JP2003267035A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003267035A
JP2003267035A JP2002072793A JP2002072793A JP2003267035A JP 2003267035 A JP2003267035 A JP 2003267035A JP 2002072793 A JP2002072793 A JP 2002072793A JP 2002072793 A JP2002072793 A JP 2002072793A JP 2003267035 A JP2003267035 A JP 2003267035A
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air
temperature
vehicle interior
refrigerant
heat
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JP2002072793A
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Inventor
Atsushi Hatakeyama
淳 畠山
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Calsonic Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンプレッサ及び冷媒サイクルの保護や吸熱
用車室内熱交換器の凍結防止を図りつつコンプレッサを
連続的に作動させ、さらに吹き出し温度を安定させるこ
とができる車両用空調装置を提供する。 【解決手段】 可変容量コンプレッサ2の吐出冷媒圧力
を検出するセンサ9の検出結果に基づいて吹き出し温度
が所定温度になるように可変容量コンプレッサの吐出冷
媒容量を制御すると共に、エバポレータ7の出口側の空
気温度を検出するセンサ18の検出結果に基づいてエバ
ポレータの出口側の空気温度が所定温度になるようにイ
ンテークドア32を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内における温
度環境を調整するための車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車室内における温度環境を調整するため
の車両用空調装置としては、冷媒を循環させて冷媒と空
気との間で熱交換を行う冷媒サイクルと、エンジンの排
熱により温められたエンジン冷却水を循環させてエンジ
ン冷却水と空気との間で熱交換を行う温水ラインとを備
えるものが一般的である。
【0003】このような空調装置では、内外気が導入さ
れる車室内空気流路内に、冷媒サイクル中に組み込まれ
る吸熱用車室内熱交換器としてのエバポレータと、温水
ライン中に組み込まれる放熱器としてのヒータコアとが
配設される。
【0004】車室内空気流路内を流れる空気の熱がエバ
ポレータ内の冷媒に吸熱されることにより冷風が生成さ
れ、車室内空気流路内を流れる空気がヒータコアにより
加熱されることにより温風が生成される。そして、これ
ら冷風と温風の割合がエアミックスドアにより調整され
ることで車室内の温度が調整されることになる。
【0005】なお、エバポレータで吸熱して蒸発した冷
媒は、エンジンにより駆動されるコンプレッサで圧縮さ
れて車室外熱交換器としてのメインコンデンサに向けて
吐出され、メインコンデンサで放熱して凝縮した後、膨
張手段としての膨張弁で膨張されてエバポレータに流れ
込む。
【0006】ところで、このような車両用空調装置にお
いては、エンジン冷却水を熱媒体として温風を生成する
ようにしているため、例えばエンジン起動直後や走行負
荷が少ない場合等、エンジン冷却水の水温があまり高温
になっていない状態では、車室内の温度を速やかに昇温
させることができないという問題がある。
【0007】このような問題点に鑑みて、特開平9−1
75140号公報や特開平10−44742号公報に開
示された車両用空調装置では、車室内空気流路内に放熱
用車室内熱交換器としてのサブコンデンサを配設し、暖
房運転時には、冷媒がメインコンデンサを迂回してサブ
コンデンサ、膨張弁、エバポレータ、及びコンプレッサ
の間を循環し、サブコンデンサで車室内空気流路内を流
れる空気に放熱させるようにしている。
【0008】このような構成の車両用空調装置では、エ
ンジン冷却水を熱媒体とするヒータコアに加えて、冷媒
を熱媒体とするサブコンデンサでも温風が生成されるの
で、エンジン起動直後や走行負荷が少ない場合等のよう
に、エンジン冷却水が十分に高温になっていない場合で
あっても、車室内の温度を比較的速やかに昇温させるこ
とができる。
【0009】また、サブコンデンサを加熱する加熱手段
を設けるようにすると、サブコンデンサの温度負荷を高
めることができ、これによって冷媒吐出圧力を速やかに
上昇させることができるので、車室内の温度をより速や
かに昇温させることができる。
【0010】なお、この種の空調装置では、省動力のた
め、車室内が設定温度に達した時点で、コンプレッサク
ラッチをOFFにしてコンプレッサとエンジンとを分離
し、ヒータコアのみの暖房に移行するようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の空調装置では、エバポレータ負荷(吸入空気温度、風
量等)やエンジン回転数の変化に伴って、エバポレータ
の凍結防止のため、あるいはコンプレッサや冷媒サイク
ルの保護を目的として高圧側の圧力上昇を抑えるために
コンプレッサを停止させる場合があり、吹き出し温度が
安定しないという問題点がある。
【0012】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、コンプレッサ及び冷媒サイクルの
保護や吸熱用車室内熱交換器の凍結防止を図りつつコン
プレッサを連続的に作動させ、さらに吹き出し温度を安
定させることができる車両用空調装置を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、内外気が導入される車室内
空気流路内に配設され、圧縮されたガス状の冷媒の熱を
前記車室内空気流路内の空気に放熱させて冷媒を凝縮さ
せる放熱用車室内熱交換器と、前記放熱用車室内熱交換
器で凝縮させた冷媒を膨張させる膨張手段と、前記車室
内空気流路内に配設され、前記膨張手段で膨張させた冷
媒に前記車室内空気流路内の空気の熱を吸熱させて冷媒
を蒸発させる吸熱用車室内熱交換器と、前記吸熱用車室
内熱交換器で蒸発させた冷媒を圧縮して前記放熱用車室
内熱交換器に向けて吐出する可変容量コンプレッサと、
吹き出し温度又は吹き出し温度と相関関係を有する数値
を検出する吹き出し温度検出手段と、前記吹き出し温度
検出手段の検出結果に基づいて吹き出し温度が所定温度
になるように前記可変容量コンプレッサの吐出冷媒容量
を制御するコンプレッサ制御手段と、前記車室内空気流
路内に導入される内気と外気の割合を調節する内外気調
節手段と、前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温
度又は該空気温度と相関関係を有する数値を検出する出
口側温度検出手段と、前記出口側温度検出手段の検出結
果に基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気
温度が所定温度になるように前記内外気調節手段を制御
する内外気制御手段と、を備えることを特徴とする車両
用空調装置である。
【0014】このような構成によれば、吹き出し温度が
変化すると、可変容量コンプレッサが作動しつつ吐出冷
媒容量が調節されて吹き出し温度が所定温度に保たれ
る。また、可変容量コンプレッサがこのように制御され
ることで、高圧側の圧力が過大になることがないので、
コンプレッサや冷媒サイクルを保護することができる。
また、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が変化
すると、内外気調節手段により内気と外気の割合が調節
されて吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定
温度に保たれる。したがって、吸熱用車室内熱交換器が
凍結することがなく、除湿性能の低下を防ぐことができ
る。また、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が
所定温度に保たれることにより、コンプレッサの圧縮比
が安定するため、コンプレッサの耐久性が損われること
がない。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の車両用空調装置において、前記出口側温度検出手段
が、前記車室内空気流路内の湿度を検出するセンサであ
ることを特徴としている。
【0016】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の車両用空調装置において、前記出口側温度検出手段
が、前記コンプレッサの吸入冷媒圧力を検出するセンサ
であることを特徴としている。
【0017】また、請求項4記載の発明は、内外気が導
入される車室内空気流路内に配設され、圧縮されたガス
状の冷媒の熱を前記車室内空気流路内の空気に放熱させ
て冷媒を凝縮させる放熱用車室内熱交換器と、前記放熱
用車室内熱交換器で凝縮させた冷媒を膨張させる膨張手
段と、前記車室内空気流路内に配設され、前記膨張手段
で膨張させた冷媒に前記車室内空気流路内の空気の熱を
吸熱させて冷媒を蒸発させる吸熱用車室内熱交換器と、
前記吸熱用車室内熱交換器で蒸発させた冷媒を圧縮して
前記放熱用車室内熱交換器に向けて吐出する可変容量コ
ンプレッサと、吹き出し温度又は吹き出し温度と相関関
係を有する数値を検出する吹き出し温度検出手段と、前
記吹き出し温度検出手段の検出結果に基づいて吹き出し
温度が所定温度になるように前記可変容量コンプレッサ
の吐出冷媒容量を制御するコンプレッサ制御手段と、前
記車室内空気流路内に導入される内気と外気の割合を調
節する内外気調節手段と、前記放熱用車室内熱交換器を
加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱温度又は該加
熱温度と相関関係を有する数値を検出する加熱温度検出
手段と、前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度
又は該空気温度と相関関係を有する数値を検出する入口
側温度検出手段と、前記加熱温度検出手段の検出結果に
基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度
を所定温度にするための前記吸熱用車室内熱交換器の入
口側の目標空気温度を算出すると共に、前記入口側温度
検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱用車室内熱交換
器の入口側の空気温度が前記目標空気温度になるように
前記内外気調節手段を制御する内外気制御手段と、を備
えることを特徴とする車両用空調装置である。
【0018】このような構成によれば、吹き出し温度が
変化すると、可変容量コンプレッサが作動しつつ吐出冷
媒容量が調節されて吹き出し温度が所定温度に保たれ
る。また、可変容量コンプレッサがこのように制御され
ることで、高圧側の圧力が過大になることがないので、
コンプレッサや冷媒サイクルを保護することができる。
また、加熱手段の加熱温度が変化すると、それに対応し
た吸熱用車室内熱交換器の入口側の目標空気温度が算出
されると共に、内外気調節手段により内気と外気の割合
が調節されて吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度
が目標空気温度にされ、これによって吸熱用車室内熱交
換器の出口側の空気温度が所定温度に保たれる。したが
って、吸熱用車室内熱交換器が凍結することがなく、除
湿性能の低下を防ぐことができる。また、吸熱用車室内
熱交換器の出口側の空気温度気が所定温度に保たれるこ
とによりコンプレッサの圧縮比が安定するため、コンプ
レッサの耐久性が損われることがない。
【0019】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の車両用空調装置において、前記加熱手段は、車両駆
動系冷却水の熱を前記車室内空気流路内の空気に放熱さ
せる放熱器であることを特徴としている。
【0020】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、コンプレ
ッサ制御手段で高圧側の冷媒圧力を制御して吹き出し温
度を所定温度に保つと共に、内外気制御手段で内外気調
節手段を制御して吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気
温度を所定温度に保つようにしたことにより、コンプレ
ッサを作動させつつ吹き出し温度を安定させることがで
きると共にコンプレッサや冷媒サイクルを保護すること
ができ、さらに吸熱用車室内熱交換器の凍結を防止して
除湿性能も確保することができるので、暖房性能と除湿
性能を両立させることができる。また、吸熱用車室内熱
交換器の出口側の空気温度が所定温度に保たれることに
より、可変容量コンプレッサの圧縮比が安定するので、
コンプレッサの耐久性が損われることがない。
【0021】請求項4記載の発明によれば、コンプレッ
サ制御手段で高圧側の冷媒圧力を制御して吹き出し温度
を所定温度に保つと共に、内外気制御手段で内外気調節
手段を制御して吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温
度を目標空気温度になるようにし、これによって吸熱用
車室内熱交換器の出口側の空気温度を所定温度に保つよ
うにしたことにより、コンプレッサを作動させつつ吹き
出し温度を安定させることができると共にコンプレッサ
や冷媒サイクルを保護することができ、さらに吸熱用車
室内熱交換器の凍結を防止して除湿性能も確保すること
ができるので、暖房性能と除湿性能を両立させることが
できる。また、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温
度が所定温度に保たれることにより、可変容量コンプレ
ッサの圧縮比が安定するので、コンプレッサの耐久性が
損われることがない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態の
車両用空調装置1の概略構成図である。この車両用空調
装置1は、冷媒を循環させて冷媒と空気との間で熱交換
を行う冷媒サイクルと、エンジンの排熱により温められ
たエンジン冷却水を循環させてエンジン冷却水と空気と
の間で熱交換を行う温水ラインとを備えている。
【0023】冷媒サイクルは、コンプレッサ2と、メイ
ンコンデンサ3と、放熱用車室内熱交換器としてのサブ
コンデンサ4と、リキッドタンク5と、膨張手段として
の膨張弁6と、吸熱用車室内熱交換器としてのエバポレ
ータ7とを配管部材を介して連通接続し、コンプレッサ
2によって運動エネルギが与えられた冷媒がこれらの間
を循環するように構成したものである。
【0024】コンプレッサ2は、エンジンルームのよう
な車室外に配設され、吸入した低圧のガス状冷媒を圧縮
して高圧のガス状冷媒として吐出する。このコンプレッ
サ2は、例えばエンジン10のクランクシャフトの動力
がコンプレッサクラッチ8を介して伝達されることで駆
動される。このコンプレッサ2は斜板式のもので、その
斜板の傾きが外から電気信号で制御できるようになって
いる。
【0025】つまり、このコンプレッサ2は、図示しな
いが、電気信号による外部制御が可能な電磁弁等の電子
操作式コントロールバルブ(ECV)を有している。例
えば、このECVとして、高圧側と通じている電磁弁を
用いた場合、クランクケース内と低圧側とは所定の開度
の通路で連通しており、クランクケース内の圧力は低圧
側へ逃げるようになっている。よって、かかる電磁弁を
ON/OFFして高圧側圧力を導入・遮断することでク
ランクケース内の圧力を制御することにより、ピストン
に加わる圧力のバランスを変化させて斜板の傾きを変化
させ、これによってコンプレッサ2の吐出容量を制御す
ることができる。
【0026】このとき、電磁弁には、外部からの電気信
号として、車両用空調装置1全体の動作を制御する制御
ユニットから適当な値のデューティ比を持ったデューテ
ィ信号が与えられる。容量を小さくする必要があるとき
は、大きなデューティ比を持ったデューティ信号を与え
て電磁弁の開弁時間を長くしてクランクケース内の圧力
を上昇させ、容量を大きくする必要があるときは、小さ
なデューティ比を持ったデューティ信号を与えて電磁弁
の開弁時間を短くしてクランクケース内の圧力を低下さ
せる。
【0027】メインコンデンサ3は、車室外に配設さ
れ、コンプレッサ2から吐出された高温高圧のガス状冷
媒の熱を外気に放熱させるものである。このメインコン
デンサ3には、例えば電動ファン等の送風手段11が駆
動されることで、外気が吹き付けられるようになってい
る。メインコンデンサ3は、当該メインコンデンサ3内
を通る高温高圧のガス状冷媒と当該メインコンデンサ3
に吹き付けられる外気との間で熱交換を行わせること
で、高温高圧のガス状冷媒の熱を外気に放熱させる。
【0028】サブコンデンサ4は、後述する車室内空気
流路P1内に配設され、コンプレッサ2から吐出された
高温高圧のガス状冷媒の熱を車室内空気流路P1内を流
れる空気に放熱させるものである。車室内空気流路P1
内を流れる空気は、このサブコンデンサ4によって放熱
された冷媒の熱を吸熱することで温風となって車室内空
気流路P1の下流側へと流れてゆくことになる。
【0029】ところで、この車両用空調装置1において
は、メインコンデンサ3とサブコンデンサ4が並列に接
続されており、これらメインコンデンサ3とサブコンデ
ンサ4とが選択的に使用されるようになされている。即
ち、コンプレッサ2から吐出される冷媒が流れる流路
は、三方コネクタ12を介して、メインコンデンサ3を
通過する第1の冷媒ラインL1と、サブコンデンサ4を
通過する第2の冷媒ラインL2とに分岐されている。そ
して、リキッドタンク5の前段で、これら第1の冷媒ラ
インL1と第2の冷媒ラインL2とが三方コネクタ13
を介して合流するようになっている。なお、三方コネク
タ12とコンプレッサ2の間には、コンプレッサ2の吐
出冷媒圧力を検出する吹き出し温度検出手段としてのセ
ンサ9が設けられている。
【0030】第1の冷媒ラインL1には、メインコンデ
ンサ3の前段に電磁弁14が設けられ、メインコンデン
サ3の後段に逆止弁15が設けられている。同様に、第
2の冷媒ラインL2にも、サブコンデンサ4の前段に電
磁弁16が設けられ、サブコンデンサ4の後段に逆止弁
17が設けられている。そして、第1の冷媒ラインL1
に設けられた電磁弁14の開閉状態及び第2の冷媒ライ
ンL2に設けられた電磁弁16の開閉状態が制御ユニッ
トによって切り替えられることで、第1の冷媒ラインL
1又は第2の冷媒ラインL2が選択されるようになされ
ている。
【0031】具体的には、冷房運転時においては、制御
ユニットが、第1の冷媒ラインL1に設けられた電磁弁
14を「開」に設定し、第2の冷媒ラインL2に設けら
れた電磁弁16を「閉」に設定する。これにより、第1
の冷媒ラインL1が選択されて、コンプレッサ2から吐
出された冷媒がメインコンデンサ3へと供給されること
になる。一方、暖房運転時においては、制御ユニット
が、第1の冷媒ラインL1に設けられた電磁弁14を
「閉」に設定し、第2の冷媒ラインL2に設けられた電
磁弁16を「開」に設定する。これにより、第2の冷媒
ラインL2が選択されて、コンプレッサ2から突出され
た冷媒がサブコンデンサ4へと供給されることになる。
【0032】以上のように、この車両用空調装置1にお
いては、制御ユニットが、第1の冷媒ラインL1と第2
の冷媒ラインL2とを選択的に切り替える切り替え手段
として機能し、コンプレッサ2から吐出された冷媒の流
路が冷房運転時と暖房運転時とで切り替えられて、メイ
ンコンデンサ3とサブコンデンサ4とが選択的に使用さ
れるようになっている。
【0033】リキッドタンク5は、メインコンデンサ3
あるいはサブコンデンサ4により放熱されることで低温
となり液化した冷媒を一時的に貯留するものである。こ
のリキッドタンク5は除塵フィルタを備えており、貯留
した液状冷媒中に混在する塵埃を除去する機能も有して
いる。なお、リキッドタンク5は三方コネクタ13の後
段に配設されることが望ましいが、エンジンルーム内の
配管レイアウトによる制限を受けて三方コネクタ13の
後段に配設することが困難な場合には、図1中に破線で
示すように、メインコンデンサ3の直後、あるいはメイ
ンコンデンサ3と一体に配設するようにしてもよい。こ
の場合には、サブコンデンサ4により放熱されて液化し
た冷媒は、リキッドタンク5を介さずに直接膨張弁6に
供給されることになる。
【0034】膨張弁6は、メインコンデンサ3あるいは
サブコンデンサ4により放熱されてリキッドタンク5に
一時的に貯留された液状冷媒を急激に膨張させること
で、低温低圧の霧状の冷媒としてエバポレータ7に供給
するものである。
【0035】エバポレータ7は、車室内空気流路P1内
におけるサブコンデンサ4よりも上流側に配設され、車
室内空気流路P1内を流れる空気の熱を、膨張弁6から
供給された低温低圧の霧状の冷媒に吸熱させるものであ
る。
【0036】膨張弁6により低温低圧の霧状となってエ
バポレータ7に供給された冷媒は、エバポレータ7を通
過する際に、車室内空気流路P1内を流れる空気の熱を
奪って気化する。そして、このガス状冷媒がコンプレッ
サ2に吸入され、再度圧縮されて吐出される。一方、エ
バポレータ7内の冷媒により吸熱された空気は除湿され
て冷風となって車室内空気流路P1の下流側へと流れる
ことになる。なお、エバポレータ7の出口の近傍には、
エバポレータ7を通過した空気の温度を検出する出口側
温度検出手段としてのセンサ18が配設されている。
【0037】冷媒サイクルは、以上のように冷媒を循環
させて、メインコンデンサ3やサブコンデンサ4、エバ
ポレータ7において熱交換を行うことで、車室内空気流
路P1内に温風や冷風を発生させるようにしている。
【0038】温水ラインは、エンジン冷却水を循環させ
ることで、エンジン10の排熱によって高温となったエ
ンジン冷却水を利用して熱交換を行うものであり、ヒー
タコア21が組み込まれている。
【0039】ヒータコア21は、サブコンデンサ4と共
に、車室内空気流路P1内のエバポレータ7よりも下流
側に配設され、エンジン10のウォータージャケットか
ら配管部材を介して供給される冷却水、即ち、エンジン
の排熱によって高温となったエンジン冷却水を熱媒体と
し、このエンジン冷却水の保有熱により放熱するもので
ある。車室内空気流路P1内を流れる空気は、上述した
サブコンデンサ4により放熱される冷媒の熱に加えて、
このヒータコア21からの熱を吸熱することになる。こ
れにより、車室内空気流路P1内で効果的に温風が生成
されることになる。
【0040】なお、エンジン10のウォータージャケッ
トからヒータコア21へとエンジン冷却水を供給する配
管部材にはウォーターバルブ22が設けられており、上
述した制御ユニットによりこのウォーターバルブ22が
調整されることで、ヒータコア21に供給されるエンジ
ン冷却水の流量、即ち、ヒータコア21の放熱量が調整
されるようになされている。
【0041】車室内空気流路P1の上流側にはブロワフ
ァン31が設けられている。このブロワファン31が駆
動されることで、外気導入口から車室内空気流路P1内
に外気が導入され、あるいは内気導入口から車室内空気
流路P1内に内気が導入される。なお、外気導入口及び
内気導入口の近傍には内外気調節手段としてのインテー
クドア32が設けられており、このインテークドア32
が駆動制御されることで、車室内空気流路P1内に導入
される外気と内気の割合が調節されるようになされてい
る。
【0042】外気導入口あるいは内気導入口から車室内
空気流路P1内に導入された空気は、まず、車室内空気
流路P1の上流側に配設されたエバポレータ7を通過す
ることになる。このとき、上述したように、エバポレー
タ7を通過する空気が、このエバポレータ7内の冷媒に
吸熱されることで除湿され、冷風となって下流側へと流
されることになる。
【0043】車室内空気流路P1では、エバポレータ7
の下流側が、ヒータコア21やサブコンデンサ4が配設
された温風流路R1と、ヒータコア21やサブコンデン
サ4を迂回する迂回流路R2とに分岐されている。温風
流路R1に流された空気は、上述したように、ヒータコ
ア21を通過する際に、ヒータコア21からの熱を吸熱
し、更にサブコンデンサ4を通過する際に、サブコンデ
ンサ4内の冷媒から放熱される熱を吸熱して温風とな
り、下流側へ流されることになる。一方、迂回流路R2
に流された空気は、エバポレータ7内の冷媒に吸熱され
た冷風のままの状態で下流側へ流されることになる。
【0044】ここで、温風流路R1と迂回流路R2とに
分岐される分岐点には、温風流路R1に流される空気の
流量と迂回流路R2に流される空気の流量との割合を調
整するためのエアミックスドア33が設けられている。
そして、このエアミックスドア33が駆動制御されて温
風流路R1に流される空気の流量と迂回流路R2に流さ
れる空気の流量との割合が調整されることで、最終的
に、デフロスタ吹出口やベント吹出口、フット吹出口か
ら吹き出される空気の温度が調整されるようになってい
る。
【0045】車室内空気流路P1の温風流路R1や迂回
流路R2の更に下流側には、温風流路R1からの温風と
迂回流路R2からの冷風とを混合するためのエアミック
スチャンバ34が設けられている。そして、このエアミ
ックスチャンバ34には、温風と冷風とが混合されて温
度調整された空気をフロントウィンドウガラスに向けて
吹き出すためのデフロスタ吹出口、乗員の上半身に向け
て吹き出すためのベント吹出口、乗員の足下に向けて吹
き出すためのフット吹出口がそれぞれ設けられている。
各吹出口の近傍には、デフロスタドア35、ベントドア
36、及びフットドア37がそれぞれ設けられており、
これらのドアが駆動制御されることによって、各吹出口
から吹き出される空気の流量が調整されるようになされ
ている。
【0046】以上のように構成された車両用空調装置1
においては、エバポレータ7を通過することで除湿され
た空気をヒータコア21やサブコンデンサ4により加熱
して温風を生成するようにしているので、暖房運転時に
除湿を行うこともできる。
【0047】また、この車両用空調装置1においては、
放熱用車室内熱交換器であるサブコンデンサ4を車室内
空気流路P1内に配設して、ヒータコア21だけでな
く、サブコンデンサ4でも温風を生成するようにしてい
るので、エンジン冷却水の温度が十分に高温となってい
ない場合であっても車室内の温度を比較的速やかに昇温
させることができる。なお、省動力のため、エンジン冷
却水が所定温度に達した時点で、コンプレッサクラッチ
8をOFFにしてヒータコア21のみの暖房に移行する
ようになっている。
【0048】そして、この車両用空調装置1は、暖房時
の吹き出し温度を安定させるためのコンプレッサ制御手
段を有しており、このコンプレッサ制御手段は、制御ユ
ニットのメモリに格納されたプログラムにより構成され
ている。図2は、このコンプレッサ制御手段100によ
るコンプレッサ2の制御手順を示すフローチャートであ
る。
【0049】同図に示すように、プログラムがスタート
すると、まず、車両用空調装置1の制御前提条件を満た
すか否かが判断される(ステップS10)。この制御前
提条件は、例えば、イグニッションスイッチのON/O
FF状態、エアコンスイッチのON/OFF状態、及び
ECVの作動許否状態のデータに基づいて行われる。具
体的には、イグニッションスイッチがON状態にあり、
かつエアコンスイッチがON状態にあり、かつECVが
作動許可状態にあるときには制御前提条件を満たすもの
と判断され、以下の制御が実行される。なお、制御前提
条件を満たさない場合には制御が終了する。
【0050】制御前提条件を満たす場合には、目標吹き
出し温度TAOが算出される(ステップS20)。このTAO
は、車室内の温度を、図示しない操作パネルを介して入
力された設定温度(乗員が希望する車室内の温度)にす
るためのもので、外気温センサ、室温センサ、日射量セ
ンサ等が検出した値に基づいて算出される。次いで、制
御実施条件を満たすか否かが判断される。即ち、エンジ
ン冷却水の水温を検出するセンサ(図示せず)が検出し
た水温とTAOの差が算出され、この値が所定値以下であ
る場合には制御実施条件を満たすものと判断されて(ス
テップS30)、TAOに対応した目標吐出冷媒圧力が算
出される(ステップS40)。
【0051】この値は、サブコンデンサ4の出口側の空
気の温度がTAOになるように設定される。TAOは30〜6
0℃、目標吐出冷媒圧力は10〜20kg/cm2Gの範囲で
設定される。一例として、TAOが30℃の場合には目標
吐出冷媒圧力が10kg/cm2G、TAOが55℃の場合には目
標吐出冷媒圧力が18kg/cm2Gに設定される。
【0052】次いで、センサ9が検出するコンプレッサ
2の吐出冷媒圧力が目標吐出冷媒圧力となるようにコン
プレッサ2のECVが制御される(ステップS50)。
さらに、エアミックスドア33が、実線で示すように、
車室内空気流路P1内を流れる空気を温風流路R1のみ
に導入する位置(フルHOT)に固定される(ステップ
S60)。
【0053】そして、ステップS10に戻って上記処理
が繰り返される。なお、エンジンの温度が上昇し、ステ
ップS30でエンジン冷却水の水温とTAOの差が所定値
よりも大きくなった場合には、コンプレッサクラッチ8
がOFFにされてヒータコア21のみの暖房に移行し
(ステップS70)、さらに、エアミックスドア33の
角度が調節されて車室内空気流路P1内を流れる空気が
温風流路R1と迂回流路R2とに流れ込んでエアミック
スチャンバ34で混合されるエアミックス制御に移行す
る(ステップS80)。
【0054】この車両用空調装置1では、エバポレータ
負荷やエンジン回転数の変化によりコンプレッサ2の吐
出冷媒圧力が変化したとしても、コンプレッサ2の吐出
冷媒容量が制御されてすぐに目標吐出冷媒圧力に戻るの
で、吹き出し温度を安定させることができる。
【0055】また、車室内が設定温度に達しても、エン
ジン冷却水が所定温度に達するまではヒータコア21の
みの暖房に切り替えることがないので、吹き出し温度が
急激に低下することはない。なお、コンプレッサ2の駆
動時間は長くなるが、エンジン冷却水の水温の上昇に従
ってコンプレッサ2の吐出冷媒容量が減少するので、省
動力化を実現することができる。
【0056】さらに、この車両用空調装置1は、エバポ
レータ7の出口側の空気の温度を所定温度に保つための
内外気制御手段を有しており、この内外気制御手段は、
制御ユニットのメモリに格納されたプログラムにより構
成されている。図3、4は、この内外気制御手段200
によるインテークドア32の制御手順を示すフローチャ
ートである。
【0057】同図に示すように、プログラムがスタート
すると、まず、車両用空調装置1の制御前提条件を満た
すか否かが判断される(ステップS110)。この制御
前提条件は、コンプレッサ制御手段100のステップS
10と同様のものであり、制御前提条件を満たすものと
判断された場合には以下の制御が実行され、制御前提条
件を満たさない場合には制御が終了する。
【0058】制御前提条件を満たす場合には、エバポレ
ータ7の出口側の空気の目標温度Tofintと、センサ18
が検出した実際のエバポレータ7の出口側の空気の温度
Tintとの差θintが算出される(ステップS120)。
なお、Tofintは、エバポレータ7が凍結せず、かつ適切
な除湿性能を確保できるように設定され、−1〜2℃程
度、好ましくは0〜1℃程度に設定される。
【0059】次いで、算出されたθintに基づいて、イ
ンテークドア32の移動量dXintが設定される(ステップ
S130)。Xintはインテークドア32による内気導入
口及び外気導入口の開閉状態を表す数値で、0〜100
(%)の間で変動し、インテークドア32が内気導入口
を完全に閉鎖し、かつ外気導入口を完全に開放した状態
を100とし、その逆の状態を0とする。
【0060】θintが0以上(即ち、TintがTofintより
も低い)の場合には、内気の割合を増加させる必要があ
るので、インテークドア32が内気導入口を開放する方
向に移動するように、dXintは負の値に変換される(ス
テップS150)。一方、θintが0未満(即ち、Tint
がTofintよりも高い)の場合には、外気の割合を増加さ
せる必要があるので、インテークドア32が外気導入口
を開放する方向に移動するように、dXintは正の値のま
まとされる(ステップS160)。
【0061】次いで、XintにdXintを加算して新しいXin
tとし(ステップS170)、このXintが100以上で
あるか否かを判定し(ステップS180)、100以上
である場合にはXintを100とする(ステップS19
0)。また、Xintが0以下であるか否かを判定し(ステ
ップS200)、0以下である場合にはXintを0とする
(ステップS210)。このようにして得られたXintに
基づいてインテークドア32が駆動制御された後(ステ
ップS220)、ステップS110に戻って上記処理が
繰り返される。
【0062】このように、コンプレッサ2で高圧側の冷
媒圧力を制御してサブコンデンサ4の出口側の空気の温
度をTAOに保ちつつ、エバポレータ7の出口側の空気の
温度を目標温度Tofintに保つようにしたことにより、コ
ンプレッサ2を作動させつつ吹き出し温度を安定させる
ことができると共にコンプレッサ2や冷媒サイクルを保
護することができ、さらにエバポレータ7の凍結を防止
して適切な除湿を行うことができるため、暖房性能と除
湿性能を両立させることができる。また、エバポレータ
7の出口側の空気の温度が目標温度Tofintに保たれるこ
とで、コンプレッサの圧縮比が安定するため、コンプレ
ッサの耐久性が損われることがない。
【0063】次に、本発明の第2の実施形態を説明す
る。図5は本発明の第2の実施形態の車両用空調装置5
1の概略構成図である。なお、本実施形態において、第
1の実施形態と対応する部分には同一の符号を付してあ
り、同一の部分については説明を省略してある。
【0064】本実施形態では、サブコンデンサ4がヒー
タコア21の熱を受熱可能な位置に配設されている。こ
こで、ヒータコア21の熱を受熱可能な位置とは、車室
内空気流路P1内に空気が流れていない状態において
も、ヒータコア21の熱が伝達される位置のことをい
う。具体的には、例えば、サブコンデンサ4がヒータコ
ア21に極めて近い位置に配設されている場合や、サブ
コンデンサ4とヒータコア21とが一体構造とされてい
る場合には、サブコンデンサ4はヒータコア21の熱を
受熱可能である。
【0065】このように、放熱用車室内熱交換器である
サブコンデンサ4を、ヒータコア21の熱を受熱可能な
位置に配設するようにしたことにより、加熱手段として
のヒータコア21によりサブコンデンサ4の温度負荷を
高めて冷媒吐出圧力を速やかに上昇させることができる
ので、極めて良好な急速暖房性能を発揮することができ
る。なお、急速暖房性能を更に良好なものとするために
は、ヒータコア21を、車室内空気流路P1内の放熱用
車室内熱交換器であるサブコンデンサ4よりも上流側に
配設することが望ましい。
【0066】即ち、ヒータコア21がサブコンデンサ4
よりも下流側に配設された場合には、車室内空気流路P
1内に導入されてエバポレータ7を通過することで冷風
とされた空気がサブコンデンサ4に直接当たることにな
り、サブコンデンサ4の温度負荷が低くなって冷媒吐出
圧が上昇しにくい。これに対し、ヒータコア21がサブ
コンデンサ4よりも上流側に配設された場合には、エバ
ポレータ7により冷風とされた空気がヒータコア21を
介してサブコンデンサ4に当たることになるので、サブ
コンデンサ4の温度負荷がそれほど低くならず、冷媒吐
出圧を更に速やかに上昇させることが可能となる。ま
た、この場合には、ヒータコア21の熱を、車室内空気
流路P1内を流れる空気を媒介としてサブコンデンサ4
に伝達することもできるので、ヒータコア21からサブ
コンデンサ4へ伝達される熱の伝達効率がより良好とな
り、更に良好な急速暖房性能を発揮することができる。
【0067】また、急速暖房性能を更に良好なものとす
るためには、放熱用車室内熱交換器であるサブコンデン
サ4とヒータコア21とを一体構造とすることが望まし
い。このように、サブコンデンサ4とヒータコア21と
を一体構造とした場合には、ヒータコア21の熱が直接
サブコンデンサ4に伝達されることになるので、ヒータ
コア21からサブコンデンサ4へ伝達される熱の伝達効
率が更に良好となり、極めて良好な急速暖房性能を発揮
することができる。
【0068】また、サブコンデンサ4とヒータコア21
とを一体構造とすれば、装置全体の小型化や低コスト化
等の観点からも非常に有利である。ここで、サブコンデ
ンサ4とヒータコア21とを一体構造とする方法として
は、例えば、サブコンデンサ4のフィンとヒータコア2
1のフィンとを一体とすること等が考えられる。
【0069】このように、サブコンデンサ4がヒータコ
ア21の熱を受熱可能な位置に配設されていると、エン
ジン冷却水の水温の上昇によってサブコンデンサ4の放
熱量が低下してエバポレータ7の吸熱量が低下する。第
1の実施形態のように、エバポレータ7の出口側の空気
温度を検出してインテークドア32を制御してエバポレ
ータ7の出口側の空気温度を目標空気温度に近づけよう
とすると、エンジン冷却水の水温変動に対するエバポレ
ータ7の出口側の空気温度の応答が遅いため、インテー
クドア32の開度がオーバーシュートしてハンチングし
てしまう。よって、エバポレータ7の出口側の空気温度
が目標空気温度に収束せず、突曇が発生したり、適切な
暖房が行えなくなる等の問題が生じる。
【0070】そこで、本実施形態では、エバポレータ7
の入口の近傍に、エバポレータ7に導入される空気の温
度を検出する入口側温度検出手段としてのセンサ19を
配設すると共に、エバポレータ7の入口側の空気の温度
を目標空気温度に保つための内外気制御手段を設けてい
る。この内外気制御手段は、制御ユニットのメモリに格
納されたプログラムにより構成されている。図6、7
は、この内外気制御手段300によるインテークドア3
2の制御手順を示すフローチャートである。
【0071】同図に示すように、プログラムがスタート
すると、まず、車両用空調装置1の制御前提条件を満た
すか否かが判断される(ステップS310)。この制御
前提条件は、コンプレッサ制御手段100のステップS
10と同様のものであり、制御前提条件を満たすものと
判断された場合には以下の制御が実行され、制御前提条
件を満たさない場合には制御が終了する。
【0072】制御前提条件を満たす場合には、エバポレ
ータ7の入口側の空気の目標空気温度Tofsucが算出され
る(ステップS320)。この値は、エバポレータ7の
出口側の空気温度を第1の実施形態で説明したTofintに
するためのもので、ヒータコア21を流れるエンジン冷
却水の水温を検出する加熱温度検出手段としてのセンサ
20に基づいて設定される。図8に示すように、Tofsuc
はエンジン冷却水の水温が高くなるほど小さくなってゆ
く。
【0073】次いで、Tofsucと、センサ19が検出した
実際のエバポレータ7の入口側の空気の温度Tsucとの差
θsucが算出され(ステップS330)、これに基づい
てインテークドア32の移動量dXintが設定される(ステ
ップS340)。上述したように、Xintはインテークド
ア32による内気導入口及び外気導入口の開閉状態を表
す数値で、0〜100(%)の間で変動し、インテーク
ドア32が内気導入口を完全に閉鎖し、かつ外気導入口
を完全に開放した状態を100とし、その逆の状態を0
とする。図9に示すように、dXintはθsucの絶対値に基
づいて段階的に設定される。
【0074】θsucが0以上(即ち、TsucがTofsucより
も低い)の場合には、内気の割合を増加させる必要があ
るので、インテークドア32が内気導入口を開放する方
向に移動するように、dXintは負の値に変換される(ス
テップS360)。一方、θsucが0未満(即ち、Tsuc
がTofsucよりも高い)の場合には、外気の割合を増加さ
せる必要があるので、インテークドア32が外気導入口
を開放する方向に移動するように、dXintは正の値のま
まとされる(ステップS370)。
【0075】次いで、XintにdXintを加算して新しいXin
tとし(ステップS380)、このXintが100以上で
あるか否かを判定し(ステップS390)、100以上
である場合にはXintを100とする(ステップS40
0)。また、Xintが0以下であるか否かを判定し(ステ
ップS410)、0以下である場合にはXintを0とする
(ステップS420)。このようにして得られたXintに
基づいてインテークドア32が駆動制御された後(ステ
ップS430)、ステップS310に戻って上記処理が
繰り返される。
【0076】このように、コンプレッサ2で高圧側の冷
媒圧力を制御してサブコンデンサ4の出口側の空気の温
度をTAOに保ちつつ、エバポレータ7の出口側の空気の
温度を目標温度Tofintに保つようにしたことにより、コ
ンプレッサ2を作動させつつ吹き出し温度を安定させる
ことができると共にコンプレッサ2や冷媒サイクルを保
護することができ、さらにエバポレータ7の凍結を防止
して適切な除湿を行うことができるため、暖房性能と除
湿性能を両立させることができる。また、エバポレータ
7の出口側の空気の温度が目標温度Tofintに保たれるこ
とで、コンプレッサの圧縮比が安定するため、コンプレ
ッサの耐久性が損われることがない。
【0077】なお、上記第1、第2実施形態では、コン
プレッサの吐出冷媒圧力を検出してコンプレッサの吐出
冷媒容量を制御するようにしているが、これに代えて、
コンプレッサの吐出冷媒温度や放熱用車室内熱交換器の
出口側の空気温度を検出してコンプレッサの吐出冷媒容
量を制御するようにしてもよい。
【0078】また、上記第1実施形態では、吸熱用車室
内熱交換器の出口側の空気の温度を検出して内外気調節
手段を制御するようにしているが、これに代えて、車室
内空気流路内の湿度やコンプレッサの吸入冷媒圧力を検
出して内外気調節手段を制御するようにしてもよい。
【0079】また、上記実施形態では、放熱器がエンジ
ン冷却水の熱を車室内空気流路内の空気に放熱させるよ
うにしているが、これに代えて、エンジン冷却水以外の
車両駆動系冷却水、例えば、電気自動車のモータの冷却
水、燃料電池車のスタック冷却水等の熱を放熱させるよ
うにしてもよい。
【0080】また、サブコンデンサを加熱する加熱手段
は、車両駆動系冷却水の熱を放熱させる放熱器に限られ
るものではない。
【0081】その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で上記実施形態に種々の変形を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である車両用空調装置
1の概略構成図である。
【図2】コンプレッサ制御手段100による車両用空調
装置1の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の内外気制御手段200による
インテークドア32の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図4】第1の実施形態の内外気制御手段200による
インテークドア32の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図5】本発明の第2の実施形態である車両用空調装置
51の概略構成図である。
【図6】第2の実施形態の内外気制御手段300による
インテークドア32の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図7】第2の実施形態の内外気制御手段300による
インテークドア32の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図8】エンジン冷却水の水温とエバポレータの入口側
の目標空気温度との関係を示すグラフである。
【図9】エバポレータの入口側の目標空気温度とエバポ
レータの入口側の空気温度との差の絶対値とインテーク
ドアの移動量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、51 車両用空調装置 2 可変容量コンプレッサ 4 サブコンデンサ(放熱用車室内熱交換器) 6 膨張弁(膨張手段) 7 エバポレータ(吸熱用車室内熱交換器) 9 センサ(吹き出し温度検出手段) 18 センサ(出口側温度検出手段) 19 センサ(入口側温度検出手段) 20 センサ(加熱温度検出手段) 21 ヒータコア(加熱手段) 32 インテークドア(内外気制御手段) 100 コンプレッサ制御手段 200、300 内外気制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外気が導入される車室内空気流路内に
    配設され、圧縮されたガス状の冷媒の熱を前記車室内空
    気流路内の空気に放熱させて冷媒を凝縮させる放熱用車
    室内熱交換器と、 前記放熱用車室内熱交換器で凝縮させた冷媒を膨張させ
    る膨張手段と、 前記車室内空気流路内に配設され、前記膨張手段で膨張
    させた冷媒に前記車室内空気流路内の空気の熱を吸熱さ
    せて冷媒を蒸発させる吸熱用車室内熱交換器と、 前記吸熱用車室内熱交換器で蒸発させた冷媒を圧縮して
    前記放熱用車室内熱交換器に向けて吐出する可変容量コ
    ンプレッサと、 吹き出し温度又は吹き出し温度と相関関係を有する数値
    を検出する吹き出し温度検出手段と、 前記吹き出し温度検出手段の検出結果に基づいて吹き出
    し温度が所定温度になるように前記可変容量コンプレッ
    サの吐出冷媒容量を制御するコンプレッサ制御手段と、 前記車室内空気流路内に導入される内気と外気の割合を
    調節する内外気調節手段と、 前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度又は該空
    気温度と相関関係を有する数値を検出する出口側温度検
    出手段と、 前記出口側温度検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱
    用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定温度になる
    ように前記内外気調節手段を制御する内外気制御手段
    と、を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記出口側温度検出手段は、前記車室内
    空気流路内の湿度を検出するセンサであることを特徴と
    する請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記出口側温度検出手段は、前記コンプ
    レッサの吸入冷媒圧力を検出するセンサであることを特
    徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 内外気が導入される車室内空気流路内に
    配設され、圧縮されたガス状の冷媒の熱を前記車室内空
    気流路内の空気に放熱させて冷媒を凝縮させる放熱用車
    室内熱交換器と、 前記放熱用車室内熱交換器で凝縮させた冷媒を膨張させ
    る膨張手段と、 前記車室内空気流路内に配設され、前記膨張手段で膨張
    させた冷媒に前記車室内空気流路内の空気の熱を吸熱さ
    せて冷媒を蒸発させる吸熱用車室内熱交換器と、 前記吸熱用車室内熱交換器で蒸発させた冷媒を圧縮して
    前記放熱用車室内熱交換器に向けて吐出する可変容量コ
    ンプレッサと、 吹き出し温度又は吹き出し温度と相関関係を有する数値
    を検出する吹き出し温度検出手段と、 前記吹き出し温度検出手段の検出結果に基づいて吹き出
    し温度が所定温度になるように前記可変容量コンプレッ
    サの吐出冷媒容量を制御するコンプレッサ制御手段と、 前記車室内空気流路内に導入される内気と外気の割合を
    調節する内外気調節手段と、 前記放熱用車室内熱交換器を加熱する加熱手段と、 前記加熱手段の加熱温度又は該加熱温度と相関関係を有
    する数値を検出する加熱温度検出手段と、 前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度又は該空
    気温度と相関関係を有する数値を検出する入口側温度検
    出手段と、 前記加熱温度検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱用
    車室内熱交換器の出口側の空気温度を所定温度にするた
    めの前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の目標空気温度
    を算出すると共に、前記入口側温度検出手段の検出結果
    に基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温
    度が前記目標空気温度になるように前記内外気調節手段
    を制御する内外気制御手段と、を備えることを特徴とす
    る車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱手段は、車両駆動系冷却水の熱
    を前記車室内空気流路内の空気に放熱させる放熱器であ
    ることを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
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