JP2003267932A - ジニトロナフタレン異性体混合物および1,5−ジアミノナフタレンの製造方法 - Google Patents

ジニトロナフタレン異性体混合物および1,5−ジアミノナフタレンの製造方法

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JP2003267932A JP2003058969A JP2003058969A JP2003267932A JP 2003267932 A JP2003267932 A JP 2003267932A JP 2003058969 A JP2003058969 A JP 2003058969A JP 2003058969 A JP2003058969 A JP 2003058969A JP 2003267932 A JP2003267932 A JP 2003267932A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い収量で、かつ1,5−ジニトロナフタレ
ンの高い割合を得ることができる、ジニトロナフタレン
異性体混合物を製造するための簡単かつ経済的な方法を
提供する。 【解決手段】 ゼオライトを、ナフタレンおよび/また
は1−ニトロナフタレンの硝酸を用いてのニトロ化中で
触媒として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナフタレン、1−
ニトロナフタレンまたは粗ニトロナフタレン混合物をニ
トロ化することによる、高い割合で1,5−ジニトロナ
フタレンを有するジニトロナフタレン異性体混合物の製
造方法に関する。1,5−ジニトロナフタレンは、1,
5−ジアミノナフタレンを製造するための鍵となる化合
物である。これは、他のものと比較して、1,5−ジイ
ソシアネートナフタレン(商標:Desmodur
(R)15)の製造のための出発化合物として有用であ
る。1,5−ジイソシアネートナフタレンは、ポリウレ
タンの製造におけるイソシアネート成分として使用され
る。
【0002】
【従来の技術】ニトロ化芳香族の製造は、以前から公知
である(G.A.Olah et al.,Nitra
tion:Methods and Mechanis
ms,VCH,New York,1989)。最近で
は、相当するニトロ芳香族は、硫酸および硝酸の混合物
(いわゆる混酸またはニトロ化酸)でニトロ化すること
によって工業的に製造されている。
【0003】ナフタレンのモノニトロ化によって、1−
ニトロナフタレンと2−ニトロナフタレンとの、約9
5:5の割合の異性体混合物が得られる。ナフタレンの
直接的なジニトロ化、ならびに1−ニトロナフタレンの
さらなるニトロ化は、1,5−ジニトロナフタレンと
1,8−ジニトロナフタレンとを約1:2の割合で製造
する(Houben−Weyl:Methoden d
er Organischen Chemie,4th
edition,1971,Vol.X/1,pp.
492−495)。他のジニトロナフタレン異性体はさ
らに、より少ない割合(約5%)で、たとえば、1,6
−ジニトロナフタレンおよび1,7−ジニトロナフタレ
ンを形成する。反応の好ましくない選択率は、1,5−
ジニトロナフタレンの製造において、高くかつ望ましく
ない割合の1,8−ジニトロナフタレンが優先的に形成
されることを示す。
【0004】DE−OS−1150965において、1
−ニトロナフタレンから出発してのジニトロナフタレン
の製造が記載されている。好ましい1,5−ジニトロナ
フタレンの選択率における増加は、硫酸中に溶解された
1−ニトロナフタレンとニトロ化酸とを急速にかつ強力
に混合させることによって達成される。この方法の欠点
は、かなりの量の硫酸およびその錯体が生じること、さ
らにはコスト高の再処理である。さらに、トリニトロ化
生成物のかなりの量がこの工程において形成されうる。
このようなトリニトロ化生成物は、明らかに1,5−ジ
ニトロナフタレンの収量を減少させ、かつこのことは、
特には前記従来技術において記載されている断熱反応で
の安全性の観点から重要であると考えられる。
【0005】WO=99/12886において、高い割
合で1,5−ジニトロナフタレンを含有するジニトロナ
フタレン異性体混合物を、ニトロナフタレンから製造す
るための方法が記載されている。ここで、ニトロナフタ
レンと硝酸との反応は、溶剤としてのニトロアルカンま
たはスルホラン中でおこなわれる。しかしながら、この
方法において、生成物混合物は、かなりの量の、未反応
のエダクトである1−ニトロナフタレンをなおも含有し
ている。他の欠点は、1,5−ジニトロナフタレンの低
い量であり、この場合、これは、最大28.3%で生成
物混合物中に含有される。
【0006】さらに、WO−99/12887は、ニト
ロナフタレンを、高い割合の1,5−ジニトロナフタレ
ンを有するジニトロナフタレン異性体混合物を製造する
のに使用する方法を開示している。ここで、ニトロナフ
タレンと硝酸との反応は、固体の、過フッ素化された、
強酸性のイオン交換体の存在下で生じる。一般に、この
方法は、生じるジニトロナフタレン異性体混合物が、9
0℃でジオキサンで抽出することによって触媒から分離
させなけばならないという欠点を有する。その後にジオ
キサンは、付加的な蒸留工程によって除去されなければ
ならない。この方法の他の欠点は、エダクトである1−
ニトロナフタレンの高い変換率を達成するために、硝酸
を多量に添加しなければならないという事実である(6
〜8等量)。かなり高い割合の1,5−ジニトロナフタ
レン(>30%)を有する生成物が、通常はかなり高い
割合の1,8−ジニトロナフタレンを含有するといった
事実もまた欠点である。
【0007】DE−OS−2453529では、ナフタ
レンまたは1−ニトロナフタレンと、硝酸とを、有機溶
剤、たとえば、ジクロロエタンの存在下でニトロ化する
ことによるジニトロナフタレンを製造する方法が記載さ
れており、その際、反応の水の共沸的除去がおこなわれ
る。この方法によって、高い収量でジニトロナフタレン
が得られるが、しかしながら、異性体混合物比に影響す
ることはない。
【0008】WO−94/19310は、重金属で部分
的にドープされた、固体触媒としての、いわゆる“クレ
イコップス(claycops)”であるアルミニウムシリケー
ト上での、芳香族のニトロ化が記載されている。この方
法によるナフタレンのニトロ化は、高い収量でジニトロ
ナフタレンを生じるが、しかしながら、混酸での古典的
ニトロ化と同様の異性体比を有している。
【0009】DE−A1−19958389では、1,
5−ジニトロナフタレンを高められた割合で有するジニ
トロナフタレン異性体混合物の製造方法が記載されてい
る。この方法において、ナフタレンは、少なくとも一つ
のイオン性液体の存在下で、硝酸と反応させる。しかし
ながら、これらのイオン性液体は極めて高価であり、し
たがって、工業的規模での使用には適切ではない。この
方法の他の欠点は、かなり高い過剰量の硝酸が使用され
るといった事実である(添加すべきニトロ基に対して8
〜22等量)。さらに、好ましくない1,8−ジニトロ
ナフタレンの異性体の製造は50〜53%であり、通常
は1,5−ジニトロナフタレンの製造量よりも明らかに
高い(36.5〜39%)。
【0010】
【特許文献1】DE−OS−1150965
【特許文献2】WO=99/12886
【特許文献3】WO−99/12887
【特許文献4】DE−OS−2453529
【特許文献5】WO−94/19310
【特許文献6】DE−A1−19958389
【非特許文献1】G.A.Olah et al.,N
itration:Methods and Mech
anisms,VCH,New York,1989
【非特許文献2】Houben−Weyl:Metho
den der Organischen Chemi
e,4th edition,1971,Vol.X/
1,pp.492−495
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ジニ
トロナフタレン異性体混合物を製造するための簡単かつ
経済的な方法を提供することであり、これによって、ジ
ニトロナフタレンの混合物は高い収量で、かつ1,5−
ジニトロナフタレンを高い割合で得ることができる。
【0012】
【課題を解決するための手段】ゼオライトが、ナフタレ
ンおよび/または1−ニトロナフタレンの硝酸でのニト
ロ化中において、触媒として使用される場合には、1,
5−ジニトロナフタレンに対する異性体比のシフトが可
能であることが見出された。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、ジニトロナフタレン異
性体混合物を製造するための方法を提供し、この場合、
この方法は、ナフタレンおよび/または1−ニトロナフ
タレンを、ゼオライトの存在下で硝酸と反応させる。
【0014】本発明によって製造されるジニトロナフタ
レン異性体混合物は、驚異的に高い割合の1,5−ジニ
トロナフタレンを含有する。この方法において達成する
ことができる1,5−ジニトロナフタレンの割合は、
1,5−ジニトロナフタレンと1,8−ジニトロナフタ
レンとの混合物に対して約60質量%である。副生成物
の割合、特に他のジニトロナフタレン異性体の割合およ
びニトロ化の高い程度を有する生成物の割合は少ない。
【0015】この方法において、ナフタレン、純粋な1
−ニトロナフタレン、またはナフタレンのモノニトロ化
中での粗生成物として得られるような他の粗ニトロナフ
タレン混合物は、出発材料として使用することができ
る。
【0016】本発明による方法は、少なくとも1つのゼ
オライトの存在下で実施される。さらに異なるゼオライ
トの混合物が使用されてもよい。
【0017】これらの基礎構造の用語において、ゼオラ
イトは結晶質アミノシリケートであり、この場合、これ
は、SiOおよびAlO四面体網から形成される。
個々の四面体は、頂部において酸素架橋と一緒に結合し
ており、かつらせん網を形成し、この場合、これは、チ
ャネルまたはキャビティーによって均一に綾振りされる
ものである。格子の負の電荷を補強するために、交換可
能なカチオンが含まれる。アルミニウムは、部分的に他
の元素、たとえば、B、Ga、In、Fe、Cr、V、
As、SbまたはBeによって置換されてもよい。さら
に、ケイ素は、他の3価の元素、たとえばGe、Ti、
ZrまたはHfによって置換されてもよい。ゼオライト
は付加的に、たとえば、H、NH、Li、Na、K、
Mg、Ca、Cu、Zn、希土類金属、Ti、Zr、S
n(IV)、Cr(III)、Fe(II)、Mn(I
I)、CoまたはNiを、交換可能なカチオンとして含
有していてもよい。
【0018】MFI、MOR、BEA、FAU、ME
L、EMT、MTW、LTL、MWW、RHO、FER
またはHEUの構造型のゼオライト(W.M.Meie
r,D.H.Olson,Ch.Baerloche
r,Atlas of Zeolite Struct
ure Types,4thEdition,Else
vier,London,1996)が、好ましくは酸
性Hの形で使用される。別個に、ゼオライトH−be
ta、H−Y、H−モルデナイトおよびH−ZSM−5
が特に適している。H−Y型のゼオライトは特に好まし
くは使用される。
【0019】酸性H型でのゼオライトおよびその製造
は、文献中で詳細に記載されている(R. Szostak, Hand
book of Molecular Sieves, Van Nostrand Reinhold, N
ew York, 1992)。
【0020】ゼオライトは前処理なしで使用されてもよ
いか、あるいは場合によっては前処理することができ
る。前処理は、たとえば、200〜700℃、好ましく
は300〜600℃の温度でか焼によっておこなわれて
もよい。か焼は、たとえば1〜24時間に亘っておこな
われてもよい。か焼の後に、ゼオライトを空気中でかま
たは好ましくは不活性雰囲気下で、たとえば窒素、ヘリ
ウムまたはアルゴン雰囲気下で冷却し、その後にニトロ
化に使用する。
【0021】ゼオライトは、粉末、顆粒、粒子、球体、
ペレットまたは押出物の形で使用することができる。さ
らに、ゼオライトは、無機マトリックス中に包埋しても
よく、この場合、これは好ましくは不活性である。適し
た無機マトリックス材料は、たとえば、二酸化珪素、炭
化ケイ素、酸化アルミニウム、合成有孔材料または粘土
である。さらに、ゼオライトを支持構造上に塗布するこ
とができ、この場合、これは、好ましくは不活性であ
る。適した支持体構造は、たとえば、セラミックモノリ
ス構造、セラミックハニカム構造、セラミックフォー
ム、セラミック構造化パッキング、金属モノリス構造、
金属ハニカム構造、金属フォーム、ニットワイヤーメッ
シュ(knitted wire mesh)、クロス−チャネル構造を
有する金属支持体、金属構造化パッキングおよび金綱織
布からなるバッグパッキングである。
【0022】活性の損失が生じる場合には、ゼオライト
は、たとえば、洗浄、酸処理またはか焼によって再生さ
れてもよく、その後に、本発明による方法中で再利用さ
れてもよい。
【0023】硝酸は好ましくは水溶液で使用される。使
用される硝酸の濃度は、好ましくは40〜100質量
%、より好ましくは50〜100質量%であり、最も好
ましくは60〜99質量%である。
【0024】硝酸は過剰量で、化学量論的に要求される
量でかまたは化学量論的量を下廻る量で使用することが
できる。硝酸の過剰量は、高いナフタレンおよび/また
は1−ニトロナフタレン変換率の達成を容易にし、未変
換の硝酸は分離除去され、かつ方法中に再循環すること
ができる。硝酸の不足は、硝酸の完全な変換を高めるの
を容易にし、未変換のナフタレンおよび/または1−ナ
フタレンは分離除去され、かつ方法中に再循環すること
ができる。
【0025】好ましくは、ナフタレン1モル当たり、
0.2〜40モル、より好ましくは0.4〜20モルの
硝酸、および/または1−ニトロナフタレン1モル当た
り0.1〜20モル、より好ましくは0.2〜10モル
の硝酸が使用される。
【0026】本発明の一つの実施態様において、硝酸は
硫酸および/またはリン酸との混合物中で使用される。
【0027】硫酸が使用される場合には、好ましくは水
溶液の形で使用される。硫酸の濃度は、好ましくは85
〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、
および最も好ましくは95〜100質量%である。
【0028】リン酸が使用される場合には、好ましくは
水溶液として使用される。リン酸の濃度は、好ましくは
50〜99質量%、より好ましくは65〜99質量%、
および最も好ましくは85〜99質量%である。
【0029】硝酸と硫酸および/またはリン酸との混合
物が使用される場合には、この混合物は好ましくは硝酸
1〜20質量部、および硫酸および/またはリン酸1質
量部であり、より好ましくは、硝酸1〜10質量部、お
よび硫酸および/またはリン酸1質量部であり、最も好
ましくは硝酸1〜5質量部、および硫酸および/または
リン酸1質量部である。
【0030】本発明による方法は、好ましくは20〜1
60℃、より好ましくは40〜120℃および最も好ま
しくは50〜100℃の温度で実施される。
【0031】方法は、溶剤なしでかまたは溶剤の存在下
で実施されてもよい。方法は好ましくは、有機溶剤の存
在下で実施される。適した溶剤は、ニトロ化の条件下で
適した任意の溶剤、たとえば炭化水素、ハロゲン化炭化
水素、カルボン酸、ニトロアルカン、ニトロ芳香族化合
物、スルホランおよびジメチルスルホキシドである。好
ましくは、5〜16個の炭素原子を有するn−アルカ
ン、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルカン、リグ
ロニン、過フッ素化炭化水素、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、三塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,2
−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロベンゼン、酢
酸、プロピオン酸、ニトロメタン、ニトロエタン、ニト
ロベンゼン、ジニトロベンゼン、スルホランおよびジメ
チルスルホキシドが溶剤として使用される。n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、リグロイン、ジク
ロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、
1,2−ジクロロプロパン、酢酸、ニトロメタン、ニト
ロエタンおよびスルホランが特に好ましい溶剤である。
【0032】使用されるナフタレンまたはニトロナフタ
レンに対して、添加される有機溶剤の量は、好ましくは
10〜10000質量%、より好ましくは50〜500
0質量%、最も好ましくは100〜5000質量%であ
る。
【0033】本発明の方法において、異なる溶剤の混合
物も使用されてもよい。
【0034】本発明による方法は、連続的に、一部連続
的にかまたは断続的に、減圧、常圧または高められた圧
力下でおこなわれてもよい。さらに、反応混合物から一
つまたはそれ以上の成分を、反応と同時に、例えばスト
リッピング、蒸留または膜分離方法によって分離するこ
とも可能である。方法は好ましくは、常圧下で一部連続
的におこなわれる。方法は特に好ましくは、硝酸をナフ
タレンまたはニトロナフタレン、ゼオライトおよび場合
によっては有機溶剤の混合物中に、好ましい反応温度で
計量供給することによっておこなわれ、この場合、ゼオ
ライトは好ましくは、ナフタレンまたはニトロナフタレ
ンに対して1〜1000質量%、より好ましくは5〜7
50質量%の量で使用される。
【0035】方法は、固体触媒による液相反応に適した
任意の種々の反応器中で、たとえば撹拌された反応器、
固定床反応器または流動床反応器中で、公知方法で実施
されてもよい。さらに循環操作が可能である。方法は好
ましくは撹拌反応器中で実施される。
【0036】方法は、好ましくは、ナフタレンまたは1
−ニトロナフタレン、ゼオライト触媒および場合によっ
ては有機溶剤を一緒に混合し、反応温度に加熱し、その
後に使用すべき酸を一度にかまたは長時間に亘って、連
続的にかまたは少量ずつ添加することによっておこなわ
れる。反応が完全に確実におこなうためには、好ましく
は反応混合物の混合を、たとえば強力な撹拌によってよ
くおこなうことである。反応時間は通常は5分〜24時
間、好ましくは30分〜18時間である。反応混合物
は、当業者に公知の方法で後処理されてもよい。
【0037】ゼオライト触媒は、反応の完了時に、たと
えば濾過、沈殿または遠心によって反応混合物から分離
することができる。ゼオライト触媒が、残存する反応混
合物がそれを通過する固定床反応器中で、固定床触媒と
して使用される場合には、別個の分離工程は必要とされ
ない。
【0038】未反応のナフタレンまたは1−ニトロナフ
タレン、過剰量の硝酸および場合によっては溶剤が、形
成されたジニトロナフタレン異性体混合物から、たとえ
ば相分離、蒸留または分別晶出によって分離することが
でき、その後に工程中に再循環される。
【0039】ジニトロナフタレン異性体混合物は、異性
体ジニトロナフタレンに、たとえば分別晶出によって分
離することができる。たとえば、ジメチルホルムアミド
またはジクロロエタンを溶剤として用いてのこれらの異
性体分離は、一般には公知である(Houben-Weyl: Metho
den der Organischen Chemie, 4th edition, 1971,vo
l. X/1, p.494)。
【0040】さらに本発明は、1,5−ジアミノ−ナフ
タレンの製造方法を提供し、この場合、この方法はナフ
タレンおよび/または1−ニトロナフタレンを、ゼオラ
イトの存在下で硝酸と反応させ、その後に生じる1,5
−ジニトロナフタレンを水素化し1,5−ジアミノナフ
タレンを形成する。
【0041】さらに本発明は、1,5−ジイソシアネー
トナフタレンを製造する方法を提供し、この場合、この
方法は、ナフタレンおよび/または1−ニトロナフタレ
ンをゼオライトの存在下で硝酸と反応させ、その後に生
じる1,5−ジニトロナフタレンを水素化し、1,5−
ジアミノナフタレンを形成し、生じる1,5−ジアミノ
ナフタレンをホスゲン化することによって1,5−ジイ
シアネートナフタレンを形成する。
【0042】1,5−ジアミノナフタレンを形成するた
めの1,5−ジニトロナフタレンを水素化、および1,
5−ジイソシアネートナフタレンを形成するための1,
5−ジアミノナフタレンのホスゲン化は、従来公知であ
る(Houben-Weyl: Methodender Organischen Chemie, 4
th edition, vol. XI/1, pp. 400-401 (1957) andHou
ben-Weyl: Methoden der Organischen Chemie, 4th e
dition, vol. E4, pp. 741-748 (1983))。
【0043】本発明による方法は、次の実施例によって
例証される。
【0044】
【実施例】以下の実施例中で使用されたゼオライト触媒
は、反応前に500℃で少なくとも3時間に亘ってか焼
された。
【0045】生じる混合物の組成は、ガスクロマトグラ
イーによって分析され、かつ内部標準(n−ヘキサデカ
ン)を用いて定量された。
【0046】以下のすべての例において、トリニトロナ
フタレンは全く形成されないか、また多くとも極めて少
ない量で形成される。副生成物または誘導体生成物はい
ずれの場合においても形成されることはない。
【0047】例1 1,2−ジクロロエタンおよびゼオライトH−Yの存在
下で、硝酸を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 11.0g、1−ニトロナフ
タレン 0.6gおよびPQからのゼオライトH−Y
2.0g(粉末、SiO/Al=60)を混合
し、かつ73℃に加熱した。その後に、99質量%の硝
酸 0.60gをすべて一度に添加した。その後に混合
物を73℃で3時間に亘って撹拌した。後処理を、蒸留
水 10mlを添加することによっておこない、引き続
いて、ジクロロメタン 60mlで抽出した。結果を第
1表に示した。
【0048】例2(比較例) 1,2−ジクロロエタンの存在下で、硝酸を用いての1
−ニトロナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 11.0gおよび1−ニトロ
ナフタレン 0.6gを混合し、かつ73℃に加熱し
た。その後に、99質量%の硝酸 0.60gを一度に
添加した。その後に混合物を73℃で3時間に亘って撹
拌した。後処理を蒸留水 10mlを添加することによ
っておこない、引き続いてジクロロメタン60mlで抽
出した。結果を第1表に示した。
【0049】例3 1,2−ジクロロエタンおよびゼオライトH−Yの存在
下での、硝酸を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ
化 1,2−ジクロロエタン 10.0g、1−ニトロナフ
タレン 0.60gおよびPQからのゼオライトH−Y
(粉末、SiO/Al=60)を添加し、80
℃に加熱した。その後に、99質量%の硝酸 0.30
gをすべて一度に添加した。その後に混合物を80℃で
22時間に亘って撹拌した。後処理を脱イオン水 10
mlを添加することによっておこない、引き続いてジク
ロロメタン 60mlで抽出した。結果を第1表に示し
た。
【0050】例4 1,2−ジクロロエタンおよびゼオライトH−Yの存在
下で、硝酸を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0g、1−ニトロナフ
タレン 0.30gおよびPQからのゼオライトH−Y
1.5g(粉末、SiO/Al=60)を混
合し、かつ80℃に加熱した。その後に、99質量%の
硝酸 0.30gをすべて一度に添加した。その後に混
合物を80℃で50分に亘って撹拌した。後処理を脱イ
オン水 10mlの添加によっておこない、引き続いて
ジクロロメタン 60mlで抽出した。結果を第1表に
示した。
【0051】例5 1,2−ジクロロエタンおよびゼオライトH−Yの存在
下で、硝酸を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0g、1−ニトロナフ
タレン 0.50gおよびPQからのゼオライトH−Y
1.5g(粉末、SiO/Al=30)を混
合し、かつ70℃に加熱した。その後に、99質量%の
硝酸 0.60gをゆっくりと30分に亘って添加し
た。その後に混合物を70℃で210分に亘って撹拌し
た。脱イオン水 10mlを添加することによって後処
理をおこない、引き続いてジクロロメタン 60mlで
抽出した。結果を第1表に示した。
【0052】例6(比較例) 1,2−ジクロロエタンの存在下で、硝酸を用いての1
−ニトロナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0gおよび1−ニトロ
ナフタレン 0.50gを混合し、かつ70℃に加熱し
た。その後に、99質量%の硝酸 0.60gを、ゆっ
くりと30分に亘って添加した。その後に混合物を70
℃で210分に亘って撹拌した。後処理を、脱イオン水
10mlを添加することによっておこない、その後
に、ジクロロメタン 60mlで抽出した。結果は第1
表に示した。
【0053】例7 クロロホルムおよびゼオライトH−Yの存在下で、硝酸
を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 クロロホルム 10.0g、1−ニトロナフタレン
0.40gおよびPQからのゼオライトH−Y(粉末、
SiO/Al=30) 1.5gを混合し、か
つ61℃に加熱した。その後に、99質量%硝酸 0.
90gをゆっくりと50分に亘って添加した。その後に
混合物を61℃で190分に亘って撹拌した。後処理を
脱イオン水 10mlを添加することによっておこな
い、引き続いてジクロロメタン 60mlで抽出した。
結果を第1表に示した。
【0054】例8(比較例) クロロホルムの存在下で、硝酸を用いての1−ニトロナ
フタレンのニトロ化 クロロホルム 10.0gおよび1−ニトロナフタレン
0.40gを混合し、61℃に加熱した。その後に、
99質量%の硝酸 0.90gをゆっくりと50分に亘
って添加した。混合物をその後に61℃に190分に亘
って撹拌した。後処理を脱イオン水 10mlの添加に
よっておこない、引き続いてジクロロメタン 60ml
で抽出した。結果を第1表に示した。
【0055】例9 n−ヘプタンおよびゼオライトH−Yの存在下で、硝酸
を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 n−ヘプタン 6.5g、1−ニトロナフタレン 0.
50gおよびPQからのゼオライトH−Y 1.5g
(粉末、SiO/Al=12)を混合し、かつ
60℃で加熱した。その後に、99質量%硝酸 0.4
5gをゆっくりと20分に渡って添加した。その後に混
合物を60℃で160分に亘って撹拌した。後処理を脱
イオン水 10mlを添加することによっておこない、
引き続いてジクロロメタン 60mlで抽出した。結果
を第1表に示した。
【0056】例10 1,2−ジクロロエタンおよびスルホランおよびゼオラ
イトH−Yの存在下で、硝酸を用いての1−ニトロナフ
タレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0g、スルホラン
1.5g、1−ニトロナフタレン 0.60gおよびP
QからのゼオライトH−Y 1.5g(粉末、SiO
/Al=30)を混合し、かつ80℃に加熱し
た。その後に、99質量%の硝酸 0.60gをゆっく
りと30分に亘って添加した。その後に混合物を80℃
で180分に亘って撹拌した。後処理を、脱イオン水
10mlを添加することによっておこない、引き続いて
ジクロロメタン 60mlで抽出した。結果を第1表に
示した。
【0057】例11 1,2−ジクロロエタンおよびゼオライトH−Yの存在
下で、硝酸を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0g、1−ニトロナフ
タレン 0.20gおよびPQからのゼオライトH−Y
1.5g(粉末、SiO/Al=30)を混
合し、かつ83℃に加熱した。その後に、99質量%の
硝酸 0.15gをすべて一度に添加した。その後に混
合物を83℃で1時間に亘って撹拌した。後処理を脱イ
オン水 10mlを添加することによっておこない、引
き続いてジクロロメタン 60mlで抽出した。結果は
第1表に示した。
【0058】例12 1,2−ジクロロエタンおよびゼオライトH−Yの存在
下で、硝酸を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0g、1−ニトロナフ
タレン 0.20gおよびPQからのゼオライトH−Y
1.5g(粉末、SiO/Al=30)を混
合し、50℃に加熱した。その後に、99質量%の硝酸
0.23gをすべて一度に添加した。その後に混合物
を50℃で4時間に亘って撹拌した。後処理を脱イオン
水 10mlを添加することによっておこない、引き続
いてジクロロメタン 60mlで抽出した。結果を第1
表に示した。
【0059】例13 1,2−ジクロロエタンおよびゼオライトH−Yの存在
下で、硝酸を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0g、1−ニトロナフ
タレン 0.30gおよびPQからのゼオライトH−Y
1.5g(粉末、SiO/Al=60)を混
合し、80℃に加熱した。その後に、99質量%の硝酸
0.30gをすべて一度に添加した。その後に混合物
を80℃で20分に亘って撹拌した。後処理を脱イオン
水 10mlを添加することによって、引き続いてジク
ロロメタン 60mlで抽出した。結果を第1表に示し
た。
【0060】例14 ニトロメタンおよびゼオライトH−Yの存在下で、硝酸
を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 ニトロメタン 10.0g、1−ニトロナフタレン
0.60gおよびPQからのゼオライトH−Y(粉末、
SiO/Al=30)を混合し、かつ78℃に
加熱した。その後に、99質量%の硝酸 0.60gを
ゆっくりと30分に亘って添加した。混合物を78℃で
210分に渡って撹拌した。後処理を脱イオン水 10
mlを添加することによっておこない、かつジクロロメ
タン 60mlで抽出した。結果を第1表に示した。
【0061】例15(比較例) ニトロメタンの存在下で、硝酸を用いての1−ニトロナ
フタレンのニトロ化 ニトロメタン 10.0gおよび1−ニトロナフタレン
0.60gを混合し、78℃に加熱した。その後に、
99質量%の硝酸 0.90gをゆっくりと50分に亘
って添加した。その後に混合物を78℃で190分に亘
って撹拌した。後処理は脱イオン水10mlを添加する
ことでおこなわれ、引き続いてジクロロメタン 60m
lで抽出した。結果を第1表に示した。
【0062】例16 ニトロメタンおよび1,2−ジクロロメタンおよびゼオ
ライトH−Yの存在下で、硝酸を用いての1−ニトロナ
フタレンのニトロ化 ニトロメタン 5.0g、1,2−ジクロロエタン
5.0g、1−ニトロナフタレン 0.60gおよびP
QからのゼオライトH−Y 1.5g(粉末、SiO
/Al=30)を混合し、かつ78℃に加熱し
た。その後に、99質量%の硝酸 0.60gをゆっく
りと30分に亘って添加した。その後に混合物を78℃
で210分に亘って撹拌した。後処理を脱イオン水 1
0mlを添加することによっておこない、引き続いてジ
クロロメタン 60mlで抽出した。結果を第1表に示
した。
【0063】例17 ニトロメタンおよびゼオライトH−Yの存在下で、硝酸
を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 ニトロメタン 10.0g、1−ニトロナフタレン
0.80gおよびPQからのゼオライトH−Y 0.4
g(粉末、SiO/Al=30)を混合し、か
つ80℃に加熱した。その後に、99質量%の硝酸
1.20gを70分に亘ってゆっくりと添加した。その
後に混合物を80℃で170分に亘って撹拌した。後処
理を脱イオン水 10mlを添加することによっておこ
ない、引き続いてジクロロメタン 60mlで抽出し
た。結果を第1表に示した。
【0064】例18 ニトロエタンおよびゼオライトH−Yの存在下で、硝酸
を用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 ニトロエタン 10.0g、1−ニトロナフタレン
0.50gおよびPQからのゼオライトH−Y 1.5
g(粉末、SiO/Al=80)を混合し、か
つ78℃に加熱した。その後に、99質量%の硝酸
0.75gをゆっくりと40分に亘って添加した。その
後に混合物を78℃で200分に亘って撹拌した。後処
理を脱イオン水 10mlを添加することによっておこ
ない、引き続いてジクロロメタン 60mlで抽出し
た。結果を第1表に示した。
【0065】例19(比較例) ニトロエタンの存在下で、硝酸を用いての1−ニトロナ
フタレンでのニトロ化 ニトロエタン 10.0gおよび1−ニトロナフタレン
0.50gを混合し、78℃に加熱した。その後に、
99質量%の硝酸 0.75gをゆっくりと40分に亘
って添加した。その後に混合物を78℃で200分に亘
って撹拌した。後処理を脱イオン水 10mlを添加す
ることによっておこない、引き続いてジクロロメタン
60mlで抽出した。結果を第1表に示した。
【0066】
【表1】
【0067】例20 1,2−ジクロロエタンおよびゼオライトH−Yの存在
下で、硝酸を用いてのナフタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0g、ナフタレン
0.44gおよびデグッサ社(Degussa)からのゼオラ
イトH−Y 1.5g(粉末状に粉砕された押出物、S
iO/Al=55)を混合し、かつ80℃に加
熱した。その後に、99質量%の硝酸 0.90gをゆ
っくりと40分に亘って添加した。その後に混合物を8
0℃で200分に渡って撹拌した。後処理を脱イオン水
10mlを添加することによっておこない、引き続い
てジクロロメタン 60mlで抽出した。
【0068】結果: ナフタレン変換率:100% 1−ニトロナフタレン収率:1.0% 1,5−ジニトロナフタレンに対するレジオ選択率:3
8.3% 1,8−ジニトロナフタレンに対するレジオ選択率:4
6.8% 1,5−/1,8−ジニトロナフタレンのモル比:0.
82 例21(比較例) 1,2−ジクロロエタンの存在下で、硝酸を用いてのナ
フタレンのニトロ化 1,2−ジクロロエタン 10.0gおよびナフタレン
0.44gを混合し、かつ80℃に加熱した。その後
に、99質量%の硝酸 0.90gをゆっくりと20分
に亘って添加した。その後に混合物を80℃で220分
に亘って撹拌した。後処理を脱イオン水 10mlを添
加することによっておこない、引き続いてジクロロメタ
ン 60mlで抽出した。
【0069】結果: ナフタレン変換率:100% 1−ニトロナフタレンの収率:62.2% 1,5−ジニトロナフタレンのレジオ選択率:25.2
% 1,8−ジニトロナフタレンのレジオ選択率:65.7
% 1,5−/1,8−ジニトロナフタレンのモル比:0.
38 例22 スルホランおよびゼオライトH−Yの存在下で、硝酸を
用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 スルホラン 302g、1−ニトロナフタレン 15g
およびデグッサ社からのゼオライトH−Y 30g(粉
末状に粉砕された押出物、SiO/Al =2
3)を混合し、かつ80℃に加熱した。その後に、99
質量%の硝酸 44gを30分に亘って添加した。その
後に混合物を80℃で2時間に亘って撹拌した。後処理
を脱イオン水を添加することによっておこない、引き続
いてジクロロメタンで抽出した。
【0070】結果: 1−ニトロナフタレンの変換率:25.6% 1,5−ジニトロナフタレンに対するレジオ選択率:5
5.5% 1,8−ジニトロナフタレンに対するレジオ選択率:3
7.3% 1,5−/1,8−ジニトロナフタレンのモル比:1.
49 1,5−ジニトロナフタレンの収率:14.2% 例23 スルホランおよびゼオライトH−Yの存在下で、硝酸を
用いての1−ニトロナフタレンのニトロ化 スルホラン 302g、1−ニトロナフタレン 15g
およびPQからのゼオライトH−Y 30g(粉末、S
iO/Al=60)を混合し、かつ80℃に加
熱した。その後に、99質量%の硝酸 52gを30分
に亘って添加した。その後に混合物を80℃で2時間に
亘って撹拌した。後処理を脱イオン水を添加することに
よっておこない、引き続いてジクロロメタンで抽出し
た。
【0071】結果: 1−ニトロナフタレンの変換率:53.3% 1,5−ジニトロナフタレンに対するレジオ選択率:5
1.7% 1,8−ジニトロナフタレンに対するレジオ選択率:4
1.3% 1,5−/1,8−ジニトロナフタレンのモル比:1.
25 1,5−ジニトロナフタレンの収率:27.6% 例24(比較例) スルホランの存在下で、硝酸を用いての1−ニトロナフ
タレンのニトロ化 スルホラン 302gおよび1−ニトロナフタレン 2
5gを混合し、かつ80℃に加熱した。その後に、99
質量%の硝酸 55gを40分に亘って添加した。その
後に混合物を80℃で2時間に亘って撹拌した。後処理
を脱イオン水を添加することによっておこない、引き続
いてジクロロメタンで抽出した。
【0072】結果: 1−ニトロナフタレンの変換率:16.3% 1,5−ジニトロナフタレンのレジオ選択率:36.0
% 1,8−ジニトロナフタレンのレジオ選択率:53.5
% 1,5−/1,8−ジニトロナフタレンのモル比:0.
67 1,5−ジニトロナフタレンの収量:5.8% 例25 ニトロメタンおよびゼオライトH−Yの存在下で、1−
ニトロナフタレンの硝酸を用いてのニトロ化 ニトロメタン 300g、1−ニトロナフタレン 18
gおよびPQからのゼオライトH−Y 12g(粉末、
SiO/Al=30)を混合し、かつ80℃に
加熱した。その後に、99質量%の硝酸 26gを60
分に亘って添加した。その後に混合物を80℃で210
分に亘って撹拌した。この期間の後に、反応混合物をゼ
オライトから分離し、かつそれぞれ1,2−ジクロロエ
タン 500mlで2回に亘って、さらにジクロロメタ
ン 500mlで2回に亘って抽出した(それぞれ室温
で30分に亘って)。生成物相を後処理し、かつ得られ
た固体粗生成物の組成をガスクロマトグラフィーによっ
て測定し、かつ内部標準を用いて定量した(n−ヘキサ
デカン): 1,5−ジニトロナフタレンの異性体の割合:50.2
% 1,8−ジニトロナフタレンの異性体の割合:42.6
% 1,5−/1,8−ジニトロナフタレンの比:1.18 粗生成物は、1−ニトロナフタレン、トリニトロナフタ
レンおよび他の副生成物を含有しないジニトロナフタレ
ン異性体混合物であった。この粗生成物 19.2gが
得られた。これは、1,5−ジニトロナフタレン収量の
42.5%に相当する。
【0073】本発明は、例証の目的のために前記に詳細
に記載されているが、これは、このような詳細は、単
に、請求項による制限を除き、当業者が、本発明の目的
および主旨から逸脱することなくおこなうことができる
ための目的および変法を有するものと解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュテファン クライン ドイツ連邦共和国 メトマン アム ハン グ 6 (72)発明者 ゲルハルト ヴェーゲナー ドイツ連邦共和国 メトマン ヘンデルシ ュトラーセ 14 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC51 BA71 BB11 BB12 BB17 BB18 BC31 BE02 BE03 BE04 4H039 CA72 CD10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジニトロナフタレン異性体混合物の製造
    方法において、ゼオライトの存在下で、ナフタレンおよ
    び/または1−ニトロナフタレンと硝酸とを反応させる
    ことを特徴とする、ジニトロナフタレン異性体混合物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 反応を、少なくとも一つの有機溶剤の存
    在下でおこなう、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘ
    キサン、リグロイン、ジクロロメタン、クロロホルム、
    1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、
    酢酸、ニトロメタン、ニトロエタンまたはスルホランを
    有機溶剤として使用する、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 使用される硝酸の濃度が40〜100質
    量%である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ナフタレン1モルに対して硝酸0.2〜
    40モルおよび/または1−ニトロナフタレン1モルに
    対して硝酸0.1〜20モルを使用する、請求項1に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 硝酸を、硫酸および/またはリン酸との
    混合物中で使用する、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ゼオライトをMFI、MOR、BEA、
    FAU、MEL、EMT、MTW、LTL、MWW、R
    HO、FERまたはHEU構造型であり、かつ酸性H
    形で使用する、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ゼオライトがH−Y、H−beta、H
    −モルデナイトまたはH−ZSM−5型である、請求項
    1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 1,5−ジアミノナフタレンの製造方法
    において、 a)ゼオライトの存在下で、ナフタレンおよび/または
    1−ニトロナフタレンを硝酸と反応させることによっ
    て、1,5−ジニトロナフタレンを形成させ、かつ、 b)1,5−ジニトロナフタレンを水素化することによ
    って、1,5−ジアミノナフタレンを形成させることを
    特徴とする、1,5−ジアミノナフタレンの製造方法。
  10. 【請求項10】 1,5−ジイソシアネートナフタレン
    の製造方法において、 a)ゼオライトの存在下で、ナフタレンおよび/または
    1−ニトロナフタレンと硝酸とを反応させることによっ
    て1,5−ジニトロナフタレンを形成させ、 b)1,5−ジニトロナフタレンを水素化することによ
    って1,5−ジアミノナフタレンを形成させ、かつ、 c)1,5−ジアミノナフタレンをホスゲン化すること
    によって、1,5−ジイソシアネートナフタレンを形成
    させることを特徴とする、1,5−ジイソシアネートナ
    フタレンの製造方法。
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