JP4378893B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示素子、特に室温でコレステリック相を示し可視光中の特定波長の光を選択反射可能の液晶組成物を含む液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は基本的に1対の基板と、これら基板間に挟持された液晶層とを含んでいる。この液晶層に駆動電圧を印加することで液晶分子の配列を制御し、素子に入射される外光を変調して目的とする画像の表示等を行う。
【0003】
液晶表示方式は様々なものが提案されている。
【0004】
近年、ネマチック液晶にカイラル材料を添加することにより、室温においてコレステリック液晶相を示すようにしたカイラルネマチック液晶を用いた液晶表示素子が研究されている。
【0005】
このタイプの液晶表示素子は、例えば、カイラルネマチック液晶の選択反射能を利用した低消費電力駆動可能の反射型の液晶表示素子として用い得ることが知られている。
【0006】
この反射型液晶表示素子では高低のパルス電圧を印加することにより液晶をプレーナ状態(着色状態)とフォーカルコニック状態(透明状態)に切り替えて表示を行なうことができる。
【0007】
そして、かかるパルス電圧の印加を停止した後でも、プレーナ状態であった領域はプレーナ状態が、フォーカルコニック状態であった領域はフォーカルコニック状態が保持されるという、いわゆる双安定性或いはメモリー性を示し、これにより、電圧の印加を停止した後も表示が保たれるようにすることが可能である。
【0008】
また、かかる反射型液晶表示素子でフルカラー表示を実現する一つの方法として、赤色(R)表示を行なうR液晶層、緑色(G)表示を行なうG液晶層、青色(B)表示を行なうB液晶層の三層を含む液晶表示素子を採用する場合を挙げることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カイラルネマチック液晶を用いた反射型の液晶表示素子は画像表示において光反射率が未だ満足できるほどに高くなく、プレーナ状態とフォーカルコニック状態間で十分なコントラストを得難いというのが実情である。
【0010】
また、カイラルネマチック液晶を用いた反射型の液晶表示素子では視野角依存性が大きく、見る角度によって色が変わってしまうという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、光反射率良好に、高コントラストで画像表示できる液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0012】
また本発明は、低電圧駆動可能な液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0013】
また本発明は、信頼性の高い液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0014】
また本発明は、視野角依存性の小さい液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、次のことを見出した。
【0016】
すなわち、少なくとも一方が透明な一対の基板間に室温でコレステリック相を示し可視光中の特定波長の光を選択反射可能の液晶組成物と前記一対の基板間のスペースを保持するスペース保持材とを挟持した液晶表示素子において、前記一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜を形成する場合、或いは前記一対の基板のうち少なくとも一方に絶縁膜を形成するとともに前記一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜を形成する場合、コントラストを向上させるためには、該絶縁膜、配向安定化膜及び液晶組成物層の光学的性質のマッチングが必要になる。また同時に、該絶縁膜と配向安定化膜との界面及び配向安定化膜と液晶組成物との界面それぞれの滑らかさも要求される。さらに絶縁膜、配向安定化膜それぞれの液晶組成物に対する溶出が無いようにして、高信頼性を維持しなければならない。
【0017】
このような要求を満足させ得る材料として、絶縁膜には有機ケイ素化合物に無機化合物微粒子を含有させた膜を用い、配向安定化膜として脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜を用いればよい。
【0018】
しかも有機ケイ素化合物は絶縁性が高く、電圧上昇の小さい安定した絶縁膜を形成できる。また、有機ケイ化合物膜に無機化合物粒子を含有させることで絶縁膜の屈折率を調整できる。また、脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミドは有機溶剤に可溶であり、配向安定化膜形成時の焼成温度を低く設定できるから樹脂基板でも成膜可能である。また液晶とかかるポリイミドからなる配向安定化膜の相互作用が強くなって液晶分子が均一に配向され、フォーカルコニック状態での散乱が少なくなり、液晶表示素子のコントラストが向上する。
【0019】
また、コントラストを向上させるための液晶組成物の性質として、誘電率異方性(Δε)が10〜40のものがよい。誘電率異方性はこれが大きくなると駆動電圧が低くなるが、あまり大きくなりすぎると、配向安定化膜や、通常使用される基板周辺部間のシール材等の周辺部材が液晶組成物に溶け出し、素子の信頼性が低下するおそれがある。誘電率異方性が10未満であると駆動電圧が高くなってしまう。また誘電率異方性が小さくなりすぎると、駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなる。
さらに、液晶組成物の屈折率異方性(Δn)は0.16から0.22の範囲のものが好ましい。屈折率異方性があまり低下してくると、光の散乱成分が少なくなり、プレーナー状態での着色(選択反射)が弱くなり、且つ、十分な反射率も得られなくなる。逆に屈折率異方性が大きいと反射率が高くなり、明るい表示が可能となるが、あまり大きくなりすぎると、散乱成分が大きくなりすぎ、色純度が低下してくるし、フォーカルコニック状態での消色状態が悪くなり(透明度が出難くなり)、表示性能が低下する。
【0020】
さらに、液晶組成物の粘度が30〜200〔cP〕であるとき、良好な色純度、光反射率等の特性が得られ、コントラストが向上し、しかも素子の信頼性が良好で、駆動電圧が低く済む。液晶組成物の粘度が低すぎると、液晶表示素子の表示状態のメモリー性が低下する。また、高すぎると液晶の駆動電圧が高くなり、液晶を駆動するための時間が長くなる。
【0021】
なお、液晶組成物の粘度は低いほど液晶表示素子作製時の該液晶組成物の基板間への注入等の作業が容易になり、また応答性良好になる等の利点があるところ、ΔnやΔεが大きいと必然的に粘度が大きくなってしまう。そのため、粘度が大きくなりすぎないような液晶組成物にするのがよい。このような観点からも、誘電率異方性(Δε)は10〜40、屈折率異方性(Δn)は0.16から0.22、粘度は30〔cP〕〜200〔cP〕がよい。
【0022】
以上の知見に基づき本発明は、次の第1及び第2の液晶表示素子を提供する。
(1)第1の液晶表示素子
少なくとも一方が透明な一対の基板間に室温でコレステリック相を示し可視光中の特定波長の光を選択反射可能の液晶組成物と前記基板間のスペースを保持するスペース保持材を挟持した液晶表示素子において、前記一対の基板のうち少なくとも一方に絶縁膜が形成されているとともに前記一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜が形成されており、前記絶縁膜が無機化合物微粒子を含有した有機ケイ素化合物の膜からなり、配向安定化膜が脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜からなり、前記液晶組成物の誘電率異方性(Δε)が10〜40、屈折率異方性(Δn)が0.16から0.22、粘度が30〔cP〕〜200〔cP〕である液晶表示素子。
(2)第2の液晶表示素子
少なくとも一方が透明な一対の基板間に室温でコレステリック相を示し可視光中の特定波長の光を選択反射可能の液晶組成物と前記基板間のスペースを保持するスペース保持材を挟持した液晶表示素子において、前記一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜が形成されており、該配向安定化膜が脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜からなり、前記液晶組成物の誘電率異方性(Δε)が10〜40、屈折率異方性(Δn)が0.16から0.22、粘度が30〔cP〕〜200〔cP〕である液晶表示素子。
【0023】
かかる第1及び第2の液晶表示素子のいずれも、光反射率良好に、高コントラストで画像表示できる。また、低電圧で駆動できる。さらに、長期にわたり高い信頼性を維持できる。
【0024】
第1、第2の液晶表示素子で採用する配向安定化膜は、代表例として、シクロヘキシルテトラカルボン酸又はトリカルボキシシクロペンチル酢酸と、芳香族ジアミンとからなるポリイミド膜からなるものを挙げることができる。このように芳香族ジアミンを用いることにより配向性が向上し、プレーナー状態での着色反射率が向上し、フォーカルコニック状態での透明性も悪くないためコントラストが向上する。
【0025】
いずれにしても、配向安定化膜の膜厚は20nm〜200nmが適当である。薄すぎると液晶分子の配向を制御できないことがあり、厚すぎると駆動電圧が高くなる。
【0026】
配向安定化膜にラビング等の配向処理を施すと反射率は向上するが視野角依存性が大きくなり、両基板のそれぞれに配向安定化膜が形成されている場合においてそれら双方の配向安定化膜にラビング等の配向処理を施すと、フォーカルコニック状態でのメモリー性が損なわれるおそれがある。
【0027】
そこで、前記第1、第2液晶表示素子のいずれにおいても、反射率向上のために配向安定化膜に配向処理を施すときには、前記一対の基板のうちいずれか片方に形成された前記配向安定化膜のみにラビング等の配向処理をほどこすのがよい。
【0028】
前記配向安定化膜はいずれもラビング等の配向処理が施されていなくてもよい。配向安定化膜にラビング等の配向処理を施さないでおくときには、視野角依存性を小さくすることができる。
【0029】
前記第1、第2のいずれの液晶表示素子においても、一対の基板のそれぞれに素子駆動電圧印加用の電極を形成することができる。
【0030】
前記第1の液晶表示素子において採用する絶縁膜は、かかる電極が設けられている場合、該電極上に形成する。
【0031】
絶縁膜は膜厚が20nm〜200nmぐらいが適当である。薄すぎると絶縁性が低くなって、例えば電極同士がショートする等の問題が発生し、厚すぎると駆動電圧が高くなる。
【0032】
前記第1の液晶表示素子において採用する絶縁膜に含まれる無機化合物微粒子としては、代表例として、ケイ素の酸化物、チタンの酸化物、ジルコニウムの酸化物のうち少なくとも1種からなる微粒子を挙げることができる。
【0033】
本発明に係る液晶表示素子においてはネマチック液晶にカイラル材を混合した液晶組成物(カイラルネマチック液晶組成物)を用いることができる。かかるカイラルネマチック液晶組成物は、混合するカイラル材料(カイラルドーパント)の量を変えることで、選択反射波長を制御することができる利点がある。また、使用するネマチック液晶の物性値を選択することによりカイラルネマチック液晶組成物の物性値を制御することができる利点もある。
【0034】
しかし、カイラルネマチック液晶組成物は、カイラル材料の添加量が少なくすぎると十分なメモリー性が得られなくなる一方、多すぎると室温でコレステリック相を示さなくなったり、固化したりする。よってカイラル材料の混合量はカイラルネマチック液晶組成物の全量に対し8重量%〜40重量%程度とすることを推奨できる。
【0035】
カイラル材料を2種以上添加することで、温度による選択反射波長のシフト量等の温度特性を調整し、それにより液晶表示素子の温度特性を安定化させることができる。また、カイラル材料を2種以上添加することで、カイラルネマチック液晶組成物の物性値の調整をきめ細かく行える。よって、本発明に係る液晶表示素子において採用するカイラルネマチック液晶はネマチック液晶に2種以上のカイラル材を混合したものとしてもよい。
【0036】
いずれにしても、本発明に係る液晶表示素子において採用する液晶組成物は色純度を向上させるために色素を含有していてもよい。色素の添加により分光反射特性を調整することができる。
【0037】
添加される色素としては、従来知られている各種色素を採用することができ、液晶と相溶性の良好なものが好ましい。例えば、アゾ化合物、キノン化合物、アントラキノン化合物等からなる色素、或いは二色性色素等が使用可能であり、これらの色素は複数種類用いてもよい。添加量としては、例えば、液晶組成物がカイラルネマチック液晶組成物である場合、ネマチック液晶とカイラル材の合計量に対して3重量%以下が望ましい。添加量が多すぎると液晶の選択反射量が低くなり逆にコントラストが下がってしまう。
【0038】
また、液晶組成物への色素添加に代えてカラーフィルターを採用することもできる。この場合、例えば液晶表示素子にフィルター層を設けることができる。このフィルタ層に用いられる材料としては、例えば、無色透明物質に色素を添加したものであってもよいし、色素を添加せずとも本質的に着色状態にあるものであってもよい。例えば、フィルタ層は色素と同様の働きをする特定の物質からなる薄膜であってもよい。液晶表示素子を構成するための基板自体を以上のようなフィルタ層材料で形成しても同様の効果が得られる。
【0039】
いずれにしても、液晶組成物層の厚さは3μm〜10μmが適当である。液晶組成物層が厚すぎると駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなる。逆に薄すぎると反射率が低くなり、コントラストが小さくなってしまう。
【0040】
また、前記のスペース保持材としては、例えば接着性樹脂を有する無機微粒子を採用できる。さらに言えば、表面を熱可塑性樹脂接着材でコーティングした無機微粒子を例示できる。
【0041】
また、前記一対の基板のうち少なくとも一方は樹脂基板であってもよい。このように樹脂基板を採用すると、軽量で薄型の液晶表示素子を提供できる。また、樹脂基板を可撓性を有するものとすることで、曲面の表示が可能な液晶表示素子を提供することも可能となる。
【0042】
前記スペース保持材として接着性樹脂を有する無機微粒子を採用すると、基板が樹脂基板の場合でも、一対の基板間スペースを所定のものに維持して、素子の表示特性を安定に維持することができる。
【0043】
以上説明した液晶表示素子を複数積層することで積層型液晶表示素子、例えばフルカラー表示が可能な積層型液晶表示素子を提供することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態の構成と表示動作)
図1は本発明の第1実施形態である反射型液晶表示素子の断面構造を示す概略図であり、図1(A)に高電圧パルスを印加したときのプレーナ状態(R(赤色)G(緑色)B(青色)着色状態)を示し、図1(B)に低電圧パルスを印加したときのフォーカルコニック状態(透明/黒色表示状態)を示す。なお、この液晶表示素子はメモリー性を有しており、プレーナ状態及びフォーカルコニック状態はパルス電圧印加後も維持される。すなわち、パルス電圧印加の後もプレーナ状態であった領域はプレーナ状態が、フォーカルコニック状態であった領域はフォーカルコニック状態が保持される。
【0045】
図1に示す液晶表示素子は、それぞれ液晶組成物21r、21g、21bを含む、赤色表示を行なうR液晶層r(赤色層(赤色液晶表示素子))、緑色表示を行なうG液晶層g(緑色層(緑色液晶表示素子))、青色表示を行なうB液晶層b(青色層(青色液晶表示素子))の三つの液晶層(液晶表示素子)をこの順で積層したものである。
【0046】
R、G及びBの各液晶層r、g、bは、それぞれ少なくとも一方が透明な一対の基板11、12間に室温でコレステリック相を示し可視光中の特定波長の光を選択反射可能の液晶組成物21r、21g、21bと基板11、12間のスペースを保持するスペース保持材(ここでは柱状構造物20及びスペーサー18)を挟持したものである。
【0047】
液晶組成物21r、21g、21bは、ここではカイラル材とネマチック液晶を混合したカイラルネマチック液晶組成物である。カイラルネマチック液晶組成物21r、21g、21bの誘電率異方性(Δε)は10〜40、屈折率異方性(Δn)は0.16〜0.22、粘度が30〔cP〕〜200〔cP〕である。
【0048】
一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜が形成されている。或いは一対の基板のうち少なくとも一方に絶縁膜が形成されているとともに一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜が形成されている。図示例では、基板11、12に絶縁膜15がそれぞれ形成されているとともに配向安定化膜17がそれぞれ形成されている。
【0049】
絶縁膜15は無機化合物微粒子を含有した有機ケイ素化合物の膜からなり、配向安定化膜17は脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜からなる。
【0050】
図1に示す液晶表示素子だけでなく、本発明の液晶表示素子ではR、G及びBの各液晶において一対の基板にはそれぞれ電極を形成することができる。
【0051】
図1の各液晶層r、g、bにおいては、11、12は透光性を有する透明基板であり、透明基板11、12のそれぞれの表面に、互いに平行な複数の帯状に形成された透明電極13、14が設けられている。これらの電極13、14は互いに交差するように向かい合わされている。電極13、14上にそれぞれ絶縁性薄膜15がコーティングされている。また、光を入射させる側とは反対側の基板の外面(裏面)には、必要に応じて、可視光吸収層が設けられる。ここでは赤色層rにおける基板12の裏面に可視光吸収層16が設けられている。
【0052】
20、18はそれぞれはスペース保持部材としての柱状構造物、スペーサーであり、21r、21g、21bは、既述のとおり、室温でコレステリック相を示すカイラルネマチック液晶組成物である。これらの材料やその組み合わせについては以下の実験例によって具体的に説明する。24はシール材であり、液晶組成物21r、21g、21bを基板11、12間に封入するためのものである。
【0053】
25はパルス電源であり、前記電極13、14にパルス状の所定電圧を印加するためのものである。
(基板)
基板11、12は、既述のとおり、いずれも透光性を有しているが、基板11、12を含め、本発明の液晶表示素子に用いることができる一対の基板は、少なくとも一方が透光性を有していることが必要である。透光性を有する基板としては、ガラス基板を例示できる。ガラス基板以外にも、例えばポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリレート(PAr)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフレキシブル基板を使用することができる。
(電極)
電極としては、例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電膜や、アルミニウム、シリコン等の金属電極、或いは、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等の光導電性膜等を用いることができる。
【0054】
図1に示す液晶表示素子においては、既述のとおり、透明基板11、12の表面に互いに平行な複数の帯状の透明電極13、14が形成されており、これらの電極13、14は互いに交差するように向かい合わされている。
【0055】
電極をこのように形成するには、例えば透明基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。
(絶縁性薄膜)
図1に示す液晶表示素子を含め、本発明の液晶表示素子は電極間の短絡を防止したり、ガスバリア層として液晶表示素子の信頼性を向上させる機能を有する絶縁性薄膜が形成される。既述のとおり、ここでは電極13、14上にそれぞれ絶縁性薄膜15がコーティングされている。
【0056】
絶縁性薄膜の膜厚としては、例えば20nm〜200nm程度が望ましい。絶縁性薄膜の材料としては、例えば、有機ケイ素化合物に無機化合物微粒子を含有した透明被膜形成用塗布液を用いることができる。無機化合物微粒子としては、酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウムの無機酸化物微粒子の他にバナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等の酸化物微粒子を例示できる。これらのうち1種以上の酸化物微粒子を用いることができる。
【0057】
有機ケイ素化合物としては、例えば、ケイ素のアルコキシドを用いることができる。有機ケイ素化合物には3次元的な架橋を形成する遷移金属元素が含有されており、これにより十分な強度と絶縁性を得ることができる。該遷移金属元素としては、例えば、チタン、ジルコニウムのほかにバナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、及びイットリウム等の元素を挙げることができる。
【0058】
絶縁性薄膜は、これらの材料を用いてスピンコート法、ロールコート法などの公知の方法によって形成することができる。
【0059】
絶縁性薄膜は前記の材料に色素を添加すればカラーフィルタとしても機能する。
(配向安定化膜)
配向安定化膜材料としては、ポリイミド又はポリイミド前駆体を用いる。ポリイミド或いはポリイミド前駆体を形成する脂肪族炭化水素環式カルボン酸無水物としては、例えば、シクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、トリカルボキシノルボルナン酢酸二無水物、ビシクロオクトエンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらのうち1種類又は2種類以上を用いることができる。
【0060】
また、ポリイミド或いはポリイミド前駆体を形成する芳香族ジアミン化合物としては、例えば、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレノン、ジアミノジフェニルエーテル、9, 9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、ジアミノベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0061】
これらの脂環式カルボン酸無水物及び芳香族ジアミン化合物のうちからそれぞれ1種以上を採用して組み合わせることによって、良好な配向安定化膜を得ることができ、良好な色純度、光反射率等の特性が得られ、コントラストが向上する。
【0062】
配向安定化膜の成膜は、例えば、以下のようにして行う。すなわち、まず、前記脂肪族炭化水素環テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの重合により得られたポリイミドをN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンなどに溶解して塗布液とする。この塗布液を、前記絶縁性薄膜と同様に、スピンコート法、ロールコート法などの方法を用いて基板上に塗布する。その時、高温のオーブン又はホットプレートで乾燥させる。かくして配向安定化膜を得ることができる。
【0063】
これらの材料を用いて形成した配向安定化膜は、特にラビング処理等を施す必要はない。しかし、両基板11、12のそれぞれに形成されている配向安定化膜17のうちの片面に弱いラビングを施すことにより反射率を向上させることができる。その場合、視野角依存性が大きくなり、両面の配向安定化膜をラビング処理するとフォーカルコニック状態でのメモリー性が無くなってしまうおそれがある。
【0064】
また、配向安定化膜及び絶縁性薄膜を形成する構成において、配向安定化膜を絶縁性薄膜と兼用し、配向安定化膜だけの構成にしてもよい。
(スペーサー)
図1に示す液晶表示素子を含め、本発明の液晶表示素子は、一対の基板間に、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。本例の液晶表示素子には、基板11、12間にスぺーサー18を配置してある。
【0065】
このスぺーサーとしては、樹脂製又は無機酸化物製の球体を例示できる。樹脂製の球体に比べ無機酸化物の球体の方が、セルの厚み精度を出しやすく耐熱性が良いという利点がある。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いることができる。スペーサーを固着スペーサーとすることにより、基板として樹脂基板を用いた場合でもセルの厚みを均一に保つことができ、熱処理を施しても安定な表示特性を保つことができる。なお、本例のように図示を省略したスペーサー及び柱状構造物20をいずれも設けてもよいが、柱状構造物20に代えて、スぺーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。
(液晶組成物)
液晶層に含まれる液晶組成物は、既述のとおり、カイラルネマチック液晶組成の屈折率異方性(Δn)が0.16〜0.22、誘電率異方性(Δε)が10〜40であり、粘度が30[cP]〜200[cP]で、さらにカイラル材の含有量が8重量%〜40重量%であるカイラルネマチック液晶である。
【0066】
なお、カイラル材の含有量はネマチック液晶成分とカイラル材の合計量を100重量%としたときの値である。
【0067】
カイラル材の含有量が8重量%より少なすぎると、希望する選択反射波長が得られなかったり、十分なメモリー性を得られないことがあり、40重量%より多すぎると室温でコレステリック相を示さなくなったり、固化したりすることがある。
【0068】
屈折率異方性は、ここでは0.16〜0.22であるが、これが低すぎると反射光の色純度が悪く、反射率も悪くなる。逆に高すぎる場合は視野角依存性が大きくなってしまう。
【0069】
誘電率異方性は、ここでは10〜40であるが、これが低すぎると駆動電圧が高くなってしまい、逆に高すぎると素子としての安定性や信頼性が悪くなり、画像欠陥、画像ノイズが発生し易くなってしまう。
(柱状構造物)
図1に示す液晶表示素子を含め、本発明の液晶表示素子は、強い自己保持性を付与するために、一対の基板間が構造物で支持されていてもよい。本例の液晶表示素子には、基板11、12間に柱状構造物20が設けられている。
【0070】
柱状構造物に関しては、まず、構造面について説明する。柱状構造物としては、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体、円錐柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隙を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は液晶表示素子の表示領域に占める面積の割合が1%〜40%であれば、適度な強度を保持しながら液晶表示素子として実用上満足できる特性が得られる。
【0071】
次に、材料について説明する。柱状構造物は、例えば、重合性単量体(モノマー)に重合開始剤を添加してなる重合性組成物を用いて形成できる。重合性組成物としては、例えば、光硬化性モノマー又はオリゴマーと光重合開始剤とを混合した混合液などからなる市販の光硬化性樹脂材料を用いることができる。光硬化性樹脂材料に光照射して重合させ柱状構造物を形成すると、柱状構造物を所定の形状、間隔で配置するのが容易となる。
【0072】
柱状構造物を構成する材料として特に好適なものとしては、アクリル酸エステル化合物を主成分とするものを例示できる。アクリル酸エステルは、例えば、2以上のアリル基を有するアクリレート化合物又はメタクリレート化合物であって、アリル基間の主鎖上には芳香環等の構造が含まれていてもよく、その他、主鎖上にはCO、CO2 、CH2 、O等の2価の基が含まれていてもよい。また、アクリレート化合物には、エポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物等も含まれる。また、柱状構造物を構成する材料として、他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いてももちろん構わない。
【0073】
次に、光硬化性樹脂を用いた柱状構造物の製作方法について説明する。例えば、まず、ITO電極を形成した基板と所定のパターンが形成されたマスクとの間に、紫外線硬化性の化合物(柱状構造物形成のための組成物)を挟持するか、基板の電極等が形成された面上に紫外線硬化性化合物を塗布してマスクを被せ、これに紫外線を照射する。次に、マスクを剥がし、所定の溶剤で未露光部分の化合物を洗浄し、乾燥、硬化させる。
【0074】
また、予め液晶材料と光硬化性樹脂材料とを混合したものをガラス基板間に挟持した上で、ガラス基板にフォトマスクを載せて光照射を行なって重合相分離を行ない、柱状構造物を形成することも可能である。
【0075】
液晶表示素子とするには、柱状構造物を挟持した基板間に液晶組成物を真空注入法等によって注入すればよい。或いは、基板を貼り合わせる際に、液晶組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組成物を封入するようにしてもよい。
【0076】
さらに、基板間ギャップ制御の精度向上のため、柱状構造物を形成するときに、基板間に柱状構造物の膜厚より小さいサイズのスペーサー材料、例えば、ガラスファイバー、ボール状のガラスやセラミックス粉、或いは有機材料からなる球状粒子を配置し、加熱や加圧でギャップが変化しないようにする。こうすることで、よりギャップ精度を向上させることができ、それだけ電圧ムラ、表示ムラ等を低減できる。
(第2実施形態の構成)
図2に本発明の第2実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す。なお、図2(A)は高電圧パルス印加時のプレーナ状態を示すものであり、図2(B)は低電圧パルス印加時のフォーカルコニック状態を示すものである。
【0077】
この液晶表示素子は、液晶表示素子表示領域内に柱状構造物が設けられていないことを除いて、図1に示した前記第1実施形態の液晶表示素子と実質上同じものである。なお、図2の液晶表示素子において、図1の素子と基本的に同じ構成、作用を有する箇所には同じ参照符号を付してある。
(第3の実施形態の構成)
本発明の第3実施形態は、図1に示した液晶表示素子において、柱状構造物をスクリーン印刷法で形成したものである。
【0078】
スクリーン印刷法による柱状構造物の形成は、例えば、次のようにして行う。すなわち、所定のパターンが形成されたスクリーンを少なくとも一方の基板の電極等が形成された面上に被せ、該スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を硬化、乾燥させる。
【0079】
スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、それに用いる樹脂材料としては、既述の光硬化性樹脂に限らず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等を挙げることができる。なお、樹脂材料は、例えば樹脂を適当な溶剤に溶解するなどして、ペースト状にして用いることが望ましい。
【0080】
柱状構造物に用いる樹脂材料として熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂材料を用い、一対の基板間にスペーサーを設ける場合、例えば、次のようにして液晶表示素子を作製することができる。
【0081】
すなわち、まず樹脂材料を少なくとも一方の基板上に配置した後、スペーサーを少なくとも一方の基板上に散布し、一対の基板を複数の帯状電極等の形成面を対向させて重ね合わせる。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することによって、樹脂材料を軟化させた後、冷却することにより再びこれを固化させ、空セルを形成する。
【0082】
この空セルを液晶表示素子とするには、柱状構造物を挟持した基板間に液晶組成物を、例えば真空注入法によって注入すればよい。
(第4実施形態の構成)
図3に本発明の第4実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す。なお、図3(A)は高電圧パルス印加時のプレーナ状態を示すものであり、図3(B)は低電圧パルス印加時のフォーカルコニック状態を示すものである。
【0083】
この液晶表示素子は、図1に示した前記液晶表示素子における各液晶層を単層構成で使用したもので、図1の各液晶層と実質的には同様の構造のものでありモノカラー又はモノクロの表示素子として用いることができるものである。なお、図3において、図1の素子と基本的に同じ構成、作用を有する箇所には同じ符号を付してある。
【0084】
図3に示す液晶表示素子は、少なくとも一方が透明な一対の基板11、12間に室温でコレステリック相を示し可視光中の特定波長の光を選択反射可能の液晶組成物21yと基板11、12間のスペースを保持するスペース保持材を挟持したものである。
【0085】
液晶組成物21yは、ここではカイラル材とネマチック液晶を混合したカイラルネマチック液晶組成物である。カイラルネマチック液晶組成物21yの誘電率異方性(Δε)は10〜40、屈折率異方性(Δn)は0.16〜0.22、粘度は30〔cP〕〜200〔cP〕である。
【0086】
一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜が形成されており、或いは一対の基板のうち少なくとも一方に絶縁膜が形成されているとともに一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜が形成されている。図示例では、基板11、12に絶縁膜15がそれぞれ形成されているとともに配向安定化膜17がそれぞれ形成されている。
【0087】
絶縁膜15は無機化合物微粒子を含有した有機ケイ素化合物の膜からなり、配向安定化膜17は脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜からなる。
【0088】
また、光を入射させる側とは反対側の基板の外面(裏面)には、必要に応じて、可視光吸収層16が設けられる。
(第5実施形態の構成)
図4に本発明の第5実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す。なお、図4(A)は高電圧パルス印加時のプレーナ状態を示すものであり、図4(B)は低電圧パルス印加時のフォーカルコニック状態を示すものである。
【0089】
この液晶表示素子は、液晶表示素子表示領域内に柱状構造物が設けられていないことを除いて、図3に示した前記第4実施形態の液晶表示素子と実質上同じ構造のものである。なお、図4において、図3の素子と基本的に同じ構成、作用を有する箇所には同じ符号を付してある。
【0090】
以上説明した第1から第5の実施形態の液晶表示素子によると、絶縁膜15は無機化合物微粒子を含有した有機ケイ素化合物の膜からなり、配向安定化膜17は脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜からなる。そしてカイラルネマチック液晶組成物21r、21g、21b、21yの誘電率異方性(Δε)が10〜40、屈折率異方性(Δn)が0.16〜0.22、粘度が30〔cP〕〜200〔cP〕である。
【0091】
従って、光反射率良好に、高コントラストで画像表示できる。また、低電圧で駆動できる。さらに、長期にわたり高い信頼性を維持できる。
【0092】
次に本発明に係る液晶表示素子の性能評価実験を行なったので、比較実験とともに具体的に説明する、但し、本発明はそれらの実験例に限定されるものではない。
【0093】
以下の各実験例、比較実験例において、ネマチック液晶成分の屈折率異方性は25℃で、アッベ屈折計により測定した。
【0094】
反射率の測定は白色光源を有する反射型分光測色計CM−3700d(ミノルタ社製)を用いて視感反射率(Y値)を測定することで行った。Y値が小さいほど透明である。また、コントラストは(高反射率状態でのY値/低反射率状態でのY値)で与えられる。以下に説明する各実験例、比較実験例における液晶表示素子においては、液晶表示素子をプレーナ状態としたときに高反射率状態となり、フォーカルコニック状態としたときに低反射率状態となる。
【0095】
各実験例で用いた配向安定化膜材料の化学構造式を以下に示す。
【0096】
【化1】
【0097】
(実験例1)
ネマチック液晶混合物Aに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を17重量%添加した液晶組成物a1を調製した。液晶組成物a1の粘度は140cP、屈折率異方性Δnは0.18、誘電率異方性Δεは29.2であった。液晶組成物a1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0098】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み200nmの絶縁膜Haを得た。
【0099】
前記絶縁膜の上に式(1),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み50nmのポリイミド系配向安定化膜Iaを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0100】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Haと配向安定化膜Iaを形成し、これを対向基板とした。
【0101】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0102】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物a1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)A1を作製した。
【0103】
さらに液晶セルA1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0104】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は32V/15Vであった。また、着色表示時のY値は27.4、黒色表示時のY値は1.8、コントラストは15.2:1であり、着色・黒色表示特性共に良好で、特に黒色表示特性が良好なためコントラストの高い素子となった。
(実験例2)
ネマチック液晶混合物Bに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を7.5重量%とカイラル材料MLC−6247(メルク社製)を32.5重量%添加した液晶組成物b1を調製した。液晶組成物b1の粘度は60cP、屈折率異方性Δnは0.16、誘電率異方性Δεは26.9であった。液晶組成物b1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0105】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化ジルコニウム微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み100nmの絶縁膜Hbを得た。
【0106】
前記絶縁膜の上に式(1),(2),(4)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み60nmのポリイミド系配向安定化膜Ibを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0107】
また、もう一つのPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Hbと配向安定化膜Ibを形成し、これを対向基板とした。
【0108】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0109】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物b1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)B1を作製した。
【0110】
さらに液晶セルB1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0111】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は34V/18Vであった。また、着色表示時のY値は26.5、黒色表示時のY値は1.6、コントラストは16.6:1であり、着色・黒色表示特性共に良好で、特に黒色表示特性が良好なためコントラストの高い素子となった。
(実験例3)
ネマチック液晶混合物Cに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を8重量%とカイラル材料MLC−6247(メルク社製)を30.3重量%添加し、さらに黄色色素( kayaset Yellow GN:日本化薬(株)製)を0.6重量%添加した液晶組成物c1を調製した。液晶組成物c1の粘度は150cP、屈折率異方性Δnは0.20、誘電率異方性Δεは33.5であった。液晶組成物c1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0112】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化ケイ素微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み150nmの絶縁膜Hcを得た。
【0113】
前記絶縁膜の上に式(5),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み100nmのポリイミド系配向安定化膜Icを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0114】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Hcと配向安定化膜Icを形成し、これを対向基板とした。
【0115】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0116】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物c1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)C1を作製した。
【0117】
さらに液晶セルC1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0118】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は29V/14Vであった。また、着色表示時のY値は30.3、黒色表示時のY値は2.0、コントラストは15.2:1であり、着色・黒色表示特性共に良好で、特に黒色表示特性が良好なためコントラストの高い素子となった。
(実験例4)
ネマチック液晶混合物Dに対して、カイラル材料MLC−1011(メルク社製)を8重量%添加した液晶組成物d1を調製した。液晶組成物d1の粘度は190cP、屈折率異方性Δnは0.22、誘電率異方性Δεは38.7であった。液晶組成物b1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0119】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み50nmの絶縁膜Hdを得た。
【0120】
前記絶縁膜の上に式(5),(2),(4)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み50nmのポリイミド系配向安定化膜Idを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0121】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Hdと配向安定化膜Idを形成し、これを対向基板とした。
【0122】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0123】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物d1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)D1を作製した。
【0124】
さらに液晶セルD1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0125】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は27V/12Vであった。また、着色表示時のY値は31.5、黒色表示時のY値は2.2、コントラストは14.3:1であり、着色・黒色表示特性共に良好で、特に着色表示特性が良好なためコントラストの高い素子となった。
(実験例5)
ネマチック液晶混合物Eに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を23重量%添加した液晶組成物e1を調製した。液晶組成物e1の粘度は40cP、屈折率異方性Δnは0.19、誘電率異方性Δεは13.7であった。液晶組成物e1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0126】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み200nmの絶縁膜Hdを得た。
【0127】
前記絶縁膜の上に式(5),(2),(6)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み30nmのポリイミド系配向安定化膜Ieを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0128】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Hdと配向安定化膜Ieを形成し、これを対向基板とした。
【0129】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0130】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物e1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)E1を作製した。
【0131】
さらに液晶セルE1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0132】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は37V/20Vであった。また、着色表示時のY値は28.0、黒色表示時のY値は1.8、コントラストは15.6:1であり、着色・黒色表示特性共に良好で、特に黒色表示特性が良好なためコントラストの高い素子となった。
(実験例6)
ネマチック液晶混合物Fに対して、カイラル材料CB15(メルク社製)を12重量%とカイラル材MLC1011(メルク社製)5重量%添加した液晶組成物f1を調製した。液晶組成物f1の粘度は95cP、屈折率異方性Δnは0.16、誘電率異方性Δεは25.5であった。液晶組成物f1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0133】
まず、一方のポリエーテルスルホン(PES)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に式(1),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み200nmのポリイミド系配向安定化膜Iaを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0134】
また、もう一つのPESフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして配向安定化膜Iaを形成し、その上にエポキシ樹脂により樹脂柱をスクリーン印刷により形成し、これを対向基板とした。
【0135】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0136】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物f1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)F1を作製した。
【0137】
さらに液晶セルF1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0138】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は30V/15Vであった。また、着色表示時のY値は26.7、黒色表示時のY値は1.7、コントラストは15.7:1であり、着色・黒色表示特性共に良好で、特に黒色表示特性が良好なためコントラストの高い素子となった。
(実験例7)
ネマチック液晶混合物Gに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を28重量%添加した液晶組成物g1を調製した。液晶組成物g1の粘度は130cP、屈折率異方性Δnは0.20、誘電率異方性Δεは32.1であった。液晶組成物g1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0139】
まず、一方のガラス基板上に設けられたITO透明電極上に酸化ケイ素微粒子と酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み200nmの絶縁膜Heを得た。
【0140】
前記絶縁膜の上に式(5),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み50nmのポリイミド系配向安定化膜Icを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0141】
また、もう一方のガラス基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Heと配向安定化膜Icを形成し、これを対向基板とした。
【0142】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0143】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物g1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)G1を作製した。
【0144】
さらに液晶セルG1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0145】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は28V/13Vであった。また、着色表示時のY値は30.2、黒色表示時のY値は1.9、コントラストは15.9:1であり、着色・黒色表示特性共に良好で、特に黒色表示特性が良好なためコントラストの高い素子となった。
(実験例8)
ネマチック液晶混合物Hに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を3.3重量%とカイラル材料MLC−6247(メルク社製)を29重量%添加し、液晶組成物h1を調製した。次に、ネマチック液晶混合物Hに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を2.9重量%とカイラル材料MLC−6247(メルク社製)を32.5重量%添加し、液晶組成物h2を調製した。また、ネマチック液晶混合物Hに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を3.0重量%とカイラル材料MLC−6247(メルク社製)を35.0重量%添加し、液晶組成物h3を調製した。
【0146】
液晶組成物h1の粘度は105cP、屈折率異方性Δnは0.18、誘電率異方性Δεは32.5であった。液晶組成物h1は680nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。液晶組成物h2の粘度は125cP、屈折率異方性Δnは0.17、誘電率異方性Δεは31.6であった。液晶組成物h2は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。液晶組成物h3の粘度は150cP、屈折率異方性Δnは0.16、誘電率異方性Δεは30.0であった。液晶組成物h3は480nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0147】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み180nmの絶縁膜Haを得た。
【0148】
前記絶縁膜の上に式(1),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み60nmのポリイミド系配向安定化膜Iaを得た。そして、その上に9μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0149】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Haと配向安定化膜Iaを形成し、これを対向基板とした。
【0150】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0151】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物h1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)H1を作製した。
【0152】
次に、一方のPCフィルム基板上に設けられたITO透明電極上に、液晶セルH1と同様にして厚み180nmの絶縁膜Haを形成した後、その上に厚み60nmの配向安定化膜Iaを形成し、その上に6μm径の固着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Haと配向安定化膜Iaを形成し、これを対向基板とした。
【0153】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物h2を塗布し、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)H2を作製した。
【0154】
また、一方のPCフィルム基板上に設けられたITO透明電極上に、液晶セルH1と同様にして厚み180nmの絶縁膜Haを形成した後、その上に厚み60nmの配向安定化膜Iaを形成し、その上に4μm径の固着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Haと配向安定化膜Iaを形成し、これを対向基板とした。
【0155】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物h3を塗布し、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)H3を作製した。
【0156】
これら3種類の液晶セルH1、H2、H3をこの順に積層し、得られた積層体の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板:液晶セルH1の外面(裏面))には黒色の光吸収体を設けた。
【0157】
この積層体を着色状態と消色(黒色)状態にするために各液晶セルをそれぞれ所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色状態の電圧はセルH1:40V/25V、セルH2:30V/20V、セルH3:25V/15Vであった。また、着色表示時のY値は30.6、黒色表示時のY値は3.7、コントラストは8.3:1であり、着色・黒色表示特性共に良好で、特に黒色表示特性が良好なためコントラストの高い素子となった。
(比較実験例1)
ネマチック液晶混合物Iに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を21重量%添加した液晶組成物i1を調製した。液晶組成物i1の粘度は20cP、屈折率異方性Δnは0.18、誘電率異方性Δεは5.3であった。液晶組成物i1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0158】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み200nmの絶縁膜Haを得た。
【0159】
前記絶縁膜の上に式(1),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み80nmのポリイミド系配向安定化膜Iaを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0160】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Haと配向安定化膜Iaを形成し、これを対向基板とした。
【0161】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0162】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物i1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)I1を作製した。
【0163】
さらに液晶セルI1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0164】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は80V/50Vであった。また、着色表示時のY値は25.5、黒色表示時のY値は1.8、コントラストは14.2:1であり、着色・黒色表示特性共に良好であるが、駆動電圧が非常に高い素子となった。
【0165】
駆動電圧が高くなったのは、誘電率異方性Δεが5.3と低いことが影響しているものと考えられる。
(比較実験例2)
ネマチック液晶混合物Jに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を22重量%添加した液晶組成物j1を調製した。液晶組成物j1の粘度は25cP、屈折率異方性Δnは0.12、誘電率異方性Δεは11.7であった。液晶組成物j1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0166】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み200nmの絶縁膜Haを得た。
【0167】
前記絶縁膜の上に式(1),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み50nmのポリイミド系配向安定化膜Iaを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0168】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Haと配向安定化膜Iaを形成し、これを対向基板とした。
【0169】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0170】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物j1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)J1を作製した。
【0171】
さらに液晶セルJ1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0172】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は45V/25Vであった。また、着色表示時のY値は17.4、黒色表示時のY値は1.4、コントラストは12.4:1であり、着色のY値が低く暗い表示であり、コントラストも低い素子となった。
【0173】
コントラストが低くなったのは、屈折率異方性Δnが0.12と低すぎることが影響しているものと考えられる。
(比較実験例3)
ネマチック液晶混合物Kに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を22重量%添加した液晶組成物k1を調製した。液晶組成物k1の粘度は120cP、屈折率異方性Δnは0.26、誘電率異方性Δεは11.7であった。液晶組成物k1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0174】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み200nmの絶縁膜Haを得た。
【0175】
前記絶縁膜の上に式(1),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み60nmのポリイミド系配向安定化膜Iaを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0176】
また、もう一つのPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Haと配向安定化膜Iaを形成し、これを対向基板とした。
【0177】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0178】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物k1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)K1を作製した。
【0179】
さらに液晶セルK1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0180】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は40V/22Vであった。また、着色表示時のY値は31.0、黒色表示時のY値は3.5、コントラストは8.9:1であり、着色時のY値は高いが黒色表示のY値が高く黒色の透明度が悪いため、コントラストの低い素子となった。
【0181】
コントラストが低くなったのは、屈折率異方性Δnが0.26と高すぎることが影響しているものと考えられる。
(比較実験例4)
ネマチック液晶混合物Aに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を17重量%添加した液晶組成物a1を調製した。液晶組成物a1の粘度は140cP、屈折率異方性Δnは0.18、誘電率異方性Δεは29.2であった。液晶組成物a1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0182】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み300nmの絶縁膜Hfを得た。
【0183】
前記絶縁膜の上に式(1),(2),(3)で示される化合物から合成される可溶性ポリイミドの塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み60nmのポリイミド系配向安定化膜Iaを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0184】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Hfと配向安定化膜Iaを形成し、これを対向基板とした。
【0185】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0186】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物a1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)L1を作製した。
【0187】
さらに液晶セルL1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0188】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は30V/15Vであった。また、着色表示時のY値は26.8、黒色表示時のY値は2.5、コントラストは10.7:1であり、黒色の表示特性が良くないためコントラストの低い素子となった。
(比較実験例5)
ネマチック液晶混合物Aに対して、カイラル材料S−811(メルク社製)を17重量%添加した液晶組成物a1を調製した。液晶組成物a1の粘度は140cP、屈折率異方性Δnは0.18、誘電率異方性Δεは29.2であった。液晶組成物a1は560nm付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0189】
まず、一方のポリカーボネート(PC)フィルム基板上に設けられたITO透明電極上に酸化チタン微粒子を含有する有機ケイ素化合物を含む絶縁膜材料の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、80℃のオーブン中で溶剤を乾燥させ、高圧水銀灯でUV(紫外線)照射(3J)し、さらに140℃のオーブンで1時間焼成して厚み200nmの絶縁膜Haを得た。
【0190】
前記絶縁膜の上に芳香環式カルボン酸無水物と芳香族ジアミン化合物からなる可溶性ポリイミド サンエバー5291(日産化学工業(株)製)の塗布液をフレキソ印刷で塗布した。その後、140℃のオーブン中で焼成し、厚み300nmのポリイミド系配向安定化膜Ifを得た。そして、その上に6μm径の接着スペーサー(積水ファインケミカル(株)製)を散布した。
【0191】
また、もう一方のPCフィルム基板上のITO透明電極上にも同様にして絶縁膜Haと配向安定化膜Ifを形成し、これを対向基板とした。
【0192】
続いて、一方の基板上の周縁部にシール材XN21(三井化学(株)製)をスクリーン印刷して所定の高さの壁を形成した。
【0193】
その後、該一方の基板上にシール材の高さとシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶組成物a1を塗布した後、両基板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セル(液晶素子)M1を作製した。
【0194】
さらに液晶セルM1の裏面(光を入射させる側とは反対側の基板面)に黒色の光吸収体を設けた。
【0195】
この液晶セルを着色状態と消色(黒色)状態にするために所定電圧で駆動した。この時の着色状態及び消色(黒色)状態の電圧は42V/23Vであった。また、着色表示時のY値は21.7、黒色表示時のY値は2.0、コントラストは10.9:1であり、駆動電圧が高く、着色の表示特性が悪く、コントラストの低い素子となった。
【0196】
実験結果を以下にまとめて示す。
【0197】
【表1】
【0198】
【表2】
【0199】
以上の実験例、比較実験例から、良好な色純度、光反射率等の特性が得られ、コントラストが向上し、しかも素子の信頼性が良好で、良好なカラー表示品質を達成することができるような要求を満足させ得る材料として、絶縁膜には有機ケイ素化合物に無機化合物微粒子を含有させた膜を用い、配向安定化膜として脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜を用いればよいことがわかった。
【0200】
また、コントラストを向上させるためのカイラルネマチック液晶組成物の性質として、誘電率異方性(Δε)が10〜40のものがよいことがわかった。
【0201】
さらに、液晶組成物の屈折率異方性(Δn)は0.16〜0.22の範囲のものが好ましいことがわかった。
【0202】
さらに、液晶組成物の粘度が30〜200〔cP〕であるとき、良好な色純度、光反射率等の特性が得られ、コントラストが向上し、しかも素子の信頼性が良好で、駆動電圧が低く済むことがわかった。
【0203】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、光反射率良好に、高コントラストで画像表示できる液晶表示素子を提供することができる。
【0204】
また本発明によると、低電圧駆動可能な液晶表示素子を提供することができる。
【0205】
また本発明によると、信頼性の高い液晶表示素子を提供することができる。
【0206】
また本発明によると、視野角依存性の小さい液晶表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す概略図であり、図(A)は高電圧パルスを印加したときのプレーナ状態(R(赤色)G(緑色)B(青色)着色状態)を示すものであり、図(B)は低電圧パルスを印加したときのフォーカルコニック状態(透明/黒色表示状態)を示すものである。
【図2】本発明の第2実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す図であり、図(A)は高電圧パルス印加時のプレーナ状態を示すものであり、図(B)は低電圧パルス印加時のフォーカルコニック状態を示すものである。
【図3】本発明の第4実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す図であり、図(A)は高電圧パルス印加時のプレーナ状態を示すものであり、図(B)は低電圧パルス印加時のフォーカルコニック状態を示すものである。
【図4】本発明の第5実施形態である液晶表示素子の断面構造を示す図であり、図(A)は高電圧パルス印加時のプレーナ状態を示すものであり、図(B)は低電圧パルス印加時のフォーカルコニック状態を示すものである。
【符号の説明】
11、12 透明基板
13、14 透明電極
15 絶縁性薄膜
16 光吸収層
17 配向安定化膜
18 スペーサー
20 柱状構造物
21b、21g、21r、21y 液晶組成物
24 シール材
25 パルス電源
b 青色表示を行なうB液晶層
g 緑色表示を行なうG液晶層
r 赤色表示を行なうR液晶層
Claims (15)
- 少なくとも一方が透明な一対の基板間に室温でコレステリック相を示し可視光中の特定波長の光を選択反射可能の液晶組成物と前記基板間のスペースを保持するスペース保持材を挟持した液晶表示素子において、前記一対の基板のうち少なくとも一方に絶縁膜が形成されているとともに前記一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜が形成されており、前記絶縁膜が無機化合物微粒子を含有した有機ケイ素化合物の膜からなり、配向安定化膜が脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜からなり、前記液晶組成物の誘電率異方性(Δε)が10〜40、屈折率異方性(Δn)が0.16から0.22、粘度が30〔cP〕〜200〔cP〕であることを特徴とする液晶表示素子。
- 少なくとも一方が透明な一対の基板間に室温でコレステリック相を示し可視光中の特定波長の光を選択反射可能の液晶組成物と前記基板間のスペースを保持するスペース保持材を挟持した液晶表示素子において、前記一対の基板のうち少なくとも一方に配向安定化膜が形成されており、該配向安定化膜が脂肪族炭化水素環のテトラカルボン酸のポリイミド膜からなり、前記液晶組成物の誘電率異方性(Δε)が10〜40、屈折率異方性(Δn)が0.16から0.22、粘度が30〔cP〕〜200〔cP〕であることを特徴とする液晶表示素子。
- 前記絶縁膜に含まれる前記無機化合物微粒子がケイ素の酸化物、チタンの酸化物、ジルコニウムの酸化物のうち少なくとも1種からなる微粒子である請求項1記載の液晶表示素子。
- 前記絶縁膜の膜厚が20nm〜200nmである請求項1又は3記載の液晶表示素子。
- 前記配向安定化膜がシクロヘキシルテトラカルボン酸又はトリカルボキシシクロペンチル酢酸と、芳香族ジアミンとからなるポリイミド膜である請求項1から4のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記一対の基板のうちいずれか片方に形成された前記配向安定化膜のみにラビング等の配向処理が施されている請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記配向安定化膜はいずれもラビング等の配向処理が施されていない請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記配向安定化膜の膜厚が20nm〜200nmである請求項1から7のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記液晶組成物はネマチック液晶に8重量%〜40重量%のカイラル材を添加したものである請求項1から8のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記カイラルネマチック液晶組成物は2種以上のカイラル材を含有している請求項9記載の液晶表示素子。
- 前記液晶組成物は色素を含有している請求項1から10のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記一対の基板のうち少なくとも一方は樹脂基板である請求項1から11のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記スペース保持材は接着性樹脂を有する無機微粒子である請求項1から12のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記液晶層の厚みは3μm〜10μmである請求項1から13のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 前記請求項1〜14のいずれかに記載の液晶表示素子を複数積層して構成したことを特徴とする積層型液晶表示素子。
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