JP2003268181A - 電子部品包装用成形体 - Google Patents

電子部品包装用成形体

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JP2003268181A
JP2003268181A JP2002068093A JP2002068093A JP2003268181A JP 2003268181 A JP2003268181 A JP 2003268181A JP 2002068093 A JP2002068093 A JP 2002068093A JP 2002068093 A JP2002068093 A JP 2002068093A JP 2003268181 A JP2003268181 A JP 2003268181A
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毅 山田
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邦彦 小西
Susumu Ooka
進 大岡
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和義 江部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性能、透明性、衝撃強度に優れる樹
脂組成物からなる電子部品包装用成形体を提供するもの
である。 【解決手段】 特定の構成単量体単位及び構成量を有す
るスチレン系樹脂とゴム変性スチレン系樹脂とからなる
樹脂成分にポリエーテルエステルアミド及び界面活性剤
を混合することにより、従来の電子部品包装用成形体と
比較して物性バランス、透明性に優れ、持続性のある帯
電防止性能を有する電子部品包装用成形体がこの課題に
かなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性能、透
明性、衝撃強度に優れた電子部品包装用成形体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品包装用成形体の材料として、従
来から透明性を必要とするものは塩化ビニル樹脂が使用
されている。電子部品包装用成形体は、帯電した電気に
よる電子部品の静電気障害を生じる問題があり、帯電防
止性能が要求されている。そこで、電子部品包装用成形
体の帯電防止方法としては、一般に、樹脂に帯電防止
剤、カーボンブラック、金属紛を練り込む方法が知られ
ている。
【0003】樹脂に帯電防止剤を練り込む方法は、帯電
防止効果の尺度として用いられる表面固有抵抗値が10
11Ω迄は低減させることはできるが、更に表面固有低値
の小さい用途へは使用できない方法である。また、帯電
防止効果に持続性がないという欠点がある。一方、カー
ボンブラックや金属紛を練り込む方法は、表面固有抵抗
値を1011Ω未満に低減させることはでき、帯電防止効
果の持続性もあるが、外観、成形加工性、衝撃強度を低
下させる問題を有している。また、帯電防止剤を電子部
品包装用成形体表面に塗布する方法が知られているが、
塗布設備が必要なことと、塗布工程が必要となることか
ら経済性において欠点を有している。更に帯電防止効果
の持続性がないという欠点も有している。また、塩化ビ
ニル樹脂は、廃棄物として焼却する際に発生する塩化水
素による焼却炉の腐食間題、大気中に放出された塩化水
素による大気汚染間題に加え、焼却炉で発生するダイオ
キシン類の原因物質のひとつとして考えられており、こ
のような問題から塩化ビニル樹脂に代わる材料が求めら
れてきている。これらの問題が生じない代替材料として
ポリカーボネート、透明ABS等が一部市場で実績はあ
るものの、帯電防止性の付与方法としては、塩化ビニル
樹脂と同手法であり、帯電防止効果として表面固有抵抗
値が1010Ω以下であり、かつ持続性を有し、透明で、
衝撃強度に優れた電子部品包装用成形体は見出されてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、帯電防止性
能、透明性、衝撃強度に優れる樹脂組成物からなる電子
部品包装用成形体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スチレン
系樹脂において、前記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、特定のゴム変性スチレン系樹脂組成物に特定の添加
剤を配合することにより、透明性を損なうことなく衝撃
強度に優れ、かつ帯電防止性能に優れた樹脂組成物から
なる電子部品包装用成形体を見出し、本発明に到達した
のものである。
【0006】すなわち、本発明は下記(A)成分82.
8〜94質量%、(B)成分4〜17質量%、及び
(C)成分0.2〜3質量部を含有してなることを特徴
とする樹脂組成物からなる電子部品包装用成形体であ
る。 (A)成分:(I)スチレン系単量体単位20〜80質
量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位80〜
20質量%及びこれらの単量体と共重合可能な他のビニ
ル系単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系樹脂
の連続相40〜95質量部と、(II)スチレン系単量
体単位20〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル
系単量体単位80〜20質量%及びこれらの単量体と共
重合可能な他のビニル系単量体単位0〜10質量%から
なる共重合体のグラフト枝20〜90質量部が、ゴム状
弾性体10〜80質量部にグラフトしたグラフト共重合
体の分散相60〜5質量部とからなり、さらに、分散相
の体積平均粒子径が0.1〜0.6μmであり、かつ、
連続相と分散相との屈折率の差が0.05以下であるゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物 (B)成分:(B1)炭素原子数6以上のアミノカルボ
ン酸もしくはラクタム、又は炭素原子数6以上のジアミ
ンとジカルボン酸の塩、(B2)次化式(1)〜(3)
から選ばれた1種もしくは2種以上のジオール化合物
(但し式中、R1はエチレンオキシド基、R2はエチレン
オキシド基又はプロピレンオキシド基を示す。Yは共有
結合で炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のア
ルキリデン基、炭素数7〜17のシクロアルキリデン
基、炭素数7〜17のアリールアルキリデン基、O、S
O、SO2、CO、S、CF2、C(CF 32又はNHを
示し、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン
基、スルホン基又はその金属塩を示す。XLのLは0又
は1〜4の整数を示し、m及びnは各々16以上の整数
を示す。)
【化4】
【化5】
【化6】 、及び(B3)炭素原子数4〜20のジカルボン酸を共
重合してなるポリエーテルエステルアミド (C)成分:アニオン系界面活性剤及び/又は非アミン
ノニオン系界面活性剤
【0007】特に、A成分として(A1)スチレン系単
量体単位20〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体単位80〜20質量%及びこれらの単量体と
共重合可能な他のビニル系単量体単位0〜10質量%か
らなるスチレン系樹脂40〜95質量部と、(A2)ス
チレン系単量体20〜80質量%、(メタ)アクリル酸
エステル系単量体80〜20質量%及びこれらの単量体
と共重合可能な他のビニル系単量体0〜10質量%から
なる単量体混合物20〜90質量部をゴム状弾性体10
〜80質量部の存在下で重合した重合体からなり、かつ
ゴム状弾性体を主成分とする軟質成分の体積平均の分散
粒子径が0.1〜0.6μmであるゴム変性スチレン系
樹脂5〜60質量部とからなり、さらに、スチレン系樹
脂(A1)とゴム変性スチレン系樹脂(A2)との屈折率
の差が0.05以下であるゴム変性スチレン系樹脂組成
物を用いることが好ましい。
【0008】また、(A)成分の(A1)がスチレン系
単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び必要
に応じてこれらの単量体と共重合可能な他のビニル系単
量体からなる単量体混合物を共重合して得られるスチレ
ン系樹脂であることが好ましく、また、(A2)が、ゴ
ム状ラテックスの存在下でスチレン系単量体、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体及びこれらの単量体と共重
合可能な他のビニル系単量体からなる単量体混合物を乳
化グラフト重合して得られゴム変性スチレン系樹脂を用
いることが好ましいことを本発明者らは見出したもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の(A)成分の連続相を構成するスチレン系樹脂
は、スチレン系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体単位及びこれらの単量体と共重合可能な他の
ビニル系単量体単位からなる共重合体である。また、分
散相を構成するグラフト共重合体とは、スチレン系単量
体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位及び
これらの単量体と共重合可能な他のビニル系単量体単位
からなる共重合体がゴム状弾性体にグラフトしてなる共
重合体である。
【0010】本発明の(A)成分として使用されるスチ
レン系単量体とは、スチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ク
ロロスチレン、ブロモスチレン等をあげることができる
が、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、特に好
ましくはスチレンである。これらスチレン系単量体は、
単独でもよいが二種類以上を併用してもよい。
【0011】本発明で使用される(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体とは、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸
エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート等のアクリル酸エステルがあげられるが、好ま
しくはメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート
である。これらの(メタ)アクリル酸エステル系単量体
は単独で用いてもよいが二種類以上を併用してもよい。
【0012】必要に応じてこれらの単量体と共重合可能
な他のビニル系単量体として使用される他のビニル系単
量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリル、フマロニトリル、マレ
イミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド等があげられる。好ましくはメタクリル酸、
アクリロニトリル、N−フェニルマレイミドである。
【0013】本発明で使用されるゴム状弾性体として
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチ
レン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプ
レンランダム共重合体等が挙げられる。
【0014】本発明の(A)成分は、スチレン系単量体
単位20〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル系
単量体単位80〜20質量%及びこれらの単量体と共重
合可能な他のビニル系単量体単位0〜10質量%からな
るスチレン系樹脂の連続相40〜95質量部と、スチレ
ン系単量体単位20〜80質量%、(メタ)アクリル酸
エステル系単量体単位80〜20質量%及びこれらの単
量体と共重合可能な他のビニル系単量体単位0〜10質
量%からなる共重合体のグラフト枝20〜90質量部が
ゴム状弾性体10〜80質量部にグラフトしたグラフト
共重合体(但し、合計量は100重量部とする)の分散
相5〜60量部とからなるゴム変性スチレン系樹脂組成
物である。尚、連続相と分散相との合計量は100質量
部とする。各単量体単位の比率がこの範囲を外れると得
られる樹脂組成物の透明性が低下して好ましくない。ま
た、グラフト共重合体中のゴム状弾性体が10質量部未
満では良好な衝撃強度を得ることができず、80質量部
を超えると透明性が低下して好ましくない。同様に、ゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物中の分散相が5質量部未満
ではやはり良好な衝撃強度を得ることができず、60重
量部を超えると透明性が低下して好ましくない。
【0015】また、分散相の体積平均粒子径が0.1〜
0.6μmであることが樹脂組成物の良好な透明性、衝
撃強度を得るために好ましい。体積平均粒子径が0.1
μm未満では、衝撃強度が低下し、0.6μmを超える
と透明性が低下して好ましくない。
【0016】さらに、本発明の樹脂組成物のA成分は、
スチレン系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系
単量体単位及びこれらの単量体と共重合可能な他のビニ
ル系単量体単位からなるスチレン系樹脂(A1)と、ス
チレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体
及びこれらの単量体と共重合可能な他のビニル系単量体
からなる単量体混合物をゴム状弾性体存在下で重合した
ゴム変性スチレン系樹脂(A2)とからなるゴム変性ス
チレン系樹脂組成物を用いることが好ましい。
【0017】(A1)を構成する単量体単位の比率は、
スチレン系単量体単位20〜80質量%、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体単位80〜20質量%及びこれ
らの単量体と共重合可能な他のビニル系単量体単位0〜
10質量%である。各単量体単位の比率がこの範囲を外
れると得られる樹脂組成物の透明性が低下し好ましくな
い。
【0018】(A2)は、ゴム状弾性体の存在下、スチ
レン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及
びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単
量体混合物を共重合して得られるゴム変性スチレン系樹
脂である。尚、この場合の(A2)は、ゴム状弾性体に
完全に各単量体がグラフトしたグラフト共重合体でもよ
く、また、グラフト共重合体と未グラフト共重合体の混
合物であってもよい。
【0019】(A2)を構成する単量体単位の比率は、
スチレン系単量体単位20〜80質量%、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体単位20〜80質量%及びこれ
らの単量体と共重合可能な他のビニル系単量体単位0〜
10質量%である。各単量体単位の比率がこの範囲を外
れると、得られる樹脂組成物の透明性が低下し好ましく
ない。
【0020】(A2)で使用されるゴム状弾性体の量
は、ゴム変性スチレン系樹脂(A2)100質量部中1
0〜80質量部である。ゴム状弾性体が10質量部未満
では良好な衝撃強度を得ることができず、80質量部を
越えると透明性が低下して好ましくない。
【0021】また、ゴム状弾性体を主成分とする軟質成
分の分散粒子の体積平均粒子径は0.1〜0.6μmで
あることが樹脂組成物の良好な透明性、衝撃強度を得る
ために好ましい。体積平均粒子径が0.1μm未満で
は、衝撃強度が低下し、0.6μmを超えると透明性が
低下して好ましくない。
【0022】尚、分散相の体積平均粒子径は、N,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)にゴム変性スチレン系
樹脂組成物(A)を分散させて光散乱式粒度分布測定装
置で測定した体積基準のメジアン径である。また、ゴム
変性スチレン系樹脂(A2)のゴム状弾性体を主成分と
する軟質成分の分散粒子径も同様にして測定することが
できる。尚、乳化グラフト重合法で(A2)成分を製造
した場合には、粒度分布、ゴム状弾性体へのスチレン系
樹脂のグラフト率、ゴム状弾性体のゲル化度や膨潤度等
の特性の制御性に優れ、また(A1)成分との押出時に
おいても粒度分布の変化が殆どないので、乳化グラフト
重合法で得られたゴム変性スチレン系樹脂(A2)をゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物(A)を構成する成分とし
て用いた場合には、(A)の分散粒子径を、(A2)の
ゴム状弾性体を主成分とする軟質成分の分散粒子径で代
用することもできる。
【0023】また、本発明で使用される(A)成分の
(A1)/(A2)の配合割合は、(A1)/(A2)
=40/60〜95/5質量比である。(A1)/(A
2)質量比が95/5を超えると得られる樹脂組成物の
衝撃強度が低下し、(A1)/(A2)質量比が40/
60未満になると得られる樹脂組成物の成形性が低下し
好ましくない。また、得られる樹脂組成物の良好な透明
性を保持する為、(A1)成分の屈折率と(A2)の屈
折率との差は、0.05以下、特に0.03以下が好ま
しい。
【0024】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
製造方法には特に制限がないが、スチレン系樹脂(A
1)の製造には、塊状重合法、懸濁重合法、塊状−懸濁
重合法、溶液重合法を、ゴム変性スチレン系樹脂(A
2)の製造には、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合
法、塊状−懸濁重合法、溶液重合法等を用いることがで
きるが、乳化重合法が好適に採用できる。また、回分式
重合法、連続式重合法のいずれの方法も用いることがで
きる。尚、スチレン系樹脂(A1)とゴム変性スチレン
系樹脂(A2)を用いるときは、別々に製造したものを
事前に混合して(A)成分としてもよいし、(A)/
(B)/(C)成分の樹脂組成物の製造時に溶融混合し
てもよい。また、本発明の(A)成分のゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物は塊状重合法、懸濁重合法、塊状−懸濁
重合法、溶液重合法、乳化重合法等の公知技術により製
造してもよい。
【0025】これらの重合法は、重合開始剤としてアゾ
ビスブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニ
トリル等のアゾ化合物や、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3
−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の有機過
酸化物を用いることができる。また、分子量調整剤とし
てt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタ
ン、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン−1を、
可塑剤としてジイソブチルアジペートやブチルベンジル
フタレート等を必要に応じて添加してもよい。
【0026】次に、本発明において用いられるポリエー
テルエステルアミド(B)について説明する。(B1)
は、炭素原子数6以上のアミノカルボン酸もしくはラク
タム、又は炭素原子数6以上のジアミンとジカルボン酸
の塩から選ばれる。炭素原子数6以上のアミノカルボン
酸としては、ω−アミノカプロル酸、ω−アミノカプリ
ル酸、ω−アミノエナント酸、1,2アミノドデカン酸
が好ましく、ラクタンとしてはカプロラクタム、エナン
トラクタム、カプリルラクタムが好ましい。炭素原子数
6以上のジアミンとジカルボン酸の塩としては、ヘキサ
メチレンジアミン−アジピン酸塩、ヘキサメチレンジア
ミン−セバシン酸塩及びヘキサメチレンジアミン−イソ
フタル酸塩等が好ましい。特にカプロラクタム、1,2
アミノドデカン酸及びヘキサメチレンジアミン−アジピ
ン酸塩が好ましい。
【0027】(B2)のジオール化合物としては、次化
式(1)〜(3)で示される。
【化7】
【化8】
【化9】
【0028】(但し式中、R1はエチレンオキシド基、
2はエチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基を
示す。Yは共有結合で炭素数1〜6のアルキレン基、炭
素数1〜6のアルキリデン基、炭素数7〜17のシクロ
アルキリデン基、炭素数7〜17のアリールアルキリデ
ン基、O、SO、SO2、CO、S、CF2、C(C
32又はNHを示し、Xは水素、炭素数1〜6のアル
キル基、ハロゲン基、スルホン基又はその金属塩を示
す。XLのLは0又は1〜4の整数を示し、m及びnは
各々16以上の整数を示す。)
【0029】具体的な例としては、ビスフェノールAの
エチレンオキシド及び/又はプロピオンオキシド付加
物、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)プロパンのエチレンオキシド及び/又はプロピレン
オキシド付加物、ジメチルビスフェノールAのエチレン
オキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、テトラ
メチルビスフェノールAのエチレンオキシド及び/又は
プロピレンオキシド付加物、2,2−ビス(4,4’−
ヒドロキシフェニル−3,3’−スルホン酸ナトリウ
ム)プロパンのエチレンオキシド及び/又はプロピレン
オキシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド
及び/又はプロピレンオキシド付加物、4,4’−(ヒ
ドロキシ)ビフェニルのエチレンオキシド及び/又はプ
ロピレンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドのエチレンオキシド及び/又はプロピレ
ンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タンのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド
付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アミンのエチ
レンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのエチレンオキ
シド及び/又はプロピレンオキシド付加物、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクリヘキサンのエチレ
ンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、1,
4−ジヒドロキシシクロヘキサンのエチレンオキシド及
び/又はプロピレンオキシド付加物、ハイドロキノンの
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加
物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオキシド及び/
又はプロピレンオキシド付加物及びそれらのブロック共
重合体等が挙げられる。
【0030】好ましいジオール化合物としてはハイドロ
キノンのエチレンキシド付加物、ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオ
キシド付加物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオキ
シド付加物及びそのブロック重合体であり、特にビスフ
ェノールAのエチレンオキシド付加物及びそのブロック
重合体が好ましい。
【0031】(B3)のジカルボン酸成分としては、例
えば炭素数4〜20のジカルボン酸が好ましく、テレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環
族ジカルボン酸及びコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、
セバシン酸、アジピン酸及び1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸が好ましい。
【0032】(B1)、(B2)、(B3)の使用割合
は、(B1)が25〜85質量部、(B2)が15〜7
0質量部、(B3)が5〜60質量部が好ましい。
【0033】ポリエーテルエステルアミド(B)の重合
方法は、例えば(B1)アミノカルボン酸又はラクタム
と(B3)ジカルボン酸を反応させて、両末端がカルボ
ン酸基のポリアミドプレポリマーをつくり、これに(B
2)ジオール化合物を真空下に反応させる方法や前記
(B1)、(B2)及び(B3)の各化合物を反応槽に
仕込み、高温で反応させ、ジカルボン酸末端のポリアミ
ドプレポリマーを生成させ、その後常圧又は減圧下で重
合を進める方法等を用いることができる。
【0034】次に、本発明において用いられる界面活性
剤(C)について説明する。(C)は、アニオン系界面
活性剤及び/又は非アミンノニオン系界面活性剤であ
る。一級アミン、二級アミン、三級アミンの各構造を有
するアミン系ノニオン系界面活性剤が樹脂組成物に含有
されると、樹脂組成物が黄色の色相を呈し、外観不良と
なり商品価値を低下させ好ましくない。
【0035】本発明に使用されるアニオン系界面活性剤
はアルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネー
ト、アルキルサルフェート等があげられるがアルキルス
ルホネートが好適に使用される。更に好ましくは、炭素
数10〜14のアルキルスルホネートがあげられる。
【0036】本発明に使用される非アミンノニオン系界
面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル等のポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、モノ脂肪酸グリセリンエステル、ジ
脂肪酸グリセリンエステル、モノ脂肪酸ジグリセリンエ
ステル、ジ脂肪酸ジグリセリンエステル等のグリセリン
脂肪酸エステルが挙げられる。その中でもグリセリン脂
肪酸エステルが好適に用いられる。
【0037】本発明に使用される界面活性剤は、単独で
使用しても複数使用してもよいが、アニオン系界面活性
剤/非アミン系ノニオン系界面活性剤=0.5/99.
5〜15/85(質量比)の割合で用いることが優れた
帯電防止性能を得るために好ましい。
【0038】次に、本発明の樹脂組成物について説明す
る。本発明の、樹脂組成物は、(A)成分82.8〜9
4質量%、(B)成分4〜17質量%、(C)成分0.
2〜3質量%であり、(B)成分が4質量%未満では優
れた帯電防止性能が得られず、17質量%を超えると樹
脂組成物が黄色の色相を呈し、外観不良となり商品価値
を低下させ好ましくない。また、(C)成分が0.2質
量%未満では、優れた帯電防止性能が得られず、3質量
%を超えると透明性が低下し好ましくない。(A)成分
と(B)成分と(C)成分の混合方法については特に制
限はないが、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラー
ミキサー等の公知の混合装置にて予備混合した後、単軸
押出機又は二軸押出機等の押出し機を用いて溶融混練を
行うことにより、均一に混合することができる。
【0039】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて添
加剤を配合することができる。例えば、流動性や離型性
を向上させるために、可塑剤、滑剤、シリコーンオイル
等を配合することができる。また、耐候性を付与するた
めに、光安定剤や紫外線吸収剤を配合することができ
る。その他、酸化防止剤や、着色剤等を配合することが
できる。
【0040】本発明の樹脂組成物からなる電子部品包装
用成形体は、樹脂組成物を一般的に用いられている異型
押出成形することにより得られる。樹脂温度は160〜
200℃、好ましくは170〜190℃が適している。
【0041】
【実施例】次に実施例をもって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
尚、本発明記載の部及び比は特に記載がなければ、いず
れも質量基準で示したものである。
【0042】まず、実施例及び比較例において使用した
ゴム変性スチレン系樹脂組成物(A)、及び(B)ポリ
エーテルエステルアミド(B)を示す。 ゴム変性スチレン系樹脂組成物(A)の製造 (1) スチレン系樹脂(A1) スチレン系樹脂(A1)−1 容量200リットルのオートクレーブにスチレン25.
0Kg、メチルメタクリレート75Kgの単量体混合
物、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド80
g、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン150
gを添加し撹拌しながら温度95℃で6時間、さらに温
度130℃で2時間加熱した後、冷却して懸濁重合を停
止した。反応終了後、洗浄、脱水後乾燥しビーズ状のス
チレン系樹脂(A1)−1を得た。スチレン系樹脂(A
1)−1の組成を表1に示した。
【0043】スチレン系樹脂(A1)−2 スチレン23Kg、メチルメタクリレート73Kg及び
アクリロニトリル4Kgとした以外は、前記スチレン系
樹脂(A1)−1と同様に操作してビーズ状のスチレン
系樹脂(A1)−2を得た。スチレン系樹脂(A1)−
2の組成を表1に示した。
【0044】(2)ゴム変性スチレン系樹脂(A2) ゴム変性スチレン系樹脂(A2)−1 容量200リットルのオートクレーブに、ブタジエン6
5kg、純水150kg、オレイン酸カリウム0.5k
g、t−ブチルハイドロパ−オキサイド130g、ロン
ガリット30g、硫酸第一鉄2g、エチレンジアミンテ
トラ酢酸ナトリウム塩3g、ピロリン酸ナトリウム10
0g、t−ドデシルメルカプタン1kgを仕込み、温度
45℃にて17時間重合した。得られたブタジエンゴム
ラテックスの体積平均粒子径は、0.08μmであっ
た。このラテックスに、ナトリウムスルホサクシネート
5gを加えて安定化させた。さらにこのラテックスに、
攪拌下にて、塩化水素水溶液を加えることにより、ラテ
ックス粒子を凝集肥大化させ、体積平均粒子径0.2μ
mのゴムラテックスを得た。このラテックスにスチレン
8.4kg、メチルメタクリレート26.6kg、ジビ
ニルベンゼン40g、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド80gを加え、温度60℃で6時間重合した。このラ
テックスにt−ブチルフェノール500g、ジラウリル
チオプロピオネート500gを添加した後、塩酸により
共重合体を析出し、中和洗浄、脱水乾燥して、粉末状の
共重合体(A2)−1を得た。ゴム変性スチレン系樹脂
(A2)−1の組成を表1に示した。
【0045】ゴム変性スチレン系樹脂(A2)−2、
3、4、5 ゴム変性スチレン系樹脂(A2)−1の製造と同様の方
法にて、ゴムラテックスの凝集条件のみを変化させるこ
とにより、体積平均粒子径0.12μmの分散粒子を有
するゴム変性スチレン系樹脂(A2)−2、0.4μm
の分散粒子を有するゴム変性スチレン系樹脂(A2)−
3、0.08μmの分散粒子を有するゴム変性スチレン
系樹脂(A2)−4、0.8μmの分散粒子を有するゴ
ム変性スチレン系樹脂(A2)−5を得た。ゴム変性ス
チレン系樹脂(A2)−2、3、4、5の組成を表1に
示した。
【0046】(3)ゴム変性スチレン系樹脂組成物
(A) 上記の方法で得られたスチレン系樹脂(A1)とゴム変
性スチレン系樹脂(A2)を表2に示す配合割合にてヘ
ンシェルミキサーで混合した後、二軸押出機(東芝機械
社製TEM35B、シリンダー温度220℃)を用いて
溶融混練してペレットを作成しA−1〜8を得た。
【0047】(4)ポリエーテルエステルアミド(B) カプロラクタム50質量部、ビスフェノールAのエチレ
ンオキシド32モル付加物35質量部及びアジピン酸1
5質量部からポリエーテルエステルアミドBを得た。
尚、このポリエーテルポリアミドの屈折率は1.520
であった。
【0048】(5)界面活性剤(C)−1、2 ドデシルスルホネートをアニオン系界面活性剤(C)−
1とした。ジグリセリンモノステアレートをアニオン系
界面活性剤(C)−2とした。
【0049】実施例1〜6、比較例1〜6 上記の方法で得られたA−1〜8とポリエーテルエステ
ルアミドBと界面活性剤C−1,2を表3に示す配合割
合にてヘンシェルミキサーで混合した後、二軸押出機
(東芝機械社製TEM35B、シリンダー温度220
℃)を用いて溶融混練してペレットを作成し樹脂組成物
を得た。次いでこのペレットを2オンスインラインスク
リュー射出成形機(新潟鉄工所社製SN−51B、シリ
ンダー温度220℃)で射出成形し、得られた成形試片
を用いて物性、透明性、及び色相測定を行った。更にこ
のペレットを単軸押出機(アイケージー社製 PMS4
0−28)にてシリンダー温度180℃で異型押出成形
し、厚さ0.4mm、横30mm、縦20mmの切断面
が長方形状の押出成形品であるマガジン成形体を得た。
このマガジン成形体を長さ60mmに切断し試験試料に
用いて衝撃強度及び透明性測定を行った。測定値を表3
及び表4に示した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】本発明において用いたスチレン系樹脂(A
1)、ゴム変性スチレン系樹脂(A2)及びゴム変性ス
チレン系樹脂組成物(A)を構成する各種測定値及び実
施した各物性値の測定方法及び評価基準を以下に説明す
る。 (1)ゴム変性スチレン系樹脂(A2)中のゴム状弾性
体の量:ゴム変性ポリスチレンで一般的に用いられてい
る赤外吸収スペクトル法で測定した。即ち、予めゴム状
弾性体のスチレンとブタジエンの質量比率を赤外吸収ス
ペクトル法で測定しておき、次いでゴム変性スチレン系
樹脂(A2)のブタジエンの質量比率を赤外吸収スペク
トル法で測定し、両測定値よりゴム変性スチレン系樹脂
(A2)中のゴム状弾性体量を求めた。尚、赤外吸収ス
ペクトル測定装置には、日本バイオラッドラボラトリー
ズ社製 FTS−575C型を用いた。
【0055】(2)ゴム変性スチレン系樹脂(A2)中
の連続相の構成単位:ゴム変性スチレン系樹脂(A2)
をトルエンに溶解後、遠心分離機を行い、上澄み液を分
取しメターノルを加え、スチレン系重合体を沈澱させ
る。この沈澱物を乾燥し、これを重クロロホルムに溶解
して2%溶液に調製して測定試料として、FT−NMR
(日本電子社製FX−90Q型)を用いて13C測定
し、スチレン及びメチルメタアクリレートのピーク面積
から算出した。尚、スチレン系樹脂(A1)の単量体も
FT−NMR(日本電子社製FX−90Q型)を用いて
13C測定し、スチレン、メチルメタアクリレート及び
アクリロニトリルのピーク面積から算出した。
【0056】(3)グラフト率の測定方法:上記の遠心
分離操作で得られた沈殿物を真空乾燥機で乾燥し、不溶
分Xとした。さらに、この不溶分の試料を用いて熱分解
ガスクロマトグラフィーにより定量したスチレンの質量
Yとメチルメタアクリレートの質量Zを求め、グラフト
率(%)=100×(Y+Z)/{X−(Y+Z)}の
式から計算した。
【0057】(4)ゴム状弾性体を主成分とする分散粒
子の体積平均粒子径:ゴム変性スチレン系樹脂(A2)
約1gをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10
0g中に24時間撹拌し、DMFを加えて適当な濃度に
希釈し、光散乱式粒度分布測定装置(COULTER社
LS230型)で測定し、体積基準のメジアン径で示
す。
【0058】(5)屈折率の測定:スチレン系樹脂(A
1)をプレス成形機にて0.5mm厚みの試験片を作成
し、デジタル屈折計RX−2000(ATAGO社製)
を用いて、温度25℃で測定した。尚、接触液としてヨ
ウ化カリウム飽和水溶液を使用した。また、ポリエーテ
ルエステルアミドBも同様に測定した。また、ゴム変性
スチレン系樹脂組成物(A)及びゴム変性スチレン系樹
脂(A2)の屈折率を実測することは難しいため、組成
分析により(A2)を構成する単量体単位の組成比を測
定し、次式1を用いて計算により屈折率を求めるものと
する。 n=XA×nA+XB×nB+XC×nC+・・式1 すなわち、ゴム変性スチレン系樹脂(A2)を構成する
単量体単位の組成が、Am単量体:XA、Bm単量体:
B及びCm単量体:XCからなる場合(但し、質量比で
A+XB+XC=1)、nAはAm単量体からなるポリマ
ーの屈折率、nBはBm単量体からなるポリマーの屈折
率、nCはCm単量体からなるポリマーの屈折率を示す
ものとし、スチレン単量体、メチルメタクリレート単量
体、アクリロニトリル単量体、ブタジエン単量体の屈折
率をそれぞれ、1.595、1.494、1.516、
1.518とした。
【0059】(6)アイゾット(IZOD)衝撃強度:
ASTM D256に準拠して、12.7×64×6.
4mm厚の試験片に深さ2.54mmのノッチを入れ、
打撃速度3.46m/秒で測定した。
【0060】(7)曇度:ASTM D1003に準拠
して射出成形体30×90×2mm厚の試験片を用いて
測定した。
【0061】(8)全光線透過率:ASTM D100
3に準拠して射出成形体30×90×2mm厚の試験片
を用いて測定した。
【0062】(9)帯電防止効果:帯電防止効果は、射
出成形した厚さ2mmの角板を用い、次の2条件で測定
した表面固有抵抗値で評価した。 (a)成形直後:成形直後の角板を純水中で1分間洗浄
し、充分乾燥させた後、JIS K−6911に準拠し
て温度23℃、湿度50%RHで24時間調湿して表面
固有抵抗値を測定した。 (b)300日放置直後:成形した角板を温度23℃、
湿度50%RH中に300日間放置した後、純水中で1
分間洗浄し、充分乾燥させた後、JIS K−6911
に準拠して温度23℃、湿度50%RHで24時間調湿
して表面固有抵抗値を測定した。 尚、本発明でいう表面固有抵抗(Ω)は、帯電防止効果
が非常に優れるレベルであり、1010以下を目標とし
た。よって、本発明の樹脂組成物及びその成形体は、よ
り厳しい帯電防止性能を要求される材料に好適に用いら
れる。
【0063】(10)マガジン成形体の衝撃強度:マガ
ジン成形体を長さ60mmに切断しこれを試験片とし
て、30mm×60mm面に錘先端5R、錘径14mm
φ、重量50gfの錘を落下させ、50%破壊高さで破
壊エネルギーとして表した。
【0064】(11)マガジン成形体の曇度:ASTM
D1003に準拠してマガジン成形体の30mm×6
0mmの平面部を切り出しこれを試験片として測定し
た。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、特定の構成単量体単位
及び構成量を有するスチレン系樹脂とゴム変性スチレン
系樹脂とからなる樹脂成分にポリエーテルエステルアミ
ド及び界面活性剤を混合することにより、物性バラン
ス、透明性に優れ、持続性のある帯電防止性能を有する
電子包装用成形体を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/04 C08L 71/08 71/08 B65D 85/38 S (72)発明者 江部 和義 千葉県市原市五井南海岸6番地 電気化学 工業株式会社千葉工場内 Fターム(参考) 3E096 BA08 CA06 CC02 DC01 EA02X EA02Y EA04X EA04Y EA11X EA11Y FA07 4F071 AA22 AA33X AA51 AA77 AC12 AF23 AF30 AF38 AH05 AH12 BC07 4J002 BC071 BN142 CH023 EH047 EN116 EU036 FD317 GG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分82.8〜94質量%、
    (B)成分4〜17質量%、及び(C)成分0.2〜3
    質量%を含有してなることを特徴とする樹脂組成物から
    なる電子部品包装用成形体。 (A)成分:(I)スチレン系単量体単位20〜80質
    量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位80〜
    20質量%及びこれらの単量体と共重合可能な他のビニ
    ル系単量体単位0〜10質量%からなるスチレン系樹脂
    の連続相40〜95質量部と、(II)スチレン系単量
    体単位20〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル
    系単量体単位80〜20質量%及びこれらの単量体と共
    重合可能な他のビニル系単量体単位0〜10質量%から
    なる共重合体のグラフト枝20〜90質量部が、ゴム状
    弾性体10〜80質量部にグラフトしたグラフト共重合
    体の分散相60〜5質量部とからなり、さらに、分散相
    の体積平均粒子径が0.1〜0.6μmであり、かつ、
    連続相と分散相との屈折率の差が0.05以下であるゴ
    ム変性スチレン系樹脂組成物 (B)成分:(B1)炭素原子数6以上のアミノカルボ
    ン酸もしくはラクタム、又は炭素原子数6以上のジアミ
    ンとジカルボン酸の塩、(B2)次化式(1)〜(3)
    から選ばれた1種もしくは2種以上のジオール化合物
    (但し式中、R1はエチレンオキシド基、R2はエチレン
    オキシド基又はプロピレンオキシド基を示す。Yは共有
    結合で炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のア
    ルキリデン基、炭素数7〜17のシクロアルキリデン
    基、炭素数7〜17のアリールアルキリデン基、O、S
    O、SO2、CO、S、CF2、C(CF 32又はNHを
    示し、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン
    基、スルホン基又はその金属塩を示す。XLのLは0又
    は1〜4の整数を示し、m及びnは各々16以上の整数
    を示す。) 【化1】 【化2】 【化3】 、及び(B3)炭素原子数4〜20のジカルボン酸を共
    重合してなるポリエーテルエステルアミド (C)アニオン系界面活性剤及び/又は非アミンノニオ
    ン系界面活性剤
  2. 【請求項2】 (A)成分が、(A1)スチレン系単量
    体単位20〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル
    系単量体単位80〜20質量%及びこれらの単量体と共
    重合可能な他のビニル系単量体単位0〜10質量%から
    なるスチレン系樹脂40〜95質量部と、(A2)スチ
    レン系単量体20〜80質量%、(メタ)アクリル酸エ
    ステル系単量体80〜20質量%及びこれらの単量体と
    共重合可能な他のビニル系単量体0〜10質量%からな
    る単量体混合物20〜90質量部をゴム状弾性体10〜
    80質量部の存在下で重合した重合体からなり、かつゴ
    ム状弾性体を主成分とする軟質成分の体積平均の分散粒
    子径が0.1〜0.6μmであるゴム変性スチレン系樹
    脂5〜60質量部とからなり、さらに、スチレン系樹脂
    (A1)とゴム変性スチレン系樹脂(A2)との屈折率の
    差が0.05以下であるゴム変性スチレン系樹脂組成物
    を用いることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物か
    らなる電子部品包装用成形体。
  3. 【請求項3】 (A)成分の(A2)が、ゴム状ラテッ
    クスの存在下でスチレン系単量体単位、(メタ)アクリ
    ル酸エステル系単量体単位及びこれらの単量体と共重合
    可能な他のビニル系単量体単位からなる単量体混合物を
    乳化グラフト重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂
    であることを特徴とする請求項2記載の樹脂組成物から
    なる電子部品包装用成形体。
  4. 【請求項4】 (A)成分のゴム変性スチレン系樹脂組
    成物の屈折率と(B)成分の屈折率との差が0.05以
    内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    記載の樹脂組成物からなる電子分包装用成形体。
  5. 【請求項5】 (C)成分が、アニオン系界面活性剤/
    非アミン系ノニオン系界面活性剤=0.5/99.5〜
    15/85(質量比)の割合であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物からなる電
    子部品包装用成形体。
  6. 【請求項6】 (C)成分の、アニオン系界面活性剤が
    炭素数10〜14のアルキルスルホネートであり、非ア
    ミン系ノニオン系界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステ
    ルであることを特徴とする請求項5記載の樹脂組成物か
    らならる電子部品包装用成形体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載の樹脂
    組成物を異型押出成形して得られた表面固有抵抗値が1
    9〜1010Ωである電子部品包装用成形体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項記載の樹脂
    組成物からなる電子部品包装用成形体がマガジンである
    ことを特徴とする電子部品包装用成形体。
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