JP2003277360A - 新規ビス環状イミド類とその製造方法 - Google Patents

新規ビス環状イミド類とその製造方法

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JP2003277360A
JP2003277360A JP2002365379A JP2002365379A JP2003277360A JP 2003277360 A JP2003277360 A JP 2003277360A JP 2002365379 A JP2002365379 A JP 2002365379A JP 2002365379 A JP2002365379 A JP 2002365379A JP 2003277360 A JP2003277360 A JP 2003277360A
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Japan
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phenoxy
bis
group
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benzene
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Application number
JP2002365379A
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English (en)
Inventor
Masaru Kawaguchi
勝 川口
Sunao Nagai
永井  直
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規ビス環状イミド類とその製造法を提供
する。 【解決手段】(1)一般式(I)で示されるビス環状イ
ミド類。 【化1】 (式中、nは2〜7のいずれかの整数を表し、Rは、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素
基からなる群より選ばれる原子または基を表し、−A−
は不飽和炭化水素基を表す。) (2)一般式(II): 【化2】 (式中、−A−は(1)で定義した通り)で示される酸
無水物と一般式(III): 【化3】 (式中、n,R及び置換位置は(1)で定義した通
り。)で示される芳香族ジアミン化合物とを酸性触媒存
在下で、加熱還流下に、反応で生成する水を系外に除去
しながら反応を行うことを特徴とする一般式(I)で示
されるビス環状イミド類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂原料、樹脂添加
剤および架橋剤として有用な新規なビス環状イミド類お
よびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、イミド構造を有する熱硬化性
樹脂は電気絶縁性、耐熱性、成形品の寸法安定性に優れ
た性能を有するため、産業上広く利用されている。しか
しながら、芳香族系ビスマレイミドを使用している熱硬
化性樹脂は耐熱性には優れているが、耐衝撃性および靭
性に乏しいという欠点があった。その解決策としてTg
(ガラス転移点)を低下させ柔軟性を上げ、耐衝撃性、
靭性を向上させる方法がある。一般に樹脂は、繰返し単
位の骨格鎖長が短い場合ほど高いTgを示し、長鎖骨格を
有する樹脂ではTgが低くなることが報告されている。実
際、1,3−ビス(3−(2,5−ジオキソ−2,5−
ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキ
シ)ベンゼン(APB−BMIと略す)を用いた熱硬化性樹脂
は、N,N‘−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミ
ドなどを用いた樹脂よりも低いTgを有している。この構
造をさらに延長した一般式(I)に示した新規二官能性
マレイミド誘導体は、樹脂のTgを低下させ、耐衝撃性、
靭性の向上が期待されるものの、ビス(4−(4−
(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピ
ロール−1−イル)フェノキシ)フェニル)エーテル以
外は報告されていなかった(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−119939号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
原料、樹脂添加剤として用いる際に、従来のマレイミド
類に比べ、高い耐衝撃性、靭性を示す新規な二官能性マ
レイミド誘導体を提供することである。更に、その新規
化合物を工業的に製造できる方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有用な物
性が期待される一般式(I)で示される芳香族ビス環状
イミドが今まで製造されなかったのは、前駆体の一般式
(VIII)で示される新規芳香族ジアミンを合理的に製造
する方法が存在しなかったためと考え、当該化合物を合
理的に製造する方法を鋭意検討した。
【0006】その結果、既に一般式(VIII)で示される
芳香族ジアミン化合物を合成するための原料である、芳
香族ジハロゲン化合物を有効に製造する方法を完成し、
さらに芳香族ジハロゲン化合物にアミノフェノール誘導
体を付加し、芳香族ジアミン化合物を有効に製造する方
法を完成している(特願2002−247130)。本
発明者らは、一般式(VIII)で示される芳香族ジアミン
化合物を原料として合成した一般式(I)で示される新
規なビス環状イミド類が、樹脂原料、樹脂添加剤または
架橋剤として使用した場合、特徴的な物性を示しうるこ
とを見出し、この発明を完成した。
【0007】即ち本発明は、 (1)一般式(I)で示されるビス環状イミド類。
【0008】
【化9】
【0009】(式中、nは2〜7のいずれかの整数を表
し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子お
よび炭化水素基からなる群より選ばれる原子または基を
表す。−A−は下記一般式(II):
【0010】
【化10】
【0011】(式中、R1〜R2は同一または相異なり、
水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、炭化水素
基を表す)、または下記一般式(III):
【0012】
【化11】
【0013】(式中、R3〜R8は同一または相異なり、
水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、炭化水素
基を表し、R3とR8が結合して下記一般式(IV):
【0014】
【化12】
【0015】(Xは、炭素数1ないし2のアルキレン
基、または酸素原子を表す)で示されるビシクロ環を構
成しても良い)で示される基を表す。但し、n=2の場
合、それぞれのベンゼン環に結合する窒素原子および酸
素原子からなる群より選ばれる2つのヘテロ原子は、少
なくとも一つのベンゼン環上で互いにオルト位またはメ
タ位にあるとする。) (2)一般式(V)で示される(1)記載のビス環状イ
ミド類。
【0016】
【化13】
【0017】(式中、n、−A−は(1)で定義した通
り。但し、n=2の場合、それぞれのベンゼン環に結合
する窒素原子および酸素原子からなる群より選ばれる2
つのヘテロ原子は、少なくとも一つのベンゼン環上で互
いにオルト位またはメタ位にあるとする。) (3)一般式(VI)で示される(1)記載のビス環状イ
ミド類
【0018】
【化14】
【0019】(式中、n、−A−は(1)で定義した通
り) (4)一般式(VII):
【0020】
【化15】
【0021】(式中、−A−は(1)で定義した通り)
で示される酸無水物と一般式(VIII):
【0022】
【化16】
【0023】(式中、n,Rは(1)で定義した通り。
但し、n=2の場合、それぞれのベンゼン環に結合する
窒素原子および酸素原子からなる群より選ばれる2つの
ヘテロ原子は、少なくとも一つのベンゼン環上で互いに
オルト位またはメタ位にあるとする。)で示される芳香
族ジアミン化合物とを酸性触媒存在下で、加熱還流下
に、反応で生成する水を系外に除去しながら反応を行う
ことを特徴とする一般式(I)で示されるビス環状イミ
ド類の製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明を以下に具体的に説明す
る。一般式(I)〜(VIII)のR、R1〜R8において、
ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子を表す。低級アルコキシ基としてはメトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-
ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチ
ルオキシ基等を表す。
【0025】炭化水素基としては、低級アルキル基、低
級アルケニル基、アラルキル基、アリール基を表す。低
級アルキル基としては直鎖、分岐または環状の炭素数1
〜8の置換基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル
基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-
ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチ
ル基、シクロペンチル基、n-へキシル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を表す。
【0026】低級アルケニル基としては、直鎖または分
岐の炭素数2〜6のアルケニル基であり、例えば、ビニ
ル基、アリル基、イソプロペニル基、4−ペンテニル
基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。アラルキル基と
しては、炭素数7〜15のアラルキル基、例えば、ベン
ジル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、フェニルプ
ロピル基等が挙げられる。また、アリール基としては、
炭素数6〜15のアリール基、例えば、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0027】一般式(I)の具体的な例としては、ビス
(3−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−
1H−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フェニ
ル)エーテル、ビス(4−(3−(2,5−ジオキソ−
2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フ
ェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(3−(4−
(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピ
ロール−1−イル)フェノキシ)フェニル)エーテル、
ビス(2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒド
ロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フェ
ニル)エーテル、ビス(3−(3−(2,5−ジオキソ
−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)
4−メチルフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(2
−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H
−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)4−クロロフ
ェニル)エーテル、ビス(4−(3−(3−メチル−
2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロ
ール−1−イル)フェノキシ)フェニル)エーテル、
【0028】ビス(3−(3−(4−アザ−3,5−ジ
オキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−
4−イル)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4
−(3−(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ
[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノ
キシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(4−(4−ア
ザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]
−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェニル)エー
テル、ビス(2−(3−(4−アザ−3,5−ジオキソ
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イ
ル)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(2
−(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.
1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェ
ニル)エーテル、ビス(3−(3−(4−アザ−3,5
−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02 ,6]−8−デセ
ン−4−イル)4−メチルフェノキシ)フェニル)エー
テル、ビス(3−(3−(4−アザ−3,5−ジオキソ
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イ
ル)フェノキシ)2−クロロフェニル)エーテル、
【0029】ビス(2−(3−(4−アザ−3,5−ジ
オキソトリシクロ[5.2.2.02,6]−8−ウンデセ
ン−4−イル)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス
(2−(3−(10−オキサ−4−アザ−3,5−ジオ
キソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4
−イル)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(3−
(2−(8−アザ−7,9−ジオキソビシクロ[4.
3.0]−3−ノネン−8−イル)フェノキシ)フェニ
ル)エーテル、、ビス(3−(3−(8−アザ−3−メ
チル−7,9−ジオキソビシクロ[4.3.0]−3−ノ
ネン−8−イル)フェノキシ)フェニル)エーテル、
1,3−ビス(3−(3−(2,5−ジオキソ−2,5
−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキ
シ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(3−
(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピ
ロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼ
ン、
【0030】1,3−ビス(3−(4−(2,5−ジオ
キソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス
(2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−
1H−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−(2,5−ジ
オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−
イル)4−メチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(2−(3−(2,5−ジオキソ−2,5
−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキ
シ)4−クロロフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(4−(3−(3−メチル−2,5−ジオキソ−2,5
−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキ
シ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−
(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.
1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェ
ノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(3−(4−ア
ザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]
−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス(4−(4−(4−アザ−3,5
−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセ
ン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
1,2−ビス(2−(3−(4−アザ−3,5−ジオキ
ソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−
イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
【0031】1,3−ビス(4−(2−(4−アザ−
3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8
−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(3−(3−(4−アザ−3,5−ジ
オキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−
4−イル)4−メチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−(3−(4−アザ−3,5−ジ
オキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−
4−イル)フェノキシ)2−クロロフェノキシ)ベンゼ
ン、1,2−ビス(2−(3−(4−アザ−3,5−ジ
オキソトリシクロ[5.2.2.02,6]−8−ウンデセ
ン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(2−(3−(10−オキサ−4−アザ−
3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8
−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−(2−(8−アザ−7,9−ジ
オキソビシクロ[4.3.0]−3−ノネン−8−イル)
フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3
−(3−(8−アザ−3−メチル−7,9−ジオキソビ
シクロ[4.3.0]−3−ノネン−8−イル)フェノキ
シ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−(3−
(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピ
ロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェニ
ル)エーテル、
【0032】ビス(4−(3−(2−(2,5−ジオキ
ソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビ
ス(3−(4−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジ
ヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)
フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(2−(2−2
−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−
ピロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェニ
ル)エーテル、ビス(3−(3−(4−(2,5−ジオ
キソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イ
ル)4−メチルフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エ
ーテル、ビス(2−(3−(4−(2,5−ジオキソ−
2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フ
ェノキシ)フェノキシ)4−クロロフェニル)エーテ
ル、ビス(4−(3−(2−(3−メチル−2,5−ジ
オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−
イル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、
ビス(3−(3−(2−(4−アザ−3,5−ジオキソ
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビ
ス(2−(4−(3−(4−アザ−3,5−ジオキソト
リシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビ
ス(4−(4−(4−(4−アザ−3,5−ジオキソト
リシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、
【0033】ビス(2−(3−(4−(4−アザ−3,
5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デ
セン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)
エーテル、ビス(4−(2−(3−(4−アザ−3,5
−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセ
ン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エ
ーテル、ビス(3−(3−(2−(4−アザ−3,5−
ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン
−4−イル)4−メチルフェノキシ)フェノキシ)フェ
ニル)エーテル、ビス(3−(3−(4(4−アザ−
3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8
−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)2−ク
ロロフェニル)エーテル、ビス(2−(3−(2−(4
−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.2.0
2,6]−8−ウンデセン−4−イル)フェノキシ)フェノ
キシ)フェニル)エーテル、ビス(2−(3−(3−
(10−オキサ−4−アザ−3,5−ジオキソトリシク
ロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェ
ノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、
【0034】ビス(3−(3−(2−(8−アザ−7,
9−ジオキソビシクロ[4.3.0]−3−ノネン−8−
イル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテ
ル、、ビス(3−(3−(4−(8−アザ−3−メチル
−7,9−ジオキソビシクロ[4.3.0]−3−ノネン
−8−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エー
テル、1,3−ビス(3−(3−(3−(2,5−ジオ
キソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(4−(3−(2−(2,5−ジオキソ−
2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フ
ェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3
−ビス(3−(2−(4−(2,5−ジオキソ−2,5
−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキ
シ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス
(2−(2−(4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒ
ドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フ
ェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−
(3−(4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−
1H−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)4−メチ
ルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
【0035】1,3−ビス(2−(3−(2−(2,5
−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−
1−イル)フェノキシ)フェノキシ)4−クロロフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(3−(4−(3
−メチル−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H
−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)
フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(2−(3
−(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.
1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェ
ノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−
(3−(4−(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ
[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノ
キシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(4−(4−(3−(4−アザ−3,5−ジオキソト
リシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
1,2−ビス(2−(3−(4−(4−アザ−3,5−
ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン
−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(4−(2−(3−(4−アザ−
3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8
−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−(2−(4
−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.0
2,6]−8−デセン−4−イル)4−メチルフェノキシ)
フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3
−(3−(3−(4−アザ−3,5−ジオキソトリシク
ロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェ
ノキシ)フェノキシ)2−クロロフェノキシ)ベンゼ
ン、
【0036】1,2−ビス(2−(3−(3−(4−ア
ザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.2.02,6]
−8−ウンデセン−4−イル)フェノキシ)フェノキ
シ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−
(3−(10−オキサ−4−アザ−3,5−ジオキソト
リシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(3−(2−(2−(8−アザ−7,9−
ジオキソビシクロ[4.3.0]−3−ノネン−8−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
1,2−ビス(3−(3−(4−(8−アザ−3−メチ
ル−7,9−ジオキソビシクロ[4.3.0]−3−ノネ
ン−8−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)
ベンゼン、ビス(3−(3−(3−(4−(2,5−ジ
オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−
イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェニ
ル)エーテル、ビス(4−(3−(2−(4−(2,5
−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−
1−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェ
ニル)エーテル、
【0037】ビス(3−(4−(3−(4−(2,5−
ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1
−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェニ
ル)エーテル、ビス(2−(2−(2−(4−(2,5
−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−
1−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェ
ニル)エーテル、ビス(3−(3−(4−(3−(2,
5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール
−1−イル)4−メチルフェノキシ)フェノキシ)フェ
ノキシ)フェニル)エーテル、ビス(2−(3−(4−
(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−
1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)フ
ェノキシ)4−クロロフェニル)エーテル、ビス(4−
(3−(2−(3−(3−メチル−2,5−ジオキソ−
2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フ
ェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテ
ル、
【0038】ビス(3−(3−(2−(2−(4−アザ
−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−
8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェ
ノキシ)フェニル)エーテル、ビス(2−(4−(3−
(4−(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.
2.1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)
フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス
(4−(4−(4−(4−(4−アザ−3,5−ジオキ
ソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−
イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェニ
ル)エーテル、ビス(2−(3−(4−(3−(4−ア
ザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]
−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フ
ェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(2−(3
−(3−(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ
[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノ
キシ)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、
ビス(3−(3−(2−(2−(4−アザ−3,5−ジ
オキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−
4−イル)4−メチルフェノキシ)フェノキシ)フェノ
キシ)フェニル)エーテル、
【0039】ビス(3−(3−(4−(3−(4−アザ
−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−
8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェ
ノキシ)2−クロロフェニル)エーテル、ビス(2−
(3−(4−(2−(4−アザ−3,5−ジオキソトリ
シクロ[5.2.2.02,6]−8−ウンデセン−4−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)
エーテル、ビス(2−(3−(3−(3−(10−オキ
サ−4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.
1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェ
ノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(3−
(3−(2−(3−(8−アザ−7,9−ジオキソビシ
クロ[4.3.0]−3−ノネン−8−イル)フェノキ
シ)フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、、
ビス(3−(3−(4−(3−(8−アザ−3−メチル
−7,9−ジオキソビシクロ[4.3.0]−3−ノネン
−8−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フ
ェニル)エーテル、1,3−ビス(3−(3−(3−
(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−
1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)フ
ェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−
(3−(2−(4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒ
ドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フ
ェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、
【0040】1,3−ビス(3−(2−(2−(4−
(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピ
ロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキ
シ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(2−
(4−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−
1H−1−ピロール−1−イル)フェノキシ)フェノキ
シ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−(3−(4−(4−(2,5−ジオキソ−2,5
−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イル)フェノキ
シ)4−メチルフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−(2−(4−
(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピ
ロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)4−クロ
ロフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(4−(3−(4−(2−(3−メチル−2,5−ジオ
キソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピロール−1−イ
ル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(2−(3−(3−
(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.
1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェ
ノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−
ビス(4−(3−(4−(2−(4−アザ−3,5−ジ
オキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−
4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェ
ノキシ)ベンゼン、
【0041】1,4−ビス(4−(2−(4−(3−
(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.
1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェ
ノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−
ビス(2−(3−(4−(3−(4−アザ−3,5−ジ
オキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−
4−イル)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(2−(3−
(2−(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.
2.1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)
フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−(3−(2−(2−(4−アザ−3,5
−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセ
ン−4−イル)フェノキシ)4−メチルフェノキシ)フ
ェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−
(3−(3−(3−(4−アザ−3,5−ジオキソトリ
シクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−4−イル)
フェノキシ)フェノキシ)2−クロロフェノキシ)フェ
ノキシ)ベンゼン、
【0042】1,2−ビス(2−(4−(3−(3−
(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.
2.02,6]−8−ウンデセン−4−イル)フェノキシ)
フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(2−(2−(3−(4−(10−オキサ−4
−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.1.0
2,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェノキ
シ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(3−(4−(2−(2−(8−アザ−7,9−ジオキ
ソビシクロ[4.3.0]−3−ノネン−8−イル)フェ
ノキシ)フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼ
ン、1,2−ビス(4−(3−(3−(4−(8−アザ
−3−メチル−7,9−ジオキソビシクロ[4.3.0]
−3−ノネン−8−イル)フェノキシ)フェノキシ)フ
ェノキシ)フェノキシ)ベンゼン等を挙げることができ
るがこれらに限定されるものではない。
【0043】一般式(VII)の具体的な例としては、マ
レイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,3
−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水
物、ジクロロマレイン酸無水物、1,2,3,6−テト
ラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−5
−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−メチル−5
−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,6
−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無
水物、3,6−ジフェニル−1,2,3,6−テトラヒ
ドロフタル酸無水物等を挙げることができる。
【0044】原料となる前記一般式(VIII)で示される
芳香族ジアミン化合物は、アミノフェノール誘導体と、
芳香族ジハロゲン化合物を塩基存在下反応させることに
より製造することができる。芳香族ジハロゲン化合物
は、ジハロゲン化ベンゼン誘導体とジヒドロキシベンゼ
ン誘導体を反応させることにより製造することができ
る。
【0045】本発明のビス環状イミド類は、前記一般式
(VII)で表される酸無水物と前記一般式(VIII)で表
される芳香族ジアミン化合物を酸性触媒存在下で、加熱
還流下に、反応で生成する水を系外に除去しながら反応
を行うことにより製造することができる。
【0046】反応に用いる酸性触媒としては、硫酸、塩
酸、リン酸等の鉱酸;リンタングステン酸、リンモリブ
デン酸等のヘテロポリ酸;p-トルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸等の有機スルホン酸;トリクロロ酢酸、ト
リフルオロ酢酸等のハロゲン化カルボン酸;シリカ、ア
ルミナ、活性白土等の固体酸、カチオン交換型イオン交
換樹脂等が使用され、特に硫酸、リン酸、p-トルエンス
ルホン酸が好適である。これらの酸は単独で用いてもよ
いし、2種以上を混合して用いても構わない。またこれ
らの酸は原料の一般式(VIII)で示される芳香族ジアミ
ンとの塩の形となっていてもよい。
【0047】酸触媒の使用量は、原料の一般式(VIII)
で示される芳香族ジアミン化合物に対して0.001〜
10倍モル、好ましくは0.01〜5.0倍モル、更に
好ましくは0.1〜1.0倍モルである。
【0048】反応に用いる溶媒としては、例えばヘキサ
ン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族及び
脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素及びこれら脂肪族又は芳香族炭化水素のハ
ロゲン化物、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン、アニソール、n−ブチル
エーテル等の含酸素、含窒素又は含硫黄極性溶媒及びこ
れらの混合溶媒が使用される。
【0049】溶媒の使用量は、原料の溶解性に作用する
が、原料の芳香族ジアミン化合物又は酸無水物に対し1
〜100倍重量、好ましくは2〜50倍重量、更に好ま
しくは5〜10倍重量である。
【0050】反応は、例えば次のようにして実施するこ
とができる予め酸無水物、触媒および溶媒を混合した溶
液に、加熱還流しながら一般式(VIII)で示される芳香
族ジアミン化合物を溶媒に溶解した溶液を滴下する、あ
るいは芳香族ジアミン化合物、酸無水物、酸性触媒およ
び溶媒を同時に仕込んで加熱還流を行うこともできる。
【0051】反応温度は、用いる溶媒等によっても多少
異なるが、一般に80〜250℃、好ましくは100〜
200℃、更に好ましくは120〜150℃の範囲であ
る。反応圧力は、常圧でも加圧下で実施してもいずれで
も良く、用いる溶媒と反応温度とに応じて選択される。
反応により生じた水は共沸等により系外に除去する。
【0052】酸無水物の使用量は、一般式(VIII)で示
される芳香族ジアミン化合物に対して、2〜50倍モ
ル、好ましくは2.5〜30倍モル、更に好ましくは3
〜10倍モルである。一般式(VIII)で示される芳香族
ジアミン化合物の溶液を滴下する場合の滴下時間は、1
〜10時間、好ましくは2〜7時間、更に好ましくは3
〜5時間である。滴下終了後、所定の温度で更に撹拌を
続けても良い。反応により生じた水は共沸等により系外
に除去する。反応の経過は液体クロマトグラフィーによ
り確認する。
【0053】反応終了後、反応混合物を水洗して、残存
触媒、過剰の酸無水物を除去した後、溶媒を留去して濃
縮物を得る。この濃縮物にアルコールを加えて撹拌する
と、目的物であるビス環状イミドアリール類の結晶粉末
が得られる。ここで得られた粗結晶は再結晶法によって
精製することが好ましい。
【0054】再結晶に用いる溶媒としては、不活性な溶
媒であればいずれでも良いが、例えばペンタン、ヘキサ
ンもしくはヘプタン等の炭化水素類;トルエン、キシレ
ンもしくはエチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタ
ノール、エタノール、プロパノールもしくはブタノール
等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4-ジオ
キサン等のエーテル類が挙げられる。これらの溶媒は単
独または混合して用いてもよい。
【0055】次に、本発明の新規ビス環状イミド類を用
いて得られる樹脂組成物について説明する。本発明の新
規ビス環状イミド類は、熱硬化性樹脂組成物の製造で使
用するのに適している。これらの組成物は新規ビス環状
イミド類および1種以上の液体共反応物および任意に他
の添加剤からなっている。
【0056】上記液体共反応物としては、本発明の新規
ビス環状イミド類と重合又は反応可能な1種以上のビニ
ル基を有する化合物,例えばN−ビニル−2−ピロリジ
ノン、N−ビニルカプロラクタム、エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、トリアリルイソシ
アヌレート、O,O'−ジアリルビスフェノールA、オイ
ゲノール、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼ
ン、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ビニルシク
ロヘキセンモノエポキシド、1,4−ブタンジオールジ
ビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、
スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、p-フ
ェニルスチレン、不飽和ポリエステル類、ビニルエステ
ル樹脂等を挙げることができるがこれらに限定されるも
のではない。
【0057】他の液体共反応物としては、1個以上のエ
ポキシ基を含有する化合物、またはエポキシ樹脂を挙げ
ることができる。エポキシ基は分子内の末端位に位置す
るエポキシ基であっても、それ以外に位置する内部エポ
キシ基であっても良い。
【0058】さらに他の液体共反応物としてはジアミン
類を挙げることができる。該液体共反応物に用いられる
ジアミン類としては、p−フェニレンジアミン、m−フ
ェニレンジアミン、2−メチル−m−フェニレンジアミ
ン、6−メチル−m−フェニレンジアミン、4,4’−
ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジ
フェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノジフェニル
スルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォ
ン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジ
アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノビフェニ
ル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4
−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミ
ノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’
−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3’−ジメチルビフェニル、1,3−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル等を挙げることができるがこ
れらに限定されるものではない。常温で固体の化合物は
加熱して溶融状態で使用する。
【0059】熱硬化性樹脂組成物として、一般式(IX)
で表されるビスマレイミド類と上記液体共反応物から得
られる重合体を、本発明による新規なビス環状イミド類
を架橋剤として用いて架橋しても良い。
【0060】
【化17】
【0061】(式中、Rは2価の基を表す)一般式(I
X)のRは、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレ
ン基、o−フェニレン基、または−R−として
【0062】
【化18】
【0063】(式中、−B−は、-CH2-,-C(CH3)2
-,-O-,-S-,-SO2-,-CO-,-NHCO-,-C(C
3)2-を表わす。)等であるが、これらに限定されるも
のではない。
【0064】該熱硬化性樹脂組成物に、有機または無機
の充填剤を分散させて強度を上げた充填剤入り熱硬化性
樹脂組成物として用いても良い。また、当該熱硬化性樹
脂組成物を有機または無機繊維布に含浸させることによ
りプリプレグ樹脂として用いても良い。以下に実施例を
示すが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもの
ではない。
【0065】
【実施例】(実施例1) 1,3−ビス(3−(3−
(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−ピ
ロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン
の合成 温度計、還流冷却器、滴下ロート、及び撹拌器を備えた
100mlの4口フラスコに無水マレイン酸2.35g
(24mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物
0.38g(2mmol)、混合キシレン30mlを仕
込んだ。このフラスコを油浴に浸し、フラスコ内容物を
140℃まで昇温せしめた。一方、滴下ロートの中に、
1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキ
シ)ベンゼン3g(6mmol)を混合キシレン15m
lと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン5mlと
を混合した混合溶媒に溶かした溶液を調整した。フラス
コ内温度が所定の温度に達し、混合キシレンの還流が始
まったところで滴下ロート内の前記溶液の滴下を開始し
た。滴下ロート内溶液の全量を4時間かけて滴下した
後、更に後反応を1時間行った。上記反応において、
1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキ
シ)ベンゼンの滴下を開始すると同時に、反応生成水と
キシレンの共沸が始まった。反応生成水は、還流冷却器
と反応フラスコの間に取り付けた水抜き取り器に全量集
めた。
【0066】反応終了後、反応混合物に水およびトルエ
ンを添加して分液操作を行い、有機層を分取し、溶媒を
減圧留去した。酢酸エチル、エタノール混合溶媒により
再結晶を行い、白色固体である1,3−ビス(3−(3
−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−1−
ピロール−1−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼ
ンが3.43g(5.4mmol、収率90%、純度(HP
LC)98%)得られた。構造および物性は以下の通り。
【0067】
【化19】
【0068】融点 154.8 - 155.7 ℃1 H-NMR (CDCl3) δ: 6.72 (t, 3H, J = 2.30 Hz), 6.7
9−6.83 (dd, 6H, J = 7.83, 2.43 Hz), 7.05−7.08
(m, 5H), 7.12−7.16 (m, 5H), 7.34−7.51 (m, 5H) FD-mass 636(M+)
【0069】(実施例2) 1,3−ビス(3−(3−
(4−アザ−3,5−ジオキソトリシクロ[5.2.
1.02,6]−8−デセン−4−イル)フェノキシ)フェ
ノキシ)ベンゼンの合成 温度計、還流冷却器、滴下ロート、及び撹拌器を備えた
100mlの4口フラスコに5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボン酸無水物3.69g(24mmol)、p
−トルエンスルホン酸一水和物0.38g(2mmo
l)、混合キシレン30mlを仕込んだ。このフラスコ
を油浴に浸し、フラスコ内容物を140℃まで昇温せし
めた。一方、滴下ロートの中に、1,3−ビス(3−
(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン3g
(6mmol)を混合キシレン15mlと1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン5mlとを混合した混合溶
媒に溶かした溶液を調整した。フラスコ内温度が所定の
温度に達し、混合キシレンの還流が始まったところで滴
下ロート内の前記溶液の滴下を開始した。滴下ロート内
溶液の全量を4時間かけて滴下した後、更に後反応を1
時間行った。上記反応において、1,3−ビス(3−
(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンの滴下
を開始すると同時に、反応生成水とキシレンの共沸が始
まった。反応生成水は、還流冷却器と反応フラスコの間
に取り付けた水抜き取り器に全量集めた。
【0070】反応終了後、反応混合物に水およびトルエ
ンを添加して分液操作を行い、有機層を分取し、溶媒を
減圧留去した。残さを酢酸エチルにより洗浄し、白色固
体である1,3−ビス(3−(3−(4−アザ−3,5
−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセ
ン−4−イル)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼンが
3.16g(4.1mmol、収率70%、純度(HPLC)
96%)得られた。構造および物性は以下の通り。
【0071】
【化20】
【0072】融点 125.7 − 127.2 ℃1 H-NMR (DMSO) δ: 1.58 (s, 4H), 3.32 (t, 4H, J =
1.62 Hz), 3.45-3.47 (m, 4H), 6.20 (t, 4H, J = 1.62
Hz), 6.71 (t, 3H, J = 2.30 Hz), 6.78−6.84(m, 8
H), 6.89−6.92 (d, 2H, J = 8.10 Hz), 7.04−7.07
(dd, 2H, J = 7.83,2.43 Hz), 7.36−7.48 (m, 5H) FD-mass 769(M+)
【0073】
【発明の効果】本発明により、樹脂原料、樹脂添加剤お
よび架橋剤として従来の環状イミド類に比べ特徴的な物
性を示す新規な二官能性環状イミド類および当該化合物
の工業的製造法を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるビス環状イミ
    ド類。 【化1】 (式中、nは2〜7のいずれかの整数を表し、Rは、そ
    れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素
    基からなる群より選ばれる原子または基を表す。−A−
    は下記一般式(II): 【化2】 (式中、R1〜R2は同一または相異なり、水素原子、ハ
    ロゲン原子、低級アルコキシ基、炭化水素基を表す)、
    または下記一般式(III): 【化3】 (式中、R3〜R8は同一または相異なり、水素原子、ハ
    ロゲン原子、低級アルコキシ基、炭化水素基を表し、R
    3とR8が結合して下記一般式(IV): 【化4】 (Xは、炭素数1ないし2のアルキレン基、または酸素
    原子を表す)で示されるビシクロ環を構成しても良い)
    で示される基を表す。但し、n=2の場合、それぞれの
    ベンゼン環に結合する窒素原子および酸素原子からなる
    群より選ばれる2つのヘテロ原子は、少なくとも一つの
    ベンゼン環上で互いにオルト位またはメタ位にあるとす
    る。)
  2. 【請求項2】一般式(V)で示される請求項1記載のビ
    ス環状イミド類。 【化5】 (式中、n、−A−は請求項1で定義した通り。但し、
    n=2の場合、それぞれのベンゼン環に結合する窒素原
    子および酸素原子からなる群より選ばれる2つのヘテロ
    原子は、少なくとも一つのベンゼン環上で互いにオルト
    位またはメタ位にあるとする。)
  3. 【請求項3】一般式(VI)で示される請求項1記載のビ
    ス環状イミド類 【化6】 (式中、n、−A−は請求項1で定義した通り)
  4. 【請求項4】一般式(VII): 【化7】 (式中、−A−は請求項1で定義した通り)で示される
    酸無水物と一般式(VIII): 【化8】 (式中、n,Rは請求項1で定義した通り。但し、n=
    2の場合、それぞれのベンゼン環に結合する窒素原子お
    よび酸素原子からなる群より選ばれる2つのヘテロ原子
    は、少なくとも一つのベンゼン環上で互いにオルト位ま
    たはメタ位にあるとする。)で示される芳香族ジアミン
    化合物とを酸性触媒存在下で、加熱還流下に、反応で生
    成する水を系外に除去しながら反応を行うことを特徴と
    する一般式(I)で示されるビス環状イミド類の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2133384A3 (en) * 2008-06-09 2010-01-13 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Bismaleamic acid, bismaleimide and cured product thereof

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