JP2003276305A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2003276305A
JP2003276305A JP2002079855A JP2002079855A JP2003276305A JP 2003276305 A JP2003276305 A JP 2003276305A JP 2002079855 A JP2002079855 A JP 2002079855A JP 2002079855 A JP2002079855 A JP 2002079855A JP 2003276305 A JP2003276305 A JP 2003276305A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、様々な環境下で保存して
も、有害ガスによる画像劣化(変褪色)の少ないインク
ジェット記録用紙を提供することにある。 【解決手段】 支持体上に1層以上の多孔質層と、下記
で定義する有機微粒子A又は有機微粒子Bと表面を修飾
した無機微粒子とを含有する表層とを有することを特徴
とするインクジェット記録用紙。有機微粒子Aは、SP
値18.414〜30.69(MPa)1/2で、沸点が
120℃以上の水溶性有機溶媒により溶解又は膨潤する
水に不溶の有機微粒子で、有機微粒子Bは、下記一般式
(1)で表される繰り返し単位を共重合成分として5質
量%以上含有するポリマーを有する有機微粒子で、それ
ぞれ、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上で、かつ平
均粒子径が100nm以下の有機微粒子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)に関し、詳しく
は、様々な環境下での有害ガスによる画像劣化の少ない
インクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。
【0003】上記記録方法で従来から問題となっていた
ノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク及
び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等、様々な分野
に急速に普及している。
【0004】特に、最近ではプリンターの高画質化が進
み写真画質に到達していることから、記録用紙も写真画
質を実現し、かつ銀塩写真の風合い(光沢性、平滑性、
コシなど)を再現することが求められている。
【0005】銀塩写真の風合いを再現する方法の1つと
して、記録用紙として支持体上にゼラチンやポリビニル
アルコールなどの親水性バインダーを塗設した、いわゆ
る膨潤型のものが知られているが、この方法では、イン
ク吸収速度が遅い、プリント後に表面がべたつきやす
い、保存中に湿度の影響を受けて画像がにじみやすい等
の欠点を有している。特に、インク吸収速度が遅いた
め、吸収される前にインクの液滴同士が混ざり合い、異
色間のにじみ(ブリーディング)や同色内の色むら(ビ
ーディング)を発生させやすく、銀塩写真画質の達成は
非常に困難である。
【0006】上記膨潤型に代わり主流となりつつあるの
がいわゆる空隙型であり、微細な空隙にインクを吸収さ
せるため、吸収速度が速いのが特徴である。このように
銀塩写真画質と銀塩写真の風合いを達成する記録用紙の
例としては、特開平10−119423号、同10−1
19424号、同10−175364号、同10−19
3776号、同10−193776号、同10−217
601号、同11−20300号、同11−10669
4号、同11−321079号、同11−348410
号、同10−178126号、同11−348409
号、特開2000−27093、同2000−9483
0、同2000−158807、同2000−2112
41等に記載されている。
【0007】一方、画質や風合いに加え、耐久性や画像
保存性に対する要求もより高度になり、耐光性、変褪色
性、耐湿性、耐水性なども銀塩写真レベルに到達させる
試みが数多くなされている。耐光性向上の例としては、
特開昭57−74192号、同57−87989号、同
57−74193号、同58−152072号、同64
−36479号、特開平1−95091号、同1−11
5677号、同3−13376号、同4−7189号、
同7−195824号、同8−25796号、同11−
321090号、同11−277893号、特開200
0−37951他多数の技術が開示されている。
【0008】空隙型記録用紙の場合は、耐光性だけでな
く、その空隙構造に起因して有害ガスによる変褪色を起
こしやすい問題がある。特に、一般のカラーインクジェ
ットプリンタに採用されているフタロシアニン系水性染
料で起こりやすい。
【0009】この変褪色のメカニズムは未だ明確にはな
っていないが、微細空隙構造は高表面積を有し、かつ用
いられている無機微粒子が活性な表面を有しているた
め、オゾン、オキシダント、SOx、NOxなど空気中
の極微量の活性な有害ガスが染料を分解していると推察
している。
【0010】変褪色の現象を改善する技術については、
例えば、特開昭63−252780号、同64−118
77号、特開平1−108083号、同1−21688
1号、同1−218882号、同1−258980号、
同2−188287号、同7−237348号、同7−
266689号、同8−164664号等に記載されて
いるが、空隙構造がより微細になる写真画質様の記録用
紙では、より劣化しやすい特性にあるため、従来の改良
技術では改良の効果が不十分であり、より抜本的な改善
が望まれている。
【0011】上記の問題の対策方法の1つとしては、膨
潤型記録用紙を用いることにより改良はされるが、反面
本質的な問題であるインク吸収速度の遅さを改善するこ
とが非常に困難である。
【0012】顔料インクを用いたインクジェット記録方
法により、ある程度の変褪色問題は解決しうるが、記録
用紙上のギラツキ(ブロンジング)などの特性は、品質
上十分な画質を与えるレベルに至っていないのが現状で
ある。また、他の方法として、プリントにラミネート処
理を施したり、フレームに入れるなどのガス遮断方法、
又は特開昭53−27426号、同59−222381
号、同62−271781号、特開平11−15720
7号、同11−245507号、特開2000−716
08に開示されているような、熱可塑性微粒子を表面に
含有する記録用紙をプリント後、加熱又は加圧処理して
ガス遮断層を発現させる方法などは非常に効果的ではあ
るが、何れも後処理が必要となり、余分な工程が負荷と
なっている。特に、幅が60cm以上になる大判インク
ジェット記録においては、ラミネート処理やヒートロー
ル処理が煩わしいのみならず、専用の機器も大型化し、
高額であり、広く一般に普及しているとは言い難い。
【0013】また、特開昭63−60784号では、有
機微粒子と無機微粒子を持つ空隙層を有するインクジェ
ット記録用紙について開示している。しかし、この有機
微粒子は特殊な溶媒にのみ溶解し、一般的なインクジェ
ットプリンタ用インクで用いられている有機溶媒に対し
ては溶解しないため、通常のインクジェット記録には用
いることができないのが現状である。
【0014】本発明者らは先に、特定の有機微粒子を記
録用紙の塗設層に含有させることが、変褪色防止に非常
に有効であることを見いだした。特に、この有機微粒子
を表層に高濃度で含有させることが効果的である。
【0015】しかしながら、引き続き検討を進めた結
果、上記の構成とした場合の変褪色性として、記録用紙
を高温状態で保存した後に画像記録すると、変褪色防止
効果が失われていく傾向にあることが判明し、その品質
は銀塩写真に比較すると十分に満足できるレベルにはな
く、更なる改良が要望されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みてなされたものであり、その目的は、様々な環境下
で保存しても、有害ガスによる画像劣化(変褪色)の少
ないインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0018】1.支持体上に1層以上の多孔質層と、下
記で定義する有機微粒子A又は有機微粒子Bと表面を修
飾した無機微粒子とを含有する表層とを有することを特
徴とするインクジェット記録用紙。
【0019】有機微粒子A:SP値が18.414〜3
0.69(MPa)1/2で、かつ沸点が120℃以上の
水溶性有機溶媒により溶解又は膨潤する水に不溶の有機
微粒子で、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上で、か
つ平均粒子径が100nm以下の有機微粒子。
【0020】有機微粒子B:前記一般式(1)で表され
る繰り返し単位を共重合成分として5質量%以上含有す
るポリマーを有し、ガラス転移温度(Tg)が70℃以
上で、かつ平均粒子径が100nm以下の有機微粒子。
【0021】2.前記表面を修飾した無機微粒子が、シ
ランカップリング剤によって表面処理をしたシリカであ
ることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット記
録用紙。
【0022】3.前記表面を修飾した無機微粒子が、有
機シランを反応させて合成された気相法シリカであるこ
とを特徴とする前記1項に記載のインクジェット記録用
紙。
【0023】本発明者は、特定の有機微粒子を有するイ
ンクジェット記録用紙の変褪色性に関し解析を行った結
果、上述のような構成を有するインクジェット記録用紙
は、変褪色防止に対し優れた特性を有してはいるが、そ
の防止効果の安定性にやや問題があることが判明した。
例えば、インクジェット記録用紙を、50℃以上の高温
状態で1日以上保管した後に画像記録した場合に、変褪
色防止効果が低下することが明らかになった。このよう
な変褪色性の防止効果の安定性向上に対し、本発明者は
鋭意検討を進めた結果、表層に特定の有機微粒子と共に
表面修飾を施した無機微粒子を用いることが極めて有効
であることを見いだし、本発明に至った次第である。す
なわち、変褪色防止層に用いる無機微粒子に表面修飾処
理を施すことにより、高温保存後にも保存前と同様の変
褪色防止効果を発揮できる。このメカニズムに関して
は、現時点では明らかとはなっていないが、以下のよう
に推測している。すなわち、高温保存中に無機微粒子の
活性な表面に対し、有機微粒子中の高分子鎖が何らかの
相互作用を及ぼしているものと考えられるが、表面修飾
によってこの有機微粒子による影響を低減できているも
のと推測している。
【0024】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明においては、支持体上に1層以上の多孔質層と、前
記で定義される有機微粒子A又は有機微粒子Bと表面を
修飾した無機微粒子とを含有する表層とを有することが
特徴である。
【0025】はじめに、本発明に係る有機微粒子A及び
有機微粒子Bについて、その詳細を説明する。
【0026】本発明に係る有機微粒子Aとは、SP値が
18.414〜30.69(MPa)1/2で、かつ沸点
が120℃以上の水溶性有機溶媒により溶解又は膨潤す
る水に不溶の有機微粒子で、ガラス転移温度(Tg)が
70℃以上で、かつ平均粒子径が100nm以下の有機
微粒子と定義する。
【0027】本発明でいうSP(Solubility
Parameter)値とは、溶解度パラメーターの
ことであり、物質の溶解性を予測するための一つの有用
な尺度である。SP値の単位は(MPa)1/2で表さ
れ、25℃における値を指す。
【0028】有機溶媒のSP値に関しては、例えば、
「POLYMER HANDBOOK」(J.Bran
drup他、 A Wiley−interscien
cePublication)のIV−337頁に記載さ
れている他、各種の文献などに掲載されている。
【0029】本発明で用いることのできる水溶性有機溶
媒(括弧内に、代表的なSP値を示す)の例としては、
アルコール類(例えば、ブタノール(23.3)、イソ
ブタノール(21.5)、セカンダリーブタノール(2
2.1)、ターシャリーブタノール(21.7)、ペン
タノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール(23.
3)、ベンジルアルコール(24.8)等)、多価アル
コール類(例えば、エチレングリコール(29.9)、
ジエチレングリコール(24.8)、トリエチレングリ
コール(21.9)、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール(25.8)、ジプロピレングリコール
(20.5)、ポリプロピレングリコール、ブチレング
リコール、ヘキサンジオール(21.1)、ペンタンジ
オール、グリセリン(33.8)、ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール等)、多価アルコールのアルキル
エーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル(23.3)、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル(21.5)、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(17.
6)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(2
3.3)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチ
レングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ
メチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチル
エーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テト
ラエチレングリコールジエチルエーテル等)、アミン類
(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、
N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチ
ルモルホリン、エチレンジアミン(25.2)、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジ
エチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン
等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル
−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オ
キサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシ
ド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)等が挙げ
られる。
【0030】本発明において、特に好ましい水溶性有機
溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコールのア
ルキルエーテル類、複素環類であり、これらから2〜3
種選ばれるのが好ましい。
【0031】本発明に係るSP値が18.414〜3
0.69の範囲の水溶性有機溶媒としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエタノー
ルアミン、2−ピロリドン等が好ましく用いられるが、
特に好ましく用いられるのは、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル(SP値19.437、沸点230
℃)である。
【0032】本発明に係る水溶性有機溶媒は、沸点が1
20℃以上のものが選ばれる。沸点の上限は特に限定さ
れないが、融点が30℃以下のものが好ましい。
【0033】本発明に係る有機微粒子Aは、SP値が1
8.414〜30.69(MPa) 1/2で、かつ沸点が
120℃以上の上記水溶性有機溶媒により溶解又は膨潤
する水に不溶の有機微粒子であり、かつガラス転移温度
(Tg)が70℃以上で、平均粒子径が100nm以下
であることが特徴であり、重量平均分子量としては50
00以上の高分子が好ましく、その材質としては、例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
レート、ポリメタクリレート、エラストマー、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共
重合体、ポリエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニ
ルアセタール、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフ
ィン、SBR、NBR、ポリテトラフルオロエチレン、
クロロプレン、タンパク質、多糖類、ロジンエステル、
セラック樹脂等、従来公知のものから選ばれる。特に好
ましい有機微粒子Aの材質は、ポリビニルアセタール系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、
(メタ)アクリレート系樹脂、SBR等であり、変成や
共重合によって2種以上の単量体からなる樹脂も好まし
く用いられ、樹脂に対して特定の修飾基を付加したもの
や脱離基を除いたものでもよく、2種以上の材質を混合
して有機微粒子を形成してもよく、更には2種類以上の
有機微粒子を混合して用いてもよい。
【0034】本発明でいう「有機溶媒により溶解する」
とは、有機微粒子Aとインク中の水溶性有機溶媒が平衡
状態で単一の相をなすことを指し、「有機溶媒により膨
潤する」とは有機微粒子Aが同水溶性有機溶媒を吸収し
て体積を増加させることを言う。膨潤したときの好まし
い体積増加率は2〜8倍である。
【0035】本発明に係る有機微粒子Aは、インクジェ
ット記録中で溶解しないために、水に不溶でなければな
らない。ただし、インク吸収速度を妨げない範囲で水を
吸収することは許される。有機微粒子Aの質量に対し2
0質量%までの水の吸収をしてもよい。また、本発明に
係る有機微粒子Aは、顔料インクによるプリント後、該
有機微粒子A含有層が軟化する程度の量含まれれば足り
るが、好ましくは層中の固形分に対し質量比で50%以
上であり、より好ましくは75%以上である。
【0036】また、本発明に係る有機微粒子Aには、水
溶性有機溶媒に対する溶解や膨潤に支障のない範囲で架
橋剤を使用してもよい。本発明において、架橋剤として
は有機物・無機物を問わず、従来公知の架橋剤を適宜選
択して用いることができる。
【0037】本発明に係る有機微粒子Aの平均粒子径
は、記録用紙の表面光沢に大きく影響する。本発明にお
いては、100nm以下であることが1つの特徴ではあ
るが、好ましい平均粒子径は1〜100nmであり、よ
り好ましくは5〜100nmである。有機微粒子Aの平
均粒子径が5〜100nmであると、プリント部と非プ
リント部の光沢度差を小さくするという本発明の効果に
大きく寄与することができる。平均粒子径の測定法とし
ては、例えば、有機微粒子含有層の断面や表面を電子顕
微鏡で観察し、多数個の任意の有機微粒子Aの粒径を求
め、その単純平均値(個数平均)として求める方法があ
る。なお、個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮
定した時の直径で表したものである。又は別の方法とし
ては、有機微粒子Aを適当な分散媒に分散させ、レーザ
回折散乱式粒度分布測定によって粒径を求めることもで
きる。本発明に係る有機微粒子Aの形状は、真球形であ
る必要はなく、針状でも板状でもよい。粒径は、体積か
ら球換算で求められる。
【0038】次いで、本発明に係る有機微粒子Bについ
て説明する。本発明でいう有機微粒子Bとは、前記一般
式(1)で表される繰り返し単位を共重合成分として5
質量%以上含有するポリマーを有し、ガラス転移温度
(Tg)が70℃以上で、かつ平均粒子径が100nm
以下の有機微粒子と定義する。
【0039】前記一般式(1)で表される繰り返し単位
の詳細について、以下説明する。本発明の目的効果を好
ましく発現せしめる観点から、有機微粒子Bとして、前
記一般式(1)で表される繰り返し単位は親水性を有す
ることが好ましく、具体的には、下記に示すアクリル系
単量体、アクリルアミド系単量体及び/またはメタクリ
ルアミド系単量体等の親水性単量体を重合させて得るこ
とができるが、本発明ではこれらに限定されない。
【0040】
【化2】
【0041】
【化3】
【0042】
【化4】
【0043】前記一般式(1)で表される繰り返し単位
に親水性を付与しているのは、前記一般式(1)を形成
する、X、J及び置換基Y等の各々の部分構造である
が、本発明においては、置換基Yにより親水性が付与さ
れることが好ましい。
【0044】また、前記一般式(1)で表される繰り返
し単位に親水性を付与する為に用いられる置換基として
は、『薬物の構造活性相関(ドラッグデザインと作用機
作への指針)』(化学の領域増刊122号)構造活性相
関懇話会編、南江堂(1980)、p96〜103に記
載のような、疎水性パラメータ(π)が負の置換基等を
用いることができる。
【0045】本発明に係る有機微粒子Bは、前記一般式
(1)で表されるような特定の繰り返し単位を共重合成
分として5質量%以上もつことが必要であるが、10質
量%以上含有することが好ましい。
【0046】また、有機微粒子B自体としては、親水性
ではあっても水溶性ではないことが好ましいので、10
〜50質量%未満の範囲の含有率に調整されることが好
ましい。
【0047】以下、本発明に係る有微微粒子Bの構成成
分として用いられる、前記一般式(1)で表される繰り
返し単位を共重合成分として5質量%以上含有するポリ
マーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0048】
【化5】
【0049】
【化6】
【0050】一方、有機微粒子Bを構成するポリマーの
他の単量体成分としては、エチレン性不飽和基を有する
従来公知の任意のものが選ばれる。これらは、単一の種
類であっても、複数種類であっても良い。このような単
量体の例としては、アクリル酸あるいはメタクリル酸の
アルキルエステルまたはアルキルアミド等であり、メチ
ルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレ
ート、nーブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレ
ート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレ
ート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、スチレン、ビニルトルエン、α―メチルスチレン、
酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
または、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、または、ジメチルアミノメチルアク
リレート、ジエチルアミノメチルアクリレート、ジブチ
ルアミノメチルアクリレート、ジヘキシルアミノメチル
アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジ
エチルアミノエチルアクリレート、(t−ブチル)アミ
ノエチルアクリレート、ジイソヘキシルアミノエチルア
クリレート、ジヘキシルアミノプロピルアクリレート、
ジ(t−ブチル)アミノヘキシルアクリレート等が挙げ
られる。これらのうち好ましく用いられるのは、スチレ
ン、メチルメタアクリレート、n−ブチルアクリレート
である。
【0051】本発明に係る有機微粒子Bは、水系エマル
ジョンとして調製し、塗布液を構成することが好まし
く、その場合のエマルジョン粒子のイオン性は塗布液と
等しいか、または非イオン性であることが好ましい。ま
た、有機微粒子Bを含有する層の塗布液のイオン性は、
他の層の塗布液のイオン性と等しいか、または非イオン
性であることが好ましい。また、最も好ましいのは有機
微粒子Bと塗布液全てのイオン性がカチオン性または非
イオン性であることである。
【0052】通常、インクジェット記録用紙は、室温下
で使用されるが、使用前の保存状態は必ずしも室温とは
限らず、特に、夏場の密閉された車中では非常に高温状
態となるため、そのような環境を経た後でも支障なく使
用できることが望まれる。このため、有機微粒子Bのガ
ラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが必要で
あるが、好ましくは、80℃以上であり、更に好ましく
は、90℃〜120℃である。
【0053】前述の有機微粒子A及び有機微粒子Bのガ
ラス転位温度(Tg)が70℃未満の場合には、加熱に
よる有機微粒子の融着を生じやすくなり、その結果とし
て、記録用紙表面の空隙が縮小または減少し、インク吸
収速度の低減が起こりやすくなる。
【0054】ここで、本発明に係る有機微粒子の構成成
分であるポリマーのTgは、共重合成分としての単量体
単独重合体のTgおよび単量体組成比から質量分率によ
って計算で求めることが可能である。例えば、スチレン
(単独重合体Tg=100℃=373K):n−ブチル
アクリレート(単独重合体Tg=−54℃=219K)
が4:1(質量比)の組成からなるポリマーのTgとし
ては、1/((1/373K)×4/5+(1/219
K)×1/5)=327K(=54℃)と求められる。
単量体単独重合体のTgについては、POLYMER
HANDBOOK (A WILEY−INTERSC
IENCE PUBLICATION)に多数の測定値
が掲載されている。
【0055】また、有機微粒子Bの平均粒子径は100
nm以下であることが必要であるが、好ましくは60n
m以下であり、更に好ましくは、20〜40nmであ
り、本発明に係る有機微粒子Bは、従来公知の乳化重合
法等により水中で合成されることが好ましい。その粒子
径は、乳化剤の種類や量、単量体成分を調節するなど従
来公知の手法により上述の20nm程度から100nm
程度までの範囲になるように調節することが可能であ
る。
【0056】本発明の効果を顕著に奏するために、イン
ク吸収層の表面に配置する表層として、有機微粒子A又
はBの含有率は50〜90質量%であることが好ましい
が、該表層中での有機微粒子同士の融着を効果的に防止
し、インク吸収速度を更に高める観点から、後述するイ
ンク吸収層で用いるのと同様の無機微粒子を含有しても
良い。
【0057】本発明の効果を顕著に奏するために、イン
ク吸収層の表面に配置する表層として、有機微粒子A又
はBの含有率は50〜90質量%であることが好まし
く、該表層中での有機微粒子同士の融着を効果的に防止
し、インク吸収速度を更に高める観点から、後述する表
面を修飾した無機微粒子の含有率は、10〜50質量%
であることが好ましい。
【0058】次に、表面を修飾した無機微粒子について
説明する。本発明で用いることのできる基材となる無機
微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、
タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイ
ドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベ
ーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライ
ト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げるこ
とができる。
【0059】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものを
電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径
を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められ
る。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい
円を仮定したときの直径で表したものである。
【0060】無機微粒子としては、シリカ及びアルミナ
またはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いる
ことが好ましいが、請求項2に係る発明ではシリカであ
ることが好ましい。
【0061】本発明で用いることのできるシリカとして
は、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリ
カ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いら
れるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子
シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成
された微粒子シリカが好ましく、請求項3に係る発明で
は、シリカが気相法で合成されたシリカであることが好
ましい。
【0062】無機微粒子は、その粒径が100nm以下
であることが好ましい。例えば、上記気相法で合成され
た微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無
機微粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態で
の粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好
ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmで
ある。
【0063】最も好ましく用いられる、一次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリ
カとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジル
が市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中
に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットスト
リームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分
散することで、比較的容易に一次粒子まで分散すること
ができる。
【0064】次いで、無機微粒子表面を修飾するシラン
カップリング剤について説明する。本発明において、無
機微粒子表面を修飾するのに用いられるシランカップリ
ング剤としては、従来公知のものが広く使用できる。例
えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロ
ロシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジ
クロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニル
ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン・塩酸塩及びアミノシラン配合物などが挙げ
られ、特に、ビニル系、メルカプト系、グリシドキシ
系、メタクリロキシ系が好ましく、特に、シランカップ
リング剤が、メルカプト基を有していることが好まし
い。
【0065】無機微粒子表面に上記シランカップリング
剤による表面処理を行う方法としては、公知の方法を使
用することができる。例えば、ヘンシェルミキサーを用
い、無機微粒子を攪拌混合しながらシランカップリング
剤を滴下又は噴霧する乾式法、スラリー状の無機微粒子
にシランカップリング剤を滴下しながら攪拌し滴下終了
後に無機微粒子を沈澱させ濾過してから無機微粒子を乾
燥させ残留溶媒を除去するスラリー法、無機微粒子を溶
媒に分散させ、これにシランカップリング剤を添加して
攪拌した後、溶媒を蒸発して付着層を形成する方法など
である。
【0066】更に、無機微粒子を合成する最終工程に何
らかの処理剤を用いる方法であり、例えば、気相法シリ
カを合成する最終工程で原料のテトラクロロシランの代
わりに、アルキルクロロシランを加える方法等を挙げる
ことができる。
【0067】本発明に係る表面を修飾した無機微粒子と
しは、市販品の中にも数多くあり、例えば、表面修飾し
た気相法シリカとして、日本アエロジル社製のR97
2、R974、RX200、RY200、デグサ社製の
R202、R805、R812、トクヤマ社製のMT−
10、MT−10C、DM−10、DM−10C、DM
−20、DM−30などが挙げられる。その他、表面修
飾した湿式シリカとして日本シリカ工業製のAY−46
0、AZ−260、AZ−360、表面修飾した他の無
機微粒子としてバーゲス・ピグメント社製のカオリンク
レーKE、2211、5178、CBなどをその一例と
して挙げることができる。
【0068】無機微粒子表面の修飾の度合いは、修飾可
能な部位を必ずしも全て修飾する必要はなく、部分修飾
であってもよい。完全に修飾すると無機微粒子が疎水性
になって塗布液中に混合できない場合があるため、好ま
しい修飾度は30〜80%である。更に、表面修飾した
修飾基自体が他の機能を併せ持つことも好ましい。例え
ば、メルカプト基を持ったシランカップリング剤によれ
ば、変褪色防止効果をさらに高めることができる。
【0069】本発明のインクジェット記録用紙は、前記
有機微粒子A又は有機微粒子Bと表面を修飾している無
機微粒子とを含有する表層を有していることが特徴であ
るが、本発明でいう表層とは、最表面層に限定されるこ
とはなく、本発明の効果が発現する構成であれば、特に
限定されるものではない。
【0070】本発明でいう表層を明示するための好まし
い構成例を以下に列挙するが、本発明に係る層構成は、
これらにのみ限定されるものではない。
【0071】1:支持体上に空隙型インク吸収層を有
し、その上に有機微粒子A又は有機微粒子Bが含まれて
いる層が最表層である構成 2:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に有
機微粒子A又は有機微粒子Bが含まれている層を設け、
更にその上に、表面物性の改良を目的とした薄層を設け
た構成 3:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に有
機微粒子A又は有機微粒子Bが含まれている層を設け、
更にその上に、有害光をカットする目的で、紫外線吸収
機能を有する薄層を設けた構成 4:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に有
機微粒子A又は有機微粒子Bが含まれている層を設け、
更にその上に、マット剤を含む層を設けた構成 5:支持体上に空隙型インク吸収層を有し、その上に有
機微粒子A又は有機微粒子Bが含まれている層を設け、
更にその上に、剥離可能な層を設けた構成。
【0072】上記に記載の構成例の内で最も好ましい構
成は、本発明の効果を最も発揮できる1項に係る有機微
粒子A又は有機微粒子Bの含有層が最表層である場合で
ある。
【0073】本発明に係る有機微粒子A又は有機微粒子
Bと表面を修飾した無機微粒子を含む表層には、無機微
粒子、バインダー成分等を含んでも良い。
【0074】次に、多孔質層(インク吸収層ともいう)
について説明する。本発明のインクジェット記録用紙に
おいては、一層以上の多孔質層、いわゆるインク吸収層
を有している。
【0075】一般に、インク吸収層としては、大きく別
けて膨潤型と空隙型がある。膨潤型としては、水溶性バ
インダーを用い、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド
等を単独もしくは併用して塗布し、これをインク吸収層
としたものである。
【0076】空隙型としては、微粒子及び水溶性バイン
ダーを混合して塗布したもので、特に光沢性のあるもの
が好ましい。微粒子としては、アルミナもしくはシリカ
が好ましく、特に粒径0.1μm以下のシリカを用いた
ものが好ましい。水溶性バインダーとしては、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレンオキサイド等を単独もしくは併用したものが
好ましい。
【0077】上記の2タイプの内、連続高速プリントに
適応するには、記録媒体のインク吸収速度が速い方が適
しており、この点から、本発明においては、空隙型を特
に好ましく用いることができる。
【0078】以下、空隙型インク吸収層について、更に
詳しく説明する。空隙層は、主に親水性バインダーと無
機微粒子の軟凝集により形成されるものである。従来よ
り、皮膜中に空隙を形成する方法は種々知られており、
例えば、二種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を
支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互い
に相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子および
親水性または疎水性樹脂を含有する塗布液を支持体上に
塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水或いは
適当な有機溶媒を含有する液に浸漬し、固体微粒子を溶
解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性
質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程
でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方
法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗
布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に
空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して、概ね
等量以上の容積を有する固体微粒子及びまたは微粒子油
滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗
布し、固体微粒子の間に空隙を形成する方法等が知られ
ている。本発明においては、空隙層に、平均粒径が10
0nm以下の各種無機固体微粒子を含有させることによ
って形成されることが、特に好ましい。
【0079】上記の目的で使用される無機微粒子として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサ
イト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダル
シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができ
る。
【0080】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあ
るいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で
観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、そ
の単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個
々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した
ときの直径で表したものである。
【0081】無機微粒子としては、シリカ、及びアルミ
ナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用い
ることが好ましい。
【0082】本発明で用いることのできるシリカとして
は、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリ
カ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いら
れるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子
シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成
された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合
成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるだけで
なく、染料を固定化する目的で用いられるカチオン性ポ
リマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくい
ので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物
は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定
形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使
用することができる。
【0083】無機微粒子は、カチオン性ポリマーと混合
する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態で
あるのが好ましい。
【0084】無機微粒子は、その粒径が100nm以下
であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリ
カの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一
次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、
100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜
50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
【0085】最も好ましく用いられる、一次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリ
カとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジル
が市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中
に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットスト
リームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分
散することで、比較的容易に一次粒子まで分散すること
ができる。
【0086】本発明においては、インク吸収層に水溶性
バインダーを用いることができる。本発明で用いること
のできる水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニ
ルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルア
ミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カ
ラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶
性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これ
らの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能
である。
【0087】本発明で好ましく用いられる水溶性バイン
ダーは、ポリビニルアルコールである。
【0088】本発明で好ましく用いられるポリビニルア
ルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコールも含まれる。
【0089】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のもの
が好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜
5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化
度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.
5%のものが特に好ましい。
【0090】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開昭61−10483号に記載されてい
るような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基
を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有する
エチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することにより得られる。
【0091】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルア
ミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0092】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0093】アニオン変性ポリビニルアルコールは、例
えば、特開平1−206088号に記載されているよう
なアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭
61−237681号および同63−307979号に
記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を
有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285
265号に記載されているような水溶性基を有する変性
ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0094】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号に記載されて
いるようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコ
ールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特
開平8−25795号に記載されている疎水性基を有す
るビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合
体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や
変性の種類違いなど二種類以上を併用することもでき
る。
【0095】インク吸収層で用いられる無機微粒子の添
加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、
無機顔料の種類、水溶性バインダーの種類に大きく依存
するが、一般には、記録用紙1m2当たり、通常5〜3
0g、好ましくは10〜25gである。
【0096】また、インク吸収層に用いられる無機微粒
子と水溶性バインダーの比率は、質量比で通常2:1〜
20:1であり、特に、3:1〜10:1であることが
好ましい。
【0097】また、分子内に第四級アンモニウム塩基を
有するカチオン性の水溶性ポリマーを含有しても良く、
インクジェット記録用紙1m2当たり通常0.1〜10
g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
【0098】空隙層において、空隙の総量(空隙容量)
は記録用紙1m2当り20ml以上であることが好まし
い。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のイ
ンク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるも
のの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収され
ず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの
問題が生じやすい。
【0099】インク保持能を有する空隙層において、固
形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明にお
いて、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚
を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好まし
い。
【0100】空隙型の他のタイプとして、無機微粒子を
用いてインク吸収層を形成させる以外に、ポリウレタン
樹脂エマルジョン、これに水溶性エポキシ化合物及び/
又はアセトアセチル化ポリビニルアルコールを併用し、
更にエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を併用させた塗
工液を用いてインク吸収層を形成させてもよい。この場
合のポリウレタン樹脂エマルジョンは、ポリカーボネー
ト鎖、ポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を有する
粒子径が3.0μmであるポリウレタン樹脂エマルジョ
ンが好ましく、ポリウレタン樹脂エマルジョンのポリウ
レタン樹脂がポリカーボネートポリオール、ポリカーボ
ネートポリオール及びポリエステルポリオールを有する
ポリオールと脂肪族系イソシアネート化合物とを反応さ
せて得られたポリウレタン樹脂が、分子内にスルホン酸
基を有し、さらにエピクロルヒドリンポリアミド樹脂及
び水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ビ
ニルアルコールを有することが更に好ましい。上記ポリ
ウレタン樹脂を用いたインク吸収層は、カチオンとアニ
オンの弱い凝集が形成され、これに伴い、インク溶媒吸
収能を有する空隙が形成されて、画像形成できると推定
される。
【0101】本発明においては、硬化剤を使用すること
が好ましい。硬化剤は、インクジェット記録媒体作製の
任意の時期に添加することができ、例えば、インク吸収
層形成用の塗布液中に添加しても良い。
【0102】本発明においては、インク吸収層形成後
に、水溶性バインダーの硬化剤を供給する方法を単独で
用いても良いが、好ましくは、上述の硬化剤をインク吸
収層形成用の塗布液中に添加する方法と併用して用いる
ことである。
【0103】本発明で用いることのできる硬化剤として
は、水溶性バインダーと硬化反応を起こすものであれば
特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、そ
の他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バイ
ンダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バ
インダーが有する異なる基同士の反応を促進するような
化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選
択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、
エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジル
シクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジ
ルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデ
ヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール
等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−
ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性
ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘ
キサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメ
チルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
【0104】ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心
原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的に
は、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、
五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられ
る。
【0105】硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸
およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を
混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホ
ウ砂の混合水溶液である。
【0106】ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較
的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混
合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を
濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを
比較的自由にコントロールすることが出来る利点があ
る。上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性バインダー1
g当たり1〜600mgが好ましい。
【0107】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、上
述した以外の各種添加剤を使用することができる。例え
ば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメ
タクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、又はこれらの共重合体、尿素樹脂、又はメラ
ミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、アニオン、カチオ
ン、非イオン、両性の各界面活性剤、特開昭57−74
193号、同57−87988号及び同62−2614
76号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号、同60−72785号、同
61−146591号、特開平1−95091号及び同
3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開
昭59−42993号、同59−52689号、同62
−280069号、同61−242871号及び特開平
4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫
酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、
増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を
含有させることもできる。
【0108】インク吸収層は、2層以上から構成されて
いてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成は
お互いに同じであっても異なっていても良い。
【0109】本発明で用いることのできる支持体として
は、従来インクジェット記録用紙用として公知のものを
適宜使用でき、吸水性支持体であってもよいが、非吸水
性支持体であることが好ましい。すなわち、吸水性支持
体の場合よりも非吸水性支持体の場合の方が、記録用紙
中に顔料インク中の水溶性有機溶媒が多量に残留し、有
機微粒子溶解等に対し効果的に作用するため、本発明の
効果を顕著に奏することができると推定している。尚、
正確には、「顔料インク中の水溶性有機溶媒を吸収しな
い支持体」を使用するのが好ましいのであるが、ここで
は非吸水性支持体を用いても、本発明の効果を顕著に奏
することができると考えている。
【0110】本発明で用いることのできる吸水性支持体
としては、例えば、一般の紙、布、木材等を有するシー
トや板等を挙げることができるが、特に、紙は基材自身
の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ま
しい。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学
パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、C
MP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等
の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。
又、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の
各種繊維状物質も原料として適宜使用することができ
る。
【0111】上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ
剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙
力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加す
ることができる。
【0112】紙支持体は、前記の木材パルプなどの繊維
状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙
機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造するこ
とができる。又、必要に応じて抄紙段階又は抄紙機にス
ターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理し
たり、各種コート処理したり、カレンダー処理したりす
ることもできる。
【0113】本発明で好ましく用いることのできる非吸
水性支持体には、透明支持体及び不透明支持体がある。
透明支持体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジ
アセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料
を有するフィルム等が挙げられ、中でもオーバーヘッド
プロジェクター(OHP)用として使用されたときの輻
射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレ
フタレートが特に好ましい。このような透明な支持体の
厚さとしては、50〜200μmが好ましい。
【0114】また、不透明支持体としては、例えば、基
紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフ
ィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆる、RCペ
ーパー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム
等の白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが
好ましい。
【0115】前記各種支持体とインク吸収層の接着強度
を大きくする等の目的で、インク吸収層の塗布に先立っ
て、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが
好ましい。更に、本発明のインクジェット記録用紙は必
ずしも無色である必要はなく、着色された記録シートで
あってもよい。
【0116】本発明のインクジェット記録用紙では、原
紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持
体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも
低コストで高品質の画像が得られるために特に好まし
い。
【0117】そのようなポリエチレンでラミネートした
紙支持体について以下に説明する。紙支持体に用いられ
る原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材
パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ或いは
ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙さ
れる。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NB
KP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKP
の何れも用いることができるが、短繊維分の多いLBK
P、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用
いることが好ましい。ただし、LBSP又はLDPの比
率は10〜70質量%が好ましい。
【0118】上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0119】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500mlが好ましく、又、叩解後の
繊維長は、JIS−P−8207に規定される24メッ
シュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が
30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%
は20質量%以下であることが好ましい。
【0120】原紙の坪量は30〜250gが好ましく、
特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜2
50μmが好ましい。
【0121】原紙は抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処
理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.
7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的
である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定
される条件で20〜200gが好ましい。また、原紙表
面には表面サイズ剤を塗布しても良い。
【0122】原紙のpHは、JIS−P−8113で規
定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であ
ることが好ましい。
【0123】原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレン
は、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/
又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のL
LDPEやポリプロピレン等も一部使用することができ
る。
【0124】特に、インク吸収層側のポリエチレン層
は、写真用印画紙で広く行われているようにルチル又は
アナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、
不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チ
タン含有量はポリエチレンに対して通常3〜20質量
%、好ましくは4〜13質量%である。
【0125】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用い
ることも、またポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成したものも本発明で使用できる。上記ポリエチレン
被覆紙においては紙中の含水率を3〜10質量%に保持
するのが特に好ましい。
【0126】本発明の記録用紙の空隙層及び下引き層な
ど必要に応じて適宜設けられる各種のインク吸収層を支
持体上に塗布する方法は、公知の方法から適宜選択して
行うことができる。好ましい方法は、各層を構成する塗
布液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場
合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての
親水性バインダー層を1回の塗布で済ませる同時重層塗
布方法が好ましい。
【0127】塗布方式としては、例えば、ロールコーテ
ィング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコー
ティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方
法、あるいは米国特許第2,681,294号記載のホ
ッパーを使用するエクストルージョンコート法が好まし
く用いられる。
【0128】本発明のインクジェット記録用紙を用いた
画像記録においては、水性インクを用いる記録方法が好
ましい。
【0129】本発明でいう水性インクとは、下記の着色
剤及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体を意味
する。
【0130】本発明で用いることのできる着色剤として
は、インクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基
性染料、反応性染料、食品用色素等の水溶性染料又は水
分散性顔料を使用することができる。中でも、特に好ま
しい着色剤は、フタロシアニン系の染料をシアン染料と
して用いたインクである。フタロシアニン系染料は、シ
アン系染料の中でも特に広く知られ、かつ用いられてい
るものである。
【0131】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、i−プロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、t−ブチルアルコ
ール、i−ブチルアルコール等のアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトン
アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のポリアルキレングリコール類;エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールア
ミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチル
エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル
等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げ
られる。
【0132】これらの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチ
レングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等
の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル類
が好ましい。
【0133】その他の水性インクの添加剤としては、例
えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防黴剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤などが
挙げられる。
【0134】水性インク液は、記録用紙に対する濡れ性
を良好にするため、20℃において25〜60mN/
m、好ましくは30〜50mN/mの範囲内の表面張力
を有することが好ましい。
【0135】本発明で用いることのできるプリンター
は、市販されているプリンターのように、例えば、記録
媒体収納部、搬送部、インクカートリッジ、インクジェ
ットプリントヘッドを有するものであれば特に制約はな
いが、少なくともロール状の記録媒体収納部、搬送部、
インクジェットプリントヘッド、切断部、及び、必要に
応じて加熱部、加圧部、記録プリント収納部から構成さ
れる一連のプリンターセットであることが好ましい。使
用するインクジェットプリントヘッドは、オンデマンド
方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐
出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シング
ルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー
型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォー
ル型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインク
ジェット型、バブルジェット(R)型等)、静電吸引方
式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び
放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げ
ることができる。好ましくは電気−機械変換方式である
が、いずれの吐出方式を用いても構わない。
【0136】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0137】《インクジェット記録用紙の作製》以下に
示す手順に従って、インクジェット記録用紙1〜10を
作製した。
【0138】〔インクジェット記録用紙1の作製〕両面
をポリエチレンで被覆した紙支持体(厚み230μm)
上に、液温45℃の下記塗布液1をワイヤーバーにて塗
布、乾燥した後、40℃、80%RHの恒温槽中に12
時間保存して、インクジェット記録用紙1を得た。乾燥
膜厚は35μmであった。なお、インクジェット記録用
紙1のシリカ微粒子の塗設量は15g/m2、カチオン
性ポリマー(P1)の塗設量は2.2g/m2、ポリビ
ニルアルコールの塗設量は2.3g/m2であった。
【0139】(塗布液1の調製)下記シリカ−カチオン
ポリマー分散液1を45℃に昇温し、ポリビニルアルコ
ール(クラレ製、PVA203)の10%水溶液及び他
のポリビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の
6%水溶液をそれぞれ45℃に昇温した後に添加した。
最後に、一定の体積となるように45℃の純水を加えて
半透明状の塗布液1を得た。
【0140】〈シリカ−カチオンポリマー分散液1の調
製〉カチオン性ポリマー(P1)の15%水溶液100
gに、1次粒子の平均粒径が12nmの微粒子シリカ
(トクヤマ社製、QS−20)の20%水分散液500
g、次いで硼酸3.0g、ホウ砂0.7gを添加し、高
速ホモジナイザーで分散し、青白色のシリカ−カチオン
ポリマー分散液1を得た。
【0141】
【化7】
【0142】〔インクジェット記録用紙2の作製〕上記
インクジェット記録用紙1上に、下記有機微粒子エマル
ジョン(L−I)が0.5g/m2、未修飾の微粒子シ
リカ(トクヤマ社製、QS−20)が0.25g/
2、アクリル系エマルジョン(Tg=−30℃、平均
粒子径30nm)が0.05g/m2からなる表層をワ
イヤーバーで塗布、乾燥した後、40℃、80%RHの
恒温槽中に12時間保存して、インクジェット記録用紙
2を得た。
【0143】(有機微粒子エマルジョン(L−I)の調
製)n−ブチルアクリレート:スチレン:2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート:t−ブチルメタクリレート=
10:50:20:20(質量比)のモノマーを用い、
公知の方法に従い乳化重合して、有機微粒子エマルジョ
ン(L−I)を調製した。上記調製に用いた界面活性剤
は、カチオン性界面活性剤であるステアリルトリメチル
アンモニウムクロライドで、総モノマー量に対して固形
分として3質量%添加した。以上のようにして調製した
有機微粒子エマルジョン(L−I)に含有される有機微
粒子の平均粒子径は、レーザー散乱法で測定したところ
50nmであり、また、前述の方法により各構成モノマ
ーのTgより計算で求めたガラス転移温度(Tg)は7
6℃であった。
【0144】〔インクジェット記録用紙3、4の作製〕
上記インクジェット記録用紙2の作製において、表層の
未修飾の微粒子シリカに代えて、同質量のトクヤマ社製
DM−30(メチル修飾微粒子シリカ)、日本アエロジ
ル社製R974(メチル修飾微粒子シリカ)にそれぞれ
変更した以外は同様にして、インクジェット記録用紙
3、4を作製した。
【0145】〔インクジェット記録用紙5の作製〕上記
インクジェット記録用紙2の作製において、表層の未修
飾の微粒子シリカに代えて、同質量の下記無機微粒子S
−1に変更した以外は同様にして、インクジェット記録
用紙5を作製した。
【0146】(無機微粒子S−1の調製)気相法シリカ
(トクヤマ社製、QS−20)20gとシランカップリ
ング剤(信越シリコーン社製、KBE803:メルカプ
ト基含有)5gとをブレンダーにより1000rpmで
5時間混合し、一晩放置して反応させ、無機微粒子S−
1を調製した。
【0147】〔インクジェット記録用紙6、7の作製〕
上記インクジェット記録用紙5の作製において、無機微
粒子S−1に代えて、同質量の無機微粒子S−2、無機
微粒子S−3に変更した以外は同様にして、インクジェ
ット記録用紙6、7を作製した。
【0148】(無機微粒子S−2の調製)上記無機微粒
子S−1の調製において、シランカップリング剤として
信越シリコーン社製のKBE803に代えて、(CH3
O)3SiCH3に変更した以外は同様にして、無機微粒
子S−2を調製した。
【0149】(無機微粒子S−3の調製)上記無機微粒
子S−1の調製において、シランカップリング剤として
信越シリコーン社製のKBE803に代えて、(C25
O)3SiC36NH3に変更した以外は同様にして、無
機微粒子S−3を調製した。
【0150】〔各有機微粒子の溶解性試験〕上記記録用
紙2〜7の作製に使用した有機微粒子エマルジョン(L
−I)を、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
〔SP値19.437(MPa)1/2、沸点230℃〕
と室温で混合した結果、全て溶解した。
【0151】〔記録用紙の表面及び断面の電子顕微鏡観
察〕 (未処理記録材料の表面及び断面観察) (処理A後のインクジェット記録材料の表面及び断面観
察)記録用紙1〜7に下記処理Aを施した部分の電子顕
微鏡による表面・断面の観察を行ったところ、記録用紙
2〜7は、有機微粒子が溶解または膨潤することにより
互いに融着している状態が観察された。
【0152】〈処理A〉ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル〔SP値19.437(MPa)1/ 2、沸点
230℃〕の20%水溶液を、記録用紙1〜7の表面に
均一にスプレー塗布した。塗布量は20ml/m2であ
った。次いで、この部分を23℃、55%RHの環境下
で1時間乾燥させた。
【0153】《インク液の調製》以下の組成からなるシ
アンインク液を作製した。
【0154】 水 68.5部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12部 ジエチレングリコール 10部 グリセリン 8部 C.I.Direct Blue 86 1部 界面活性剤(信越化学製 サーフィノール465) 0.5部 《インクジェット画像印字及び評価》 (画像印字)上記インク液をインクジェットプリンタM
J−800C(セイコーエプソン(株)製)に搭載し、
記録用紙1〜7にシアンのベタ画像を印字した。インク
吐出量は12ml/m2であった。この画像を23℃・
55%RHの環境下で1時間乾燥させた。なお、各記録
用紙は、23℃で1日保存したものと、60℃で3日間
保存したものを用いて印字した。
【0155】(印字画像の評価)以上のようにして印字
した各画像について、23℃保存及び60℃保存後の変
褪色耐性の評価を、下記の方法に準じて行った。
【0156】〈変褪色耐性の評価1〉23℃で1日保存
した記録用紙に印字した各ベタ印字画像部を、オフィス
室内の窓際に貼り、外気流が曝露されるが直射日光の当
たらない環境に6ヶ月放置した。放置前後のプリント部
の反射濃度を赤色の単色光で濃度測定し、下式に従い濃
度残存率を求め、これを常温保存後の変褪色耐性の尺度
とした。
【0157】濃度残存率1=(6ヶ月放置後の濃度/放
置前の濃度)×100(%) 〈変褪色耐性の評価2〉60℃で3日間保存した記録用
紙に印字した各ベタ印字画像部を、オフィス室内の窓際
に貼り、外気流が曝露されるが直射日光の当たらない環
境に6ヶ月放置した。放置前後のプリント部の反射濃度
を赤色の単色光で濃度測定し、下式に従い濃度残存率を
求め、これを高温保存後の変褪色耐性の尺度とした。
【0158】濃度残存率2=(6ヶ月放置後の濃度/放
置前の濃度)×100(%) 以上により得られた結果を表1に示す。
【0159】
【表1】
【0160】表1より明らかなように、表層に本発明で
規定する有機微粒子A又はBと表面を修飾した無機微粒
子とを含有する本発明の記録用紙は、比較例に対し、空
気酸化による画像の変褪色耐性が向上し、更に記録用紙
を高温下で保存した後でもその変褪色耐性が維持されて
いることが分かる。
【0161】
【発明の効果】本発明により、様々な環境下で保存して
も、有害ガスによる画像劣化(変褪色)の少ないインク
ジェット記録用紙を提供することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に1層以上の多孔質層と、下記
    で定義する有機微粒子A又は有機微粒子Bと表面を修飾
    した無機微粒子とを含有する表層とを有することを特徴
    とするインクジェット記録用紙。 有機微粒子A:SP値が18.414〜30.69(M
    Pa)1/2で、かつ沸点が120℃以上の水溶性有機溶
    媒により溶解又は膨潤する水に不溶の有機微粒子で、ガ
    ラス転移温度(Tg)が70℃以上で、かつ平均粒子径
    が100nm以下の有機微粒子。 有機微粒子B:下記一般式(1)で表される繰り返し単
    位を共重合成分として5質量%以上含有するポリマーを
    有し、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上で、かつ平
    均粒子径が100nm以下の有機微粒子。 【化1】 〔式中、Xは−O−または−N(R2)−を表し、R1
    水素原子またはメチル基であり、R2は、水素原子また
    は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xが−O−の場
    合、Jは、炭素数2〜8を有する、エーテル構造または
    チオエーテル構造を有しても良いアルキレン基であり、
    Yは、ヒドロキシル基、アルコキシル基またはカルバモ
    イル基を表し、Xが−N(R2)−の場合、Jは、単結
    合または炭素数2〜8を有する、エーテル構造またはチ
    オエーテル構造を有してもよいアルキレン基であり、Y
    は、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルコキシ
    ル基またはカルバモイル基を表わす。〕
  2. 【請求項2】 前記表面を修飾した無機微粒子が、シラ
    ンカップリング剤によって表面処理をしたシリカである
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    用紙。
  3. 【請求項3】 前記表面を修飾した無機微粒子が、有機
    シランを反応させて合成された気相法シリカであること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用
    紙。
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