JP2003273460A - 2次元フォトニック結晶面発光レーザアレイ及び2次元フォトニック結晶面発光レーザ - Google Patents
2次元フォトニック結晶面発光レーザアレイ及び2次元フォトニック結晶面発光レーザInfo
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Abstract
次元フォトニック結晶面発光レーザアレイを得る。 【解決手段】 基板11上に下部クラッド層12、キャ
リアの注入により発光する活性層13、上部クラッド層
14を積層し、下部クラッド層12に2次元的に屈折率
周期を配置したフォトニック結晶周期構造体21を備
え、該構造体21により共振して上部クラッド層14の
上面から面発光する2次元フォトニック結晶面発光レー
ザ。このレーザをアレイ化する際、上部クラッド層14
上に上部電極17をフォトニック結晶周期構造体21の
ポインティングベクトルと略直交する方向に配列する。
Description
ク結晶面発光レーザアレイ及び2次元フォトニック結晶
面発光レーザに関する。
出射する面発光レーザが種々開発、研究されている。面
発光レーザは同一基板上に多数の素子を集積(アレイ
化)でき、各素子からコヒーレントな光が並列的に出射
されるため、並列光ピックアップ、並列光伝送、光並列
情報処理の分野での用途が期待されている。
ク結晶を利用した2次元フォトニック結晶面発光レーザ
が特開2000−332351号公報に開示されてい
る。フォトニック結晶とは、光の波長と同程度もしくは
より小さい屈折率周期を有する結晶であり、誘電体の多
次元周期構造体では半導体の結晶中で電子状態にバンド
ギャップが生じることと同様の原理により、光の導波を
抑制する波長帯(フォトニックバンドギャップ)が生
じ、光を2次元又は3次元に閉じこめることが可能であ
る。
発光レーザは、キャリアの注入により発光する活性層の
近傍に、2次元的に屈折率周期を配置したフォトニック
結晶周期構造体を備え、フォトニック結晶により共振し
て面発光するものである。
フォトニック結晶面発光レーザをアレイ化しようとする
と、光の共振方向が面内方向であるため、隣接するレー
ザ間にクロストークが生じる。特に、光の偏光方向が定
まっていないと、面内での光の進行方向(ポインティン
グベクトル)も四方八方に向かい、それぞれのレーザを
どのように並べてもクロストークが生じる。
発生を抑えることのできる2次元フォトニック結晶面発
光レーザアレイを提供することにある。
モニタするための光センサを容易に配置することのでき
る2次元フォトニック結晶面発光レーザを提供すること
にある。
め、第1の発明は、キャリアの注入により発光する活性
層をクラッド層で挟み込み、該クラッド層又は該活性層
に2次元的に屈折率周期を配置したフォトニック結晶周
期構造体を備えた2次元フォトニック結晶面発光レーザ
アレイにおいて、前記クラッド層上に上部電極が前記フ
ォトニック結晶周期構造体のポインティングベクトルと
は異なる方向に配列されていることを特徴とする。
により共振して増幅された光が上部電極の周囲の発光領
域からコヒーレントな光として出射する。上部電極はフ
ォトニック結晶周期構造体における光の進行方向(ポイ
ンティングベクトル)とは異なる方向に配列されている
ため、隣接するレーザ素子間のクロストークが生じにく
くなる。
と略直交する方向に配列すれば、クロストークの防止に
効果的である。また、光の偏光方向を揃えることが重要
であり、そのためには、フォトニック結晶周期構造体を
楕円にすることが好ましい。それ以外に、媒質の屈折率
を調整したり、周期構造に乱れ(格子欠陥)を導入して
もよい。フォトニック結晶周期構造体の格子形状は正方
格子や三角格子等任意であるが、正方格子であれば設計
が容易である。
り発光する活性層をクラッド層で挟み込み、該クラッド
層又は該活性層に2次元的に屈折率周期を配置したフォ
トニック結晶周期構造体を備えた2次元フォトニック結
晶面発光レーザにおいて、レーザ出力をモニタするため
の光センサが、前記フォトニック結晶周期構造体のポイ
ンティングベクトルに対して略直交する位置に設けられ
ていることを特徴とする。
は、1次回折を利用して面発光させるが、2次回折光も
漏れており、第2の発明ではその漏れ光を光センサで検
出するようにしたため、光センサを基板と並置すること
ができ、光センサの配置が容易になる。
ニック結晶面発光レーザアレイ及び2次元フォトニック
結晶面発光レーザの実施形態について、添付図面を参照
して説明する。
照)本発明に係る2次元フォトニック結晶面発光レーザ
アレイは、図1に示す2次元フォトニック結晶面発光レ
ーザを同一基板上に複数素子並設したものである。
10は、概略、基板11上に下部クラッド層12、活性
層13、上部クラッド層14が積層され、下部クラッド
層12には活性層13の近傍に2次元フォトニック結晶
20が内蔵されている。
材料からなる。下部クラッド層12及び上部クラッド層
14は、例えば、それぞれn型及びp型InPの半導体
層であり、活性層13よりも屈折率が低い。2次元フォ
トニック結晶20は、下部クラッド層12に形成した空
孔(フォトニック結晶周期構造体21)にて構成され、
下部クラッド層12とは屈折率の異なる媒質が2次元の
周期で配列された正方格子や三角格子からなっている。
空孔内にはSiN等を充填してもよい。活性層13は、
例えば、InGaAs/InGaAsP系の半導体材料
を用いた多重量子井戸構造からなっており、キャリアの
注入により発光する。
4により活性層13を挟んでダブルヘテロ接合を形成
し、キャリアを閉じこめて発光に寄与するキャリアを活
性層13に集中させるようになっている。
上面には金等からなる下部電極16及び上部電極17が
形成されている。電極16,17間に電圧を印加するこ
とにより活性層13が発光し、該活性層13から漏れた
光が2次元フォトニック結晶20に入射する。2次元フ
ォトニック結晶20の格子間隔に波長が一致する光は、
2次元フォトニック結晶20により共振して増幅され
る。これにより、上部クラッド層14の上面(電極17
の周囲に位置する発光領域18)からコヒーレントな光
が面発光される。
る2次元フォトニック結晶20について共振作用を説明
する。2次元フォトニック結晶20は、第1媒質12内
に空孔等の第2媒質21と直交する2方向に同じ周期で
形成した正方格子からなっている。正方格子はΓ−X方
向とΓ−M方向の代表的な方向を有している。Γ−X方
向に隣接する第2媒質21の間隔をaとすると、第2媒
質21を格子点とした一辺がaの正方形からなる基本格
子Eが形成されている。
る光LがΓ−X方向に進行すると、光Lは格子点で2次
回折される。このうち、光Lの進行方向に対して0°、
±90°、180°の方向に回折された光のみがブラッ
グ条件を満たす。さらに、0°、±90°、180°の
方向に回折された光の進行方向にも格子点が存在するた
め、回折光は再度進行方向に対して0°、±90°、1
80°方向に回折する。
すと、回折光が元の格子点に戻るため共振作用が生じ
る。また、紙面に垂直な方向に1次回折された光もブラ
ッグ条件を満たす。このため、共振によって増幅された
光が上部クラッド層14を介して出射され、面発光機能
を有することになる。また、全ての格子点でこの現象が
生じるため、面内全域でコヒーレントなレーザ発振が可
能である。
ィングベクトルの向き、図3〜図5参照)本発明の課題
とされているクロストークを防止するには、フォトニッ
ク結晶20内における光の進行方向(ポインティングベ
クトル)を一定にすること、即ち、光の偏光方向を揃え
ることが重要である。偏光方向を揃えるには、媒質21
の屈折率を調整したり、周期構造に乱れ(格子欠陥)を
導入することで可能であるが、本実施形態においては、
下部クラッド層12に内蔵されたフォトニック結晶周期
構造体21を形成する単位格子形状を楕円形状とした。
該周期構造体21を楕円とすることにより、フォトニッ
クバンドから決まるモードによっては、楕円の長軸方向
とポインティングベクトルPの方向が同じ場合(図3
(A)参照、モードA,D)と、異なる場合(図3
(B)参照、モードB,C)とが存在する。
できるだけ狭小ピッチでアレイ化するためには、上部ク
ラッド層14の上面に形成する上部電極17を、ポイン
ティングベクトルPと同じ方向に配列しなければよい。
と電界(偏光)Dの方向に関して各面発光レーザ10
(上部電極17)の配置関係を示す。図4に示すよう
に、上部電極17をポインティングベクトルPと同じ方
向に配列して面発光レーザアレイ30を構成すると、隣
接するレーザ10間にクロストークが発生し、各レーザ
10から出射するレーザ光を独立して制御できなくなる
おそれがある。クロストークを防止するには各レーザ1
0の間隔を大きく設定する必要があり、これではアレイ
が大型化してしまう。
極17をポインティングベクトルPの方向と直交する方
向に配列して面発光レーザアレイ30を構成すると、隣
接するレーザ10間のクロストークは小さくなり、各レ
ーザ10の間隔を小さく設定することが可能となる。
電極17をポインティングベクトルPと直交する方向に
配列することが最も望ましいが、45°に交差する方向
に配列した場合であっても、クロストークを抑えてアレ
イ30を小型化する効果を発揮する。
記2次元フォトニック結晶面発光レーザ10をアレイ化
したレーザアレイ30に対して、レーザ出力をモニタす
るための光センサ35を取り付けた状態を示す。ここ
で、光センサ35はポインティングベクトルPに対して
直交する位置に設けられている。
では1次回折を利用して図6の紙面に垂直方向にレーザ
光を出射するが、2次回折光も基板11の側面から漏れ
ている。光センサ35をポインティングベクトルPと略
直交する位置に設けて2次回折光を検出することで、レ
ーザ出力をモニタすることができる。この場合、光セン
サ35は基板11と並置すればよく、配置が容易であ
る。なお、光センサ35はレーザアレイ30のみなら
ず、面発光レーザ10単体に配置してもよい。
て知られているVCSELでは、モニタ用の光センサは
出射面と反対側の基板下面に配置することが必要で、こ
れでは光センサの配置が困難であった。
元フォトニック結晶面発光レーザアレイ及び2次元フォ
トニック結晶面発光レーザは前記実施形態に限定するも
のではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することが
できる。
の材料や、光の偏光を揃えるための構造、格子形状等は
任意である。また、前記実施形態では、フォトニック結
晶周期構造体を下部クラッド層に設けた例を示したが、
上部クラッド層内の活性層近傍もしくは活性層内に設け
てもよい。
ーザアレイの1単位である面発光レーザの基本構成を示
す斜視図。
ィングベクトルの方向を示す説明図。
の配置関係を示す説明図、好ましくない関係を示す。
の配置関係を示す説明図、好ましい関係を示す。
光センサを設けた状態を示す平面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 キャリアの注入により発光する活性層を
クラッド層で挟み込み、該クラッド層又は該活性層に2
次元的に屈折率周期を配置したフォトニック結晶周期構
造体を備えた2次元フォトニック結晶面発光レーザアレ
イにおいて、 前記クラッド層上に上部電極が前記フォトニック結晶周
期構造体のポインティングベクトルとは異なる方向に配
列されていること、 を特徴とする2次元フォトニック結晶面発光レーザアレ
イ。 - 【請求項2】 前記上部電極が前記ポインティングベク
トルと略直交する方向に配列されていることを特徴とす
る請求項1記載の2次元フォトニック結晶面発光レーザ
アレイ。 - 【請求項3】 前記フォトニック結晶周期構造体が正方
格子に配列されていることを特徴とする請求項1又は請
求項2記載の2次元フォトニック結晶面発光レーザアレ
イ。 - 【請求項4】 前記フォトニック結晶周期構造体が楕円
であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項
3記載の2次元フォトニック結晶面発光レーザアレイ。 - 【請求項5】 キャリアの注入により発光する活性層を
クラッド層で挟み込み、該クラッド層又は該活性層に2
次元的に屈折率周期を配置したフォトニック結晶周期構
造体を備えた2次元フォトニック結晶面発光レーザにお
いて、 レーザ出力をモニタするための光センサが、前記フォト
ニック結晶周期構造体のポインティングベクトルに対し
て略直交する位置に設けられていること、 を特徴とする2次元フォトニック結晶面発光レーザ。
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