JP2003268510A - バルブシート用鉄基焼結合金 - Google Patents

バルブシート用鉄基焼結合金

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JP2003268510A JP2002066907A JP2002066907A JP2003268510A JP 2003268510 A JP2003268510 A JP 2003268510A JP 2002066907 A JP2002066907 A JP 2002066907A JP 2002066907 A JP2002066907 A JP 2002066907A JP 2003268510 A JP2003268510 A JP 2003268510A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関用バルブシートに対応できる高性
能で安価なバルブシート素材を提供する。 【解決手段】 重量%で、Ni0.5〜5%、Cr0.5
〜4%、C0.5〜2%、残部Fe及び不可避的不純物
よりなる基地組織を有し、銅溶浸などの2次的処理や高
合金化することなしに高性能で低価格化を図った鉄基焼
結合金。必要により次の硬質粒子が3〜20%分散され
る。Cr50〜57%、Mo18〜22%、Co8〜
12%、C0.1〜1.4%、Si0.8〜1.3%、残部
Feを含む硬質粒子、Cr27〜33%、W22〜2
8%、Co8〜12%、C1.7〜2.3%、Si1.0
〜2.0%、残部Feを含む硬質粒子、Mo60〜7
0%、0.01%以下のC、残部Feを含む硬質粒子、
ステライト合金

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用バルブ
シートに用いられる 高性能で安価な耐摩耗性鉄基焼結
合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンの高出力化及びLP
G、CNG等の公害防止用クリーン燃料の使用に伴い、
エンジンのバルブシートが受ける熱的負荷及び機械的負
荷は増大する傾向にある。熱的負荷及び機械的負荷の増
大に対応して、自動車エンジンのバルブシートは高合金
化及び鍛造、銅溶浸等による高強度化が行われる。例え
ば、熱的負荷の増大に対し、鉄基焼結金属の原料成分中
にクロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステン
(W)を添加すると、高温強度が増加する効果があり、
銅溶浸による熱伝導性の向上も高温強度増大に間接的に
効果がある。一方、高圧成形、冷鍛造、粉末鍛造、冷間
鍛造、高温焼結等による高強度化が機械的負荷の増大に
対して効果がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本出願人らは特開平0
9年053158号公報(以下「先願」と言う)におい
て鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−モリブデン(Mo)
−クロム(Cr)−炭素(C)系基地に硬質粒子を分散
して耐摩耗性を向上する鉄基焼結合金を提案した。しか
しながら、基地材に高価な合金元素を多く添加し高合金
化しているため、高価となっている問題がある。 ま
た、先願においてバルブシートの特性を評価しているバ
ルブクリアランスはバルブシートと相手材(バルブ)の
叩き滑り摩耗特性を総合したものである。本発明者らが
さらに研究したところ叩き滑り摩耗に関与するそれぞれ
の部材に着目すると高合金化の回避が可能であることを
見出した。
【0004】また、前述の鉄基焼結合金をより高温での
使用を可能にするため、内部空孔に銅などの低融点物質
を溶浸させることによって、熱伝導性を向上させ、燃焼
温度が高温となっても、材料そのものは加熱されにくく
させることにより、高温での耐摩耗性を向上させてい
る。しかしながら、銅溶浸では2次焼結を必要とするの
でコストアップに繋がるという問題がある。従って、本
発明は、銅溶浸などの2次的処理や高合金化することな
しに、低価格化を図るため、極限まで合金量を低減させ
た内燃機関用バルブシート鉄基焼結合金及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の第1による内
燃機関用バルブシート鉄基焼結合金は、重量%で、ニッ
ケル(Ni)0.5〜5%、クロム(Cr)0.5〜4
%、炭素(C)0.5〜2%、残部鉄(Fe)及び不可
避不純物よりなり、ニッケル(Ni)及びクロム(C
r)は鉄基基地中に固溶され、クロム(Cr)は微細な
炭化物として鉄基基地中に分散される。
【0006】この発明の第2では、重量%で、クロム
(Cr)50〜57%、モリブデン(Mo)18〜22
%、コバルト(Co)8〜12%、炭素(C)0.1〜
1.4%、ケイ素(Si)0.8〜1.3%、残部鉄(F
e)を含む硬質粒子、クロム(Cr)27〜33%、
タングステン(W)22〜28%、コバルト(Co)8
〜12%、炭素(C)1.7〜2.3%、ケイ素(Si)
1.0〜2.0%、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、モ
リブデン(Mo)60〜70%、0.01%以下の炭素
(C)、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、ステライト合
金からなる4種類の硬質粒子を単体又は2つ以上を混合
してなる上記記載の鉄基焼結合金を使用して製造され
る。
【0007】この発明の第3では、前述の鉄基焼結合金
中に、弗化物(LiF2, CaF2及びBaF2等)、硼化物(BN
等)及び硫化物(MnS等)などの固体潤滑材が1〜20
重量%均一に分散していることを特徴とする鉄基焼結合
金により製造される。
【0008】この発明による内燃機関用バルブシート鉄
基焼結合金の好ましい製造方法は、純鉄粉に、粒度15
0〜200メッシュにピークを持つクロム(Cr)を含
む鉄粉、325メッシュアンダーの粒度のカルボニルニ
ッケル(Ni)粉及び黒鉛粉を配合し、重量%でニッケ
ル(Ni)0.5〜5%、クロム(Cr)0.5〜4%、
炭素(C)0.5〜2%、残部鉄(Fe)及び不可避不
純物よりなる原料粉を作る工程と、クロム(Cr)5
0〜57%、モリブデン(Mo)18〜22%、コバル
ト(Co)8〜12%、炭素(C)0.1〜1.4%、ケ
イ素(Si)0.8〜1.3%、残部鉄(Fe)を含む硬
質粒子、クロム(Cr)27〜33%、タングステン
(W)22〜28%、コバルト(Co)8〜12%、炭
素(C)1.7〜2.3%、ケイ素(Si)1.0〜2.0
%、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、モリブデン(M
o)60〜70%、炭素(C)0.01%以下、残部鉄
(Fe)を含む硬質粒子、ステライト合金からなる4
種の硬質粒子を単体で又は少なくとも2つ以上を混合し
た硬質粒子を作り、原料粉に硬質粒子3〜20%および
/又は固体潤滑材1〜20%及びステアリン酸亜鉛を添
加して混合粉を作る工程と、得られた混合粉をプレスに
て成形し、加熱して脱蝋を行った後、焼結して冷却し、
その後更に焼鈍する工程とを含んでもよい。
【0009】以下、本発明に係る内燃機関用バルブシー
ト鉄基焼結合金の組成を説明する。
【0010】ニッケル(Ni)は鉄(Fe)マトリックスに
固溶して耐熱性を高め、ひいてはバルブ作動温度におけ
る耐摩耗性を高める。ニッケル(Ni)の添加量は0.
5〜5%が望ましい。ニッケル(Ni)の添加量が0.
5%に満たないと、耐摩耗性の改善効果が充分でない。
またニッケル(Ni)の添加量が5%を超えると機械的性
質は優れるが、相手材(バルブ)の摩耗量が多くなる。
この理由は、後述の実施例に示すとおりNiが6%から
6.5%に増加すると急激に特性が劣化することから相
手材に用いられる含Ni耐熱鋼中のNi成分とバルブシート
中のNi成分が同種材料摺動状況を作り出すためと考えら
れる。すなわち、バルブシートとバルブの摩耗がバラン
スすると結果的には両方の摩耗量が少なくなるが、バル
ブシートの耐熱性があるレベル以上に良好になっても、
同種材料の摺動状況では、耐熱性を重視して組成設計が
されている相手材の摩耗が進行され易くなる。また、ニ
ッケル(Ni)が5%を超えると、低コスト化が難しくな
るため好ましくない。従って、ニッケル(Ni)は、
0.5〜5%であることが必要である。特に、好ましく
は1.5〜3%である。
【0011】クロム(Cr)の添加量は0.5〜4%が
望ましく、0.5%に満たないと、耐熱・耐酸化性の改
善効果が不充分となる。また、4%を超えると、生成す
る炭化物量が増加して加工及び成形が困難となりかつ脆
くなり、好ましくない。さらに、相手材であるCr含有弁
用耐熱鋼との同種材料摺動傾向も現われ好ましくない。
他面、鉄基基地中にクロム(Cr)を均一に固溶又は分
散させるため、クロム(Cr)を含む鉄(Fe)系又は
鉄(Fe)−ニッケル(Ni)系の粉末を使用する必要
がある。しかしながら、クロム(Cr)及びニッケル
(Ni)を鉄粉中に高濃度に配合して本発明の組成範囲
とした合金は一般に市販されていないので、高価となり
低コスト化が図れなくなる。そこで、ニッケル(Ni)
を325メッシュアンダーの微細な純金属粉末として添
加するとよい。クロム(Cr)は、金属クロム(Cr)
のままクロム(Cr)を添加すると、炭素(C)と反応
して硬い炭化物を生成し、しかも鉄基基地との密着性
(ぬれ性)が悪いため、相手攻撃性が増す難点があるの
で、予め鉄粉中にクロム(Cr)が固溶したFe-Crを主
原料とすることが好ましい。
【0012】炭素(C)は0.5〜2%が望ましく、0.
5%より少ないと、フェライト(α固溶体)を生じて耐
摩耗性が低下する。また、2%より多いと、マルテンサ
イト及び炭化物が過剰に生じ加工が困難となりかつ脆く
なり好ましくない。いずれにしても、炭素(C)の含有
量は、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)の各量、硬質
粒子の種類及び量によりフェライト及び過剰なマルテン
サイトを生じない範囲として相対的に決定する。
【0013】硬質粒子を添加する場合において、使用す
る硬質粒子は、一般的にHv900以上のものを使用す
る。好ましい硬質粒子はクロム(Cr)50〜57
%、モリブデン(Mo)18〜22%、コバルト(C
o)8〜12%、炭素(C)0.1〜1.4%、珪素(S
i)0.8〜1.3%、残部鉄及び不可避不純物からなる
クロム・モリブデン・コバルト(Cr・Mo・Co)系
合金、クロム(Cr)27〜33%、タングステン
(W)22〜28%、コバルト(Co)8〜12%、炭
素(C)1.7〜2.3%、珪素(Si)1.0〜2.0
%、残部鉄及び不可避不純物からなるクロム・タングス
テン・コバルト(Cr・W・Co)系合金、モリブデ
ン(Mo)60〜70%、炭素(C)0.01%以下、
残部鉄及び不可避不純物からなるモリブデン・鉄(Mo
・Fe)系合金、ステライト合金の一種又は二種以上
を単独で又は複合したものである。
【0014】硬質粒子は、分散強化によりバルブシート
の耐摩耗性を高めると共に、焼結時に硬質粒子から拡散
する合金元素は硬質粒子の周囲に高合金相を生じ、耐摩
耗性を顕著に改善する作用がある。硬質粒子の添加量
は、3〜20%がよく、3%に満たないと、耐摩耗性の
改善効果が不十分となる。また、20%を越えると、硬
質相の添加量に見合う耐摩耗性の改善効果が得られず、
コスト高になると共に材質が硬く脆くなるため、強度及
び加工性の面で問題が生じる。また硬質粒子の添加量の
増加に伴って相手バルブを摩耗させる傾向が大きくな
り、総合的観点から好ましくない。
【0015】
【作用】この発明は先願に比較して、適度な耐摩耗性を
保持し、且つ、鉄基基地中の合金添加量を極限まで低減
させることによって、バルブシート及びバルブの総合的
叩き滑り摩耗特性を改善し、惹いては低コスト化を図っ
ていることを特徴としている。
【0016】
【実施例】以下、本発明によるバルブシート用鉄基焼結
合金及びその製造方法の実施の形態について説明する。
第1発明(請求項1)に記載の焼結合金は、粒度150
〜200メッシュにピークを持つ純鉄粉に、100から
200メッシュにピークを持つ鉄クロム合金、325メ
ッシュアンダーのカルボニルニッケル(Ni)粉及び黒
鉛粉を配合した。混合比は、表1に示す重量比について
検討した。金型成形の際に良好な離型性を得るために潤
滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.5%加えた混合粉を
作った。続いて、得られた混合粉を1平方センチメート
ル当たり6.5トンの圧力でプレスにて成形し、650
℃で1時間加熱して脱蝋を行った後、1180℃で2時
間焼結し、ガス冷却焼入れした。更に650℃で焼鈍し
て表1に示すテストピース1〜17を作製した。
【0017】第2、第3発明(請求項2および3)に記
載の焼結合金は、粒度150〜200メッシュにピーク
を持つ純鉄粉に、100から200メッシュにピークを
持つ鉄クロム合金、325メッシュアンダーのカルボニ
ルニッケル(Ni)粉及び黒鉛粉に、粒度分布が150
〜200メッシュにピークを持つモリブデン鉄(FeM
o)及び/又は固体潤滑剤として弗化カルシウム(CaF
2)粉を配合した。混合比は、重量比でカルボニルニッ
ケル2.5%、鉄クロム合金粉8.3%、黒鉛粉1.1
%、モリブデン鉄(FeMo)10%であった。次に、
重量比でFe−X%Cr−Y%Ni−Z%Cとなる様に
ニッケル(Ni)、クロム(Cr)の各量を変えて配合
したプレミックス粉末に、量及び種類を変えた硬質粒子
及び固体潤滑剤を添加し、金型成形の際に良好な離型性
を得るために潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.5%
加えた混合粉を作った。続いて、得られた混合粉を1平
方センチメートル当たり6.5トンの圧力でプレスにて
成形し、650℃で1時間加熱して脱蝋を行った後、1
180℃で2時間焼結し、ガス冷却焼入れした。更に6
50℃で焼鈍して表2に示すテストピース18〜29を
作成した。
【0018】続いて、各成分に適する温度で熱処理を行
い、ロックウェルBスケールでHRB=80〜110に
硬さを調整した後、加工によりバルブシートの試験片を
作成した。
【0019】従来使われている同形状の焼結バルブシー
ト材のテストピース0、30を比較材として作製し、所
定の寸法に加工したテストピースの摩耗摩擦試験を単体
で行い、バルブシート材としての適正を評価した。排気
バルブシートの使用条件を想定し、次の条件で測定を行
った。バルブ材料:SUH35タフトライド仕様、回転
数:3000rpm、試験時間:5時間、温度条件の水
準:バルブシート外周温度150℃〜350℃で実施し
た。
【0020】図1に示す叩き摩耗試験機に試験片を装着
し、試験前後でのバルブおよびバルブシートの各摩耗量
を測定して耐摩耗性の評価を行った。図1に示すよう
に、バルブガイド2により支持されたバルブ1の上端を
バルブシート挿入体3に当接させ、上方からバルブ1に
向かってガスバーナ4により火炎を放出する。バルブシ
ート挿入体3の外側は水通路7により冷却される。バル
ブ1は、バルブスプリング5により常時カムシャフト6
側に押圧され、カムシャフト6の回転により上下に振動
する。表1、2に本発明材および比較材の材料特性およ
び叩き摩耗試験機による耐摩耗性評価結果を示す。本発
明による鉄基焼結合金のバルブシートは、コスト比にお
いて従来材のバルブシート(比較材0,30)をそれぞれ
100として示したときに4割程度コストが低下してい
る。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】No.0(比較材)はモリブデン(Mo)を含
有し且つ炭素(C)が不純物程度である点で組成が本発
明外である。C量が少ないため液相発生量が少なくな
り、焼結体密度が低く、その結果圧環強度は低くなって
いる。モリブデン(Mo)を含む金属間化合物のために硬
さは高くなっており、またコバルト(Co)添加による耐
熱性の向上に伴ない摩耗特性は良好である。
【0024】No.1(比較材)はニッケル(Ni),クロム
(Cr),炭素(C)のすべてが本発明下限値より低く、こ
のため摩耗特性が不良になっている。
【0025】No.13(比較材)はニッケル(Ni),炭素
(C)量は本発明範囲内であるが、クロム(Cr)量が本
発明上限値より多いために、硬さ、焼結体密度及び圧環
強度(以下「機械的性質」と総称する)は優れている
が、相手材であるバルブの摩耗量が非常に多くなってい
る。
【0026】No.14(比較材)はニッケル(Ni),クロ
ム(Cr)量は本発明範囲内であるが炭素(C)量が本発
明上限値より多い。機械的性質は優れているが相手材摩
耗が極めて多くなっている。
【0027】No.15(比較材)はクロム(Cr),炭素
(C)量は本発明範囲内であるがニッケル(Ni)量が本
発明上限値より多くなっている。機械的性質は優れてい
るが相手材摩耗が比較的多くなっている。
【0028】No.16(比較材)は、No.15より0.5
%だけニッケル(Ni)量が多い。これによる機械的性質
の低下は僅かであるが、摩耗特性は大幅に劣化してい
る。
【0029】No.17(比較材)は、炭素(C)量は本発
明範囲内であるが、ニッケル(Ni),クロム(Cr)量は
本発明上限値より多くなっている。このため圧環強度は
実施例中最大であるが、摩耗特性は最悪になっている。
【0030】No.27はNo.15、No.28はNo.16のそ
れぞれの材料に硬質粒子及び固体潤滑剤を添加したもの
である。すなわち、クロム(Cr)炭化物量が多過ぎるた
めに相手材が摩耗され易くなり、摩耗により粗された相
手材表面によりバルブシートが摩耗されると考えられ
る。
【0031】No.0‘はNo.0に対して銅溶浸を施したもの
であり、コストが1.5倍に増大している。 No.30
‘はNo.30に対して銅溶浸を施したものであり、やはり
コストが1.5倍に増大している。
【0032】
【発明の効果】前記のように、本発明では、純鉄粉に、
鉄クロム合金、ニッケル及び炭素を必要量添加すること
により、適度な耐摩耗性を有し、且つ合金添加量を低減
させたことにより低価格化が可能となる内燃機関用バル
ブシート鉄基焼結合金を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 叩き摩耗試験機の図である。
【符号の説明】
1:バルブ 2:バルブガイド 3:バルブシート 4:バーナー 5:バルブスプリング 6:カムシャフト 7:水通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、ニッケル(Ni)0.5〜5
    %、クロム(Cr)0.5〜4%、炭素(C)0.5〜2
    %、残部鉄(Fe)及び不可避不純物よりなる内燃機関
    用バルブシート鉄基焼結合金。
  2. 【請求項2】 重量%で、クロム(Cr)50〜57
    %、モリブデン(Mo)18〜22%、コバルト(C
    o)8〜12%、炭素(C)0.1〜1.4%、ケイ素
    (Si)0.8〜1.3%、残部鉄(Fe)を含む硬質粒
    子、クロム(Cr)27〜33%、タングステン
    (W)22〜28%、コバルト(Co)8〜12%、炭
    素(C)1.7〜2.3%、ケイ素(Si)1.0〜2.0
    %、残部鉄(Fe)を含む硬質粒子、モリブデン(M
    o)60〜70%、0.01%以下の炭素(C)、残部
    鉄(Fe)を含む硬質粒子、ステライト合金からなる4
    種類の硬質粒子を単体又は2つ以上を3〜20%均一に
    分散した請求項1に記載の鉄基焼結合金。
  3. 【請求項3】 重量%で、弗化物(LiF2, CaF2
    及びBaF2等)、硼化物(BN等)及び硫化物(MnS
    等)などの固体潤滑材が1〜20%均一に分散している
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄基焼結合
    金。
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