JP2003269395A - 軸流ファン - Google Patents

軸流ファン

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JP2003269395A
JP2003269395A JP2002376613A JP2002376613A JP2003269395A JP 2003269395 A JP2003269395 A JP 2003269395A JP 2002376613 A JP2002376613 A JP 2002376613A JP 2002376613 A JP2002376613 A JP 2002376613A JP 2003269395 A JP2003269395 A JP 2003269395A
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connecting leg
electric motor
venturi
mounting portion
cross
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JP2002376613A
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English (en)
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Kanako Nemoto
佳奈子 根本
Osamu Sekiguchi
治 関口
Toui Ri
東偉 李
Toshimi Abukawa
俊美 虻川
Masahiro Mimura
昌弘 三村
Masatake Minami
正剛 南
Koji Yoneda
孝司 米田
Shoichi Kawamata
昭一 川又
Hironori Shiohata
宏規 塩幡
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Hitachi Ltd
Nidec Advanced Motor Corp
Original Assignee
Hitachi Ltd
Japan Servo Corp
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】軸流ファンの電磁振動が外部装置に伝播するの
を低減する。 【解決手段】羽根10を回転させる電動機を保持する電
動機保持部7とベンチュリ1と連結部9を一体的に形成
した軸流ファン100において、前記連結部9は、ベン
チュリ1の風胴部1aの端面から軸方向に伸張する取付
部91と該取付部91から一体的に伸張して通風路を横
断して前記電動機保持部7に連結する連結脚92を備
え、前記取付部の断面積A1を連結脚の断面積Aよりも
大きくし、かつ軸方向から見た取付部91の円周方向の
幅を連結脚92の幅よりも大きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸流ファンに係
り、電動機の動作により発生する振動のうち、特に電磁
音の周波数帯域の振動が実装状態で外部装置に伝播する
のを抑制するための軸流ファンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−178098号公報
【特許文献2】特開平11−89168号公報
【特許文献3】特開平7−213005号公報
【0003】家電製品や各種のOA機器には、冷却用の
軸流ファンが多数使用されている。このような製品で
は、温度上昇や製品コストの低減のため、軸流ファンの
大風量化が要求されている。軸流ファンは、風量の増加
に伴い、電動機の出力が大きくなり、電磁加振力による
騒音が大きくなる傾向にある。一方、快適環境の追求に
より、騒音低減の要求も大きくなってきており、それに
対する技術も開発されている。軸流ファンを組み込んだ
外部装置の騒音低減技術としては、例えば、以下のよう
なものがある。特開2001−178098号公報(特
許文献1)に記載された発明は、送風機のモータ取付板
を2枚の鋼板の間に粘弾性材を挟んだサンドイッチ構造
の制振板で構成し、コギングトルクによる振動を減衰
し、騒音を低減している。特開平11−89168号公
報(特許文献2)に記載された発明は、軸流ファンモー
タの軸受を保持する部分をスポークで外側のケースに結
合したハウジング構造において、スポークの1本を接続
用端子を引き出すためのリードピンと一体形成すること
により、風量の損失を最小限にし、低騒音化を図ってい
る。特開平7−213005号公報(特許文献3)に記
載された発明は、軸流ファンモータの防振部材を肉抜き
部に挿入し、ねじ等の締結具を介して取り付けられる装
置への振動伝達を防止する構造としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2
001−178098号公報(特許文献1)に記載され
た発明は、ファンモータの取り付けに、取付板を用いな
いものには適用することができない。また、特開平11
−89168号公報(特許文献2)に記載された発明
は、騒音に支配的な成分が空力音であるものについては
有効であるが、電磁音が支配的であるものについては効
果が少ないまた、特開平7−213005号公報(特許
文献3)に記載された発明は、軸流ファンモータを各種
装置に取り付ける手段としてねじ等の締結具を用いない
ものには適用することができない。本発明の目的は、軸
流ファンを各種の外部装置にはめ込みで取り付けた場合
にも、電動機に発生する電磁加振力に起因する軸流ファ
ンの振動が外部装置に伝播して該外部装置を振動させる
ことにより発生する放射音(電磁音)を低減することが
できる軸流ファンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベンチュリ
と、羽根と、この羽根を駆動する電動機と、この電動機
を取り付けた電動機保持部を前記ベンチュリに保持させ
る連結部を備えた軸流ファンにおいて、前記連結部は、
前記ベンチュリの風洞部の端面から一体的に軸方向に伸
張する取付部と、この取付部から一体的に通風路を横断
するように伸張して、電動機通電部材を収納するような
形態で前記電動機保持部に連結する脚および前記電動機
保持部と連結する連結脚とよりなる脚部とを備え、前記
取付部の断面積が前記連結脚の断面積より大で、かつ軸
方向で見た取付部の円周方向の幅が前記脚部の少なくと
も前記連結脚の幅より大であることを特徴とする。
【0006】そして、前記連結脚の断面積に対し取付部
の断面積が3.5倍以上であるように構成したことを特
徴とする。また、前記連結脚は、取付部に連通する外周
側端部の断面積が電動機保持部に連通する内周側端部の
断面積より大で、その平均断面積に対して取付部の断面
積が3.5倍以上であるように構成したことを特徴とす
る。また、前記連結脚は、電動機保持部に連通する内周
側端部に対し、取付部に連通する外周側端部が軸方向の
厚みを増すように構成することで断面積の増加を図った
ことを特徴とする。また、前記連結脚に連通する取付部
の軸方向で見た円周方向の幅が、当該連結脚の幅の2倍
以上であるように構成したことを特徴とする。また、前
記連結脚に連通する取付部の軸方向で見た円周方向の幅
が、連結脚に連通する先端部で小さく、風洞部端面に連
通する根元部で大きく、その平均寸法が、当該連結脚の
幅の2倍以上であるように構成されていることを特徴と
する。また、前記連結脚は、その断面が、羽根の形状に
依拠する送風方向に沿うようにして長軸を有する楕円状
に形成されていることを特徴とする。また、前記連結脚
は、その断面が、羽根の形状に依拠する送風方向に沿う
ようにして長軸を有する菱形状に形成されていることを
特徴とする。
【0007】また、本発明は、ベンチュリと、羽根と、
この羽根を駆動する電動機と、この電動機を取り付ける
電動機保持部を前記ベンチュリに保持させる連結部を備
えた軸流ファンにおいて、前記連結部は、前記ベンチュ
リの風洞部の端面から一体的に軸方向に伸張する取付部
と、この取付部から一体的に通風路を横断するように伸
張して、電動機通電部材を収納するように前記電動機保
持部に連結する脚および前記電動機保持部と連結する連
結脚とよりなる脚部とを備え、前記取付部の剛性が連結
脚の剛性より大であると共に、前記連結脚と取付部の剛
性の比と電動機の質量と取付部の剛性により決定される
角周波数の√2倍の値が、ベンチュリ全体の1次変形固
有角周波数と、前記ベンチュリの固有角周波数近傍に存
在する電動機回転数により決まる電磁力の加振角周波数
との小さいほうの値より小さくなるように、前記連結脚
と取付部の剛性の比を該連結脚と取付部の材質または補
強部材を変えて設定したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明になる軸流ファン
の一実施の形態を示すものであって、軸流ファン10
0,ベンチュリ1,電動機保持部7,連結部9を構成す
る取付部91と連結脚92の構成を示しており、(a)
は軸流ファンの正面図、(b)は取付部91と連結脚9
2の連結部分Bを拡大して示す正面図、(c)は取付部
91と連結脚92の連結部分Bを拡大して示す側面図で
ある。図2において、(a)は連結脚92のC−C断面
図、(b)は取付部91のD−D断面図である。また、
図3は、図1に示した軸流ファン100の縦断側面図で
ある。
【0009】図1〜図3において、軸流ファン100
は、ベンチュリ1から一体的に伸張する連結部9によっ
て電動機保持部7を支える構造である。連結部9は、ベ
ンチュリ1の風洞部1aの端面から一体的に軸方向に伸
張する取付部91と、この取付部91から一体的に通風
路を横断するように伸張して電動機保持部7に連結する
複数の連結脚92を備える。連結脚の1つは、電動機通
電部材12を収納するような形態の脚を一体的に併設し
た通電部材収納連結脚93となっている。
【0010】電動機保持部7は、軸受箱を形成するボス
6を備え、その内周面に2つの軸受5が嵌着され、外周
面には電動機の固定子4およびこの電動機の制御回路を
構成するプリント基板2が固定されている。そして、こ
の固定子4の外周面には、永久磁石11を主体部材とす
る回転子3が羽根10と一体となって小空隙を介して回
転自在に対向するように前記軸受5に保持されたシャフ
ト8によって支持されている。ちなみに、回転子3と固
定子4と軸受5とボス6は、電動機を構成する。
【0011】このような軸流ファン100を外部装置に
取り付けた場合の騒音伝播経路は以下の通りである。
【0012】まず、加振源は電動機の電磁加振力であ
る。この加振力は、直接には固定子4と回転子3に加わ
る。固定子4からの振動は、ボス6,電動機保持部7,
連結部9を介してベンチュリ1に伝達される。回転子3
からの振動は、軸受5,ボス6,電動機保持部7,連結
部9を介してベンチュリ1に伝達される。ベンチュリ1
から外部装置への振動伝達は、軸流ファン100の取付
手段を介して行われる。
【0013】軸流ファン100の加振力が電動機のコギ
ングトルクの場合、このコギングトルクは、回転子3と
固定子4の円周方向に働く力である。この加振力により
軸流ファン100単体で振動・騒音が発生し易いのは、
固定子4と電動機保持部7が回転軸周りに捩じれ、その
振動が連結部9を介してベンチュリ1に伝達されて該ベ
ンチュリ1が曲げ振動を起こす固有モードである。図4
は、この固有モードの曲げ振動状態を誇張して描いた図
である。
【0014】振動モードは多数存在するが、軸流ファン
100の外部装置への取付方法がはめ込みの場合には、
特に振動放射音が問題となるのは、電磁加振力と図4に
示すような固有モードが共振状態となる場合である。
【0015】軸流ファン100において、電磁加振力が
直接加わるのは、固定子4と回転子3である。そして、
この軸流ファン100の振動は、ベンチュリ1を介して
外部装置へ伝播する。したがって、電磁加振力により固
定子4,ボス6,電動機保持部7の振動が励起されて
も、その振動が連結部9を介してベンチュリ1に伝達さ
れにくい構造であれば電磁音の放出を低減することがで
きる。
【0016】そこで、この実施の形態では、連結部9に
おける取付部91と連結脚92の形状および剛性の適正
化を図ることによって、電動機を保持する電動機保持部
7から連結部9を介してベンチュリ1に伝播する振動を
低減し、軸流ファン100から外部装置へ伝達される振
動を低減することにより、結果として電磁音を低減する
ものである。
【0017】外部装置を冷蔵庫として該冷蔵庫内に軸流
ファン100を取り付けた場合を例にとって、連結部9
の適正化例と効果を説明する。
【0018】図5は、軸流ファン100を実装した冷蔵
庫200の縦断側面図であって、軸流ファン100は、
樹脂製のベンチュリ1の外周に緩衝材を巻き付けた状態
で、冷蔵庫200の庫内所定の位置に設置されている。
【0019】冷蔵庫200の庫内ファンとして使用する
軸流ファン100は、ドアまたは引き出しを開けたとき
に、停止する場合と停止しない場合の2通りあるが、こ
こでは、停止しない場合を考える。
【0020】このような冷蔵庫200では、ドアまたは
引き出しを開けると、軸流ファン100の風切り音と共
に電磁音が聞こえることになる。風切り音に対して、聴
感で良く聞こえる300Hz〜1000Hz帯域成分の
電磁音が大きくなると耳障りな音が聞こえることにな
る。
【0021】図6は、連結部9のうち、例えば図2に示
す連結脚92に連結する取付部91の断面積A1を連結
脚92の断面積Aの2.3倍とした場合の近接音場の騒
音スペクトルである。このスペクトルのうちで目立つス
ペクトルは、1/3オクターブバンドで400Hzの帯
域であり、これは電磁音のスペクトルに相当し、耳障り
な音である。
【0022】また、連結脚92の断面積Aを上記と同じ
面積とし、取付部91の断面積A1を変更して、連結脚
92の断面積Aの3.5倍,4.2倍とした場合の騒音
スペクトルも図6に併せて示している。取付部91の断
面積A1を変更することにより、オーバーオール(O.
A.)はほとんど変わらないが、耳障りな400Hz帯
域のスペクトルを約5dB低減することができる。
【0023】400Hz帯域のスペクトルは、電磁音の
スペクトルであり、このスペクトルに対する軸流ファン
100の固有モードは、図4に示すようになる。図4に
見る固有モードでは、ベンチュリ1の外周中央部1Mの
変位が大きい。
【0024】電動機保持部7とベンチュリ1の外周中央
部1Mの間の振動伝達率を図7に示している。
【0025】図7によれば、400Hz近傍の振動伝達
率が取付部91の断面積A1を連結脚92の断面積Aの
2.3倍とした場合は最大値で8.5であるのに対し、
取付部91の断面積A1を連結脚92の断面積Aの3.
5倍とした場合は約3.2、取付部91の断面積A1を
連結脚92の断面積Aの4.2倍とした場合には1.0
以下となっている。このことは、400Hz帯域の振動
伝達率が取付部91の断面積A1の適正化により低減す
るので、取付部91の断面積A1を連結脚92の断面積
Aの3.5倍以上にすることで、実用的効果が高いこと
を示している。
【0026】したがって、この実施の形態は、耳障りな
電磁音の発生原因となる400Hz帯域の振動が電動機
保持部7からベンチュリ1に伝播し難い構造であれば、
前記連結脚92は、図8の(a)に示すように、全体が
ほぼ同一の断面積であっても良いし、(b)に示すよう
に、取付部91に連通する外周側端部の断面積が電動機
保持部7に連通する内周側端部の断面積よりも大きく形
成してその平均値を断面積Aとしても良い。同様に、取
付部91においても軸方向で見た円周方向の幅が、図8
の(c)に示すように、連結脚92に連通する先端部で
小さく、風洞部の端面に連通する根元部で大きく形成し
て、その平均値を断面積A1としても良い。
【0027】上述した連結脚92は、取付部91に連通
する外周側端部の断面積が電動機保持部7に連通する内
周側端部の断面積よりも大きくするための構造として、
円周方向の幅寸法t3を増大させるのではなく、軸方向
の幅寸法t4を排気側方向に増加させることが好まし
い。
【0028】また、ベンチュリ1aの端面から軸方向に
伸張して連結脚92に連結する取付部91の軸方向から
見た円周方向の幅寸法t1もしくはその平均寸法は、連
結脚92の幅t3もしくはその平均寸法の2倍以上であ
ることが好ましい。また、取付部91の軸方向から見た
円周方向の幅寸法は、内周側幅寸法t1に対して外周側
幅寸法t2を小さくすると良い。
【0029】そして、この連結脚92は、図9に示すよ
うに、断面形状が丸,楕円,菱形の何れの形状であって
も同様な効果を得られるが、軸流ファンとしての性能に
配慮したとき、この連結脚92の形状は、羽根10の構
造に依拠する送風方向に沿うような長軸を有する楕円形
状や菱形等のような構造にして通風抵抗を軽減するよう
な構成とすることが好ましい。
【0030】図3に示した実施の形態では、軸受5とし
て複数個の玉軸受を例示しているが、図13に示すよう
に、メタル軸受、スラスト軸受とピボット軸受の組み合
わせ等でも同様の効果を得ることができる。
【0031】ベンチュリ1の形状は、図1に例示した角
型に限られるものでなく、図10の(a),(b)に示
すような円形の場合でも同様の効果がある。ちなみに、
図10の(a)は、軸流ファンの正面図、(b)は、同
背面図である。
【0032】図1,図10に示した実施の形態によれ
ば、ベンチュリ1や羽根10の材質は、樹脂の他にアル
ミニウムや鉄でも同様の効果を得ることができる。ま
た、固定子4,プリント基板2の総てまたは一部を樹脂
でモールド処理した構成であっても同様の効果を得るこ
とができる。
【0033】以上に説明した実施の形態は、軸流ファン
100を外部装置にはめ込みで実装する構成であるが、
ねじ等の締結具を用いた場合にも同様の効果を得ること
ができる。
【0034】以上に説明した実施の形態は、連結部9に
おける連結脚92の断面積Aと取付部91の断面積A1
を変えて振動伝達を低減する構成であるが、このような
振動伝達の低減は、連結脚92と取付部91の剛性を変
えることによって実現するものである。
【0035】図11に示した簡単な振動モデルを用いて
振動伝達の低減効果を説明する。図11の振動モデルに
おいて、軸流ファン100のうちのベンチュリ1を除い
た部分の質量をm、連結脚92の剛性をk、取付部9
1の剛性をk、Zを電動機変位、Zをベンチュリ
1の変位とする。なお、剛性は、ヤング率と断面2次モ
ーメントをパラメータとする関数であり、断面2次モー
メントは断面形状をパラメータとする関数である。
【0036】直列ばねの等価剛性Kは、次の数式で表せ
る。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
【0039】振動伝達率λ、構造の固有角振動数ωn
無次元化角周波数ω/ωnは、次の数式で定義する。
【0040】
【数3】
【0041】
【数4】
【0042】
【数5】
【0043】ここで、ωは加振力の角周波数、ζはモー
ド減衰比である。
【0044】振動伝達率λは、無次元化角周波数ω/ωn
とモード減衰比ζを用いて次式で求められる。
【0045】
【数6】
【0046】ここで、数式の簡略化のためにモード減衰
比ζ=0とし、連結脚92の剛性k は取付部91の剛
性kのα分の1(α>1)であるとすると、振動伝達
率λは、次の数式で求められる。
【0047】
【数7】
【0048】
【数8】
【0049】上記数式をもとに描いたα=2,3,4の
ときの振動伝達率λを図12に示す。振動伝達率λの定
義から、振動伝達率λが1より小さい帯域では、電動機
からベンチュリ1に伝達される振動は小さくなる。ま
た、振動伝達率λ=1と交叉する無次元化角周波数βが
小さいほど、より低い角周波数で電動機からベンチュリ
1に伝達される振動が小さくなる。
【0050】したがって、図12を参照すると、αが大
きいほど振動低減の効果が大きくなることがわかる。す
なわち、連結脚92の剛性kが、取付部91の剛性k
より小さいほど振動低減の効果が大きくなる。
【0051】例えば、振動伝達率λ=1と交叉する無次
元化角周波数βは、α=2のときにβ=0.81、α=4の
ときにβ=0.64となる。このときに、k/m=(2π
×500)×(2π×500)であれば、α=2のとき
にω=2π×400、α=4のときにω=2π×300
となる。なお、振動伝達率λ=1と交叉する無次元化角
周波数ω/ωnの値は、√2である。
【0052】図4に示した固有モードの固有振動数が3
80Hzであるとすると、α=2の場合は、380Hz
の振動成分が電動機保持部7、連結脚92、取付部91
を介してベンチュリ1に伝達され、そこで増幅されるこ
とになる。更には、軸流ファン100の回転数により決
まる電磁力の加振周波数が380Hz近傍の場合には、
ベンチュリ1の振動が更に大きくなる。
【0053】一方、α=4の場合は、380Hzの振動
は、振動低減の効果により電動機保持部7からベンチュ
リ1に伝達されにくくなる。
【0054】結局、取付部91の剛性kが連結脚92
の剛性kより大であると共に、連結脚92と取付部9
1の剛性k,kの比と電動機質量mと取付部91の
剛性kにより決定される角周波数の√2倍の値が、ベ
ンチュリ1の全体の1次変形固有角周波数ωと、この
ベンチュリ1の固有角周波数近傍に存在する電動機回転
数により決まる電磁力の加振角周波数ωとの小さいほう
の値より小さくなるように前記連結脚92と取付部91
の剛性k,kの比を設定することにより、ベンチュ
リ1に伝達されて放射される耳障りな電磁音を低減する
ことができる。
【0055】このように連結脚92の剛性kと取付部
91の剛性k2を変える手段としては、前述した実施の
形態のように連結脚92の断面積Aと取付部91の断面
積A1を変えることの他に、連結脚92と取付部91の
材質を変えた構成で実現することができる。ベンチュリ
1,取付部91,連結脚92,通電部材収納連結脚93
および電動機保持部7をABS樹脂とPBT樹脂とグラ
スファイバーを混練した樹脂で一体的に成型するもので
は、取付部91の部分と連結脚92(通電部材収納連結
脚93)の部分の混合割合を変えることにより剛性を変
えることができる。
【0056】また、ベンチュリ1,取付部91,連結脚
92を同質の樹脂で成型する場合には、取付部91の内
部に鉄板などの補強材を入れて剛性を変えることによっ
ても実現することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の軸流ファンは、電動機の駆動動
作により発生する振動のうち、特に電磁音の周波数帯域
が実装状態で外部装置に伝播するのを効果的に抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸流ファンの一実施の形態を示す正面
図および部分拡大図である。
【図2】図1に示した軸流ファンにおけるC−C断面図
およびD−D断面図である。
【図3】図1に示した軸流ファンの縦断側面図である。
【図4】軸流ファンの固有モードを示す図である。
【図5】軸流ファンを取り付けた冷蔵庫の概略を示す縦
断側面図である。
【図6】軸流ファンの騒音スペクトルを比較したグラフ
である。
【図7】軸流ファンにおける電動機保持部とベンチュリ
の間の振動伝達率を示すグラフである。
【図8】図1に示した軸流ファンにおける連結部とその
変形例を示す側面図である。
【図9】図1に示した軸流ファンにおける連結脚の変形
例を示す該連結脚の断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態を示す軸流ファンの
正面図と背面図である。
【図11】軸流ファンの振動モデルを示す図である。
【図12】図11に示した振動モデルにおける振動伝達
率のグラフである。
【図13】図1に示した軸流ファンの変形例を示す縦断
側面図である。
【符号の説明】
1…ベンチュリ、2…プリント基板、3…回転子、4…
固定子、5…軸受、6…ボス、7…電動機保持部、8…
シャフト、10…羽根、11…永久磁石、12…電動機
通電部材、9…連結部、91…取付部、92…連結脚、
93…通電部材収納連結脚、A…連結脚の断面積、A1
…取付部の断面積、100…軸流ファン、200…冷蔵
庫。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 治 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 李 東偉 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 虻川 俊美 東京都千代田区神田美土代町7番地 日本 サーボ株式会社内 (72)発明者 三村 昌弘 東京都千代田区神田美土代町7番地 日本 サーボ株式会社内 (72)発明者 南 正剛 東京都千代田区神田美土代町7番地 日本 サーボ株式会社内 (72)発明者 米田 孝司 東京都千代田区神田美土代町7番地 日本 サーボ株式会社内 (72)発明者 川又 昭一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 塩幡 宏規 茨城県那珂郡大宮町下岩瀬854 Fターム(参考) 3H034 AA02 AA18 BB02 BB08 CC03 CC05 DD01 DD30 EE06 5H605 AA04 AA05 BB05 CC01 CC02 CC09 CC10 DD05 EA01 EA16 EA18 GG21 5H607 AA04 BB01 CC01 CC03 CC09 DD17 FF04 KK10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンチュリと、羽根と、この羽根を駆動す
    る電動機と、この電動機を取り付けた電動機保持部を前
    記ベンチュリに保持させる連結部を備えた軸流ファンに
    おいて、 前記連結部は、前記ベンチュリの風洞部の端面から一体
    的に軸方向に伸張する取付部と、この取付部から一体的
    に通風路を横断するように伸張して、電動機通電部材を
    収納するような形態で前記電動機保持部に連結する脚お
    よび前記電動機保持部と連結する連結脚とよりなる脚部
    とを備え、前記取付部の断面積が前記連結脚の断面積よ
    り大で、かつ軸方向で見た取付部の円周方向の幅が前記
    脚部の少なくとも前記連結脚の幅より大であることを特
    徴とする軸流ファン。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記連結脚の断面積に
    対し取付部の断面積が3.5倍以上であるように構成し
    たことを特徴とする軸流ファン。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記連結脚は、取付部
    に連通する外周側端部の断面積が電動機保持部に連通す
    る内周側端部の断面積より大で、その平均断面積に対し
    て取付部の断面積が3.5倍以上であるように構成した
    ことを特徴とする軸流ファン。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記連結脚は、電動機
    保持部に連通する内周側端部に対し、取付部に連通する
    外周側端部が軸方向の厚みを増すように構成することで
    断面積の増加を図ったことを特徴とする軸流ファン。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の1項において、前記連結脚
    に連通する取付部の軸方向で見た円周方向の幅が、当該
    連結脚の幅の2倍以上であるように構成したことを特徴
    とする軸流ファン。
  6. 【請求項6】請求項1〜4の1項において、前記連結脚
    に連通する取付部の軸方向で見た円周方向の幅が、連結
    脚に連通する先端部で小さく、風洞部端面に連通する根
    元部で大きく、その平均寸法が、当該連結脚の幅の2倍
    以上であるように構成されていることを特徴とする軸流
    ファン。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の1項において、前記連結脚
    は、その断面が、羽根の形状に依拠する送風方向に沿う
    ようにして長軸を有する楕円状に形成されていることを
    特徴とする軸流ファン。
  8. 【請求項8】請求項1〜6の1項において、前記連結脚
    は、その断面が、羽根の形状に依拠する送風方向に沿う
    ようにして長軸を有する菱形状に形成されていることを
    特徴とする軸流ファン。
  9. 【請求項9】ベンチュリと、羽根と、この羽根を駆動す
    る電動機と、この電動機を取り付ける電動機保持部を前
    記ベンチュリに保持させる連結部を備えた軸流ファンに
    おいて、 前記連結部は、前記ベンチュリの風洞部の端面から一体
    的に軸方向に伸張する取付部と、この取付部から一体的
    に通風路を横断するように伸張して、電動機通電部材を
    収納するように前記電動機保持部に連結する脚および前
    記電動機保持部と連結する連結脚とよりなる脚部とを備
    え、前記取付部の剛性が連結脚の剛性より大であると共
    に、前記連結脚と取付部の剛性の比と電動機の質量と取
    付部の剛性により決定される角周波数の√2倍の値が、
    ベンチュリ全体の1次変形固有角周波数と、前記ベンチ
    ュリの固有角周波数近傍に存在する電動機回転数により
    決まる電磁力の加振角周波数との小さいほうの値より小
    さくなるように、前記連結脚と取付部の剛性の比を該連
    結脚と取付部の材質または補強部材を変えて設定したこ
    とを特徴とする軸流ファン。
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