[[(3R,5S)−1
−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−
オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベン
ゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,
4−テトラヒドロピリジン
【化33】 ピリジン−三酸化硫黄複合体 (0.95 g) のジ
メチルスルホキシド(5 ml) 溶液を参考例3で得
られた化合物 (0.72 g) 、トリエチルアミン
(0.6 g) 並びに塩化メチレン (20 m
l)の混合物に添加した。この混合物を45分間室温で
撹拌した後、酢酸エチル (50 ml)で希釈した。
水、5% 硫酸水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液並びに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロ
フラン (10 ml)に溶解し、p−トルエンスルホ
ン酸一水和物(18 mg) を添加した。室温で20
分間撹拌した後、酢酸エチル (50 ml)で希釈し
た。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液並びに飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し
た。残渣をカラムクロマトグラフィー[展開溶媒: 酢
酸エチル−ヘキサン (3:2)] にて精製すること
により、表題化合物(0.32 g) を無色非結晶状
固体として得た。 元素分析値(C3137Cl)計算値:
C, 63.64; H,6.37; N, 4.7
9. 実測値: C, 63.47; H, 6.6
1; N, 4.66.
【0041】(実施例4)1−[[(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−
(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−
オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベン
ゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,
4−テトラヒドロピリジン
【化34】 実施例3で得られた化合物 (0.12 g)、1規定
水酸化ナトリウム水溶液 (0.3 ml) 並びにエ
タノール (2 ml) の混合物を60℃で30分間
撹拌した。水 (50ml)で希釈し、酸性化後、酢酸
エチル (50ml, 二回)抽出した。全有機層を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下濃縮した。酢酸エチル−ヘキサン (1:3) から
再結晶して、表題化合物 (88 mg) を無色粉末
として得た。 融点 180−182℃ (酢酸エチル−ヘキサン).
元素分析値(C29 35Cl)計算値:
C, 64.14; H, 6.50; N,5.1
6. 実測値: C, 63.78; H, 6.4
7; N, 5.00.
【0042】(参考例4)4−(ブトキシカルボニルア
ミノ)−3−オキソブタン酸ベンジル
【化35】 カルボニルジイミダゾール(30.6 g) を 2−
(ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(30 g) のテ
トラヒドロフラン (300 ml) 懸濁液に室温で
添加した。室温で6時間撹拌した後、マロン酸モノベン
ジルエステルのカリウム塩(39.6 g) と塩化マ
グネシウム (16.3 g) をこの混合物に添加し
た。60℃で1時間撹拌した後、酢酸エチル (300
ml)で希釈した。0.5規定塩酸 (340 m
l)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (300 m
l)並びに飽和食塩水 (300 ml)で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を
カラムクロマトグラフィー [展開溶媒: ヘキサン−
酢酸エチル (2:1)] にて精製することにより、
表題化合物(44.3g) を無色油状物として得た。 H−NMR (CDCl) δ: 1.44 (9
H, s), 3.54(2H, s), 4.11
(2H, t, J = 5.2 Hz),5.18
(2H, s), 7.36 (5H, s).
【0043】(参考例5)3−ベンジルオキシカルボニ
ル−5−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3
−(メトキシカルボニル)メチル−4−オキソペンタン
酸メチル
【化36】 ブロモ酢酸メチル(49 g) を、 参考例4で得ら
れた化合物 (44.3 g)、炭酸カリウム (43
g)、ヨウ化ナトリウム (11 g)のテトラヒド
ロフラン(40 ml)溶液に添加した。60℃で一夜
撹拌した後、酢酸エチル (300 ml)で希釈し
た。水 (300 ml) 並びに飽和食塩水 (30
0 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧下濃縮した、残渣をカラムクロマトグラフィー
[展開溶媒: ヘキサン−酢酸エチル(10:1 その
後 3:1)] にて精製することにより、表題化合物
(61 g) を無色油状物として得た。 H−NMR (CDCl) δ: 1.44 (9
H, s), 3.09(2H, d, J = 1
7.2 Hz), 3.19 (2H, d,J =
17.2 Hz), 3.59 (6H, s),
4.25 (2H, d, J = 17.2 H
z), 5.1−5.2 (1H, br),5.19
(2H, s), 7.34−7.38 (5H,
s).
【0044】(参考例6)5−(tert−ブトキシカ
ルボニル)アミノ−3−(メトキシカルボニル)メチル
−4−オキソペンタン酸メチル
【化37】 10% パラジウム炭素 (6.0 g) を、参考例
5で得られた化合物(61 g, 0.135 mo
l) の酢酸エチル (600 ml)溶液に添加し、
室温で一夜常圧接触還元に付した。触媒を濾過して除
き、 濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグ
ラフィー [展開溶媒: ヘキサン−酢酸エチル
(2:1)] にて精製することにより、表題化合物
(35.8 g) を無色油状物として得た。 H−NMR (CDCl) δ: 1.44 (9
H, s), 2.48(2H, dd, J =
6.2, 16.8 Hz), 2.76 (2H,
dd, J = 8.0, 16.8 Hz), 3.
30−3.45(1H, m), 3.67 (6H,
s), 4.22 (2H, d,J = 5.2
Hz), 5.16−5.28 (1H, br).
【0045】(参考例7)5−(tert−ブトキシカ
ルボニル)アミノ−4−ヒドロキシ−3−(メトキシカ
ルボニル)メチルペンタン酸メチル
【化38】 参考例6で得られた化合物 (35.8 g) のメタ
ノール (300 ml) 溶液に水素化ホウ素ナトリ
ウム(4.5 g) を−20℃で添加した。30分
間、−20℃で撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶
液 (20 ml)を添加して反応を止め、0.6規定
塩酸 (160 ml) を添加した後、酢酸エチル
(300 ml, 二回)で抽出した。5% 硫酸水素
カリウム水溶液 (200 ml)、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液 (200 ml)並びに飽和食塩水
(200 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー
[展開溶媒; ヘキサン−酢酸エチル (1:1)]
にて精製することにより,表題化合物(32 g)を
無色油状物として得た。 H−NMR (CDCl) δ: 1.44 (9
H, s), 2.36−2.64 (5H, m),
3.05−3.19 (1H, m), 3.29
(1H, ddd, J = 3.6, 6.6, 1
4.2 Hz),3.42−3.50 (1H,
m), 3.69 (6H, s), 3.70 (1
H, d, J = 3.6 Hz), 4.98−
5.08 (1H, m).
【0046】(参考例8)5−(tert−ブトキシカ
ルボニル)アミノ−4−クロロ−3−(メトキシカルボ
ニル)メチルペンタン酸メチル
【化39】 参考例7で得られた化合物 (32 g)、トリフェニ
ルホスフィン(35g)、四塩化炭素(26 g)、ピ
リジン(24 g) 並びにアセトニトリル(300
ml) の混合物を室温で一夜撹拌した。この混合物を
酢酸エチル(300 ml)で希釈し、水 (300
ml)、5% 硫酸水素カリウム水溶液 (300 m
l)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (300 m
l)並びに飽和食塩水 (300 ml)で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を
カラムクロマトグラフィー [展開溶媒: ヘキサン−
酢酸エチル (3:1)] にて精製することにより、
表題化合物(22.6 g) を無色油状物として得
た。 元素分析値(C1424NOCl)計算値: C
l, 10.50. 実測値: Cl, 10.35.
【0047】(参考例9)5−(tert−ブトキシカ
ルボニル)アミノ−3−(メトキシカルボニル)メチル
ペンタン酸メチル
【化40】 参考例8で得られた化合物 (17.8 g)、 トリ
ブチルスタナン(30.7 g) および 2,2’−
アゾビス(イソブチロニトリル) (0.87g) の
トルエン (700 ml) 溶液を110℃ で30
分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をカラムクロ
マトグラフィー [展開溶媒: ヘキサン−酢酸エチル
(10:1 その後 3:1)] にて精製すること
により表題化合物 (15.2 g) を無色油状物と
して得た。 H−NMR (CDCl) δ: 1.44 (9
H, s), 1.52−1.60 (2H, m),
2.40 (5H, s), 3.16 (2H,
q, J = 6.5 Hz), 3.68 (6H,
s), 4.65−4.75 (1H, br).
【0048】(参考例10)5−(tert−ブトキシ
カルボニル)アミノ−3−(メトキシカルボニル)メチ
ルペンタン酸
【化41】 参考例9で得られた化合物 (15.1 g), メタ
ノール(150 ml), 並びに1規定水酸化ナトリ
ウム水溶液 (49 ml) の混合物を60℃で30
分間撹拌した。この混合物を水 (200 ml) で
希釈し、1規定塩酸で中和した後、酢酸エチル (20
0 ml×2) で抽出した。抽出液を飽和食塩水
(200 ml) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧下濃縮すると、表題化合物(14.1
g) を無色油状物として得た。MS (m/z) 2
90 (MH).
【0049】(参考例11)5−(tert−ブトキシ
カルボニル)アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)ペ
ンタン酸メチル
【化42】 クロロギ酸エチル(3.1 g) を、参考例10で得
られた化合物 (7.0 g) とN−メチルモルホリ
ン(2.9 g) のテトラヒドロフラン (70 m
l) 溶液に0℃で滴下した。この混合物を0℃で30
分間撹拌し,水素化ホウ素ナトリウム (2.3 g)
を添加した。メタノール (70 ml) を−20
℃で滴下し、同温度で10分間撹拌した。反応を飽和塩
化アンモニウム水溶液(20 ml) を添加して止
め、0.2規定塩酸 (250 ml)をこの混合物に
添加した後、酢酸エチル (150 ml、二回) で
抽出した。飽和食塩水 (200 ml) で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣
をカラムクロマトグラフィー [展開溶媒: ヘキサン
−酢酸エチル (1:1) 後酢酸エチル] にて精製
することにより表題化合物 (3.6 g) を無色油
状物として得た。 元素分析値(C1325NO)計算値: C, 5
6.71; H, 9.15; N, 5.09. 実
測値: C, 56.72; H, 8.95;N,
5.19.
【0050】(参考例12)4−(2−アミノエチル)
テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン 塩酸塩
【化43】 4規定塩化水素の酢酸エチル溶液 (15 ml)
を、参考例11で得られた化合物 (3.6 g) の
酢酸エチル (5 ml) 溶液に0℃で添加した。室
温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下留去すると表題化
合物 (2.1g) が無色粉末として得られた。 融点 139−142℃. 元素分析値(C13
・HCl)計算値:C, 46.80; H,
7.86; N, 7.80. 実測値: C,46.
51; H, 7.91; N, 7.55.
【0051】(参考例13)2−[(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,
2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−
2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−イル]−N−[2−(2−オキ
ソテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]ア
セトアミド
【化44】 (3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキ
シフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−
(3−ヒドキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オ
キソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸 (5.
3 g) と参考例12で得られた化合物 (2.0
g) のN,N−ジメチルホルムアミド(53 ml)
溶液にシアノりん酸ジエチル (2.0 g) を
0℃ で添加し、次いでトリエチルアミン (2.5
g) を添加した。この混合物を0℃で10分間撹拌
し、水 (100 ml) で希釈した。酢酸エチル
(100 ml 、3回) 抽出し、0.01規定水酸
化ナトリウム水溶液 (100 ml)、5% 硫酸水
素カリウム水溶液 (100 ml)、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液 (100 ml)並びに飽和食塩水
(100 ml) で洗浄した。無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサ
ン (1:1) から再結晶して表題化合物 (5.8
g) を無色粉末として得た。 融点 203−205℃.元素分析値(C3139
Cl)計算値:C, 61.74; H, 6.
52; N, 4.64. 実測値: C,61.3
4; H, 6.51; N, 4.48.
【0052】(参考例14)5−[[[(3R,5S)
−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ
−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−
ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]アミノ]−
3−(2−ヒドロキシエチル)ペンタン酸ナトリウム
【化45】 参考例13で得られた化合物 (7.8 g)、エタノ
ール (70 ml)並びに1規定水酸化ナトリウム水
溶液 (12.9 ml) の混合物を60℃で30分
間撹拌した。溶媒を減圧下留去すると表題化合物
(8.3 g)が無色非結晶状固体として得られた。 元素分析値(C3140ClNa)計算値:
C, 56.32;H, 6.40; N, 4.2
4. 実測値: C, 56.04; H,6.44;
N, 4.10.
【0053】(参考例15)5−[[[(3R,5S)
−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ
−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−
ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]アミノ]−
3−(2−ヒドロキシエチル)ペンタン酸メチル
【化46】 参考例14で得られた化合物 (8.3 g)、ヨード
メタン (2.5 g) 並びにN,N−ジメチルホル
ムアミド (85 ml) の混合物を室温で20分間
撹拌した。この混合物を酢酸エチル (300 ml)
で希釈し、5% 硫酸水素カリウム水溶液 (300
ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (200
ml) 並びに飽和食塩水 (200 ml) で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮したと
ころ表題化合物 (8.2 g)が無色油状物として得
られた。 H−NMR (CDCl) δ: 0.64 (3
H, s), 1.04(3H, s), 1.45−
1.61 (4H, m), 1.95−2.30
(1H, m), 2.33−2.36 (2H,
m), 2.64(1H, dd, J = 5.8,
14.2 Hz), 2.86 (1H, dd,
J = 7.2, 14.2 Hz), 3.15
(1H, t, J = 11.0 Hz), 3.2
5−3.38 (2H, m), 3.39 (1H,
d, J = 14.2 Hz), 3.58−3.
72(3H, m), 3.61 (3H, s),
3.67 (3H, s),3.89 (3H,
s), 4.18−4.23 (1H, m),
4.38−4.50 (2H, m), 6.12−
6.24 (1H, br), 6.15 (1H,
s), 6.61 (1H, s), 6.97−7.
36 (5H, m).
【0054】(実施例5)1−[[(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−
(2−ホルミル−2−メチルプロピル)−1,2,3,
5−テトラヒドロ−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサ
ゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,4−テト
ラヒドロピリジン−4−酢酸メチル
【化47】 ピリジン-三酸化硫黄複合体 (6.4 g) のジメ
チルスルホキシド (13 ml) 懸濁液を、参考例
15で得られた化合物 (8.2 g) とトリエチル
アミン (4.1 g) の塩化メチレン (85 m
l) 溶液に0℃で添加し、1時間室温で撹拌した後、
酢酸エチル (400 ml) で希釈した。この溶液
を水 (200 ml 、三回) で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をテトラ
ヒドロフラン (85 ml)に溶解し、パラトルエン
スルホン酸一水和物 (0.23 g) をこの溶液に
添加した。室温で30分間撹拌した後、酢酸エチル
(100 ml) で希釈した。この溶液を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液 (100 ml)、並びに飽和食
塩水 (100 ml) で洗浄し,無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマト
グラフィー [展開溶媒: 酢酸エチル−ヘキサン
(1:1 その後 2:1)] にて精製することによ
り表題化合物(4.85 g) を無色非結晶状固体と
して得た。 元素分析値(C3237Cl)計算値:
C, 62.69; H,6.08; N, 4.5
7. 実測値: C, 62.63; H, 6.2
3; N, 4.45.
【0055】(実施例6)1−[[(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,
2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−
2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,
3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸メチル
【化48】 実施例5で得られた化合物 (5.33 g) のメタ
ノール (60 ml) 溶液に0℃で水素化ホウ素ナ
トリウム (0.35 g) を添加した。0℃で30
分間撹拌した後、反応を飽和塩化アンモニウム水溶液
(20 ml)を添加して止め、0.1規定塩酸 (9
2 ml) を添加した後,酢酸エチル (100 m
l、二回) で抽出した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液 (50 ml) 並びに飽和食塩水 (50 m
l) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー [展開
溶媒: ヘキサン−酢酸エチル (1:2)] にて精
製することにより表題化合物 (4.7 g) を無色
非結晶状固体として得た。 元素分析値(C3239Cl)計算値:
C, 62.48; H,6.39; N, 4.5
5. 実測値: C, 62.64; H, 6.3
8; N, 4.30.
【0056】(実施例7)1−[[(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,
2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−
2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,
3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸
【化49】 実施例6で得られた化合物 (5.2 g)、1規定水
酸化ナトリウム水溶液(10 ml) 並びにメタノー
ル (50 ml) の混合物を50℃で30分間撹拌
した。この混合物を水 (100ml) で希釈し,1
規定塩酸 (10 ml) を添加して酸性化した後、
酢酸エチル (100ml、二回)で抽出した。この溶
液を飽和食塩水 (100 ml) で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸
エチル−ヘキサン (1:1) から再結晶してジアス
テレオマーの混合物である表題化合物 (3.2 g)
を無色粉末として得た。 融点 180−182℃.元素分析値(C3137
Cl)計算値:C, 61.94; H, 6.
20; N, 4.66. 実測値: C,61.5
8; H, 6.14; N, 4.60.
【0057】(実施例8及び9)1−[[(3R,5
S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒド
ロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−
1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸
【化50】 実施例7で得られたジアステレオマーの混合物 (30
0 mg) を高速液体クロマトグラフィー(カラム,
CHIRALCEL OJ (ダイセル化学工業株式会
社製) 50mmID×500mmL(OJ00CM−
JL001);移動相,ヘキサン/エタノール/トリフ
ロロ酢酸=70/30/0.1;流速,60ml/mi
nその後90ml/min;温度,30℃;検出,UV
254nm)にて分離することにより保持時間の異なる
各ジアステレオマーの画分を得た。それぞれの画分にト
リエチルアミンを加えて中和し、濃縮した。エタノール
を加えて溶解後、0.45μmのフィルターで濾過し
た。濾液を濃縮し、エタノールを留去した後、濃縮液に
水を加えてpH3で結晶を析出させた。桐山ロートで沈
殿を濾過捕集することにより、保持時間小のジアステレ
オマー (124 mg) 並びに保持時間大のジアス
テレオマー (120 mg) をそれぞれ無色粉末と
して得た。 (実施例8)保持時間小 [α] −233°(c=
0.17,メタノール) (実施例9)保持時間大 [α] −170°(c=
0.11,メタノール)
【0058】(参考例16)3−ベンジルオキシ−2−
メトキシベンズアルデヒド
【化51】 水素化ナトリウム(0.26g)を3−ヒドロキシ−2
−メトキシベンズアルデヒド(1.5g)の N,N−
ジメチルホルムアミド(15ml)溶液に添加した。こ
の混合物を0℃で10分間攪拌した後、臭化ベンジル
(1.7g)を添加した。室温で30分間攪拌した後、
水(50ml)を添加した。この混合物から酢酸エチル
(50ml,2回)で抽出し、合わせた有機層を水、5
%硫酸水素カリウム水溶液並びに飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し
た。残渣をカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:ヘキ
サン−酢酸エチル(10:1)]、次いで酢酸エチル−
ヘキサン(1:10)から再結晶することにより表題化
合物(2.1g)を無色プリズム晶として得た。 融点77−78℃.元素分析値(C1514)計
算値:C,74.36;H,5.82.実測値:C,7
4.25;H,5.82.
【0059】(参考例17)2−アミノ−α−(3−ベ
ンジルオキシ−2−メトキシフェニル)−5−クロロベ
ンジルアルコール
【化52】 N−(4−クロロフェニル)ピバルアミド(1.75
g)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を窒素気流
下−78℃に冷却し、1.6M n−ブチルリチウムヘ
キサン溶液(19ml)を滴下した。室温で3時間攪拌
した後、0℃に冷却し、参考例16で得られた化合物
(2.0g)のテトラヒドロフラン(25ml)溶液を
添加した。これを室温で1時間攪拌後、酢酸エチル(1
00ml)で希釈し、水を加えた後、飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残
渣と水酸化ナトリウム(2.75g)のエタノール(5
5ml)溶液を3時間加熱還流したこの混合物を減圧下
濃縮し、水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下濃縮した残渣をカラムクロマトグラフィー
[展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン(1:3)]にて精
製し表題化合物(1.58g)を無色粉末として得た。 元素分析値(C2120NOCl・0.5HO)
計算値:C,66.58;H,5.59;N,3.7
0.実測値:C,66.55;H,5.49;N,3.
54.
【0060】(参考例18)(3,5−trans)−
5−(3−ベンジルオキシ−2−メトキシフェニル)−
7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3
−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキ
ソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸エチル
【化53】 4規定塩化水素の酢酸エチル溶液(0.2ml)を参考
例17で得られた化合物(3.0g)と3−ヒドロキシ
−2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド(1.2g)
のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に添加した。室
温で2時間攪拌した後、4規定塩化水素の酢酸エチル溶
液(2.4ml)をこの溶液に添加し、次いで水素化ホ
ウ素ナトリウム(0.56g)のN,N−ジメチルホル
ムアミド(4ml)溶液を0℃で添加した。0℃で1時
間攪拌した後、水(9ml)と1N水酸化ナトリウム水
溶液(9ml)を添加した。これを室温で2時間攪拌し
た後、有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄した。1規定
水酸化ナトリウム水溶液(13ml)を添加し、塩化フ
マル酸モノエチル(2.1g)の酢酸エチル(5ml)
溶液を0℃で添加した。0℃で1時間攪拌した後、有機
層を0.1規定水酸化ナトリウム水溶液(40ml)、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液並びに飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
残渣をエタノール(50ml)に溶解し、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(1.3m
l)を添加した。この混合物を24時間攪拌し、生じた
沈殿をろ取し、EtOで洗浄すると表題化合物(2.
89g)が無色粉末として得られた。 融点197−199℃.元素分析値(C3236NO
Cl)計算値:C,66.03;H,6.23;N,
2.41.実測値:C,65.88;H,6.14;
N,2.30.
【0061】(参考例19)(3,5−trans)−
5−(3−ベンジルオキシ−2−メトキシフェニル)−
7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3
−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキ
ソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
【化54】 参考例18で得られた化合物(2.8g)、1規定水酸
化ナトリウム水溶液(10ml)、並びにエタノール
(30ml)の混合物を60℃で3時間攪拌した。反応
混合物を酸性化し、酢酸エチル(100ml)で抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサ
ン(1:5)から再結晶することにより表題化合物
(2.2g)を無色粉末として得た。 融点230−231℃.元素分析値(C3032NO
Cl・0.2HO)計算値:C,64.62;H,
5.86;N,2.51.実測値:C,64.53;
H,5.69;N,2.38.
【0062】(参考例20)(3,5−trans)−
1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
5−(3−ベンジルオキシ−2−メトキシフェニル)−
7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−2−オキ
ソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
【化55】 参考例19で得られた化合物(2.1g)、ピリジン
(1.3g)の酢酸エチル(20ml) 溶液に塩化ア
セチル(1.0g)を添加した。室温で1時間攪拌した
後、水(20ml) を反応混合物に添加した。これを
室温で3時間攪拌し、酢酸エチル(50ml,2回)で
抽出した。全有機層を1規定塩酸(1.3ml)と飽和
食塩水で洗浄し(2回)、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサン
(1:1)から再結晶することにより表題化合物(1.
6g)を無色粉末として得た。 融点130−131℃.元素分析値(C3234NO
Cl)計算値:C,64.48;H,5.75;N,
2.35.実測値:C,64.30;H,5.85;
N,2.27.
【0063】(参考例21)3−[3−({2−
[(3,5−trans)−1−(3−アセトキシ−
2,2−ジメチルプロピル)−5−(3−ベンジルオキ
シ−2−メトキシフェニル)−7−クロロ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−2−オキソ−4,1−ベンゾオ
キサゼピン−3−イル]アセチル}アミノ)フェニル]
プロピオン酸エチル
【化56】 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩(0.71g)と1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール(0.57g)を0℃で、参考例20で
得られた化合物(1.5g)、3−(3−アミノフェニ
ル)プロピオン酸エチル塩酸塩(0.62g)とトリエ
チルアミン(0.27g)のアセトニトリル(20m
l)溶液に添加した。室温で2時間攪拌した後、酢酸エ
チル(100ml)で希釈した。水、5%硫酸水素カリ
ウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、並びに飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー[展
開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル(2:1)]にて精製す
ることにより表題化合物(1.51g)を無色非結晶状
粉末として得た。 元素分析値(C4347Cl・0.3H
O)計算値:C,66.50;H,6.17;N,
3.60.実測値:C,66.50;H,6.18;
N,3.38.
【0064】(参考例22)3−[3−({2−
[(3,5−trans)−5−(3−ベンジルオキシ
−2−メトキシフェニル)−7−クロロ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサ
ゼピン−3−イル]アセチル}アミノ)フェニル]プロ
ピオン酸
【化57】 参考例21で得られた化合物(1.4g)、エタノール
(15ml)と1規定水酸化ナトリウム水溶液(4m
l)の混合物を60℃で30分間攪拌した。反応液を水
(60ml)で希釈し、酸性化後、酢酸エチル(50m
l、3回)で抽出した。全有機層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣を酢酸エチル−ヘキサン (1:1)から再結晶する
ことにより表題化合物(1.15g)を無色針状晶とし
て得た。 融点124−125℃.元素分析値(C3941
Cl・0.1HO)計算値:C,66.63;
H,5.91;N,3.98.実測値:C,66.9
6;H,6.31;N,3.67.
【0065】(参考例23)3−[3−({2−
[(3,5−trans)−7−クロロ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−5−(3−ヒドロキシ−2−メトキ
シフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチ
ルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル]アセチル}アミノ)フェニル]プロピオ
ン酸
【化58】 10%パラジウム炭素(0.7g)を参考例22で得ら
れた化合物(1.0g)の酢酸エチル(20ml)溶液
に添加した。5時間室温で接触還元に付した後、触媒を
ろ過して除いた。ろ液を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エ
チルで洗浄することにより表題化合物(0.64g)を
無色粉末として得た。 融点220−222℃.元素分析値(C3235
Cl)計算値:C,62.90;H,5.77;
N,4.58.実測値:C,62.65;H,5.7
2;N,4.44.
【0066】(参考例24)2−ベンジルオキシ−3−
メトキシベンズアルデヒド
【化59】 水素化ナトリウム(0.8g)をo−バニリン(5g)
のN,N−ジメチルホルムアミド (50ml)溶液に
添加した。0℃で30分間攪拌した後、塩化ベンジル
(4.2g)を添加した。室温で一夜攪拌した後、水
(50ml)を加え、酢酸エチル(50ml,2回)で
抽出した。全有機層を水、5%硫酸水素カリウム水溶液
と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー
[展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル(3:1)]にて精
製することにより表題化合物(7.8g) を淡黄色油
状物として得た。 H−NMR(CDCl)δ:3.94(3H,
s),5.17(2H,s),7.08−7.41(8
H,m),10.23(1H,s).
【0067】(参考例25)2−アミノ−α−(2−ベ
ンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−5−クロロベ
ンジルアルコール
【化60】 N−(4−クロロフェニル)ピバルアミド(2.6g)
のテトラヒドロフラン(50ml) 溶液を窒素気流下
−78℃に冷却し、1.6M n−ブチルリチウムヘキ
サン溶液(19ml)を滴下した。室温で3時間攪拌し
た後、反応液を0℃に冷却し、参考例24で得られた化
合物(3.0g)のテトラヒドロフラン(25ml)溶
液を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、
水を加えた。酢酸エチル(100ml)で希釈し、飽和
食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
溶媒を留去し、残渣と水酸化ナトリウム(2.75g)
のエタノール(55ml)溶液を3時間加熱還流した。
反応混合物を減圧下濃縮し、水で希釈した後、酢酸エチ
ルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をカラ
ムクロマトグラフィー[展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン(1:3)]にて精製することにより表題化合物
(2.8g)を無色粉末として得た。 H−NMR(CDCl)δ:3.92(3H,
s),5.04(1H,d,J=10.8Hz),5.
11(1H,d,J=10.8Hz),5.82(1
H,s),6.50(1H,d,J=8.4Hz),
6.78−7.41(10H,m).
【0068】(参考例26)(3,5−trans)−
5−(2−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−
7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3
−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキ
ソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸エチル
【化61】 4規定塩化水素の酢酸エチル溶液(0.17ml)を参
考例25で得られた化合物(2.5g)と3−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド(0.97
g)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液に添加し
た。室温で2時間攪拌した後、この溶液を0℃に冷却
し、4規定塩化水素の酢酸エチル(2.0ml)、次い
で水素化ホウ素ナトリウム(0.28g) のN,N−
ジメチルホルムアミド(4ml)溶液を添加した。1時
間0℃で攪拌した後、水(9ml)と1規定水酸化ナト
リウム水溶液(9ml)を添加した。この混合物を室温
で2時間攪拌した。有機層を分離し、酢酸エチル(50
ml)で抽出した後、全有機層を飽和食塩水で洗浄し
た。1規定水酸化ナトリウム水溶液(13ml)を加
え、氷冷下で塩化フマル酸モノエチル(1.7g)の酢
酸エチル(5ml)溶液を添加した。0℃で1時間攪拌
した後有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食
塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減
圧下濃縮した。残渣をエタノール(50ml)に溶解
し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウン
デセン(1.0ml)を添加して室温で24時間攪拌し
た。沈殿をろ取し、EtOで洗浄して表題化合物
(1.1g) を無色粉末として得た。 融点157−158℃.元素分析値(C3236NO
Cl)計算値:C,66.03;H,6.23;N,
2.41.実測値:C,65.87;H,5.96;
N,2.16.
【0069】(参考例27)(3,5−trans)−
5−(2−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−
7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3
−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキ
ソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
【化62】 参考例26で得られた化合物(1.0g)と1規定水酸
化ナトリウム水溶液(4ml)のエタノール(10m
l)溶液を60℃で3時間攪拌した。反応混合物を酸性
化後、酢酸エチル(100ml)で2回抽出した。全有
機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキ
サン(1:1)で結晶化して表題化合物(0.66g)
を無色粉末として得た。 融点152−154℃.元素分析値(C3032NO
Cl・0.5HO)計算値:C,64.00;H,
5.91;N,2.49.実測値:C,64.13;
H,5.64;N,2.24.
【0070】(参考例28)(3,5−trans)−
1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
5−(2−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−
7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−2−オキ
ソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
【化63】 参考例27で得られた化合物(0.58g)とピリジン
(0.61g)の酢酸エチル(10ml)溶液に塩化ア
セチル(0.47g)を添加した。室温で30分間攪拌
した後、水 (8ml)を加えて室温で3時間攪拌し
た。酢酸エチル(50ml)で2回抽出し、全抽出液を
1規定塩酸(8ml)と飽和食塩水で洗浄した。無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エ
チル−ヘキサン(1:1)から再結晶して表題化合物
(0.55g)を無色プリズム晶として得た。 融点202−203℃.元素分析値(C3234NO
Cl)計算値:C,64.48;H,5.75;N,
2.35.実測値:C,64.39;H,5.66;
N,2.07.
【0071】(参考例29)3−[3−({2−
[(3,5−trans)−1−(3−アセトキシ−
2,2−ジメチルプロピル)−5−(2−ベンジルオキ
シ−3−メトキシフェニル)−7−クロロ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−2−オキソ−4,1−ベンゾオ
キサゼピン−3−イル]アセチル}アミノ)フェニル]
プロピオン酸エチル
【化64】 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩(0.22g)と1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール(0.18g)を0℃で、参考例28で
得られた化合物(0.46g)、3−(3−アミノフェ
ニル)プロピオン酸エチル塩酸塩(0.20g)とトリ
エチルアミン(86mg)のアセトニトリル(10m
l)溶液に添加した。室温で1時間攪拌した後、酢酸エ
チル(100ml)で希釈した。水、5%硫酸水素カリ
ウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、並びに飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー[展
開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル(2:1)]にて精製す
ることにより表題化合物(0.44g)を無色非結晶状
粉末として得た。 元素分析値(C4347Cl)計算値:C,
66.96;H,6.14;N,3.63.実測値:
C,66.74;H,6.35;N,3.51.
【0072】(参考例30)3−[3−({2−
[(3,5−trans)−5−(2−ベンジルオキシ
−3−メトキシフェニル)−7−クロロ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサ
ゼピン−3−イル]アセチル}アミノ)フェニル]プロ
ピオン酸
【化65】 参考例29で得られた化合物(0.35g)、エタノー
ル(4ml)と1規定水酸化ナトリウム水溶液(1m
l)の混合物を60℃で30分間攪拌した。反応液を水
(60ml)で希釈し、酸性化後、酢酸エチル(50m
l,3回)で抽出した。全有機層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣を酢酸エチル−ヘキサン (1:1)から再結晶する
ことにより表題化合物(0.23g)を無色針状晶とし
て得た。 融点160−161℃.元素分析値(C3941
Cl)計算値:C,66.80;H,5.89;
N,4.00.実測値:C,66.57;H,5.9
2;N,3.90.
【0073】(参考例31)3−[3−({2−
[(3,5−trans)−7−クロロ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−5−(2−ヒドロキシ−3−メトキ
シフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチ
ルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル]アセチル}アミノ)フェニル]プロピオ
ン酸
【化66】 10%パラジウム炭素(0.05g)を参考例30で得
られた化合物(0.15g)の酢酸エチル(5ml)溶
液に添加した。5時間室温で接触還元に付した後、触媒
をろ過して除いた。ろ液を減圧下濃縮した。残渣を酢酸
エチル−ヘキサン(1:2)から再結晶することにより
表題化合物(0.64g)を無色粉末として得た。 融点147−148℃.元素分析値(C3235
Cl)計算値:C,62.90;H,5.77;
N,4.58.実測値:C,62.70;H,6.0
8;N,4.21.
【0074】(参考例32)3−[3−({2−[(3
R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプ
ロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ
−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル}
アミノ)フェニル]プロピオン酸
【化67】 特開2002−80468号公報の実施例35に記載の
方法で得られた表題化合物(40g)の結晶をアセトニ
トリル(400ml)に溶解した。直ちに結晶が析出し
た。室温で2時間攪拌後、結晶をろ取した。アセトニト
リル(120ml)で洗浄し、50℃で6時間、100
℃で12時間減圧乾燥して帯黄褐色結晶の表題化合物
(37.2g)を得た。融点148−154℃。
【0075】製剤例 式(I)、(VIII)および(IX)の化合物を有効
成分として含有する高脂血症の予防・治療剤は、例え
ば、次の様な処方によって製造することができる。な
お、以下の処方において活性成分以外の成分(添加物)
は、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格または医薬品
添加物規格における収載品などを用いることができる。 1.カプセル剤 (1)1−[[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ ル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチ ルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル ]−1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸 10mg (2)ラクトース 90mg (3)微結晶セルロース 70mg (4)ステアリン酸マグネシウム 10mg 1カプセル 180mg (1),(2)と(3)および(4)の1/2を混和し
た後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体を
ゼラチンカプセルに封入する。
【0076】2−1.錠剤1 流動層造粒乾燥機(FD−5S、(株)パウレック)中
で、化合物A 120.8g、乳糖2517.0gおよ
びコーンスターチ720.0gを均一に混合後、機内で
ポビドン(PVP)108.0gおよび黄色三二酸化鉄
2.52gを溶解、分散した水溶液を噴霧して造粒し、
ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造粒物
を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)
を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整
粒末とした。これら造粒〜整粒工程を2回繰り返し、得
られる整粒末5086.0gにクロスカルメロースナト
リウム158.4gとステアリン酸マグネシウム35.
2gを加え、タンブラー混合機(TM−15S、昭和化
学機械工作所製)で混合して打錠用顆粒とした。得られ
る顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作
所)で9.5mmφの杵を用いて重量300mgで打錠(打
錠圧8KN/杵)し、錠剤15000錠を得た。 化合物A:1−[[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ ェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジ メチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセ チル]−1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸 錠剤処方(1錠当たりの組成): 組 成 配合量(mg) (1)化合物A 10.00 (2)乳糖 209.79 (3)トウモロコシデンプン 60.00 (4)クロスカルメロースナトリウム 9.00 (5)ポビドン 9.00 (6)黄色三二酸化鉄 0.21 (7)ステアリン酸マグネシウム 2.00 合計 300.00
【0077】2−2.錠剤2 [コーティング剤の製造]精製水27000gにヒドロ
キシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)2
244.0gおよびマクロゴール6000 450.0
gを溶解した。得られる溶液に酸化チタン300.0
g、三二酸化鉄6.0gを分散させ、被覆剤を製造し
た。 [裸錠の製造]流動層造粒乾燥機(FD−S2、(株)パ
ウレック)中で、化合物B 1083.0g、乳糖81
19.0gおよびコーンスターチ2580.0gを均一
に混合後、機内でヒドロキシプロピルセルロース(HP
C−L)387.0gを溶解した水溶液を噴霧して造粒
し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造
粒物を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作
所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕し
て整粒末とした。これら造粒〜整粒工程を2回繰り返
し、得られる整粒末20380.0gにカルメロースカ
ルシウム1080.0gとステアリン酸マグネシウム1
44.0gを加え、タンブラー混合機(TM−60、昭
和化学機械工作所製)で混合して打錠用顆粒とした。得
られる顆粒をロータリー打錠機(アクエリアス36K、
菊水製作所)で9.5mmφの杵を用いて重量300mgで
打錠(打錠圧17KN/杵)し、裸錠とした。 [フィルムコーティング錠の製造]得られる裸錠に、ハ
イコータ―コーティング機(HCF−100F、フロイ
ント製)中で前記被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物B
25mgを含有する下記処方のフィルムコーティング
錠、60000錠を得た。 化合物B:1−[[(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプ ロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1 ,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチ ル]ピペリジン−4−酢酸 錠剤処方(1錠当たりの組成): 組 成 配合量(mg) (1)化合物B 25.0 (2)乳糖 189.0 (3)トウモロコシデンプン 60.0 (4)カルメロースカルシウム 15.0 (5)ヒドロキシプロピルセルロース 9.0 (6)ステアリン酸マグネシウム 2.0 合計(裸錠) 300.0 フィルム錠処方(1錠当たりの組成): (1)裸錠 300.0 (フィルム成分) (2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.48 (3)マクロゴール6000 1.5 (4)酸化チタン 1.0 (5)三二酸化鉄 0.02 合計 310.0
【0078】2−3.錠剤3 [コーティング剤の製造]精製水27000gにヒドロ
キシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)2
244.0gおよびマクロゴール6000 450.0
gを溶解した。得られる溶液に酸化チタン300.0
g、三二酸化鉄6.0gを分散させ、被覆剤を製造し
た。 [裸錠の製造]流動層造粒乾燥機(FD−S2、(株)パ
ウレック)中で、化合物B4331.0g、乳糖487
1.0gおよびコーンスターチ2580.0gを均一に
混合後、機内でヒドロキシプロピルセルロース(HPC
−L)387.0gを溶解した水溶液を噴霧して造粒
し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造
粒物を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作
所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕し
て整粒末とした。これら造粒〜整粒工程を2回繰り返
し、得られる整粒末20380.0gにカルメロースカ
ルシウム1080.0gとステアリン酸マグネシウム1
44.0gを加え、タンブラー混合機(TM−60、昭
和化学機械工作所製)で混合して打錠用顆粒とした。得
られる顆粒をロータリー打錠機(アクエリアス36K、
菊水製作所)で9.5mmφの杵を用いて重量300mgで
打錠(打錠圧17KN/杵)し、裸錠とした。 [フィルムコーティング錠の製造]得られる裸錠に、ハ
イコータ―コーティング機(HCF−100F、フロイ
ント製)中で前記被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物B
100mgを含有する下記処方のフィルムコーティン
グ錠、60000錠を得た。 錠剤処方(1錠当たりの組成): 組 成 配合量(mg) (1)化合物B 100.0 (2)乳糖 114.0 (3)トウモロコシデンプン 60.0 (4)カルメロースカルシウム 15.0 (5)ヒドロキシプロピルセルロース 9.0 (6)ステアリン酸マグネシウム 2.0 合計(裸錠) 300.0 フィルム錠処方(1錠当たりの組成): (1)裸錠 300.0 (フィルム成分) (2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.48 (3)マクロゴール6000 1.5 (4)酸化チタン 1.0 (5)三二酸化鉄 0.02 合計 310.0
【0079】2−4.錠剤4 流動層造粒乾燥機(FD−5S、(株)パウレック)中
で、化合物C 12.08g、乳糖2625.0gおよ
びコーンスターチ720.0gを均一に混合後、機内で
ポビドン(PVP)108.0gおよび黄色三二酸化鉄
2.52gを溶解、分散した水溶液を噴霧して造粒し、
ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造粒物
を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)
を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整
粒末とした。これら造粒〜整粒工程を2回繰り返し、得
られる整粒末5086.0gにクロスカルメロースナト
リウム158.4gとステアリン酸マグネシウム35.
2gを加え、タンブラー混合機(TM−15S、昭和化
学機械工作所製)で混合して打錠用顆粒とした。得られ
る顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作
所)で9.5mmφの杵を用いて重量300mgで打錠(打
錠圧8KN/杵)し、錠剤15000錠を得た。 化合物C:3−〔3−({2−[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジ メトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2 −オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル ]アセチル}アミノ)フェニル〕プロピオン酸 錠剤処方(1錠当たりの組成): 組 成 配合量(mg) (1)化合物C 1.00 (2)乳糖 218.79 (3)トウモロコシデンプン 60.00 (4)クロスカルメロースナトリウム 9.00 (5)ポビドン 9.00 (6)黄色三二酸化鉄 0.21 (7)ステアリン酸マグネシウム 2.00 合計 300.00
【0080】2−5.錠剤5 流動層造粒乾燥機(FD−5S、(株)パウレック)中
で、化合物C 120.8g、乳糖2517.0gおよ
びコーンスターチ720.0gを均一に混合後、機内で
ポビドン(PVP)108.0gおよび黄色三二酸化鉄
2.52gを溶解、分散した水溶液を噴霧して造粒し、
ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造粒物
を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)
を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整
粒末とした。これら造粒〜整粒工程を2回繰り返し、得
られる整粒末5086.0gにクロスカルメロースナト
リウム158.4gとステアリン酸マグネシウム35.
2gを加え、タンブラー混合機(TM−15S、昭和化
学機械工作所製)で混合して打錠用顆粒とした。得られ
る顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作
所)で9.5mmφの杵を用いて重量300mgで打錠(打
錠圧8KN/杵)し、錠剤15000錠を得た。 錠剤処方(1錠当たりの組成): 組 成 配合量(mg) (1)化合物C 10.00 (2)乳糖 209.79 (3)トウモロコシデンプン 60.00 (4)クロスカルメロースナトリウム 9.00 (5)ポビドン 9.00 (6)黄色三二酸化鉄 0.21 (7)ステアリン酸マグネシウム 2.00 合計 300.00
【0081】2−6.錠剤6 流動層造粒乾燥機(FD−5S、(株)パウレック)中
で、化合物C 1208.0g、乳糖1429.0gお
よびコーンスターチ720.0gを均一に混合後、機内
でポビドン(PVP)108.0gおよび黄色三二酸化
鉄2.52gを溶解、分散した水溶液を噴霧して造粒
し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造
粒物を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作
所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕し
て整粒末とした。これら造粒〜整粒工程を2回繰り返
し、得られる整粒末5086.0gにクロスカルメロー
スナトリウム158.4gとステアリン酸マグネシウム
35.2gを加え、タンブラー混合機(TM−15S、
昭和化学機械工作所製)で混合して打錠用顆粒とした。
得られる顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊
水製作所)で9.5mmφの杵を用いて重量300mgで打
錠(打錠圧8KN/杵)し、錠剤15000錠を得た。 錠剤処方(1錠当たりの組成): 組 成 配合量(mg) (1)化合物C 100.00 (2)乳糖 119.79 (3)トウモロコシデンプン 60.00 (4)クロスカルメロースナトリウム 9.00 (5)ポビドン 9.00 (6)黄色三二酸化鉄 0.21 (7)ステアリン酸マグネシウム 2.00 合計 300.00
【0082】2−7.錠剤7 流動層造粒乾燥機(FD−5S、(株)パウレック)中
で、化合物D 120.8g、乳糖2517.0gおよ
びコーンスターチ720.0gを均一に混合後、機内で
ポビドン(PVP)108.0gおよび黄色三二酸化鉄
2.52gを溶解、分散した水溶液を噴霧して造粒し、
ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造粒物
を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)
を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整
粒末とした。これら造粒〜整粒工程を2回繰り返し、得
られる整粒末5086.0gにクロスカルメロースナト
リウム158.4gとステアリン酸マグネシウム35.
2gを加え、タンブラー混合機(TM−15S、昭和化
学機械工作所製)で混合して打錠用顆粒とした。得られ
る顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作
所)で9.5mmφの杵を用いて重量300mgで打錠(打
錠圧8KN/杵)し、錠剤15000錠を得た。 化合物D:1−[[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ ェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジ メチルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセ チル]−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−酢酸 錠剤処方(1錠当たりの組成): 組 成 配合量(mg) (1)化合物D 10.00 (2)乳糖 209.79 (3)トウモロコシデンプン 60.00 (4)クロスカルメロースナトリウム 9.00 (5)ポビドン 9.00 (6)黄色三二酸化鉄 0.21 (7)ステアリン酸マグネシウム 2.00 合計 300.00
【0083】2−8.錠剤8 流動層造粒乾燥機(FD−5S、(株)パウレック)中
で、化合物E 120.8g、乳糖2517.0gおよ
びコーンスターチ720.0gを均一に混合後、機内で
ポビドン(PVP)108.0gおよび黄色三二酸化鉄
2.52gを溶解、分散した水溶液を噴霧して造粒し、
ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造粒物
を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)
を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整
粒末とした。これら造粒〜整粒工程を2回繰り返し、得
られる整粒末5086.0gにクロスカルメロースナト
リウム158.4gとステアリン酸マグネシウム35.
2gを加え、タンブラー混合機(TM−15S、昭和化
学機械工作所製)で混合して打錠用顆粒とした。得られ
る顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作
所)で9.5mmφの杵を用いて重量300mgで打錠(打
錠圧8KN/杵)し、錠剤15000錠を得た。 化合物E:1−[[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ ェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ− 1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセ チル]−1,2,3,4−テトラヒドロピリジン 錠剤処方(1錠当たりの組成): 組 成 配合量(mg) (1)化合物E 10.00 (2)乳糖 209.79 (3)トウモロコシデンプン 60.00 (4)クロスカルメロースナトリウム 9.00 (5)ポビドン 9.00 (6)黄色三二酸化鉄 0.21 (7)ステアリン酸マグネシウム 2.00 合計 300.00
【0084】 3.注射剤 (1)1−[[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ ル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチ ルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル ]−1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸 10mg (2)イノシット 100mg (3)ベンジルアルコール 20mg 1アンプル 130mg (1),(2),(3)を全量2mlになるように、注
射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無
菌状態で行う。
【0085】実験例1 スクアレン合成酵素阻害活性測定法 スクアレン合成酵素阻害活性は後述の調製法に従って得
た酵素液を使用して次のように測定された。すなわち、
5μM〔1−H〕ファルネシルピロリン酸(比活性2
5μCi/mole)、1mMのNADPH(還元型ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、5mM
のMgCl、6mMのグルタチオン、100mMのリ
ン酸カリウム緩衝液(pH7.4)及び被験薬剤(水溶
液又はDMSO溶液として添加)を含む溶液(全量50
μl)に、下記の調製法に従って調製した酵素液(蛋白
質0.8μg)を添加し、37℃で45分間反応させ
た。150μl のクロロホルム−メタノール(1:
2)混液を添加して反応を停止させ、ついで50μl
のクロロホルム及び50μl の3規定水酸化ナトリウ
ム溶液を添加した。スクアレンを主成分とした反応生成
物を含むクロロホルム層(下層)50μlとトルエン系
液体シンチレータ3mlを混合し、液体シンチレーショ
ンカウンターでその放射活性を測定した。スクアレン合
成酵素阻害活性は、クロロホルム層へ取り込まれる放射
活性を50%阻害する濃度(IC50、モル濃度
(M))で示した。結果を〔表1〕に示す。
【0086】ヒト酵素液の調製 10%牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地で
培養(37℃、5%CO存在下)し、得られたヒト肝
癌細胞HepG2(約1×10 cells)を10
ml氷冷緩衝液〔100mMリン酸カリウム緩衝液(p
H7.4)、30mMニコチンアミド、2.5mMのM
gCl〕に懸濁液、超音波処理(30秒間、2回)に
よって細胞を破砕した。得られたソニケートより100
00×gで20分間(4℃)遠心分離した。得られた上
清をさらに105000×gで90分間(4℃)遠心分
離し、次いで沈査を氷冷100mMリン酸カリウム緩衝
液(pH7.4)に懸濁後、再度105000×gで9
0分間(4℃)遠心分離した。これを氷冷100mMリ
ン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約
4mg/ml)し、これを酵素液とした。 〔表1〕 化合物番号(実施例番号) 阻害活性(IC50,10−9 M) 実施例2 110 実施例3 45 実施例7 45 上記結果から明らかなように、本発明化合物はすぐれた
スクアレン合成酵素阻害活性を有する。
【0087】
【発明の効果】本発明の化合物は、スクアレン合成酵素
阻害作用、コレステロール低下作用、トリグリセライド
低下作用を有し、脂質低下剤として高脂血症の予防・治
療剤として有用であり、また動脈硬化症等の予防・治療
にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 7/02 A61P 7/02 7/04 7/04 9/10 9/10 101 101 9/12 9/12 13/12 13/12 19/10 19/10 25/00 25/00 27/02 27/02 43/00 111 43/00 111 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB04 CC57 DD11 EE01 4C086 AA02 AA03 BC75 GA07 MA01 MA04 NA14 ZA01 ZA33 ZA36 ZA42 ZA45 ZA53 ZA54 ZA81 ZA97 ZC20 ZC33 ZC35 ZC61

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、Wはハロゲン原子を示し、Rは低級アルキル
    基を示し、Rはホルミル基および置換されていてもよ
    い水酸基から選ばれる置換基1ないし3個で置換されて
    いてもよい低級アルキル基を示し、Rは式 【化2】 〔式中、xは1、2または3の整数を示し、yは0、1
    または2の整数を示し、破線aおよびbは何れか一方が
    二重結合を示し、他方は一重結合を示し、Rは水素原
    子または式 −(CH−R〔式中、Rはエス
    テル化されていてもよいカルボキシル基を示し、zは
    0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基を示
    す。但し、破線aが二重結合のとき、yは0でない。〕
    で表される基を示す。〕で表される化合物またはその
    塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  3. 【請求項3】Wが塩素原子である請求項1記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】RがC1−4アルキルである請求項1記
    載の化合物。
  5. 【請求項5】Rがメチルである請求項1記載の化合
    物。
  6. 【請求項6】Rが置換されていてもよい水酸基1ない
    し3個で置換されていてもよいC1−6アルキルである
    請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】Rが置換されていてもよい水酸基1ない
    し3個で置換されていてもよい分枝状のC3−6アルキ
    ルである請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】置換されていてもよい水酸基が置換されて
    いてもよいアシル基で置換されていてもよい水酸基また
    は置換されていてもよいアルキル基で置換されていても
    よい水酸基である請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】置換されていてもよいアシル基が(i)ハ
    ロゲン原子、アミノ、モノ−C1−4アルキルアミノお
    よびジ−C1−4アルキルアミノから選ばれる1ないし
    3個の置換基で置換されていてもよいC1−20アルキ
    ル−カルボニルまたは(ii)ハロゲン原子、アミノ、モ
    ノ−C1−4アルキルアミノおよびジ−C 1−4アルキ
    ルアミノから選ばれる1ないし3個の置換基で置換され
    ていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニルである請
    求項8記載の化合物。
  10. 【請求項10】置換されていてもよいアルキル基がハロ
    ゲン原子、アミノ、モノ−C1−4アルキルアミノおよ
    びジ−C1−4アルキルアミノから選ばれる1ないし3
    個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルで
    ある請求項8記載の化合物。
  11. 【請求項11】Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピ
    オニルオキシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミ
    トイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび2
    −アミノプロピオニルオキシから選ばれた1ないし3個
    の置換基を有していてもよいC1−6アルキルである請
    求項1記載の化合物。
  12. 【請求項12】Rが2,2−ジメチル−3−ヒドロキ
    シプロピル、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−
    2−メチルプロピル、3−アセトキシ−2,2−ジメチ
    ルプロピル、3−アセトキシ−2−ヒドロキシメチル−
    2−メチルプロピルまたは3−アセトキシ−2−アセト
    キシメチル−2−メチルプロピルである請求項1記載の
    化合物。
  13. 【請求項13】Rが式 【化3】 〔式中、xは1、2または3の整数を示し、Rは水素
    原子または式−(CH−R〔式中、Rはエス
    テル化されていてもよいカルボキシル基を示し、zは
    0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基を示
    す。〕で表される基である請求項1記載の化合物。
  14. 【請求項14】Rが式 【化4】 〔式中、xは1、2または3の整数を示し、Rは水素
    原子または式−(CH−R〔式中、Rはエス
    テル化されていてもよいカルボキシル基を示し、zは
    0、1、2または3の整数を示す。〕で表される基を示
    す。〕で表される基である請求項1記載の化合物。
  15. 【請求項15】Rが式 【化5】 または 【化6】 で表される基である請求項1記載の化合物。
  16. 【請求項16】Rが−(CH−COOH〔式
    中、zは0、1、2または3の整数を示す。〕である請
    求項1記載の化合物。
  17. 【請求項17】1−[[(3R,5S)−7−クロロ−
    5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,3,5
    −テトラヒドロ−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメ
    チルプロピル)−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼ
    ピン−3−イル]アセチル]−1,2,3,6−テトラ
    ヒドロピリジン−4−酢酸;1−[[(3R,5S)−
    1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
    7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2
    −オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
    ンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−1,2,
    3,4−テトラヒドロピリジン;1−[[(3R,5
    S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
    ル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピ
    ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
    4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]−
    1,2,3,4−テトラヒドロピリジン;1−[[(3
    R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
    ェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(3−
    ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ
    −4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]
    −1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−4−酢酸;
    1−[[(3R,5S)−1−[3−(アセトキシ)−
    2,2−ジメチルプロピル]−7−クロロ−5−(2,
    3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,
    5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−
    イル]アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロピリ
    ジン−4−酢酸またはその塩。
  18. 【請求項18】請求項1または2記載の化合物を含有し
    てなる医薬。
  19. 【請求項19】スクアレン合成酵素阻害剤である請求項
    18記載の医薬。
  20. 【請求項20】トリグリセライド低下剤である請求項1
    8記載の医薬。
  21. 【請求項21】脂質低下剤である請求項18記載の医
    薬。
  22. 【請求項22】高脂血症の予防治療剤である請求項18
    記載の医薬。
  23. 【請求項23】高密度リポタンパク−コレステロール上
    昇剤である請求項18記載の医薬。
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