JP2005118626A - 酸化剤の処理方法および処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水に溶解した酸化剤を触媒により還元処理する方法において、触媒の劣化を抑制し、触媒による酸化剤の処理効果を長期間持続させる。
【解決手段】 水と触媒との接触時に水中に還元剤を共存させる。例えば、酸化剤として過硫酸塩を含有する水に、酸化剤含有水導入ライン10において、還元剤添加ライン14からチオ硫酸塩、過酸化水素などの還元剤を添加する。その後、この水を触媒反応槽(活性炭充填塔)18に通水する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工場排水や地下水中に含まれる酸化剤を触媒により還元処理する方法および装置に関し、さらに詳しくは、触媒の劣化を抑制し、酸化剤の処理効果を長期間持続させることができる酸化剤の処理方法および装置に関する。
酸化剤は各種産業において広く使われており、例えば有機物の分解、触媒の再生、化合物生成の試薬、重合の開始剤といった様々な用途がある。また、産業活動における加熱、加圧、電気処理といった様々な工程で副生成物として酸化剤が生成することがある。
したがって、産業活動により生じた排水中には多量の酸化剤が存在することが多く、この排水をそのまま放流すると周辺環境に大きな影響を及ぼすことが懸念される。また、排水中の酸化剤は排水処理設備の腐食、劣化を招き、特に活性汚泥槽に代表されるような生物処理設備では、排水中に酸化剤が存在すると処理に作用する有用な微生物群に毒性を与えるため、排水中の酸化剤を予め処理する必要がある。さらに、近年では有機物質等に汚染された土壌および地下水の浄化方法として、酸化剤を土壌や地下水に原位置で注入あるいは添加し、汚染物質の分解処理を行う方法が検討されており、この場合にも残存した酸化剤の処理を行う必要性が生じる場合が多くなっている。
上述したような酸化剤含有水の処理方法としては、従来、酸化剤含有水にチオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を添加し、還元処理後に放流するという手法が用いられていたが、酸化剤と還元剤の反応に時間がかかるため、反応時間を確保しうるような非常に大きな設備が必要とされていた。また、このときの還元剤の添加量を増加させ反応時間を短くすることは、添加量の増加に対する反応促進効果が薄いこと、さらには周辺環境への配慮のために反応終了後に残存する余剰還元剤を処理する必要があることから現実的でない。一方、触媒との接触による酸化剤処理方法(例えば、特許文献1、2参照)は、比較的速やかな処理が可能である。
特開平8−168784号公報 特開2003−136092号公報
前述した触媒との接触による酸化剤処理方法では、処理は比較的速やかに行われるものの、酸化剤によって触媒が劣化しやすいという問題があった。例えば、触媒として活性炭を用いた場合、処理対象水中の酸化剤濃度が10mg/L以上と高濃度であると、処理が進むにつれて活性炭の触媒作用が著しく低下するために、頻繁に活性炭を交換しなくてはならず、ランニングコストが高くなるものであった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、触媒との接触による酸化剤処理方法であって、触媒の劣化を抑制し、触媒による酸化剤の処理効果を長期間持続させることができる方法および装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、触媒による酸化剤含有水の処理において、酸化剤含有水と触媒との接触時に水中に還元剤を共存させることで、触媒の劣化が非常に抑制され、触媒による酸化剤の処理効果を飛躍的に持続させることができ、迅速かつ安価に酸化剤を処理しうることを見出した。
本発明は、上述した知見に基づいてなされたもので、水に溶解した酸化剤を触媒により還元処理する方法において、前記水と触媒との接触時に水中に還元剤を共存させることを特徴とする酸化剤の処理方法を提供する。
また、本発明は、酸化剤含有水と触媒とを接触させて該酸化剤含有水に溶解した酸化剤を還元処理する触媒反応槽と、前記触媒反応槽またはその手前で酸化剤含有水に還元剤を添加することにより、触媒反応槽での酸化剤含有水と触媒との接触時に酸化剤含有水中に還元剤を共存させる還元剤添加手段とを具備することを特徴とする酸化剤の処理装置を提供する。
水中の酸化剤と触媒とを接触させた場合、酸化剤が触媒により還元され、効率的に酸化剤の処理を行うことができる。しかしながら、従来は、酸化剤と触媒との反応により、触媒が劣化して徐々にその活性を失うため、劣化した触媒を定期的に再生処理または交換する必要が生じていた。特に高濃度の酸化剤の処理を行った場合には、触媒の性能低下がきわめて速くなり、処理コストが増大する原因となっていた。これに対し、本発明は、酸化剤と触媒とを接触させる際に還元剤を共存させることにより、触媒の劣化を飛躍的に抑制するものである。
以下、本発明についてより詳しく説明する。本発明において、処理対象とする酸化剤の種類に限定はなく、本発明は触媒による還元処理が可能な種々の酸化剤、例えば過マンガン酸塩、過硫酸塩、過酸化水素等の処理に有効に適用することができる。また、過硫酸イオンを含んだ水の触媒による還元処理においては、触媒の劣化が速く触媒のコストが増大するため、過硫酸塩の処理に本発明を使用することは非常に有効である。
本発明で用いる触媒の種類に限定はなく、例えば活性炭、活性炭や還元剤などを担持させたセラミックス、白金やパラジウムなどの貴金属触媒、過酸化コバルトや過酸化ニッケルなどの還元触媒等を用いることができるが、反応速度が速く、かつコスト的に有利な点で活性炭を用いることが特に好ましい。
また、本発明において、還元剤は酸化剤の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、酸化剤が過硫酸塩である場合、還元剤としては硫酸ラジカルより酸化還元電位が低い物質、例えばチオ硫酸塩、過酸化水素等を好適に用いることができる。
本発明は、土壌中に酸化剤を添加して地表面以下に存在する汚染有機物質の酸化処理を行う目的で使用された酸化剤の処理に有効に使用することができる。例えば、有機物質により汚染された土壌および地下水に原位置で酸化剤を添加して浄化する方法(原位置化学酸化法)において、未反応の酸化剤を含有する地下水を地中から回収し、この回収した地下水中の酸化剤を処理する際に有効である。
この場合、上記原位置化学酸化法に用いられる酸化剤としては、一般に過マンガン酸塩、過硫酸塩(ペルオキソ二硫酸塩)、過酸化水素等が挙げられる。これらの中で、過マンガン酸塩は、ミジンコおよびメダカを用いた試験の結果、過硫酸塩と比較して水生生物に与える毒性が10倍から100倍以上と高く、また地中に二酸化マンガンとして残存するため、使用には細心の注意が必要である。過硫酸塩は、過マンガン酸塩と比較して毒性は低いものの、酸化力を有する薬剤であり、環境中に漏洩することによって悪影響を及ぼす可能性がある。過酸化水素は、地中で分解して酸素ガスが発生することがあるため、過酸化水素を使用する場合には地中での拡散、流動に細心の注意を払う必要がある。以上の点を考慮すると、原位置化学酸化法では、酸化剤として過硫酸塩(あるいは過硫酸)を用いることが特に適当である。過硫酸塩としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
原位置化学酸化法において、浄化に必要な酸化剤の濃度としては、汚染物質の種類および土壌の性状等によって異なるが、酸化剤として過硫酸塩を使用する場合には、おおむね反応領域末端(浄化範囲の末端)において10〜100000mg/L、特に100〜50000mg/Lであることが望ましい。
注入した酸化剤は、汚染物質や土壌中の還元物質との反応、酸化剤自体の自己分解、土壌中の金属等による触媒作用などによって消費され、酸化剤濃度の低下が生じる。また、酸化剤が地下水流に乗って拡散することによっても酸化剤濃度の低下が生じる。酸化剤の消費速度が非常に大きく、注入した酸化剤が管理可能区域内で安全な濃度レベルにまで低下する場合には、酸化剤の注入のみを行うシステムによっても安全な浄化が可能である。しかし、例えば地下水の存在する帯水層がある場合、該帯水層中の酸化剤消費量は十分に大きくない場合がある。さらに、酸化剤の注入量の増大に応じて土壌の還元性は失われていく。
酸化剤の注入のみを主体とした浄化システムにおいては、酸化剤の到達地点および濃度を制御することが難しいことから、酸化剤の注入および揚水を組み合わせて浄化対象エリアを水理学的に封鎖することによって、酸化剤の管理可能区域外への流出を防ぐシステムが非常に有効である。また、酸化剤の注入と揚水を組み合わせることにより、地下水の流速を制御することが可能となるため、酸化剤を目的の浄化対象エリアへすばやく到達させることができ、結果として浄化期間の短縮効果も期待できる。この際、通常は揚水した地下水量に比べて注入量(戻す量)が少ない場合が多く、揚水した余剰の地下水中に地中で消費されずに残存した酸化剤が含まれる場合、この酸化剤を安全なレベルまで処理する必要性がある。この未反応の酸化剤を含有する地下水は、地中に設置した薬剤回収用井戸、集水管などを用いた地下水回収手段により地中から回収し、本発明によって処理することが可能である。
以上のように、本発明によれば、水に溶解した酸化剤を触媒により還元処理する方法において、触媒の劣化を抑制し、触媒による酸化剤の処理効果を長期間持続させることができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施に用いる酸化剤処理装置の一例を示す図である。図1において10は酸化剤含有水導入ライン、12は還元剤タンク、14は還元剤添加ライン、16は還元剤添加ポンプ、18は触媒反応槽、20は処理水ライン、22はpH調整兼循環水貯留用処理水タンク、24は攪拌機、26はアルカリ剤タンク、28はアルカリ剤添加ライン、30はアルカリ剤添加ポンプ、32はpHコントローラ、34はpHセンサ、36は処理水排出ライン、38は処理水循環ライン、40は循環ポンプを示す。本装置では、還元剤タンク12、還元剤添加ライン14、還元剤添加ポンプ16によって還元剤添加手段が構成されている。
本装置では、酸化剤含有水(例えば、酸化剤製造工程で生成した酸化剤を含む排水や、前述した原位置化学酸化法で地中から回収した未反応の酸化剤を含有する地下水)に、酸化剤含有水導入ライン10において還元剤添加ライン14から還元剤を添加する。その後、この酸化剤含有水を触媒反応槽18に通水し、その処理水を処理水ライン20を通して処理水タンク22に貯留する。処理水タンク22では、攪拌機24で処理水42を攪拌しながら、アルカリ剤添加ライン28から処理水42にアルカリ剤を添加し、処理水のpHを中性付近に調整する。pHを中性付近に調整した処理水の一部は、処理水排出ライン36から系外に排出する。また、処理水の残部は処理水循環ライン38に流し、ここで処理対象水(酸化剤含有水)と混合した後、この混合水を触媒反応槽18に通水する。
本装置では、還元剤添加ライン14から酸化剤含有水に還元剤を添加することにより、触媒反応槽18において、還元剤を共存させた状態で酸化剤含有水と触媒とを接触させる。この場合、触媒反応槽18に充填する触媒としては、活性炭を用いることが好ましい。活性炭としては、石炭系、椰子殻系、木炭系などのいずれの種類のものでも使用することができる。また、酸化剤含有水と触媒との接触手段としては、ケモスタット型反応槽や回分式反応槽などの完全混合型反応器の他、触媒を充填した反応槽に処理対象液を通水する方法などが使用できるが、単位面積当たりの触媒量を多くとることができることから、触媒充填型反応槽である流動床方式の活性炭充填塔とすることが望ましい。活性炭の形状としては、粉体状、粒状、球状、ペレット状、繊維状(繊維上に触媒を担持させたもの)などを使用できるが、触媒充填型反応槽を用いる場合には分離性を重視して粒状、ペレット状または繊維状活性炭、完全混合型反応槽を用いる場合には反応速度の速い粉体状または繊維状活性炭を使用することが望ましい。
触媒反応槽18での処理対象水の最適なpHは、使用する触媒や処理対象となる酸化剤によっても異なるが、処理対象酸化剤が過硫酸塩、触媒が活性炭である場合は酸性〜中性領域が望ましい。アルカリ領域による処理では、活性炭の劣化を早める。ただし、通常は過硫酸イオンの還元処理により生成する硫酸イオンによって水のpHが低下するため、必ずしも触媒反応槽18内の水のpHを制御する必要はない。また、触媒接触を行った際の酸化剤分解は触媒作用により比較的速やかに行われるが、処理水水質の観点から空塔速度は50以下、特に20以下とすることが望ましい。
還元剤添加ライン14から添加する還元剤としては、処理対象の酸化剤と反応しうるもの、つまり処理対象とする酸化剤と比して酸化還元電位の低いものを使用することができる。例えば酸化剤として過硫酸塩を処理する場合、触媒との接触により硫酸ラジカルが生成するため、この硫酸ラジカルより酸化還元電位の低い物質、具体的には酸化還元電位が2.6eV以下の物質を還元剤として使用することができる。このような還元剤としては、例えばチオ硫酸塩、過酸化水素、亜硫酸塩、亜硝酸塩、チオ尿素、アリルチオ尿素、硫化水素、水素、チオグリコール酸、水素化ホウ素塩のほか、各種の有機物質などの一般的な還元剤を用いることができ、またこれらを混合して使用することもできる。しかしながら、薬品の安全性、価格、取り扱い、後段の処理の必要性等を考えると、チオ硫酸ナトリウムまたは過酸化水素を単独で使用することが特に望ましい。また、過酸化水素は酸化剤にも還元剤にもなりうる物質であり、処理対象とする酸化剤が過酸化水素である場合には、同様の理由でチオ硫酸ナトリウムを用いることが望ましい。
還元剤は、酸化剤と触媒とが接触する際に水中に存在していればよく、したがって処理対象水が触媒と接触する前あるいは同時に添加することができる。また、このときの還元剤濃度としては、酸化剤と還元剤との反応式により計算し、予め測定しておいた酸化剤濃度に対して、完全に反応した場合の当量の1/10倍〜10倍量程度、好ましくは当量の1/2倍〜2倍量程度とすることが適当である。
触媒反応槽18で通水接触により処理対象水を処理する場合、酸化剤として過酸化水素や過硫酸イオンが含まれる場合には、それらの分解によって気体が発生するため、触媒反応槽には上向流で通水をすることでこの気体の装置内への溜まり込みを防止することができ有効である。また、処理水を再度原水と共に触媒反応槽に循環させる処理水循環ライン38を設けることにより、触媒反応槽内の線流速を高く維持し、触媒上への気泡の付着を防ぎ、さらには希釈効果により見かけ上の酸化剤濃度を減少させる等の望ましい結果をもたらす。このような上向流式の触媒反応槽を採用した場合、発生した気泡により触媒の流出を起こす可能性があるため、必要に応じて触媒反応槽内部や出口に触媒流出防止ネット等を設置する必要性が生じる場合もある。
触媒反応槽の材質は、処理対象水の水質に応じて選定することが好ましい。特に処理対象水中に酸化剤として過硫酸塩を含む場合には、過硫酸イオンの分解によってpHが低下するため、ステンレス鋼やFRPのような耐酸性材料を使用することが適当である。
酸化剤の処理によって水のpHが低下する場合には、触媒処理の前および/または後で水にアルカリ剤を添加することにより、pHを中和して処理水を放流することが必要になる場合が多い。触媒処理後にpHを中和する場合は、本例のように、処理水タンク22にて、攪拌機24で処理水を攪拌している状態で、アルカリ剤添加ライン28から処理水タンク22内の処理水42にアルカリ剤を添加することができる。この場合、pHコントローラ32によりアルカリ剤の流入を制御することができる。また、pHセンサ34を処理水排出ライン36内に設置し、処理水排出ライン36内の処理水にアルカリ剤添加ライン28から直接アルカリ剤を添加することもできる。上記の場合、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの一般的なアルカリ性物質を使用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例によって何ら限定されない。
(実施例1)
酸化剤含有原水として、過硫酸ナトリウムを500mg/Lになるように純水に溶解したものをバイアル瓶にて用意した。そして、還元剤を酸化剤濃度に対して完全に反応した場合のほぼ当量となるように、過酸化水素100mg/Lまたはチオ硫酸ナトリウム80mg/Lを上記原水に添加した系(還元剤当量添加・活性炭非通水系)を作成した。また、当量の4倍程度として過酸化水素400mg/Lまたはチオ硫酸ナトリウム320mg/Lとなるように上記原水に添加した系(還元剤4倍当量添加・活性炭非通水系)を作成し、それぞれの系において水中の過硫酸ナトリウム濃度が100mg/L以下となるまでの還元剤との接触時間を測定した。
一方で、アクリル樹脂製カラム(内径30mm、高さ300mm)に触媒として石炭系活性炭(商品名ダイヤホープ:三菱化学社製)を充填高さ100mmとなるように充填した活性炭充填カラムに通水する系を作成した。そして、このカラムに前記酸化剤含有原水を空塔速度10/hrで通水し、処理水の一部をカラム入口に戻して線流速17m/hrで循環運転を行った(還元剤無添加・活性炭通水系)。また、ここで原水流入ラインにおいて、処理対象原水中へ還元剤として過酸化水素を100mg/Lになるように連続添加し(還元剤添加・活性炭通水系)、それぞれの系において処理水中の過硫酸ナトリウム濃度が100mg/L以下となるまでの接触時間を測定した。
その結果、過硫酸ナトリウム濃度を500mg/Lから100mg/L以下にするのに必要な接触時間は、還元剤(チオ硫酸ナトリウム)当量添加・活性炭非通水系では30時間、還元剤(チオ硫酸ナトリウム)4倍当量添加・活性炭非通水系では21時間、還元剤(過酸化水素)当量添加・活性炭非通水系では140時間、還元剤(過酸化水素)4倍当量添加・活性炭非通水系では136時間、還元剤無添加・活性炭通水系では0.1時間、還元剤添加・活性炭通水系では0.1時間であった。したがって、本実験により、活性炭充填カラムに通水した系では、還元剤添加の有無に関わらず空塔速度10/hrにおける滞留時間内での接触により迅速に過硫酸ナトリウムを500mg/Lから100mg/L以下まで処理できたのに対し、還元剤添加・活性炭非通水系では、たとえ還元剤の添加量を還元剤添加・活性炭通水系の4倍にしたとしても、その200〜1400倍もの接触時間が必要であり、活性炭による酸化剤の処理が非常に効率的であることが確認された。
(実施例2)
アクリル樹脂製カラム(内径30mm、高さ300mm)に触媒として石炭系活性炭(ダイヤホープ;三菱化学製)を充填高さ100mmとなるように充填した。そして、このカラムに酸化剤を含んだ水を通水し、活性炭での単独処理を行った場合と還元剤を共存させた場合の酸化剤処理能力を調べた。酸化剤含有原水としては、純水に過硫酸ナトリウムを500mg/Lになるように溶解したものを用意した。この原水を上記カラムに空塔速度10/hrで通水し、線流速を確保するため、処理水の一部をカラム入り口に戻して線流速17m/hrで循環運転を行った。ここで原水流入ラインにおいて、処理対象原水中へ還元剤として過酸化水素を100mg/Lまたはチオ硫酸ナトリウムを83mg/Lになるように連続添加した。また、処理水のpH低下が想定されたため、カラム出口に設置した処理水タンクにpHコントローラを設置し、pHが中性に保たれるよう処理水タンクにおいて処理水に自動的に水酸化ナトリウムの水溶液を添加するようにした。さらに、過酸化水素添加系では大量の気体発生により活性炭の流出が起こるため、活性炭の上部にネットを設置した。
上記装置の原水および処理水について過硫酸ナトリウム濃度を測定し、処理水中の過硫酸ナトリウム濃度を100mg/L以下または200mg/L以下に保てる通水量を求めた。一方で還元剤を添加しない系を作成し、処理結果を比較した。その結果、処理水中の過硫酸ナトリウム濃度を100mg/L以下に保てる通水量は、還元剤無添加系では150L、過酸化水素添加系では1100L、チオ硫酸ナトリウム系では600Lであり、処理水中の過硫酸ナトリウム濃度を200mg/L以下に保てる通水量は、還元剤無添加系では220L、過酸化水素添加系では2800L、チオ硫酸ナトリウム系では1300Lであった。したがって、本実験により、過酸化水素添加系、チオ硫酸ナトリウム添加系ともに、還元剤無添加系に対して4〜10倍以上も通水量が増加し、還元剤の添加が非常に有効であることが確認された。また、すべての系においてカラム出口でのpHは2程度まで低下したが、中和装置の働きにより最終的な処理水のpHは中性に保たれた。
本発明の実施に用いる酸化剤処理装置の一例を示す図である。
符号の説明
10 酸化剤含有水導入ライン
12 還元剤タンク
14 還元剤添加ライン
16 還元剤添加ポンプ
18 触媒反応槽
20 処理水ライン
22 pH調整兼循環水貯留用処理水タンク
24 攪拌機
26 アルカリ剤タンク
28 アルカリ剤添加ライン
30 アルカリ剤添加ポンプ
32 pHコントローラ
34 pHセンサ
36 処理水排出ライン
38 処理水循環ライン
40 循環ポンプ

Claims (10)

  1. 水に溶解した酸化剤を触媒により還元処理する方法において、前記水と触媒との接触時に水中に還元剤を共存させることを特徴とする酸化剤の処理方法。
  2. 触媒が活性炭であることを特徴とする請求項1に記載の酸化剤の処理方法。
  3. 酸化剤が過硫酸塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化剤の処理方法。
  4. 還元剤がチオ硫酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化剤の処理方法。
  5. 還元剤が過酸化水素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化剤の処理方法。
  6. 酸化剤が、土壌中に酸化剤を添加して地表面以下に存在する汚染有機物質の酸化処理を行う目的で使用されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸化剤の処理方法。
  7. 酸化剤が、地下水を揚水した水中に含まれているものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸化剤の処理方法。
  8. 酸化剤含有水と触媒とを接触させて該酸化剤含有水に溶解した酸化剤を還元処理する触媒反応槽と、前記触媒反応槽またはその手前で酸化剤含有水に還元剤を添加することにより、触媒反応槽での酸化剤含有水と触媒との接触時に酸化剤含有水中に還元剤を共存させる還元剤添加手段とを具備することを特徴とする酸化剤の処理装置。
  9. 前記触媒反応槽は活性炭充填塔であることを特徴とする請求項8に記載の酸化剤の処理装置。
  10. 前記触媒反応槽は連続して酸化剤含有水を通水するものであり、該触媒反応槽の処理水の一部と触媒反応槽に通水する酸化剤含有水とを触媒反応槽の手前で混合し、この混合水を触媒反応槽に通水することを特徴とする請求項8または9に記載の酸化剤の処理装置。
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