JP2003268004A - エイ軟骨由来コンドロイチン硫酸とその製造方法 - Google Patents

エイ軟骨由来コンドロイチン硫酸とその製造方法

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JP2003268004A
JP2003268004A JP2002070722A JP2002070722A JP2003268004A JP 2003268004 A JP2003268004 A JP 2003268004A JP 2002070722 A JP2002070722 A JP 2002070722A JP 2002070722 A JP2002070722 A JP 2002070722A JP 2003268004 A JP2003268004 A JP 2003268004A
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galactosamine
acetyl
glucuronic acid
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monosulfated
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Nobuyuki Miyamoto
宜之 宮本
Takuma Imamura
琢磨 今村
Shingo Aso
真悟 麻生
Tadaaki Takeda
忠明 武田
Hironori Minoshima
裕典 蓑嶋
Tatsushi Kamata
樹志 鎌田
Keiichiro Matsushima
景一郎 松嶋
Tomoki Erata
知樹 惠良田
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MARUKYO SUISAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 エイ類軟骨の高付加価値的な利用及び
新規生理活性物質の提供 【解決手段】 エイ類軟骨からコンドロイチン硫酸ま
たはムコ多糖タンパク複合体を取り出し、かかるコンド
ロイチン硫酸が特異な構造と生理活性作用を有すること
を見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エイ類の軟骨を原
料として得られる新規なコンドロイチン硫酸、このコン
ドロイチン硫酸とタンパク質とを含むムコ多糖タンパク
複合体、これらの製造方法、及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】板鰓魚類に属するエイ類の漁獲量は、農
林水産省の漁業・養殖業生産統計年報によれば全国合計
で4000tを超え、その約半分は北海道近海で漁獲さ
れている。しかしながら、エイ類で食用として利用でき
るのは筋肉質が多い魚体のヒレ部分のみであるため、せ
いぜい体重の約30%程度であり、その他の部位は軟骨
が多いため食用に適さず、これまで充分有効に利用され
てはいないのが現状である。
【0003】板鰓魚類の軟骨には、生理活性物質である
コンドロイチン硫酸(ムコ多糖類)が多量に含まれてお
り、板鰓魚類の一種であるサメ類の軟骨あるいはそれか
ら単離したコンドロイチン硫酸は、医薬品、食品添加
物、健康食品等として利用されている。また、魚類以外
にも鯨、牛、羊、豚、鳥などの軟骨からも各種コンドロ
イチン硫酸が抽出され、利用されている。
【0004】これらのコンドロイチン硫酸はD-グルク
ロン酸と硫酸化されたN-アセチルガラクトサミンの二
糖繰り返し構造からなり、動物組織内ではタンパク質と
結合したプロテオグリカンとして存在し、細胞外マトリ
クスとして多くの生理活性作用を担っている。そのた
め、コンドロイチン硫酸の構造も動物種や存在部位によ
って異なると考えられ、実際にサメ軟骨中にはC6位一
硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルク
ロン酸からなる二糖単位(コンドロイチン硫酸C)、鯨
軟骨にはC4位一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサ
ミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位(コンドロイ
チン硫酸A)、豚皮にはC4位一硫酸化N−アセチル−
D−ガラクトサミンとD−イズロン酸からなる二糖単位
(コンドロイチン硫酸B)など特異的な分布を示してい
る。
【0005】サメ類と同じ板鰓魚類に属するエイ類には
多量の軟骨があり、この軟骨中にも生理活性物質のコン
ドロイチン硫酸が約5%程度含まれている。しかし、エ
イ類の軟骨は、非可食部の内臓等と共にせいぜい有機肥
料として利用される程度であって実質的には廃棄処理さ
れているのが実状であり、このコンドロイチン硫酸の組
成構造及びそれらの機能は明らかにされておらず、産業
上利用されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エイ
類の軟骨から抽出した新規コンドロイチン硫酸の組成構
造及びそれらの機能を明らかにし、その製造方法を示す
ことにより、廃棄物から低コストで大量に製造でき、様
々な用途に使用できる新規コンドロイチン硫酸とその製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
みて鋭意検討した結果、エイ軟骨を粉砕し、酸、アルカ
リまたは酵素で処理し、得られた消化液を必要に応じて
中和脱塩処理した後、これをフィルタープレスなどで濾
過し清澄化処理後、乾燥固化または乾燥粉末化させるこ
とによって目的とするコンドロイチン硫酸が特異な組成
を有し、生理学的機能を有することを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、エイ類軟骨から得ら
れる新規構造及び機能を有する以下のコンドロイチン硫
酸、ムコ多糖タンパク複合体、これらの製造方法及びこ
れらを含む食品等を提供することにある。
【0009】(1) C6位一硫酸化N−アセチル−D
−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸か
らなる二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化N
−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
らなる二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−アセ
チル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる
二糖単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−D
−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位
を含むコンドロイチン硫酸。
【0010】(2) C6位一硫酸化N−アセチル−D
−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸か
らなる二糖単位(80.2±16.0)%、非硫酸化N
−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
らなる二糖単位(10.0±3.0)%、C4位または
C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD
−グルクロン酸からなる二糖単位(2.1±0.7)
%、C4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガラクト
サミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位(7.7±
2.3)%を含む前記1に記載のコンドロイチン硫酸。
【0011】(3) 非硫酸化N―アセチル―D―ガラ
クトサミンを含む二糖単位、C4位またはC6位一硫酸
化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン
酸からなる二糖単位、C6位一硫酸化N−アセチル−D
−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸か
らなる二糖単位、C4、C6位二硫酸化N―アセチル―
D―ガラクトサミンを含む二糖単位を含む二糖単位がラ
ンダムに連結した構造を有する前記1または2に記載の
コンドロイチン硫酸。 (4) エイ軟骨から得られる前記1乃至3のいずれか
に記載のコンドロイチン硫酸。
【0012】(5) (A)C6位一硫酸化N−アセチ
ル−D−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロ
ン酸からなる二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫
酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロ
ン酸からなる二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N
−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
らなる二糖単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチ
ル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二
糖単位を含むコンドロイチン硫酸と(B)タンパク質と
を含むムコ多糖タンパク複合体。
【0013】(6) (A)C6位一硫酸化N−アセチ
ル−D−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロ
ン酸からなる二糖単位(80.2±16.0)%、非硫
酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロ
ン酸からなる二糖単位(10.0±3.0)%、C4位
またはC6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミ
ンとD−グルクロン酸からなる二糖単位(2.1±0.
7)%、C4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガラ
クトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位(7.
7±2.3)%を含む前記1に記載のコンドロイチン硫
酸と(B)タンパク質とを含む前記5に記載のムコ多糖
タンパク複合体。 (7) エイ軟骨から得られる前記5または6に記載の
コンドロイチン硫酸を含むムコ多糖タンパク複合体。
【0014】(8) エイ軟骨を粉砕し、酸、アルカリ
または酵素で処理し、得られた消化液を乾燥粉末化させ
ることを特徴とする、C6位一硫酸化N−アセチル−D
−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸か
らなる二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化N
−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
らなる二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−アセ
チル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる
二糖単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−D
−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位
を含むコンドロイチン硫酸の製造方法。
【0015】(9) エイ軟骨を粉砕し、酸、アルカリ
または酵素で処理し、得られた消化液を乾燥粉末化させ
ることを特徴とする、(A)C6位一硫酸化N−アセチ
ル−D−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロ
ン酸からなる二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫
酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロ
ン酸からなる二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N
−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
らなる二糖単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチ
ル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二
糖単位を含むコンドロイチン硫酸と(B)タンパク質と
を含むムコ多糖タンパク複合体の製造方法。
【0016】(10) C6位一硫酸化N−アセチル−
D−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸
からなる二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化
N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸
からなる二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−ア
セチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からな
る二糖単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−
D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単
位を含むコンドロイチン硫酸、または、前記コンドロイ
チン硫酸とタンパク質とを含むムコ多糖タンパク複合体
を含む医薬品、化粧品または食品。
【0017】(11) C6位一硫酸化N−アセチル−
D−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸
からなる二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化
N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸
からなる二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−ア
セチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からな
る二糖単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−
D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単
位を含むコンドロイチン硫酸を有効成分として含み、抗
腫瘍作用、免疫附活作用及び皮膚コラーゲンの減少抑制
などの機能を有することを特徴とするコンドロイチン硫
酸含有医薬品、化粧品または食品。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のコンドロイチン硫酸は、
C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとC
2位一硫酸化D−グルクロン酸からなる二糖単位を60
%以上含み、さらに、非硫酸化N−アセチル−D−ガラ
クトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位、C4
位またはC6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサ
ミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位、及びC4,
C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD
−グルクロン酸からなる二糖単位を含む。また、本発明
のムコ多糖タンパク複合体は、上記コンドロイチン硫酸
とタンパク質との複合体である。
【0019】本発明のコンドロイチン硫酸の主成分であ
るC6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンと
C2位一硫酸化D−グルクロン酸からなる二糖単位は、
サメ軟骨から精製されたものが近年明らかとなった。サ
メ軟骨中のコンドロイチンは、C6位一硫酸化N−アセ
チル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる
二糖単位で主として構成されるコンドロイチン(コンド
ロイチン硫酸C)であり、鯨軟骨にはC4位一硫酸化N
−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
らなる二糖単位、豚皮にはC4位一硫酸化N−アセチル
−D−ガラクトサミンとD−イズロン酸からなる二糖単
位を多く含むコンドロイチン(それぞれ、コンドロイチ
ン硫酸A、コンドロイチン硫酸B)がそれぞれ多く存在
していることが知られているが、C6位一硫酸化N−ア
セチル−D−ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グル
クロン酸からなる二糖単位を特異的に多く含み、かつコ
ンドロイチン硫酸を構成している二糖の存在比が後述の
割合のものは従来知られていない。
【0020】本発明のコンドロイチン硫酸及びムコ多糖
タンパク複合体は、好ましくはエイ類の軟骨から得るこ
とができる。エイ類の種類は特に限定されないが、例え
ば、ヒラタエイ、アカエイ、イトマキエイ、ツノカス
ベ、ソコガンギエイ、ガンギエイ、メガネカスベ、ドブ
カスベ、コモンカスベ等を用いることができる。原料と
なるエイ類の軟骨を分離回収する方法は、例えば特願20
01−124634に記載の方法等が挙げられる。
【0021】魚体から分離された軟骨を細かく砕き、
酸、アルカリまたは酵素で処理する。軟骨の粉砕は抽出
溶媒が効果的に浸透する程度であればよい。例えば、ミ
ートチョッパー等を用いて1cm3以下に粉砕するのが
好ましい。酸処理は、pH1〜5の範囲が好ましい。ア
ルカリ処理は、pH10〜14の範囲が好ましい。酵素
はプロテアーゼ等の分解酵素を用いることができる。
【0022】得られた処理物は、必要に応じて中和脱塩
処理し濾過して固形分を除いた後、乾燥固化または乾燥
粉末化させる。濾過は、例えば、フィルタープレス、ス
クリーンメッシュ、カートリッジフィルタ等を用い、清
澄な抽出液とする。濾過では取り除けない抽出液中のイ
オンは、抽出液に電圧を印加して行う脱塩処理、イオン
交換カラム等により取り除いてもよい。濾過後、乾燥固
化または乾燥粉末化させることによって目的とするコン
ドロイチン硫酸またはムコ多糖タンパク複合体を得る。
特に高純度のコンドロイチン硫酸を得るためには、酵素
消化によりタンパク質を分解し、エタノールによる沈
殿、イオン交換カラム処理、メンブレンフィルターによ
る濾過等を行なってアミノ酸や不要なアミノ糖を完全に
除けばよい。
【0023】このようにして調製したコンドロイチン硫
酸は、典型的には、以下の組成を有する。 (a)C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミン
とC2位一硫酸化D−グルクロン酸からなる二糖単位:
80.2±16.0%, (b)非硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−
グルクロン酸からなる二糖単位:10.0±3.0%, (c)C4位またはC6位一硫酸化N−アセチル−D−ガ
ラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位:
2.1±0.7%, (d)C4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガラクト
サミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位:7.7±
2.3%。 ここで%は各構成単位のモル%である。
【0024】本発明者らは、さらにこの新規コンドロイ
チン硫酸またはこれを含むムコ多糖タンパク複合体は、
マウス大腸癌(Colon 26)及びマウス乳腺癌(Ca 755)
に対し抗腫瘍性を有し、免疫賦活による抗MRSA作
用、ビタミンC欠乏モルモットによる皮膚コラーゲン低
下抑制作用を有することを見出した。従って、本発明の
コンドロイチン硫酸及びこれを含むムコ多糖タンパク複
合体は、例えば高齢者や病弱者、体力が衰えた者などに
対しての免疫力増強剤としての機能を有し、また従来の
コンドロイチン硫酸と同様に、抗炎症剤、保湿剤、関節
潤滑剤、眼精疲労緩和剤、皮膚の代謝改善剤などきわめ
て多様な用途に活用可能なものであり、さらにその特異
な構造による新規機能は、医薬品、化粧品、食品、高分
子工業など広い範囲に応用できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例、試験例を挙げて説明するが、
本発明は以下の記載に限定されるものではない。
【0026】実施例1:エイ軟骨由来コンドロイチン硫
酸(ムコ多糖タンパク複合体)の製造 斜軸ニーダー(200L容量)にエイ軟骨粉砕物106
kgとプロテアーゼ210gを入れて59℃で2時間攪
拌することにより酵素処理を行った。引き続き90℃に
加熱し15分間攪拌して酵素を失活させ、これに濾過助
剤5kgを加え均質化後、フィルタープレスで加圧濾過
を行った。なお、使用した加圧濾過装置は、(株)マキ
ノ製M8−S形(濾過面積:0.27m2、濾過容積:2.7
L、材質:SUS304)である。次に、得られた抽出液を9
0℃に加熱し10分間加熱殺菌後、ディスク型スプレー
ドライヤー((株)坂本技研製 DA220-10S)にて噴霧
乾燥させコンドロイチン硫酸(ムコ多糖タンパク複合体
を含む。)の白色粉末10.6kgを得た。噴霧乾燥条件
は、微粒化方式:φ90mm回転ピン型ディスク、12,000
rpm、入口熱風温度:185℃、出口排風温度:90
℃、乾燥室内圧:−10mmH2Oで行った。
【0027】実施例2:エイ軟骨由来コンドロイチン硫
酸の精製及びその構造解析 精製コンドロイチン硫酸を、以下の手順により得て構造
解析に供した。 1.脱脂 1) 50gのエイ軟骨乾燥粉砕品を1000mlのビー
カーに入れ、アセトン500mlを加え10分間撹拌し
た。 2) 5分間放置し上澄み液を捨てた。 3) 1)〜2)の操作を更に3回繰り返した。 4) 残った沈殿物を減圧デシケータにて乾燥させた。
【0028】2.アルカリ処理 1) 脱脂済みエイ軟骨粉44.5gを0.2 M NaOH 80
0mlに溶解させた。 2) 37℃の湯浴の中で3時間撹拌した。 3) 酢酸でpH7に中和した。 3.蛋白分解酸素処理 1) 0.2 M Tris-HCI緩衝液(pH7.8)100mlを
加えた。 2) 酢酸カルシウムを終濃度0.02Mになるように加え
た。 3) 防腐のためメタノールを50ml加えた。 4) 蛋白分解酸素(アクチナーゼE 科研製薬)を50
0mg加えた。 5) 37℃の湯浴の中で48時間ゆっくりと撹拌し
た。
【0029】4.エタノール沈殿 1) 消化液を10,000rpm×30分間、4℃にて遠心分離
した。 2) 上澄みを0.45μmメンブランフィルターを用いて吸
引瀘過した。 3) 上澄みに終濃度が0.05M になるように酢酸カルシ
ウムを加えた。 4) 酢酸でpH4.5 に調整した。 5) 2倍のエタノールを滴下し、4℃のもと48時間
放置した。
【0030】5.沈殿の洗浄・乾燥 1) エタノール液を7,000rpm×30分間、4℃にて遠
心分離した。 2) 沈殿を回収し80%エタノール3000mlを加
え、4℃にて12時間ゆっくりと撹拌した。 3) 1,000rpm×30分間、4℃にて遠心分離した。 4) 2)〜3)の操作を繰り返した。 5) 沈殿に100%エタノール2000mlを加え、
4℃にて6時間ゆっくり撹拌した。 6) 1,000rpm×30分間、4℃にて遠心分離した。 7) 沈殿を減圧デジゲータにて乾燥させ、粗コンドロ
イチン硫酸を得た。
【0031】6.DOWEX50W×2陽イオン交換カ
ラムの調整 1) DOWEX50W×2陽イオン交換樹脂200m
lを、0.5 N HCl中で2時間撹拌し、ミリキュー水に
て洗浄後、0.5 M NaOH 中で2時間撹拌した。 2) 1)を3回繰り返し、交換樹脂をプロトン保持の形と
し、ミリキュー水にて洗浄した。 3) 500mlビーカーにカラムを入れ、バッチ式反
応漕とした。
【0032】7.DOWEX50W×2陽イオン交換樹
脂処理 1) 得られた粗コンドロイチン硫酸をごく少量のミリ
キュー水に溶解させた。 2) バッチ式反応漕に1)で作製した試料を添加し、1.
5時間撹拌した。反応後溶液を回収し、さらに樹脂を8
00mlのミリキュー水にて洗浄後、洗浄液も合わせて
回収した。 4) 回収液をすぐに1NNaOHにてpH7に中和し
た。 8.精製 1) 中和液を脱イオン水中にて3日間透析(分子量カッ
トオフ:10kD)した。 2) エバポレータにて適量に濃縮した。 3) 0.2μmメンブランフィルターにより瀘過後、凍結
乾燥し精製コンドロイチン硫酸とした。
【0033】上記のようにして得た精製コンドロイチン
硫酸を構造解析に供した。なお、比較のため、表1に示
す通り、精製コンドロイチン硫酸(表1のLot.2)の他
に、実施例1で調製したムコ多糖タンパク複合体(Lot.
1)及び、由来の異なる3種類のコンドロイチン硫酸
(Lot.3〜5)を用意した。Lot.3は鮭鼻軟骨を原料と
した他はLot.2と同様に調製したものである。Lot.4及
び5は市販の生化学工業(株)製標品であり、Lot.4は
コンドロイチン硫酸A、Lot.5はコンドロイチン硫酸C
である。
【0034】
【表1】
【0035】アミノ酸分析 各試料(Lot.1〜2)をそれぞれ所定量秤量し、2.4N-
HClを用いて約100℃、6時間の条件により加水分
解を行った。これをアミノ酸分析装置(JLC-500V、日本
電子製)で定量した。分析結果を図1に示した。Lot.1
に観られるGly(グリシン)とHyPro(ヒドロキシプロリ
ン)、Pro(プロリン)はコラーゲンの存在を示してい
る。また精製処理が施されたLot.2ではGalNH2
外のアミノ酸が観られないことから、エイ類軟骨由来コ
ンドロイチン硫酸を構成するアミノ糖はガラクトサミン
種のみであること、当実験の精製処理により他のアミノ
酸、アミノ糖を完全に除去できたとが確認できた。
【0036】 1H-NMR測定 各試料(Lot.1〜5)の400MHz 1H-NMRスペク
トルを測定した。測定結果を図2に示した。Lot 1には
0.8〜2.5ppm付近にタンパク由来のシグナルが確認で
きた。このタンパクは主にコラーゲンであると考えられ
る。Lot 2のエイ類軟骨由来コンドロイチン硫酸のスペ
クトルは、Lot 4及びLot 5のスペクトルよりも、Lot
3のサケ鼻軟骨由来コンドロイチン硫酸のスペクトルに
近いことが確認できた。このLot 2について詳細に見て
みると、硫酸基が結合していると思われるN−アセチル
ガラクトサミンの、4位のプロトンのシグナル(GalNAC
-4S)が4.8ppm付近に確認できた。また面積強度は落
ちるが、同様に6位のプロトンのシグナル(GalNAC-6S)
が4.1ppm付近に確認できた。
【0037】二糖HPLC分析 1) コンドロイチン硫酸分解酵素(Chodroitinase ACII)
5unitを0.02M酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)500μ
lに溶解した。 2) エイ類軟骨由来コンドロイチン硫酸(試料Lot.2)
を、0.02M酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)500μlに溶
解し、1)で調整したコンドロイチン硫酸分解酵素(Chodr
oitinase ACII)溶液を加え、37℃で24時間攪拌し
た。 3) これを10,000rpm×10分間遠心分離し、上澄を回収
して凍結乾燥した。 4) 得られた二糖オリゴマーのHPLC分析を行い、得
られたクロマトグラムから、構成二糖の組成を算出し
た。構成不飽和二糖の組成比を表2に示した。 なお、
それぞれの構造式は以下の通りである。なお、HPLC
分析の条件は表3に示した。
【0038】
【化1】エイ類軟骨由来コンドロイチン硫酸構成二糖の
構造式
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】エイ類軟骨由来コンドロイチン硫酸の構造
は、6位硫酸化N−アセチルガラクトサミンと2位硫酸
化グルクロン酸で構成される2糖繰り返し単位が、その
80%以上を占める極めて特徴的な組成を持つことが明
らかとなった。前述の通り、サメ軟骨由来コンドロイチ
ン硫酸は主にコンドロイチン硫酸Cであるとされてお
り、本発明のコンドロイチン硫酸は、6位硫酸化N−ア
セチルガラクトサミンと2位硫酸化グルクロン酸で構成
される2糖繰り返し単位を特異的に多く含む特徴的な構
造を持つ。
【0042】実施例3:エイ軟骨由来コンドロイチン硫
酸の機能性 本発明のエイ類軟骨由来コンドロイチン硫酸あるいはム
コ多糖タンパク複合体(以下、KCS)は、従来既知の
構造と比較して特異な構造を有している。従って、他の
コンドロイチン硫酸にはない新たな生理活性作用をもつ
可能性が考えられる。これを検討するため、実施例1で
調製したエイ軟骨由来コンドロイチン硫酸を含むムコ多
糖タンパク複合体を供試料として、動物試験によって機
能性評価を行った。
【0043】抗腫瘍性 4週齢のBDF1及びCDF1マウスに飼料に添加したK
CSを42日間連続で混餌投与した。28日目に、腫瘍
細胞を1×106 cells/0.05ml/マウスの割合で移植
し(Ca 755はBDF1、Colon 26はCDF1)、移植後、
KCSの投与を継続した。KCS投与終了翌日(43日
目)、エーテル麻酔下にマウスを頚椎脱臼し、腫瘍を摘
出して湿重量を測定した。試験区は表4に示した。有意
差検定はDunnettの多重比較により行った。得られた結
果を図3及び図4に示した。マウス乳腺癌(Ca 755)に
ついてはKCS 6%以上、マウス大腸癌(Colon 26)
についてはKCS 3%以上の投与で対照群に比較して
統計学的に有意な抗腫瘍作用が認められた。
【0044】
【表4】
【0045】抗MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球
菌) 4週齢のddY系雄性マウスに飼料に添加したKCSを
42日間連続で混餌投与した。25日目よりマウスにシ
クロホスファミド(EX)を6mg/動物の割合で1日1
回3日間連続して腹腔内投与した。3日目のシクロホス
ファミドを投与した翌日に、MRSAを107個/動物の
割合で静脈内投与することにより感染させた。MRSA
接種日より動物が死亡するまで観察を行い、生存日数を
算出した。KCSは、動物が死亡するまで10日間を限
度に投与を継続した。試験区は表5に示した。有意差検
定はKaplan-Meierの生存分析検定を行った。得られた結
果を図5に示した。生存分析検定の結果では、各試験区
間で有意差は認められなかった。しかし、3日後の生存
率でみると、対照群では50%であったが、KCS6%を
摂取させたマウスでは87.5%、KCS 9%を摂取させ
たマウスでは100%であり、若干の延命効果がみられ
た。
【0046】
【表5】
【0047】皮膚の保湿性 4週齢のモルモットを、無処置群は正常飼料、対照群は
ビタミンC欠乏飼料を与えた。KCS群には、ビタミンC
欠乏飼料にKCSを配合した飼料を与え、それぞれ28
日間飼育した。28日間飼育後、背部皮膚を剥離し、コ
ラーゲン含量を測定した。コラーゲン含量測定は、60
℃で一晩乾燥した皮膚を粉砕し、6M塩酸中でヒーティ
ングブロック(ヤマト科学(株)、HF21)を用いて110
℃、24時間加水分解した。これを試料として、クロラ
ミンT法によりヒドロキシプロリン(Hyp)含量を測定
した。試験区は表6に示した。有意差検定はDunnettの
多重比較により行った。得られた結果を図6に示した。
コラーゲンは、皮膚における主要な構成成分であり、真
皮中では単位乾燥重量当たり70〜80%含有される。
また、老化に伴ない皮膚コラーゲン含量の減少も知られ
ていることから、コラーゲンは皮膚の弾力を保ち、しわ
を防ぐなどの機能を有すると考えられている。モルモッ
トをビタミンC欠乏飼料で飼育した結果、皮膚中のコラ
ーゲン含量は約50%減少した。一方、KCS 3%を摂
取させたモルモットでは、コラーゲン含量低下の抑制傾
向が認められた。
【0048】
【表6】
【0049】
【発明の効果】本発明のコンドロイチン硫酸及びこれを
含むムコ多糖タンパク複合体は、例えば高齢者や病弱
者、体力が衰えた者などに対しての免疫力増強剤として
の機能を有し、また従来のコンドロイチン硫酸と同様
に、抗炎症剤、保湿剤、関節潤滑剤、眼精疲労緩和剤、
皮膚の代謝改善剤などきわめて多様な用途に活用可能な
ものであり、さらにその特異な構造による新規機能は、
医薬品、化粧品、食品、高分子工業など広い範囲に応用
できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】各試料に含まれるの種々アミノ酸の濃度割合を
示すグラフである。
【図2】各試料の400MHZ 1H-NMRスペクトルチャ
ートである。
【図3】KCSの乳腺癌Adenocarcinoma755に対する効
果(KCS添加量と腫瘍湿重量との関係)を示すグラフ
である。
【図4】KCSの大腸癌Colon26に対する効果(KCS
添加量と腫瘍湿重量との関係)を示すグラフである。
【図5】KCSのMRSAに対する効果(KCS添加量
の異なる複数の例についてのMRSA感染日数と生存動
物数との関係)を示すグラフである。
【図6】KCSの皮膚機能に対する効果(KCS添加量
と皮膚コラーゲン含量との関係)を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/737 A61K 31/737 4H045 A61P 3/00 A61P 3/00 17/00 17/00 17/16 17/16 19/02 19/02 27/00 27/00 29/00 29/00 31/04 31/04 35/00 35/00 37/04 37/04 C07K 1/12 C07K 1/12 14/46 14/46 C12P 19/04 C12P 19/04 Z 21/06 21/06 (71)出願人 599038651 武田 忠明 北海道釧路市仲浜町4番25号 北海道立釧 路水産試験場内 (71)出願人 598067821 蓑嶋 裕典 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (71)出願人 597115794 鎌田 樹志 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (71)出願人 501186003 松嶋 景一郎 北海道札幌市北区北十九条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (72)発明者 宮本 宜之 北海道稚内市栄1丁目11番19号 (72)発明者 今村 琢磨 北海道釧路市仲浜町4番25号 北海道立釧 路水産試験場内 (72)発明者 麻生 真悟 北海道釧路市仲浜町4番25号 北海道立釧 路水産試験場内 (72)発明者 武田 忠明 北海道釧路市仲浜町4番25号 北海道立釧 路水産試験場内 (72)発明者 蓑嶋 裕典 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (72)発明者 鎌田 樹志 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (72)発明者 松嶋 景一郎 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (72)発明者 惠良田 知樹 北海道札幌市北区北13条8丁目 北海道大 学大学院工学研究科分子化学専攻内 Fターム(参考) 4B018 LB10 MD17 MD20 MD22 MD31 MD33 MD74 ME05 ME14 MF11 MF12 MF14 4B064 AF04 AF11 AF17 AF22 CB06 DA01 DA10 4C083 AD341 AD342 CC02 EE07 EE12 EE13 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA26 NA14 ZA33 ZA89 ZA96 ZB09 ZB11 ZB26 ZB35 ZC21 4C090 AA01 AA04 AA07 AA09 AA10 BA66 BA91 BB84 BC28 CA01 CA19 CA32 CA33 CA42 DA09 DA23 DA26 DA27 4H045 AA10 AA20 AA30 BA53 CA52 EA01 FA70

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラ
    クトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸からなる
    二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化N−アセ
    チル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる
    二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−アセチル−
    D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単
    位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガラ
    クトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位を含む
    コンドロイチン硫酸。
  2. 【請求項2】 C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラ
    クトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸からなる
    二糖単位(80.2±16.0)%、非硫酸化N−アセ
    チル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる
    二糖単位(10.0±3.0)%、C4位またはC6位
    一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD−グル
    クロン酸からなる二糖単位(2.1±0.7)%、C
    4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミン
    とD−グルクロン酸からなる二糖単位(7.7±2.
    3)%を含む請求項1に記載のコンドロイチン硫酸。
  3. 【請求項3】 非硫酸化N―アセチル―D―ガラクトサ
    ミンを含む二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−
    アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸から
    なる二糖単位、C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラ
    クトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸からなる
    二糖単位、C4、C6位二硫酸化N―アセチル―D―ガ
    ラクトサミンを含む二糖単位を含む二糖単位がランダム
    に連結した構造を有する請求項1または2に記載のコン
    ドロイチン硫酸。
  4. 【請求項4】 エイ軟骨から得られる請求項1乃至3の
    いずれかに記載のコンドロイチン硫酸。
  5. 【請求項5】 (A)C6位一硫酸化N−アセチル−D
    −ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸か
    らなる二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化N
    −アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
    らなる二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−アセ
    チル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる
    二糖単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−D
    −ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位
    を含むコンドロイチン硫酸と(B)タンパク質とを含む
    ムコ多糖タンパク複合体。
  6. 【請求項6】 (A)C6位一硫酸化N−アセチル−D
    −ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸か
    らなる二糖単位(80.2±16.0)%、非硫酸化N
    −アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
    らなる二糖単位(10.0±3.0)%、C4位または
    C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンとD
    −グルクロン酸からなる二糖単位(2.1±0.7)
    %、C4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガラクト
    サミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位(7.7±
    2.3)%を含む請求項1に記載のコンドロイチン硫酸
    と(B)タンパク質とを含む請求項5に記載のムコ多糖
    タンパク複合体。
  7. 【請求項7】 エイ軟骨から得られる請求項5または6
    に記載のコンドロイチン硫酸を含むムコ多糖タンパク複
    合体。
  8. 【請求項8】 エイ軟骨を粉砕し、酸、アルカリまたは
    酵素で処理し、得られた消化液を乾燥粉末化させること
    を特徴とする、C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガラ
    クトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸からなる
    二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化N−アセ
    チル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる
    二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−アセチル−
    D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単
    位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガラ
    クトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位を含む
    コンドロイチン硫酸の製造方法。
  9. 【請求項9】 エイ軟骨を粉砕し、酸、アルカリまたは
    酵素で処理し、得られた消化液を乾燥粉末化させること
    を特徴とする、(A)C6位一硫酸化N−アセチル−D
    −ガラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸か
    らなる二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化N
    −アセチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸か
    らなる二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−アセ
    チル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる
    二糖単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−D
    −ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位
    を含むコンドロイチン硫酸と(B)タンパク質とを含む
    ムコ多糖タンパク複合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガ
    ラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸からな
    る二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化N−ア
    セチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からな
    る二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−アセチル
    −D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖
    単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガ
    ラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位を含
    むコンドロイチン硫酸、または、前記コンドロイチン硫
    酸とタンパク質とを含むムコ多糖タンパク複合体を含む
    医薬品、化粧品または食品。
  11. 【請求項11】 C6位一硫酸化N−アセチル−D−ガ
    ラクトサミンとC2位一硫酸化D−グルクロン酸からな
    る二糖単位を60%以上含み、さらに、非硫酸化N−ア
    セチル−D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からな
    る二糖単位、C4位またはC6位一硫酸化N−アセチル
    −D−ガラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖
    単位、及びC4,C6位二硫酸化N−アセチル−D−ガ
    ラクトサミンとD−グルクロン酸からなる二糖単位を含
    むコンドロイチン硫酸を有効成分として含み、抗腫瘍作
    用、免疫附活作用及び皮膚コラーゲンの減少抑制などの
    機能を有することを特徴とするコンドロイチン硫酸含有
    医薬品、化粧品または食品。
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