JP3764180B2 - 縮合環化合物とその用途 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、縮合7員環化合物又はその塩、及びこれらを有効成分として含有するスクアレン合成酵素阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
高コレステロール血症は、高血圧、喫煙とともに虚血性心疾患の三大危険因子として知られており、血中コレステロール値の適切なコントロールは、この虚血性心疾患の予防又は治療の他に、冠動脈硬化症の予防又は治療に極めて重要である。
血中コレステロール値を低下させる薬剤としては、コレスチラミン(Cholestyramine)、コレスチポール(Colestipol)等の胆汁酸を捕捉してその吸収を阻害するもの(例えば米国特許第4027009号に開示)、メリナミド(Melinamide)(フランス特許第1476569号に開示)等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル転移酵素(ACAT)を阻害してコレステロールの腸管吸収を抑制するもの等の他、コレステロールの生合成を抑制する薬剤が注目されている。コレステロール生合成抑制薬剤として、特に3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素を阻害するロバスタチン(Lovastatin)(米国特許第4231938号に開示)、シンバスタチン(Simvastatin)(米国特許第4444784号に開示)、プラバスタチン(Pravastatin)(米国特許第4346227号に開示)等が医薬に供されている。しかし、HMG−CoA還元酵素を阻害するとコレステロールの生合成以外に、ユビノキン、ドリコールやヘムAの様な、その他の生体に必要な成分の生合成も阻害されるため、それらに起因する副作用が懸念されている。
スクアレン合成酵素は、新たなコレステロール生合成経路の必須段階に関与する酵素である。この酵素は、2分子のファルネシルピロリン酸の還元二量化を触媒してスクアレンを形成する酵素である。
【0003】
一方、スクアレン合成酵素を阻害することによるコレステロールの生合成阻害が期待される化合物としては、Journal of Medicinal Chemistry,Vol. 51, No. 10, 1869頁〜1871頁, 1988年、 特開平1−213288号公報、特開平2−101088号公報、特開平2−235820号公報、特開平2−235821号公報、特開平3−20226号公報、特開平3−68591号公報、特開平3−148288号公報及び米国特許第5,019,390号、米国特許第5,135,935号、WO9215579号、WO9309115号、WO9313096号に開示されている。
また、スクアレン合成を阻害することによって、抗真菌作用を示す化合物が種々知られている(特開平4−279589号公報、EP−475706、EP−494622、EP−503520など)。
4,1−ベンゾオキサゼピン誘導体のうち、2位にケトン基の置換した4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン誘導体において、3位の1つの水素原子が他の置換基に置きかわった誘導体が、特開昭57−35576号公報及びChem. Pharm. Bull., 34, 140(1986)に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ユビノキン、ドリコール、ヘムA等は、コレステロール生合成経路上のファルネシルピロリン酸から生合成されることが知られており、従ってこれらの欠損による副作用をなくするためには、コレステロール生合成経路において、ファルネシルピロリン酸以降の酵素系、ことにスクアレン合成酵素を阻害することが望ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン誘導体が優れたスクアレン合成酵素阻害作用を有し、さらに抗真菌作用を併有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)式(I)
【化3】
〔式中、R1は水素あるいは置換されていてもよい炭化水素基を、R2およびR3は同一または異なって水素、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基あるいは置換されていてもよい芳香族複素環基を、Zは二重結合を含んでいる炭素鎖あるいは−Z'−C(OH)−(Z'は結合手あるいは直鎖状もしくは分枝状のアルキレン鎖を示す)を、破線部分
【化4】
は二重結合あるいは単結合を、Yはエステル化されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいアミノ基あるいは脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環残基を示し、環Aは置換されていてもよい〕で表される縮合7員環化合物またはその塩、および
(2)式(I)で表される縮合7員環化合物またはその塩を含有してなるスクアレン合成酵素阻害剤を提供するものである。
【0006】
更に本発明は、式(I)で表わされる新規化合物又はその塩の製造法を提供するものである。
上記式(I)において、R1で表わされる「置換されていてもよい炭化水素基」の炭化水素基としては、脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及びアリール基等が挙げられるが、なかでも脂肪族鎖式炭化水素基が好ましい。
該炭化水素基の脂肪族鎖式炭化水素基としては、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられ、なかでも低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基などが好ましい。該低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−メチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルプロピル、2−エチルブチル、n−ヘプチルなどのC1-7アルキルが挙げられ、なかでも、n−プロピル,イソプロピル,イソブチル,ネオペンチルなどのC3-5アルキルが好ましく、さらにイソブチル,ネオペンチルなどが好ましい。該低級アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−メチルアリル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等のC2-6アルケニルが挙げられ、中でも、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−メチルアリル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−メチル−2−ブテニル等が特に好ましい。該低級アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等のC2-6アルキニルが挙げられ、中でもエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル等が特に好ましい。
【0007】
該炭化水素基の脂環式炭化水素基としては、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基等が挙げられる。該シクロアルキル基としては炭素数3〜9個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル等が挙げられ、中でも、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基が好ましい。該シクロアルケニル基としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1−シクロブテン−1−イル、1−シクロペンテン−1−イル等が挙げられる。該シクロアルカジエニル基としては、例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。
該炭化水素基のアリール基としては、単環式又は縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル等が挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が特に好ましい。
【0008】
R1で表される「置換されていてもよい炭化水素基」の置換基としては,置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基もしくはシクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられ、これらの任意の置換基で1〜5個(好ましくは1〜3個)置換していてもよい。該置換されていてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル等が挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルが好ましい。該置換されていてもよいアリールの置換基としては、炭素数1〜3個のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル等)等が挙げられ、これらの任意の置換基で1〜2個置換していてもよい。該置換されていてもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3-7シクロアルキル基等が挙げられる。該置換されていてもよいシクロアルキル基の置換基とその置換数としては、前記置換されていてもよいアリール基における置換基と同様な種類と個数が挙げられる。該置換されていてもよいシクロアルケニル基のシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等のC3-6シクロアルケニル基等が挙げられる。該置換されていてもよいシクロアルケニル基の置換基とその置換数としては、前記置換されていてもよいアリール基における置換基と同様な種類と個数が挙げられる。該置換されていてもよい複素環基の複素環基としては、環系を構成する原子(環原子)として、酸素、硫黄、窒素のうち少なくとも1個のヘテロ原子をもつ芳香族複素環基、飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)が挙げられるが、好ましくは芳香族複素環基である。該芳香族複素環基としては、芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等)及び芳香族縮合複素環基(例:ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル等)が挙げられるが、なかでもフリル、チエニル、インドリル、イソインドリル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニルなどが好ましい。該非芳香族複素環基としては、例えば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等が挙げられる。該置換されていてもよい複素環基の置換基としては、炭素数1〜3個のアルキル基(例:メチル、エチル、プロピル等)等が挙げられる。該置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、及び置換されていてもよいチオール基における置換基としては、例えば低級(C1-3)アルキル(例、メチル、エチル、プロピル等)等が挙げられる。また、R1で表わされる置換されていてもよい炭化水素基における炭化水素基が脂環式炭化水素基又はアリール基である場合、置換基としては、さらに炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピルなど)でもよい。
【0009】
R2およびR3で示される「置換されていてもよい低級アルキル基」の低級アルキル基としては、炭素数1〜6個の低級アルキル基(例:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等)が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等のC1-4アルキル基が挙げられる。該置換されていてもよい低級アルキル基の置換基としては、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)等が挙げられる。
R2およびR3で示される「置換されていてもよいフェニル基」の置換基としては、ハロゲン原子(例:フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ、置換されていてもよい水酸基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられ、これらの置換基の同一または異なる1〜3個(好ましくは1〜2個)で置換されていてもよい。該低級アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどの炭素数1〜4個のアルキル基が挙げられるが、特にメチル、エチルが好ましい。該低級アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシなどの炭素数1〜4個のアルコキシが挙げられるが、特にメトキシ、エトキシが好ましい。該置換されていてもよい低級アルキル基又は置換されていてもよい低級アルコキシ基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等が挙げられ、任意の位置に1〜5個(好ましくは1〜3個)置換されていてもよい。該置換されていてもよい水酸基における置換基としては、例えば低級(C1-4)アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等)、C3-6シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アリール基(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、アラルキル基(例、ベンジル、フェネチルなど)などが挙げられる。また、これらの置換基は、隣接する置換基同志で環を形成していてもよく、例えば、
【化5】
で示されるものが挙げられ、さらに該環は低級(C1-3)アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなど)などで置換されていてもよい。
【0010】
R2およびR3で示される「置換されていてもよい芳香族複素環基」の芳香族複素環基としては、R1で詳述されている芳香族複素環基が挙げられるが、なかでもフリル、チエニル、インドリル、イソインドリル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリルなどが好ましい。該芳香族複素環基の置換基としては、炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル等)などが挙げられる。
上記した中でも、R2およびR3としては、置換されていてもよいフェニル基が好ましく、さらに好ましくは、置換されたフェニル基、特にハロゲン,低級アルコキシなどで置換されたフェニル基が好ましい。
Zで示される「二重結合を含んでいる炭素鎖」としては、好ましくは、直鎖部分を構成する炭素数が1〜7個、さらに好ましくは1〜4個であるものが挙げられ、側鎖を有していてもよい。該炭素鎖における二重結合は、直鎖部分あるいは分枝鎖部分のいずれか一方または両方に含まれるものであるが、好ましくは直鎖部分に含まれるものが挙げられる。また、該炭素鎖に含まれる二重結合の数は可能な限り特に限定されないが、1〜2個が好ましい。
該二重結合を含んでいる炭素鎖としては、例えば、メチン,ビニレン,プロペニレン,ブテニレン,ブタジエニレン,メチルプロペニレン,エチルプロペニレン,プロピルプロペニレン,メチルブテニレン,エチルブテニレン,プロピルブテニレン,メチルブタジエニレン,エチルブタジエニレン,プロピルブタジエニレン,ペンテニレン,ヘキセニレン,ヘプテニレン,ペンタジエニレン,ヘキサジエニレン,ヘプタジエニレンなどが挙げられるが、好ましくは、メチン,ビニレン,プロペニレン,ブテニレン,ブタジエニレンが挙げられる。
【0011】
Z'で示される「直鎖状もしくは分枝状のアルキレン鎖」としては、例えば、直鎖状もしくは分枝状の炭素数1〜6個のアルキレン鎖が挙げられ、例えば、メチレン,エチレン,トリメチレン,テトラメチレン,ペンタメチレン,ヘキサメチレン,ヘプタメチレン,プロピレン,エチルメチレン,エチルエチレン,プロピルエチレン,ブチルエチレン,メチルテトラメチレン,メチルトリメチレンなどの2価基が挙げられるが、好ましくは、メチレン,エチレン,トリメチレン,プロピレンなどの炭素数1〜3個のものが挙げられる。
Yで示される「エステル化されていてもよいカルボキシル基」としては、低級アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニル,ブトキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル,sec−ブトキシカルボニル,ペンチルオキシカルボニル,イソペンチルオキシカルボニル,ネオペンチルオキシカルボニル,tert−ペンチルオキシカルボニルなど)、アリールオキシカルボニル(例、フェノキシカルボニル,1−ナフトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなど)などが挙げられる。なかでもカルボキシル基,メトキシカルボニル,エトキシカルボニルが好ましい。
【0012】
Yで示される「置換されていてもよいカルバモイル基」の置換基としては、置換されていてもよい低級(C1-6)アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル,イソヘキシルなど)、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシルなど)、置換されていてもよいアリール基(例、フェニル,1−ナフチル,2−ナフチルなど)、置換されていてもよいアラルキル基(例、ベンジル,フェネチルなど)などが挙げられ、これらの置換基は同一又は異なって1個又は2個置換していてもよい。該置換されていてもよい低級(C1-6)アルキルおよび置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基における置換基としては、低級(1-5)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチルなど)でエステル化されていてもよいカルボキシル基,芳香族複素環基(例、フリル,チエニル,インドリル,イソインドリル,ピラジニル,ピリジル,ピリミジル,イミダゾリルなど),アミノ基,水酸基,フェニル基などが挙げられ、これらの置換基は、同一又は異なって1〜3個置換していてもよい。該置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素、ヨウ素),低級(1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)でエステル化されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。また、2個の窒素原子上の置換基が窒素原子と一緒になって環状アミノ基を形成していてもよく、このような環状アミノ基の例としては、1−アゼチジニル,1−ピロリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,1−ピペラジニルなどが挙げられる。
【0013】
Yで示される「置換されていてもよい水酸基」の置換基としては、例えば低級(C1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシルなど)、置換されていてもよいアリール基(例、フェニル,1−ナフチル,2−ナフチルなど)、置換されていてもよいアラルキル基(例、ベンジル,フェネチルなど)などが挙げられる。該置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素、ヨウ素),低級(1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)でエステル化されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。
Yで示される「置換されていてもよいアミノ基」の置換基としては、例えば低級(C1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシルなど)、置換されていてもよいアリール基(例、フェニル,1−ナフチル,2−ナフチルなど)、置換されていてもよいアラルキル基(例、ベンジル,フェネチルなど)などが挙げられる。該置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素、ヨウ素),低級(1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)でエステル化されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。また、2個の窒素原子上の置換基が窒素原子と一緒になって環状アミノ基を形成していてもよく、このような環状アミノ基の例としては、1−アゼチジニル,1−ピロリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,1−ピペラジニルなどが挙げられる。
【0014】
Yで示される「脱プロトン化しうる水素原子を有する,置換されていてもよい複素環残基」の複素環残基としては、N,S,Oのうちの少なくとも1個を含む5〜7員(好ましくは5員)の単環状の複素環残基(好ましくは、含窒素複素環残基)が挙げられる。例えば、テトラゾール−5−イルまたは式
【化6】
〔式中、iは−O−または−S−を、jは>C=O,>C=Sまたは>S(O)2を示す〕で表される基(なかでも、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル,2,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル,2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イルが好ましい)などが挙げられる。
上記複素環残基は、置換されていてもよい低級アルキル(好ましくはC1-4アルキル)またはアシルなどで保護されていてもよい。該置換されていてもよい低級アルキルとしては、メチル,トリフェニルメチル,メトキシメチル,エトキシメチル,p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジルなど)などが挙げられる。該アシルとしては、低級(C2-5)アルカノイル,ベンゾイルなどが挙げられる。
上記したなかでも、Yとしては、エステル化されていてもよいカルボキシル基または置換されていてもよいカルバモイル基が好ましい。
【0015】
環Aの置換基としては、水酸基,ハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),ニトロ,シアノ,炭素数1〜4の低級アルキル基(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチルなど),炭素数1〜4の低級アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,イソブトキシ,sec−ブトキシ,tert−ブトキシなど)が挙げられ、メチル,エチル,メトキシ,エトキシ,塩素が好ましく、特にメトキシ,クロルが好ましい。これらの置換基は同一又は異なって1個又は2個置換していてもよい。
式(I)において、破線部分としては、二重結合であるものが好ましい。
【0016】
本発明化合物を以下に具体的に開示すると、
(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−プロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸、
(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸、
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
【0017】
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸 エチルエステル、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸 エチルエステル、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸 エチルエステル、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
【0018】
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸 エチルエステル、
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸 エチルエステル、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸 エチルエステル、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸 エチルエステル、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
【0019】
(E)−7−クロロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−エトキシ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
などの化合物が挙げられる。
【0020】
化合物(I)の塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩、トリエチルアミン塩、グアニジン塩、アンモニウム塩、ヒドラジン塩、キニーネ塩、シンコニン塩等の塩基の塩等の薬理学的に許容されうる塩が挙げられる。
【0021】
本発明の化合物の製造法を以下に述べる。
式(I)の化合物のうち、式(Ia)
【化7】
〔式中、R4は、Yで定義されるエステル化されたカルボキシル基のアルキル部分を示し、他の記号は前記と同意義〕は、以下の方法により製造することができる。
【化8】
〔式中、記号は前記と同意義〕
式(II)と式(III)で示される化合物を反応させ、式(IV)で示される化合物を製造する方法は、アミノ基のアシル化反応であり、自体公知の方法で容易に製造することができる。すなわち、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶媒中、必要により水及び塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム,水素化カリウム)等の存在下に行なうことができる。式(II)で表わされる化合物1モルに対して、式(III)で示される酸クロリドは、通常1〜10モル量、好ましくは1〜3モル量程度用いられる。また反応時間は、通常約1〜48時間、好ましくは5〜10時間程度である。反応温度は−50〜100℃、好ましくは0〜50℃程度である。
【0022】
式(IV)で示される化合物より式(Ia)で表わされる化合物への製造法は、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、メタノール,エタノール,プロパノール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶媒中、必要により塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム)等の存在下に行なうことができる。反応時間は1時間から24時間、好ましくは5時間から20時間程度である。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。
原料となる式(II)で示される化合物は、 D.A.Walsh.Synthesis. 677 (1980)に記載またはその文献に引用された方法、またはそれに準じる方法で合成することができる。
【0023】
式(I)の化合物のうち、式(Ib)
【化9】
〔式中、記号は前記と同意義〕
の製造は、式(Ia)で示される化合物の水酸基を、メタンスルホニル化,トルエンスルホニル化を行なう。反応は自体公知であり、式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物より、式(IV)で示される化合物の製造と同様の方法で製造することができる。次にメタンスルホニル化又はトルエンスルホニル化された化合物を、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶媒中、必要により塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム,水素化カリウム,ナトリウムメトキサイド,ナトリウムエトキサイド,酢酸ナトリウム,酢酸カリウム,プロピオン酸ナトリウム,プロピオン酸セシウム,カリウム第三ブトキサイド)等の存在下に行なうことができる。用いる塩基は、メタンスルホニル化又はトルエンスルホニル化された化合物1モルに対し、1〜10モル当量、好ましくは1〜2モル当量程度であり、反応時間は通常1〜24時間、好ましくは5〜10時間程度、反応温度は0〜200℃、好ましくは50〜100℃程度である。
【0024】
式(I)の化合物のうち、式(Ic)
【化10】
〔式中、各記号は前記と同意義〕の製造法は式(V)
【化11】
〔式中、各記号は前記と同意義〕で示される化合物をシアノヒドリンに変換した後、シアノ基を加水分解することにより製造することができる。シアノヒドリンの製造は、式(V)で示される化合物をアセトンシアノヒドリン中、必要により塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン等)の存在下行なうことができる。反応時間は10分〜5時間、好ましくは30分〜2時間、反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。用いる塩基は式(V)で示される化合物1モルに対し、0.1〜3モル当量、好ましくは0.2〜0.5モル当量程度用いる。得られたシアノヒドリンの加水分解は、自体公知の方法で行なうことができ、溶媒としてメタノール,エタノール,プロパノールのアルコール系溶媒、酸(例えば、塩化水素,硫酸)存在下、行なうことができる。反応温度は30〜150℃、好ましくは50〜100℃程度、反応時間は10分〜5時間、好ましくは30分〜1時間程度である。
【0025】
式(I)の化合物のうち、式(Id)
【化12】
〔式中、Z''およびZ'''はそれぞれ結合手または二重結合を含んでいてもよい炭素鎖を示し、他の記号は前記と同意義〕の製造法は、式(V′)
【化13】
〔式中、各記号は前記と同意義〕で示される化合物と、式(VI)
【化14】
〔式中、記号は前記と同意義〕で示される化合物を反応させて行なうことができる。例えば、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶媒中、式(V′)で示される化合物1モルに対し、式(VI)で示される化合物が1〜10モル当量、好ましくは1〜3モル当量程度、反応温度は50〜200℃、好ましくは80〜100℃程度、反応時間は1時間〜24時間、好ましくは3時間〜10時間程度である。
【0026】
式(I)の化合物のうち、式(Ie)
【化15】
〔式中、記号は前記と同意義〕の製造は、式(Ia),式(Ib),式(Ic),式(Id),後述の(Ij)で示される化合物を、水やメタノール,エタノール,プロパノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒中、塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化バリウム等),酸(塩酸,硫酸,硝酸等)の存在下、行なうことができる。反応時間は1時間〜24時間、好ましくは2時間〜3時間程度、反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。
【0027】
式(I)の化合物のうち、式(If)
【化16】
〔式中、Y'はYで定義される置換されていてもよいカルバモイル基を示し、他の記号は前記と同意義〕の製造法は、式(Ie)で示される化合物と置換されていてもよいカルバモイル基と同じ置換基を有するアミンとの縮合反応により製造することができる。例えば、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系,ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン,クロロホルム等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル,ジメチルホルムアミド溶媒中、式(Ie)で示される化合物1モルに対し、置換されていてもよいカルバモイル基と同じ置換基を有するアミンが通常1〜5モル量、好ましくは1〜1.5モル量程度用いる。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は1〜24時間、好ましくは2〜5時間程度である。この際用いられる縮合剤は、シアノりん酸ジエチル,ジシクロヘキシルカルボジイミド等であり、式(Ic),式(Ie)で示される化合物1モルに対し、縮合剤は通常1〜5モル量、好ましくは1〜2モル量程度である。
【0028】
式(I)の化合物のうち、式(Ig)
【化17】
〔式中、記号は前記と同意義〕の製造法は、式(Ia),式(Ib),式(Ic),式(Id),後述の(Ij)で示される化合物をジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、水素化リチウムアルミニウムで還元して行なうことができる。式(Ia),式(Ib),式(Ic),式(Id)で示される化合物1モル量に対し、水素化リチウムアルミニウムは0.1〜3モル量、好ましくは0.3〜1モル量程度、反応時間は0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜3時間程度、反応温度は0〜100℃、好ましくは30〜70℃程度である。又式(Ig)で示される化合物は、式(Ie)で示される化合物をクロロ炭酸エチルで反応させた後、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム,水素化リチウムアルミニウム等で還元することによっても製造することができる。式(Ie)で示される化合物とクロロ炭酸エチルとの反応は、エチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ヘキサン,ヘプタン,ベンゼン,トルエン等の炭化水素系溶媒中、必要により塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水素化ナトリウム,水素化カリウム)等の存在下に行なうことができる。式(Ie)で示される化合物1モル量に対しクロロ炭酸エチルが通常1〜5モル量、好ましくは1〜2モル量程度用いる。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は0.5〜10時間、好ましくは1〜3時間程度である。水素化ホウ素ナトリウム又は水素化リチウムアルミニウム等で還元する場合、クロロ炭酸エチルを反応して得られた化合物1モルに対し、還元剤は0.1〜3モル量、好ましくは0.3〜1モル量程度用い、反応時間は0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜3時間程度、反応温度は0〜100℃、好ましくは30〜70℃程度である。
【0029】
式(I)の化合物のうち、式(Ih)
【化18】
〔式中、Y''はYで定義される置換されている水酸基を示し、他の記号は前記と同意義〕で表わされる化合物は、式(Ig)で示される化合物と式(VII)
W−R5 (VII)
〔式中、R5はY''で定義される置換されている水酸基の置換基を示し、 Wは塩素,臭素またはヨウ素を示す〕で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。式(Ig)で示される化合物を炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基,水素化ナトリウムなどの塩基存在下、メタノール,エタノール,プロパノール,ブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒中、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、式(VII)で示される化合物と反応させる。式(Ig)で示される化合物1モルに対し、式(VII)で示される化合物は0.5〜1.5モル当量を用い、また式(Ig)で示される化合物1モルに対し、用いられる塩基は1〜5モル当量,好ましくは1〜2モル当量、反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜100℃、反応時間は0.5〜24時間、好ましくは1〜3時間程度である。
【0030】
式(I)の化合物のうち、式(Ii)
【化19】
〔式中、Y'''はYで定義される置換されていてもよいアミノ基を示し、他の記号は前記と同意義〕で表わされる化合物のうち、式(Ii')
【化20】
〔式中、記号は前記と同意義である〕で表される化合物は、例えば、式(Ie)で示される化合物を、溶媒中、塩基の存在下、ジフェニルホスホリルアジドと反応させた後、得られた生成物を溶媒中酸で処理することにより得ることができる。式(Ie)で示される化合物とジフェニルホスホリルアジドとの反応における用いられる溶媒は、反応を妨げない溶媒であればいずれでもよく、例えばジメチルホルムアミドやジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、エチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒などが挙げられる。用いられる塩基としては、トリエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。式(Ie)で示される化合物1モルに対し、ジフェニルホスホリルアジドは1〜10モル当量,好ましくは1.5〜3モル当量程度を用いる。反応温度は−20〜50℃,好ましくは0〜20℃で行い、反応時間は0.5〜5時間、好ましくは1〜2時間程度である。
【0031】
式(Ii)で表される化合物のうち、式(Ii'')
【化21】
〔式中、Y''''はY'''で定義される置換されたアミノ基を示し、 他の記号は前記と同意義である〕で表される化合物は、式(Ii')で示される化合物を、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸中で、亜硝酸ナトリウムでジアゾ化した後、加熱することにより製造することができる(反応温度は20〜200℃,好ましくは50〜100℃で、反応時間は5分〜2時間、好ましくは15〜30分間程度)式(VIII)
【化22】
〔式中、記号は前記と同意義である〕で示される中間体と式(IX)
H−Y'''' (IX)
〔式中、記号は前記と同意義である〕で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。式(VIII)で示される化合物を炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基,水素化ナトリウムなどの塩基存在下、メタノール,エタノール,プロパノール,ブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、式(IX)で示される化合物と反応させる。式(VIII)で示される化合物1モルに対し、式(IX)で示される化合物は0.5〜1.5モル当量を用い、また式(VIII)で示される化合物1モルに対し、用いられる塩基は1〜5モル当量,好ましくは1〜2モル当量、反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜100℃、反応時間は0.5〜24時間、好ましくは1〜3時間程度である。
【0032】
式(I)の化合物のうち、式(Ij)
【化23】
〔式中、Z''''は二重結合を含んでいてもよい炭素鎖を示し、他の記号は前記と同意義である〕で表される化合物は式(Ig')
【化24】
〔式中、記号は前記と同意義である〕で表される化合物を、溶媒を用いないか、またはジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタンなどの炭化水素系溶媒を用いて、塩化チオニル,五塩化リン,オキシ塩化リンなどを、 式(Ig')で示される化合物1モルに対し、0.5〜5モル当量,好ましくは1〜1.5モル当量を用い、反応温度0〜200℃、好ましくは20〜50℃、反応時間0.5〜5時間、好ましくは1〜2時間で反応させることにより、水酸基を塩素に変換した中間体を、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドなどの溶媒中、シアン化ナトリウム,シアン化カリウムを反応させて、式(X)
【化25】
〔式中、記号は前記と同意義である〕で表される化合物を製造する。塩素に変換した中間体1モルに対し、シアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムを1〜10モル当量,好ましくは1〜1.5モル当量を用いて、反応温度20〜200℃、好ましくは50〜150℃、反応時間1〜48時間、好ましくは5〜10時間程度で反応させる。
得られた式(X)で表される化合物の加水分解は、自体公知の方法で行うことができる。溶媒としてメタノール,エタノール,プロパノールのアルコール系溶媒、酸(例えば,塩化水素,硫酸)存在下行うことができる。反応温度30〜150℃、好ましくは50〜100℃、反応時間10分〜5時間、好ましくは30分〜1時間程度である。
【0033】
本発明の一般式(I)で表わされる化合物またはその塩は、スクアレン合成酵素阻害作用又は抗真菌作用を有するが、本発明で使用される化合物の中には、コレステロール生合成経路の他の酵素をも抑制するものもある。いずれにしても本発明の一般式(I)で表わされる化合物は、コレステロール生合成を抑制するので、哺乳動物(例、マウス,ラット,ウサギ,犬,ネコ,牛,豚,ヒト等)の高コレステロール血症や冠動脈硬化症の予防又は治療に有用であり、また真菌感染の予防又は治療に有用である。
かかる化合物を人に投与する場合、投与方法は経口的、非経口的いずれのルートによってもよい。経口投与のための組成物としては、固体又は液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠,フィルムコーティング錠を含む),丸剤,顆粒剤,散剤,カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む),シロップ剤,乳剤,懸濁剤等が挙げられる。かかる組成物は自体公知の方法によって製造でき、製剤分野において通常用いられる担体もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体もしくは賦形剤としては、乳糖,でんぷん,蔗糖,ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
【0034】
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤,坐剤等が挙げられ、注射剤は皮下注射剤,皮内注射剤,筋肉注射剤等の剤形を包含する。かかる注射剤はそれ自体公知の方法、すなわち本発明の化合物を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に懸濁又は乳化することによって調製される。注射用の水性液としては生理食塩水、等張液等が挙げられ、必要により適当な懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、非イオン性界面活性剤等と併用してもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油等が挙げられ、溶解補助剤としては安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。調製された注射液は通常適当なアンプルに充填される。
【0035】
一般式(I)で表わされる化合物又はその塩は、低毒性で安全に使用することができ、その1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、高コレステロール血症治療剤として使用する場合、成人1日当たりの投与量は、経口投与の場合、約1〜500mg、好ましくは約10〜200mgであり、この範囲では何ら毒性は見られない。
一般式(I)で表わされる化合物はスクアレン合成酵素阻害剤として哺乳動物(例、ヒト等)に投与される場合、成人1日当たりの有効な投与量は、経口投与の場合、約1〜500mg、好ましくは約10〜200mgであり、非経口投与(例、注射剤、坐剤等)の場合、約0.1〜100mg、好ましくは約1〜20mgである。
さらに、一般式(I)で表される化合物は、ブロスまたは寒天希釈法によって決定されるように広範囲の抗菌活性を示す。
一般式(I)で表される化合物は、真菌治療の目的で、哺乳動物(例、ヒトなど)に投与される場合、成人1日当たりの有効な投与量は、経口投与の場合、約0.1〜100mg、好ましくは約1〜50mgであり、非経口投与(例、注射剤、坐剤等)の場合、約0.1〜100mg、好ましくは1〜50mgが挙げられる。
【0036】
【実施例】
以下実施例、製剤例、試験例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。
尚、以下の記載において、3位と5位に不斉炭素が存在することにより、化合物の種類によっては、2種のラセミのジアステレオマーが得られることがある。ここで7員環の面に対して、3位と5位の置換基が同方向を向いている異性体をシス、逆方向を向いている異性体をトランスとする。更に不斉炭素が存在する化合物で、例えば(3RS,5RS,αSR)は、(3R,5R,αS)と(3S,5S,αR)の混合物を意味する。
実施例1
(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、および
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化26】
(1)5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジルアルコール
DL−トランス−2,3−エポキシこはく酸 モノエチル エステル(3.1g)の塩化メチレン(90ml)溶液に氷冷下、(ジクロロメチレン)ジメチルイミニウム クロリド(3.14g)を加え、1時間撹拌した。5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−イソプロピルアミノベンジル アルコール(4.0g)と重曹(5.42g)を加えて、氷冷下、1時間撹拌した。反応液を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジル アルコール(5.6g)が結晶として得られた。融点 143−146℃
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値: C,58.55; H,5.31; N,3.12
【0037】
(2)(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル及び、(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジルアルコール(10.0g)をエタノール(200ml)に溶解し、炭酸カリウム(3.06g)を加えて室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、水(200ml)と酢酸エチル(300ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製すると、7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(7.2g,72%)が(3RS,5RS,αSR)体と(3RS,5SR,αSR)体の1:1混合物として得られた。この混合物をヘキサン−酢酸エチルで2回再結晶し、(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(1.75g)がプリズム晶として得られた。
融点 188−189℃
マススペクトル(m/e):451(M+)
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値: C,58.63; H,5.31; N,3.12
再結晶の濾液を合わせて、ヘキサン−酢酸エチルで結晶化させ、得られる結晶をヘキサン−酢酸エチルで2回再結晶すると、(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(1.2g)がプリズム晶として得られた。
融点 141−142℃
マススペクトル(m/e):451(M+)
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値: C,58.55; H,5.02; N,3.11
【0038】
実施例2
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル及び、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化27】
(1)5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(シス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジルアルコール
DL−シス−2,3−エポキシこはく酸 モノエチル エステル(10.1g)の塩化メチレン(200ml)溶液に氷冷下、(ジクロロメチレン)ジメチルイミニウム クロリド(10.2g)を加え、1時間撹拌した。5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−イソプロピルアミノベンジル アルコール(15.0g)と重曹(20.3g)を加えて、氷冷下、1時間撹拌した。反応液を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(シス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジル アルコール(17.9g)が結晶として得られた。
融点 139−141℃
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値: C,58.64; H,5.13; N,3.01
【0039】
(2)(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル及び、(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(シス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジルアルコール(15.0g)をエタノール(150ml)に溶解し、炭酸カリウム(4.6g)を加えて室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、水(200ml)と酢酸エチル(300ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(9.0g,60%)が(3RS,5RS,αSR)体と(3RS,5SR,αSR)体の約1:1混合物として得られた。
IR νmax neatcm-1:3440(OH); 1735, 1665(C=O)
マススペクトル(m/e):451(M+)
1H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3)δ:1.26(3H,t,J=7.2Hz), 1.28(3H,d,J=7.2Hz), 1.55(3H,d,J=7.2Hz), 4.0-4.1(1H,m), 4.19(2H,q,J=7.2Hz), 4.39(1H,d,J=2.8Hz), 4.50(1H,dd,J=8.6,2.8Hz), 4.7-4.9(1H,m), 5.18(1H,d,J=8.6Hz), 6.01(1H,s), 6.53(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(7H,m)
【0040】
実施例3
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化28】
(1)5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソブチル〕アミノベンジルアルコール
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−イソブチルアミノベンジル アルコール(10g)を用い、実施例1−(1)と同様の操作により油状化合物(14.0g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.75-1.05(6H,m), 1.15-1.4(3H,m), 1.7-2.0(1H,m), 2.7-3.3(2H,m), 3.3-3.9(2H,m), 4.0-4.45(3H,m), 6.1-6.4(1H,m), 7.0-7.8(7H,m)
(2)7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソブチル〕アミノベンジル アルコール(13.0g)と炭酸カリウム(3.85g)をエタノール(150ml)に加え、終夜室温で撹拌した。溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルエステルに溶かし、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(7.0g)を得た。
元素分析値 C23H25Cl2NO5として
計算値: C,59.24; H,5.40; N,3.00
実測値: C,59.14; H,5.37; N,2.98
1H−NMR(CDCl3)δ:0.7-1.1(6H,m), 1.2-1.4(5H,m), 1.7-2.1(1H,m), 3.35-4.0(2H,m), 4.0-4.8(5H,m), 6.15 and 6.19(1H,each s), 6.55 and 6.96(1H,each d,J=2.4Hz), 7.15-7.8(6H,m)
【0041】
実施例4
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−プロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化29】
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−プロピルアミノベンジル アルコールを用いて、実施例1−(1),実施例3−(2)と同様の操作により製造した。
(1)5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−プロピル〕アミノベンジル アルコール
油状化合物
1H−NMR(CDCl3)δ:0.75-1.05(3H,m), 1.1-1.8(5H,m), 2.6-3.9(4H,m), 4.0-4.5(3H,m), 6.1-6.4(1H,m), 6.9-7.9(7H,m)
(2)7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−プロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸エチルエステル
無色結晶
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.12; N,3.10
実測値: C,58.40; H,5.23; N,3.01
1H−NMR(CDCl3)δ:0.7-1.05(3H,m), 1.15-1.4(3H,m), 1.45-1.8(2H,m), 3.4-3.9(2H,m), 4.0-4.7(4H,m), 6.08 and 6.10(1H,each s), 6.5-7.8(7H,m)
【0042】
実施例5
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸
【化30】
実施例1で得られた(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(0.3g)をエタノール(8ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム(2ml)を加えて、室温で20分間静置した。1N 塩酸(50ml)を加えて酸性とし、酢酸エチル(50ml)で抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去すると、(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.26g)がプリズム晶として得られた。
融点 245−247℃(分解)
元素分析値 C20H19Cl2NO5として
計算値: C,56.62; H,4.51; N,3.30
実測値: C,56.47; H,4.40; N,3.32
【0043】
実施例6
(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸
【化31】
実施例1で得られた(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(0.3g)を実施例5と同様の操作により無色結晶0.26gを得た。
融点 237−239℃(分解)
元素分析値 C20H19Cl2NO5として、
計算値:C,56.62; H,4.51; N,3.30
実測値:C,56.83; H,4.62; N,3.34
【0044】
実施例7
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸及び、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸
【化32】
実施例2で得た(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステルと(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステルの混合物(4.5g)をエタノール(50ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム(30ml)を加えて、室温で30分間撹拌した。1N 塩酸(100ml)を加えて酸性とし、酢酸エチル(200ml)で抽出する。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去した。残留物をヘキサン−酢酸エチルで結晶化させ、(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸と(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸の混合物(3.3g)が得られた。これをヘキサン−エタノールで2回再結晶し、(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.94g)が板状晶として得られた。
融点 226−230℃(分解)
元素分析値 C20H19Cl2NO5・EtOHとして、
計算値:C,56.18; H,5.36; N,2.98
実測値:C,56.12; H,5.41; N,2.96
再結晶の濾液を合わせて、減圧留去し、得られた結晶をヘキサン−エタノールで2回再結晶し、(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.49g)が板状晶として得られた。
融点 220−224℃(分解)
元素分析値 C20H19Cl2NO5として、
計算値:C,56.62; H,4.51; N,3.30
実測値:C,56.80; H,4.80; N,3.24
【0045】
実施例8
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化33】
実施例7で得た(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.15g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(6mg)とエタノール(20ml)の混合物を10時間加熱還流した。エタノールを減圧留去し、水(50ml)と酢酸エチル(50ml)を加えて抽出した。抽出液を重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(95mg)がプリズム晶として得られた。
融点 126−128℃
元素分析値 C22H23Cl2NO5として、
計算値:C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値:C,58.31; H,5.15; N,3.15
【0046】
実施例9
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化34】
実施例7で得た(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.15g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(7mg)とエタノール(20ml)の混合物を24時間加熱還流した。エタノールを減圧留去し、水(50ml)と酢酸エチル(50ml)を加えて抽出した。抽出液を重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(0.14g)がプリズム晶として得られた。
融点 119−120℃
元素分析値 C22H23Cl2NO5として、
計算値:C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値:C,58.53; H,5.18; N,3.26
【0047】
実施例10
(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル及び、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル
【化35】
(1)(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル
実施例1で得た(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(0.8g)を酢酸エチル(30ml)に溶解し、氷冷下、塩化メタンスルホニル(0.18ml)とトリエチルアミン(0.32ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル=10:5:1)で精製し、(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル(0.82g)がプリズム晶として得られた。
融点 159−160℃
元素分析値 C23H25Cl2NO7Sとして、
計算値:C,52.08; H,4.75; N,2.64
実測値:C,52.25; H,4.80; N,2.74
【0048】
(2)(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル及び、(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル
プロピオン酸(0.23g)をメタノール(10ml)に溶解し、炭酸セシウム(0.34g)を加えて、室温で30分間撹拌した。メタノールを減圧留去し、トルエンを(10ml)加えて、再び減圧留去し、プロピオン酸セシウムが粉末として得られた。本品と(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル(1.0g)及び、N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)の混合物を80℃で2時間撹拌した。反応液に水(50ml)と酢酸エチル(100ml)を加えて抽出し、酢酸エチル層を1N 塩酸と重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1−5:1)で分離精製し、第1画分から、(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.31g)がプリズム晶として得られた。
融点 194−195℃
マススペクトル(m/e):433(M+)
元素分析値 C22H21Cl2NO4として、
計算値:C,60.84; H,4.87; N,3.22
実測値:C,60.76; H,4.99; N,3.32
【0049】
また、第2画分から、(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.13g)がプリズム晶として得られる。
融点 143−144℃
マススペクトル(m/e):433(M+)
元素分析値 C22H21Cl2NO4として、
計算値:C,60.84; H,4.87; N,3.22
実測値:C,60.59; H,4.84; N,3.30
同様にして、実施例1で得た(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル(1.0g)をプロピオン酸セシウムと反応させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製すると、第1画分から、(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.335g)がプリズム晶として得られた。また、第2画分から、(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.17g)がプリズム晶として得られた。
【0050】
(3)(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸エチルエステル(0.6g)を酢酸エチル(30ml)に溶解し、氷冷下、塩化メタンスルホニル(0.13ml)とトリエチルアミン(0.24ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル=10:5:1)で精製し、(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル(0.63g)がプリズム晶として得られた。
融点 143−144℃
元素分析値 C23H25Cl2NO7Sとして、
計算値:C,52.08; H,4.75; N,2.64
実測値:C,52.38; H,4.89; N,2.77
【0051】
実施例11
(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸
【化36】
実施例10で得た(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.3g)をメタノール(30ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム水溶液(5ml)を加えて、50℃で1時間撹拌した。メタノールを減圧留去した後、1N 塩酸(50ml)と酢酸エチル(100ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去し、(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸(0.26g)がプリズム晶として得られた。
融点 234−239℃
IR νmax KBr cm-1:1670, 1655(C=O, C=C)
元素分析値 C20H17Cl2NO4として、
計算値:C,59.13; H,4.22; N,3.45
実測値:C,59.02; H,4.21; N,3.37
1H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3)δ:1.31(3H,d,J=7.0Hz), 1.61(3H,d,J=7.0Hz), 4.7-4.9(1H,m), 5.48(1H,s), 6.54(1H,s), 6.57(1H,d,J=2.2Hz), 7.3-7.6(5H,m), 8.05(1H,d,J=7.8Hz)
【0052】
実施例12
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸
【化37】
実施例10で得た(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.16g)をメタノール(20ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム水溶液(5ml)を加えて、50℃で1時間撹拌した。メタノールを減圧留去した後、1N 塩酸(50ml)と酢酸エチル(100ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去し、(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸(0.135g)がプリズム晶として得られた。
融点 209−214℃(分解)
IR νmax KBrcm-1:1720, 1650, 1630(C=O,C=C)
元素分析値 C20H17Cl2NO4として、
計算値:C,59.13; H,4.22; N,3.45
実測値:C,58.97; H,4.24; N,3.42
1H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3)δ:1.34(3H,d,J=7.0Hz), 1.62(3H,d,J=7.0Hz), 4.8-5.0(1H,m), 5.41(1H,s), 6.51(1H,s), 6.54(1H,d,J=1.8Hz), 7.3-7.6(5H,m), 7.78(1H,d,J=7.0Hz)
【0053】
実施例13
実施例10,実施例12,実施例13と同様の操作により〔表1〕に示す化合物を得た。
【表1】
【0054】
実施例14
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル,および
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル
【化38】
(1)3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−エタノール
3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸(3.0g)とN−メチルモルホリン(0.97ml)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、−10℃でクロロ炭酸エチル(0.84ml)を加え、10分間撹拌した。反応溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.93g)を加え、室温で10分間加熱した。溶媒を留去し、希塩酸で酸性にした後、酢酸エチルエステルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(2.27g)を得た。
融点 184−186℃
元素分析値 C20H21Cl2NO3として
計算値:C,60.92; H,5.37; N,3.55
実測値:C,61.03; H,5.27; N,3.53
【0055】
(2)3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド
オキサリルクロリド(0.60ml)のジクロロメタン(5ml)溶液に、−65℃で5分間かけて、ジメチルスルホキシド(0.53ml)のジクロロメタン(2ml)溶液を滴下し、5分間撹拌した。反応溶液に(1)で合成した化合物(2.1g)のジクロロメタン(20ml)溶液を滴下し、更に−65℃で15分間撹拌した。同温でトリエチルアミン(2.9ml)を加え、室温で10分間撹拌した。1規定塩酸(50ml)を加え、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体をヘキサン/ジクロロメタンより再結晶し、無色結晶1.64gを得た。
融点 157−159℃
元素分析値 C20H19Cl2NO3・0.4H2Oとして
計算値:C,60.13; H,5.00; N,3.51
実測値:C,60.24; H,4.86; N,3.57
(3)(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド シアノヒドリン,(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド シアノヒドリン
(2)で合成した化合物(1.5g)とアセトンシアノヒドリン(5ml)とトリエチルアミン(0.1ml)の混合物を30分間室温で撹拌後、エチルエーテルを加え、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、第1フラクションから(3RS,5SR,αRS)体が無色結晶(0.42g)として得られた。
融点 159−162℃
元素分析値 C21H20Cl2N2O3として
計算値:C,60.15; H,4.81; N,6.68
実測値:C,60.18; H,4.97; N,6.54
【0056】
第2フラクションから(3RS,5SR,αSR)体が無色結晶(0.61g)として得られた。
融点 177−180℃
元素分析値 C21H20Cl2N2O3として
計算値:C,60.15; H,4.81; N,6.68
実測値:C,59.94; H,4.76; N,6.52
(4)(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル
(3)で得られた(3RS,5SR,αRS)体化合物(0.40g)をエタノール(10ml)と4規定塩化水素のジオキサン溶液(10ml)の混合溶媒に溶かし、30分間加熱撹拌した。溶媒留去後、残留物を酢酸エチルエステルに溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、油状化合物0.40gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.97(3H,t,J=7.4Hz), 1.27(3H,t,J=7.2Hz), 1.5-1.9(1H,d,J=6.2Hz), 3.4-3.6(1H,m), 4.0-4.5(4H,m), 6.08(1H,s), 6.52(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(6H,m)
(5)(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル
(3)で得られた(3RS,5SR,αSR)体化合物(0.45g)から(4)と同様の操作により油状化合物(0.45g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.97(3H,t,J=7.4Hz), 1.18(3H,t,J=7.1Hz), 1.5-1.9(2H,m), 2.3-2.5(2H,m), 3.18(1H,d,J=4.6Hz), 3.4-3.6(1H,m), 4.0-4.5(4H,m), 6.03(1H,s), 6.50(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(6H,m)
【0057】
実施例15
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸
【化39】
実施例14−(4)で得た化合物(0.2g)をエタノール(3ml)に溶かし、1規定水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、室温で15分間撹拌した。1規定塩酸(50ml)を加え、酢酸エチルエステルで抽出し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をヘキサンより再結晶し、無色結晶(0.15g)を得た。
融点 210−214℃
元素分析値 C21H21Cl2NO5として
計算値:C,57.55; H,4.83; N,3.20
実測値:C,57.38; H,4.93; N,2.99
【0058】
実施例16
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸
【化40】
実施例14−(5)で得た化合物(0.2g)より実施例15と同様の操作により無色結晶0.16gを得た。
融点 138−141℃
元素分析値 C21H21Cl2NO5として
計算値:C,57.55; H,4.83; N,3.20
実測値:C,57.27; H,5.03; N,2.95
【0059】
実施例17
実施例14,実施例15と同様の方法により〔表2〕〔表3〕に示す化合物を得た。
【表2】
【表3】
a:1H−NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,t,J=7.2Hz), 1.30(3H,d,J=7.0Hz), 1.56 (3H,d,J=6.8Hz), 2.01(1H,ddd,J=14.4,10.4,4.0Hz), 2.50(1H,ddd,J=14.4,9 .0,3.0Hz), 2.99(1H,d,J=6.4Hz), 4.22(2H,q,J=7.2Hz), 4.1-4.3(1H,m), 4. 35-4.5(1H,m), 4.7-5.0(1H,m), 6.05(1H,s), 6.51(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.6 (6H,m)
b:1H−NMR(CDCl3)δ:1.18(3H,t,J=7.1Hz), 1.29(3H,d,J=7.0Hz), 1.56 (3H,d,J=6.8Hz), 2.3-2.45(2H,m), 3.22(1H,d,J=4.5Hz), 4.0-4.3(3H,m), 4 .3-4.4(1H,m), 4.7-4.95(1H,m), 6.00(1H,s), 6.49(1H,d,J=2.2Hz), 7.2-7. 8(6H,m)
c:1H−NMR(CDCl3)δ:0.93(3H,d,J=6.8Hz), 1.03(3H,d,J=6.6Hz), 1.26 (3H,t,J=7.1Hz), 1.85-2.1(1H,m), 2.52(1H,ddd,J=14.3,9.2,2.6Hz), 2.9-3 .05(1H,m), 3.42(1H,dd,J=13.8,5.4Hz), 4.05-4.55(4H,m), 6.18(1H,s), 6. 52(1H,d,J=2.3Hz), 7.2-7.85(6H,m)
d:1H−NMR(CDCl3)δ:0.93(3H,d,J=6.8Hz), 1.04(3H,d,J=6.6Hz), 1.18 (3H,t,J=7.1Hz), 1.85-2.1(1H,m), 2.25-2.5(2H,m), 3.1-3.3(1H,br), 3.43 (1H,dd,J=13.6,5.4Hz), 4.0-4.45(5H,m), 6.14(1H,s), 6.51(1H,d,J=2.2Hz) , 7.2-7.8(6H,m)
【0060】
中間体の物性
(1)3,5−トランス−7−クロロ−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−エタノール
融点 188−189℃
元素分析値 C20H21Cl2NO3として
計算値:C,60.92; H,5.37; N,3.55
実測値:C,61.12; H,5.39; N,3.72
(2)3,5−トランス−7−クロロ−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド
油状化合物
1H−NMR(CDCl3)δ:1.30(3H,d,J=7.0Hz), 1.56(3H,d,J=6.6Hz), 2.88(1H,ddd,J=17.6,5.4,1.6Hz), 3.09(1H,ddd,J=17.6,6.6,1.0Hz), 4.37(1H,t,J=6.1Hz), 4.8-5.0(1H,m), 6.02(1H,s), 6.52(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(6H,m)
(3)3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−エタノール
融点 147−149℃
元素分析値 C21H23Cl2NO3として
計算値:C,61.77; H,5.68; N,3.43
実測値:C,61.64; H,5.87; N,3.54
(4)3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド
油状化合物
1H−NMR(CDCl3)δ:0.94(3H,d,J=6.8Hz), 1.03(3H,d,J=6.6Hz), 1.85-2.1(1H,m), 2.90(1H,ddd,J=17.6,5.4,1.4Hz), 3.12(1H,ddd,J=17.6,6.6,1.0Hz), 3.45(1H,dd,J=13.8,5.6Hz), 4.31(1H,dd,J=13.8,8.2Hz), 4.4-4.55(1H,m), 6.15(1H,s), 6.54(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(6H,m), 9.84(1H,s)
【0061】
参考例1
3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(β−ヒドロキシ)酪酸 エチルエステル
【化41】
ジイソプロピルアミン(0.70ml)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液に−15℃〜−20℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(3.03ml,1.64mol/L)を加え、同温度で1時間撹拌した。反応液を−78℃に冷却し、そこへ酢酸エチルエステル(0.49ml)を加え、15分間撹拌した後、3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒドの乾燥テトラヒドロフラン(10ml)溶液を5分間滴下した。30分間撹拌し、希塩酸(50ml)を加え、酢酸エチルエステルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウムで洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(1.20g)を得た。
融点 119−121℃
元素分析値 C24H27Cl2NO5として
計算値:C,60.01; H,5.67; N,2.92
実測値:C,60.16; H,5.78; N,2.97
【0062】
参考例2
3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(β−ヒドロキシ)酪酸
【化42】
実施例15と同様の操作により非結晶性固体を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.29,1.30(3H,each d,J=7.0Hz), 1.56,1.57(3H,each d,J=6.8Hz), 2.0-2.15(2H,m), 2.45-2.7(2H,m), 4.05-4.2(1H,m), 4.2-4.4(1H,m), 4.75-4.95(1H,m), 6.01(1H,s), 6.45-6.55(1H,m), 7.2-7.8(6H,m)
【0063】
参考例3
(3RS,5SR,βRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(β−ヒドロキシ)エタノール
【化43】
実施例1で得た(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(1.0g)のエタノール(30ml)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.14g)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液を希塩酸で酸性にし、酢酸エチルエステルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(0.62g)を得た。
融点 229−230℃
元素分析値 C20H21Cl2NO4として
計算値:C,58.33; H,5.16; N,3.41
実測値:C,58.49; H,5.21; N,3.32
【0064】
参考例4
実施例14,実施例17で得た化合物により、参考例3と同様の操作により、〔表4〕に示す化合物を得た。
【表4】
【0065】
参考例5
3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(γ−ヒドロキシ)ブタノール
【化44】
参考例1で得た化合物を参考例3と同様の操作により、非結晶性固体を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.30(3H,d,J=7.0Hz), 1.56(3H,d,J=6.6Hz), 1.6-1.9(2H,m), 2.0-2.2(2H,m), 3.8-3.95(2H,m), 4.0-4.2(2H,m), 4.75-4.95(1H,m), 6.02(1H,s), 6.5-6.6(1H,m), 7.2-7.8(6H,m)
【0066】
実施例18
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸 エチルエステル
【化45】
実施例1で得た(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.3g)とグリシンエチルエステル塩酸塩(0.12g)をN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、氷冷下、シアノりん酸ジエチル(0.15g)とトリエチルアミン(0.24ml)を加えた。室温で30分間撹拌した後、水(100ml)と酢酸エチル(100ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を1N 塩酸と重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル−1:1)で精製し、N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸 エチルエステル(0.30g)がプリズム晶として得られた。
融点 157−159℃
元素分析値 C24H26Cl2N2O6として
計算値:C,56.59; H,5.14; N,5.50
実測値:C,56.60; H,5.21; N,5.52
【0067】
実施例19
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸
【化46】
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕グリシンエチルエステル(0.2g)をエタノール(10ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム(2ml)を加えて15分間撹拌した。1N 塩酸水(100ml)を加えて酸性とし、酢酸エチル(100ml)で抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸(0.18g)が結晶として得られた。
融点 142−145℃
元素分析値 C22H22Cl2N2O6・1/4H2Oとして
計算値:C,54.39; H,4.66; N,5.77
実測値:C,54.29; H,4.61; N,5.77
【0068】
実施例20
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−△(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸 エチルエステル
【化47】
実施例12で得た(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−△(3,α)−酢酸(0.3g)とグリシン エチルエステル塩酸塩(0.124g)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液にシアノりん酸ジエチル(0.152g)とトリエチルアミン(0.25ml)を加え、室温で30分間撹拌した。反応溶液に酢酸エチルエステルを加え、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(0.35g)を得た。
融点 207−208℃
元素分析値 C24H24Cl2N2O5として
計算値:C,58.67; H,4.92; N,5.70
実測値:C,58.62; H,4.97; N,5.68
【0069】
実施例21
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−△(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸
【化48】
実施例20で得た化合物(0.25g)のエタノール(20ml)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(4ml)を加え、室温で30分間撹拌した。反応溶液を希塩酸で酸性にし、酢酸エチルエステルで抽出した。水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をヘキサンより再結晶し、無色結晶(0.21g)を得た。
融点 217−221℃(分解)
元素分析値 C22H20Cl2N2O5・0.5H2Oとして
計算値:C,55.94; H,4.48; N,5.93
実測値:C,56.17; H,4.60; N,6.05
【0070】
実施例22
実施例13で得た化合物より実施例25,実施例26と同様の操作により、〔表5〕で示す化合物を得た。
【表5】
【0071】
スクアレン合成酵素阻害活性の測定法
スクアレン合成酵素阻害活性は後述の実験例1及び実験例2で示した酵素液を使用して次のように測定された。
すなわち、5μM〔1−3H〕ファルネシルピロリン酸(比活性25μCi/mole)、1mMのNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、5mMのMgCl2、6mMのグルタチオン、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)及び被験薬剤(水溶液又はDMSO溶液として添加)を含む溶液(全量50μl)に、実験例1及び実験例2で調製した酵素液(蛋白量0.8μg)を添加し、37℃で45分間反応させた。150μlのクロロホルム・メタノール(1:2)混液を添加して反応を停止させ、ついで50μlのクロロホルム及び50μlの3N水酸化ナトリウム溶液を添加した。スクアレンを主成分とした反応生成物を含むクロロホルム層(下層)50μlとトルエン系液体シンチレータ3mlを混合し、液体シンチレーションカウンターでその放射活性を測定した。
スクアレン合成酵素阻害活性は、クロロホルム層へ取り込まれる放射活性を50%阻害する濃度(IC50、モル濃度(M))で示した。
【0072】
実験例1 ラット酵素の調製
SD系雄性ラット(6週令)を放血致死させた後、肝臓を摘出した。肝臓約10gを氷冷生理食塩水で洗浄後、15ml氷冷緩衝液〔100mMリン酸カリウム(pH7.4)、15mMニコチンアミド、2mMのMgCl2〕中でホモジナイズし、10000×gで20分間(4℃)遠心分離した。得られた上清をさらに105000×gで90分間(4℃)遠心分離し、次いで沈査を氷冷100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁後、再度105000×gで90分間(4℃)遠心分離した。このようにして得られた沈査(ミクロソーム画分)を氷冷100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約40mg/ml、ピアス社BCAプロティンアッセイキットで測定)し、これを酵素液とした。
【0073】
実験例2 ヒト酵素の調製
10%牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地で培養(37℃、5%CO2存在下)し、得られたヒト肝癌細胞HepG2(約1×109cells)を10ml氷冷緩衝液〔100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、30mMニコチンアミド、2.5mMのMgCl2〕に懸濁後、超音波処理(30秒間、2回)によって細胞を破砕した。得られたソニケートより、実験例1と同様の操作によってミクロソーム画分を得た。これを氷冷100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約4mg/ml)し、これを酵素液とした。その結果を〔表6〕に示す。
【表6】
【0074】
製剤例
本発明の式(I)で表わされる縮合7員環化合物又はその塩を有効成分として含有してなるスクアレン合成酵素阻害剤は、例えば、高コレステロール血症の治療剤として使用する場合、次のような処方によって製造することができる。
(1)、(2)と(3)の全量及び(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
(1)、(2)と(3)の全量及び(4)の2/3及び(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)及び(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
(1)、(2)及び(3)を全量2mlになるように注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0075】
(1)、(2)と(3)の全量及び(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
(1)、(2)と(3)の全量及び(4)の2/3及び(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)及び(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
(1)、(2)及び(3)を全量2mlになるように注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0076】
【発明の効果】
本発明の縮合7員環化合物又はその塩を有効成分として含有するスクアレン合成酵素阻害剤は、高コレストロール血症等の治療などに有用である。
【産業上の利用分野】
本発明は、縮合7員環化合物又はその塩、及びこれらを有効成分として含有するスクアレン合成酵素阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
高コレステロール血症は、高血圧、喫煙とともに虚血性心疾患の三大危険因子として知られており、血中コレステロール値の適切なコントロールは、この虚血性心疾患の予防又は治療の他に、冠動脈硬化症の予防又は治療に極めて重要である。
血中コレステロール値を低下させる薬剤としては、コレスチラミン(Cholestyramine)、コレスチポール(Colestipol)等の胆汁酸を捕捉してその吸収を阻害するもの(例えば米国特許第4027009号に開示)、メリナミド(Melinamide)(フランス特許第1476569号に開示)等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル転移酵素(ACAT)を阻害してコレステロールの腸管吸収を抑制するもの等の他、コレステロールの生合成を抑制する薬剤が注目されている。コレステロール生合成抑制薬剤として、特に3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素を阻害するロバスタチン(Lovastatin)(米国特許第4231938号に開示)、シンバスタチン(Simvastatin)(米国特許第4444784号に開示)、プラバスタチン(Pravastatin)(米国特許第4346227号に開示)等が医薬に供されている。しかし、HMG−CoA還元酵素を阻害するとコレステロールの生合成以外に、ユビノキン、ドリコールやヘムAの様な、その他の生体に必要な成分の生合成も阻害されるため、それらに起因する副作用が懸念されている。
スクアレン合成酵素は、新たなコレステロール生合成経路の必須段階に関与する酵素である。この酵素は、2分子のファルネシルピロリン酸の還元二量化を触媒してスクアレンを形成する酵素である。
【0003】
一方、スクアレン合成酵素を阻害することによるコレステロールの生合成阻害が期待される化合物としては、Journal of Medicinal Chemistry,Vol. 51, No. 10, 1869頁〜1871頁, 1988年、 特開平1−213288号公報、特開平2−101088号公報、特開平2−235820号公報、特開平2−235821号公報、特開平3−20226号公報、特開平3−68591号公報、特開平3−148288号公報及び米国特許第5,019,390号、米国特許第5,135,935号、WO9215579号、WO9309115号、WO9313096号に開示されている。
また、スクアレン合成を阻害することによって、抗真菌作用を示す化合物が種々知られている(特開平4−279589号公報、EP−475706、EP−494622、EP−503520など)。
4,1−ベンゾオキサゼピン誘導体のうち、2位にケトン基の置換した4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン誘導体において、3位の1つの水素原子が他の置換基に置きかわった誘導体が、特開昭57−35576号公報及びChem. Pharm. Bull., 34, 140(1986)に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ユビノキン、ドリコール、ヘムA等は、コレステロール生合成経路上のファルネシルピロリン酸から生合成されることが知られており、従ってこれらの欠損による副作用をなくするためには、コレステロール生合成経路において、ファルネシルピロリン酸以降の酵素系、ことにスクアレン合成酵素を阻害することが望ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン誘導体が優れたスクアレン合成酵素阻害作用を有し、さらに抗真菌作用を併有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)式(I)
【化3】
〔式中、R1は水素あるいは置換されていてもよい炭化水素基を、R2およびR3は同一または異なって水素、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基あるいは置換されていてもよい芳香族複素環基を、Zは二重結合を含んでいる炭素鎖あるいは−Z'−C(OH)−(Z'は結合手あるいは直鎖状もしくは分枝状のアルキレン鎖を示す)を、破線部分
【化4】
は二重結合あるいは単結合を、Yはエステル化されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいアミノ基あるいは脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環残基を示し、環Aは置換されていてもよい〕で表される縮合7員環化合物またはその塩、および
(2)式(I)で表される縮合7員環化合物またはその塩を含有してなるスクアレン合成酵素阻害剤を提供するものである。
【0006】
更に本発明は、式(I)で表わされる新規化合物又はその塩の製造法を提供するものである。
上記式(I)において、R1で表わされる「置換されていてもよい炭化水素基」の炭化水素基としては、脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及びアリール基等が挙げられるが、なかでも脂肪族鎖式炭化水素基が好ましい。
該炭化水素基の脂肪族鎖式炭化水素基としては、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられ、なかでも低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基などが好ましい。該低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−メチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルプロピル、2−エチルブチル、n−ヘプチルなどのC1-7アルキルが挙げられ、なかでも、n−プロピル,イソプロピル,イソブチル,ネオペンチルなどのC3-5アルキルが好ましく、さらにイソブチル,ネオペンチルなどが好ましい。該低級アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−メチルアリル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等のC2-6アルケニルが挙げられ、中でも、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−メチルアリル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−メチル−2−ブテニル等が特に好ましい。該低級アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等のC2-6アルキニルが挙げられ、中でもエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル等が特に好ましい。
【0007】
該炭化水素基の脂環式炭化水素基としては、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基等が挙げられる。該シクロアルキル基としては炭素数3〜9個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル等が挙げられ、中でも、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基が好ましい。該シクロアルケニル基としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1−シクロブテン−1−イル、1−シクロペンテン−1−イル等が挙げられる。該シクロアルカジエニル基としては、例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。
該炭化水素基のアリール基としては、単環式又は縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル等が挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が特に好ましい。
【0008】
R1で表される「置換されていてもよい炭化水素基」の置換基としては,置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基もしくはシクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられ、これらの任意の置換基で1〜5個(好ましくは1〜3個)置換していてもよい。該置換されていてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル等が挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルが好ましい。該置換されていてもよいアリールの置換基としては、炭素数1〜3個のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル等)等が挙げられ、これらの任意の置換基で1〜2個置換していてもよい。該置換されていてもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3-7シクロアルキル基等が挙げられる。該置換されていてもよいシクロアルキル基の置換基とその置換数としては、前記置換されていてもよいアリール基における置換基と同様な種類と個数が挙げられる。該置換されていてもよいシクロアルケニル基のシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等のC3-6シクロアルケニル基等が挙げられる。該置換されていてもよいシクロアルケニル基の置換基とその置換数としては、前記置換されていてもよいアリール基における置換基と同様な種類と個数が挙げられる。該置換されていてもよい複素環基の複素環基としては、環系を構成する原子(環原子)として、酸素、硫黄、窒素のうち少なくとも1個のヘテロ原子をもつ芳香族複素環基、飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)が挙げられるが、好ましくは芳香族複素環基である。該芳香族複素環基としては、芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等)及び芳香族縮合複素環基(例:ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル等)が挙げられるが、なかでもフリル、チエニル、インドリル、イソインドリル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニルなどが好ましい。該非芳香族複素環基としては、例えば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等が挙げられる。該置換されていてもよい複素環基の置換基としては、炭素数1〜3個のアルキル基(例:メチル、エチル、プロピル等)等が挙げられる。該置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、及び置換されていてもよいチオール基における置換基としては、例えば低級(C1-3)アルキル(例、メチル、エチル、プロピル等)等が挙げられる。また、R1で表わされる置換されていてもよい炭化水素基における炭化水素基が脂環式炭化水素基又はアリール基である場合、置換基としては、さらに炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピルなど)でもよい。
【0009】
R2およびR3で示される「置換されていてもよい低級アルキル基」の低級アルキル基としては、炭素数1〜6個の低級アルキル基(例:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等)が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等のC1-4アルキル基が挙げられる。該置換されていてもよい低級アルキル基の置換基としては、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等)等が挙げられる。
R2およびR3で示される「置換されていてもよいフェニル基」の置換基としては、ハロゲン原子(例:フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ、置換されていてもよい水酸基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられ、これらの置換基の同一または異なる1〜3個(好ましくは1〜2個)で置換されていてもよい。該低級アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどの炭素数1〜4個のアルキル基が挙げられるが、特にメチル、エチルが好ましい。該低級アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシなどの炭素数1〜4個のアルコキシが挙げられるが、特にメトキシ、エトキシが好ましい。該置換されていてもよい低級アルキル基又は置換されていてもよい低級アルコキシ基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等が挙げられ、任意の位置に1〜5個(好ましくは1〜3個)置換されていてもよい。該置換されていてもよい水酸基における置換基としては、例えば低級(C1-4)アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等)、C3-6シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アリール基(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、アラルキル基(例、ベンジル、フェネチルなど)などが挙げられる。また、これらの置換基は、隣接する置換基同志で環を形成していてもよく、例えば、
【化5】
で示されるものが挙げられ、さらに該環は低級(C1-3)アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなど)などで置換されていてもよい。
【0010】
R2およびR3で示される「置換されていてもよい芳香族複素環基」の芳香族複素環基としては、R1で詳述されている芳香族複素環基が挙げられるが、なかでもフリル、チエニル、インドリル、イソインドリル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリルなどが好ましい。該芳香族複素環基の置換基としては、炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル等)などが挙げられる。
上記した中でも、R2およびR3としては、置換されていてもよいフェニル基が好ましく、さらに好ましくは、置換されたフェニル基、特にハロゲン,低級アルコキシなどで置換されたフェニル基が好ましい。
Zで示される「二重結合を含んでいる炭素鎖」としては、好ましくは、直鎖部分を構成する炭素数が1〜7個、さらに好ましくは1〜4個であるものが挙げられ、側鎖を有していてもよい。該炭素鎖における二重結合は、直鎖部分あるいは分枝鎖部分のいずれか一方または両方に含まれるものであるが、好ましくは直鎖部分に含まれるものが挙げられる。また、該炭素鎖に含まれる二重結合の数は可能な限り特に限定されないが、1〜2個が好ましい。
該二重結合を含んでいる炭素鎖としては、例えば、メチン,ビニレン,プロペニレン,ブテニレン,ブタジエニレン,メチルプロペニレン,エチルプロペニレン,プロピルプロペニレン,メチルブテニレン,エチルブテニレン,プロピルブテニレン,メチルブタジエニレン,エチルブタジエニレン,プロピルブタジエニレン,ペンテニレン,ヘキセニレン,ヘプテニレン,ペンタジエニレン,ヘキサジエニレン,ヘプタジエニレンなどが挙げられるが、好ましくは、メチン,ビニレン,プロペニレン,ブテニレン,ブタジエニレンが挙げられる。
【0011】
Z'で示される「直鎖状もしくは分枝状のアルキレン鎖」としては、例えば、直鎖状もしくは分枝状の炭素数1〜6個のアルキレン鎖が挙げられ、例えば、メチレン,エチレン,トリメチレン,テトラメチレン,ペンタメチレン,ヘキサメチレン,ヘプタメチレン,プロピレン,エチルメチレン,エチルエチレン,プロピルエチレン,ブチルエチレン,メチルテトラメチレン,メチルトリメチレンなどの2価基が挙げられるが、好ましくは、メチレン,エチレン,トリメチレン,プロピレンなどの炭素数1〜3個のものが挙げられる。
Yで示される「エステル化されていてもよいカルボキシル基」としては、低級アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニル,ブトキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル,sec−ブトキシカルボニル,ペンチルオキシカルボニル,イソペンチルオキシカルボニル,ネオペンチルオキシカルボニル,tert−ペンチルオキシカルボニルなど)、アリールオキシカルボニル(例、フェノキシカルボニル,1−ナフトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなど)などが挙げられる。なかでもカルボキシル基,メトキシカルボニル,エトキシカルボニルが好ましい。
【0012】
Yで示される「置換されていてもよいカルバモイル基」の置換基としては、置換されていてもよい低級(C1-6)アルキル(例、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル,イソヘキシルなど)、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシルなど)、置換されていてもよいアリール基(例、フェニル,1−ナフチル,2−ナフチルなど)、置換されていてもよいアラルキル基(例、ベンジル,フェネチルなど)などが挙げられ、これらの置換基は同一又は異なって1個又は2個置換していてもよい。該置換されていてもよい低級(C1-6)アルキルおよび置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基における置換基としては、低級(1-5)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチルなど)でエステル化されていてもよいカルボキシル基,芳香族複素環基(例、フリル,チエニル,インドリル,イソインドリル,ピラジニル,ピリジル,ピリミジル,イミダゾリルなど),アミノ基,水酸基,フェニル基などが挙げられ、これらの置換基は、同一又は異なって1〜3個置換していてもよい。該置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素、ヨウ素),低級(1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)でエステル化されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。また、2個の窒素原子上の置換基が窒素原子と一緒になって環状アミノ基を形成していてもよく、このような環状アミノ基の例としては、1−アゼチジニル,1−ピロリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,1−ピペラジニルなどが挙げられる。
【0013】
Yで示される「置換されていてもよい水酸基」の置換基としては、例えば低級(C1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシルなど)、置換されていてもよいアリール基(例、フェニル,1−ナフチル,2−ナフチルなど)、置換されていてもよいアラルキル基(例、ベンジル,フェネチルなど)などが挙げられる。該置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素、ヨウ素),低級(1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)でエステル化されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。
Yで示される「置換されていてもよいアミノ基」の置換基としては、例えば低級(C1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシルなど)、置換されていてもよいアリール基(例、フェニル,1−ナフチル,2−ナフチルなど)、置換されていてもよいアラルキル基(例、ベンジル,フェネチルなど)などが挙げられる。該置換されていてもよいアリール基および置換されていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素、ヨウ素),低級(1-4)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチルなど)でエステル化されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。また、2個の窒素原子上の置換基が窒素原子と一緒になって環状アミノ基を形成していてもよく、このような環状アミノ基の例としては、1−アゼチジニル,1−ピロリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,1−ピペラジニルなどが挙げられる。
【0014】
Yで示される「脱プロトン化しうる水素原子を有する,置換されていてもよい複素環残基」の複素環残基としては、N,S,Oのうちの少なくとも1個を含む5〜7員(好ましくは5員)の単環状の複素環残基(好ましくは、含窒素複素環残基)が挙げられる。例えば、テトラゾール−5−イルまたは式
【化6】
〔式中、iは−O−または−S−を、jは>C=O,>C=Sまたは>S(O)2を示す〕で表される基(なかでも、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル,2,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル,2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イルが好ましい)などが挙げられる。
上記複素環残基は、置換されていてもよい低級アルキル(好ましくはC1-4アルキル)またはアシルなどで保護されていてもよい。該置換されていてもよい低級アルキルとしては、メチル,トリフェニルメチル,メトキシメチル,エトキシメチル,p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジルなど)などが挙げられる。該アシルとしては、低級(C2-5)アルカノイル,ベンゾイルなどが挙げられる。
上記したなかでも、Yとしては、エステル化されていてもよいカルボキシル基または置換されていてもよいカルバモイル基が好ましい。
【0015】
環Aの置換基としては、水酸基,ハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),ニトロ,シアノ,炭素数1〜4の低級アルキル基(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチルなど),炭素数1〜4の低級アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,イソブトキシ,sec−ブトキシ,tert−ブトキシなど)が挙げられ、メチル,エチル,メトキシ,エトキシ,塩素が好ましく、特にメトキシ,クロルが好ましい。これらの置換基は同一又は異なって1個又は2個置換していてもよい。
式(I)において、破線部分としては、二重結合であるものが好ましい。
【0016】
本発明化合物を以下に具体的に開示すると、
(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−プロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸、
(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸、
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、
【0017】
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸 エチルエステル、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸 エチルエステル、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸 エチルエステル、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−Δ(3,α)−酢酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸、
【0018】
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸 エチルエステル、
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸 エチルエステル、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸 エチルエステル、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸 エチルエステル、
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
【0019】
(E)−7−クロロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−エトキシ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(3−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
(E)−7−クロロ−5−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−Δ(3,α)−酢酸、
などの化合物が挙げられる。
【0020】
化合物(I)の塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩、トリエチルアミン塩、グアニジン塩、アンモニウム塩、ヒドラジン塩、キニーネ塩、シンコニン塩等の塩基の塩等の薬理学的に許容されうる塩が挙げられる。
【0021】
本発明の化合物の製造法を以下に述べる。
式(I)の化合物のうち、式(Ia)
【化7】
〔式中、R4は、Yで定義されるエステル化されたカルボキシル基のアルキル部分を示し、他の記号は前記と同意義〕は、以下の方法により製造することができる。
【化8】
〔式中、記号は前記と同意義〕
式(II)と式(III)で示される化合物を反応させ、式(IV)で示される化合物を製造する方法は、アミノ基のアシル化反応であり、自体公知の方法で容易に製造することができる。すなわち、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶媒中、必要により水及び塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム,水素化カリウム)等の存在下に行なうことができる。式(II)で表わされる化合物1モルに対して、式(III)で示される酸クロリドは、通常1〜10モル量、好ましくは1〜3モル量程度用いられる。また反応時間は、通常約1〜48時間、好ましくは5〜10時間程度である。反応温度は−50〜100℃、好ましくは0〜50℃程度である。
【0022】
式(IV)で示される化合物より式(Ia)で表わされる化合物への製造法は、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、メタノール,エタノール,プロパノール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶媒中、必要により塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム)等の存在下に行なうことができる。反応時間は1時間から24時間、好ましくは5時間から20時間程度である。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。
原料となる式(II)で示される化合物は、 D.A.Walsh.Synthesis. 677 (1980)に記載またはその文献に引用された方法、またはそれに準じる方法で合成することができる。
【0023】
式(I)の化合物のうち、式(Ib)
【化9】
〔式中、記号は前記と同意義〕
の製造は、式(Ia)で示される化合物の水酸基を、メタンスルホニル化,トルエンスルホニル化を行なう。反応は自体公知であり、式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物より、式(IV)で示される化合物の製造と同様の方法で製造することができる。次にメタンスルホニル化又はトルエンスルホニル化された化合物を、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶媒中、必要により塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム,水素化カリウム,ナトリウムメトキサイド,ナトリウムエトキサイド,酢酸ナトリウム,酢酸カリウム,プロピオン酸ナトリウム,プロピオン酸セシウム,カリウム第三ブトキサイド)等の存在下に行なうことができる。用いる塩基は、メタンスルホニル化又はトルエンスルホニル化された化合物1モルに対し、1〜10モル当量、好ましくは1〜2モル当量程度であり、反応時間は通常1〜24時間、好ましくは5〜10時間程度、反応温度は0〜200℃、好ましくは50〜100℃程度である。
【0024】
式(I)の化合物のうち、式(Ic)
【化10】
〔式中、各記号は前記と同意義〕の製造法は式(V)
【化11】
〔式中、各記号は前記と同意義〕で示される化合物をシアノヒドリンに変換した後、シアノ基を加水分解することにより製造することができる。シアノヒドリンの製造は、式(V)で示される化合物をアセトンシアノヒドリン中、必要により塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン等)の存在下行なうことができる。反応時間は10分〜5時間、好ましくは30分〜2時間、反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。用いる塩基は式(V)で示される化合物1モルに対し、0.1〜3モル当量、好ましくは0.2〜0.5モル当量程度用いる。得られたシアノヒドリンの加水分解は、自体公知の方法で行なうことができ、溶媒としてメタノール,エタノール,プロパノールのアルコール系溶媒、酸(例えば、塩化水素,硫酸)存在下、行なうことができる。反応温度は30〜150℃、好ましくは50〜100℃程度、反応時間は10分〜5時間、好ましくは30分〜1時間程度である。
【0025】
式(I)の化合物のうち、式(Id)
【化12】
〔式中、Z''およびZ'''はそれぞれ結合手または二重結合を含んでいてもよい炭素鎖を示し、他の記号は前記と同意義〕の製造法は、式(V′)
【化13】
〔式中、各記号は前記と同意義〕で示される化合物と、式(VI)
【化14】
〔式中、記号は前記と同意義〕で示される化合物を反応させて行なうことができる。例えば、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶媒中、式(V′)で示される化合物1モルに対し、式(VI)で示される化合物が1〜10モル当量、好ましくは1〜3モル当量程度、反応温度は50〜200℃、好ましくは80〜100℃程度、反応時間は1時間〜24時間、好ましくは3時間〜10時間程度である。
【0026】
式(I)の化合物のうち、式(Ie)
【化15】
〔式中、記号は前記と同意義〕の製造は、式(Ia),式(Ib),式(Ic),式(Id),後述の(Ij)で示される化合物を、水やメタノール,エタノール,プロパノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒中、塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化バリウム等),酸(塩酸,硫酸,硝酸等)の存在下、行なうことができる。反応時間は1時間〜24時間、好ましくは2時間〜3時間程度、反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。
【0027】
式(I)の化合物のうち、式(If)
【化16】
〔式中、Y'はYで定義される置換されていてもよいカルバモイル基を示し、他の記号は前記と同意義〕の製造法は、式(Ie)で示される化合物と置換されていてもよいカルバモイル基と同じ置換基を有するアミンとの縮合反応により製造することができる。例えば、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系,ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン,クロロホルム等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル,ジメチルホルムアミド溶媒中、式(Ie)で示される化合物1モルに対し、置換されていてもよいカルバモイル基と同じ置換基を有するアミンが通常1〜5モル量、好ましくは1〜1.5モル量程度用いる。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は1〜24時間、好ましくは2〜5時間程度である。この際用いられる縮合剤は、シアノりん酸ジエチル,ジシクロヘキシルカルボジイミド等であり、式(Ic),式(Ie)で示される化合物1モルに対し、縮合剤は通常1〜5モル量、好ましくは1〜2モル量程度である。
【0028】
式(I)の化合物のうち、式(Ig)
【化17】
〔式中、記号は前記と同意義〕の製造法は、式(Ia),式(Ib),式(Ic),式(Id),後述の(Ij)で示される化合物をジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、水素化リチウムアルミニウムで還元して行なうことができる。式(Ia),式(Ib),式(Ic),式(Id)で示される化合物1モル量に対し、水素化リチウムアルミニウムは0.1〜3モル量、好ましくは0.3〜1モル量程度、反応時間は0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜3時間程度、反応温度は0〜100℃、好ましくは30〜70℃程度である。又式(Ig)で示される化合物は、式(Ie)で示される化合物をクロロ炭酸エチルで反応させた後、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム,水素化リチウムアルミニウム等で還元することによっても製造することができる。式(Ie)で示される化合物とクロロ炭酸エチルとの反応は、エチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ヘキサン,ヘプタン,ベンゼン,トルエン等の炭化水素系溶媒中、必要により塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水素化ナトリウム,水素化カリウム)等の存在下に行なうことができる。式(Ie)で示される化合物1モル量に対しクロロ炭酸エチルが通常1〜5モル量、好ましくは1〜2モル量程度用いる。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は0.5〜10時間、好ましくは1〜3時間程度である。水素化ホウ素ナトリウム又は水素化リチウムアルミニウム等で還元する場合、クロロ炭酸エチルを反応して得られた化合物1モルに対し、還元剤は0.1〜3モル量、好ましくは0.3〜1モル量程度用い、反応時間は0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜3時間程度、反応温度は0〜100℃、好ましくは30〜70℃程度である。
【0029】
式(I)の化合物のうち、式(Ih)
【化18】
〔式中、Y''はYで定義される置換されている水酸基を示し、他の記号は前記と同意義〕で表わされる化合物は、式(Ig)で示される化合物と式(VII)
W−R5 (VII)
〔式中、R5はY''で定義される置換されている水酸基の置換基を示し、 Wは塩素,臭素またはヨウ素を示す〕で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。式(Ig)で示される化合物を炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基,水素化ナトリウムなどの塩基存在下、メタノール,エタノール,プロパノール,ブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒中、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、式(VII)で示される化合物と反応させる。式(Ig)で示される化合物1モルに対し、式(VII)で示される化合物は0.5〜1.5モル当量を用い、また式(Ig)で示される化合物1モルに対し、用いられる塩基は1〜5モル当量,好ましくは1〜2モル当量、反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜100℃、反応時間は0.5〜24時間、好ましくは1〜3時間程度である。
【0030】
式(I)の化合物のうち、式(Ii)
【化19】
〔式中、Y'''はYで定義される置換されていてもよいアミノ基を示し、他の記号は前記と同意義〕で表わされる化合物のうち、式(Ii')
【化20】
〔式中、記号は前記と同意義である〕で表される化合物は、例えば、式(Ie)で示される化合物を、溶媒中、塩基の存在下、ジフェニルホスホリルアジドと反応させた後、得られた生成物を溶媒中酸で処理することにより得ることができる。式(Ie)で示される化合物とジフェニルホスホリルアジドとの反応における用いられる溶媒は、反応を妨げない溶媒であればいずれでもよく、例えばジメチルホルムアミドやジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、エチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒などが挙げられる。用いられる塩基としては、トリエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。式(Ie)で示される化合物1モルに対し、ジフェニルホスホリルアジドは1〜10モル当量,好ましくは1.5〜3モル当量程度を用いる。反応温度は−20〜50℃,好ましくは0〜20℃で行い、反応時間は0.5〜5時間、好ましくは1〜2時間程度である。
【0031】
式(Ii)で表される化合物のうち、式(Ii'')
【化21】
〔式中、Y''''はY'''で定義される置換されたアミノ基を示し、 他の記号は前記と同意義である〕で表される化合物は、式(Ii')で示される化合物を、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸中で、亜硝酸ナトリウムでジアゾ化した後、加熱することにより製造することができる(反応温度は20〜200℃,好ましくは50〜100℃で、反応時間は5分〜2時間、好ましくは15〜30分間程度)式(VIII)
【化22】
〔式中、記号は前記と同意義である〕で示される中間体と式(IX)
H−Y'''' (IX)
〔式中、記号は前記と同意義である〕で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。式(VIII)で示される化合物を炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン,4−ジメチルアミノピリジン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基,水素化ナトリウムなどの塩基存在下、メタノール,エタノール,プロパノール,ブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、式(IX)で示される化合物と反応させる。式(VIII)で示される化合物1モルに対し、式(IX)で示される化合物は0.5〜1.5モル当量を用い、また式(VIII)で示される化合物1モルに対し、用いられる塩基は1〜5モル当量,好ましくは1〜2モル当量、反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜100℃、反応時間は0.5〜24時間、好ましくは1〜3時間程度である。
【0032】
式(I)の化合物のうち、式(Ij)
【化23】
〔式中、Z''''は二重結合を含んでいてもよい炭素鎖を示し、他の記号は前記と同意義である〕で表される化合物は式(Ig')
【化24】
〔式中、記号は前記と同意義である〕で表される化合物を、溶媒を用いないか、またはジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタンなどの炭化水素系溶媒を用いて、塩化チオニル,五塩化リン,オキシ塩化リンなどを、 式(Ig')で示される化合物1モルに対し、0.5〜5モル当量,好ましくは1〜1.5モル当量を用い、反応温度0〜200℃、好ましくは20〜50℃、反応時間0.5〜5時間、好ましくは1〜2時間で反応させることにより、水酸基を塩素に変換した中間体を、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドなどの溶媒中、シアン化ナトリウム,シアン化カリウムを反応させて、式(X)
【化25】
〔式中、記号は前記と同意義である〕で表される化合物を製造する。塩素に変換した中間体1モルに対し、シアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムを1〜10モル当量,好ましくは1〜1.5モル当量を用いて、反応温度20〜200℃、好ましくは50〜150℃、反応時間1〜48時間、好ましくは5〜10時間程度で反応させる。
得られた式(X)で表される化合物の加水分解は、自体公知の方法で行うことができる。溶媒としてメタノール,エタノール,プロパノールのアルコール系溶媒、酸(例えば,塩化水素,硫酸)存在下行うことができる。反応温度30〜150℃、好ましくは50〜100℃、反応時間10分〜5時間、好ましくは30分〜1時間程度である。
【0033】
本発明の一般式(I)で表わされる化合物またはその塩は、スクアレン合成酵素阻害作用又は抗真菌作用を有するが、本発明で使用される化合物の中には、コレステロール生合成経路の他の酵素をも抑制するものもある。いずれにしても本発明の一般式(I)で表わされる化合物は、コレステロール生合成を抑制するので、哺乳動物(例、マウス,ラット,ウサギ,犬,ネコ,牛,豚,ヒト等)の高コレステロール血症や冠動脈硬化症の予防又は治療に有用であり、また真菌感染の予防又は治療に有用である。
かかる化合物を人に投与する場合、投与方法は経口的、非経口的いずれのルートによってもよい。経口投与のための組成物としては、固体又は液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠,フィルムコーティング錠を含む),丸剤,顆粒剤,散剤,カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む),シロップ剤,乳剤,懸濁剤等が挙げられる。かかる組成物は自体公知の方法によって製造でき、製剤分野において通常用いられる担体もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体もしくは賦形剤としては、乳糖,でんぷん,蔗糖,ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
【0034】
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤,坐剤等が挙げられ、注射剤は皮下注射剤,皮内注射剤,筋肉注射剤等の剤形を包含する。かかる注射剤はそれ自体公知の方法、すなわち本発明の化合物を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に懸濁又は乳化することによって調製される。注射用の水性液としては生理食塩水、等張液等が挙げられ、必要により適当な懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、非イオン性界面活性剤等と併用してもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油等が挙げられ、溶解補助剤としては安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。調製された注射液は通常適当なアンプルに充填される。
【0035】
一般式(I)で表わされる化合物又はその塩は、低毒性で安全に使用することができ、その1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、高コレステロール血症治療剤として使用する場合、成人1日当たりの投与量は、経口投与の場合、約1〜500mg、好ましくは約10〜200mgであり、この範囲では何ら毒性は見られない。
一般式(I)で表わされる化合物はスクアレン合成酵素阻害剤として哺乳動物(例、ヒト等)に投与される場合、成人1日当たりの有効な投与量は、経口投与の場合、約1〜500mg、好ましくは約10〜200mgであり、非経口投与(例、注射剤、坐剤等)の場合、約0.1〜100mg、好ましくは約1〜20mgである。
さらに、一般式(I)で表される化合物は、ブロスまたは寒天希釈法によって決定されるように広範囲の抗菌活性を示す。
一般式(I)で表される化合物は、真菌治療の目的で、哺乳動物(例、ヒトなど)に投与される場合、成人1日当たりの有効な投与量は、経口投与の場合、約0.1〜100mg、好ましくは約1〜50mgであり、非経口投与(例、注射剤、坐剤等)の場合、約0.1〜100mg、好ましくは1〜50mgが挙げられる。
【0036】
【実施例】
以下実施例、製剤例、試験例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。
尚、以下の記載において、3位と5位に不斉炭素が存在することにより、化合物の種類によっては、2種のラセミのジアステレオマーが得られることがある。ここで7員環の面に対して、3位と5位の置換基が同方向を向いている異性体をシス、逆方向を向いている異性体をトランスとする。更に不斉炭素が存在する化合物で、例えば(3RS,5RS,αSR)は、(3R,5R,αS)と(3S,5S,αR)の混合物を意味する。
実施例1
(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル、および
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化26】
(1)5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジルアルコール
DL−トランス−2,3−エポキシこはく酸 モノエチル エステル(3.1g)の塩化メチレン(90ml)溶液に氷冷下、(ジクロロメチレン)ジメチルイミニウム クロリド(3.14g)を加え、1時間撹拌した。5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−イソプロピルアミノベンジル アルコール(4.0g)と重曹(5.42g)を加えて、氷冷下、1時間撹拌した。反応液を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジル アルコール(5.6g)が結晶として得られた。融点 143−146℃
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値: C,58.55; H,5.31; N,3.12
【0037】
(2)(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル及び、(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジルアルコール(10.0g)をエタノール(200ml)に溶解し、炭酸カリウム(3.06g)を加えて室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、水(200ml)と酢酸エチル(300ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製すると、7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(7.2g,72%)が(3RS,5RS,αSR)体と(3RS,5SR,αSR)体の1:1混合物として得られた。この混合物をヘキサン−酢酸エチルで2回再結晶し、(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(1.75g)がプリズム晶として得られた。
融点 188−189℃
マススペクトル(m/e):451(M+)
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値: C,58.63; H,5.31; N,3.12
再結晶の濾液を合わせて、ヘキサン−酢酸エチルで結晶化させ、得られる結晶をヘキサン−酢酸エチルで2回再結晶すると、(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(1.2g)がプリズム晶として得られた。
融点 141−142℃
マススペクトル(m/e):451(M+)
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値: C,58.55; H,5.02; N,3.11
【0038】
実施例2
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル及び、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化27】
(1)5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(シス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジルアルコール
DL−シス−2,3−エポキシこはく酸 モノエチル エステル(10.1g)の塩化メチレン(200ml)溶液に氷冷下、(ジクロロメチレン)ジメチルイミニウム クロリド(10.2g)を加え、1時間撹拌した。5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−イソプロピルアミノベンジル アルコール(15.0g)と重曹(20.3g)を加えて、氷冷下、1時間撹拌した。反応液を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(シス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジル アルコール(17.9g)が結晶として得られた。
融点 139−141℃
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値: C,58.64; H,5.13; N,3.01
【0039】
(2)(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル及び、(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(シス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソプロピル〕アミノベンジルアルコール(15.0g)をエタノール(150ml)に溶解し、炭酸カリウム(4.6g)を加えて室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、水(200ml)と酢酸エチル(300ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(9.0g,60%)が(3RS,5RS,αSR)体と(3RS,5SR,αSR)体の約1:1混合物として得られた。
IR νmax neatcm-1:3440(OH); 1735, 1665(C=O)
マススペクトル(m/e):451(M+)
1H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3)δ:1.26(3H,t,J=7.2Hz), 1.28(3H,d,J=7.2Hz), 1.55(3H,d,J=7.2Hz), 4.0-4.1(1H,m), 4.19(2H,q,J=7.2Hz), 4.39(1H,d,J=2.8Hz), 4.50(1H,dd,J=8.6,2.8Hz), 4.7-4.9(1H,m), 5.18(1H,d,J=8.6Hz), 6.01(1H,s), 6.53(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(7H,m)
【0040】
実施例3
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化28】
(1)5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソブチル〕アミノベンジルアルコール
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−イソブチルアミノベンジル アルコール(10g)を用い、実施例1−(1)と同様の操作により油状化合物(14.0g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.75-1.05(6H,m), 1.15-1.4(3H,m), 1.7-2.0(1H,m), 2.7-3.3(2H,m), 3.3-3.9(2H,m), 4.0-4.45(3H,m), 6.1-6.4(1H,m), 7.0-7.8(7H,m)
(2)7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−イソブチル〕アミノベンジル アルコール(13.0g)と炭酸カリウム(3.85g)をエタノール(150ml)に加え、終夜室温で撹拌した。溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルエステルに溶かし、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(7.0g)を得た。
元素分析値 C23H25Cl2NO5として
計算値: C,59.24; H,5.40; N,3.00
実測値: C,59.14; H,5.37; N,2.98
1H−NMR(CDCl3)δ:0.7-1.1(6H,m), 1.2-1.4(5H,m), 1.7-2.1(1H,m), 3.35-4.0(2H,m), 4.0-4.8(5H,m), 6.15 and 6.19(1H,each s), 6.55 and 6.96(1H,each d,J=2.4Hz), 7.15-7.8(6H,m)
【0041】
実施例4
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−プロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化29】
5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−プロピルアミノベンジル アルコールを用いて、実施例1−(1),実施例3−(2)と同様の操作により製造した。
(1)5−クロロ−α−(2−クロロフェニル)−2−〔N−(トランス−2,3−エポキシ−4−エトキシカルボニル)ブチリル−N−プロピル〕アミノベンジル アルコール
油状化合物
1H−NMR(CDCl3)δ:0.75-1.05(3H,m), 1.1-1.8(5H,m), 2.6-3.9(4H,m), 4.0-4.5(3H,m), 6.1-6.4(1H,m), 6.9-7.9(7H,m)
(2)7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−プロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸エチルエステル
無色結晶
元素分析値 C22H23Cl2NO5として
計算値: C,58.42; H,5.12; N,3.10
実測値: C,58.40; H,5.23; N,3.01
1H−NMR(CDCl3)δ:0.7-1.05(3H,m), 1.15-1.4(3H,m), 1.45-1.8(2H,m), 3.4-3.9(2H,m), 4.0-4.7(4H,m), 6.08 and 6.10(1H,each s), 6.5-7.8(7H,m)
【0042】
実施例5
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸
【化30】
実施例1で得られた(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(0.3g)をエタノール(8ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム(2ml)を加えて、室温で20分間静置した。1N 塩酸(50ml)を加えて酸性とし、酢酸エチル(50ml)で抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去すると、(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.26g)がプリズム晶として得られた。
融点 245−247℃(分解)
元素分析値 C20H19Cl2NO5として
計算値: C,56.62; H,4.51; N,3.30
実測値: C,56.47; H,4.40; N,3.32
【0043】
実施例6
(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸
【化31】
実施例1で得られた(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(0.3g)を実施例5と同様の操作により無色結晶0.26gを得た。
融点 237−239℃(分解)
元素分析値 C20H19Cl2NO5として、
計算値:C,56.62; H,4.51; N,3.30
実測値:C,56.83; H,4.62; N,3.34
【0044】
実施例7
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸及び、
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸
【化32】
実施例2で得た(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステルと(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステルの混合物(4.5g)をエタノール(50ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム(30ml)を加えて、室温で30分間撹拌した。1N 塩酸(100ml)を加えて酸性とし、酢酸エチル(200ml)で抽出する。抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去した。残留物をヘキサン−酢酸エチルで結晶化させ、(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸と(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸の混合物(3.3g)が得られた。これをヘキサン−エタノールで2回再結晶し、(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.94g)が板状晶として得られた。
融点 226−230℃(分解)
元素分析値 C20H19Cl2NO5・EtOHとして、
計算値:C,56.18; H,5.36; N,2.98
実測値:C,56.12; H,5.41; N,2.96
再結晶の濾液を合わせて、減圧留去し、得られた結晶をヘキサン−エタノールで2回再結晶し、(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.49g)が板状晶として得られた。
融点 220−224℃(分解)
元素分析値 C20H19Cl2NO5として、
計算値:C,56.62; H,4.51; N,3.30
実測値:C,56.80; H,4.80; N,3.24
【0045】
実施例8
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化33】
実施例7で得た(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.15g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(6mg)とエタノール(20ml)の混合物を10時間加熱還流した。エタノールを減圧留去し、水(50ml)と酢酸エチル(50ml)を加えて抽出した。抽出液を重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(95mg)がプリズム晶として得られた。
融点 126−128℃
元素分析値 C22H23Cl2NO5として、
計算値:C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値:C,58.31; H,5.15; N,3.15
【0046】
実施例9
(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル
【化34】
実施例7で得た(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.15g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(7mg)とエタノール(20ml)の混合物を24時間加熱還流した。エタノールを減圧留去し、水(50ml)と酢酸エチル(50ml)を加えて抽出した。抽出液を重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、(3RS,5RS,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(0.14g)がプリズム晶として得られた。
融点 119−120℃
元素分析値 C22H23Cl2NO5として、
計算値:C,58.42; H,5.13; N,3.10
実測値:C,58.53; H,5.18; N,3.26
【0047】
実施例10
(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル及び、
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル
【化35】
(1)(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル
実施例1で得た(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(0.8g)を酢酸エチル(30ml)に溶解し、氷冷下、塩化メタンスルホニル(0.18ml)とトリエチルアミン(0.32ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル=10:5:1)で精製し、(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル(0.82g)がプリズム晶として得られた。
融点 159−160℃
元素分析値 C23H25Cl2NO7Sとして、
計算値:C,52.08; H,4.75; N,2.64
実測値:C,52.25; H,4.80; N,2.74
【0048】
(2)(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル及び、(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル
プロピオン酸(0.23g)をメタノール(10ml)に溶解し、炭酸セシウム(0.34g)を加えて、室温で30分間撹拌した。メタノールを減圧留去し、トルエンを(10ml)加えて、再び減圧留去し、プロピオン酸セシウムが粉末として得られた。本品と(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル(1.0g)及び、N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)の混合物を80℃で2時間撹拌した。反応液に水(50ml)と酢酸エチル(100ml)を加えて抽出し、酢酸エチル層を1N 塩酸と重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1−5:1)で分離精製し、第1画分から、(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.31g)がプリズム晶として得られた。
融点 194−195℃
マススペクトル(m/e):433(M+)
元素分析値 C22H21Cl2NO4として、
計算値:C,60.84; H,4.87; N,3.22
実測値:C,60.76; H,4.99; N,3.32
【0049】
また、第2画分から、(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.13g)がプリズム晶として得られる。
融点 143−144℃
マススペクトル(m/e):433(M+)
元素分析値 C22H21Cl2NO4として、
計算値:C,60.84; H,4.87; N,3.22
実測値:C,60.59; H,4.84; N,3.30
同様にして、実施例1で得た(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル(1.0g)をプロピオン酸セシウムと反応させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製すると、第1画分から、(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.335g)がプリズム晶として得られた。また、第2画分から、(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.17g)がプリズム晶として得られた。
【0050】
(3)(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸エチルエステル(0.6g)を酢酸エチル(30ml)に溶解し、氷冷下、塩化メタンスルホニル(0.13ml)とトリエチルアミン(0.24ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル=10:5:1)で精製し、(3RS,5RS,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−α−(メタンスルホニルオキシ)酢酸 エチルエステル(0.63g)がプリズム晶として得られた。
融点 143−144℃
元素分析値 C23H25Cl2NO7Sとして、
計算値:C,52.08; H,4.75; N,2.64
実測値:C,52.38; H,4.89; N,2.77
【0051】
実施例11
(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸
【化36】
実施例10で得た(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.3g)をメタノール(30ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム水溶液(5ml)を加えて、50℃で1時間撹拌した。メタノールを減圧留去した後、1N 塩酸(50ml)と酢酸エチル(100ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去し、(Z)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸(0.26g)がプリズム晶として得られた。
融点 234−239℃
IR νmax KBr cm-1:1670, 1655(C=O, C=C)
元素分析値 C20H17Cl2NO4として、
計算値:C,59.13; H,4.22; N,3.45
実測値:C,59.02; H,4.21; N,3.37
1H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3)δ:1.31(3H,d,J=7.0Hz), 1.61(3H,d,J=7.0Hz), 4.7-4.9(1H,m), 5.48(1H,s), 6.54(1H,s), 6.57(1H,d,J=2.2Hz), 7.3-7.6(5H,m), 8.05(1H,d,J=7.8Hz)
【0052】
実施例12
(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸
【化37】
実施例10で得た(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸 エチルエステル(0.16g)をメタノール(20ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム水溶液(5ml)を加えて、50℃で1時間撹拌した。メタノールを減圧留去した後、1N 塩酸(50ml)と酢酸エチル(100ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧留去し、(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−△(3,α)−酢酸(0.135g)がプリズム晶として得られた。
融点 209−214℃(分解)
IR νmax KBrcm-1:1720, 1650, 1630(C=O,C=C)
元素分析値 C20H17Cl2NO4として、
計算値:C,59.13; H,4.22; N,3.45
実測値:C,58.97; H,4.24; N,3.42
1H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3)δ:1.34(3H,d,J=7.0Hz), 1.62(3H,d,J=7.0Hz), 4.8-5.0(1H,m), 5.41(1H,s), 6.51(1H,s), 6.54(1H,d,J=1.8Hz), 7.3-7.6(5H,m), 7.78(1H,d,J=7.0Hz)
【0053】
実施例13
実施例10,実施例12,実施例13と同様の操作により〔表1〕に示す化合物を得た。
【表1】
【0054】
実施例14
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル,および
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル
【化38】
(1)3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−エタノール
3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸(3.0g)とN−メチルモルホリン(0.97ml)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、−10℃でクロロ炭酸エチル(0.84ml)を加え、10分間撹拌した。反応溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.93g)を加え、室温で10分間加熱した。溶媒を留去し、希塩酸で酸性にした後、酢酸エチルエステルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(2.27g)を得た。
融点 184−186℃
元素分析値 C20H21Cl2NO3として
計算値:C,60.92; H,5.37; N,3.55
実測値:C,61.03; H,5.27; N,3.53
【0055】
(2)3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド
オキサリルクロリド(0.60ml)のジクロロメタン(5ml)溶液に、−65℃で5分間かけて、ジメチルスルホキシド(0.53ml)のジクロロメタン(2ml)溶液を滴下し、5分間撹拌した。反応溶液に(1)で合成した化合物(2.1g)のジクロロメタン(20ml)溶液を滴下し、更に−65℃で15分間撹拌した。同温でトリエチルアミン(2.9ml)を加え、室温で10分間撹拌した。1規定塩酸(50ml)を加え、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体をヘキサン/ジクロロメタンより再結晶し、無色結晶1.64gを得た。
融点 157−159℃
元素分析値 C20H19Cl2NO3・0.4H2Oとして
計算値:C,60.13; H,5.00; N,3.51
実測値:C,60.24; H,4.86; N,3.57
(3)(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド シアノヒドリン,(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド シアノヒドリン
(2)で合成した化合物(1.5g)とアセトンシアノヒドリン(5ml)とトリエチルアミン(0.1ml)の混合物を30分間室温で撹拌後、エチルエーテルを加え、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、第1フラクションから(3RS,5SR,αRS)体が無色結晶(0.42g)として得られた。
融点 159−162℃
元素分析値 C21H20Cl2N2O3として
計算値:C,60.15; H,4.81; N,6.68
実測値:C,60.18; H,4.97; N,6.54
【0056】
第2フラクションから(3RS,5SR,αSR)体が無色結晶(0.61g)として得られた。
融点 177−180℃
元素分析値 C21H20Cl2N2O3として
計算値:C,60.15; H,4.81; N,6.68
実測値:C,59.94; H,4.76; N,6.52
(4)(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル
(3)で得られた(3RS,5SR,αRS)体化合物(0.40g)をエタノール(10ml)と4規定塩化水素のジオキサン溶液(10ml)の混合溶媒に溶かし、30分間加熱撹拌した。溶媒留去後、残留物を酢酸エチルエステルに溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、油状化合物0.40gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.97(3H,t,J=7.4Hz), 1.27(3H,t,J=7.2Hz), 1.5-1.9(1H,d,J=6.2Hz), 3.4-3.6(1H,m), 4.0-4.5(4H,m), 6.08(1H,s), 6.52(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(6H,m)
(5)(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸 エチルエステル
(3)で得られた(3RS,5SR,αSR)体化合物(0.45g)から(4)と同様の操作により油状化合物(0.45g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.97(3H,t,J=7.4Hz), 1.18(3H,t,J=7.1Hz), 1.5-1.9(2H,m), 2.3-2.5(2H,m), 3.18(1H,d,J=4.6Hz), 3.4-3.6(1H,m), 4.0-4.5(4H,m), 6.03(1H,s), 6.50(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(6H,m)
【0057】
実施例15
(3RS,5SR,αRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸
【化39】
実施例14−(4)で得た化合物(0.2g)をエタノール(3ml)に溶かし、1規定水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、室温で15分間撹拌した。1規定塩酸(50ml)を加え、酢酸エチルエステルで抽出し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をヘキサンより再結晶し、無色結晶(0.15g)を得た。
融点 210−214℃
元素分析値 C21H21Cl2NO5として
計算値:C,57.55; H,4.83; N,3.20
実測値:C,57.38; H,4.93; N,2.99
【0058】
実施例16
(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2−オキソ−1−プロピル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(α−ヒドロキシ)プロピオン酸
【化40】
実施例14−(5)で得た化合物(0.2g)より実施例15と同様の操作により無色結晶0.16gを得た。
融点 138−141℃
元素分析値 C21H21Cl2NO5として
計算値:C,57.55; H,4.83; N,3.20
実測値:C,57.27; H,5.03; N,2.95
【0059】
実施例17
実施例14,実施例15と同様の方法により〔表2〕〔表3〕に示す化合物を得た。
【表2】
【表3】
a:1H−NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,t,J=7.2Hz), 1.30(3H,d,J=7.0Hz), 1.56 (3H,d,J=6.8Hz), 2.01(1H,ddd,J=14.4,10.4,4.0Hz), 2.50(1H,ddd,J=14.4,9 .0,3.0Hz), 2.99(1H,d,J=6.4Hz), 4.22(2H,q,J=7.2Hz), 4.1-4.3(1H,m), 4. 35-4.5(1H,m), 4.7-5.0(1H,m), 6.05(1H,s), 6.51(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.6 (6H,m)
b:1H−NMR(CDCl3)δ:1.18(3H,t,J=7.1Hz), 1.29(3H,d,J=7.0Hz), 1.56 (3H,d,J=6.8Hz), 2.3-2.45(2H,m), 3.22(1H,d,J=4.5Hz), 4.0-4.3(3H,m), 4 .3-4.4(1H,m), 4.7-4.95(1H,m), 6.00(1H,s), 6.49(1H,d,J=2.2Hz), 7.2-7. 8(6H,m)
c:1H−NMR(CDCl3)δ:0.93(3H,d,J=6.8Hz), 1.03(3H,d,J=6.6Hz), 1.26 (3H,t,J=7.1Hz), 1.85-2.1(1H,m), 2.52(1H,ddd,J=14.3,9.2,2.6Hz), 2.9-3 .05(1H,m), 3.42(1H,dd,J=13.8,5.4Hz), 4.05-4.55(4H,m), 6.18(1H,s), 6. 52(1H,d,J=2.3Hz), 7.2-7.85(6H,m)
d:1H−NMR(CDCl3)δ:0.93(3H,d,J=6.8Hz), 1.04(3H,d,J=6.6Hz), 1.18 (3H,t,J=7.1Hz), 1.85-2.1(1H,m), 2.25-2.5(2H,m), 3.1-3.3(1H,br), 3.43 (1H,dd,J=13.6,5.4Hz), 4.0-4.45(5H,m), 6.14(1H,s), 6.51(1H,d,J=2.2Hz) , 7.2-7.8(6H,m)
【0060】
中間体の物性
(1)3,5−トランス−7−クロロ−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−エタノール
融点 188−189℃
元素分析値 C20H21Cl2NO3として
計算値:C,60.92; H,5.37; N,3.55
実測値:C,61.12; H,5.39; N,3.72
(2)3,5−トランス−7−クロロ−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド
油状化合物
1H−NMR(CDCl3)δ:1.30(3H,d,J=7.0Hz), 1.56(3H,d,J=6.6Hz), 2.88(1H,ddd,J=17.6,5.4,1.6Hz), 3.09(1H,ddd,J=17.6,6.6,1.0Hz), 4.37(1H,t,J=6.1Hz), 4.8-5.0(1H,m), 6.02(1H,s), 6.52(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(6H,m)
(3)3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−エタノール
融点 147−149℃
元素分析値 C21H23Cl2NO3として
計算値:C,61.77; H,5.68; N,3.43
実測値:C,61.64; H,5.87; N,3.54
(4)3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒド
油状化合物
1H−NMR(CDCl3)δ:0.94(3H,d,J=6.8Hz), 1.03(3H,d,J=6.6Hz), 1.85-2.1(1H,m), 2.90(1H,ddd,J=17.6,5.4,1.4Hz), 3.12(1H,ddd,J=17.6,6.6,1.0Hz), 3.45(1H,dd,J=13.8,5.6Hz), 4.31(1H,dd,J=13.8,8.2Hz), 4.4-4.55(1H,m), 6.15(1H,s), 6.54(1H,d,J=2.4Hz), 7.2-7.8(6H,m), 9.84(1H,s)
【0061】
参考例1
3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(β−ヒドロキシ)酪酸 エチルエステル
【化41】
ジイソプロピルアミン(0.70ml)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液に−15℃〜−20℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(3.03ml,1.64mol/L)を加え、同温度で1時間撹拌した。反応液を−78℃に冷却し、そこへ酢酸エチルエステル(0.49ml)を加え、15分間撹拌した後、3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアルデヒドの乾燥テトラヒドロフラン(10ml)溶液を5分間滴下した。30分間撹拌し、希塩酸(50ml)を加え、酢酸エチルエステルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウムで洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(1.20g)を得た。
融点 119−121℃
元素分析値 C24H27Cl2NO5として
計算値:C,60.01; H,5.67; N,2.92
実測値:C,60.16; H,5.78; N,2.97
【0062】
参考例2
3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(β−ヒドロキシ)酪酸
【化42】
実施例15と同様の操作により非結晶性固体を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.29,1.30(3H,each d,J=7.0Hz), 1.56,1.57(3H,each d,J=6.8Hz), 2.0-2.15(2H,m), 2.45-2.7(2H,m), 4.05-4.2(1H,m), 4.2-4.4(1H,m), 4.75-4.95(1H,m), 6.01(1H,s), 6.45-6.55(1H,m), 7.2-7.8(6H,m)
【0063】
参考例3
(3RS,5SR,βRS)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(β−ヒドロキシ)エタノール
【化43】
実施例1で得た(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸 エチルエステル(1.0g)のエタノール(30ml)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.14g)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液を希塩酸で酸性にし、酢酸エチルエステルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(0.62g)を得た。
融点 229−230℃
元素分析値 C20H21Cl2NO4として
計算値:C,58.33; H,5.16; N,3.41
実測値:C,58.49; H,5.21; N,3.32
【0064】
参考例4
実施例14,実施例17で得た化合物により、参考例3と同様の操作により、〔表4〕に示す化合物を得た。
【表4】
【0065】
参考例5
3,5−トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−(γ−ヒドロキシ)ブタノール
【化44】
参考例1で得た化合物を参考例3と同様の操作により、非結晶性固体を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.30(3H,d,J=7.0Hz), 1.56(3H,d,J=6.6Hz), 1.6-1.9(2H,m), 2.0-2.2(2H,m), 3.8-3.95(2H,m), 4.0-4.2(2H,m), 4.75-4.95(1H,m), 6.02(1H,s), 6.5-6.6(1H,m), 7.2-7.8(6H,m)
【0066】
実施例18
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸 エチルエステル
【化45】
実施例1で得た(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコール酸(0.3g)とグリシンエチルエステル塩酸塩(0.12g)をN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、氷冷下、シアノりん酸ジエチル(0.15g)とトリエチルアミン(0.24ml)を加えた。室温で30分間撹拌した後、水(100ml)と酢酸エチル(100ml)を加えて抽出した。酢酸エチル層を1N 塩酸と重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル−1:1)で精製し、N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸 エチルエステル(0.30g)がプリズム晶として得られた。
融点 157−159℃
元素分析値 C24H26Cl2N2O6として
計算値:C,56.59; H,5.14; N,5.50
実測値:C,56.60; H,5.21; N,5.52
【0067】
実施例19
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸
【化46】
N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕グリシンエチルエステル(0.2g)をエタノール(10ml)に溶解し、1N 水酸化ナトリウム(2ml)を加えて15分間撹拌した。1N 塩酸水(100ml)を加えて酸性とし、酢酸エチル(100ml)で抽出した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、N−〔(3RS,5SR,αSR)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−グリコリル〕アミノ酢酸(0.18g)が結晶として得られた。
融点 142−145℃
元素分析値 C22H22Cl2N2O6・1/4H2Oとして
計算値:C,54.39; H,4.66; N,5.77
実測値:C,54.29; H,4.61; N,5.77
【0068】
実施例20
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−△(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸 エチルエステル
【化47】
実施例12で得た(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−△(3,α)−酢酸(0.3g)とグリシン エチルエステル塩酸塩(0.124g)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液にシアノりん酸ジエチル(0.152g)とトリエチルアミン(0.25ml)を加え、室温で30分間撹拌した。反応溶液に酢酸エチルエステルを加え、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色結晶(0.35g)を得た。
融点 207−208℃
元素分析値 C24H24Cl2N2O5として
計算値:C,58.67; H,4.92; N,5.70
実測値:C,58.62; H,4.97; N,5.68
【0069】
実施例21
N−〔(E)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−△(3,α)−アセチル〕アミノ酢酸
【化48】
実施例20で得た化合物(0.25g)のエタノール(20ml)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(4ml)を加え、室温で30分間撹拌した。反応溶液を希塩酸で酸性にし、酢酸エチルエステルで抽出した。水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をヘキサンより再結晶し、無色結晶(0.21g)を得た。
融点 217−221℃(分解)
元素分析値 C22H20Cl2N2O5・0.5H2Oとして
計算値:C,55.94; H,4.48; N,5.93
実測値:C,56.17; H,4.60; N,6.05
【0070】
実施例22
実施例13で得た化合物より実施例25,実施例26と同様の操作により、〔表5〕で示す化合物を得た。
【表5】
【0071】
スクアレン合成酵素阻害活性の測定法
スクアレン合成酵素阻害活性は後述の実験例1及び実験例2で示した酵素液を使用して次のように測定された。
すなわち、5μM〔1−3H〕ファルネシルピロリン酸(比活性25μCi/mole)、1mMのNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、5mMのMgCl2、6mMのグルタチオン、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)及び被験薬剤(水溶液又はDMSO溶液として添加)を含む溶液(全量50μl)に、実験例1及び実験例2で調製した酵素液(蛋白量0.8μg)を添加し、37℃で45分間反応させた。150μlのクロロホルム・メタノール(1:2)混液を添加して反応を停止させ、ついで50μlのクロロホルム及び50μlの3N水酸化ナトリウム溶液を添加した。スクアレンを主成分とした反応生成物を含むクロロホルム層(下層)50μlとトルエン系液体シンチレータ3mlを混合し、液体シンチレーションカウンターでその放射活性を測定した。
スクアレン合成酵素阻害活性は、クロロホルム層へ取り込まれる放射活性を50%阻害する濃度(IC50、モル濃度(M))で示した。
【0072】
実験例1 ラット酵素の調製
SD系雄性ラット(6週令)を放血致死させた後、肝臓を摘出した。肝臓約10gを氷冷生理食塩水で洗浄後、15ml氷冷緩衝液〔100mMリン酸カリウム(pH7.4)、15mMニコチンアミド、2mMのMgCl2〕中でホモジナイズし、10000×gで20分間(4℃)遠心分離した。得られた上清をさらに105000×gで90分間(4℃)遠心分離し、次いで沈査を氷冷100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁後、再度105000×gで90分間(4℃)遠心分離した。このようにして得られた沈査(ミクロソーム画分)を氷冷100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約40mg/ml、ピアス社BCAプロティンアッセイキットで測定)し、これを酵素液とした。
【0073】
実験例2 ヒト酵素の調製
10%牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地で培養(37℃、5%CO2存在下)し、得られたヒト肝癌細胞HepG2(約1×109cells)を10ml氷冷緩衝液〔100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、30mMニコチンアミド、2.5mMのMgCl2〕に懸濁後、超音波処理(30秒間、2回)によって細胞を破砕した。得られたソニケートより、実験例1と同様の操作によってミクロソーム画分を得た。これを氷冷100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約4mg/ml)し、これを酵素液とした。その結果を〔表6〕に示す。
【表6】
【0074】
製剤例
本発明の式(I)で表わされる縮合7員環化合物又はその塩を有効成分として含有してなるスクアレン合成酵素阻害剤は、例えば、高コレステロール血症の治療剤として使用する場合、次のような処方によって製造することができる。
(1)、(2)と(3)の全量及び(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
(1)、(2)と(3)の全量及び(4)の2/3及び(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)及び(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
(1)、(2)及び(3)を全量2mlになるように注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0075】
(1)、(2)と(3)の全量及び(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
(1)、(2)と(3)の全量及び(4)の2/3及び(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)及び(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
(1)、(2)及び(3)を全量2mlになるように注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0076】
【発明の効果】
本発明の縮合7員環化合物又はその塩を有効成分として含有するスクアレン合成酵素阻害剤は、高コレストロール血症等の治療などに有用である。
Claims (11)
- 式(I)
- R1が脂肪族鎖式炭化水素基である請求項1記載の縮合7員環化合物またはその塩。
- 脂肪族鎖式炭化水素基がアルキル基である請求項2記載の縮合7員環化合物またはその塩。
- アルキル基が低級アルキル基である請求項3記載の縮合7員環化合物またはその塩。
- R2またはR3が置換されていてもよいフェニル基である請求項1記載の縮合7員環化合物またはその塩。
- Zで示される二重結合を含んでいる炭素鎖の直鎖部分を構成する炭素数が1ないし4個である請求項1記載の縮合7員環化合物またはその塩。
- Yがエステル化されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい水酸基あるいは置換されていてもよいアミノ基である請求項1記載の縮合7員環化合物またはその塩。
- Yがエステル化されていてもよいカルボキシル基あるいは置換されていてもよいカルバモイル基である請求項1記載の縮合7員環化合物またはその塩。
- 破線部分が二重結合である請求項1記載の縮合7員環化合物またはその塩。
- 請求項1記載の縮合7員環化合物またはその塩を含有してなるスクアレン合成酵素阻害剤。
- 高コレステロール血症予防治療剤である請求項10記載の剤。
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