JP2003266086A - ハロゲン化合物含有排水の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化合物含有排水の処理方法

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JP2003266086A JP2002069979A JP2002069979A JP2003266086A JP 2003266086 A JP2003266086 A JP 2003266086A JP 2002069979 A JP2002069979 A JP 2002069979A JP 2002069979 A JP2002069979 A JP 2002069979A JP 2003266086 A JP2003266086 A JP 2003266086A
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Junichi Miyake
純一 三宅
Takaaki Hashimoto
高明 橋本
Toru Ishii
徹 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化合物含有排水を処理するにあたり、
排水の浄化性能が高く、処理コストを低く抑えることが
できる新規な排水の処理方法を提供する。 【解決手段】ハロゲン化合物含有排水を、酸素源の存在
下、該排水が液相を保持する圧力下で、酸化および/ま
たは分解する湿式酸化処理において、反応系の材質とし
て内面を樹脂で被覆した材質を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化合物を
含有する排水を効果的に浄化処理する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化合物は、それ自体が腐食性を
有していたり、酸化および/または分解されることによ
って腐食性物質を生成したりする場合が多い。このよう
なハロゲン化合物を含有する排水を湿式酸化処理した場
合、反応系の内部は温度・圧力が高くなる場合が多いた
め、該ハロゲン化合物による材質の腐食が生じやすい。
湿式酸化処理では、反応系内に酸素源として空気を供給
する場合が多く、これに伴い排水の一部が空気に同伴さ
れて気化するため、排水中のハロゲン化合物が濃縮され
ることが多い。また、加熱・加圧して湿式酸化処理を行
う場合には、更に排水が気化しやすくなるため、排水中
のハロゲン化合物が高濃度になって反応系材質の腐食を
生じる場合が多い。このような腐食は、該ハロゲン化合
物が塩素化合物であり、かつ該塩素化合物の濃度が塩化
物イオンとして100mg/L以上である場合に特に生
じやすい。このため、前処理によってハロゲン化合物を
除去したり、高倍率の希釈を行ったり、高級材質を用い
たりする必要があった。前処理によってハロゲン化合物
を除去する方法は、該前処理設備の設備費や運転費が問
題となることが多かった。また、高倍率の希釈を行うこ
とにより、ハロゲン化合物濃度を許容濃度以下に低減す
る方法では、処理対象となる排水量が増大するため、設
備費や運転費が増大する問題があった。また、反応系の
材質として耐食性の高いチタンやニッケル、あるいはそ
の他の耐食性合金を用いた場合、これらの材質は非常に
高価であるため、設備費が高騰する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決することができる新規な処理方法を提供す
ることにある。すなわち本発明では、安価な設備費でハ
ロゲン化合物を含有する排水を湿式酸化処理することが
できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、ハロゲン化合物
含有排水を、酸素源の存在下、該排水が液相を保持する
圧力下で、酸化および/または分解する湿式酸化処理に
おいて、反応系の材質として内面を樹脂で被覆した材質
を使用する新規な排水の処理方法を見出し、本発明を完
成するに至った。本発明においては、反応系の材質とし
て、内面をフルオロポリマーでライニングした材質を用
いることが好ましい。また本発明は、ハロゲン化合物含
有排水に含まれるハロゲン化合物が塩素化合物であり、
かつ該塩素化合物の濃度が塩化物イオンとして100m
g/L以上である場合に特に有効な排水の処理方法であ
る。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、ハロゲン化合物含有排
水を、酸素源の存在下、該排水が液相を保持する圧力下
で、酸化および/または分解する湿式酸化処理におい
て、反応系の材質として内面を樹脂で被覆した材質を使
用する新規な排水の処理方法である。これにより、設備
の耐久性を損なうことなく、設備費を低減することがで
きる。本発明における「酸化および/または分解」と
は、例えばエタノールを酢酸にする酸化処理、酢酸を二
酸化炭素と水にする酸化分解処理、酢酸を二酸化炭素と
メタンにする脱炭酸分解処理、各種有機物を低分子量化
する分解処理、尿素をアンモニアと二酸化炭素にする加
水分解処理、アンモニアやヒドラジンを窒素ガスと水に
する酸化分解処理、硝酸イオンもしくは亜硝酸イオンを
窒素ガスにする分解処理、有機ハロゲン化合物の脱塩素
処理などを包含し、排水中の有害物質を実質的に無害な
ものに変換することを意味する。本発明の処理対象とな
る排水としては、例えば、化学プラント、電子部品製造
設備、食品加工設備、印刷製版設備、発電設備、写真処
理設備、金属加工設備、金属メッキ設備、金属精錬設
備、紙パルプ製造設備などの各種産業プラントから排出
される排水のうちハロゲン化合物が含まれているもの
や、屎尿、下水などの生活排水、廃棄物焼却炉排水、埋
立地浸出水などの種々のハロゲン化合物含有排水が挙げ
られる。また、有害物質を含有する土壌を処理するため
に該土壌中の有害物質を液中に抽出した抽出液も本発明
の処理対象排水として扱うことができる。本発明におい
てハロゲン化合物とは、その分子内に少なくとも1個以
上のハロゲン原子を含有する化合物のことを指す。無機
ハロゲン化合物としては、例えば塩化ナトリウム、塩化
カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩素、臭
素、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩化アンモニ
ウム、過塩素酸、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸など
が挙げられる。また、有機ハロゲン化合物としては、例
えば塩化メチル、塩化エチル、塩化ブチル、ジクロロエ
チレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、
1,1,1-トリクロロエタン、塩化ビニル、クロロホルム、
クロロアセトアルデヒド、トリクロロ酢酸などの脂肪族
有機塩素化合物;臭化メチル、臭化エチル、臭化ビニル
などの脂肪族有機臭素化合物;モノクロロベンゼン、ポ
リ塩化ベンゼン、クロロフェノール、ポリ塩化フェノー
ル、塩化ベンジルなどの芳香族有機塩素化合物;臭化ベ
ンジル、臭化ベンジリデンなどの芳香族有機臭素化合
物;トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタ
ンなどのフロン;ダイオキシン類(臭素化合物も含
む。);コプラナ−PCBなどのポリ塩化ビフェニール
類(PCB);ポリ臭化ビフェニール類(PBB);ア
ルドリン、ディルドリン、エンドリン、クロルデンなど
の残留性有機汚染物質(POPs);2,4,5−トリ
クロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢
酸、アトラジン、アラクロール、シマジン、ニトロフェ
ン、トリフルラリン、ヘキサクロロシクロヘキサン、
1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、ケルセン、ベ
ンゾエピン、ヘプタクロル、メトキシクロル、シペルメ
トリン、エスフェンバレレート、フェンバレレート、ペ
ルメトリンなどのハロゲンを含有する外因性内分泌攪乱
化学物質(環境ホルモン)などが例示される。本発明の
対象となるハロゲン化合物は、これらの無機ハロゲン化
合物、有機ハロゲン化合物に限定されるものではない。
以下、図面を参照して本発明の排水の処理方法について
例示的に説明するが、これらの図面は本発明の実施態様
の一例を示す概略図であり、本発明で用いることができ
る装置をこれに限定する趣旨ではない。
【0007】本発明の基本的な処理フローを図1に示
す。排水供給ライン1から処理対象となる排水をポンプ
2により昇圧フィードする。一方、酸素源供給ライン3
からは酸素源を導入し、コンプレッサー4で昇圧した
後、排水に混入させる。ここで得られる気液混合物は熱
交換器5で加熱され、さらに加熱器6で加熱された後、
反応塔7に導入され、ここで湿式酸化処理される。反応
塔7で処理された処理液は必要に応じて熱交換器5や冷
却器8で適宜冷却された後、気液分離器9によって気体
と液体に分離される。
【0008】本発明における反応系とは、図1に示した
全ての配管および機器を指し、これら反応系の材質とし
ては、内面を樹脂で被覆した材質を使用することが好ま
しい。ここで、図1に示した配管および機器の中でも、
特に温度が高い部分、具体的には熱交換器5(加熱され
る側)、加熱器6、反応塔7、熱交換器5(加熱する
側)、冷却器8、およびこれらの機器間の配管につい
て、内面を樹脂で被覆した材質を使用することが好まし
い。反応系の材質の内面を被覆する樹脂としては、ハロ
ゲン化合物に対する耐食性が高く、かつ反応系内の温度
・圧力に耐えうる樹脂であれば特に限定されるものでは
なく、例えばPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチ
レン)、フルオロポリマーなどを用いることができる。
これらの中でも、特にフルオロポリマーを用いることが
好ましい。本発明において使用できるフルオロポリマー
としては、例えばETFE(テトラフルオロエチレンと
エチレンの共重合体)、ECTFE(クロロトリフルオ
ロエチレンとエチレンの共重合体)、VF(ジフルオ
ロビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)、PFA(ポリパーフルオロアルコキシエチレ
ン)、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオ
ロプロピレンの共重合体)などを挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。上記フルオロポ
リマーの中でもPFAを用いることが特に好ましい。
【0009】反応系の材質の内面を樹脂で被覆する方法
は、特に限定されるものではないが、コーティングやラ
イニングにより被覆することが好ましい。これらの中で
も特にライニングにより樹脂を被覆することが特に好ま
しい。
【0010】また、反応系の材質の内面を被覆する際の
樹脂の膜厚についても特に限定されるものではないが、
膜厚は0.1〜10mmであることが好ましく、0.5
mm〜8mmであることがより好ましく、1mm〜5m
mであることが更に好ましい。
【0011】反応系の材質については、反応系の温度・
圧力に対して耐久性のある材質であれば特に限定される
ものではなく、例えば炭素鋼やステンレス鋼など種々の
鋼材を用いることができる。
【0012】排水をポンプ2で昇圧フィードする際の空
間速度(LHSV)は特に限定されず、湿式酸化処理能
力によって適宜決定すればよい。反応塔7における空間
速度は、通常、好ましくは0.1hr−1以上、より好
ましくは0.15hr−1以上、さらに好ましくは0.
2hr−1以上であり、好ましくは10hr−1以下、
より好ましくは5hr−1以下、さらに好ましくは3h
−1以下となるように調整することが推奨される。反
応塔7における空間速度が0.1hr−1未満の場合、
処理量が低下して、過大な設備が必要となることがあ
る。また逆に10hr−1を超える場合には、処理が十
分行えない場合がある。
【0013】本発明の湿式酸化処理は酸素源の存在下で
行うことができる。酸素源としては、特に限定されるも
のではなく、純酸素、酸素富化ガス、空気、オゾン、過
酸化水素などを用いることができ、また、他のプラント
で生じた酸素含有ガスなどを利用することもできる。こ
れらの中でも特に空気を用いることが経済的観点から推
奨される。また、純酸素やオゾンは不活性ガスなどで希
釈して用いることもできる。
【0014】酸素源を供給する場合の供給量は特に限定
されず、排水中の有害物質を分解処理するのに必要な量
を供給すればよい。酸素源の供給量として好ましくは排
水の理論酸素要求量の0.4倍以上、より好ましくは
0.5倍以上であり、好ましくは10倍以下、より好ま
しくは5.0倍以下の酸素量であることが推奨される。
酸素源の供給量が理論酸素要求量の0.4倍未満の場合
は、排水中の有害物質が十分に分解されない場合が多
く、また10倍を超えて供給しても設備が大型化するだ
けで処理性能が向上しない場合が多い。ここでいう理論
酸素要求量とは、排水中の被酸化性物質を窒素、二酸化
炭素、水、硫酸塩などの灰分にまで分解するのに必要な
酸素量のことをいう。但し、排水の理論酸素要求量が1
000mg/Lより低い場合には、上記範囲では酸素源
供給量が少なくなり、気液の接触効率が低下したり、反
応系内の圧力を一定に保持できなかったりする場合があ
る。このような場合には、理論酸素要求量の10倍を超
える酸素源を供給することが好ましい。
【0015】排水に酸素源を混入させた気液混合物は、
熱交換器5に送られて予備加熱された後、さらに加熱器
6で加熱されて反応塔7に供給されるが、加熱方法は特
に限定されるものではなく、熱交換器5および/または
加熱器6によって加熱してもよく、さらに反応塔7にヒ
ーター(図示せず)などの加熱手段を設けて加熱しても
よい。これらの加熱手段は単独で用いてもよく、あるい
は任意に組み合わせて用いることもできる。
【0016】また、熱交換器5に供給された気液混合物
は反応塔7で処理され排出された高温の処理液によって
熱交換されてもよく、あるいは他のプラントから排出さ
れた高温の液体によって熱交換されてもよく、排水を加
熱するための熱媒体については特に限定されない。
【0017】反応塔7における湿式酸化反応の反応温度
は他の条件にも影響されるが、370℃を超えると排水
を液相状態に保持できず、かつ設備が大型化したりラン
ニングコストが上昇したりすることがあるので、加熱温
度は370℃以下とすることが好ましい。また本発明で
は、反応系の材質の内面を樹脂で被覆するため、該樹脂
が使用できる範囲の温度とする必要がある。樹脂の最高
使用温度は、ASTM規格で定められており、例えばF
EPは150℃、PFAとPTFEは260℃とされて
いる。しかし、最高使用温度は、樹脂の被覆方法や排水
の種類、反応圧力などを考慮して決定する必要があり、
上記の最高使用温度では、実質的には使用できない場合
が多い。例えば塩化ナトリウムを10質量%含む排水を
処理するに当たり、反応系の材質の内面にPFAライニ
ングを施した処理装置を用いる場合、反応温度を180
℃未満、かつ反応圧力を1MPa(Gauge)未満と
することが好ましい。一方、20℃未満では湿式酸化反
応を効率的に行うことが困難になるので、好ましくは2
0℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは
100℃以上とすることが望ましい。
【0018】本発明の湿式酸化反応では、排水が液相を
保持できるように圧力を適宜調節することが望ましく、
圧力は処理温度との相関により適宜選択される。具体的
な加圧方法は限定されないが、反応塔7よりも後段に圧
力調節弁を設置して、反応系内で排水が液相を保持でき
るように処理温度に応じて圧力を適宜調節することが望
ましい。例えば処理温度が95℃未満の場合には、大気
圧下においても排水は液相状態であり、経済性の観点か
ら大気圧下で処理を行うことが好ましいが、処理効率を
向上させるために加圧することがより好ましい。また、
処理温度が95℃以上の場合、大気圧下では排水が気化
することが多いため、処理温度が95℃以上180℃未
満の場合には0.1MPa(Gauge)以上1MPa
(Gauge)未満の圧力をかけることが好ましい。処
理温度が180℃以上の場合には1MPa(Gaug
e)以上の圧力を加え、排水が液相を保持できるように
圧力を制御することが望ましい。
【0019】本発明では反応塔の数,種類,形状などは
特に限定されず、単数または複数の反応塔を任意に組み
合わせてもよく、また単管式の反応塔や多管式の反応塔
などを用いることができる。例えば複数の反応塔を設置
する場合、目的に応じて反応塔を直列または並列にする
など任意の配置とすることができる。
【0020】図示例では反応塔7への排水の供給方法と
して気液上向並流を採用した例を示すが、気液下向並
流,気液向流など種々の形態を採用できる。
【0021】反応塔7の内部には、気液の撹拌および接
触効率を向上させ、また気液の偏流を低減するために、
充填物を充填したり、気液分散板などの種々の内作物を
組み込んだりすることができる。充填物は、気液接触効
率を高めることができ、かつハロゲン化合物に対する耐
食性を有するものであれば、材質、種類、大きさなどに
ついて特に限定されるものではなく種々の充填物を用い
ることができる。充填物の材質の例としては、例えば金
属やセラミック、ガラス、樹脂などが挙げられる。ま
た、充填材の種類の例としては、例えばペレット状、球
状、粒状、リング状(ラシヒリング、レッシングリン
グ、ボールリングなど)、ハニカム状、網状、網や板を
織物構造に成形したものなどが挙げられる。充填物の大
きさについても特に限定されるものではないが、ペレッ
ト状、球状、粒状、リング状の充填材の場合、3mm〜
50mmのものが好ましい。また、気液分散板を用いる
場合、気液接触効率を高めることができるものであれ
ば、材質、種類、大きさなどについて特に限定されるも
のではなく種々の気液分散板を用いることができる。気
液分散板の材質の例としては、例えば金属や樹脂などが
挙げられる。また、気液分散板の種類の例としては、例
えば単孔板、多孔板、衝突板付単孔板、衝突板付多孔板
などが挙げられる。
【0022】また、本発明では、反応塔7内に固体触媒
を設置して有害物質の酸化および/または分解能力を向
上させることもできる。本発明で反応塔内に設置するこ
とのできる固体触媒としては、湿式酸化処理における酸
化および/または分解する能力が高い固体触媒であれば
いずれも用いることができる。
【0023】固体触媒としては、湿式酸化処理に一般に
用いられている固体触媒を用いることができる。具体的
には、液相酸化の条件下で活性と耐久性とを兼ね備えた
触媒であれば、いずれも使用することができる。例え
ば、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、マ
ンガン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、タングス
テン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテ
ニウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1種の
元素、および/または活性炭を含有する触媒を挙げるこ
とができる。ここでいう活性炭には、単なる活性炭以外
に、活性コークス、グラファイトカーボン、活性炭素繊
維も含まれる。
【0024】触媒の形状については特に制限はなく、例
えば粒状、球状、ペレット状、リング状、破砕状、ハニ
カム状など種々の形状のものが使用できるが、球状、ペ
レット状に成形したものが好ましい。
【0025】反応塔7内には、種々の充填物や内作物と
固体触媒を組み合わせて設置することができる。
【0026】熱交換器5と冷却器8は単独であるいは組
み合わせて用いることができる。
【0027】気液分離器9では液面コントローラーLC
を用いて液面を検出し、液面制御弁10によって気液分
離器9内の液面が一定となるように制御することが望ま
しい。なお、ここで「一定」とは、液面が一定値あるい
は一定の範囲内であることを意味する。
【0028】なお、処理水を冷却した後、圧力調節弁
(図示せず)を介して排出した後、気液分離器9によっ
て気体と液体に分離してもよい。
【0029】気液分離器9で分離された液体は処理水排
出ライン11を通して排出されるが、これは処理液タン
ク(図示せず)に送液されてもよく、あるいは生物処理
などの公知の方法に供してさらに処理することもでき
る。
【0030】また、圧力は圧力コントローラーPCによ
り圧力を検出して圧力制御弁12を作動させて圧力を所
定値に維持することが望ましい。気液分離器9で分離さ
れた気体は排ガス排出ライン13を通じて大気中に放出
してもよく、あるいはさらに公知の方法に供して処理し
てもよい。
【0031】
【実施例】(実施例1)ハロゲン化合物含有排水を処理
するに際し、図1のフローで湿式酸化処理を3,000
時間行った。処理に供した排水は、廃棄物処理施設から
排出された排水であり、COD(Cr)濃度は5,70
0mg/Lであった。また、該排水中には塩化ナトリウ
ムが10.2質量%、ダイオキシン類が12ng/L含
まれていた。反応塔7は直径25mm、長さ3,000
mmの円筒状のものを用いた。反応塔7の内部には固体
触媒(ペレット状)として活性炭とルテニウム(Ruと
して1質量%)からなる触媒1リットルを充填した。該
排水を排水供給ライン1からポンプ2により1L/hr
の流量で昇圧フィードし、一方、酸素源供給ライン3か
らは酸素源として空気を95NL/hr(理論酸素要求
量の5倍相当量)の流量で導入し、コンプレッサー4で
昇圧した後、排水に混入させた。ここで得られる気液混
合物を熱交換器5で加熱し、さらに加熱器6で加熱した
後、反応塔7に導入し、処理温度150℃で湿式酸化処
理を行った。反応塔7にて処理された処理液は、熱交換
器5および冷却器8により冷却した後、気液分離器9に
導入した。気液分離器9では、液面コントローラー(L
C)により液面を検出して液面制御弁10を作動させて
一定の液面を保持するとともに、圧力コントローラー
(PC)により圧力を検出して圧力制御弁12を作動さ
せて0.9MPaの圧力を保持するように操作した。処
理液は処理水排出ライン11から排出した。図1のフロ
ーで示される機器および配管のうち、熱交換器5(加熱
される側)、加熱器6、反応塔7、熱交換器5(加熱す
る側)、冷却器8、およびこれらの機器間の配管につい
ては、材質内面の排水と接触する部分にはPFAライニ
ングを施した。処理水のCOD(Cr)濃度は120m
g/Lに低減しており、また、ダイオキシン類濃度は
0.9ng/Lまで低減していた。上記処理後の反応系
の材質を確認したところ、腐食や減肉は特に見当たらな
かった。 (比較例1)反応系の材質の内面に樹脂を被覆せず、排
水と接触する部分をSUS316とした以外は実施例1
と同様の条件でハロゲン化合物含有排水の湿式酸化処理
を行った。その結果、処理開始後850時間経過した時
点で、加熱器6と反応塔7の間の配管が漏洩したため処
理を中止した。装置を停止した後、反応系の材質を確認
したところ、熱交換器5(加熱される側)、加熱器6、
反応塔7、熱交換器5(加熱する側)、冷却器8、およ
びこれらの機器間の配管において排水と接触する部分が
腐食していた。
【0032】
【発明の効果】本発明の処理方法は、湿式酸化処理条件
下で装置材質を腐食させる原因となるハロゲン化合物が
含有されている排水を処理するにあたって、反応系の材
質として内面を樹脂で被覆した材質を使用するため、安
価な設備により安定的に湿式酸化処理することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理のフロー図のひとつである。
【符号の説明】
1.排水供給ライン 2.ポンプ 3.酸素源供給ライン 4.コンプレッサー 5.熱交換器 6.加熱器 7.反応塔 8.冷却器 9.気液分離器 10.液面制御弁 11.処理水排出ライン 12.圧力制御弁 13.排ガス排出ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D050 AA12 AB19 AB44 BB01 BB02 BB09 BC01 BC02 BC05 BC06 BC07 BD02 BD03 BD06 BD08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化合物含有排水を、酸素源の存
    在下、該排水が液相を保持する圧力下で、酸化および/
    または分解する湿式酸化処理において、反応系の材質と
    して内面を樹脂で被覆した材質を使用することを特徴と
    する排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記材質が、内面をフルオロポリマーで
    ライニングした材質である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化合物含有排水に含まれる
    ハロゲン化合物が塩素化合物であり、かつ該塩素化合物
    の濃度が塩化物イオンとして100mg/L以上である
    請求項1または2に記載の排水の処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014503354A (ja) * 2011-01-12 2014-02-13 イノベックス 水熱処理による廃棄物処理方法

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JP2014503354A (ja) * 2011-01-12 2014-02-13 イノベックス 水熱処理による廃棄物処理方法

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