JP2003270642A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2003270642A
JP2003270642A JP2002074589A JP2002074589A JP2003270642A JP 2003270642 A JP2003270642 A JP 2003270642A JP 2002074589 A JP2002074589 A JP 2002074589A JP 2002074589 A JP2002074589 A JP 2002074589A JP 2003270642 A JP2003270642 A JP 2003270642A
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crystal display
substrate
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Jun Yamada
潤 山田
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の基板の間にシール材で囲繞された液晶
が挟持されているとともに該基板間に基板間ギャップを
定めるスペーサが分散配置された液晶表示素子であっ
て、所定の基板間ギャップが精度よく、均一に設定さ
れ、それだけ所望の良好な画像を表示することができる
液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 一対の基板1、2の間にシール材Sで囲
繞された液晶6が挟持されているとともに基板間に基板
間ギャップを定めるスペーサ5が分散配置された液晶表
示素子において、一対の基板1、2の厚さが同じである
ときはその基板厚さ、異なるときは薄い方の基板厚さt
〔mm〕と、該スペーサの粒径d〔mm〕と、スペーサ
散布密度n〔個/mm2 〕との関係が、3.0<n2
3 ・d<9.6の式を満足する液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、基本的には一対の基板
間に液晶が挟持されたものである。液晶は基板間から漏
れ出ないようにシール材で囲繞されており、基板間には
基板間ギャップを定めるスペーサが分散配置されてい
る。
【0003】このような液晶表示素子は、近年、軽量薄
型化が求められ、そのため、旧来用いられてきたガラス
基板を、薄く軽量に形成できる合成樹脂基板に置き換え
る研究が盛んに行われている。
【0004】また、これに伴って合成樹脂基板自体の開
発にも力が注がれ、特に厚みの点では、0.4mm程度
から、0.2mm程度、さらには0.1mm程度のもの
も開発されるようになってきている。
【0005】このように薄型軽量化が求められる一方
で、液晶表示素子にはフルカラー表示可能なもの、低消
費電力で駆動可能なものが求められている。
【0006】低消費電力の点では、ネマティック液晶に
カイラル材を添加することで室温でコレステリック相を
示すカイラルネマティック液晶などのコレステリック相
を示す液晶を用いた液晶表示素子が研究されている。
【0007】このタイプの液晶表示素子は、例えば、カ
イラルネマティック液晶の選択反射能を利用して反射型
の液晶表示素子として用いることが可能である。この反
射型の液晶表示では高低のパルス電圧を印加すること
で、液晶を特定波長域の光を選択的に反射するプレーナ
状態(選択反射による着色状態)とフォーカルコニック
状態(透明状態)に切り替えて表示を行わせることがで
きる。また、プレーナ状態とフォーカルコニック状態と
が混在した中間調表示も可能である。
【0008】これらの状態は電圧印加により切り替え可
能であるとともに、電圧印加を停止したあともその状態
が保持されるという、いわゆる双安定性或いはメモリー
性を示し、それによりそれだけ低電力消費で駆動でき
る。
【0009】また、例えば、選択反射波長域のピーク波
長を青、緑、赤のそれぞれに対応する460nm程度、
550nm程度、660nm程度にもつ液晶をそれぞれ
封入した3枚の液晶表示素子を積層して積層型液晶表示
素子とし、各層の液晶表示素子に階調表示を行わせるこ
とでフルカラー表示も可能である。
【0010】このような反射型液晶表示素子は、明るい
表示が可能でもあり、電子ブック、電子ポスター、電子
カタログ等への応用が期待されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、薄型軽量化
のために薄い基板、例えば合成樹脂製の薄い、従って可
撓性を有する基板を採用すると、基板間ギャップを精度
良く均一化することが難しい。基板間ギャップの精度が
低下したり、基板間ギャップが基板間各部において不均
一になると、画像ムラ等の画像不良が発生し、良好な画
像表示を行えなくなる。
【0012】既述のとおり、基板間ギャップは通常、基
板間に分散配置されるスペーサにより決定される。基板
間ギャップを精度良く、各部均一にするには、設定しよ
うとする基板間ギャップ、基板の材質、基板の厚さ等に
応じて最適な個数のスペーサを配置しなければならな
い。
【0013】しかしながら、従来は、スペーサの散布個
数について、この程度の面積には散布個数が何個程度以
上というように極めて大まかにしか示されていなかっ
た。そのためスペーサ散布個数が多過ぎたり、少な過ぎ
たりすることがあり、ひいては許容し難い画像不良の発
生を招くことがあった。
【0014】特に、コレステリック相を示す液晶を用い
た反射型液晶表示素子では、可撓性基板を用いた単層の
モノカラー表示用液晶表示素子の場合、中間調表示をす
るとき、基板間ギャップのバラツキに起因する画像ムラ
が見えてしまうことが多々あった。
【0015】また、光の透過率向上、散乱成分の低減な
どの観点からは基板(特に観察側の基板)少しでも薄く
するのが有利である。さらに、低電圧駆動対応、背景色
(フォーカルコニック状態にしたときに背後に光吸収層
を設けておくことで表示させる黒色などの背景色)の表
示特性向上のためには基板間ギャップを小さくすること
が望ましい。これらの点を考慮して基板厚さや基板間ギ
ャップを少しでも小さくしようとすると、上述した画像
不良の発生やコレステリック相を示す液晶を用いた場合
における画像ムラの問題がより顕著となる。しかしなが
ら従来方法では、可撓性基板を用いた液晶表示素子にお
いて、基板厚さや基板間ギャップを小さくした場合にス
ペーサ散布密度を如何に定めるべきか示されていなかっ
た。
【0016】また、フルカラー表示を行える積層構造の
液晶表示素子にあっては、3層それぞれにおける基板間
ギャップを調節して、白色を表示させるときの白の色み
の最適化を試みるのであるが、従来方法では、各層それ
ぞれにおける精度のよい基板間ギャップの決定が困難で
あり、ひいては白の色みの最適化が困難であった。
【0017】また、積層構造の液晶表示素子において
は、各基板の厚さを少しでも薄くする方が、光の透過率
向上、散乱成分の低減、斜めから見たときの3層間にお
ける視差の減少などの点で有利であることから、単層の
液晶表示素子の場合よりも基板厚みを小さくすることが
強く求められる。さらに、単層の液晶表示素子と同様、
低電圧駆動対応や黒色表示特性向上の点からは基板間ギ
ャップを薄くすることが望まれる。
【0018】また、逆に、単層型及び積層型のいずれの
液晶表示素子に関しても、明るさを重視する場合は液晶
表示素子(又は特定の液晶層)の基板間ギャップを厚く
することもあり、そのためにその基板間ギャップに対応
したスペーサ散布個数が求められることもあった。
【0019】そこで本発明は、一対の基板の間にシール
材で囲繞された液晶が挟持されているとともに該基板間
に基板間ギャップを定めるスペーサが分散配置された液
晶表示素子であって、所定の基板間ギャップが精度よ
く、均一に設定され、それだけ良好な画像を表示するこ
とができる液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0020】また本発明は、それぞれが一対の可撓性を
有する基板間に該基板間ギャップを定める球状スペーサ
とともに挟持された複数の液晶層を積層した積層型液晶
表示素子であって、少なくとも一つの液晶層及び該液晶
層を挟持する対基板により構成される液晶表示素子にお
いて、所定の基板間ギャップが精度よく、均一に設定さ
れ、それだけ全体として良好な画像を表示することがで
きる積層型液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、次の単層型の液晶表示素子及び積層型液晶表
示素子を提供する。
【0022】(1)単層型の液晶表示素子 一対の可撓性を有する基板の間にシール材で囲繞された
液晶が挟持されているとともに該基板間に基板間ギャッ
プを定める球状スペーサが分散配置された液晶表示素子
において、該一対の基板の厚さが同じであるときはその
基板の厚さ、異なるときは薄い方の基板の厚さt〔m
m〕と、スペーサ径d〔mm〕と、スペーサ散布密度n
〔個/mm2 〕との関係が、3.0<n2 ・t3 ・d<
9.6の式を満足する液晶表示素子。
【0023】本発明者は前記課題を解決するため種々検
討した結果、基板厚さt、スペーサ径d及びスペーサ散
布密度nを含むパラメータn2 ・t3 ・dに注目し、こ
の値を所定の範囲内とすることが上記課題の解決に有効
であることを見出した。この単層型の液晶表示素子によ
ると、基板厚さ(一対の基板の厚さが同じであるときは
その基板の厚さ、異なるときは薄い方の基板の厚さ)t
〔mm〕と、スペーサ径d〔mm〕と、スペーサ散布密
度n〔個/mm2 〕との関係が、3.0<n2・t3
d<9.6の式を満足している。これにより基板間にお
けるスペーサ散布密度nを主に見れば、スペーサ散布密
度nが、基板可撓性に影響する基板厚さt及び所望の基
板間ギャップ(換言すればスペーサ径d)との関係にお
いて、基板間ギャップが精度よく均一化されるように決
定されることになる。上記の関係式においては、スペー
サ径dが小さくなるほど、また、基板厚さtが小さくな
るほど、スペーサ散布密度nは大きくなるように設定さ
れることになり、基板が薄くなったり基板間ギャップが
小さくなったりする場合にも十分なスペーサ散布密度が
確保される。かくして、この単層型の液晶表示素子は、
所定の基板間ギャップが精度よく、均一に設定され、そ
れだけ良好な画像を表示することができる。
【0024】(2)積層型液晶表示素子 それぞれが一対の可撓性を有する基板間に該基板間ギャ
ップを定める球状スペーサとともに挟持された複数の液
晶層を積層した積層型液晶表示素子であり、少なくとも
一つの液晶層及び該液晶層を挟持する対基板により構成
される液晶表示素子が前記(1)記載の液晶表示素子で
ある積層型液晶表示素子。
【0025】この積層型の液晶表示素子によると、少な
くとも一つの液晶層及び該液晶層を挟持する対基板によ
り構成される液晶表示素子において、基板厚さ(対基板
の厚さが同じであるときはその基板の厚さ、異なるとき
は薄い方の基板の厚さ)t〔mm〕と、スペーサ径d
〔mm〕と、スペーサ散布密度n〔個/mm2 〕との関
係が、3.0<n2 ・t3 ・d<9.6の式を満足して
おり、これにより基板間におけるスペーサ散布密度n
が、基板可撓性に影響する基板厚さt及び所望の基板間
ギャップ(換言すればスペーサ径d)との関係におい
て、基板間ギャップが精度よく均一化されるように決定
されている。かくして、少なくとも一層の液晶層につい
ては所定の基板間ギャップが精度よく、均一に設定さ
れ、それだけ良好な画像を表示することができ、ひいて
は積層型液晶表示素子全体としてもそれだけ良好な画像
表示が可能である。
【0026】前記単層型、積層型のいずれの液晶表示素
子においても、前記基板厚さt〔mm〕と、前記スペー
サ径d〔mm〕と、前記スペーサ散布密度〔個/m
2 〕との関係は、前記のとおり3.0<n2 ・t3
d<9.6の式を満たすものであればよいが、3.0<
2 ・t3 ・d<6.25を満たすものがさらに好まし
く、4.0<n2 ・t3 ・d<6.25を満たすものが
さらに好ましい。
【0027】またいずれの液晶表示素子においても、前
記スペーサとしては、例えば、従来知られている各種無
機微粒子、高分子からなる微粒子、無機微粒子を樹脂
(代表的には熱可塑性樹脂)で被覆した固着スペーサと
称されているものを挙げることができる。
【0028】スペーサ径dは特に限定されるものではな
いが、d≦5μm(0.005mm)が好ましく、さら
に好ましくは2.0μm≦d≦4.0μmである。スペ
ーサ径dをかかる範囲のものとすることで、基板間ギャ
ップをそれだけ小さくし、それだけ液晶素子の駆動電圧
を低減でき、また、光の散乱を低減できるので表示品質
を向上させることができる。
【0029】本発明に係るいずれの液晶表示素子におい
ても、前記基板としては、ポリエーテルスルホン(PE
S)、ポリアリレート(PAr)、ポリカーボネイト
(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の
各種樹脂フィルム基板を採用することができる。
【0030】基板の厚さtは、0.2mm以下が好まし
く、さらに好ましくは0.15mm以下である。下限値
についは特に制約はないが、製造の容易性等を考慮する
と0.05mm(50μm)程度とすることができる。
【0031】前記の単層型液晶表示素子において、ま
た、前記積層型液晶表示素子における少なくとも一層の
液晶表示素子において、スペーサの好ましい散布密度
は、基板の可撓性に影響を及ぼす基板の厚さと所望の基
板間のギャップ(スペーサ径)により異なるため一概に
言えないが、前記式3.0<n2 ・t3 ・d<9.6を
満たすものとして、例えば、基板間ギャップ(スペーサ
径)が2μm〜3μm程度のとき、基板厚さが約0.1
mmであれば、1200個/mm2 〜1600個/mm
2 程度、基板厚さが約0.15mmであれば、700個
/mm2 〜900個/mm2 程度、基板厚さが約0.2
mmであれば、400個/mm2 〜600個/mm2
度が目安である。また、基板間ギャップ(スペーサ径)
が4μm〜6μm程度のとき、基板厚さが約0.1mm
であれば、800個/mm2 〜1200個/mm2
度、基板厚さが約0.15mmであれば、500個/m
2 〜700個/mm2 程度、基板の厚さが約0.2m
mであれば、300個/mm2 〜400個/mm2 程度
が目安である。
【0032】本発明にかかるいずれの液晶表示素子にお
いても、液晶層を挟持する対基板の相互接着保持のため
に、柱状、堰状等の構造体、特に、上下基板を接着保持
する樹脂構造物を表示領域内に配置してもよい。該構造
体を配置することで、液晶表示素子は、これを曲面状に
曲げようとする力に対して強くなる。
【0033】本発明に係るいずれの液晶表示素子におい
ても、液晶材料としては、代表例として室温でコレステ
リック相を示すコレステリック液晶を用いることができ
る。この液晶は双安定を示し、プレーナ(pl)状態と
フォーカルコニック(fc)状態で安定であり、パルス
電圧の印加により状態の制御が可能である。プレーナ状
態ではある波長域の光を選択的に反射し、反射された波
長の光のみが観察者側から見える。選択波長域をブロー
ドにすることにより白色表示が可能である。一方、フォ
ーカルコニック状態はほぼ透明状態であり、裏側に光吸
収層を設ける等により黒色表示が可能である。
【0034】前記コレステリック相を示す液晶として、
ネマティック液晶にカイラル材を添加したカイラルネマ
ティック液晶を例示できる。カイラルネマティック液晶
は、添加するカイラルドーパント(カイラル材)の量を
変えることにより、選択反射波長域を制御することがで
きるという利点がある。
【0035】本発明に係る前記液晶表示素子は、中間調
表示を行う場合に特に有利である。例えば、コレステリ
ック相を示す液晶を用いた選択反射モードの反射型液晶
表示素子の場合、駆動方法によって若干異なるが、基板
間ギャップが5μm程度の場合、8階調の表示を行う場
合には基板間ギャップのムラが40nmあると1階調分
の明るさの差が生じてしまう。このため実際の液晶パネ
ルでは基板間ギャップのムラは30nm以下、さらには
20nm以下とすることが好ましい。また、例えば基板
間ギャップが3μm程度で、8階調の表示を行う場合に
は35nmで1階調分の明るさの差が生じてしまう。こ
のため、基板間ギャップのムラは25nm以下さらには
15nm以下が望ましい。これらの値は駆動方法によっ
て若干変化するものの、中間調表示を行う際に基板間ギ
ャップの高い均一性が求められ、基板間ギャップのムラ
を少なくすることにより、表示精度が高まることは変わ
らない。
【0036】このようなギャップムラの抑制は、スペー
サ散布密度n、基板の厚さt、スペーサ径dを上記の関
係式を満たすように適切に設定することで達成でき、か
かる関係式を満足させることで中間調においてもムラの
目立たない表示品質の高い液晶表示素子を得ることがで
きる。
【0037】本発明に係る積層型液晶表示素子は、少な
くとも2層の液晶表示素子として、互いに異なる色表示
を行う液晶表示素子を用いることで、2色以上のカラー
表示を行うことができる。青色表示を行う液晶層、緑色
表示を行う液晶層、赤色表示を行う液晶層の少なくとも
三つの液晶層を採用するとフルカラー表示を行うことが
できる。このように複数の液晶層を積層した液晶表示素
子を製造する場合、それぞれの液晶層におけるスペーサ
散布密度を前記関係式から簡単に適切に求めることがで
きる。
【0038】例えば、赤色、緑色、青色用の三つの液晶
層を積層してフルカラー表示可能の積層型液晶表示素子
を得る場合には、最も視感度の高い緑色用の液晶層にお
けるスペーサ散布密度のみを前記関係式から決定し、青
色用、赤色用の各液晶層におけるスペーサ散布密度を前
記関係式から算出される散布密度より少なくした場合で
も、カラー表示素子としての機能は高まり、基板間ギャ
ップムラによる表示品位の低下が人の目には感じられな
い程に抑制することができる。
【0039】いずれにしても、本発明に係る積層型液晶
表示素子においては、隣り合う液晶層間の基板をそれら
両液晶層に対し共通のものとしてもよい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明に係る単層型の液晶表
示素子の1例の概略断面図である。また、図2は本発明
に係る液晶表示素子の他の例であり、3層の液晶層を含
む積層型液晶表示素子の概略断面図である。図1及び図
2の液晶表示素子において、基本的に同じ構成、作用を
有する部品、部分については同じ符号を付してある。
【0041】図1に示す液晶表示素子は、一対の基板
1、2間にコレステリック相を示す液晶6からなる液晶
層10を挟持している。図2に示す積層型液晶表示素子
においても、各対の基板1、2間にコレステリック相を
示す液晶からなる液晶層が挟持されている。図2中、最
上層の液晶層10bは青色表示用の液晶6bからなり、
中間の液晶層10gは緑色表示用の液晶6gからなり、
最下層の液晶層10rは赤色表示用の液晶6rからなっ
ている。 図1、図2のいずれの液晶表示素子において
も、各対基板間の液晶層は基板周縁部間のシール材Sで
囲繞され漏出が防止されている。
【0042】図1の液晶表示素子における基板1、2の
うち、少なくとも画像観察側(光を入射させる側)の基
板は透光性を有する基板とし、図2の積層型液晶表示素
子においては、画像観察側の最上層の一対の基板1、2
及び中間層の一対の基板1、2及び最下層の一対の基板
のうち少なくとも画像観察側の基板1はそれぞれ透光性
を有する基板とするが、ここでは、図1、図2の素子の
いずれにおいても、すべての基板1、2は透光性を有し
ている。
【0043】透光性を有する基板としては、ポリエーテ
ルスルホン(PES)、ポリアリレート(PAr)、ポ
リカーボネイト(PC)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)等の各種の樹脂基板を例示できる。
【0044】図1、図2の各素子における各基板の厚さ
は、いずれも0.2mm以下である。なお、基板厚さ
は、0.15mm以下がより好ましい。いずれにして
も、基板厚さは0.05mm(50μm)程度以上とす
る。
【0045】図1、図2のいずれの素子においても、画
像観察側とは反対側の一番下の基板の外面に可視光吸収
層3が設けられている。
【0046】各対基板1、2のそれぞれは、ここでは単
純マトリクス駆動のための透明電極11、12を有して
いる。透明電極11、12は、ここではITOからなっ
ている。
【0047】図1及び図2に示す液晶表示素子を含め、
本発明の液晶表示素子においては、基板面に、必要に応
じて、電極間の短絡を防止したり、ガスバリア層として
液晶の信頼性を向上させる機能を有する絶縁膜を設ける
ことができる。図1及び図2の液晶表示素子では、透明
電極11、12上に絶縁膜7がそれぞれ設けられてい
る。絶縁膜7上には配向膜8が設けられている。配向膜
8は、ここでは一対の基板1、2のそれぞれに設けられ
ているが、一対の基板1、2のうちいずれか一方だけに
設けてもよい。
【0048】図1及び図2に示す液晶表示素子では、さ
らに、各対基板間に基板間ギャップを所定のものに均一
に保持するための球状のスペーサ5が分散配置されてい
るとともに、対基板を相互に接着保持するための樹脂構
造物4が設けられている。
【0049】スペーサ5としては、既述のとおり、従来
から知られている各種無機微粒子、高分子からなる微粒
子、無機微粒子を熱可塑性樹脂で被覆した所謂固着スペ
ーサを例示できる。
【0050】スペーサ径dとしては既述のとおり、5μ
m以下が好ましく、さらに好ましくは2.0μm≦d≦
4.0μmであるが、必ずしもその範囲のものに限定さ
れない。
【0051】既述のとおり対基板間には両基板を接着保
持する樹脂構造物を配置してもよい。図1、図2には、
対基板間に樹脂構造物4を配設した例を示している。図
3は樹脂構造物4の配置状態例を示す図である。図3に
示すように、表示領域内の樹脂構造物4は、例えば、格
子配列などの所定の配置規則に基づいて、一定の間隔を
おいて配列された、円柱状、断面四角柱状、断面楕円柱
状などのドット状のものとすることができる。樹脂構造
物4を配置することで、図1、図2に示す各液晶表示素
子は、これを曲面状に曲げようとする力に対して強くな
る。また、両基板が樹脂構造物で接着保持されており、
基板間ギャップが広がってしまうのが防止される。従っ
て、A4サイズ、B4サイズなど、基板サイズが大きく
なった場合にも有用である。樹脂構造物は柱状に限られ
るものではなく、堰状或いは連続壁状のもの等も採用で
きる。
【0052】図1の液晶表示素子は、一対の基板1、2
の厚さが同じであるときはその基板の厚さ、異なるとき
は薄い方の基板の厚さt〔mm〕と、スペーサ5の直径
d〔mm〕と、スペーサ散布密度n〔個/mm2 〕との
関係が、3.0<n2 ・t3・d<9.6の式を満足す
るようにスペーサ散布密度が決定されている。
【0053】また、図2の積層型液晶表示素子は、少な
くとも視感度の最も高い緑色を表示するための液晶層1
0gとこれを挟持する上下一対の基板1、2等で構成さ
れる液晶表示素子層に関して、該一対の基板1、2の厚
さが同じであるときはその基板の厚さ、異なるときは薄
い方の基板の厚さt〔mm〕と、スペーサ径d〔mm〕
と、スペーサ散布密度n〔個/mm2 〕との関係が、
3.0<n2 ・t3 ・d<9.6の式を満足するように
スペーサ散布密度が決定されている。他の液晶層10
b、10rとそれらを挟持している対基板についても、
それぞれ3.0<n2 ・t3 ・d<9.6の式を満足し
ていてもよい。或いは、スペーサ散布密度nが該式を満
足するより若干少な目に選択決定されてもよい。上記式
に基づいて、所定の基板厚さと基板間ギャップを持つ液
晶表示素子に対してスペーサ散布密度をどのような値に
設定すればよいかを把握することができるので、上記式
はスペーサ散布密度の設定についての明確な指標にな
る。前記式の下限値は、可撓性基板であっても十分に基
板間ギャップを維持できる最低限度のスペーサ散布密度
を決定するための数値となる。一方、スペーサを隙間な
く詰めた状態がスペーサ散布密度の原理的な上限である
が、そのようにスペーサを配置することは実際には困難
であり、また、スペーサを多量に使用するとコストアッ
プにつながるため、スペーサの使用量はできるだけ抑え
ることが好ましい。このため、実際にスペーサを散布す
る際に生じる、スペーサ散布密度の設計値からの誤差分
を加味した上で、基板間ギャップを正確に維持できる最
低限のスペーサ散布密度を示す値として、上記式の上限
を定めている。
【0054】なお、基板の厚さt〔mm〕と、スペーサ
5の粒径d〔mm〕と、スペーサ散布密度n〔個/mm
2 〕との関係は、3.0<n2 ・t3 ・d<6.25を
満たすものがより好ましく、4.0<n2 ・t3 ・d<
6.25を満たすものがより好ましいことは既述のとお
りである。スペーサの散布密度はシール材Sで囲まれた
内側表示領域における散布密度である。スペーサはシー
ル材Sで囲まれた内側表示領域に散布すればよいが、シ
ール材Sにも含ませることも可能である。
【0055】図1の液晶表示素子では基板厚さ、スペー
サ径、スペーサ散布密度の関係が前記式を満足してお
り、また、図2の積層型液晶表示素子では、少なくとも
緑色表示用の液晶層10gを含む素子層に関して、基板
厚さ、スペーサ径、スペーサ散布密度の関係が前記式を
満足しているため、スペーサ散布密度が適切であり、そ
れら液晶層を挟持している基板間ギャップが所定のもの
に精度よく、均一に設定され、それだけ所望の良好な画
像を表示することができる
【0056】また、このようにギャップムラが抑制され
ているため、中間調においてもムラの目立たない高品質
の画像表示が可能である。図2に示す積層型液晶表示素
子において、青色用、赤色用の液晶層10b、10rの
それぞれにおけるスペーサ散布密度を前記関係式から算
出される散布密度より少なくした場合でも、カラー表示
素子としての機能は高まり、基板間ギャップムラによる
表示品位の低下が人の目には感じられない程に抑制する
ことができる。
【0057】図1、図2のいずれの素子においても、液
晶材料として、室温でコレステリック相を示す液晶が採
用されている。各液晶層はこれを挟持している対基板上
の電極11、12を介して所定のパルス電圧を印加する
ことで、プレーナ状態(着色状態)又はフォーカルコニ
ック状態(光吸収層による黒色表示状態)とすることが
できる。印加電圧の選択により中間調表示も可能であ
る。
【0058】次に液晶表示素子を製作してその性能を評
価した実験例について説明する。なお、各実験例におい
ては、前記絶縁膜7は採用しなかった。用いた球状スペ
ーサの材質はシリカ粒子の表面にアクリル系熱可塑性樹
脂を塗布したものである。また、液晶を囲繞するシール
パターンの形成に用いたシール材は単層型素子、積層型
素子共に熱硬化性のエポキシ樹脂である。基板相互接着
のための柱状樹脂構造物はウレタン系熱可塑性樹脂にて
ドット状に分散形成した。また、液晶注入口の封止材に
はUV硬化性樹脂を用いた。さらに光吸収層を構成する
樹脂として熱硬化性の黒色インクを用いた。
【0059】各実験例において、基板間ギャップムラの
測定は次のように行った。まず、液晶層に所定の電圧を
印加し、液晶分子配向状態をホメオトロピック状態とす
る。続いて、液晶表示素子に白色の平行光を入射し、そ
の反射光を分光し、各波長の光の反射率を計測する。一
方、液晶表示素子の構成材料である液晶材料、配向膜、
電極材料ITO、基板のそれぞれの厚さ及び屈折率の値
から、計算により反射率を計算することができるので、
液晶層の厚さ、換言すれば基板間ギャップをパラメータ
として、実際の反射率の測定値と計算結果が合うように
パラメータの値を決定し液晶層の厚さ(基板間ギャッ
プ)を求めることができる。
【0060】基板間ギャップの測定においては、ここで
は液晶表示素子の中央付近と四隅の合計5点を基板間ギ
ャップの測定ポイントとし、その5点での測定値のう
ち、最大値から最小値を引いたものを基板間ギャップの
ムラとした。
【0061】(実験例1) 単層型液晶表示素子(t=0.1mm、d=6μm、n
=500〜1200個/個/mm2 )厚さt=0.1m
mのポリカーボネイト(PC)基板を2枚用い、一方の
基板の下面、他方の基板の上面にそれぞれITO透明電
極を帯状かつ平行に形成した。この後、各基板の電極形
成面に配向膜材料AL8254(JSR社製)を塗布
し、一方の基板には直径d=6μmの固着スペーサを散
布し加熱による固着後、スクリーン印刷法により液晶注
入口を残してシール材にてシールパターンを形成した。
もう一方の基板には両基板を接着するための柱状の樹脂
構造物(直径80μm、ピッチ520μm)を設けた。
このようにしてスペーサ散布基板としてスペーサ散布密
度nが500個/mm 2 、800個/mm2 、1200
個/mm2 の3種類の基板を形成するとともに、樹脂構
造物を設けた同じ基板を3枚形成し、これらにより3組
の対基板を準備した。
【0062】次いで各組の対基板について、樹脂構造物
を設けた方の基板を図示省略のステージに固定し、もう
一方の基板を、両基板上の電極パターンが平面視で直交
するように、端辺をステージ上基板に対して位置合わせ
し、ローラにて貼り合わせた。シール材の硬化後、真空
注入法にて液晶注入口から液晶材料を注入し、その後、
該口を封止材で封止した。
【0063】液晶材料には、ネマチック液晶E44(メ
ルクジャパン社製)63重量部に、カイラル材CB15
(メルクジャパン社製)を37重量部混合したものを用
いた。この液晶は、室温でコレステリック液晶相を示
し、選択反射波長のピーク波長を620nmに持つ。
【0064】前記のように両基板を貼り合わせ液晶を注
入した後、観察側と反対側の基板の裏面に、光吸収層と
して黒色の樹脂層をスクリーン印刷法によって形成し
た。印刷終了後、光吸収層の硬化のためにオーブンにて
70℃で3時間加熱した。このようにして図1に示すタ
イプの単層のモノクロ表示用の液晶表示素子を三種類作
製した。
【0065】各液晶表示素子に電圧を印加して中間調表
示とし、これを目視にて観察したところ、スペーサ散布
密度n=500個/mm2 の液晶表示素子では表示ムラ
が観察された。散布密度nが800個/mm2 、120
0個/mm2 の液晶表示素子では目視による表示ムラは
ほぼなく、ムラの抑制された良好な表示が可能であるこ
とが確認された。また、各素子の基板間ギャップのムラ
は、500個/mm2 のもので60nm、800個/m
2 、1200個/mm2 のもので30nm程度であっ
た。
【0066】これを表1にまとめて示す。
【表1】
【0067】(実験例2) 単層型液晶表示素子(t=0.075mm、d=6μ
m、n=900〜1600個/個/mm2 )基板が厚さ
t=0.075mmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)基板であり、スペーサ散布密度nがそれぞれ90
0個/mm2 、1200個/mm2、1600個/mm
2 である以外は実験例1と同様の単層型モノクロ液晶表
示素子を3種類作製した。
【0068】各液晶表示素子に電圧を印加して中間調表
示とし、これを目視にて観察したところ、スペーサ散布
密度n=900個/mm2 の液晶表示素子では表示ムラ
が観察された。散布密度nが1200個/mm2 、16
00個/mm2 の液晶表示素子では目視による表示ムラ
はほぼなく、ムラの抑制された良好な表示が可能である
ことが確認された。また、各素子の基板間ギャップのム
ラは、900個/mm2 のもので60nm、1200個
/mm2 、1600個/mm2 のもので30nm程度で
あった。
【0069】これを表2にまとめて示す。
【表2】
【0070】(実験例3) 単層型液晶表示素子(t=0.1〜0.2mm、d=2
〜6μm、n=100〜1800個/個/mm2 )基板
としてポリエーテルスルホン(PES)を用いた。基板
の厚さtを0.1mm、0.15mm、0.2mmのい
ずれか、スペーサの直径dを2μm、3μm、4μm、
5μmのいずれかとし、スペーサの散布密度nを100
個/mm2〜1800個/mm2 の間で種々変化させ
て、実験例1に準じた方法で単層型モノクロ液晶表示素
子を複数作製した。
【0071】各液晶表示素子に電圧を印加し、中間調表
示とし目視にて観察し、また、基板間ギャップのムラを
測定した。結果をn2 ・t3 ・dの値とともに各基板厚
さごとにそれぞれ表3、4、5に示す。各表中、○はム
ラが観測されない、△はよく観察するとむらは観測され
るが許容できる、×はムラが大きく実用に適さない、を
示している。表3、4、5を見るとn2 ・t3 ・dの値
が3.0より大きく9.6より小さい素子ではムラが観
測されないか、観測されても許容範囲に入っていること
が分かる。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】(実験例4) 積層型液晶表示素子(t=0.1mm、d=3〜4μ
m、n=1100〜1200個/個/mm2 )以下の手
順で青色表示用素子、緑色表示用素子、赤色表示用素子
を作製した。すなわち、厚さt=0.1mmのポリカー
ボネイト(PC)基板を2枚用い、一方の基板の下面、
他方の基板の上面にそれぞれITO透明電極を帯状かつ
平行に形成した。この後、各基板の電極形成面に配向膜
材料AL8254(JSR社製)を塗布し、一方の基板
には固着スペーサを散布し加熱による固着後、スクリー
ン印刷法によりシール材にてシールパターンを形成し
た。もう一方の基板には両基板を接着するための柱状の
樹脂構造物(直径80μm、ピッチ520μm)を設け
た。
【0076】次いで図4に示すように樹脂構造物を設け
た方の基板を図示省略のステージに固定し、該基板上に
液晶材料を滴下し、その後もう一方の基板を、両基板上
の電極パターンが平面視で直交するように、端辺をステ
ージ上基板に対して位置合わせし、ローラにて貼り合わ
せた。これらをオーブンにて80℃で2時間加熱し、シ
ール材を本硬化させた。
【0077】これらの素子作製においては、液晶材料と
して、赤色表示用の液晶材料は、ネマチック液晶E44
(メルクジャパン社製)66重量部にカイラル材CB1
5(メルクジャパン社製)を34重量部混合し選択反射
のピーク波長が690nmになるように調整したもので
ある。 緑色表示用の液晶材料は、ネマチック液晶E4
4(メルクジャパン社製)59重量部にカイラル材CB
15(メルクジャパン社製)を41重量部混合し選択反
射のピーク波長が550nmになるように調整したもの
である。青色表示用の液晶材料は、ネマチック液晶E4
4(メルクジャパン社製)54重量部にカイラル材CB
15(メルクジャパン社製)を46重量部混合し選択反
射のピーク波長が490nmになるように調整したもの
である。
【0078】また、スペーサの直径dと散布密度nは、
赤色表示用の液晶表示素子が4μm、1100個/mm
2 、緑色表示用の液晶表示素子が3μm、1200個/
mm 2 、青色表示用の液晶表示素子が3μm、1200
個/mm2 とした。
【0079】そして、赤色表示用の液晶表示素子につい
ては、基板貼り合わせ後に一方の基板の裏面に光吸収層
として黒色の樹脂層をスクリーン印刷法にて形成し、シ
ール材の硬化の際に該光吸収層も硬化させた。
【0080】以上のようにして作製した3種類の単層型
液晶表示素子を、ローラを用いて粘着シートで積層し、
積層型液晶表示素子を作製した。表6にn2 ・t3 ・d
の値を示す。
【表6】
【0081】以上のようにして作製した積層型液晶表示
素子の青色表示用素子、緑色表示用素子、赤色表示用素
子に電圧を印加し、中間調表示とし目視にて観察したと
ころ、ムラはほぼなく、ムラの少ない良好な中間調表示
が可能であることが確認された。
【0082】(実験例5)青色表示用素子についてはス
ペーサの直径d=5μm、散布密度600個/mm2
緑色表示用素子についてはスペーサの直径d=5.5μ
m、散布密度900個/mm2 、緑色表示用素子につい
てはスペーサの直径d=7μm、散布密度300個/m
2 とした以外は実験例4と同様にして積層型液晶表示
素子を作製した。
【0083】本例では視感度の高い緑色表示用素子の
み、3.0<n2 ・t3 ・d<9.6の式を満足してお
り、他の色表示用の各素子ではスペーサ散布密度がこの
式を満たすものより小さい。表7にn2 ・t3 ・dの値
を示す。
【表7】
【0084】以上のようにして作製した積層型液晶表示
素子の青色表示用素子、緑色表示用素子、赤色表示用素
子に電圧を印加し、中間調表示とし目視にて観察したと
ころ、ムラはやや観察されたが許容できる程度のもので
あった。このことは視感度が高い緑色の表示をする液晶
表示素子の基板間ギャップムラが小さく、視感度の低い
赤色表示用、青色表示用素子にはムラがあるにもかかわ
らず、それほど気にならないためである。
【0085】緑色表示用の液晶表示素子のスペーサ散布
密度を900個/mm2 から500個/mm2 に減らし
た他は、実験例5における積層型液晶表示素子と同様の
積層型液晶表示素子を作製した。表8にこの素子におけ
るn2 ・t3 ・dの値を示す。
【表8】
【0086】青色表示用素子、緑色表示用素子、赤色表
示用素子に電圧を印加し、中間調表示とし目視にて観察
したところ、表示ムラがはっきりと観察され、良好な表
示を行うことができなかった。各層の素子において、n
2 ・t3 ・dの値はいずれも3より小さかった。
【0087】以上の実験より、n2 ・t3 ・dの値が概
ね3.0より大きく、9.6より小さい程度であれば、
中間調表示においても表示ムラが抑制されることが分か
る。
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、一
対の基板の間にシール材で囲繞された液晶が挟持されて
いるとともに該基板間に基板間ギャップを定めるスペー
サが分散配置された液晶表示素子であって、所定の基板
間ギャップが精度よく、均一に設定され、それだけ良好
な画像を表示することができる液晶表示素子を提供する
ことができる。また本発明によると、それぞれが一対の
可撓性を有する基板間に該基板間ギャップを定める球状
スペーサとともに挟持された複数の液晶層を積層した積
層型液晶表示素子であって、少なくとも一つの液晶層及
び該液晶層を挟持する対基板により構成される液晶表示
素子において、所定の基板間ギャップが精度よく、均一
に設定され、それだけ全体として良好な画像を表示する
ことができる積層型液晶表示素子を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】単層型液晶表示素子の1例の概略断面図であ
る。
【図2】3層積層型の液晶表示素子の1例の概略断面図
である。
【図3】図1に示す液晶表示素子に設けられる樹脂構造
物の配置状態の1例を示す図である。
【図4】液晶表示素子を製造するために一対の基板を貼
り合わす例を示す図である。
【符号の説明】
1、2 一対の基板 3 光吸収層 4 樹脂構造物 5 スペーサ 6、6r、6g、6b 液晶 7 絶縁膜 8 配向膜 10、10r、10g、10b 液晶層 11、12 透明電極 S シール材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の可撓性を有する基板の間にシール材
    で囲繞された液晶が挟持されているとともに該基板間に
    基板間ギャップを定める球状スペーサが分散配置された
    液晶表示素子において、該一対の基板の厚さが同じであ
    るときはその基板の厚さ、異なるときは薄い方の基板の
    厚さt〔mm〕と、スペーサ径d〔mm〕と、スペーサ
    散布密度n〔個/mm2 〕との関係が、3.0<n2
    3 ・d<9.6の式を満足することを特徴とする液晶
    表示素子。
  2. 【請求項2】前記スペーサ径dが0.005〔mm〕以
    下である請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記スペーサは無機粒子表面を樹脂で被覆
    した固着スペーサである請求項1又は2記載の液晶表示
    素子。
  4. 【請求項4】前記液晶はコレステリック相を示す液晶で
    ある請求項1、2又は3記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】それぞれが一対の可撓性を有する基板間に
    該基板間ギャップを定める球状スペーサとともに挟持さ
    れた複数の液晶層を積層した積層型液晶表示素子であ
    り、少なくとも一つの液晶層及び該液晶層を挟持する対
    基板により構成される液晶表示素子が請求項1から4の
    いずれかに記載の液晶表示素子である積層型液晶表示素
    子。
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