JP2003274875A - ゲル状食品 - Google Patents
ゲル状食品Info
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Abstract
ル状食品、中でも好適にはカカオ風味のゲル状食品に於
て、その保存時に経時的に表面に発生する離水を抑える
事を目的とする。 【解決手段】カカオハスクから熱水抽出される抽出物で
あり、抽出終了時のpH条件がpH2.0以上6.5以
下、熱水抽出の温度が100℃より高温且つ130℃以
下という条件で、抽出されるカカオハスク抽出物を0.
05重量%から20重量%含有する事で、離水が効果的
に抑制された、ゲル状食品が得られる。
Description
るものであり、特にゼリー、プリン、ムース等において
離水の少ないゲル状食品に関する。
品は広く食せられている。しかしこれらの食品は、経時
的に表面に水の層ができる、離水と言われる現象が多々
発生する。離水の生じたこれら食品は商品価値が低下す
るために、離水の防止を図る方法がいくつも考案されて
いる。例えば、ゲル化剤を用いた離水防止法があるが、
ゲル化剤は独特の食感を与えるために汎用性に欠け、一
部の食品では明らかに食感が低下する。特開平7-79714
はゼリーにトレハロースと増粘安定剤を組み合わせ、離
水を防止する方法があるが、その離水防止の効果は充分
ではなかった。
ースを用いる方法が提案されている(特開平5−161
460号)が、微粒化セルロースの使用では離水防止が
まだ充分でなく、ザラツキ感を与えることもあり、食感
での問題があった。さらに、特開平8−98663号で
は、限定加熱したホエー蛋白質とゼラチンの複合体を形
成させ、これに塩類を添加するという技術が提案されて
いるが、本法は煩雑であり、制限された条件で効果を生
むが、汎用で好適な方法とは言えないものであった。
いゲル状食品を提供するものであり、特にカカオ風味を
有するゲル状食品に於て、その離水の発生を抑える事を
目的とする。
を解決すべく鋭意研究の結果、カカオハスクから熱水抽
出したカカオハスク抽出物を0.05重量%から20重量%含有
させる事で、離水が効果的に抑制されたゲル状食品が得
られるという知見を得て、本発明を完成するに到った。
したカカオハスク抽出物を、0.05重量%から20重
量%含有することを特徴とするゲル状食品であり、更に
カカオハスク抽出物が、熱水抽出の抽出終了時のpH条
件がpH2.0以上、6.5以下で抽出された物であ
り、またカカオハスク抽出物が、熱水抽出の温度が10
0℃より高温且つ130℃以下の温度で抽出された物を
含有するゲル状食品である。さらには、カカオハスク熱
水抽出物を含有する、カカオ風味を有する、ゲル状食品
である。
が、本発明においてカカオハスク抽出物の原料である外
皮は、脱皮の時期が焙煎前でも焙煎後でも構わない。ま
た、抽出前のカカオハスクは未粉砕のままでも使用可能
であるが、粉砕品の方がより好ましい。
は、抽出物のpHがpH2.0〜pH6.5、好ましくはpH
2.5〜pH6.5にて行うことが好ましい。このpH域から
外れた範囲において抽出された熱水抽出物には、本発明
が目的として期待する充分な機能は発現されない。pH
7.0を超えるアルカリ域で抽出した抽出物は、蛋白質の
抽出量も高くなり、充分な機能が得られない。更に、糖
質の蛋白質との反応により風味が悪化してしまう。一方
pH2.0未満の強酸性域で抽出すると、抽出物が分解さ
れて低分子化してしまい、機能が現れない。
ク抽出物の抽出温度は、加圧下に100℃より高い温度に
て行うのが好ましい。100℃以下の温度で抽出を行った
場合には、カカオハスク抽出物の溶出に時間がかかり経
済的に不利である。一方、温度が高温になるに従って抽
出は短時間で済むが、余りに高温にし過ぎると風味、色
調に悪影響を及ぼすと共に、カカオハスク抽出物の低分
子化が進み機能の発現効果が低下するので、130℃以
下、好ましくは120℃以下で行うのが好ましい。この温
度範囲での抽出時間は数分〜数十時間、好ましくは数十
分〜数時間が適当である。
ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼ等の酵素に
より処理して抽出し易くすることができる。また、抽出
後の水溶性画分を分画した後、そのまま乾燥しても使用
は可能だが、電気透析、イオン交換樹脂処理等によって
ミネラル成分を除去(脱塩)しても良く、また活性炭処
理或いは樹脂処理或いはエタノール沈澱処理をして疎水
性物質或いは低分子物質を除去(精製)し乾燥すること
によって、より品質の良好なカカオハスク抽出物を得る
ことができる。更に、UF膜やセラミックフィルター分
離で低分子の着色物質や悪風味成分を除去(精製)する
ことによって、より品質の良好なカカオハスク抽出物を
得ることができる。
びクエン酸,乳酸等の有機酸、リン酸,ポリリン酸,ヘ
キサメタリン酸等の酸及びそれらの塩類、或いはショ糖
脂肪酸エステル,モノグリセリン脂肪酸エステル,ポリ
グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤を併用することに
よって、品質の良好な水溶性画分を抽出することができ
る。
ハスク抽出物は、その分子量がどの様な値のものでも使
用可能であるが、好ましくは平均分子量が数万〜数百
万、より好ましくは数万から数十万で、具体的には2万
〜30万であるのが好ましい。なお、この明細書において
平均分子量は標準物質プルラン(昭和電工(株))を標
準物質として、TSK-GEL G-5000PWXLカラムを用いたゲル
濾過HPLCで測定した値である。また、当該カカオハスク
抽出物の粘度は特に制限されるものではないが、10%濃
度の水溶液において20℃で10〜500cPs、好ましくは30〜
300cPs、より好ましくは40〜200cPsの粘度を与える。こ
のカカオハスク抽出物は、ガラクツロン酸,ガラクトー
ス,ラムノース,アラビノース,キシロース,フコー
ス,マンノース,及びグルコースを含む。なお、ウロン
酸の測定はBlumenkrantz法により、中性糖の測定はアル
ジトールアセテート化した後GLCにより測定される。
いて述べる。離水が問題とされるゲル状食品の例とし
て、ゼリー、ムース、プリンなどが上げられるが、これ
らゲル状食品は、通常公知のゲル化剤、例えばゼラチ
ン,大豆蛋白質,卵黄,卵白,乳蛋白等の蛋白質成分
や、ペクチン,カラギーナン,寒天,ジェランガム等の
多糖類と、公知の甘味料、例えば砂糖,ぶどう糖,麦芽
糖,果糖,乳糖,異性化糖,水飴,トレハロース,マル
チトール,ソルビトールなどの糖類やアスパルテーム,
ステビア,スクラロール,グリチルリチン,ソーマチ
ン,エリスリトール,マンニトール,キシリトール,マ
ルチトール等などから選ばれた一種又は二種以上を加
え、更に適当な香料等を添加する事によって作られる。
ク抽出物を0.05重量%から20重量%、好ましくは0.1重量%
から10重量%を添加し食品に含有させることで、経時的
に発生する離水が抑えられた食品が得られる。カカオハ
スク抽出物の添加量が0.05重量%より少ないと離水防止
効果が著しく弱く、また20重量%より多いとカカオハス
ク抽出物の独特な風味が発生し嗜好的に好ましい物でな
くなる場合がある。
に、ゼリー,プリン,ムース等などがあげられるが、本
発明は特に前記の食品種類に限定されるものでなく、現
状に於て離水の発生が見られるゲル状の食品であれば、
広く対象とする事ができる。ただ、カカオハスク抽出物
そのものが、通常カカオ風味を有しており、これらゲル
状食品との嗜好性の調和という点ではカカオ風味、すな
わちチョコレート風味やココア風味のゲル状食品である
事が好ましい。カカオ風味の付与には、カカオ風味剤と
して、チョコレート,ココアパウダー,カカオマス,コ
コアバター,ココアバター代用脂から選ばれた一種又は
二種以上を混合して用いることも出来る。また、カカオ
風味を付与する際の食品のpHは、中性付近である事が
好ましい。もちろん、カカオハスク抽出物の離水を抑制
する機能は風味と関係なく発現するものであり、カカオ
風味以外のゲル状食品でも嗜好的に適性が合うものには
好適に用いられるし、カカオハスク抽出物をより精製
し、カカオ風味の影響を少なくすれば嗜好的な汎用性は
向上する。経済性の点では、カカオ風味の残留する抽出
物のレベルの精製で、カカオ風味が調和出来る食品に用
いることが好適である。
は不要で、カカオハスク抽出物の添加も単に一般の原料
同様に加えれば良い。例えばゼリーの調製方法において
は、その調製法は特に制限されず、上にあげた公知のゲ
ル化剤,公知の甘味料,香料等に、必要に応じてクエン
酸,酒石酸,リンゴ酸,酢酸,乳酸,リン酸等の酸味
料、およびその塩、カカオ風味剤を加え、更に本発明の
カカオハスク抽出物を0.05重量%から20重量%添加し、常
法に従ってゲル化させる事で、離水が効率的に防止され
たゼリーが調製できる。
黄,卵白,全卵等と、乳製品すなわち牛乳,全脂粉乳,
脱脂粉乳,クリーム,バター,全脂練乳,脱脂練乳,調
製粉乳等を混合したものに、上にあげた公知の甘味料、
必要に応じて公知のゲル化剤や香料等,カカオ風味剤を
加え、更に本発明のカカオハスク抽出物を0.05重量%か
ら20重量%添加し、常法に従ってゲル化させる事で、離
水が効率的に防止されたプリンが調製できる。
知の甘味料,ゲル化剤,香料,カカオ風味剤から選ばれ
た原料に、本発明のカカオハスク抽出物を0.05重量%か
ら20重量%添加し、常法に従ってゲル化させる事で、離
水が効率的に防止されたムースが調製できる。このよう
な調製法により得られたゲル状食品は、保存していても
表面に離水が発生する事がなく、品質を落とさないまま
に長期間保存する事ができる。
明するが、本発明はこれらの例示によって制限されるも
のではない。なお、例中の部及び%は何れも重量基準を
意味する。
カオ豆から得られたカカオハスク50部を水400部に分散
した後に、pHを5.0に調整後、110℃、90分間加熱し
て、カカオハスク抽出物を抽出した。なお、抽出終了時
のpHは4.9であった。冷却後、遠心分離(10,000g×30
分間)を行い上澄画分と沈殿画分に分離した。分離した
沈殿部は等重量の水を加えて再度遠心分離を行い、上澄
を先の水溶性画分と混合した後に、抽出液を中和し、凍
結乾燥してカカオハスク抽出物を得た。この抽出物の組
成は、水分(4.1%)、粗蛋白(8.9%)、灰分
(16.5%)、全糖(53.6%)、ウロン酸(3
4.8%)であり、平均分子量は、191,000であ
った。
種々の量の実施例1で得られたカカオハスク抽出物,コ
コアパウダー3部,砂糖12部,ジェランガム1部を入れ、
80℃で10分間溶解させ、水で全量を100部になるよう調
整した後、容器に入れ、10℃に冷却してゼリーを調製し
た。このゼリーを10℃にて保存し、3日後の離水を確認
した。
かに抑制がみられた。しかし添加量が20重量%を越える
と風味が悪化した。
カカオハスク抽出物4部と卵黄25部を加えた。これを溶
かしたチョコレート40部に加え、更にゼラチン1.3部を
加えた後、6分立てしたホイップクリーム80部を混ぜ
た。これを容器に入れ、10℃に冷却してチョコレートム
ースを調製した。
は、実施例3と同様にしてチョコレートムースを調製し
た。
物2部、ココアパウダー3部、砂糖12部、ジェランガム1
部を入れ、80℃で10分間溶解させ、水で全量を100部に
なるよう調整した後、容器に入れ、10℃に冷却してゼリ
ーを調製した。
は実施例4と同様にしてカカオ風味ゼリーを調製した。
部を溶解させガナッシュを調製した。全卵50部に卵黄15
部を加え、カカオハスク抽出物10部、砂糖40部、牛乳15
0部を溶解させた中にガナッシュを加え、容器に入れ
た。オーブンで150℃で20分間蒸し焼きにし、カカオ風
味プリンを調製した。
は実施例5と同様にしてカカオ風味プリンを調製した。
について、10℃で3日間静置後に表面の離水の有無を目
視した。カカオハスク抽出物を加えた実施例では離水は
見られなかったが、カカオハスク抽出物を加えなかった
比較例では、全て離水が認められた。
ゲル状の食品が調製できた。
Claims (4)
- 【請求項1】カカオハスク抽出物を、0.05重量%か
ら20重量%含有することを特徴とするゲル状食品。 - 【請求項2】カカオハスク抽出物が、カカオハスクから
の抽出終了時のpH条件がpH2.0以上、6.5以下
で抽出された物である、請求項1記載のゲル状食品。 - 【請求項3】カカオハスク抽出物が、100℃より高温
且つ130℃以下の温度で熱水抽出された物である、請
求項1または請求項2記載のゲル状食品。 - 【請求項4】カカオ風味を有する、請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のゲル状食品。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006169213A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-06-29 | Pola Chem Ind Inc | ゲル状組成物 |
WO2012130278A1 (fr) * | 2011-03-28 | 2012-10-04 | Les Chocolats De L'iris S.A. | Infusion de pelures de feves de cacao et procede d'obtention |
JP2017012022A (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-19 | 不二製油株式会社 | ジャム類用離水低減剤 |
JP7299365B1 (ja) | 2022-02-22 | 2023-06-27 | 森永製菓株式会社 | カカオ製品及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-03-26 JP JP2002085112A patent/JP3804562B2/ja not_active Expired - Fee Related
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