JP2001225084A - 有機ハロゲン化合物含有排水処理装置の洗浄方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物含有排水処理装置の洗浄方法

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JP2001225084A
JP2001225084A JP2000038939A JP2000038939A JP2001225084A JP 2001225084 A JP2001225084 A JP 2001225084A JP 2000038939 A JP2000038939 A JP 2000038939A JP 2000038939 A JP2000038939 A JP 2000038939A JP 2001225084 A JP2001225084 A JP 2001225084A
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washing
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liquid
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Junichi Miyake
純一 三宅
Toru Ishii
徹 石井
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダイオキシン類,コプラナ−PCBなどの有機
ハロゲン化合物を含有する排水を湿式酸化処理するため
の処理装置を効率よく洗浄する方法を提供する。 【解決手段】有機ハロゲン化合物含有排水を湿式酸化処
理するための処理装置を洗浄するに際し、アルカリまた
は酸を含有する洗浄液を用いて、該洗浄液が液相を保持
する圧力下において加熱し、該処理装置を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイオキシン類,
コプラナ−PCBなどの有機ハロゲン化合物とカルシウ
ムなどのスケール生成物質を含有する排水を処理するた
めの湿式酸化処理装置の内部(熱交換器、加熱器、反応
器などの内壁など)に発生するスケールもしくは沈降物
などの固形物を取り除き洗浄する方法に関する。
【0002】その中でも特に本発明は、該排水を固体触
媒を用いて湿式酸化処理するための処理装置において、
熱交換器、加熱器、反応器などの内壁や固体触媒の表面
などに発生するスケールもしくは沈降物などの固形物を
取り除き洗浄する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】一般に有機ハロゲン化合物を含有する排
水には、カルシウムなどのスケール生成物質を含有して
いる場合が多く、このような排水を湿式酸化処理した場
合、湿式酸化処理装置の内部でスケールもしくは沈降物
などの固形物が生成して以下のような問題を生じるもの
であった。すなわち、固形物が熱交換器や加熱器におい
て生成した場合には、伝熱効率が低下することにより、
加熱が不十分になったり過剰な運転費が必要になったり
する問題があった。また、固形物がライン中で生成した
場合には、閉塞気味になったり、場合によっては完全に
閉塞してしまったりすることにより、所定の流量が得ら
れなくなり処理が継続できなくなる問題があった。ま
た、固体触媒を用いた湿式酸化処理においては、固体触
媒の表面で固形物が生成した場合、閉塞気味になった
り、場合によっては完全に閉塞してしまったりすること
により、所定の流量が得られなくなる問題の他、触媒活
性が低下することにより処理性能が低下する問題、触媒
寿命が短くなる問題などがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
ハロゲン化合物とスケール生成物質を含有する排水を湿
式酸化処理するにあたり、該排水中に含まれるスケール
生成物質に起因して発生する固形物を効果的に洗浄する
方法を提供することにある。
【0005】その中でも特に本発明は、固体触媒を用い
た湿式酸化処理により該排水を処理するための処理装置
において、熱交換器、加熱器、反応器などの内壁や固体
触媒の表面に発生するスケールもしくは沈降物などの固
形物を効果的に取り除き洗浄することにより、伝熱効率
の低下や触媒性能の低下、触媒寿命の低下を防ぐことを
目的としている。
【0006】さらに本発明は、固体触媒を用いた湿式酸
化処理により該排水を連続的に処理するに際して、本発
明の洗浄を定期的に実施することにより、安定的に高い
処理性能を維持することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意研究した結果、有機ハロゲン化合
物含有排水を処理するための湿式酸化処理装置を洗浄す
るに際し、アルカリまたは酸を含有する洗浄液を用い
て、該洗浄液が液相を保持する圧力下において加熱し、
該湿式酸化処理装置を洗浄することを特徴とする有機ハ
ロゲン化合物含有排水処理装置の新規な洗浄方法を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】かくして本発明は、以下のごとき排水の処
理方法を提供する。
【0009】(1)有機ハロゲン化合物の1種以上とス
ケール生成物質を含有する排水を処理するための湿式酸
化処理装置を洗浄するに際し、水酸化ナトリウムおよび
/または水酸化カリウムを含有する洗浄液を用いて、5
0〜300℃に加熱し該洗浄液が液相を保持する圧力下
において該処理装置を洗浄することを特徴とする有機ハ
ロゲン化合物含有排水の湿式酸化処理装置の洗浄方法。
【0010】(2)有機ハロゲン化合物の1種以上とス
ケール生成物質を含有する排水を処理するための湿式酸
化処理装置を洗浄するに際し、塩酸または硫酸を含有す
る洗浄液を用いて、10〜200℃の温度で該洗浄液が
液相を保持する圧力下において該処理装置を洗浄するこ
とを特徴とする有機ハロゲン化合物含有排水の湿式酸化
処理装置の洗浄方法。
【0011】(3)洗浄液にさらに重金属イオンおよび
/または重金属化合物を含有してなる(2)に記載の洗
浄方法。
【0012】(4)酸化剤供給下で洗浄する(1)〜
(3)のいずれかに記載の洗浄方法。
【0013】(5)触媒、吸着材、充填材の少なくとも
1種が組み込まれた有機ハロゲン化合物含有排水の湿式
酸化処理装置を洗浄する(1)〜(4)のいずれかに記
載の洗浄方法。
【0014】(6)有機ハロゲン化合物がダイオキシン
類および/またはコプラナ−PCBである(1)〜
(5)のいずれかに記載の洗浄方法。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、有機ハロゲン化合物含
有排水を処理するための湿式酸化処理装置を洗浄するに
際し、アルカリまたは酸を含有する洗浄液を用いて、該
洗浄液が液相を保持する圧力下において加熱し、該処理
装置を洗浄することを特徴とする有機ハロゲン化合物含
有排水の湿式酸化処理装置の新規な洗浄方法である。
【0017】以下、具体的に個々について本発明を説明
する。
【0018】本発明において有機ハロゲン化合物とは、
その分子内に少なくとも1個以上のハロゲン原子を含有
する有機化合物であればよく、例えば塩化メチル、塩化
エチル、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、塩化ビニ
ル、クロロホルムなどの脂肪族有機塩素化合物;臭化メ
チル、臭化エチル、臭化ビニルなどの脂肪族有機臭素化
合物;モノクロロベンゼン、ポリ塩化ベンゼン、クロロ
フェノール、ポリ塩化フェノール、塩化ベンジルなどの
芳香族有機塩素化合物;臭化ベンジル、臭化ベンジリデ
ンなどの芳香族有機臭素化合物;トリクロロフルオロメ
タン、ジクロロフルオロメタンなどのフロン;ダイオキ
シン類(臭素化合物も含む。);コプラナ−PCBなど
のポリ塩化ビフェニール類(PCB);ポリ臭化ビフェ
ニール類(PBB);アルドリン、ディルドリン、エン
ドリン、クロルデンなどの残留性有機汚染物質(POP
s);2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2,4
−ジクロロフェノキシ酢酸、アトラジン、アラクロー
ル、シマジン、ニトロフェン、トリフルラリン、ヘキサ
クロロシクロヘキサン、1,2−ジブロモ−3−クロロ
プロパン、ケルセン、ベンゾエピン、ヘプタクロル、メ
トキシクロル、シペルメトリン、エスフェンバレレー
ト、フェンバレレート、ペルメトリンなどのハロゲンを
含有する外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)な
どが例示されるが、これらの有機ハロゲン化合物に限定
されるものではない。これらの中でも本発明は、特にダ
イオキシン類、コプラナ−PCBを含有する排水を処理
するための湿式酸化処理装置の洗浄において有効であ
る。
【0019】本発明においてスケール生成物質とは、湿
式酸化処理装置の内部でスケールもしくは沈降物などの
固形物が生成する原因となる物質のことをいう。具体的
には、重金属類、アルミニウム、リン、ケイ素、カルシ
ウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なく
とも1種の元素をさす。ここでいう重金属類とは、鉄、
クロム、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、カドミウ
ム、亜鉛、スズ、アンチモン、鉛、タリウム、水銀、ヒ
素およびビスマスからなる群から選ばれる少なくとも1
種の元素をさす。これらスケール生成物質の状態は特に
限定されるものではなく、例えば各種のイオンまたは有
機金属化合物などの形態がある。本発明におけるスケー
ルもしくは沈降物などの固形物とは、これらスケール生
成物質が不溶性もしくは難溶性の酸化物や各種塩などの
形態となったもののことをさす。
【0020】本発明に係る有機ハロゲン化合物の1種以
上とスケール生成物質を含有する排水としては、例え
ば、廃棄物焼却炉の排ガスを湿式洗浄した洗煙排水など
の廃棄物焼却炉からの排水、浸出水などのゴミ埋立地か
らの排水、あるいは各種工業排水などが挙げられる。こ
れらの排水には有機ハロゲン化合物とともにスケール生
成物質が含有されている場合が多い。
【0021】本発明において洗浄する対象となる湿式酸
化処理装置とは、通常の有機ハロゲン化合物を含有する
排水を湿式酸化処理するための処理装置であれば特に限
定されるものではなく、加圧部もしくは常圧部、高温部
もしくは常温部などの区別で特に限定されるものではな
い。湿式酸化反応器は、内部に何も充填せず空塔として
使用される型式であってもよいし、以下に記述する触媒
を充填して触媒湿式酸化処理する型式であってもよい。
また、湿式酸化反応器内に金属製またはセラミック製な
どの充填材を充填して液およびガスの攪拌向上などを図
るようにされているものであってもよいし、セラミック
製などの吸着材を充填してスケール生成物質などを吸着
除去しているものであってもよい。また、湿式酸化反応
器は単管式、多管式のいずれの型式であってもよい。ま
た、特に限定されるものではないが、本発明の洗浄処理
が特に効果的であるのは、湿式酸化処理装置の機器、ラ
イン、構造物、充填物などの中でも特に触媒、吸着材、
充填材などの充填物に対してである。
【0022】本発明により洗浄される湿式酸化処理装置
の材質は、通常使用される材質であれば特に限定される
ものではないが、例えばチタン、チタン−パラジウム、
ジルコニウム、SUS、ハステロイ(登録商標)、塩
ビ、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商
標)などである。また、金属材質表面にテフロン(登録
商標)などをコーティングしたものであっても使用する
ことができる。塩ビ、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どは高温下では材質の強度低下などを生じるため低温で
洗浄処理を行う必要がある。また、酸洗浄液を用いる場
合、SUSに対する洗浄処理の効果はあるが、耐食性に
若干問題があるため、低温、低酸濃度、鉄もしくは銅濃
度濃く、短時間で洗浄処理を行う必要がある。
【0023】湿式酸化反応器には、触媒を充填してあっ
ても差し支えなく処理することができる。ここでいう触
媒とは、通常湿式酸化処理に使用されるものを対象と
し、中でも特に固体触媒であり、液相酸化の条件下で活
性と耐久性を兼ね備え、本発明の洗浄方法により触媒の
劣化を起こさないものであれば何れの触媒を使用しても
よい。例えば、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコ
ニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウ
ム、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロ
ジウム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少な
くとも1種の元素の金属および/または化合物、および
/または炭素化合物を含有する触媒を挙げることができ
る。ここでいう炭素化合物とは、活性炭や活性炭素繊維
などのことを指す。なかでも特に、次の触媒A成分と触
媒B成分とを含有する固体触媒が好適に用いられる。こ
こで触媒A成分とは、鉄、チタン、ケイ素、アルミニウ
ムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元
素の酸化物、または炭素化合物であり、また触媒B成分
とは、マンガン、コバルト、ニッケル、セリウム、タン
グステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、
ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1
種の元素の金属および/または化合物である。
【0024】触媒A成分の具体例としては、チタン酸化
物、鉄酸化物、ジルコニウム酸化物などの金属酸化物、
チタン酸化物−ジルコニウム酸化物、チタン酸化物−鉄
酸化物などの2元または多元系酸化物(複合酸化物も含
む)の他に、活性炭、もしくは金属酸化物と活性炭の混
合物などを挙げることができる。触媒A成分の固体触媒
に占める割合は、30〜99.95重量%の範囲が好ま
しく、触媒A成分を30重量%以上の割合で用いること
により、固体触媒の耐久性が向上する。
【0025】触媒B成分の具体例としては、前記元素の
金属、酸化物および複合酸化物を挙げることができる。
固体触媒中の触媒B成分の割合は0.05〜70重量%
とするのが好ましく、その割合を0.05重量%とする
ことにより、排水中の有機ハロゲン化合物を十分に酸化
および/または分解処理することが可能となる。なお、
前記元素のうち、銀、金、白金、パラジウム、ロジウ
ム、ルテニウムおよびイリジウム(以下、「B−1成
分」という)の場合には、その金属および/または化合
物の割合(合計量)は固体触媒の0.05〜10重量%
とするのがよい。10重量%を超える割合で使用して
も、それに相応した処理性能の向上は認められず、かえ
って高価な原料であるがために、固体触媒のコストアッ
プとなって経済的に不利となる。そのほかの、マンガ
ン、コバルト、ニッケル、セリウム、タングステンおよ
び銅(以下、「B−2成分」という)の場合には、その
金属および/または化合物の割合(合計量)は固体触媒
の0.05〜70重量%とするのがよい。もちろん、合
計量が0.05〜70重量%の範囲において、B−1成
分とB−2成分とをそれぞれ0.05%〜10重量%お
よび0.05〜70重量%の範囲で組み合わせて用いる
こともできる。
【0026】固体触媒は、触媒B成分として、B−1成
分を含有している場合が特に触媒活性が高く、効果的で
ある。特に、B−1成分の中でも、白金、パラジウム、
ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少
なくとも1種の元素の金属および/または化合物を含有
している場合は触媒活性が高く好ましい。B−2成分の
中では、マンガン、コバルト、ニッケルおよび銅が好適
に用いられる。
【0027】触媒の形状については特に制限はなく、例
えば粒状、球状、ペレット状およびリング状のいずれで
もよく、またハニカム状などの一体構造体でもよい。懸
濁物を含む排水を処理する場合には、固形物や沈殿物な
どにより触媒層での閉塞が起こる可能性があるので、ハ
ニカム状のものが好適に用いられる。
【0028】また、均一系触媒を用いる場合には、触媒
湿式酸化処理に一般に用いられている均一系触媒を用い
ることができる。具体的には、液相酸化の条件下で活性
のある触媒であれば、いずれも使用することができる。
例えば、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、タ
ングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウ
ム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少なくと
も1種の元素を含有する触媒を挙げることができる。
【0029】また、処理装置には充填材が充填されてい
ても差し支えなく洗浄処理することができる。この充填
材とは、特に限定されるものではないが、例えば湿式酸
化処理に使用される金属製またはセラミック製の充填材
であり、具体的には金属製であればチタン、チタン−パ
ラジウム、ジルコニウムなど、セラミック製であればチ
タン、鉄、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムなどを
含有する酸化物などが挙げられ、その中でも特にチタ
ン、チタン−ジルコニウム、チタン−鉄などの酸化物で
あることが効果的である。また、充填材の形状として
は、種々のものを採用することができ、特に限定される
ものではない。
【0030】また、処理装置には吸着材が充填されてい
ても差し支えなく洗浄処理することができる。この吸着
材とは、特に限定されるものではないが、例えば湿式酸
化処理に使用されるセラミック製の吸着材であり、具体
的にはチタン、鉄、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウ
ムなどを含有する酸化物などが挙げられ、その中でも特
にチタン、チタン−ジルコニウム、チタン−鉄などの酸
化物であることが効果的である。また、充填材の形状と
しては、種々のものを採用することができ、特に限定さ
れるものではない。
【0031】本発明に係る水酸化ナトリウムおよび/ま
たは水酸化カリウムを含有する洗浄液(以下、アルカリ
洗浄液とも記載する)中の水酸化ナトリウムおよび/ま
たは水酸化カリウムの濃度は、通常使用できる範囲であ
れば何れでもよいが、1g/リットル以上である場合が
効果的であり、10g/リットル以上である場合がさら
に効果的である。NaOHおよび/またはKOHの濃度
が1g/リットル未満の場合は、洗浄の効果が著しく減
少する。また、10g/リットル未満の場合はアルカリ
洗浄液の量が多くなり、洗浄後の処理が煩雑なものとな
るうえ短時間で洗浄処理を完結するためには処理温度を
比較的高温にする必要があり、若干効果は劣る。
【0032】また、NaOHおよび/またはKOHの濃
度は合計で400g/リットル未満であることが好まし
く、300g/リットル未満であることがさらに好まし
い。400g/リットル以上である場合は、アルカリ洗
浄液の粘性が増加してアルカリ洗浄液を供給するのが困
難になる上、高温で使用する場合には装置材質の耐食性
が低下する。
【0033】なお、上記の濃度は、上記範囲内であれば
洗浄処理中に適宜変更することができる。
【0034】また、本発明のアルカリ洗浄液について、
水酸化ナトリウム水溶液と水酸化カリウム水溶液を同濃
度、同条件下で比較した場合、洗浄性能に有意差は認め
られないため、コスト面から水酸化ナトリウム水溶液の
方がより効果的である。
【0035】また、装置材質の耐食性を考慮して洗浄を
より穏和な条件で実施したい場合には、水酸化ナトリウ
ムおよび/または水酸化カリウムに替えて、炭酸ナトリ
ウムおよび/または炭酸カリウムを用いることもでき
る。なお、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ル
ビジウムも使用できるが、コスト上の問題で実用的では
ない。
【0036】但し、アルカリ洗浄液を用いた場合、鉄を
主成分とする固形物には不適である。これは、アルカリ
洗浄液を用いた場合、鉄の構造が三酸化二鉄として安定
化してしまい、逆に固形物の洗浄除去を困難にしてしま
うためである。洗浄液がアルカリ洗浄液である場合に
は、アルミニウム、リン、ケイ素を主成分とするスケー
ルもしくは沈降物などの固形物に対して特に効果的であ
る。
【0037】本発明に係る塩酸または硫酸を含有する洗
浄液(以下、酸洗浄液とも記載する)中の塩化水素また
は硫酸の濃度は、3g/リットル以上である場合が効果
的であり、10g/リットル以上である場合がさらに効
果的である。塩化水素または硫酸の濃度が3g/リット
ル未満の場合は、洗浄の効果が著しく減少する。また、
10g/リットル未満の場合は酸洗浄液の量が多くな
り、洗浄後の処理が煩雑なものとなるうえ短時間で洗浄
処理を完結するためには処理温度を比較的高温の100
℃以上にする必要があり、このため加圧条件下に洗浄条
件を設定する必要がある。
【0038】また、硫酸については700g/リットル
未満であることが効果的であり、300g/リットル未
満であることがさらに効果的である。700g/リット
ル以上の場合には、酸洗浄液の粘性が増加して酸洗浄液
を供給するのが困難になる上、高温で使用する場合には
装置材質の耐食性が低下する。
【0039】なお、上記の濃度は、上記範囲内であれば
洗浄処理中に適宜変更することができる。
【0040】また、本発明の酸洗浄液について、塩酸と
硫酸を同濃度、同条件下で比較した場合、塩酸の方がよ
り洗浄力が強く、より広く種々のスケール生成物質につ
いて効果的である。
【0041】なお、洗浄の条件、スケールの種類などに
よっては、硫酸と硝酸を適宜混合して使用することもで
きる。
【0042】洗浄液が酸洗浄液である場合には、鉄、ア
ルミニウム、リン、ケイ素、カルシウム、マグネシウム
を主成分とするスケールもしくは沈降物などの固形物に
対して特に効果的である。
【0043】アルカリ洗浄液を用いる場合の洗浄の温度
は、50〜300℃であれば特に限定されるものではな
いが、130〜270℃であることが好ましい。洗浄温
度が低い場合には実質的洗浄効果が少なく、また処理温
度が高温の場合には洗浄時間が短縮されかつ洗浄力も向
上するが、洗浄液が液相を保持する温度および圧力で洗
浄する必要がある。なお、処理温度が高温でかつアルカ
リ洗浄液のNaOHおよび/またはKOHの濃度が濃い
場合には装置材質の耐食性が低下する。
【0044】酸洗浄液を用いる場合の洗浄の温度は、1
0〜200℃であれば特に限定されるものではないが、
100℃未満であれば常圧での操作が可能となり操作性
が向上するため好適である。また、高温の方が洗浄時間
が短縮されかつ洗浄力も向上するため50℃以上である
ことが効果的である。なお、処理温度が高温でかつ酸洗
浄液の塩酸または硫酸の濃度が濃い場合には装置材質の
耐食性が低下する。
【0045】このため、処理温度が比較的高温でかつ酸
洗浄液の塩酸または硫酸の濃度が濃い場合には、酸洗浄
液に重金属イオンおよび/または重金属化合物を添加す
ることにより装置材質の腐食を低減することができ効果
的である。ただし、この場合においても160℃未満で
処理することが腐食低減の観点から好ましいものであ
る。
【0046】本発明における酸洗浄液中の重金属イオン
および/または重金属化合物とは、鉄、銅、クロム、マ
ンガン、ニッケル、コバルト、セリウムなどのイオンお
よび/または化合物であり、好ましくは鉄、銅のイオン
および/または化合物である。また、重金属イオン、重
金属化合物のうち、好ましいのは重金属イオンであり、
さらに重金属イオンのうちでも高酸化数のイオンがより
好ましい。
【0047】上記重金属イオンおよび/または重金属化
合物について、銅および鉄を代表例として具体的に示す
と、酸洗浄液にイオンとして溶解しているものであれば
特に限定されるものではないが、鉄イオンの場合には3
価であることが好ましく、銅イオンの場合には2価であ
ることが好ましい。
【0048】鉄イオンおよび/または銅イオンの濃度
は、その合計で50mg/リットル〜100g/リット
ル含有している場合において効果的であり、100mg
/リットル〜10g/リットル含有している場合におい
てさらに効果的である。50mg/リットル未満の場合
は、装置材質の耐食性の向上に対して効果が少なく、1
00g/リットル以上含有している場合には、洗浄後の
洗浄液の処理において固形物が増すため好ましくない。
【0049】また、上記の濃度は処理状態により適宜変
更され、処理温度、洗浄液中の塩酸または硫酸の濃度な
どに応じて調整されるものである。処理温度が高い場
合、または洗浄液中の塩酸または硫酸の濃度が高い場合
には、鉄イオンおよび/または銅イオンは濃く調整され
る。例えば処理温度90℃、塩化水素濃度100g/リ
ットルの場合には、鉄イオンおよび/または銅イオンの
合計として300mg/リットル以上1g/リットル未
満であることが効果的である。
【0050】本発明の洗浄において、洗浄水に鉄イオン
および/または銅イオンが上記の濃度で存在する場合は
問題ないが、上記濃度に達していない場合は適宜鉄イオ
ンおよび/または銅イオンの濃度を調整することができ
る。
【0051】酸洗浄液に添加する鉄イオンおよび/また
は銅イオンの形態は、特に限定されるものではないが、
鉄イオンの場合は塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二
鉄、酢酸第二鉄などの鉄塩を添加することが効果的であ
り、また銅イオンの場合には塩化第二銅、硫酸第二銅、
硝酸第二銅、酢酸第二銅などの銅塩を添加することが効
果的である。これらの中でも特に塩化物もしくは硫酸塩
を添加することが好ましい。
【0052】以上、鉄と銅について示したが、本発明の
趣旨に反しない限り、鉄と銅に限定されるものではな
く、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、セリウム
に関しても同様である。
【0053】本発明に係る洗浄時の処理圧力は、処理温
度との相関により適宜選択され、洗浄液が液相を保持す
る圧力のもとで洗浄処理が行われる。
【0054】本発明の洗浄処理に使用される酸化剤とし
ては、酸素および/またはオゾンを含有するガス、過酸
化水素などが用いられる。酸素および/またはオゾンは
適宜不活性ガスなどにより希釈して用いることができ
る。一般には、空気が用いられるが、それ以外に、他の
プラントより生じる酸素含有の排ガスも適宜使用するこ
ともできる。酸化剤の使用量は、特に限定されるもので
はないが、金属材質の部分を洗浄する場合、材質の酸化
皮膜を形成する量以上であることが効果的である。これ
は、材質の酸化皮膜を形成する量以下である場合、材質
の耐食性に問題を生じる場合があるためである。これら
を考慮すると、酸化剤が酸素および/またはオゾンを含
有するガスである場合、ガス中の酸素濃度(オゾンなど
の場合には酸素換算濃度)は、5〜100%、好ましく
は10〜30%である。
【0055】また、酸化剤の供給方法は特に限定される
ものではなく、例えば通常の湿式酸化処理運転で排水処
理を行うために使用されている酸化剤供給ラインから供
給してもよいし、本発明の洗浄液とともに気液混合の状
態で供給してもよい。
【0056】本発明の洗浄処理は、通常実施しうる程度
の時間であれば差し支えないが、好ましくは1〜48時
間、さらに好ましくは2〜24時間である。1時間未満
である場合には洗浄が若干不十分になるため、また48
時間を超える場合には洗浄のための時間が長すぎて本来
の排水処理に当てる時間が少なくなるため、好ましくな
い。
【0057】本発明の洗浄処理は、洗浄液を常に流した
状態で洗浄する連続式の洗浄方法であってもよいし、処
理装置内に滞留させて一定時間洗浄したあと抜き出すバ
ッチ式であってもよい。
【0058】洗浄液の供給方法は特に限定されるもので
はなく、例えば通常の湿式酸化処理運転で排水処理を行
うために使用されている排水供給ラインから供給しても
よいし、別のラインから供給してもよい。
【0059】洗浄処理に使用する洗浄液の量は、洗浄の
条件により大きく変化するため特に限定されるものでは
ないが、一般的には洗浄対象とする処理装置の内容積の
1〜20倍程度、さらに好ましくは3〜15倍であるこ
とが好ましい。また、洗浄液の空間速度(LHSV)
は、0.01〜100hr-1であることが好ましく、
0.1〜10hr-1であることがさらに好ましい。一例
を示すと、連続式の洗浄方法では洗浄液の空間速度を1
hr-1として流した場合、処理時間は1〜20時間程度
となる。また、バッチ式の場合では1〜20回程度洗浄
を繰り返すこととなり、一回の操作では1時間程度滞留
させることとなる。
【0060】また、洗浄時における洗浄液の処理装置内
における流れ方向は通常の排水処理運転の時と同方向で
あってもよいし、逆方向であってもよいが、逆方向であ
るほうが効果的である。また、バッチ式で洗浄する場合
は、洗浄液を処理装置に供給する方向と抜き出す方向が
同じであってもよいし、逆であってもよいが、同じ方向
である方が効果的である。
【0061】また、洗浄後の洗浄廃液を装置より抜き出
す位置は、通常の排水運転時に使用している処理水抜き
出しラインを用いてもよいし、別のラインを用いてもよ
い。バッチ式の洗浄方法の場合、洗浄液を供給した位置
と抜き出す位置が同じであってもよい。
【0062】洗浄廃液はpH調整および固液分離などの
操作を行った後、直接放流することもできるし、必要に
応じて生物処理や化学処理、物理処理を施すこともでき
る。
【0063】酸洗浄液の洗浄廃液の場合、pH調整に用
いるアルカリは特に限定されるものではなく、水酸化ナ
トリウムや炭酸ナトリウムなど種々のものを用いること
ができる。また、アルカリ洗浄液の洗浄廃液の場合、p
H調整に用いる酸は特に限定されるものではなく、塩酸
や硫酸など種々のものを用いることができる。
【0064】また、洗浄廃液の固液分離の方法は特に限
定されるものではなく、通常使用される固液分離装置を
用いて適宜行うことができる。この固液分離装置として
は、例えば沈降分離処理装置、遠心分離処理装置、濾過
分離処理装置など種々のものを用いることができる。こ
の際、必要に応じて凝集剤、凝集助剤または濾過助剤な
どを添加して処理速度や分離効率の向上などを図ること
もできる。この凝集剤、凝集助剤または濾過助剤として
は種々用いることができ、特に限定されるものではな
い。
【0065】以下、本発明を実施例および比較例を挙げ
て詳細に説明するが、本発明はこれだけに限定されるも
のではない。
【0066】
【実施例】(実施例1) 図1に示す湿式酸化処理装置
を使用し、100時間連続して有機ハロゲン化合物含有
排水の処理を行い、これにより生成した固形物に対して
本発明の洗浄処理を6時間連続して実施した。以下に詳
細な実験方法および結果について記述する。
【0067】処理対象となる有機ハロゲン化合物含有排
水としては、カルシウムを160mg/リットル含みか
つダイオキシン類を含有する廃棄物焼却炉洗煙排水を用
いた。この有機ハロゲン化合物含有排水をライン1から
ポンプ2により1リットル/hrの流量で昇圧フィード
した。一方、ライン3からの空気をコンプレッサー4で
昇圧した後、30Nリットル/hrの流量で上記有機ハ
ロゲン化合物含有排水に混入させた。この気液混合物を
ライン5を経て、熱交換器6で加熱した後、さらに加熱
器7で加熱し、触媒を充填した湿式酸化反応器8に導入
し、処理温度165℃で湿式酸化処理し、被処理液はラ
イン9を経て、熱交換器6および冷却器10により冷却
した後、気液分離器11に導入した。気液分離器11で
は、液面コントローラ(LC)により液面を検出して液
面制御弁12を作動させて一定の液面を保持するととも
に、圧力コントローラ(PC)により圧力を検出して圧
力制御弁13を作動させて0.9MPaGの圧力を保持
するように操作した。処理液は処理液排出ライン14か
ら排出した。なお、触媒はチタン−鉄の酸化物と白金か
らなる触媒(白金0.3重量%)を1リットル使用し
た。
【0068】上記湿式酸化処理後において、湿式酸化反
応器に充填していた触媒の表面には固形物が多量に付着
していた。これをエレクトロン・プローブ・マイクロア
ナライザーで分析した結果、カルシウムを主成分とした
ものであることがわかった。
【0069】引き続き上記固形物の付着した触媒に対し
て、同一の湿式酸化処理装置を用いて本発明の洗浄処理
を以下の通り実施した。アルカリ洗浄液をライン1から
ポンプ2により0.5リットル/hrの流量で昇圧フィ
ードした。アルカリ洗浄液としては100g/リットル
の水酸化ナトリウム水溶液を用いた。一方、ライン3か
らの空気をコンプレッサー4で昇圧した後、0.05N
3/hrの流量で上記アルカリ洗浄液に混入させた。
この気液混合物をライン5を経て、熱交換器6で加熱し
た後、さらに加熱器7で加熱し、湿式酸化反応器8に導
入し、処理温度165℃で洗浄処理し、洗浄液はライン
9を経て、熱交換器6および冷却器10により冷却した
後、気液分離器11に導入した。気液分離器11では、
液面コントローラ(LC)により液面を検出して液面制
御弁12を作動させて一定の液面を保持するとともに、
圧力コントローラ(PC)により圧力を検出して圧力制
御弁13を作動させて0.9MPaGの圧力を保持する
ように操作した。洗浄廃液は処理液排出ライン14から
排出した。
【0070】その結果、湿式酸化反応器内に充填してい
た触媒表面に付着していた固形物をほぼ除去することが
できた。
【0071】これに引き続き、前述した有機ハロゲン化
合物含有排水の湿式酸化処理を同条件で行い、再度本発
明の洗浄処理を上記条件と同条件で洗浄処理を2回繰り
返した。その結果、湿式酸化処理装置は閉塞することな
く運転でき、洗浄処理後の触媒表面には特に固形物は付
着していなかった。 (実施例2) 実施例1において、湿式酸化処理の対象
排水と触媒を変更した以外は同一の条件で処理を行っ
た。処理対象となる有機ハロゲン化合物含有排水として
は、アルミニウムを110mg/リットル含みかつダイ
オキシン類を含有する廃棄物焼却炉洗煙排水を用いた。
触媒はチタン−ジルコニウムの酸化物と白金からなる触
媒(白金0.3重量%)を1リットル使用した。
【0072】湿式酸化処理後の触媒表面には固形物が多
量に付着していた。これをエレクトロン・プローブ・マ
イクロアナライザーで分析した結果、アルミニウムを主
成分としたものであることがわかった。これに対し、洗
浄処理後の触媒表面には特に固形物は付着していなかっ
た。 (実施例3) 実施例1において、洗浄処理時に空気を
供給しないこと、洗浄液中の水酸化ナトリウム濃度を2
0g/リットルとしたこと、洗浄時間を40時間とした
こと以外は同一の条件で処理を行った。
【0073】その結果、洗浄処理前に触媒表面に付着し
ていた固形物をほぼ実施例1と同様に除去することがで
きた。 (実施例4) 実施例1において、洗浄液を変更し、洗
浄処理温度を90℃、洗浄時の圧力を常圧とした以外は
同一の条件で処理を行った。洗浄液としては600mg
/リットルの鉄イオンを含有した100g/リットルの
塩酸を用いた。
【0074】湿式酸化処理後の触媒表面には実施例1と
同様にカルシウムを主成分とする固形物が多量に付着し
ていた。これに対し、洗浄処理後の触媒表面には特に固
形物は付着していなかった。 (実施例5) 実施例4において、洗浄液を変更した以
外は同一の条件で処理を行った。洗浄液としては0.8
g/リットルの銅イオンを含有した200g/リットル
の硫酸水溶液を用いた。
【0075】湿式酸化処理後の触媒表面には実施例1と
同様にカルシウムを主成分とする固形物が多量に付着し
ていた。これに対し、洗浄処理後の触媒表面には特に固
形物は付着していなかった。 (実施例6) 実施例4において、洗浄処理時に空気を
供給しないこと以外は同一の条件で処理を行った。
【0076】その結果、洗浄処理前に触媒表面に付着し
ていた固形物は、洗浄処理後若干残存したものの湿式酸
化処理を継続するには支障のない程度のものであった。 (比較例1) 実施例1において、本発明の洗浄処理を
行わず、連続して湿式酸化処理のみを行った。その結
果、約300時間後に湿式酸化反応塔内で閉塞し、湿式
酸化処理を継続できなくなった。湿式酸化反応塔を開放
したところ、触媒表面や反応塔内壁に多量の固形物が付
着していた。これをエレクトロン・プローブ・マイクロ
アナライザーで分析した結果、カルシウムを主成分とす
るものであることが分かった。
【0077】
【発明の効果】廃棄物焼却炉洗煙排水などのような有機
ハロゲン化合物含有排水にはスケール生成物質が含有さ
れている場合が多いが、本発明によれば、このような有
機ハロゲン化合物含有排水を湿式酸化処理する場合にス
ケール生成物質に起因して生成する固形物を効果的に洗
浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の実施態様の一つであ
る。
【符号の説明】
2.ポンプ 4.コンプレッサー 6.熱交換器 7.加熱器 8.湿式酸化反応器 10.冷却器 11.気液分離器 12.液面制御弁 13.圧力制御弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物の1種以上とスケー
    ル生成物質を含有する排水を処理するための湿式酸化処
    理装置を洗浄するに際し、水酸化ナトリウムおよび/ま
    たは水酸化カリウムを含有する洗浄液を用いて、50〜
    300℃に加熱し該洗浄液が液相を保持する圧力下にお
    いて該処理装置を洗浄することを特徴とする有機ハロゲ
    ン化合物含有排水の湿式酸化処理装置の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 有機ハロゲン化合物の1種以上とスケー
    ル生成物質を含有する排水を処理するための湿式酸化処
    理装置を洗浄するに際し、塩酸または硫酸を含有する洗
    浄液を用いて、10〜200℃の温度で該洗浄液が液相
    を保持する圧力下において該処理装置を洗浄することを
    特徴とする有機ハロゲン化合物含有排水の湿式酸化処理
    装置の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 洗浄液にさらに重金属イオンおよび/ま
    たは重金属化合物を含有してなる請求項2に記載の洗浄
    方法。
  4. 【請求項4】 酸化剤供給下で洗浄する請求項1〜3の
    いずれかに記載の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 触媒、吸着材、充填材の少なくとも1種
    が組み込まれた有機ハロゲン化合物含有排水の湿式酸化
    処理装置を洗浄する請求項1〜4のいずれかに記載の洗
    浄方法。
  6. 【請求項6】 有機ハロゲン化合物がダイオキシン類お
    よび/またはコプラナ−PCBである請求項1〜5のい
    ずれかに記載の洗浄方法。
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KR1020000045991A KR20010050019A (ko) 1999-08-09 2000-08-08 액체에 함유된 다이옥신 및/또는 폴리 클로리네이티드바이페닐을 분해 또는 산화시키는 방법
EP00117032A EP1076041A3 (en) 1999-08-09 2000-08-08 Method for decomposing or oxidizing dioxins and/or poly chlorinated biphenyls contained in liquid
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016003293A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 水ing株式会社 汚泥処理設備用洗浄剤組成物及び汚泥処理設備洗浄方法
JP2017019902A (ja) * 2015-07-08 2017-01-26 水ing株式会社 汚泥処理設備の洗浄剤組成物および洗浄方法

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