JP2003268085A - 屋外塗料用ポリエステル樹脂及びその水分散体 - Google Patents
屋外塗料用ポリエステル樹脂及びその水分散体Info
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Abstract
に優れ、大幅に有機溶剤を減少でき、なおかつ耐衝撃
性、耐傷つき性などが良好な塗膜を得ることができる屋
外塗料用ポリエステル樹脂とその水分散体を提供する。 【解決手段】 全ポリカルボン酸及びポリオール成分そ
れぞれを100モル%としたとき、ポリカルボン酸成分
の内芳香族ジカルボン酸が80モル%以上であり、ポリ
オール成分の内主鎖の炭素数が2以下であるグリコール
が20モル%未満であると共に側鎖を有するグリコール
および/または脂環族グリコールが40モル%以上の組
成である屋外塗料用ポリエステル樹脂に関する。
Description
品に好適な屋外用の金属材料に塗装した場合に良好な耐
候性、耐加水分解性を示すポリエステル樹脂とその水分
散体に関する。また酸化チタンなどと共に使用すること
でさらに隠蔽性が向上するなどの塗膜外観を向上させる
ことができ、しかも耐傷つき性、耐衝撃性にも優れる水
系塗料用組成物とそれを塗装した金属板を提供すること
ができる。
機顔料などを配合した塗料組成物は家電、建材を中心に
広く使用されている。しかし、これらは通常多量の有機
溶剤で希釈する必要があり、大気汚染、省資源の面によ
り切に水性化が求められている。
や、作業環境の悪化などが顕在化してきており、更には
欧米諸国における有機溶剤排出規制も年々強化されてお
り、こうした有機溶剤類の使用を減少させることが重要
な課題となっている。
アクリル樹脂があるが、一般に鋼板に塗装したときの加
工性に不満がある。一方ポリエステル樹脂は、アクリル
樹脂に比べて加工性良好である。例えば、加工性が良好
なポリエステル樹脂が過去に開示されているが、耐候
性、耐加水分解性に不満があり、屋外塗料用の樹脂とし
ては用いることが難しい(特許文献1、特許文献2参
照)。
固形分濃度依存性には、溶剤系に比べてはるかに大きな
関係があり、少し固形分濃度を高くするだけで溶液粘度
が急激に上昇する傾向にある。また、水分散体の粒子径
が小さくなっても急激に溶液粘度上昇することが知られ
ている。例えば特許文献1では、水分散体の粒子径(メ
ジアン径)が0.7〜1.2μmと大きいにも関わら
ず、固形分濃度30%のB型粘度が1〜10poise
と高い値を示している。固形分濃度35%の水分散体に
関しては33poiseにも達している。また、特許文
献3においても同様であり、固形分濃度30〜35重量
%で1〜5poiseを示している。また、特許文献4
の方法を用いて作製した水分散体のB型粘度について本
発明者らが詳細に検討したところ、固形分濃度20%で
10poiseとなり、25%まで固形分濃度を上昇さ
せると800poiseにもなることが判明した。水分
散体の固形分濃度が低いと貯蔵や輸送の際にコスト的に
不利になることはもとより、塗膜を形成する際の主成分
となる樹脂固形分に対して他の添加剤(例えば顔料や硬
化剤等)を添加するので、配合の自由度が少なくなるこ
とも問題であり、厚膜化が難しく、溶剤系に比べて蒸気
圧の低い水を乾燥させるのに多大なエネルギーが必要に
なる等作業性が劣るといった問題がある。当然市場から
は高固形分濃度化して欲しいとの要求があるものの、実
際には上述のように固形分濃度を上げていくと溶液粘度
が極度に上昇するので塗布に適した溶液粘度に設定する
ことができず、さらには溶液の安定性等も著しく低下す
るので実現が難しく長い間改善が求められてきた。
例、表2等)
例、表2等)
施例、表3等)
例)
ら従来のアクリル樹脂やポリエステル樹脂の抱えている
欠点を改善すると共に、塗膜外観、耐候性、耐加水分解
性が非常に優れ、大幅に有機溶剤を減少でき、さらには
水分散体の高固形分濃度化が可能であり、なおかつ耐衝
撃性、耐傷つき性などが良好な塗膜を得ることができる
屋外塗料用として好適なポリエステル樹脂とその水分散
体提供することにある。
解決すべく鋭意研究した結果、特定の組成を有するポリ
エステル樹脂を用いることで、これら従来の欠点を改善
することができた。すなわち、本発明は以下のポリエス
テル樹脂とその水分散体である。
分をそれぞれ100モル%としたとき、ポリカルボン酸
成分の内芳香族ジカルボン酸が80モル%以上であり、
ポリオール成分の内主鎖の炭素数が2以下であるグリコ
ールが20モル%未満であると共に側鎖を有するグリコ
ールおよび/または脂環族グリコールが40モル%以上
の組成である屋外塗料用ポリエステル樹脂。
06g以下である(1)記載の屋外塗料用ポリエステル
樹脂。
00である(1)または(2)記載の屋外塗料用ポリエ
ステル樹脂。
ポリエステルに無水カルボン酸基を有する化合物を添加
して得られるポリエステル樹脂であって、添加する無水
カルボン酸基を有する化合物の全添加量を100モル%
としたとき、その10モル%以上が式Iで示される構造
を分子内に持つ化合物であることを特徴とする屋外塗料
用ポリエステル樹脂。 式I;
基を示す)
06gである(1)〜(4)のいずれかに記載の屋外塗
料用ポリエステル樹脂。
徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の屋外塗料用
ポリエステル樹脂。
ポリエステル樹脂を水分散したことを特徴とする屋外塗
料用ポリエステル樹脂水分散体。
リカルボン酸及びポリオール成分を100モル%とした
とき、共重合する芳香族ジカルボン酸は80〜100モ
ル%、下限は85モル%以上が好ましく、90モル%以
上が更に好ましい。その他のジカルボン酸が0〜20モ
ル%である。芳香族ジカルボン酸の合計が80モル%未
満では良好な硬度、耐ブロッキング性、耐アルカリ性、
耐加水分解性が得られないことがある。
香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
などが1種又は2種以上を任意に使用できる。このう
ち、テレフタル酸とイソフタル酸を併用して使用するこ
とが、加工性、耐衝撃性と硬度のバランス上特に好まし
く、水分散体作製時の分散性、安定性に優れる。
の他のカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼラ
イン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸
などの脂環族ジカルボン酸が挙げられるが、耐加水分解
性、耐候性の面より、セバシン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸類が好ましい。また、発明の内容を損なわない
範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸など
の多価カルボン酸を併用しても良い。
鎖の炭素数が2以下のグリコールは20モル%未満、好
ましくは15モル%未満、さらに好ましくは10モル%
未満、最も好ましくは0%である。炭素数2以下のポリ
オールが20モル%を越えると、耐加水分解性、耐候性
が低下する恐れがある。主鎖の炭素数が2以下のグリコ
ールとしては例えば、エチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,2
−ブタンジオール等が挙げられる。一方主鎖の炭素数が
2超のポリオールとしては、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2
−メチル−3−メチル−1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナン
ジオールなどである。脂環族グリコールとしては、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノー
ル、水添ビスフェノール−A、ダイマージオールなどが
挙げられる。ポリエステル樹脂中に、主鎖の炭素数が2
以下のポリオールを20モル%未満で含有することが好
ましく、20モル%以上では、良好な塗膜外観、耐加水
分解性、加工性が得られない場合がある。
ルの中で側鎖を有するグリコールおよび/または脂環族
ポリオール成分を含有することが好ましい。側鎖を有す
るポリオールおよび/または脂環族グリコール成分40
〜100モル%、好ましくは45〜100モル%、さら
に好ましくは50〜100モル%である。
チル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−メチ
ル−3−メチル−1,4−ブタンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオールなどである。脂環族ポリオ
ールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロ
ヘキサンジメタノール、水添ビスフェノール−A、ダイ
マージオールなどが挙げられる。塗膜の物性面から特に
好ましいのは、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
である。これらの中でも特に2−メチル−1,3−プロ
パンジオール/3−メチル−1,5−ペンタンジオール
の組み合わせ、ネオペンチルグリコール/側鎖のないグ
リコール(特に好ましくは1,4−ブタンジオール)の
組み合わせがコスト面や物性面からのバランスが非常に
優れた結果となる。
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオールを併
用しても良い。
比はポリエステル樹脂を重クロロホルム等の溶媒に溶解
して測定する1H−NMRの積分比より計算で求めるこ
とができる。
は、4600eq/106g(当量/106gを示す、以
下同様)以下が好ましい。さらには4400eq/10
6g以下が望ましい。エステル基濃度が4600eq/
106gよりも大きい場合、耐加水分解性、耐候性が得
られない場合がある。
6000以上、好ましくは7000以上、さらに好まし
くは8000以上である。分子量の上限は100000
以下が好ましい。6000未満では加工性、硬度、耐衝
撃性、傷つき性が低下することがある。100000以
上では水分散を作製が困難である。また、好ましい水酸
基価は10〜500当量/106g、さらに好ましくは
20〜250当量/106gである。水酸基価が500
当量/106gより高くなると、加工性、耐衝撃性が低
下する場合がある。水酸基が10当量/106g未満で
は硬化剤との反応性が不良となり、硬度が低下する可能
性がある。
温度が25〜100℃であることが好ましい。上限は9
0℃以下が好ましく、80℃以下がさらに好ましい。ガ
ラス転移温度が25℃未満では良好な硬度、耐擦り傷
性、耐汚染性、絞り加工性が得られない場合があり、1
00℃を超えると加工性、耐衝撃性、水分散性が低下す
る場合もある。
7〜1.28、好ましくは1.20〜1.26である。
比重が1.17未満では良好な硬度と加工性のバランス
が得られなくなる可能性がある。比重が1.30を越え
ると水分散性が不良となる可能性がある。
50〜1.60であることが好ましい。屈折率がこの範
囲にあると顔料を配合したときに良好な外観を与えるこ
とができる。屈折率はアッベ屈折計を用いて測定するこ
とができる。その際、サンプルとしては厚さ40μmの
ポリエステル樹脂フィルムを用いて、封入剤としてジヨ
ードメタンを用いて25℃で測定する。
必要があるが、そのためにポリエステル中に親水性のあ
る極性基を導入することが好ましい。極性基としては、
スルホン酸金属塩基、カルボキシル基、リン酸基等が挙
げられるが、スルホン酸金属塩、カルボキシル基が特に
好ましく、これらは単独又は併用して使用できる。
は、スルホン酸基は、5−スルホイソフタル酸、4−ス
ルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スル
ホフェノキシ〕イソフタル酸などの金属塩又は2−スル
ホ−1,4−ブタンジオ−ル、2,5−ジメチル−3−
スルホ−2,5−ヘキサンジオ−ル等の金属塩などのス
ルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸又はグリコ−
ルを全ポリカルボン酸または全ポリオ−ル成分の10モ
ル%以下、好ましくは7モル%以下、更に好ましくは5
モル%以下の範囲で使用でき、10モル%を超えると耐
加水分解性が低下する傾向にある。
ステル樹脂を重合した後に常圧、窒素雰囲気下、無水ト
リメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,
3,4−テトラカルボン酸−3,4−無水物、エチレン
グリコールビスアンヒドロトリメリテート、5−(2,
5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチ
ル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水
物、ナフタレン1,8:4,5−テトラカルボン酸二無
水物などから1種または2種以上を選択し、後付加して酸
価を付与する方法やポリエステルを高分子量化する前の
オリゴマー状態のものにこれらの酸無水物を投入し、次
いで減圧下の重縮合により高分子量化することで、ポリ
エステルに酸価を導入する方法などがある。この場合、
目標とする酸価が得られやすいとして前者の方法が好ま
しい。
エステルに無水カルボン酸基を有する化合物を添加して
ポリエステル樹脂を得る場合、添加する無水カルボン酸
基を有する化合物の全添加量を100モル%としたと
き、その10モル%以上が式Iで示される構造を分子内
に持つ化合物であることが望ましい。より好ましくは2
0モル%以上、最も好ましくは40モル%以上である。 式I;
基を示す) 式Iに示す化合物は特に限定されないが、例えば無水ピ
ロメリット酸、シクロヘキサン−1,2,3,4−テト
ラカルボン酸−3,4−無水物、エチレングリコールビ
スアンヒドロトリメリテート、5−(2,5−ジオキソ
テトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ナフタレン
1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。ポリ
エステル重合終了後添加する無水カルボン酸基を有する
化合物の全添加量を100モル%としたとき、その10
モル%以上に式Iで示される構造を分子内に持つ化合物
を使用すると、ポリエステル分子末端だけでなく、分子
鎖中にもフリーのカルボキシル基が導入されることがあ
り、後述する水分散体を作成する際、その保存安定性が
向上することがある。
塗膜物性面から好ましくは酸価が150〜500当量/
106g、さらに好ましくは200〜400当量/106
gであることが望ましい。酸価が150当量/106g
以下では、水分散性が低下するので好ましくない場合が
ある。酸価が500当量/106g以上では、塗膜とし
た場合の耐水性が劣る可能性がある。
例えばチタン化合物(テトラ−n−ブチルチタネート、
テトライソプロピルチタネート、チタンオキシアセチル
アセトネートなど)、アンチモン化合物(トリブトキシ
アンチモン、三酸化アンチモンなど)、ゲルマニウム化
合物(テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、酸化ゲルマ
ニウムなど)などを使用することができる。これらの触
媒は1種又は2種以上使用してもよい。重合の反応性の
面からチタン化合物が好ましい。
に、重合終了後または酸無水物添加後に、リン化合物を
添加し触媒を失活させることが好ましい。
酸、そしてこれらのエステル類(例えば、ジエチルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト、トリスドデシル
ホスファイト及びトリスノニルデシルホスファイトな
ど)や、これらのリチウム、ナトリウム及びカリウム等
の金属の塩等の3価のリン化合物が挙げられる。また、
正リン酸やポリリン酸、そしてこれらのエステル類(例
えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホス
フェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホ
スフェート、トリス(トリエチレングリコール)ホスフ
ェート及びエチルジエチルホスホノアセテートや、メチ
ルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェー
ト、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッ
ドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホ
スフェート、ジオクチルホスフェート及びトリエチレン
グリコールアシッドホスフェートなどの酸性リン酸エス
テル類等の5価のリン化合物が挙げられる。
アシッドホスフェート、トリス(トリエチレングリコー
ル)ホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホ
スフェート及びエチルジエチルホスホノアセテートが好
ましく、また重合系内の異物生成抑制や色調の観点か
ら、エチルアシッドホスフェート、トリス(トリエチレ
ングリコール)ホスフェート、トリエチレングリコール
アシッドホスフェート及びエチルジエチルホスホノアセ
テートが特に好ましい。
媒に対してモル比で1〜5倍、好ましくは1〜3倍使用
することが好ましい。リン化合物が触媒に配位して触媒
活性が失われることにより樹脂や塗膜の耐加水分解性、
耐候性を向上することができる。
化合物、IIa族元素化合物及びマンガン化合物から選択
される少なくとも1種の化合物を適量併用して使用して
も良い。水素を除くIa族元素化合物、IIa族元素化合
物、及びマンガン化合物としては、例えば、リチウム、
ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の
酸化物、水酸化物、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩、シ
ュウ酸塩、及びハロゲン化物等、具体的には、例えば、
酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酸化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコ
キシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化カ
ルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、酸化マンガン、水酸化マンガン、酢酸マンガ
ン等が挙げられる。中でも、マグネシウム化合物、マン
ガン化合物が好ましく、マグネシウム化合物が特に好ま
しい。水素を除くIa族元素化合物、IIa族元素化合
物、マンガン化合物の使用量としては、使用する触媒に
対してモル比で1〜5倍、好ましくは1〜3倍使用する
ことが樹脂や塗膜の耐加水分解性、耐候性を向上する点
で好ましい。
は原子吸光法等公知の方法で測定、定量することが出来
る。
媒を用いた直接乳化法、あらかじめ有機溶剤に溶解して
から水に置換する溶剤置換法など公知の方法により水分
散できる。
必要により各種両親媒性溶媒を含有してもよい。両親媒
性溶媒としては、n−ブタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジアセトンアルコール、2−エチルヘキサノー
ル、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリ
ドン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,
3−ジオキサン、1,3−オキソラン、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカル
ビトールブチルカルビトール、プロピレングリコールモ
ノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテルなどを用いることができる。このうちブチルセ
ロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ブチル
カルビトールが特に好ましい。樹脂固形分濃度30%の
時20%以下を使用することが好ましい。有機溶剤削減
の観点から、10%以下が特に好ましい。両親媒性溶媒
は水分散体を作製する際の作業性が向上する、又はそれ
を含有した塗料は塗布性が良好になる等の効果がある。
脂の水分散体を作成する場合、分散した微粒子の安定化
のために、当該粒子表面のカルボキシル基などの極性基
を部分的に、あるいは全面的に塩基性物質でもって中和
する。
ては、アンモニアやトリエチルアミンなどに代表される
アミン類、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などに代表される無機塩基類の使用が可能であるが、乾
燥後の塗膜残存を無くすために、揮発性アミン化合物の
使用が好ましい。
みを例示するにとどめれば、アンモニア、モノメチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n
−プロピルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタ
ノールアミンをはじめ、N−メチルエタノールアミン、
N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプ
ロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,
N−ジメチルエタノールアミンまたはN,N−ジメチル
プロパノールアミン等の各種のアミン類などである。特
に好ましいのは、トリエチルアミン、N,N−ジメチル
エタノールアミンまたはN,N−ジメチルプロパノール
アミンなどである。
れる2種以上の併用を、決して妨げるものではない。
粒子径は、塗膜外観、貯蔵安定性に大きく影響するので
重要である。粒子径は1〜500ナノメートル(nm)
が好ましい。粒子径の上限は300nm以下が好まし
く、200nm以下が特に好ましい。下限は、2nm以
上が好ましく、5nm以上が特に好ましい。粒子径が5
00nmを越えると塗膜外観が悪化する傾向で、さらに
水分散体の分散性が低下する可能性がある。1nm未満
では、塗装作業性が低下する可能性がある。
い固形分濃度においても比較的低い溶液粘度を示すた
め、作業性が良好であり、他の成分を加えることが容易
にできる。また、ポリエステル樹脂水分散体を作製する
際、出来高を高くすることができるため、コストダウン
にも繋がるなどがある。たとえば、固形分濃度30〜5
0%の時、溶液粘度(B型粘度)0.01〜10dPa
・sである。これは、ポリエステル樹脂中のポリオール
成分の内、主鎖の炭素数が2以下であるグリコールを少
なくすると共に側鎖を有するグリコールおよび/または
脂環族グリコールを導入することにより、ポリエステル
樹脂骨格を嵩高くすることにより分散粒径を適度にコン
トロールすることができるため、水分散体作製時の分散
性を向上させることにより、高固形分化が可能になった
と推測される。親水性基にスルホン酸塩を使用した場
合、水分散体中の粒子の凝集により溶液粘度が上昇する
傾向にあるため、カルボキシル基を親水性基として使用
したほうが溶液粘度を抑えることができ好ましい。
機顔料、硬化剤と配合することにより、水系塗料用樹脂
組成物とすることが出来る。
料、着色顔料、体質顔料、防錆顔料などを示す。例え
ば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸塩、
カーボンブラック、酸化ケイ素等の無機顔料、リン酸亜
鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、ト
リポリリン酸アルミニウム等のリン酸系防錆顔料、モリ
ブデン酸カルシウム、モリブデン酸アルミニウム、モリ
ブデン酸バリウム、等のモリブデン酸系防錆顔料、酸化
バナジウムなどのバナジウム系防錆顔料、ストロンチウ
ムクロメート、ジンクロメートなどのクロメート顔料、
カルシウムシリケートなどのシリケート系顔料、水分散
シリカ、ヒュームドシリカ、等の微粒シリカなどを用い
ることができる。さらに、防錆性を有する導電性高分子
であるポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールな
ども使用することができる。また、フタロシアニブル
ー、フタロシアニングリーン、カルバゾールジオキサジ
ンバイオレット、アントラピリミジンイエロー、イソイ
ンドリノンイエロー、インダンスレンブルー、キナクリ
ドンレッド等の有機顔料を併用しても良い。
と反応し得る硬化剤を配合して使用する。その場合、ポ
リエステル樹脂(Aとする)と硬化剤(Bとする)との
割合が(A)/(B)=95/5〜60/40(重量
比)が好ましい。ポリエステル樹脂(A)の上限は90
wt%がより好ましい。また、下限は70wt%が好ま
しい。ポリエステル樹脂が95wt%を超えると、塗膜
硬度などが低下する場合もある。また、ポリエステル樹
脂が60wt%未満であると加工性、耐衝撃性が低下す
る可能性がある。
ては、両親媒性溶剤、界面活性剤、その他親水性樹脂等
と組み合わせることにより、水又は水系媒体に分散、又
は溶解し得るものを用いることが出来る。すなわち、ア
ルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、エポキ
シ化合物およびイソシアネート化合物、アルキルエーテ
ル化フェノール樹脂、シランカップリング剤などが挙げ
られる。これらを水系樹脂などと組み合わせて使用する
とき、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂
は反応性、硬度などの点で好ましい。エポキシ化合物は
耐候性、耐酸性などの点で好ましい。また、ブロックイ
ソシアネートは溶液安定性、強靭性の点で好ましい。
ド樹脂とは、たとえばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの
炭素原子数1〜4のアルコールによってアルキルエーテ
ル化されたホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデ
ヒドなどと尿素、N,N−エチレン尿素、ジシアンジア
ミド、アミノトリアジン等との縮合生成物であり、メト
キシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシ化
メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールベ
ンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、メトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロ
ールメラミン、メトキシ化/ブトキシ化混合型メチロー
ルメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンな
どが挙げられる。
のジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化
ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオ
リゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソ
フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシ
ジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステ
ル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸
ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、1、4−ブタンジオールジグリシジ
ルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエ
ーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ト
リグリシジルイソシアヌレート、1、4−ジグリシジル
オキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセ
ロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタン
トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリ
シジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付
加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができ
る。
族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシ
アネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれ
でもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素
化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネ
ート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化
合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンな
どの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリ
オール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の
高分子活性水素化合物などとを反応させて得られる末端
イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロッ
ク化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、
メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾ
ール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノー
ル、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシ
ム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキ
シムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンク
ロルヒドリン、1、3−ジクロロ−2−プロパノールな
どのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−
ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε−カプロ
ラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、
β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、そ
の他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセト
ン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなど
の活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿
素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げら
れる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート
化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適
宜の方法より付加反応させて得られる。
−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
リシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキリシラン、γ−グリシドキシプロピルロリ
メチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシランなどがある。
選択された公知の硬化剤あるいは促進剤を併用すること
もできる。
けでも充分な性能を示すが、さらに、塗膜外観、耐衝撃
性、耐沸水性、硬度などを向上させることが要求される
場合には、必要に応じてアクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を配合してもよい。
その際の配合量は本発明のポリエステル樹脂の特性を損
なわない範囲であれば、重量比でポリエステル100重
量部に対し、1000重量部まで配合しても良い。
り機、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ブレンダ
ーなどの混合機が用いられる。塗装に当たってはローラ
ー塗り、ロールコーター、エアレス塗装、スプレー塗
装、静電塗装などが適時選択される。
を、金属板上に塗布、乾燥、硬化して作成する。焼付け
又は乾燥温度や時間は鋼板の大きさ、厚さ、また焼き付
け炉の能力、塗料の硬化性などにより任意に選択され
る。
電、建材用資材等に優れているものである。
る。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、
各測定項目は以下の方法に従った。
ロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25ccに溶か
し、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
標準サンプルを基準に用いて測定した。尚、溶剤はテト
ラヒドロフランを使用した。
速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム
押え蓋型容器に入れ、クリンプして測定した。
た。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール
溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタ
レインを用いた。
シリンダーを30±0.05℃に調製し、この中に油
気、気泡のない試料(ポリエステル)を入れ、試料がメ
スシリンダーの中間に留まるように塩化カルシウムの比
重を調節する。この時の塩化カルシウムの比重を比重計
により測定し、これを試料の比重とした。
水フタル酸を水酸化ナトリウム溶液で、フェノールフタ
レインを指示薬として適定し、試料106g当たりのe
q(当量)相当として計算した。
0.1 重量%に調節し、レーザー光散乱粒度分布計C
oulter model N4(coulter社
製)により 20℃で測定した。
中でB型粘度計model BL(TOKIMEC I
NC.)を用い、ローターNo.1、回転数60rpm
により測定した。ただし実施例11、12はローターN
o.1、回転数12rpm、比較例5はローターNo.
4、回転数 6rpmの条件で測定した。
メチルテレフタル酸388部、ジメチルイソフタル酸3
88部、2−メチル−1,3−プロパンジオール554
部、1,5−ペンタンジオール275部、テトラブチル
チタネート0.41部を仕込み、160℃から230℃
まで4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで系
内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで
減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃
にて40分間重縮合反応を行った。窒素気流下、220
℃まで冷却し、無水トリメリット酸を27部投入し、3
0分間反応を行った。得られた共重合ポリエステル(a
−1)はNMRの組成分析の結果、酸成分がモル比でテ
レフタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸=50/5
0/3であり、グリコール成分がモル比で2−メチル−
1,3−プロパンジオール/1,5−ペンタンジオール
=65/35であった。また、還元粘度を測定したとこ
ろ0.43dl/gであり、ガラス転移温度30℃、酸
価287当量/106g、比重1.25、数平均分子量
12000であった。
レフタル酸199部、イソフタル酸465部、2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジオール468部、1,5
−ペンタンジオール156部、テトラブチルチタネート
0.41部を仕込み、160℃から230℃まで4時間
かけてエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減
圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さら
に0.3mmHg以下の真空下、260℃にて40分間
重縮合反応を行った。窒素気流下、220℃まで冷却
し、無水トリメリット酸を23部、エチレングリコール
ビスアンヒドロトリメリテート16部を投入し、30分
間反応を行った。得られた共重合ポリエステル(a−
2)はNMRの組成分析の結果、酸成分がモル比でテレ
フタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸/エチレング
リコールビスヒドロトリメリテート=30/70/3/
1であり、グリコール成分がモル比で2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジオール/1,5−ペンタンジオー
ル=70/30であった。また、還元粘度を測定したと
ころ0.36dl/gであり、ガラス転移温度55℃、
酸価350当量/106g、比重1.22、数平均分子
量10000であった。
レフタル酸233部、イソフタル酸543部、2,2−
ジメチル−1、3−プロパンジオール334部、1,4
−ブタンジオール312部、テトラブチルチタネート
0.41部を仕込み、160℃から230℃まで4時間
かけてエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減
圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さら
に0.3mmHg以下の真空下、260℃にて40分間
重縮合反応を行った。窒素気流下、220℃まで冷却
し、ジエチルフォスフェート0.25部添加し、その
後、無水トリメリット酸を15部投入し、30分間反応
を行った。得られた共重合ポリエステル(a−2)はN
MRの組成分析の結果、酸成分がモル比でテレフタル酸
/イソフタル酸/トリメリット酸=30/70/3であ
り、グリコール成分がモル比で2,2−ジメチル−1,
3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=50
/50であった。また、還元粘度を測定したところ0.
53dl/gであり、ガラス転移温度48℃、酸価27
5当量/106g、比重1.24、数平均分子量150
00であった。
によりポリエステル樹脂(a−4)〜(a−5)を合成
した。(a−5)は比較ポリエステルである。ポリエス
テル樹脂(a−1)〜(a−5)の結果を表1に示す。
ブチルセロソルブ40部、トリエチルアミン2.7部を
投入した後、80℃で1時間攪拌を行い、溶解した。つ
いで、イオン交換水193部をゆるやかに添加し、水分
散体(b−1)を得た。結果を表2に示す。粒子径50
nm、固形分濃度30%であった。
ブチルセロソルブ20部、メチルエチルケトン42部を
投入した後、80℃で2時間攪拌溶解を行い、イソプロ
ピルアルコール23部、トリエチルアミン3.5部を投
入し、213部のイオン交換水で水分散を行う。その
後、加熱しながら溶剤を留去、200メッシュのナイロ
ンメッシュでろ過し、水分散体(b−2)を得た。粒子
径80nm、固形分濃度30%であった。(b−3)〜
(b−5)は(b−2)と同様の方法で水分散体ポリエ
ステル樹脂を作製した。粒子径の測定結果を表1に示
す。
(住友化学(株)製M−40W)を20部、イオン交換
水150部、酸化チタン(石原産業(株)製CR−9
3)50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの
10%ベンジルアルコール2.5部を添加し、ガラスビ
ーズ型高速振とう機を用いて3時間振とうすることによ
り均一に分散し水性塗料(c−1)を得た。
(b−2)〜(b−6)とアクリル樹脂(A−7C)を
用いた以外は水性塗料(c−1)と同様の配合、製造に
て順次水性塗料を得た。(c−2)は(b−2)に、
(c−3)は(b−3)に、(c−4)は(b−4)に
相当する。(c−5)は(b−3)と(b−4)を、
(c−6)は(b−5)、(c−7)はアクリル樹脂
(AG−200)を用いて水性塗料を作製した。上記水
性塗料(c−1)〜(c−7)を水性塗料として用いて
塗膜性能試験を行った。尚塗板の作成、評価は以下の方
法に従った。この結果を表2に示す。
7)を塗装後、80℃、10分乾燥後、予め下記の方法
で作成しておいた上塗り塗料を塗装した。次いで室温度
10分間放置した後、140℃で30分間焼き付けを行
った。膜厚は各々5μmと15μmとした。
/1(重量比)に固形分濃度40%で)溶解した東洋紡
績(株)製高分子量ポリエステルバイロン300、バイ
ロン200をそれぞれ固形分比で60/40部、メチル
エーテル化メチロールメラミンであるスミマールM40
S(不揮発分80%、住友化学工業(株)製)31部、
p−トルエンスルホン酸の10%ベンジルアルコール溶
液2.5部、酸化チタン125部を加え、ガラスビーズ
型高速振とう機で5時間分散し上塗り塗料を作製した。
0度での反射を測定した。 ◎:90以上 ○:80〜90 △:50〜80 ×:
50以下
リスター発生状況)を評価した。 ◎:ブリスターなし ○:ブリスター発生面積10%以内 △:ブリスター発生面積10〜50% ×:ブリスター発生面積50%以上
cm、荷重500gの条件で評価した。(○:クラック
なし、△:クラック発生、×:著しくクラック発生)
10倍のルーペで観察し判定した。(○:クラックな
し、△:クラック発生、×:激しくクラック発生)
たガーゼにて塗面に1kg/cm2の荷重をかけ、5c
mの長さの間を往復させた。下地が見えるまでの往復回
数を記録した。50回の往復で下地が見えないものは>
50と表示した。回数の大きいほど塗膜の硬化性が良好
である。
ッチ・テスターを用いて、荷重1kgで評価した。評価
基準を以下に示す。 ◎:ほとんどプライマー面が見えない ○:プライマー面は見えるが金属素地は見えない △:金属素地が見える ×:著しく金属素地が見える
面にカッターナイフで素地に達するように、直行する縦
横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1m
m×1mmのマス目を100個作成した。その表面にセ
ロハン粘着テープを密着させ、テープを急激に剥離した
際のマス目の剥がれ程度を観察し下記基準で評価した。 ◎:塗膜剥離が全く見られない。 ○:塗膜がわずかに剥離したが、マス目は90個以上残
存。 △:塗膜が剥離し、マス目の残存数は50個以上で90
個未満。 ×:塗膜が剥離し、マス目の残存数は50個未満。
噴霧試験を実施し、ブリスターの発生状況を目視判定し
た。耐食性はクロスカット部、2T加工部、端面(切断
部)は500時間で実施した。評価基準を以下に示す。 2T加工部 ◎:異常なし ○:ほとんどブリスターなし
△:ブリスター発生 ×:著しくブリスター発生 クロスカット部(ブリスターのふくれ幅) ◎:1mm以下 ○:1〜5mm △:5〜10mm
×:10mm以上 ブリスター多数発生端面(ブリスターのふくれ幅) ◎:1mm以下 ○:1〜5mm △:5〜10mm
×:10mm以上
間試験(測定条件:温度50℃、湿度50%の条件下
で、UVランプ照射量100mW)を行う前後の光沢保
持率により評価を行った。 ◎:光沢保持率90%以上 ○:光沢保持率70%〜9
0% △:光沢保持率50%〜70% ×:光沢保持率50%
以下
4 水性塗料(c−8)の製造例 水分散体ポリエステル(b−1)を333部、M−40
Wを20部、イオン交換水150部、酸化チタン25
部、トリポリリン酸アルミニウム25部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムの10%ベンジルアルコール
2.5部を添加し、均一に分散することにより水性塗料
(c−8)を得た。得られた塗装鋼板の試験結果を表3
に示す。ただし、塗料の配合比は固形分換算で表示し
た。
例 水性塗料において水分散体(b−1)に替えて水分散体
(b−2)〜(b−5)とアクリル樹脂(A−7C)を
用いた以外は水性塗料(c−9)と同様の配合、製造に
て順次水性塗料を得た。(c−9)は(b−2)に、
(c−10)は(b−3)に、(c−11)は(b−
4)に相当する。(c−12)は(b−3)と(b−
4)を、(c−13)は(b−5)を、(c−14)は
アクリル樹脂(AG−200)を用いて水性塗料を作製
した。上記水性塗料(c−1)〜(c−7)を水性塗料
として用いて塗膜性能試験を行った。この結果を表3に
示す。
0g/m2 の溶融亜鉛めっき鋼板にクロメート処理を施
したものを基材とした。この基材に所定の水性塗料(c
−8)〜(c−14)を乾燥膜厚が5μmになるように
塗布し、150℃×10分焼付けた。ついで、上塗り塗
料を乾燥膜厚が15μmになるように塗布し、230℃
×50秒焼付けて塗装鋼板を作製した。
較例1〜4に比べて、特に耐候性、沸水性、光沢、衝撃
性等あらゆる項目で優れた特性を示すことがわかる。
ブチルセロソルブ40部、トリエチルアミン2.7部を
投入した後、80℃で1時間攪拌を行い、溶解した。つ
いで、イオン交換水82部をゆるやかに添加し、水分散
体(d−1)を得た。粒子径35nm、固形分濃度45
%、B型粘度2dPa・sであった。
ることにより水を留去し、200メッシュのナイロンメ
ッシュでろ過し、水分散体(d−2)を得た。粒子径8
0nm、固形分濃度47%、B型粘度1dPa・sであ
った。
ブチルセロソルブ40部を投入した後、80℃で1時間
攪拌を行い、溶解した。ついで、イオン交換水260部
をゆるやかに添加し、水分散体(d−6)を得た。粒子
径10nm、固形分濃度25%であった。
は、比較例5に比べて高固形分濃度にもかかわらず低溶
液粘度が実現した。
散体は、高固形分濃度でも低溶液粘度を維持できるた
め、配合の自由度が上がると共に、コストダウンの効果
も期待できる。また、それを用いた塗料組成物は、良好
な耐候性、耐加水分解性を有し、外観を向上させること
ができる。また、傷つき性や耐衝撃性にも優れるため家
電、建材用途等における高い要求品質にこたえることが
できる。また、本発明に使用するポリエステル樹脂及び
その水分散体は、塗料組成物としてだけではなく、単
独、あるいは公知の硬化剤と併用することにより、種々
の基材、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のプラ
スチックフィルム、鉄、ブリキ等の金属板などの接着剤
として、または、各種ピグメントのバインダーとして使
用することもできる。
Claims (7)
- 【請求項1】 全ポリカルボン酸及びポリオール成分を
それぞれ100モル%としたとき、ポリカルボン酸成分
の内芳香族ジカルボン酸が80モル%以上であり、ポリ
オール成分の内主鎖の炭素数が2以下であるグリコール
が20モル%未満であると共に側鎖を有するグリコール
および/または脂環族グリコールが40モル%以上の組
成である屋外塗料用ポリエステル樹脂。 - 【請求項2】 エステル基濃度が4600eq/106
g以下である請求項1記載の屋外塗料用ポリエステル樹
脂。 - 【請求項3】 数平均分子量が6000〜100000
である請求項1または2記載の屋外塗料用ポリエステル
樹脂。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
ステルに無水カルボン酸基を有する化合物を添加して得
られるポリエステル樹脂であって、添加する無水カルボ
ン酸基を有する化合物の全添加量を100モル%とした
とき、その10モル%以上が式Iで示される構造を分子
内に持つ化合物であることを特徴とする屋外塗料用ポリ
エステル樹脂。 式I; 【化1】 (Rは芳香族、脂肪族、又は脂環族基を含む4価の連結
基を示す) - 【請求項5】 樹脂酸価が150〜500eq/106
gである請求項1〜4のいずれかに記載の屋外塗料用ポ
リエステル樹脂。 - 【請求項6】 リン化合物を添加していることを特徴と
する請求項1〜5のいずれかに記載の屋外塗料用ポリエ
ステル樹脂。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエ
ステル樹脂を水分散したことを特徴とする屋外塗料用ポ
リエステル樹脂水分散体。
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WO2008001795A1 (fr) * | 2006-06-30 | 2008-01-03 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Dispersion aqueuse de résine polyester, dispersion aqueuse de résine hybride, et adhésif, matière de revêtement et matière de peinture les utilisant |
JP2021001254A (ja) * | 2019-06-20 | 2021-01-07 | 東洋紡株式会社 | 顔料分散性、および熱安定性に優れたポリエステル樹脂 |
-
2002
- 2002-12-24 JP JP2002371596A patent/JP4380982B2/ja not_active Expired - Fee Related
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