JPH0987260A - 縮合環化合物とその用途 - Google Patents

縮合環化合物とその用途

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JPH0987260A
JPH0987260A JP24975895A JP24975895A JPH0987260A JP H0987260 A JPH0987260 A JP H0987260A JP 24975895 A JP24975895 A JP 24975895A JP 24975895 A JP24975895 A JP 24975895A JP H0987260 A JPH0987260 A JP H0987260A
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JP24975895A
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Hidefumi Yukimasa
秀文 行正
Yasuo Sugiyama
泰雄 杉山
Ryuichi Tozawa
隆一 兎澤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高脂血症の予防又は治療に有用なコレステロ
ール低下作用及びトリグリセライド低下作用を有する縮
合環化合物、その製造法及び用途の提供。 【解決手段】 式(I): 【化1】 [R1は水素又は置換されていてもよい炭化水素基、R2
は水素又は各々置換されていてもよい炭化水素基または
芳香族複素環基、Xは置換されていてもよいホスホン酸
基又は各々アミド化されていてもよいスルホン酸基若し
くはスルフィン酸基、環Aは置換されていてもよいベン
ゼン環又は芳香族複素環、環Jは環構成原子として3個
以下のヘテロ原子を含有する7又は8員の複素環、Dは
炭素または窒素を示し、環JはR1、R2及び−(CH2)n
−X以外にさらに置換基を有していてもよく、nは1、
2を示す。]で表わされる化合物又はその塩;その製造
法;及びこれを含有する組成物、特にスクアレン合成酵
素阻害剤、トリグリセライド低下剤、及び脂質低下剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高脂血症の予防ま
たは治療に有用なコレステロール低下作用及びトリグリ
セライド低下作用を有する新規縮合環化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】血清脂質濃度の異常増加を高脂質血症(h
yperlipidemia)または高脂血症(hyperlipemia)と呼ぶ。
血清脂質にはコレステロール(コレステロールエステル,
遊離コレステロール)、リン脂質(レシチン,スフィンゴ
ミエリンなど)、トリグリセライド(中性脂肪)、遊離脂
肪酸、その他のステロール類などがあるが、とくに臨床
的に問題となるのは、コレステロール、トリグリセライ
ドの増加である(COMMON DISEASE SERIES No.19高脂
血症 中村治雄編集 1991年10月10日発行南江
堂)。したがって、血中脂質値の適切なコントロール
は、虚血性心疾患、脳梗塞などに代表される動脈硬化に
関連した諸疾患の予防または治療に極めて重要である。
また、高トリグリセライド血症は、膵障害を併発すると
考えられている。血中コレステロール値を低下させる薬
剤としては、コレスチラミン(Cholestyramine)、コレ
スチポール(Colestipol)等の胆汁酸を捕捉してその吸
収を阻害するもの(例,米国特許第4027009号)、
メリナミド(Melinamide)(フランス特許第147656
9号)等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル
移転酵素(ACAT)を阻害してコレステロールの腸管吸
収を抑制するもの等の他、コレステロールの生合成を抑
制する薬剤が注目されている。コレステロール生合成抑
制薬剤として、特に3−ヒドロキシ−3−メチルグルタ
リルコエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素を阻害す
るロバスタチン(Lovastatin)(米国特許第423193
8号)、シンバスタチン(Simvastatin)(米国特許第44
44784号)、プラバスタチン(Pravastatin)(米国特
許第4346227号)等が医薬に供されている。しか
し、HMG−CoA還元酵素を阻害するとコレステロー
ルの生合成以外に、ユビキノン、ドリコールやヘムAの
様な、その他の生体に必要な成分の生合成も阻害される
ため、それらに起因する副作用が懸念されている。また
トリグリセライド低下剤としては、フィブリン酸系化合
物、例えば、クロフィブラート(英国特許第86030
3号),フェノフィブラート(ドイツ特許第225032
7号)などが医薬に供されているが、スタチン系化合物
との併用は肝毒性のため禁忌となっている。
【0003】スクアレン合成酵素は、新たにコレステロ
ール生合成経路の必須段階に関与する酵素である。この
酵素は、2分子のファルネシルピロリン酸の還元二量化
を触媒してスクアレンを形成する酵素である。一方、ス
クアレン合成酵素を阻害することによるコレステロール
の生合成阻害作用を有する化合物としては、ジャーナル
・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of
Medicinal Chemistry),Vol.51,No.10,186
9頁〜1871頁,1988年、特開平1−21328
8号公報、特開平2−101088号公報、特開平2−
235820号公報、特開平2−235821号公報、
特開平3−20226号公報、特開平3−68591号
公報、特開平3−148288号公報及び米国特許第
5,019,390号、米国特許第5,135,935号、
WO9215579号、WO9309115号、ヨーロ
ッパ特許出願公開第567026号、同645377
号、同645378号、WO95/21834等に開示
されている。尚、高脂血症は、高リポ蛋白血症(hyperli
poproteinemia)とも呼ばれ、リポ蛋白の面から次のよう
に6つの型(WHO分類)に分類されている。 I型:カイロマイクロンの増加を示す高カイロマイクロ
ン血症、 IIa型:低比重リポ蛋白(LDL)の増加を示す高LDL
血症(高コレステロール血症)、 IIb型:LDLと超低比重リポ蛋白(VLDL)の増加を
示す複合型高脂血症、 III型:β超低比重リポ蛋白(βVLDL)の存在を示
す異常βリポ蛋白血症、 IV型:VLDLの増加を示す内因性高トリグリセライ
ド血症、 V型:VLDLとカイロマイクロンの増加を示す混合型
高脂血症。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
安全で、かつより強力なスクアレン合成酵素阻害作用に
よるコレステロール低下作用及びトリグリセライド低下
作用の脂質低下作用を通し、高脂血症の予防または治療
に有用な、従って医薬としてより有用な化合物を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、4,1−ベンゾオキサ
ゼピン化合物で代表される特定骨格と、特定置換基を有
する縮合環化合物を初めて合成し、これらの化合物が、
予想外にも、その化学構造に基づいて優れたスクアレン
合成酵素阻害作用を有し、コレステロールやトリグリセ
ライドのような脂質低下作用を有することを見い出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、式
(I):
【0006】
【化13】
【0007】[式中、R1は水素または置換されていても
よい炭化水素基を、R2は水素、置換されていてもよい
炭化水素基または置換されていてもよい芳香族複素環基
を、Xは置換されていてもよいホスホン酸基、アミド化
されていてもよいスルホン酸基またはアミド化されてい
てもよいスルフィン酸基を、環Aは置換されていてもよ
いベンゼン環または芳香族複素環を、環Jは環構成原子
として3個以下のヘテロ原子を含有する7または8員の
複素環を、Dは炭素原子または窒素原子を示し、環Jは
1、R2及び−(CH2)n−X以外にさらに置換基を有し
ていてもよく、nは1または2を示す。]で表わされる
化合物またはその塩を提供するものである。また、本発
明は、前記式(I)で表される化合物を含有する組成
物、特にスクアレン合成酵素阻害剤、トリグリセライド
低下剤、および脂質低下剤をも提供する。さらに、本発
明は、 (a)式(VI):
【0008】
【化14】
【0009】[式中、Yは脱離基を示し、他の記号は式
(I)と同意義]で表される化合物またはその塩と式
(VII): P(OR3)3 (VII) [式中、R3は炭化水素基を示す]で表される化合物とを
反応させ、必要により、加水分解して式(I−1):
【0010】
【化15】
【0011】[式中、X1はエステル化されていてもよい
ホスホン酸基を示し、他の記号は式(I)と同意義]で
表される化合物またはその塩を得るか; (b)式(VIII):
【0012】
【化16】
【0013】[式中、各記号は式(I)と同意義]で表さ
れる化合物またはその塩を酸化し、式(I−2):
【0014】
【化17】
【0015】[式中、各記号は式(I)と同意義]で表さ
れる化合物またはその塩を得るか; (c)式(XII):
【0016】
【化18】
【0017】[式中、Wはハロゲン原子を、lは1または
2を示し、他の記号は式(I)と同意義]で表される化
合物またはその塩あるいは式(XIII):
【0018】
【化19】
【0019】[式中、Wはハロゲン原子を示し、他の記
号は式(I)と同意義]で表される化合物またはその塩
とアルコール、チオール又はアミンとを反応させること
により、式(I−3):
【0020】
【化20】
【0021】[式中、X3はエステル化、チオエステル化
またはアミド化されているホスホン酸基、アミド化され
ているスルホン酸基またはアミド化されているスルフィ
ン酸基を示し、他の記号は式(I)と同意義]で表され
る化合物またはその塩を得るか;あるいは (d)式(XIV):
【0022】
【化21】
【0023】[式中、Wはハロゲン原子を示し、他の記
号は式(I)と同意義]で表される化合物またはその塩
を還元し、式(I−4):
【0024】
【化22】
【0025】[式中、各記号は式(I)と同意義]で表さ
れる化合物またはその塩を得る前記式(I)で表される
化合物の製造法をも提供する。特に、本発明化合物は、
式-(CH2)n-Xで表される基を置換基として有する点に
構造上の特徴がある。
【0026】前記式中のR1で示される「置換されていて
もよい炭化水素基」の炭化水素基としては、脂肪族鎖式
炭化水素基、脂環式炭化水素基およびアリール基などが
挙げられるが、なかでも脂肪族鎖式炭化水素基が好まし
い。該炭化水素基の脂肪族鎖式炭化水素基としては、直
鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例えば、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられ
る。なかでもアルキル基が好ましい。該アルキルとして
は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−
メチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1,1−
ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメ
チルメチル、3,3−ジメチルプロピル、2−エチルブ
チル、n−ヘプチルなどのC1-7アルキルが挙げられ、な
かでも、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、ネ
オペンチルなどのC3-5アルキルが好ましく、特にイソ
ブチル、ネオペンチルなどが好ましい。該アルケニル基
としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、
2−メチルアリル、1−プロペニル、2−メチル−1−
プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ブテニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブ
テニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−
ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペン
テニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニ
ル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニ
ル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等のC2-6アルケ
ニルが挙げられ、なかでも、ビニル、アリル、イソプロ
ペニル、2−メチルアリル、2−メチル−1−プロペニ
ル、2−メチル−2−プロペニル、3−メチル−2−ブ
テニル等が特に好ましい。該アルキニル基としては、例
えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1
−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチ
ニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニ
ル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニ
ル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等のC2-6アルキ
ニルが挙げられ、中でもエチニル、1−プロピニル、2
−プロピニル等が特に好ましい。
【0027】該炭化水素基の脂環式炭化水素基として
は、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えば、シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジ
エニル基等が挙げられる。該シクロアルキル基としては
炭素数3〜9個のシクロアルキル基が好ましく、例え
ば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シ
クロノニル等が挙げられ、中でも、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3-6シクロアルキル基が好ましい。該シクロアルケニル
基としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、
3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−
1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1−シクロ
ブテン−1−イル、1−シクロペンテン−1−イル等が
挙げられる。該シクロアルカジエニル基としては、例え
ば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シ
クロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジ
エン−1−イルなどのC5-7シクロアルカジエニル基が
挙げられる。該炭化水素基のアリール基としては、炭素
数6〜18の単環式または縮合多環式芳香族炭化水素基
が挙げられ、例えば、フェニル、ナフチル、アントリ
ル、フェナントリル、アセナフチレニル等が挙げられ、
なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が特
に好ましい。
【0028】R1で示される「置換されていてもよい炭化
水素基」の置換基としては、置換されていてもよいアリ
ール基、置換されていてもよいシクロアルキル基もしく
はシクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環
基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていても
よい水酸基、置換されていてもよいチオール基、ハロゲ
ン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、オキソ等が挙げ
られ、該炭化水素基はこれらの任意の置換基により置換
可能な位置で1〜5個(好ましくは1〜3個)置換されて
いてもよい。該置換されていてもよいアリール基のアリ
ール基としては、炭素数6〜18のアリール基、例えば
フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ア
セナフチレニル等が挙げられ、なかでもフェニル、1−
ナフチル、2−ナフチルが好ましい。該置換されていて
もよいアリールの置換基としては、炭素数1〜3個のア
ルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)、
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素
数1〜3個のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル等)等が挙げられ、該アリール基はこれらの任意の置
換基で1〜2個置換されていてもよい。該置換されてい
てもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基として
は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3-7シクロアル
キル基等が挙げられる。該置換されていてもよいシクロ
アルキル基の置換基とその置換数としては、前記置換さ
れていてもよいアリール基における置換基と同様な種類
と個数が挙げられる。該置換されていてもよいシクロア
ルケニル基のシクロアルケニル基としては、シクロプロ
ペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘ
キセニル等のC3-6のシクロアルケニル基等が挙げられ
る。該置換されていてもよいシクロアルケニル基の置換
基とその置換基数としては、前記置換されていてもよい
アリール基における置換基と同様な種類と個数が挙げら
れる。該置換されていてもよい複素環基の複素環基とし
ては、環系を構成する原子(環原子)として、酸素、硫
黄、窒素のうち少なくとも1個のヘテロ原子をもつ芳香
族複素環基、飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基
(脂肪族複素環基)が挙げられるが、好ましくは芳香族複
素環基である。該芳香族複素環基としては、芳香族単環
式複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサ
ゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリ
ル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジア
ゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキ
サジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリ
ル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾ
リル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジ
ニル、ピラジニル、トリアジニル等のO、S、Nのヘテ
ロ原子を1〜4個環構成原子として含んでいてもよい5
〜7員芳香族単環式複素環基)及び芳香族縮合複素環基
(例:ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]
チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダ
ゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、
1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、
1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾ
リル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾ
リニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニ
ル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カル
ボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アク
リジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェ
ナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェ
ナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピ
ロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリ
ジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−
a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダ
ゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,
3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリ
ダジニル等のO、S、Nのヘテロ原子を1〜4個環構成
原子として含んでいてもよい5〜7員複素環の少なくと
も1つが、同様な複素環ないしC5−C6炭素環と縮合し
た環)が挙げられるが、なかでもフリル、チエニル、イ
ンドリル、イソインドリル、ピラジニル、ピリジル、ピ
リミジニルなどが好ましい。該非芳香族複素環基として
は、例えば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニ
ル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、
チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モル
ホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等のO、
S、Nのヘテロ原子を1〜3個含んでいてもよい5〜6
員非芳香族複素環基が挙げられる。該置換されていても
よい複素環基の置換基としては、炭素数1〜3個のアル
キル基(例:メチル、エチル、プロピル等)等が挙げられ
る。該置換されていてもよいアミノ基、置換されていて
もよい水酸基、及び置換されていてもよいチオール基に
おける置換基としては、例えば低級(C1-3)アルキル
(例、メチル、エチル、プロピル等)等が挙げられる。ま
た、R1で表わされる置換されていてもよい炭化水素基
における炭化水素基が脂環式炭化水素基又はアリール基
である場合、置換基としては、さらに炭素数1〜3個の
アルキル基(例、メチル、エチル、プロピルなど)でもよ
い。さらに、R1としては、オキソ基で置換された炭化
水素基、すなわちカルボン酸から誘導されるアシル基が
含まれる。このようなアシル基としては、とりわけ炭素
数1〜6のアシル基(例、フォルミル、アセチル、プロ
ピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバ
レリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ジメチルアセチ
ル、トリメチルアセチルなど)が好ましい。また該アシ
ル基は、置換可能な位置に1〜5個の置換基を有してい
てもよく、該置換基としては、ハロゲン(例、フッ素、
塩素、臭素)が挙げられる。
【0029】R1は、好ましくは、分枝状低級アルキル
基である。
【0030】R2で示される置換されていてもよい炭化
水素基の炭化水素基としては、R1で示される置換され
ていてもよい炭化水素基の炭化水素基と同様のものが挙
げられる。該炭化水素基の置換基としては、ハロゲン
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、置換されてい
てもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アル
コキシ、置換されていてもよい水酸基、ニトロ、シアノ
などが挙げられ、該炭化水素基はこれらの置換基の同一
又は異なる1〜3個(好ましくは1〜2個)で置換されて
いてもよい。該低級アルキルとしては、例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の炭素数1
〜4のアルキル基が挙げられるが、特にメチル、エチル
が好ましい。該低級アルコキシとしては、メトキシ、エ
トキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキ
シ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等
の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられるが、特にメ
トキシ、エトキシが好ましい。該置換されていてもよい
低級アルキル基又は置換されていてもよい低級アルコキ
シ基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素等)等が挙げられ、該低級アルキル基
又は低級アルコキシ基はその任意の位置で1〜5個置換
されていてもよい。該置換されていてもよい水酸基にお
ける置換基としては、例えば低級(C1-4)アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル等)、C3-6シクロアルキル基(シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
等)、C6-10アリール基(例、フェニル、1−ナフチル、
2−ナフチル等)、C7-14アラルキル基(例、ベンジル、
フェネチルなど)などが挙げられる。また、R2で示され
る置換されていてもよい炭化水素基の炭化水素基が上記
アリール基の時、これらの置換基は、隣接する置換基同
志で環を形成していてもよく、例えば、アリール基がフ
ェニル基の時、
【0031】
【化23】
【0032】で示されるものが挙げられ、さらに該環は
低級(C1-3)アルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル等)などで置換されていてもよい。
【0033】R2で示される「置換されていてもよい芳
香族複素環基」の芳香族複素環基としては、R1で詳述
されている芳香族複素環基が挙げられるが、なかでもフ
リル、チエニル、インドリル、イソインドリル、ピラジ
ニル、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリルなどが好ま
しい。該芳香族複素環基の置換基としては、炭素数1〜
3個のアルキル(例、メチル、エチル、プロピルなど)な
どが挙げられる。
【0034】上記した中でも、R2としては、置換され
ていてもよいフェニル基が好ましく、さらに好ましく
は、置換されたフェニル基、特に、ハロゲン、低級アル
コキシなどで置換されたフェニル基が好ましい。
【0035】環Aで示される芳香族複素環としては、R
1で詳述されている芳香族複素環基が挙げられるが、な
かでも
【0036】
【化24】
【0037】で表わされるものが好ましい。
【0038】環Aで示される「置換されていてもよいベ
ンゼン環」および「置換されていてもよい芳香族複素環」
の置換基としては、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素)、炭素数1〜4個の置換されていてもよい
低級アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、tert−ブチル等)、炭素数1〜4個の置換されてい
てもよい低級アルコキシ基(例:メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ
等)、ニトロ基、シアノなどが挙げられる。環Aはこれ
らの置換基を1〜3個、好ましくは1〜2個有していて
もよい。また、これらの置換基は、隣接する置換基同志
で環を形成してもよい。該置換されていてもよい低級ア
ルキル基又は置換されていてもよい低級アルコキシ基の
置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素)等が挙げられ、任意の位置に1〜3個置換
されていてもよい。環Aとしてはメトキシもしくは塩素
原子で置換されたものが好ましく、特に塩素原子で置換
されたものが好ましい。
【0039】環Jで示される「環構成原子として3個以
下のヘテロ原子を含有する7または8員の複素環」にお
ける複素環としては、例えば、O,S(O)q(qは0,1ま
たは2を示す)およびNのうちの少なくとも1個を含む
7または8員の飽和もしくは不飽和の複素環が挙げられ
る。ただし、該複素環の環を構成する原子(環構成原子)
におけるヘテロ原子は3個以下である。
【0040】環J中のDは、好ましくは、炭素原子であ
る。
【0041】また、環Jは、R1,R2及び−(CH2)n−
Xで示される基以外に、さらに置換基を置換可能な位置
に、1〜2個有していてもよい。かかるR1,R2及び−
(CH2)n−Xで示される基以外の置換基としては、該置
換基が環J上の窒素原子に結合する場合、アルキル基
(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル等のC1-6アルキルなど)、
カルボン酸アシル基(例、フォルミル、アセチル、プロ
ピオニル、ブチロイル等のC1-4アシル基)などが挙げら
れる。該アルキル基またはアシル基は、さらにハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で1〜5個置換
されていてもよい。また、該置換基が環J上の炭素原子
に結合する場合、該置換基としては、オキソ、チオキ
ソ、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよ
いアミノ基などが挙げられる。
【0042】該「置換されていてもよい水酸基」の置換基
としては、例えば低級(C1-4)アルキル(例、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルな
ど)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、
置換されていてもよいC6-12アリール基(例、フェニ
ル、1−ナフチル、2−ナフチルなど)、置換されてい
てもよいアラルキル基(C6-12アリール−C1-4アルキ
ル)(例、ベンジル、フェネチルなど)などが挙げられ
る。該置換されていてもよいアリール基および置換され
ていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、低級(C1-4)
アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、t−ブチルなど)でエステル化されていて
もよいカルボキシル基などが挙げられる。
【0043】該「置換されていてもよいアミノ基」の置換
基としては、例えば低級(C1-4)アルキル(例、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル
など)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルな
ど)、置換されていてもよいC6-12アリール基(例、フェ
ニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど)、置換されて
いてもよいアラルキル基(C6-12アリール−C1-4アル
キル)(例、ベンジル、フォネチルなど)などが挙げられ
る。該置換されていてもよいアリール基および置換され
ていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、低級(C1-4)
アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、t−ブチルなど)でエステル化されていて
もよいカルボキシル基などが挙げられる。また、2個の
窒素原子上の置換基が窒素原子と一緒になって環状アミ
ノ基を形成していてもよく、このような環状アミノ基の
例としては、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、ピ
ペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、1−ピペラジ
ニルなど、さらに、N、O、Sのヘテロ原子を環構成原
子として含んでいてもよい4〜7員環状アミノ基が挙げ
られる。
【0044】環Jとしては、R1,R2,−(CH2)n−Xで
示される基以外に、置換可能な位置に、オキソまたはチ
オキソ、特にオキソが置換しているものが好ましい。
【0045】環Aと環Jとからなる縮合環としては、例
えば
【0046】
【化25】
【0047】などが好ましい。
【0048】Xで示される「置換されていてもよいホス
ホン酸基」としてはホスホン酸基(すなわちホスホノ
基)の他に、例えばエステル化、チオエステル化または
アミド化されているホスホン酸基などが挙げられる。該
エステル化されているホスホン酸基としては、例えば低
級炭化水素ホスホン酸エステル[例、ジメチルホスホン
酸エステル、ジエチルホスホン酸エステル、ジプロピル
ホスホン酸エステル、ジイソプロピルホスホン酸エステ
ル、ジブチルホスホン酸エステル、ジt−ブチルホスホ
ン酸エステルなどのジC1-5アルキルホスホン酸エステ
ル、ジフェニルホスホン酸エステルなどのジC6-12アリ
ールホスホン酸エステル、ジベンジルホスホン酸エステ
ルなどのジ(C6-12アリール−C1-4アルキル)ホスホン
酸エステル等]を形成しているホスホン酸基が挙げられ
る。該チオエステル化されているホスホン酸基として
は、例えば前記低級炭化水素ホスホン酸エステルと同様
の低級炭化水素を有する低級炭化水素ホスホン酸チオエ
ステルを形成しているホスホン酸基が挙げられる。該ア
ミド化されているホスホン酸基としては、置換されてい
てもよいホスホン酸アミドを形成しているホスホン酸基
が挙げられる。該ホスホン酸アミドのアミドを構成する
アミノ基としてはアミノ基の他に、低級炭化水素アミノ
基、例えばC1-5アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エ
チルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブ
チルアミノ、t−ブチルアミノ)、C6-12アリール−C
1-4アルキルアミノ(例、ベンジルアミノ)、C6-12
リールアミノ(例、フェニルアミノ)、ピペリジノ、モ
ルホリノ、チオモルホリノ、ピロリジノ等を挙げること
ができる。
【0049】Xで示される「アミド化されていてもよい
スルホン酸基」としては、スルホン酸基(すなわちスル
ホ基)の他に、スルホン酸アミドを形成しているスルホ
ン酸基が挙げられる。該スルホン酸アミドのアミドを構
成するアミノ基としてはアミノ基の他に、低級炭化水素
アミノ基、例えばC1-6アルキルアミノ(例、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミ
ノ、ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、ヘキシルアミ
ノ、1−メチルペンチルアミノ、2−メチルペンチルア
ミノ、3−メチルペンチルアミノ、4−メチルペンチル
アミノ、1,1−ジメチルブチルアミノ、2,2−ジメチ
ルブチルアミノ、ペンチルアミノ、1−メチルヘキシル
アミノ、2−メチルヘキシルアミノ、3−メチルヘキシ
ルアミノ、4−メチルヘキシルアミノ、5−メチルヘキ
シルアミノ等)、C6-12アリール−C1-4アルキルアミノ
(例、ベンジルアミノ)、C6-12アリールアミノ(例、
フェニルアミノ)、ピペリジノ、モルホリノ、チオモル
ホリノ、ピロリジノ等を挙げることができる。
【0050】Xで示される「アミド化されていてもよい
スルフィン酸基」としては、スルフィン酸基(すなわち
スルフィノ基)の他に、スルフィン酸アミドを形成して
いるスルフィン酸基が挙げられる。該スルフィン酸アミ
ドのアミドを構成するアミノ基としては、アミノ基の他
に、上記Xで示されるアミド化されていてもよいスルホ
ン酸基について例示した低級炭化水素アミンが挙げられ
る。
【0051】式(VI)中のYで示される脱離基として
は、例えばメタンスルホニルオキシ等のC1-3アルキル
スルホニルオキシ,トルエンスルホニルオキシ,ベンゼン
スルホニルオキシ等の(置換されていてもよいC6-12
リール)−スルホニルオキシなどが挙げられる。式(V
II)中のR3で示される炭化水素基としては、例えば
前記Xで示される置換されていてもよいホスホン酸基を
構成する低級炭化水素基が挙げられる。式(I−1)中
のX1で示されるエステル化されていてもよいホスホン
酸基としては、前記Xで示される置換されていてもよい
ホスホン酸基として例示した基が挙げられる。式(XI
I)または式(XIII)中のWで示されるハロゲン原
子としては、例えばフッ酸素、塩素、臭素、ヨウ素が挙
げられる。式(I−3)中のX3で示されるエステル
化、チオエステル化またはアミド化されているホスホン
酸基、アミド化されているスルホン酸基またはアミド化
されているスルフィン酸基としては、例えば前記Xで示
されるこれらの基として例示したものが挙げられる。式
(I)で表される化合物のうち、好ましい化合物として
例えば、式(I'):
【0052】
【化26】
【0053】[式中、環A'は置換されていてもよいベン
ゼン環を示し、他の記号は式(I)の意義に同じ]で表
される化合物が挙げられる。環A'は、環Aで示される
置換されていてもよいベンゼン環と同じ意義である。と
りわけ、式(I')で表される化合物の場合、通常、3
位、5位に関して光学活性体が好ましく、又7員環に対
し、3位のR2と5位の-(CH2)n-Xが互いに反対方向
になっているトランス体が好ましい。
【0054】式(I)で表される化合物[式(I−
1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)で表される
化合物を包含する]の塩、あるいは式(VI)、(VI
II)、(XII)、(XIII)、(XIV)で表さ
れる化合物の塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機塩、例えば酢酸
塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマール酸塩、マレイン酸
塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有
機酸塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、アルミニウム塩等の金属塩、例えばトリエチルアミ
ン塩、グアニジン塩、アンモニウム塩、ヒドラジン塩、
キニーネ塩、シンコニン塩等の塩基の塩等の薬理学的に
許容されうる塩が挙げられる。
【0055】式(I)で表される化合物の好ましい具体
例としては、[(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−
ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ
−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼ
ピン−3−イル]メチルホスホン酸ジアミド、[(3S,5
S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]メチル
ホスホン酸ジメチルアミド、[(3S,5S)−7−クロロ
−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチ
ル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾオキサゼピン−3−イル]メチルホスホン酸ビス
(ジメチルアミド)、[(3S,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾ
オキサゼピン−3−イル]メチルホスホン酸ジエチルア
ミド、[(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメト
キシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン
−3−イル]メチルホスホン酸ジフェニルアミド、[(3
S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テ
トラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]メ
チルホスホン酸ジベンジルアミド、[(3S,5S)−7−
クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオ
ペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]メチルスルホン
酸メチルアミド、[(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,
3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−イル]メチルスルホン酸ジメチルアミ
ド、[(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキ
シフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3
−イル]メチルスルホン酸エチルアミド、[(3S,5S)
−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1
−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒ
ドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]メチルス
ルホン酸フェニルアミド、[(3S,5S)−7−クロロ−
5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル
−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−イル]メチルスルホン酸ベンジ
ルアミドが挙げられる。
【0056】本発明の式(I)で表される化合物の製造
法の好ましい具体例を以下に述べる。
【0057】
【化27】
【0058】[式中、Yは脱離基を、R3は炭化水素基を
示し、他の記号は前記と同意義] 式(V)で示される化合物は、式(II)で示される化合
物を、溶媒中塩基の存在下、ジフェニルホスホリルアジ
ドと反応させ式(IV)で表される化合物を得、さらに得
られた生成物を溶媒中酸で処理することにより製造する
ことができる。式(II)で表される化合物とジフェニル
ホスホリルアジドとの反応において用いられる溶媒は、
反応を妨げない限りいずれでもよく、例えば、ジメチル
ホルムアミドやジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロ
ホルム等のハロゲン系溶媒,ジエチルエーテル,テトラヒ
ドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒などが挙げ
られる。用いられる塩基としては、主にトリエチルアミ
ン,4−ジメチルアミノピリジン,トリエチレンジアミ
ン,テトラメチルエチレンジアミンなどが挙げられる。
式(II)で表される化合物1モルに対し、ジフェニルホ
スホリルアジドは1〜10モル当量、好ましくは1.5
〜3モル当量程度用いる。反応温度は−20〜50℃、
好ましくは0〜20℃程度である。反応時間は0.5〜
5時間、好ましくは1〜2時間程度である。以上の反応
により得られた式(IV)で表される化合物を酸で処理
する場合、用いられる溶媒は、水,ジオキサン,ジメチル
ホルムアミドなどが挙げられ、用いられる酸としては、
硫酸,塩酸,硝酸,臭化水素酸などの鉱酸が挙げられる。
反応温度は20〜200℃、好ましくは50〜100℃
程度であり、反応時間は0.5〜5時間、好ましくは1
〜2時間程度である。
【0059】式(III)で示される化合物のうちn=2
の場合は、式(II)で示される化合物は、式(II)で示
される化合物を自体公知の方法により低級アルキルエス
テル(例、メチルエステル,エチルエステル等)に導いた
り、塩化炭酸エチルエステルで酸無水物に導いた後、得
られた化合物を還元反応に付すことにより製造すること
ができる。例えば、プロトン性溶媒(例、メタノール,エ
タノール,プロパノール,ブタノールなど)もしくは非プ
ロトン性溶媒(例えば、エチルエーテル,テトラヒドロフ
ラン,ジオキサン等)の溶媒中、金属水素錯化合物(例え
ば、水素化アルミニウムリチウム,水素化アルミニウム
ナトリウム,水素化ホウ素ナトリウムなど)で処理するこ
とにより製造することができる。このような金属水素錯
化合物は、式(II)で表される化合物の低級アルキルエ
ステルまたは酸無水物1モルに対して、通常0.3〜5
モル当量、好ましくは0.5〜2モル当量程度用いられ
る。また反応温度は−20〜100℃、好ましくは0〜
20℃程度である。反応時間は通常0.5〜10時間、
好ましくは1〜3時間程度である。
【0060】また式(III)(n=1)で示される化合物
は、式(V)で示される化合物のアミン部分を水酸基に変
換することによっても製造することができる。例えば式
(V)で示される化合物を溶媒中酸存在下、亜硝酸ナトリ
ウムを加えた後、得られたジアゾ化合物を溶媒中、塩基
存在下で処理することにより製造することができる。ジ
アゾ化する方法としては、例えば、水又は含水のジオキ
サンや含水のジメチルホルムアミド等の溶媒中、式(V)
で示される化合物1モルに対し、亜硝酸ナトリウム0.
5〜3モル当量、好ましくは1〜1.5モル当量用い
る。用いられる酸は、反応を妨げない限りいずれでもよ
く、例えば酢酸、硫酸等が主に用いられる。反応温度は
−20〜20℃、好ましくは0〜5℃、反応時間は5〜
60分、好ましくは10〜30分程度である。
【0061】式(VI)で示される化合物の製造は、式
(III)で示される化合物を例えば、ジエチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶
媒、ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム,四
塩化炭素などのハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘ
キサン,ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルム
アミド,ジメチルスルホキシド酢酸エチルエステルなど
の溶媒中、必要により水および塩基(例えば、4−ジメ
チルアミノピリジン,トリエチルアミン,トリエチレンジ
アミン,トリエチレンジアミン,テトラメチルエチレンジ
アミンなどの有機塩基や、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナ
トリウム、水素化カリウム等)の存在下に、ハロゲン化
アルカンスルホン酸(例、塩化メタンスルホン酸)、ハ
ロゲン化置換ベンゼンスルホン酸(例、塩化トルエンス
ルホン酸)、ハロゲン化ベンゼンスルホン酸(例、塩化
ベンゼンスルホン酸)を反応させて行なうことができ
る。式(III)で表される化合物1モルに対して、ハロ
ゲン化アルカンスルホン酸、ハロゲン化置換ベンゼンス
ルホン酸、ハロゲン化ベンゼンスルホン酸は、通常1〜
10モル量、好ましくは1〜3モル量程度用いられる。
また反応温度は−50〜100℃、好ましくは0〜50
℃程度である。反応時間は通常1〜48時間、好ましく
は5〜10時間程度である。
【0062】式(Ia)で示される化合物は、式(VI)で
示される化合物と、式(VII)で示される化合物を、例
えば溶媒を用いず、又はジエチルエーテル,テトラヒド
ロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメ
タン,ジクロロエタン,クロロホルム,四塩化炭素などの
ハロゲン系溶媒、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ヘプタ
ン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド,ジメチ
ルスルホキシドの溶媒中、式(VI)で示される化合物1
モルに対し、式(VII)で示される化合物を通常1〜1
0モル当量、好ましくは1〜3モル当量程度用い、また
反応時間は0℃〜200℃、好ましくは70℃〜150
℃程度、反応時間は、3時間〜48時間、好ましくは1
0〜20時間程度で製造することができる。
【0063】式(Ib)で示される化合物は、式(Ia)で示
される化合物を、テトラヒドロフラン,ジオキサン,メタ
ノール,エタノール等の有機溶媒中、硝酸,塩酸,臭化水
素酸,硫酸などの無機酸、トルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸などの有機酸存在下で加水分解することによ
り製造することができる。反応温度としては−20〜2
00、好ましくは70〜120℃程度である。反応時間
は通常10分〜3時間、好ましくは0.5〜1時間程度
である。
【0064】
【化28】
【0065】[式中、各記号は前記と同意義] 式(VIII)で示される化合物は、式(VI)で示される
化合物に、メタノール,エタノール,プロパノール等のア
ルコール系溶媒中、チオシアン化カリウム,チオシアン
化ナトリウムを反応させることにより製造することがで
きる。式(VI)で示される化合物1モルに対し、チオシ
アン化ナトリウム又はチオシアン化カリウムは1〜10
モル当量、好ましくは1〜3モル当量、反応温度は0℃
〜200℃、好ましくは100℃〜150℃、反応時間
は5時間〜24時間、好ましくは10時間〜15時間程
度である。
【0066】式(I−2)で示される化合物は、式(VI
II)で示される化合物を、テトラヒドロフラン,ジオキ
サン等の溶媒中、過酸化水素水溶液と水酸化ナトリウム
や水酸化カリウム水溶液と反応させて酸化することによ
り製造することができる。式(VIII)で示される化合
物1モルに対し、過酸化水素として1〜10モル当量、
好ましくは1〜5モル当量用い、水酸化ナトリウム又は
水酸化カリウム水溶液としては0.1規定〜10規定、
好ましくは0.5〜2規定溶液を用い、反応温度は−2
0℃〜50℃、好ましくは0℃〜10℃程度、反応時間
は0.1〜10時間、好ましくは0.5〜3時間程度であ
る。
【0067】式(I−3)で示される化合物は、式(I
b)、式(I−2)又は式(I−4)で示される化合物にハ
ロゲン化剤を反応させ、得られた酸ハロゲン化物にアル
コール、チオール又はアミンを反応させることにより製
造することができる。
【0068】酸ハロゲン化物を得る反応は、溶媒を用い
ず、又はジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキ
サン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,クロロホル
ム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン,ヘキサ
ン,トルエン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチルエステル,
ジメチルホルムアミド等の溶媒中、ジメチルホルムアミ
ドを溶媒として用いない場合には必要に応じてジメチル
ホルムアミドを添加して行う。ハロゲン化剤としては、
例えば五塩化リン,オキシ塩化リン,塩化チオニル又は塩
化オキザリルが挙げられ、これらを式(Ib)、式(I−
2)又は式(I−4)で示される化合物1モルに対し1
〜10モル当量、好ましくは1〜3モル当量加える。反
応温度は−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜5
0℃、反応時間は10分〜10時間、好ましくは30分
〜2時間程度である。
【0069】酸ハロゲン物とアルコール、チオアルコー
ル又はアミンとの反応は、メタノール,エタノール,プロ
パノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル,テ
トラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジ
クロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系
溶媒、酢酸エチルエステル,ジメチルホルムアミド,ジメ
チルスルホキシド等の溶媒中で行なうことができる。ア
ルコール、チオアルコールまたはアミンとしては、X'
で示される各基を与えるものから適宜選ばれる。アルコ
ール、チオール又はアミンは酸ハロゲン化物1モルに対
し、1〜100モル当量、好ましくは1〜10モル当量
使用する。反応温度は0℃〜100℃、好ましくは0℃
〜50℃、反応時間は0.1〜10時間、好ましくは0.
5〜3時間程度である。
【0070】また、式(I−4)で表される化合物は、
式(I−2)で表される化合物から式(IX)で示され
る化合物を製造する際に合成される酸ハロゲン化物を適
当な溶媒中で還元することにより製造することができ
る。還元剤としては、例えば金属水素化物、金属水素錯
化合物などが挙げられ、具体的には水素化リチウムアル
ミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられる。
還元剤は、酸ハロゲン化物1モルに対して0.2〜3モ
ル当量、好ましくは0.5〜1モル当量使用する。溶媒
としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒などが挙げられる。
反応温度は−50℃〜50℃、好ましくは−20℃〜3
0℃、反応時間は0.5〜10時間、好ましくは1〜3
時間程度である。
【0071】前記の各方法で得られた式(I)に包含さ
れる化合物は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより分離精製することができる。
【0072】また、前記各反応において、原料化合物
は、置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基を有する場合、これらの基にペプチド化学などで
一般的に用いられるような保護基が導入されたものであ
ってもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去するこ
とにより目的化合物を得ることができる。
【0073】アミノ基の保護基としては、例えば置換基
を有していてもよいC1-6アルキルカルボニル(例えば
ホルミル、メチルカルボニル、エチルカルボニルな
ど)、フェニルカルボニル、C1-6アルキル−オキシカ
ルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニルなど)、フェニルオキシカルボニル(例えば、ベ
ンズオキシカルボニルなど)、C7-10アラルキルオキシ
−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルな
ど)、トリチル、フタロイルなどが用いられる。これら
の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、
クロロ、ブロモ、ヨード、など)、C1-6アルキル−カ
ルボニル(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニ
ル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基などが用いら
れ、置換基の数は1ないし3個程度である。カルボキシ
ル基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよ
いC1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、フ
ェニル、トリチル、シリルなどが用いられる。これらの
置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、ク
ロロ、ブロモ、ヨードなど)、C1-6アルキルカルボニ
ル(例えば、ホルミル、メチルカルボニル、エチルカル
ボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基などが用い
られ、置換基の数は1ないし3個程度である。
【0074】ヒドロキシル基の保護基としては、例えば
置換基を有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなど)、フェニル、C7-10アラルキル
(例えば、ベンジルなど)、C1-6アルキルカルボニル
(例えば、ホルミル、メチルカルボニル、エチルカルボ
ニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7-10アラル
キルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカル
ボニルなど)、ピラニル、フラニル、シリルなどが用い
られる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例え
ば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなど)、C1-6
アルキル、フェニル、C7-10アラルキル、ニトロ基など
が用いられ、置換基の数は1ないし4個程度である。ま
た、保護基の導入および除去方法としては、それ自体公
知またはそれに準じる方法(例えば、プロテクティブ
グループス イン オーガニックケミストリー、J.F.
W.McOmieら、プレネムプレス社に記載の方法)が用
いられるが、除去方法としては例えば酸、塩基、還元、
紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチル
ジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニ
ウムフルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方法が
用いられる。かくして得られる化合物(I)が遊離体で
得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じ
る方法(例えば、中和など)によって塩に変換すること
ができ、逆に塩で得られた場合には自体公知の方法ある
いはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変
換することができる。さらに、化合物(I)が光学活性
体である[例えば、化合物(I')の場合、3位と5位の
置換基の絶対配置がR配置かS配置かにより4種の異性
体が存在する]場合は、通常の光学分割手段により分離
することができる。
【0075】尚、出発物質である式(II)で表される化
合物は、前記、ヨーロッパ特許出願公開第567026
号、同645378号、WO95/21834に記載の
方法又はそれに準じる方法により製造することができ
る。
【0076】本発明における式(I)で表わされる化合物
またはその塩(以下、その塩も含めて、単に式(I)の化
合物又は化合物(I)と称することがある)は、低毒性で
あり、スクアレン合成酵素阻害作用、トリグリセライド
低下作用を有し、すぐれた脂質低下作用を有するので、
哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、犬、ネコ、
牛、豚、サル、ヒト等)の高コレステロール血症、高ト
リグリセライド血症等の高脂血症の予防又は治療に有用
であり、また腎炎、腎症などの腎疾患、動脈硬化、虚血
性疾患、心筋梗塞、狭心症、動脈瘤、脳動脈硬化、末梢
動脈硬化症、血栓症、糖尿病(例えば、インスリン抵抗
性に基づく型など)、膵障害、経皮的冠動脈形成術(PT
CA)後の再狭搾の予防または治療に有用である。
【0077】以下、本発明の有用性をさらに詳しく述べ
る。式(I)の化合物のトリグリセライド低下作用及びコ
レステロール低下作用並びにそれらの生物学的性質を考
えると、高脂血症、特に高トリグリセライド血症、高リ
ポタンパク血症および高コレステロール血症並びにそれ
から生じるアテローム性動脈硬化血管病変およびそれら
の続発症、例えば、冠動脈疾患、脳虚血、間欠性跛行、
壊疽等の治療および予防に特に適している。これらの疾
患の治療において、一般式(I)の化合物は単独で治療の
ために使用されてもよく、またはその他の脂質低下薬ま
たはコレステロール低下薬を含む他の医薬成分と共に使
用されてもよく、この場合、これらの化合物は経口製剤
として投与されることが好ましく、また必要により直腸
製剤として坐薬の形態で投与されてもよい。この場合の
可能な組み合わせ成分は、例えばフィブレート類[例、
クロフィブレート、ベンザフィブレート、ジェムフィプ
ロジル等],ニコチン酸、その誘導体および類縁体[例、
アシピモックスおよびプロブコール],胆汁酸結合樹脂
[例、コレスチラミン、コレスチポール等],コレステロ
ール吸収を抑制する化合物[例、シトステロールやネオ
マイシン等],コレステロール生合成を阻害する化合物
[例、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン
等のHMG−CoA還元酵素阻害薬],スクアレンエポキ
シダーゼ阻害薬[例、NB−598および類縁化合物等]
が挙げられる。更に別の可能な組み合わせ成分は、オキ
シドスクアレン−ラノステロールサイクラーゼ、例えば
デカリン誘導体、アザデカリン誘導体およびインダン誘
導体である。
【0078】加えて、一般式(I)の化合物は、高カイロ
ミクロン血症に関連する疾患、例えば、急性膵炎の治療
に適している。膵炎発症の機序については、カイロミク
ロンによって膵毛細血管に微小塞栓がおこる。あるいは
高カイロミクロン血症のため膵リパーゼによってトリグ
リセライドが分解されて生成する遊離脂肪酸が増加し局
所を強く刺激するためにおこるともいわれている。した
がって、本発明の式(I)の化合物はトリグリセライド低
下作用を有するので膵炎の治療が可能であり、単独で、
または既知の治療法と組み合わせて膵炎の治療に使用し
得る。本疾患の治療のために、式(I)の化合物は経口投
与または局所投与でき、またはそれらの単独であるいは
既知の活性化合物と組み合わせて使用し得る。この場合
の可能な組み合わせ成分は、例えば抗酵素療用にアプロ
チニン(トラジロール),メシル酸ガベキサート(エフオー
ワイFOY),メシル酸ナファモスタット(フサン),シチ
コリン(ニコリン),ウリナスタチン(ミラクリッド)等が
あげられる。又疼痛の除去の目的で、抗コリン作動薬、
非麻薬性鎮痛薬、麻薬も使用される。一般式(I)の化合
物の更に注目に値する適用例として、続発性高脂血症が
ある。これには、糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフロー
ゼ症候群あるいは慢性腎不全などが含まれ、これらの疾
患によった高脂血症が発症するが、多くの場合、高脂血
症がこれらの疾患を憎悪させる、いわゆる悪循環を形成
しているといわれている。脂質低下作用から考えて、一
般式(I)の化合物はこれらの疾患の治療および進展予防
にも適しており、その際それらは単独で、または以下に
挙げる医薬と組み合わせて投与できる。
【0079】糖尿病治療薬:キネダック,ベンフィル,ヒ
ューマリン,オイグルコン,グリミクロン,ダオニール,ノ
ボリン,モノタード,インシュリン類,グルコバイ,ジメリ
ン,ラスチノン,バシルコン,デアメリンS,イスジリン
類; 甲状腺機能低下症治療薬:乾燥甲状腺(チレオイド),レボ
チロキシンナトリウム(チラージンS),リオチロニジン
ナトリウム(サイロニン、チロミン); ネフローゼ症候群治療薬:通常、第一選択として採用さ
れるステロイド療法には、プレドニゾロン(プレドニ
ン),コハク酸プレドニゾロンナトリウム(プレドニン),
コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(ソル・メド
ロール),ベタメタゾン(リンデロン)等が用いられる。又
抗凝固療法にはジピリダモール(ペルサンチン),塩酸ジ
ラゼプ(コメリアン)等の抗血小板薬が用いられる; 慢性腎不全治療薬:利尿薬[例、フロセミド(ラシック
ス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイアー
ト)],降圧薬(例、ACE阻害薬、(マレイン酸エナラプ
リル(レニベース))及びCa拮抗薬(マニンヒロン),α受
容体遮断薬などと組み合わせて、投与する際、好ましく
は経口投与で使用し得る。
【0080】本発明の一般式(I)の化合物の更に可能な
用途は、血栓形成の抑制である。血中トリグリセライド
値と血液凝固に関与する第VII因子とは正相関し、ω
−3系脂肪酸の摂取によりトリグリセライドが低下する
と共に、凝固は抑制されることから、高TG血症が血栓
形成を促進するとも考えられている。また、正脂血症者
よりも高脂血症患者のVLDLが血管内皮細胞からのプ
ラスミノーゲンアクチベータインヒビター分泌を強く増
加させたことから、トリグリセライド(以下TG)が線溶
能を低下させるとも考えられる。それゆえ、TG低下作
用から考えて、一般式(I)の化合物は血栓形成の予防お
よび治療に適している。その際それらは単独で、または
既知の下記治療と組み合わせて、好ましくは経口投与で
使用し得る。 血栓形成予防治療薬:血液凝固阻止薬[例、ヘパリンナト
リウム,ヘパリンカルシウム,ワルファリンカルシウム
(ワーファリン)],血栓溶解薬[例、ウロキナーゼ],抗血
小板薬[例、アスピリン,スルフィンピラゾロ(アンツー
ラン);ジピリダモール(ペルサンチン),チクロピジン(パ
ナルジン),シロスタゾール(プレタール)] 化合物(I)は経口的に、あるいは非経口的に、注射、点
滴、吸入法、直腸投入、あるいは局所投与により用いる
ことができ、そのまま、あるいは医薬品組成物の製剤
(例えば、粉末、顆粒、錠剤、ピル剤、カプセル剤、注
射剤、シロップ剤、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸
濁剤、溶液剤など)として用いることができる。すなわ
ち少なくとも一つの本発明の化合物を単独で、あるいは
医薬として許容される担体(アジュバンド剤、賦形剤、
補形剤及び/又は希釈剤など)と混合して用いることが
できる。
【0081】医薬用の組成物は通常の方法にしたがって
製剤化することができる。かかる製剤は通常活性成分を
賦形剤、希釈剤、担体等の添加剤と混合/練合すること
により製造することができる。本明細書において、非経
口とは、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注
射あるいは点滴法などを含むものである。注射用調剤、
例えば、無菌注射用水性懸濁物あるいは油性懸濁物は、
適当な分散化剤または湿化剤及び懸濁化剤を用いて当該
分野で知られた方法で調製されうる。その無菌注射用調
剤は、また、例えば水溶液などの非毒性の非経口投与す
ることのできる希釈剤あるいは溶剤中の無菌で注射ので
きる溶液または懸濁液であってよい。使用することので
きるベーヒクルあるいは溶剤として許されるものとして
は、水、リンゲル液、等張食塩液などがあげられる。さ
らに、通常溶剤または懸濁化溶媒として無菌の不揮発性
油も用いられうる。このためには、いかなる不揮発性油
も脂肪酸も使用でき、天然あるいは合成あるいは半合成
の脂肪性油又は脂肪酸、そして天然あるいは合成あるい
は半合成のモノあるいはジあるいはトリグリセライド類
も含められる。直腸投与用の座剤は、その薬物と適当な
非刺激性の補形剤、例えば、ココアバターやポリエチレ
ングリコール類といった常温では固体であるが腸管の温
度では液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するものな
どと混合して製造されることができる。
【0082】経口投与用の固形投与剤型としては、粉
剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上記した
ものがあげられる。そのような剤型の製剤は、活性成分
化合物と、少なくとも一つの添加物、例えば、ショ糖、
乳糖(ラクトース)、セルロース糖、マンニトール(D−
マンニトール)、マルチトール、デキストラン、デンプ
ン類(例、コーンスターチ)、微結晶セルロース、寒天、
アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、
トラガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラ
ーゲン類、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成のポ
リマー類又はグリセリド類とを混合及び/又は練合する
ことにより製造することができる。そのような剤型物は
また、通常の如く、さらなる添加物を含むことができ、
例えば不活性希釈剤、ステアリン酸、マグネシウムなど
の滑沢剤、パラベン類、ソルビン類などの保存剤、アス
コルビン酸、α−トコフェロール、システインなどの抗
酸化剤、崩壊剤(例、クロスカロメロースナトリウム)、
結合剤(例、ヒドロキシプロピルセルロース)、増粘剤、
緩衝化剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、パーフュー
ム剤などがあげられる。錠剤及びピル剤はさらにエンテ
リックコーティングされて製造されることもできる。経
口投与用の液剤は、医薬として許容されるエマルジョン
剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などが
あげられ、それらは当該分野で普通用いられる不活性希
釈剤、例えば水及び必要により添加物を含んでいてもよ
い。これら経口用液剤は、活性成分化合物と不活性希釈
剤、及び必要により他の添加剤を混合する等慣用方法に
従い、製造することができる。
【0083】経口投与剤には剤形にもよるが、通常0.
01〜99重量%、好ましくは0.1〜70重量%、通
常0.5〜50%の本発明の活性成分化合物を配合する
のがよい。ある特定の患者の投与量は、年令、体重、一
般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄
速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行って
いる病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を
考慮して決められる。本発明の化合物(I)を含有してな
るトリグリセライド低下剤等の脂質低下剤は、低毒性で
安全に使用することができ、その1日の投与量は患者の
状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なる
が、例えば、高脂血症予防、治療剤として使用する場
合、成人(体重約60kgとして)1日当たりの投与量は、
経口剤の場合有効成分[化合物(I)]として、約1〜50
0mg、好ましくは約10〜200mgであり、非経口剤の
場合、有効成分として約0.1〜100mg、好ましくは
約1〜50mg、通常約1〜20mgであり、この範囲では
何ら毒性は見られず、効果を奏する。
【0084】
【実施例】以下に実施例、実験例および製剤例を示し
て、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。尚、以下の記載において、
−(CH2)n−X及びR2が飽和炭素に結合する時、化合
物の種類によっては、立体異性体が得られることがあ
る。ここで環J面に対して、−(CH2)n−X及びR2
同方向を向いている異性体をシス、逆方向を向いている
異性体をトランスとする。尚、実施例で用いる略号は、
次のような意義を有する。 s:シングレット、br:ブロード(幅広い)、d:ダブレ
ット、dd:ダブルダブレット、td:トリプレットダブレ
ット、ddd:ダブレットダブレットダブレット、m:マル
チプレット、J:カップリング定数、Hz:ヘルツ、C
DCl3:重クロロホルム、%:重量% また室温とあるのは約15〜25℃を意味する。
【0085】実施例1 2−[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキ
シフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3
−イル]エチルホスホン酸ジエチルエステル
【0086】
【化29】
【0087】(1)(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,
3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−酢酸(5g)とN−メチルモルホリン(1.
3g)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液に、塩化炭酸エ
チルエステル(1.4g)を0℃で滴下した。反応液を0℃
で1時間撹拌後、水素化ホウ素ナトリウム(1.2g)、メ
タノール(50ml)を加え、さらに1時間撹拌した。1規
定塩酸(100ml)を加え、酢酸エチル(100ml×2)で
抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、続
いて水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を除き、残渣を酢酸エチルエステル−ヘキサンより再結
晶し、融点177−179℃の無色結晶4.1gを得た。
【0088】(2)(1)で得た化合物(4.0g)を塩化メタ
ンスルホニル(1.13g)、トリエチルアミン(1.35g)
の酢酸エチル溶液を0℃で30分間撹拌した。水洗後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘ
キサン:酢酸エチルエステル=2:1(v/v))で分離精製
し、油状化合物4.6gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.95(9H,s),2.25−
2.35(2H,m),2.94(3H,s),3.37(1H,d,J
=13.8Hz),3.63(3H,s),3.90(3H,s),4.
05(1H,dd,J=5.4,7.2Hz),4.36−4.44
(2H,m),4.51(1H,d,J=13.8Hz),6.28(1
H,s),6.62(1H,d,J=2.0Hz),6.97−7.3
8(5H,m)
【0089】(3)(2)で得た化合物(2.0g)とトリエ
チルホスファイト(1.94g)の混合物を150℃で2時
間加熱した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:2(v
/v))で分離精製し油状化合物0.7gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.94(9H,s),1.33(6
H,t,J=7.0Hz),1.68−2.20(4H,m),3.3
4(1H,d,J=13.8Hz),3.63(3H,s),3.90
(3H,s),4.00−4.17(4H,m),4.51(1H,d,
J=13.8Hz),6.26(1H,s),6.61(1H,d,J
=2.0Hz),6.97−7.32(5H,m)
【0090】実施例2 2−[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキ
シフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3
−イル]エチルホスホン酸
【0091】
【化30】
【0092】実施例1−(3)で得た化合物(0.7g)のジ
オキサン(7ml)溶液に、濃塩酸(7ml)を加え、30分間
加熱還流した。水(100ml)を加え、酢酸エチルエステ
ル(50ml×2)で抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液
で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去
し、無色油状化合物0.40gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.93(9H,s),1.7−2.
3(4H,m),3.33(1H,brd,J=14.2Hz),3.6
2(3H,s),3.89(3H,s),4.01(1H,t,J=7.4H
z),4.50(1H,d,J=14.0Hz),6.25(1H,s),
6.59(1H,s),6.96−7.29(5H,m)
【0093】実施例3 [(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]メチルホスホン酸ジエチルエステル
【0094】
【化31】
【0095】(1)(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,
3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−酢酸(10g)のジメチルホルムアミド(1
00ml)溶液に、トリエチルアミン(3.3ml)を加え、室
温でジフェニルリン酸アジド(6.5g)を滴下し、室温で
30分間撹拌した。氷水に注ぎ、酢酸エチルエステル
(100ml)で抽出後水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を留去し、残留物をトルエン(100ml)に溶
解し、1時間加熱還流した。溶媒を留去し、残渣に濃塩
酸(100ml)を加え、10分間加熱還流した。溶媒を留
去し、残渣に水(100ml)を加え、水酸化ナトリウムで
中和後、酢酸エチルエステル(100ml)で抽出した。水
で洗浄後、乾燥し、溶媒を留去し、ジエチルエーテル−
ヘキサンより再結晶し、融点120−128℃の無色結
晶6.8gを得た。
【0096】(2)(1)で得た化合物(5g)を酢酸(37.
5ml)と水(50ml)の混合溶媒に溶かし、氷冷下、亜硝
酸ナトリウム(1.9g)を水(6ml)に溶解した溶液を滴下
し、さらに室温で1.5時間撹拌した。氷水中に投入
し、酢酸エチルエステル(100ml)で抽出後、1規定水
酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄後、乾燥し、溶媒を留
去した。残留物をメタノール(120ml)に溶解し、5%
炭酸カリウム水溶液(37.5ml)を加え、60℃で0.5
時間加温した。水(200ml)に注ぎ、酢酸エチルエステ
ル(50ml×2)で抽出後、水洗し、乾燥後濃縮した。残
渣を酢酸エチルエステル−ヘキサンより再結晶し、融点
170−173℃の無色結晶3.3gを得た。
【0097】(3)(2)で得た化合物(1g)を塩化メタン
スルホニル(0.29g)より実施例1−(2)と同様の操作
により、非結晶性固体1.2gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.95(9H,s),3.06(3
H,s),3.37(1H,d,J=13.8Hz),3.63(3H,
s),3.90(3H,s),4.17(1H,dd,J=5.8,6.0
Hz),4.46(1H,dd,J=5.8,10.4Hz),4.50
(1H,d,J=13.8Hz),4.05(1H,dd,J=6.0,
10.4Hz),6.31(1H,s),6.65(1H,d,J=2.
0Hz),6.98−7.0(1H,m),7.20−7.36(4
H,m).
【0098】(4)(3)で得た化合物(0.1g)とトリエチ
ルホスファイト(0.49g)を用い、実施例1−(3)と同
様な操作により融点157−159℃の無色結晶36mg
を得た。 元素分析値C2737ClNO7Pとして 理論値 C58.54 H6.73 N2.53 実測値 C58.22 H6.68 N2.54
【0099】実施例4 [(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]メチルホスホン酸
【0100】
【化32】
【0101】実施例3−(4)で得た化合物(0.5g)を実
施例2と同様の操作により融点240−243℃の無色
結晶0.38gを得た。 元素分析値C2329ClNO7Pとして 理論値 C55.48 H5.87 N2.81 実測値 C55.23 H5.74 N2.56
【0102】実施例5 [(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]メチルスルホン酸ナトリウム塩
【0103】
【化33】
【0104】(1)実施例3−(3)で得た化合物(3g)と
チオシアン酸カリウム(1g)のエタノール溶液を封管中
130−150℃で終夜加熱した。水(200ml)を加
え、酢酸エチルエステル(100ml×2)で抽出後、水で
洗浄した。乾燥後濃縮し、残渣をジエチルエーテル−ヘ
キサンより再結晶し、融点139−141℃の無色結晶
2.36gを得た。
【0105】(2)(1)で得た化合物(0.1g)のジオキサ
ン(1ml)溶液に、30%過酸化水素水(0.1ml)を加え
氷冷し、さらに1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.25
ml)を滴下した。室温で1時間撹拌後、飽和亜硫酸水素
ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルエステル−テトラ
ヒドロフラン(1:1)混合溶液で抽出した。水洗後乾燥
し、濃縮し、残渣をジエチルエーテル−ヘキサンより再
結晶し、融点300℃以上の無色結晶85mgを得た。
【0106】実施例6 [(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]メチルスルホン酸
【0107】
【化34】
【0108】実施例5で得た化合物(1g)の水溶液(50
ml)に硫酸を加えpHを1とする。酢酸エチルエステルで
抽出し、乾燥後、濃縮し、残渣を酢酸エチルエステル−
ヘキサンより再結晶し、融点135−140℃の無色結
晶0.71gを得た。 元素分析値C2328ClNO7Sとして 理論値 C55.47 H5.67 N2.81 実測値 C55.35 H5.60 N2.57
【0109】実施例7 [(3S,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]メチルスルホン酸アミド
【0110】
【化35】
【0111】実施例6で得た化合物(0.1g)の酢酸エチ
ルエステル(2ml)溶液に、塩化オキザリル(0.035m
l)とジメチルホルムアミド(0.047ml)を加え、室温
で1時間撹拌した。これにアンモニアガス(5g)を吹き
込み、水(50ml)を加え塩酸で酸性にした後、酢酸エチ
ルエステルで抽出した。水洗後乾燥し、濃縮し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン:酢酸エチルエステル=1:1(v/v)で分離精製し、融
点215−217℃の無色結晶30mgを得た。 元素分析値C2329ClN26Sとして 理論値 C55.58 H5.88 N5.64 実測値 C55.40 H5.86 N5.36
【0112】スクアレン合成酵素阻害活性の測定法 スクアレン合成酵素阻害活性は後述の実験例1及び実験
例2で示した酵素液を使用して次のように測定される。
すなわち、5μM[1−3H]ファルネシルピロリン酸(比
活性25μCi/mole)、1mMのNADPH(還元型ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、5mMのM
gCl2、6mMのグルタチオン、100mMのリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.4)及び被験薬剤(水溶液又はDMS
O溶液として添加)を含む溶液(全量50μl)に、実験例
1及び実験例2で調製した酵素液(蛋白量0.8μg)を添
加し、37℃で45分間反応させる。150μlのクロ
ロホルム・メタノール(1:2)混液を添加して反応を停
止させ、ついで50μlのクロロホルム及び50μlの3
N水酸化ナトリウム溶液を添加する。スクアレンを主成
分とした反応生成物を含むクロロホルム層(下層)50μ
lとトルエン系液体シンチレータ3mlを混合し、液体シ
ンチレーションカウンターでその放射活性を測定する。
スクアレン合成酵素阻害活性は、クロロホルム層へ取り
込まれる放射活性を50%阻害する濃度(IC50、モル
濃度(M))で示した。
【0113】実験例1 ラット酵素の調製 SD系雄性ラット(6週令)を放血致死させた後、肝臓を
摘出する。肝臓約10gを氷冷生理食塩水で洗浄後、1
5ml氷冷緩衝液[100mMリン酸カリウム(pH7.4)、
15mMニコチンアミド、2mMのMgCl2]中でホモジナ
イズし、10000×gで20分間(4℃)遠心分離す
る。得られた上清をさらに15000×gで90分間(4
℃)遠心分離し、次いで沈査を氷冷100mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.4)に懸濁後、再度105000×g
で90分間(4℃)遠心分離する。このようにして得られ
た沈査(ミクロソーム画分)を氷冷100mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約40mg/ml、
ピアス社BCAプロテインアッセイキットで測定)し、
これを酵素液とした。
【0114】実験例2 ヒト酵素の調製 10%牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地で
培養(37℃、5%CO2存在下)し、得られたヒト肝癌
細胞HepG2(約1×109cells)を10ml氷冷緩衝液
[100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、30mM
ニコチンアミド、2.5mMのMgCl2]に懸濁後、超音波
処理(30秒間、2回)によって細胞を破砕する。得られ
たソニケートより、実験例1と同様の操作によってミク
ロソーム画分を得る。これを氷冷100mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約4mg/ml)し、
これを酵素液とした。その結果を示す。
【0115】
【表1】
【0116】製剤例 本発明の式(I)で表される縮合環化合物又はその塩を有
効成分として含有してなるスクアレン合成酵素阻害剤
は、例えば、高コレステロール血症の治療剤として使用
する場合、次のような処方によって製造することができ
る。 1.カプセル剤 (1)実施例4で得られた化合物 10mg (2)ラクトース 90mg (3)微結晶セルロース 70mg (4)ステアリン酸マグネシウム 10mg 1カプセル 180mg (1)、(2)と(3)の全量及び(4)の1/2を混和した
後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラ
チンカプセルに封入する。 2.錠剤 (1)実施例4で得られた化合物 10mg (2)ラクトース 35mg (3)コーンスターチ 150mg (4)微結晶セルロース 30mg (5)ステアリン酸マグネシウム 5mg 1錠 230mg (1)、(2)と(3)の全量及び(4)の2/3及び(5)の1
/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)及び
(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
【0117】 3.注射剤 (1)実施例4で得られた化合物のナトリウム塩 10mg (2)イノシット 100mg (3)ベンジルアルコール 20mg 1アンプル 130mg (1)、(2)及び(3)を全量2mlになるように注射用蒸留
水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で
行う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 243/04 C07D 243/04 243/12 243/12 243/24 508 243/24 508 255/04 255/04 267/22 267/22 281/10 281/10 Z 498/04 116 498/04 116 C07F 9/6527 9450−4H C07F 9/6527 //(C07D 498/04 267:08 333:10)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水素
    基を、R2は水素、置換されていてもよい炭化水素基ま
    たは置換されていてもよい芳香族複素環基を、Xは置換
    されていてもよいホスホン酸基、アミド化されていても
    よいスルホン酸基またはアミド化されていてもよいスル
    フィン酸基を、環Aは置換されていてもよいベンゼン環
    または芳香族複素環を、環Jは環構成原子として3個以
    下のヘテロ原子を含有する7または8員の複素環を、D
    は炭素原子または窒素原子を示し、環JはR1、R2及び
    −(CH2)n−X以外にさらに置換基を有していてもよ
    く、nは1または2を示す。]で表わされる化合物または
    その塩。
  2. 【請求項2】 R1が分枝状低級アルキル基である請求
    項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R2が置換されたフェニル基である請求
    項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Dが炭素原子である請求項1記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】 環Aと環Jとからなる縮合環が 【化2】 である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Xがエステル化、チオエステル化または
    アミド化されていてもよいホスホン酸基である請求項1
    記載の化合物。
  7. 【請求項7】 環Jがオキソ基で置換されている請求項
    1記載の化合物。
  8. 【請求項8】 式(I)で表される化合物が式
    (I'): 【化3】 [式中、環A'は置換されていてもよいベンゼン環を示
    し、他の記号は請求項1記載と同意義]である請求項1
    記載の化合物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の化合物を含有する組成
    物。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の化合物を含有するスク
    アレン合成酵素阻害剤。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の化合物を含有するトリ
    グリセライド低下剤。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の化合物を含有する脂質
    低下剤。
  13. 【請求項13】 高脂血症予防又は治療用である請求項
    12記載の剤。
  14. 【請求項14】 (a)式(VI): 【化4】 [式中、Yは脱離基を示し、他の記号は請求項1記載と
    同意義]で表される化合物またはその塩と式(VI
    I): P(OR3)3 (VII) [式中、R3は炭化水素基を示す]で表される化合物とを
    反応させ、必要により、加水分解して式(I−1): 【化5】 [式中、X1はエステル化されていてもよいホスホン酸基
    を示し、他の記号は請求項1記載と同意義]で表される
    化合物またはその塩を得るか; (b)式(VIII): 【化6】 [式中、各記号は請求項1記載と同意義]で表される化合
    物またはその塩を酸化し、式(I−2): 【化7】 [式中、各記号は請求項1記載と同意義]で表される化合
    物またはその塩を得るか; (c)式(XII): 【化8】 [式中、Wはハロゲン原子を、lは1または2を示し、他
    の記号は請求項1記載と同意義]で表される化合物また
    はその塩あるいは式(XIII): 【化9】 [式中、Wはハロゲン原子を示し、他の記号は請求項1
    記載と同意義]で表される化合物またはその塩とアルコ
    ール、チオール又はアミンとを反応させることにより、
    式(I−3): 【化10】 [式中、X3はエステル化、チオエステル化またはアミド
    化されているホスホン酸基、アミド化されているスルホ
    ン酸基またはアミド化されているスルフィン酸基を示
    し、他の記号は請求項1記載と同意義]で表される化合
    物またはその塩を得るか;あるいは (d)式(XIV): 【化11】 [式中、Wはハロゲン原子を示し、他の記号は請求項1
    記載と同意義]で表される化合物またはその塩を還元
    し、式(I−4): 【化12】 [式中、各記号は請求項1記載と同意義]で表される化合
    物またはその塩を得る請求項1記載の化合物の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002038180A1 (fr) * 2000-11-09 2002-05-16 Takeda Chemical Industries, Ltd. Agent haute densite faisant monter le taux de lipoproteine-cholesterol
EP1407782A1 (en) * 2001-06-28 2004-04-14 Takeda Chemical Industries, Ltd. Preventives/remedies for organ functional disorders and organ dysfunction
US9096546B2 (en) 2007-05-10 2015-08-04 Albany Molecular Research, Inc. Aryl- and heteroaryl-substituted tetrahydrobenzo-1,4-diazepines and use thereof to block reuptake of norepinephrine, dopamine, and serotonin

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