JP2003266028A - 洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents

洗浄装置および洗浄方法

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JP2003266028A
JP2003266028A JP2002075042A JP2002075042A JP2003266028A JP 2003266028 A JP2003266028 A JP 2003266028A JP 2002075042 A JP2002075042 A JP 2002075042A JP 2002075042 A JP2002075042 A JP 2002075042A JP 2003266028 A JP2003266028 A JP 2003266028A
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cleaned
cleaning liquid
liquid
substrate
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JP2002075042A
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Kenji Yasutake
健司 安武
Yuichi Yamamoto
裕一 山本
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒径が1μm程度の微小粒子を十分に除去す
ることができる洗浄装置および洗浄方法を提供する。 【解決手段】 洗浄液5を噴射するノズル3を備える洗
浄装置20において、洗浄液5が被洗浄基板1表面を1
50m/s以上の流速で流れるように構成する。また、
洗浄液噴射時には被洗浄基板を100〜200rpmの
範囲内の回転数で回転させる一方、洗浄液噴射終了後に
は乾燥のために被洗浄基板を100〜200rpmの範
囲内の回転数で回転させる回転機構10を設ける。ま
た、洗浄槽7の底面に、洗浄後の洗浄液5を廃液として
洗浄槽7外に排出するための複数の排液排気口6を設け
る。また、洗浄液噴射終了後に、乾燥のためにノズル3
から乾燥気体を噴射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液晶表示
素子やPDP(プラズマディスプレイパネル)等のフラ
ットパネルディスプレイに用いられるガラス基板、半導
体装置の製造に用いられるシリコン基板等の被洗浄物を
洗浄するための洗浄装置および洗浄方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば液晶表示素子やPDP等のフラッ
トパネルディスプレイ、半導体装置等の製造工程で用い
られるガラス基板やシリコン基板等の従来の洗浄方法と
しては、回転するブラシを基板表面にこすりつけるブラ
シ洗浄、洗浄液に超音波を照射して得られるキャビテー
ション洗浄、および振動加速度を利用する超音波洗浄が
知られている。
【0003】なお、ブラシ洗浄については、「最適精密
洗浄技術」(著者:平塚、角田、および間宮,発行所:
テクノシステム,1990年発行)の86〜90頁の
「4.2.1 ブラシスクラビング」の項に記載されている。
また、キャビテーション洗浄や超音波洗浄については、
特開平2001−104897号公報、特開平2001
−104898号公報、特開平11−33506号公
報、特開平9−321010号公報、前述した文献「最
適精密洗浄技術」の93〜104頁の「4.2.3 超音波洗
浄」の項等に記載されている。
【0004】例えば、液晶表示素子やPDP等のフラッ
トパネルディスプレイには、市場ニーズとして、表示の
高密度化・高精細化のような表示品位の向上が要求され
るようになってきている。そのため、表示の高密度化・
高精細化のために、1μmレベルのデザインルールに従
った洗浄、すなわち粒径が1μm程度の微小粒子を除去
できる洗浄が要求されるようになってきている。
【0005】しかしながら、従来の洗浄装置および洗浄
方法、すなわち、ブラシ洗浄、キャビテーション洗浄、
および超音波洗浄では、粒径が1μm程度の微小粒子を
除去することが困難である。
【0006】また、従来より、高圧液噴射洗浄が行われ
ている。高圧液噴射洗浄については、前述した文献「最
適精密洗浄技術」の90〜93頁の「4.2.2 高圧液噴射
洗浄」の項に記載されている。高圧液噴射洗浄は、20
〜200kg/cm2に加圧した洗浄液をノズルから噴
射させ、ウエーハやマスク表面に当てて付着粒子を排除
する方法である。洗浄液としては、通常は純水を使う
が、洗剤液やフロンを使う場合もある。また、ノズルの
向きを45〜135度自由に変えられる機構をつけ、ウ
エーハを回転させる。
【0007】また、高圧液噴射洗浄では、加圧が高い程
粒子除去率が向上するが、粒子径が小さくなると同じ水
圧でも除去されにくくなることが知られている。サブミ
クロンの粒子(粒径が1μm未満の粒子)が問題となる
LSI(Large-Scale Integration)ウエーハでは、1
00〜200kg/cm2の水圧が使用される。このよ
うな高い水圧を与えた場合、水の噴射速度が150m/
s前後(最高162.40m/s)に達していることが
実験的に測定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ノズルから
噴射された洗浄液は、基板表面を流れるまでに、空気抵
抗や基板に衝突する際のエネルギー損失により大幅に減
速する。そのため、噴射速度(ノズルから噴射された直
後の流速)が150m/s前後であっても、基板表面を
流れる洗浄液の流速(以下、「洗浄液の表面流速」と称
する)は、120m/s程度になる。洗浄液の表面流速
が120m/s程度であると、粒径が1μm程度の微小
粒子を十分に除去することができない。
【0009】したがって、従来の高圧液噴射洗浄は、粒
径が1μm程度の微小粒子を十分に除去することができ
ないという問題を有している。
【0010】本発明は、上記従来の問題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、粒径が1μm程度の微小粒子
を十分に除去することができる洗浄装置および洗浄方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の洗浄装置は、上
記の課題を解決するために、洗浄液を被洗浄物に向かっ
て噴射する洗浄液噴射手段を備える洗浄装置において、
上記洗浄液噴射手段は、上記洗浄液が被洗浄物表面を1
50m/s以上の流速で流れるように、上記洗浄液を噴
射するものであることを特徴としている。
【0012】上記構成によれば、被洗浄物表面に付着し
た粒子に対して、被洗浄物表面を150m/s以上の流
速で流れる洗浄液により、粒径が1μm程度の微小粒子
の付着応力に打ち勝つほど十分大きい剪断応力が加えら
れる。これにより、被洗浄物表面から、粒径が1μm程
度の微小粒子を十分に除去することができる。
【0013】なお、上記洗浄液噴射手段は、洗浄液を噴
射するための洗浄液噴射ノズルを備えていることが好ま
しい。また、上記洗浄液噴射ノズルを被洗浄物表面に対
して垂直に固定する場合、上記洗浄液噴射ノズルは、被
洗浄物の中央に向かって洗浄液を噴射する位置に配置す
ることが好ましい。
【0014】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、洗浄液噴射時に、上記被
洗浄物の被洗浄面(例えば、基板の洗浄される側の面)
と交差(好ましくは直交)する回転軸を中心として上記
被洗浄物を100〜200rpmの範囲内の回転数で回
転させる回転手段をさらに備える構成である。
【0015】上記構成によれば、被洗浄物を100rp
m以上の回転数で回転させるので、被洗浄物の被洗浄面
全体に満遍なく洗浄液が流れる。しかも、被洗浄物を2
00rpm以下の回転数で回転させるので、洗浄時に被
洗浄物を高速(通常、回転数1,000〜2,000r
pm)で回転させる従来のスピン洗浄機と比較して、被
洗浄面の中心部と外周部との線速度の差が小さい。それ
ゆえ、被洗浄面の中心部と外周部との洗浄液の流速差が
小さくなる。したがって、これらにより、洗浄液の流速
ムラが小さくなるので、被洗浄面内で洗浄効果が均一と
なり、被洗浄面を均一に洗浄できる。
【0016】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記洗浄液噴射手段は、
洗浄液を噴射するための洗浄液噴射ノズルを備え、上記
被洗浄物の被洗浄面全体に洗浄液が噴射されるように、
上記被洗浄物の被洗浄面と上記洗浄液噴射ノズルとがな
す角度を所定の角度に保ちながら被洗浄物および洗浄液
噴射ノズルの少なくとも一方を移動させる移動手段がさ
らに設けられている構成である。
【0017】洗浄液噴射ノズルを回転させた場合、被洗
浄物の位置によって洗浄液が衝突する角度や洗浄液噴射
ノズルからの距離が変化することになり、それゆえ、被
洗浄物の位置によって洗浄液の流速が変化する。
【0018】上記構成では、洗浄液噴射ノズルの角度を
一定に保つことができるので、ノズルを回転させた場合
と比較して、均一な洗浄効果が得られる。
【0019】なお、被洗浄物を移動する移動手段として
は、例えば、水平なステージの上面に被洗浄物を固定す
る場合、このステージを水平移動する移動機構を用いる
ことができる。
【0020】また、本発明の洗浄装置は、上記構成の洗
浄装置において、上記移動手段が、洗浄液噴射ノズルを
移動させるものであることが好ましい。
【0021】上記構成では、洗浄液噴射ノズルを移動さ
せるので、被洗浄物を移動させる必要がなく、それゆ
え、被洗浄物を移動させる空間を確保する必要がない。
そのため、洗浄装置のサイズを小型化できる。
【0022】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物は、基板で
あり、上記洗浄液噴射ノズルは、基板と平行な方向に伸
びたスリット状の洗浄液噴射口を有し、上記洗浄液噴射
口の長手方向の寸法は、上記基板における洗浄される側
の面の少なくとも1方向の寸法より大きく、上記移動手
段は、上記洗浄液噴射口の長手方向と交差する方向に上
記洗浄液噴射ノズルを直線的に移動させる構成である。
【0023】上記構成では、上記移動手段による移動が
直線的であるため、移動手段の構成を簡素化することが
可能となる。また、上記構成では、特に液晶パネルやP
DPなどに用いる矩形の大型基板を効果的に洗浄でき
る。
【0024】なお、前述した文献「最適精密洗浄技術」
の「4.2.2 高圧液噴射洗浄」の項には、ICウエハーの
ような円形の小型基板を回転させて洗浄する場合につい
てのみ述べられており、液晶パネルやPDPなどに用い
る矩形の大型基板を水平移動する場合については述べら
れていない。
【0025】また、上記洗浄装置は、上記被洗浄物を入
れるための洗浄槽と、上記洗浄槽の底面に設けられ、洗
浄後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に排出するための排
液口とをさらに備えることが好ましい。さらに、上記排
液口は、洗浄液のミストを装置外に排出する機能を兼ね
た排液排気口であってもよい。
【0026】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物を入れるた
めの洗浄槽と、洗浄液噴射時に、上記洗浄槽内部を加圧
するための加圧手段とをさらに備え、上記洗浄槽の底面
には、洗浄後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に排出する
ための排液口が設けられている構成である。
【0027】上記構成によれば、加圧手段によって加圧
された洗浄槽内部の気体によって、洗浄槽底部に溜まっ
た洗浄後の洗浄液(廃液)が、排液口を通して洗浄槽外
に押し出される。その結果、洗浄後の洗浄液(廃液)を
効率的に排出できる。
【0028】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物を入れるた
めの洗浄槽をさらに備え、上記洗浄槽は、その中心軸が
鉛直となるように設けられた円筒形の側板と、この側板
の下端に取り付けられた底板とを備え、上記底板には、
洗浄後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に排出するための
複数の排液口が設けられ、これら排液口は全て、側板の
中心軸と底板との交点を中心とする円上に位置し、か
つ、排液口同士を結ぶ円弧の長さが全て等しい構成であ
る。
【0029】上記構成によれば、排液口が1つだけ設け
られている場合や、複数の排液口が底板の端部に偏って
設けられている場合と比較して、より広い領域で均等に
排液を行うことができる。それゆえ、洗浄槽底部に溜ま
った洗浄後の洗浄液(廃液)を、滞留させることなく効
率的に洗浄槽外へ排出できる。
【0030】また、上記洗浄装置は、洗浄槽内部に発生
した洗浄液のミストを洗浄槽外に排出する排気口をさら
に備えることが好ましい。
【0031】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物を入れるた
めの洗浄槽と、洗浄液噴射終了後に、洗浄槽内部に発生
した洗浄液のミストを含む気体を減圧吸引するための吸
引手段とをさらに備えている構成である。
【0032】本発明の洗浄装置では、洗浄液を高速で噴
射するため、洗浄槽内部に洗浄液のミストが発生しやす
いが、上記構成によれば、洗浄液噴射後に、洗浄槽内部
に発生した洗浄液のミストを含む気体が、吸引手段によ
って減圧吸引されることによって洗浄槽外へ除去され
る。これにより、洗浄液のミストが洗浄済みの被洗浄物
に付着して被洗浄物が汚染されることを防止できる。
【0033】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記洗浄槽には、吸引手
段による減圧吸引時に、洗浄槽外から気体を吸入するた
めの気体吸入口が設けられている構成である。
【0034】上記構成によれば、吸引手段による減圧吸
引時に、洗浄槽外から吸入した気体によって洗浄液のミ
ストを吸引手段の方へ押し出すことができるので、より
一層効率的にミストを除去できる。これにより、洗浄液
のミストが洗浄済みの被洗浄物に付着して被洗浄物が汚
染されることをより一層確実に防止できる。
【0035】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記気体吸入口が、洗浄
液噴射時に洗浄後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に排出
する排液口の役割を果たすように、上記洗浄槽の底部に
設けられている構成である。
【0036】上記構成によれば、洗浄槽の底部に設けら
れた開口が、洗浄液噴射時には洗浄後の洗浄液を廃液と
して洗浄槽外に排出する排液口として働くと共に、乾燥
時には洗浄槽外から気体を吸入するための気体吸入口と
して働く。それゆえ、洗浄槽の構造を簡素化することが
できる。
【0037】上記洗浄装置は、洗浄後の洗浄液を廃液と
して除去すると共に、被洗浄物表面を乾燥させるための
乾燥手段をさらに備えていることが好ましい。
【0038】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物を入れるた
めの円柱形の洗浄槽をさらに備え、上記洗浄槽の上面お
よび底面の少なくとも一方には、洗浄槽内部に発生した
洗浄液のミストを含む気体を洗浄槽外に排出するための
複数の排気口が設けられ、これら排気口は全て、洗浄槽
の中心軸上の点を中心とする同一の円上に位置し、か
つ、排気口同士を結ぶ円弧の長さが全て等しい構成であ
る。
【0039】上記構成によれば、排気口が1つだけ設け
られている場合や、複数の排気口が上面または底面の端
部に偏って設けられている場合と比較して、より広い領
域で均等に排気を行うことができる。それゆえ、洗浄槽
内部に発生したミストを含む気体を滞留させることなく
効率良く排気することができる。その結果、洗浄液のミ
ストが洗浄済みの被洗浄物に付着して被洗浄物が汚染さ
れることを防止できる。
【0040】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、洗浄液噴射後に、上記被
洗浄物上に存在する洗浄後の洗浄液を廃液として除去す
ると共に、被洗浄物表面を乾燥させるための乾燥手段を
さらに備え、上記乾燥手段は、加熱された乾燥気体を噴
射する気体噴射手段を含む構成である。
【0041】上記構成によれば、気体の噴射により、洗
浄後の洗浄液がミスト状となって被洗浄物表面から除去
される。また、噴射される気体が加熱された乾燥気体で
あるため、被洗浄物表面が、加熱され乾燥した雰囲気に
曝される。それゆえ、被洗浄物表面の洗浄液を速やかに
気化させることができる。これらにより、上記構成で
は、洗浄後における洗浄液の除去および被洗浄物表面の
乾燥を効率的に行うことができる。
【0042】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記洗浄液噴射手段は、
洗浄液を噴射するための洗浄液噴射ノズルを備え、上記
気体噴射手段は、洗浄液噴射終了後に、上記洗浄液噴射
ノズルを通して乾燥気体を噴射する構成である。
【0043】上記構成によれば、1つのノズルで洗浄液
の噴射と乾燥気体の噴射とを行うことができるので、装
置構成を簡素化できる。
【0044】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記気体噴射手段は、加
熱された乾燥気体を噴射するための気体噴射ノズルを備
え、加熱された乾燥気体が上記被洗浄物の被洗浄面全体
に噴射されるように気体噴射ノズルを移動させるノズル
移動手段がさらに設けられている構成である。
【0045】上記構成では、気体噴射ノズルを移動させ
るので、被洗浄物を移動させる空間を確保する必要がな
く、それゆえ、被洗浄物を移動させる空間を確保する必
要がない。そのため、乾燥手段の部分の装置サイズを小
型化でき、装置全体のサイズを小型化できる。
【0046】また、上記構成において、上記洗浄液噴射
手段が、洗浄液を噴射するための洗浄液噴射ノズルを備
え、かつ、上記被洗浄物の被洗浄面全体に洗浄液が噴射
されるように、上記被洗浄物の被洗浄面と上記洗浄液噴
射ノズルとがなす角度を所定の角度に保ちながら洗浄液
噴射ノズルを移動させる移動手段が設けられている場
合、被洗浄物の搬送が不要となる。それゆえ、洗浄と乾
燥のスペースを共有でき、洗浄部と乾燥部との間の基板
搬送機構が不要となる。その結果、装置の小型化と単純
化が可能になる。
【0047】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物は、基板で
あり、上記気体噴射ノズルは、基板と平行な方向に伸び
たスリット状の気体噴射口を有し、上記気体噴射口の長
手方向の寸法は、上記基板における洗浄される側の面の
少なくとも1方向の寸法より大きく、上記ノズル移動手
段は、上記気体噴射ノズルを上記気体噴射口の長手方向
と交差する方向に直線的に移動させる構成である。
【0048】上記構成によれば、上記ノズル移動手段に
よる移動が直線的であるため、ノズル移動手段の構成を
簡素化することが可能となる。
【0049】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、洗浄液噴射終了後に、上
記被洗浄物上に存在する洗浄後の洗浄液を廃液として除
去すると共に、被洗浄物表面を乾燥させるために、洗浄
後の被洗浄基板を、上記被洗浄物の被洗浄面(例えば、
基板の洗浄される側の面)と交差(好ましくは直交)す
る回転軸を中心として1,000rpm以上の回転数で
回転させる回転乾燥手段をさらに備える構成である。
【0050】上記構成によれば、洗浄後の被洗浄物を高
速で回転することにより、洗浄後の洗浄液を被洗浄物表
面から遠心力で飛ばすことができる。それゆえ、洗浄後
の洗浄液の高速な除去および乾燥が可能となり、タクト
タイムを短縮できる。
【0051】なお、本発明の洗浄対象となる被洗浄物と
しては、特に限定されるものではなく、例えば、液晶パ
ネルやPDPなどの矩形の大型基板、ICウエハーのよ
うな円形の小型基板等が挙げられる。また、本発明の洗
浄装置で用いる洗浄液としては、超純水、アルカリ水素
水、およびオゾン水が好適である。
【0052】また、本発明の洗浄装置における洗浄液噴
射手段は、被洗浄物の被洗浄面の法線に対して傾斜した
方向に洗浄液を噴射するものであることが好ましい。こ
れにより、被洗浄物への衝突による洗浄液流のエネルギ
ー損失を低減することができる。その結果、より少ない
エネルギーで表面流速150m/s以上を達成すること
が可能となり、エネルギーを節約できる。
【0053】また、本発明の洗浄装置における乾燥手段
は、気体噴射手段および/または回転乾燥手段に加え
て、被洗浄基板の近傍に、被洗浄基板を加熱する加熱手
段や、温風を吹き付ける手段を含んでいてもよい。
【0054】また、本発明の洗浄装置は、被洗浄基板を
入れるための洗浄槽を備え、洗浄液の噴射される空間が
洗浄槽によって遮蔽されていることが好ましい。これに
より、洗浄液のミストが装置周囲を汚染することを防止
することができる。
【0055】本発明の洗浄方法は、上記の課題を解決す
るために、洗浄液を被洗浄物に向かって噴射することに
より被洗浄物を洗浄する洗浄工程を含む洗浄方法におい
て、上記洗浄工程では、上記洗浄液を、被洗浄物表面を
150m/s以上の流速で流れるように、被洗浄物に向
かって噴射することを特徴としている。
【0056】上記方法によれば、被洗浄物表面に付着し
た粒子に対して、被洗浄物表面を150m/s以上の流
速で流れる洗浄液により、粒径が1μm程度の微小粒子
の付着応力に打ち勝つほど十分大きい剪断応力が加えら
れる。これにより、被洗浄物表面から、粒径が1μm程
度の微小粒子を十分に除去することができる。
【0057】なお、上記洗浄工程では、被洗浄基板を洗
浄槽で遮蔽することが好ましい。また、上記洗浄工程で
は、被洗浄基板をステージ上に固定することが好まし
い。また、上記洗浄工程では、被洗浄基板の表面全面を
洗浄するためにノズルまたは被洗浄基板を移動すること
が好ましい。また、上記洗浄工程では、ノズルから洗浄
液を噴射することが好ましい。
【0058】また、本発明の洗浄方法は、装置内に気体
を押圧して洗浄後の洗浄液(排液)を装置外に排出する
排液工程をさらに含むことが好ましい。また、この排液
工程では、洗浄液のミストが洗浄後の洗浄液(排液)と
共に装置外に排出されるようにすることが好ましい。
【0059】また、本発明の洗浄方法は、上記洗浄工程
の後に、装置内に気体を押圧して洗浄液のミストを装置
外に排出するミスト排出工程をさらに含むことが好まし
い。
【0060】また、本発明の洗浄方法は、上記洗浄工程
の後に、被洗浄物を回転させて洗浄液を除去して被洗浄
基板を乾燥する乾燥工程をさらに含むまた、本発明の洗
浄方法は、上記洗浄工程は、洗浄液としてのアルカリ水
素水またはオゾン水を、被洗浄物表面を150m/s以
上の流速で流れるように、被洗浄物に向かって噴射する
第1工程と、上記第1工程の後に、洗浄液としての超純
水を被洗浄物に向かって噴射する第2工程とを含んでい
てもよい。
【0061】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕従来の洗浄装置
では、被洗浄基板の取り扱い方法として、複数枚の基板
を連続的にローラ搬送して洗浄する平流し方式と、1枚
の基板を高速回転(回転数1,000〜2,000rp
m)して洗浄する高速スピン方式とがある。
【0062】平流し方式では、大型基板に対しても洗浄
効果の面内均一性が良好で、タクトタイムが短いという
メリットがある。しかしながら、平流し方式では、洗浄
効果を高めるためには、ブラシ洗浄、キャビテーション
洗浄、超音波洗浄等の複数の洗浄ツールを順番に利用す
る必要があるので、装置全体が大型化し、設置面積が増
大するというデメリットがある。
【0063】一方、高速スピン方式は、装置が小型化で
きるというメリットがあるが、大型基板に対して洗浄効
果の面内均一性が低下し、タクトタイムが長くなるとい
うデメリットがある。
【0064】本発明の他の目的は、装置構成が単純で、
タクトタイムが短くて、設置面積が小さく、また大型基
板に対する洗浄効果が面内で均一になる洗浄装置および
洗浄方法を提供することにある。
【0065】前記の目的に加えてこの他の目的も達成す
る本発明の洗浄装置および洗浄方法の実施の一形態につ
いて、図面を参照して以下に説明する。なお、図1で
は、装置の構造が分かり易いように、洗浄槽については
排液排気口が設けられた部分の断面を示している。図2
では、図面の簡略化のために、洗浄槽の底面のみを示し
ている。
【0066】図1および図2に示すように、本実施形態
の洗浄装置20は、被洗浄物としての矩形の被洗浄基板
(基板)1を支持するためのステージ2と、洗浄液5を
被洗浄基板1に向かって噴射すると共に乾燥時に乾燥気
体を被洗浄基板1に吹き付けるための1個のノズル(洗
浄液噴射手段、洗浄液噴射ノズル、気体噴射手段、気体
噴射ノズル)3、被洗浄基板1を入れるための洗浄槽
7、鉛直な回転軸を中心として被洗浄基板1を回転する
ための回転機構(回転手段、回転乾燥手段)10等を備
えている。
【0067】ステージ2は、水平な略平面状の上面を有
している。また、ステージ2には、被洗浄基板1をステ
ージ2の上面に固定するための真空吸着等の固定機構
(図示しない)が設けられている。
【0068】ノズル3は、被洗浄基板1の中央部上方に
配置されている。また、ノズル3は、スリットノズルで
あり、被洗浄基板1と平行な方向に伸びるスリット状の
噴出口(洗浄液噴射口、気体噴射口)4から洗浄液5を
噴出するようになっている。噴出口4の長手方向(被洗
浄基板1の短辺方向)の寸法は、被洗浄基板1の端面も
洗浄できるように、被洗浄基板1の短辺より長くなって
いる。被洗浄基板1は、その短辺方向が噴出口4の長手
方向と一致するように配置される。
【0069】そして、ノズル3は、被洗浄基板1表面を
流れる洗浄液5の流速(以下、「表面流速」と称する)
が150m/s以上となるように、洗浄液5の噴射速度
(ノズル3から噴射された直後の流速)および設置角度
(ノズル3の中心線(洗浄液の噴射方向)と被洗浄基板
1とのなす角度;以下、「ノズル角度」と称する)が設
定されている。
【0070】洗浄液5の噴射速度を固定して、ノズル角
度を変化させた場合の洗浄液5の表面流速の分布を理論
解析した。その結果を図17に示す。ここで、ノズル角
度は、0度が被洗浄基板1に対してノズル3が平行であ
ることを示し、90度が被洗浄基板1に対してノズル3
が垂直であることを示している。図17に示すように、
例えば、洗浄液5を噴射速度150m/sで被洗浄基板
1に垂直に噴射した場合、洗浄液5の表面流速は120
m/sまで減衰する。
【0071】図17の結果から、洗浄液5の表面流速が
150m/s以上となるノズル角度は、噴射速度160
m/sの場合には34度以下、噴射速度170m/sの
場合には50度以下、噴射速度180m/sの場合には
66度以下である。これらの結果を図18にまとめて示
す。
【0072】なお、図1に示す洗浄装置20では、ノズ
ル3が被洗浄基板1の面に対して垂直に配置されてお
り、ノズル角度が90度である。しかしながら、図17
および図18の結果から明らかなように、ノズル角度
は、小さいほど、表面流速が速くなるので望ましい。
【0073】また、ノズル3には、図1および図2には
示していないが、後述する加圧ポンプ23のような高圧
ポンプと接続され、高圧ポンプから高圧の洗浄液5が供
給されるようになっている。これにより、高圧の洗浄液
5が、ノズル3における幅の細いスリット部分を通過す
ることにより、噴出口4から高速で噴射される。ノズル
3としては、例えば、長さ50mm、スリット幅30μ
m、奥行き20mmのスリットノズルを使用することが
できる。また、このスリットノズルを使用して洗浄液5
の表面流速を実際に測定した結果、高圧ポンプから供給
される洗浄液5の圧力(以下、ポンプ圧と称する)が1
0MPaの場合に表面流速が120m/s、ポンプ圧が
15Paの場合に表面流速が170m/sであった。従
って、この場合、ポンプ圧が15Pa、ノズル角度50
度以上の条件において、表面流速150m/s以上が実
現される。
【0074】ノズル3から噴射された洗浄液5は、被洗
浄基板1表面を流れるまでに、空気抵抗や被洗浄基板1
に衝突する際のエネルギー損失により大幅に減速する。
そのため、洗浄液5の表面流速を150m/s以上にす
るには、洗浄液5の噴射速度を200m/s程度以上に
する必要があるが、この程度の噴射速度は、市販のノズ
ル3で十分に実現可能である。
【0075】このようにノズル3から洗浄液5が高速に
噴出されることにより、被洗浄基板1表面に付着してい
る粒子15が、洗浄液5の流れの剪断応力により被洗浄
基板1表面から剥離され除去される。
【0076】なお、洗浄液5の表面流速は、レーザ流速
計を用いて次のようにして測定することができる。
【0077】レーザ光が、流れの中の微小粒子によって
散乱すると、ドップラー効果により周波数が変化する。
レーザ流速計は、その周波数変化が流速に比例すること
を利用して流速を測定する装置で、レーザ光源、光学
系、光検出器、および信号処理装置を備えている。レー
ザ流速計の特長は、測定する流れを乱さないこと、応答
性が速く、局所速度の瞬間値を連続的に測定できるこ
と、校正が不要であることなどが挙げられる。また、レ
ーザ流速計は、測定可能な流速の範囲が、広く、10-6
〜103(m/s)であるので、本発明にかかる高速流
の流速を測定する装置として適している。
【0078】測定手順について、以下に説明する。まず
最初に、十分な散乱光強度を確保するために、洗浄液5
の流れに粒子を添加する。この粒子は、流れに対する追
従性が良いこと、粒子径が1μm程度以下で大きさが揃
っており、流体中濃度が均一であることが必要である。
このような必要条件を満たす粒子としては、ポリエチレ
ン粒子や脱脂乳が挙げられる。次に、粒子を含む洗浄液
5の流れにレーザ光を照射して、その散乱光を光学系を
通して光検出器に導き、光検出器でドップラー周波数f
を検出する。最後に、信号処理装置にて、この周波数f
から粒子の流速v、すなわち洗浄液5の流速vが、次式
により求められる。
【0079】v=λf/(2n×sinθ) ここで、λは入射光の真空中での波長、nは流体の屈折
率、θは光の入射角度である。
【0080】また、噴流が固体表面に衝突するとき、こ
れを衝突噴流と呼ぶ。衝突噴流は、図19に示すよう
に、上流から下流に向かって、(1)自由噴流領域R
f、(2)衝突噴流領域Rc、(3)壁面噴流領域R
w、の3つの領域に分類される。ここで、衝突噴流領域
Rcは、自由噴流領域Rfから壁面噴流領域Rwへの移
行領域で、流れの方向が急激に変動する。従って、基板
上の流速測定位置は、流れの安定する壁面噴流領域Rw
で測定することが望ましい。具体的には、表面流速が1
50m/sの場合、衝突場所(よどみ点)から下流側に
10mm離れた位置で測定することが望ましい。
【0081】また、ノズル3は、洗浄時には洗浄液5を
噴射する一方、洗浄後には加熱された乾燥気体を被洗浄
基板1に吹き付ける(噴射する)ようになっている。こ
れにより、ノズル3は、洗浄終了後に、被洗浄基板1上
に存在する洗浄後の洗浄液5を廃液として除去すると共
に被洗浄基板1表面を乾燥させる乾燥手段として機能
し、乾燥時間を短縮できる。
【0082】なお、上記乾燥気体としては、乾燥窒素ガ
スまたは乾燥空気(ドライエアー)が好適である。ま
た、上記乾燥気体は、40℃以上の高温にすることが好
ましい。また、上記乾燥気体は、5気圧以上の高圧にす
ることが好ましい。
【0083】したがって、好ましくは、ノズル3に対し
て、洗浄時には洗浄液5が供給される一方、乾燥時には
高温・高圧の乾燥気体が供給される。
【0084】次に、高温・高圧の乾燥気体をノズル3に
供給する手段、およびノズル3への洗浄液5の供給と乾
燥気体の供給とを切り替えるための手段について、図1
0に従って説明する。
【0085】図1および図2には示していないが、洗浄
装置20は、図10に示すように、気液分離装置21、
ヒータ(乾燥手段、気体噴射手段)22、加圧ポンプ
(洗浄液噴射手段、乾燥手段、気体噴射手段)23、切
り替えバルブ24、洗浄液供給装置(洗浄液噴射手段)
25、乾燥気体供給装置(乾燥手段、気体噴射手段)2
6、およびコントローラ27を備えている。
【0086】洗浄液供給装置25は、切り替えバルブ2
4を介してノズル3と接続され、ノズル3に洗浄液5を
供給するためのものである。洗浄液供給装置25は、洗
浄液5を生成する装置であってもよく、予め調製された
洗浄液5を入れておく容器であってもよい。
【0087】乾燥気体供給装置26は、切り替えバルブ
24を介してノズル3と接続され、ノズル3に乾燥気体
を供給するためのものである。乾燥気体供給装置26
は、気体を乾燥する装置であってもよく、予め乾燥され
た気体を入れた容器であってもよい。
【0088】切り替えバルブ24は、洗浄液供給装置2
5および乾燥気体供給装置26のいずれか一方を選択的
にノズル3に接続するものである。切り替えバルブ24
には、コントローラ27が接続されている。切り替えバ
ルブ24は、コントローラ27により、洗浄液供給装置
25がノズル3に接続され、乾燥時には乾燥気体供給装
置26がノズル3に接続されるように制御される。この
制御により、ノズル3には、洗浄時には洗浄液5が供給
され、乾燥時には乾燥気体が供給される。
【0089】切り替えバルブ24とノズル3との間に
は、切り替えバルブ24を通して供給された洗浄液5あ
るいは乾燥気体を加圧するための加圧ポンプ23と、切
り替えバルブ24を通して供給された乾燥気体を加熱す
るためのヒータ22とが接続されている。これら加圧ポ
ンプ23およびヒータ22にも、コントローラ27が接
続されている。コントローラ27は、加圧ポンプ23お
よびヒータ22を制御することにより、洗浄液5および
乾燥気体の圧力・温度を調整する。具体的には、洗浄時
には、洗浄液5の表面流速が150m/s以上となるよ
うに加圧ポンプ23を制御すると共に、ヒータ22によ
る加熱を停止する。一方、洗浄時には、乾燥気体が高
圧、好ましくは5気圧以上となるように加圧ポンプ23
を制御すると共に、乾燥気体の温度が高温、好ましくは
40℃以上となるようにヒータ22を制御する。
【0090】なお、洗浄から乾燥に移行する際には、切
り替えバルブ24とノズル3との間を接続するパイプの
内部に洗浄液5が残留しているので、乾燥開始時に、こ
のパイプ内部に残留した洗浄液5がノズル3から噴出し
て、被洗浄基板1を汚染する原因になることがある。そ
こで、本実施形態では、ノズル3の直前に、残留した洗
浄液5を除去する機構として気液分離装置21を設けて
いる。気液分離装置21は、気液分離装置21に接続さ
れたコントローラ27により制御され、乾燥時には気液
分離機能により残留した洗浄液5を除去する一方、洗浄
時には気液分離機能を停止して洗浄液5をそのままノズ
ル3に送るようになっている。
【0091】ノズル3から高速で噴射された洗浄液5
は、被洗浄基板1に衝突すると、飛散して滴状化し、ミ
スト(飛沫)9を発生させる。発生したミスト9は、乾
燥後の被洗浄基板1表面に付着すると、しみの原因とな
る。精密製品では、このスポット状しみでも不都合とな
る例が多い。
【0092】この対策として、洗浄済みの被洗浄基板1
や装置周辺がミスト9によって汚染されるのを防止する
ために、洗浄槽7は、被洗浄基板1およびノズル3を含
む空間を遮蔽するようになっている。
【0093】洗浄槽7は、その中心軸が鉛直となるよう
に設けられた円筒形の側板と、この側板の下端に取り付
けられた底板とを備えている。
【0094】洗浄槽7の底板(底面)には、洗浄後の洗
浄液5を廃液として洗浄槽7外に排出すると共に洗浄槽
7内に発生した洗浄液5のミスト9を含む気体を洗浄槽
7外に排出するための複数の排液排気口(排液口、排気
口)6が設けられている。
【0095】これら排液排気口6は全て、洗浄槽7の側
板の中心軸と底板との交点を中心とする円上に位置して
いる。また、排液排気口6同士を結ぶ円弧の長さが全て
等しい。これらにより、廃液およびミスト9の排出が効
率的に行える。なお、排液排気口6の数は、特に限定さ
れるものではないが、4つ以上であると、廃液およびミ
スト9の排出がより一層効率的に行える。
【0096】排液排気口6は、洗浄槽7の下方に設置さ
れた、図示しない真空ポンプ(吸引手段)に接続されて
いる。この真空ポンプは、洗浄後に、洗浄槽7の底板に
達した洗浄後の洗浄液5と、洗浄槽7内に発生した洗浄
液5のミスト9を含む気体とを排液排気口6から真空吸
引(減圧吸引)し、図示しない排液タンクに回収するよ
うになっている。これにより、洗浄槽7の底板に達した
洗浄後の洗浄液5と、洗浄槽7内に発生した洗浄液5の
ミスト9とが、排液排気口6から排液タンクに速やかに
回収される。それゆえ、被洗浄基板1表面から除去され
た粒子15が被洗浄基板1に再付着することを防止でき
ると共に、洗浄液5のミスト9が乾燥後の被洗浄基板1
に付着することを防止できる。
【0097】また、洗浄槽7の上面には、前記の真空ポ
ンプによる真空吸引時に、洗浄槽7外から乾燥気体(ド
ライエアーあるいは乾燥窒素ガス)を吸入するための気
体吸入口8が設けられている。この気体吸入口8の上方
には、図示しないが、乾燥気体雰囲気が形成されてい
る。気体吸入口8を設けることにより、洗浄槽7内に発
生したミスト9が、気体吸入口8から吸入された乾燥気
体により排液排気口6へ押し出される。これにより、ミ
スト9が、排液排気口6から速やかに洗浄槽7の下方に
設置された真空ポンプ(図示せず)により吸引されて排
液タンクに回収される。なお、気体吸入口8は、乾燥気
体に代えて外部空気を吸入するようにしてもよい。
【0098】回転機構10は、鉛直な回転軸を中心とし
てステージ2を回転させることにより、被洗浄基板1を
鉛直な回転軸を中心として回転させるようになってい
る。
【0099】回転機構10は、洗浄時(ノズル3から洗
浄液5が噴射されている時)に、被洗浄基板1を回転す
るようになっている。これにより、粒子15に作用する
洗浄液5の流れの剪断応力の向きが周期的に変化するの
で、粒子15の除去率が向上するというメリットがあ
る。
【0100】回転機構10は、洗浄時に、被洗浄基板1
を100〜200rpmの範囲内の回転数で回転させる
ようになっていることが好ましい。被洗浄基板1を10
0rpm以上の回転数で回転させることにより、被洗浄
基板1の被洗浄面(被洗浄基板1の洗浄される側の面、
この場合は上面)全体に満遍なく洗浄液5が流れる。し
かも、被洗浄基板1を200rpm以下の回転数で回転
させるので、洗浄時に被洗浄基板1を高速(通常、回転
数1,000〜2,000rpm)で回転させる従来の
スピン洗浄機と比較して、被洗浄基板1の中心部と外周
部との線速度の差が小さい。それゆえ、被洗浄基板1の
中心部と外周部との洗浄液5の流速差が小さくなる。し
たがって、これらにより、洗浄液5の流速ムラが小さく
なるので、被洗浄基板1の被洗浄面内で洗浄効果が均一
となり、被洗浄基板1の被洗浄面を均一に洗浄できる。
【0101】また、回転機構10は、洗浄終了後に、被
洗浄基板1上に存在する洗浄後の洗浄液5を除去すると
共に被洗浄基板1表面を乾燥させるために、被洗浄基板
1を1,000rpm以上、好ましくは1,000〜
2,000rpmの回転数で高速回転するようになって
いる。これにより、被洗浄基板1上の粒子15を含んだ
洗浄液5は、遠心力により短時間で速やかに除去され、
再付着が防止される。また、被洗浄基板1の表面を速や
かに乾燥させることができる。
【0102】なお、図2では、ノズル3を、その噴出口
4の長手方向が被洗浄基板1の短辺方向と一致するよう
に設けた例を示したが、図11に示すように、ノズル3
を、その噴出口4の長手方向が被洗浄基板1の長辺方向
と一致するように設けてもよい。この場合、噴出口4の
長手方向の寸法は、被洗浄基板1の長辺より長くなるよ
うに設定される。
【0103】また、ここでは、被洗浄基板1が水平の場
合について説明したが、被洗浄基板1は、水平面に対し
て傾斜させてもよい。この場合、洗浄後の洗浄液5、す
なわち廃液が重力により除去されるので、被洗浄基板1
表面から除去された粒子15が被洗浄基板1表面に再付
着することを防止するのにさらに有効である。さらに、
被洗浄基板1は、直立するように、すなわち水平面に対
して垂直となるように配置してもよい。この場合にも、
洗浄後の洗浄液5、すなわち廃液が重力により除去され
るので、被洗浄基板1表面から除去された粒子15が被
洗浄基板1表面に再付着することを防止するのにさらに
有効である。
【0104】このように被洗浄基板1を傾斜または直立
させた場合、ノズル3の角度(噴射方向)は被洗浄基板
1の面に対して垂直となるように変更される。
【0105】また、図1および図2では、乾燥手段とし
て、回転機構10、乾燥気体供給装置26、加圧ポンプ
23、ヒータ22、ノズル3等を用いていた。しかしな
がら、乾燥手段として、さらに、被洗浄基板1を強制的
に乾燥するために、被洗浄基板1を加熱するヒータや、
ノズル3以外の位置から温風を吹き付ける機構を設けて
もよい。
【0106】また、場合によっては、高温、高圧の乾燥
気体を吹き付けるための構成要素、すなわち、乾燥気体
供給装置26やヒータ22、気液分離装置21等を省
き、回転機構10による高速回転のみによって乾燥を行
ってもよく、回転機構10による回転を低速にするか、
あるいは停止させて、ノズル3による高温、高圧の乾燥
気体の吹き付けのみによって乾燥を行ってもよい。
【0107】また、本実施形態では、ノズル3の個数を
1個にしていたが、ノズル3の個数を複数にすることも
可能である。ただし、複数のノズル3を使用すると、各
ノズル3から噴射された洗浄液5の流れが干渉し合う。
そのため、被洗浄基板1表面から除去された粒子15を
含む洗浄後の洗浄液5の流れの滞留が発生しやすくな
る。そのため、被洗浄基板1表面から除去された粒子1
5が被洗浄基板1表面に再付着しやすくなる。したがっ
て、ノズル3の個数は、1個であることが望ましい。
【0108】次に、上記の洗浄装置20を用いた洗浄方
法について説明する。
【0109】まず、第1のステップとして、被洗浄基板
1を、固定機構を用いてステージ2の上面に水平に固定
し、ノズル3のスリット状の噴出口4から洗浄液5を高
速に噴出させる。また、洗浄液5の噴射と同時に、回転
機構10により被洗浄基板1を100〜200rpmの
回転数で低速回転する。
【0110】次に、第2のステップとして、ステージ2
下部に設置された真空ポンプ(図示せず)により吸引
し、洗浄槽7下部の排液排気口6から、粒子15を含む
洗浄後の洗浄液5(廃液)とミスト9とを廃液タンクに
回収する。
【0111】洗浄処理終了後、第3のステップとして、
被洗浄基板1表面を乾燥させる処理を行う。乾燥処理で
は、回転機構10により被洗浄基板1を回転数1,00
0〜2,000rpmで高速回転させる。これにより、
被洗浄基板1の表面を短時間で乾燥させることができ
る。また、上記の高速回転と同時に、ノズル3から乾燥
気体を被洗浄基板1に高温・高圧で吹き付ける。これに
より、乾燥時間を短縮できる。なお、洗浄処理終了後、
乾燥処理を行う前に、コントローラ27の制御の下で切
り替えバルブ24が、乾燥気体供給装置26から乾燥気
体がノズル3に供給されるように切り替えられる。
【0112】次に、洗浄液5の高速流れと超音波による
粒子15の除去効果について理論解析を行い、両者を比
較した結果について説明する。
【0113】最初に、第1ステップとして、粒子15と
被洗浄基板1の間に作用する付着力12の大きさを評価
する。
【0114】図3に粒子15の付着力12とその除去に
要する外力13(ブラシ、超音波振動等の物理的な力)
に関するモデルの説明図を示す。粒子15と被洗浄基板
1の間には付着力12が被洗浄基板1の垂直方向に作用
する。この粒子15を除去するためにはブラシや超音波
振動等の物理的な外力13を被洗浄基板1の水平方向に
作用させる必要があり、この外力13が粒子15と被洗
浄基板1の間の摩擦力14に打ち勝った場合に、粒子1
5は除去されることになる。
【0115】一般に粒子15に働く付着力12は、ファ
ンデルワールス力が支配的であり、式(1)に示すよう
に、付着力12(F)は、粒子15の粒径dに比例す
る。
【0116】F∝d …(1) ここで、粒子15を球形と仮定すると、粒子15と被洗
浄基板1との接触円の半径aは、球と平板との接触に関
するHertzの式(2)より計算でき、接触円の半径
aは粒径dの2/3乗に比例する。
【0117】a∝d2/3 …(2) 接触円の面積Sは、式(3)により求められる。
【0118】S=πa2 …(3) 従って接触面積Sは式(4)より粒径dの4/3乗に比
例する。
【0119】S∝d4/3 …(4) 以上より、粒子15に働く付着応力σ(単位面積当りの
付着力)は式(5)により計算されて、付着応力σは粒
径dの1/3乗に反比例することが分かる。
【0120】σ=F/S∝d-(1/3) …(5) 式(5)より、粒子15の粒径dが小さくなるほど付着
応力σは増大し、粒子15の除去が困難になる(図
4)。この計算結果はブラシ洗浄や超音波洗浄では1μ
mサイズの粒子15が除去できないという実験的事実と
一致する。具体例として、ポリスチレン・ラテックスの
球形の粒子15が、材質がガラスである被洗浄基板1に
付着した場合の粒子15の粒径と付着応力との関係を計
算した結果を図5に示す。粒子15の粒径が小さくなる
に従って粒子15の付着応力が急激に増加し、粒子15
の除去が困難になっていることが分かる。
【0121】なお、一般にブラシによる洗浄能力はブラ
シの毛の間隔により律速を受けるが、ブラシの毛の間隔
は1μmよりも1ケタ以上も大きいので、1μmサイズ
の粒子15の除去は極めて困難である。
【0122】次に、第2ステップとして、従来の超音波
洗浄における洗浄能力について検討する。
【0123】超音波を作用させた洗浄液5で被洗浄基板
1を洗浄すると、粒子15は超音波振動による振動加速
度を受け、その影響で粒子15が被洗浄基板1から剥離
される。その振動加速度αは式(6)および式(7)に
より、超音波の周波数fに比例し、超音波のパワー密度
Iの1/2乗に比例する。
【0124】α∝f …(6) α∝√I …(7) ここで、パワー密度とは単位面積当りのパワーのことで
ある。
【0125】式(8)により、粒子15の質量mは体積
Vに比例するので、粒径dの3乗に比例することにな
る。
【0126】m∝V∝d3 …(8) 超音波により粒子15に作用する振動力Fはニュートン
の運動方程式(9)により求められる。
【0127】F=mα …(9) 従って、式(10)、式(11)、および式(12)に
より、振動力Fは粒径dの3乗に比例し、周波数に比例
し、パワー密度の1/2乗に比例する。
【0128】F∝d3 …(10) F∝f …(11) F∝√I …(12) 従って、式(13)、式(14)、および式(15)に
より、振動応力σ(単位面積当りの振動力)は粒径dの
5/3乗に比例し、周波数に比例し、パワー密度の1/
2乗に比例する。
【0129】σ=F/S∝d5/3 …(13) σ=F/S∝f …(14) σ=F/S∝√I …(15) すなわち、粒子15の粒径が小さくなると振動応力も小
さくなるので、微小な粒子15ほど除去が困難になる
(図6)。この計算結果は超音波洗浄では1μmサイズ
の粒子15の除去が困難という実験的事実と一致する。
【0130】具体的な計算結果として、パワー密度が一
定(5.0W/cm2)で周波数を1MHz近傍で変化
させた場合の振動応力と付着応力の関係を図7に示す。
同図より、粒径10μmの粒子15に作用する振動応力
は10万Paのオーダーであり、対応する付着応力の2
万Paよりも十分に大きいので超音波洗浄により除去で
きるが、粒径1μmの粒子15に作用する振動応力は1
万Paのオーダーであり、対応する付着応力20万Pa
の1/10以下であり、超音波洗浄による除去は困難で
ある。さらに上記の理論解析の結果より、振動応力は周
波数に比例しパワー密度の1/2乗に比例するので、1
0倍の振動応力を得るためには、周波数を10倍、パワ
ー密度を100倍する必要があり、このような周波数あ
るいはパワー密度を現状の超音波洗浄装置で実現する事
は極めて困難である。
【0131】最後に、第3ステップとして、本発明の洗
浄液5の高速流れによる洗浄能力について評価する。
【0132】被洗浄基板1表面に洗浄液5を高速で流し
た場合に発生する剪断応力σは、式(16)により、被
洗浄基板1の表面における洗浄液5の流速(以下、表面
流速と称する)Uの2乗に比例し、洗浄液5の流れのレ
イノルズ数Rの1/2乗に比例するが、粒子15の粒径
dには依存しない。
【0133】σ∝U2√R …(16) ここで、洗浄液5の流れのレイノルズ数は流速U、噴出
口4の短辺長さL、液体の動粘性係数γに対して、式
(17)により計算される。
【0134】R=UL/ν …(17) 従って式(18)より、剪断応力σは、洗浄液5の表面
流速Uの5/2乗に比例するが、粒子15の粒径には依
存しないことになる。
【0135】σ∝U5/2 …(18) すなわち、粒子15の粒径が小さくなっても剪断応力は
一定であり、洗浄液5の表面流速Uが大きくなれば剪断
応力が付着応力に打ち勝って、粒子15が除去される事
になる(図8)。
【0136】粒径1μmおよび粒径10μmの粒子15
に作用する、剪断応力と付着応力との関係を具体的な計
算により求めた結果を、図9に示す。
【0137】図9から、洗浄液5の表面流速Uが大きく
なるに従って剪断応力も増大することが分かる。粒径1
0μmの粒子15を除去するには、被洗浄基板1表面で
の流速は90m/sが必要であり、粒径1μmの粒子1
5を除去するには被洗浄基板1表面での流速は150m
/s以上であることが必要である事が分かる。
【0138】以上の理論解析の結果より、粒径1μmサ
イズの粒子15は、従来のブラシ洗浄や超音波洗浄、流
速150m/s未満の洗浄液流を用いる洗浄方法では除
去困難であるが、流速150m/s以上の洗浄液流を用
いる本発明の洗浄方法では十分に除去可能であることが
分かる。
【0139】また、本実施形態の洗浄装置20では、洗
浄方法に洗浄液5の高速液流を採用することにより、従
来の洗浄方式と比較して、被洗浄基板1表面を高速に洗
浄できるので、タクトタイムの短縮が可能である。
【0140】また、従来の平流しタイプの洗浄装置で
は、被洗浄基板1を水平移動させて洗浄部、乾燥部をこ
の順で通過させるので、被洗浄基板1を水平移動させる
ための空間を確保する必要があり、また、洗浄部と乾燥
部とを別の装置ユニットとして設ける必要があるので、
装置全体が大型化するという問題点があった。
【0141】これに対し、本実施形態の洗浄装置20で
は、被洗浄基板1を水平移動させることなく洗浄および
乾燥を行うので、被洗浄基板1を水平移動させるための
空間を確保する必要なしに、被洗浄基板1全面を均一に
洗浄および乾燥することができる。また、本実施形態の
洗浄装置20では、ノズル3を、洗浄液供給装置25お
よび乾燥気体供給装置26に対して切り替えながら接続
することができるようになっているので、1つのノズル
3および洗浄槽7で洗浄および乾燥の両方を行うことが
できる。したがって、装置を小型化することができる。
【0142】従来の洗浄装置でスピンタイプの場合、装
置の小型化が可能というメリットがあった。
【0143】被洗浄基板1を回転すると、被洗浄基板1
表面の線速度が、被洗浄基板1中心部で小さく、被洗浄
基板1外周部で大きくなる。そのため、被洗浄基板1を
回転しながら被洗浄基板1表面に洗浄液5を供給する
と、被洗浄基板1に対する洗浄液流の表面流速が、被洗
浄基板1中心部で速く、被洗浄基板1外周部で遅くな
る。その結果、洗浄能力にムラができる。そして、従来
のスピンタイプの洗浄装置では、被洗浄基板1を高速で
回転するので、被洗浄基板1の中心部と外周部との線速
度の差が大きく、洗浄能力のムラが大きい。そのため、
従来のスピンタイプの洗浄装置では、特に大型基板の場
合に面内の均一性を確保するのが難しいという問題点が
あった。
【0144】これに対し、本実施形態の洗浄装置20で
は、洗浄時には回転数100〜200rpmの低速スピ
ンを用いるので、線速度の差が小さく、洗浄能力のムラ
が小さい。それゆえ、被洗浄基板1に対する洗浄液流の
表面流速は、被洗浄基板1の中心部と外周部とで差が小
さくなる。その結果、被洗浄基板1表面を均一に洗浄で
き、大型基板に対しても面内の均一性を確保するのが容
易であるというメリットを有する。
【0145】また、本実施形態の洗浄装置20では、洗
浄後の洗浄液5の高速な除去および乾燥のために回転数
1,000〜2,000rpmの高速スピンを用いるの
で、タクトタイムの短縮が可能である。
【0146】以上のように、本実施形態の洗浄装置20
および洗浄方法は、被洗浄基板1をステージ2上に固定
して、被洗浄基板1の上方に設置されたノズル3の噴出
口4より洗浄液5の高速液流を噴出して被洗浄基板1の
表面を洗浄すると同時に、ステージ2の回転機構10に
より洗浄後の洗浄液5を速やかに除去し、また気体吸入
口8より気体(ドライエアーあるいは窒素ガス)を吸入
して装置内部のミスト9とともに排液排気口6から速や
かに装置外部に排出する。
【0147】これにより、粒径1μmサイズの粒子15
が除去可能で、除去した粒子15の再付着を防止し、大
型基板においても洗浄能力の面内均一性が良好で、タク
トタイムが短縮され、装置の小型化が実現される。
【0148】また、以上のように、本実施形態の洗浄装
置20は、被洗浄基板1の被洗浄面に洗浄液5を噴出す
るノズル3と、洗浄液5のミスト9と洗浄後の廃液を装
置外に運び出す排液排気口6と、洗浄後の廃液を除去
し、被洗浄基板1を乾燥する乾燥手段とを備える。
【0149】〔実施の形態2〕次に、本発明の他の実施
の形態について図12および図13に基づいて以下に説
明する。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示
した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号
を付記し、その説明を省略する。また、図12および図
13において、回転機構および移動機構は、機能ブロッ
クとして示している。
【0150】実施の形態1の図1に示す洗浄装置20で
は、ノズル3が被洗浄基板1に対して垂直に配置されて
いた。しかしながら、この洗浄装置20では、洗浄液5
は一旦被洗浄基板1に垂直に衝突した後で直角に方向転
換した後で被洗浄基板1の表面に沿って流れるので、エ
ネルギー損失が発生し、洗浄液5の流速が低下する。そ
れゆえ、表面流速150m/s以上を達成するために必
要な洗浄液5の噴射速度が速くなる。
【0151】また、実施の形態1の洗浄装置20では、
ノズル3が被洗浄基板1に対して固定されているので、
摩擦抵抗によりノズル3から離れた被洗浄基板1の端部
での流速が低下する。従って、実施の形態1の洗浄装置
20では、被洗浄基板1のサイズが大型の場合、被洗浄
基板1端部の洗浄能力が低下する可能性が高い。
【0152】そこで、これらの点に対策を施した実施の
形態を実施の形態2として説明する。
【0153】本実施形態の洗浄装置30では、被洗浄基
板1はステージ2上に固定され、ノズル3は被洗浄基板
1の端部上方に傾斜した状態で設置される。そして噴出
口4より高圧の洗浄液5が噴出され、高速液流となって
被洗浄基板1の表面を流れる。ここで、ノズル3が被洗
浄基板1に対して傾斜しているので、洗浄液5が被洗浄
基板1に衝突した際のエネルギー損失が緩和される。そ
れゆえ、洗浄液5の流速の低下が抑制される。
【0154】また、本実施形態の洗浄装置30には、ノ
ズル3を被洗浄基板1の上方の任意の位置に移動させ、
また、ノズル3を被洗浄基板1のサイズに応じた位置に
移動させるために、ノズル3を水平移動する移動機構
(移動手段、ノズル移動手段)11が設けられている。
移動機構11は、被洗浄基板1とノズル3とがなす角度
を所定の角度に保ちながら、ノズル3を噴出口4の長手
方向と交差する方向、すなわち被洗浄基板1の長辺方向
に直線的に移動させるようになっている。これらによ
り、洗浄時には被洗浄基板1の上面全体に洗浄液5が噴
射され、乾燥時には被洗浄基板1の上面全体に加熱され
た乾燥気体が噴射されるようになる。
【0155】ノズル3には、ノズル3の角度、すなわ
ち、ノズル3から噴射する洗浄液5の角度を調節するた
めの角度調節機構(図示しない)が取り付けられてい
る。ノズル3の角度は、洗浄開始前に調節され、洗浄中
は一定に保たれる。
【0156】本実施形態の洗浄装置30では、移動機構
11により、ノズル3を被洗浄基板1表面に沿って移動
させることにより、洗浄液5の流速が被洗浄基板1面内
でほぼ一様に保たれるので、大型の被洗浄基板1に対し
ても洗浄能力が面内で均一化するとともに、被洗浄基板
1表面から除去された粒子15を含んだ洗浄液5が押し
出されて被洗浄基板1上から速やかに除去されるので、
粒子15の再付着を防止できる。
【0157】なお、逆に、ノズル3を固定して、移動機
構11によりステージ2を移動させるようにしてもよ
い。この構成でも、上述したのと同一の効果(洗浄能力
が面内で均一化するとともに、粒子15の再付着を防止
できる)が得られる。ただし、ステージ2を移動させる
場合、ステージ2を移動させるための空間が必要とな
り、その分だけ装置サイズが大きくなる。したがって、
装置サイズを小型化するためには、ノズル3を移動させ
る方が好ましい。
【0158】なお、ミスト9による汚染防止のためのカ
バー7、気体吸入口8からのガス・フロー、および排液
排気口6の役割は、実施の形態1と同じであるので説明
を省略する。
【0159】以上のように、本実施形態の洗浄装置30
は、被洗浄基板1の一端の上方から洗浄液5を噴出する
傾斜させたノズル3と、被洗浄基板1を固定するステー
ジ2またはノズル3を移動させ、被洗浄基板1の表面全
面を洗浄するための移動機構10と、洗浄後のミスト9
と洗浄後の廃液を装置外に運び出す排液排気口6と、洗
浄後の廃液を除去し、被洗浄基板1を乾燥する乾燥手段
とを備える。
【0160】また、以上のように、本実施形態の洗浄方
法は、被洗浄基板1をカバー(洗浄槽7)で覆った装置
内のステージ2上に固定して、被洗浄基板1の一端上方
に設置したノズル3から洗浄液5を噴出しながら、ノズ
ル3またはステージ2を移動して被洗浄基板1の表面全
面を洗浄するステップと、ステージ2を回転させて洗浄
液5を除去して被洗浄基板1を乾燥するステップと、装
置内に気体を押圧して洗浄液5のミスト9と洗浄後の廃
液を装置外に排出するステップとを含んでいる。
【0161】次に、本発明の洗浄方法と、文献「最適精
密洗浄技術」の91頁に記載されている従来の洗浄方
法、および比較用の洗浄方法とについて洗浄実験を行っ
た結果について説明する。
【0162】まず、粒子径1μmのポリスチレン・ラテ
ックス粒子をメチルアルコール等の溶剤と撹拌して、懸
濁液を作成した。次いで、この懸濁液を基板に塗布して
汚染基板とした。そして、この汚染基板を被洗浄基板1
として用いて、本発明の洗浄方法および従来の洗浄方法
で汚染基板を洗浄した。
【0163】本発明の洗浄方法としては、洗浄装置30
を用いて汚染基板を洗浄する方法を採用した。ただし、
ノズル3は、実施の形態1の洗浄装置20のように固定
した。また、ノズル角度(ノズル3の中心線と被洗浄基
板1とのなす角度)を30度、ノズル3からの洗浄液5
の噴射速度を180m/s、被洗浄基板1表面での洗浄
液5の流速を170m/sにした。また、洗浄液5とし
て超純水のみを用いた。
【0164】また、従来の洗浄方法としては、70kg
/cm2の水圧の水を汚染基板に噴射する方法を用い
た。
【0165】また、比較用の洗浄方法としては、上述し
た本発明の洗浄方法(ノズル角度が30度、洗浄液5と
して超純水のみを使用)において、洗浄液5の噴射速度
を150m/sに変更する方法を用いた。この場合、被
洗浄基板1表面での洗浄液5の流速は140m/s程度
に低下した。
【0166】そして、各洗浄方法について、汚染基板表
面に存在する洗浄前後の粒子数をカウントして、これら
の粒子数の比を除去率として求めた。
【0167】その結果、従来の洗浄方法による1ミクロ
ンサイズの粒子の除去率は80%程度、比較用の洗浄方
法による1ミクロンサイズの粒子の除去率は95%程度
であるのに対して、本発明の洗浄方法による1ミクロン
サイズの粒子の除去率は99%以上であった。したがっ
て、本発明の洗浄方法は、従来の洗浄装置と比較して優
れた洗浄効果を有していた。
【0168】〔実施の形態3〕次に、本発明の他の実施
の形態について図14および図15に基づいて以下に説
明する。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示
した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号
を付記し、その説明を省略する。なお、図14および図
15において、矢印は空気の流れを示す。
【0169】本実施形態の洗浄装置40は、実施の形態
1の洗浄装置20において、(1)洗浄時に洗浄槽7内
部を加圧する加圧ポンプを設ける、(2)乾燥時に真空
ポンプを接続する洗浄槽7の開口を排液排気口6から気
体吸入口8に変更する、という2点の改変を加えたもの
である。この改変により、排液排気口6が、乾燥時に洗
浄槽7外から気体を吸入するための気体吸入口として働
き、洗浄槽7の上面に設けられた気体吸入口8が、乾燥
時に洗浄槽7外に気体を排出するための排気口として働
くようになる。なお、図示していないが、洗浄槽7内に
は、洗浄装置20と同様に、ステージ2、噴出口4を有
するノズル3、および回転機構10が設けられている。
【0170】また、本実施形態の洗浄装置40では、加
圧ポンプと真空ポンプとが、1つのポンプ(加圧手段、
吸引手段)41により実現されている。このポンプ41
は、回転方向の切り替えにより加圧と減圧とが切り替え
可能な、何らかの構造を有している。このポンプ41
は、洗浄時に洗浄槽7内部を加圧する一方、洗浄後に洗
浄槽7内部に発生した洗浄液5のミスト9を含む気体を
減圧吸引するようになっている。
【0171】本実施形態の洗浄装置40は、洗浄槽7の
底面に、排液排気口6に代えて、洗浄時に洗浄後の洗浄
液5を廃液として洗浄槽7外に排出するための排液口と
して働く一方、ポンプ41による減圧吸引時(乾燥時)
に洗浄槽7外から気体を吸入するための気体吸入口とし
て働く排液・吸気口46を備えている。
【0172】また、洗浄装置40は、洗浄槽7の上面
に、気体吸入口8に代えて、ポンプ41に接続された開
口48を備えている。この開口48は、ポンプ41によ
る加圧のために利用される一方、ポンプ41による減圧
吸引時(乾燥時)には洗浄槽7外にミスト9を含む気体
を排出するための排気口として働く。
【0173】次に、上記の洗浄装置40を用いた洗浄方
法について説明する。
【0174】まず、第1のステップとして、実施の形態
1の洗浄方法と同様にして洗浄処理を行う。
【0175】洗浄時には、図14に示すように、ポンプ
41を順回転させて洗浄槽7へ空気を送ることにより、
洗浄槽7内部の気圧を上昇させて、洗浄槽7底部に溜ま
った洗浄液5を排液・吸気口46を通して排水タンク4
2に押し出す。
【0176】洗浄処理終了後、第2のステップとして、
実施の形態1の洗浄方法と同様にして乾燥処理を行う。
乾燥時には、図15に示すように、ポンプ41を逆回転
させて、洗浄槽7の空気を吸引することにより、洗浄槽
7内部の気圧を低下させて、排水タンク42から外部の
空気を吸い込み、洗浄槽7内部のミスト9を除去する。
【0177】以上のように、本実施形態の洗浄方法は、
被洗浄基板1をカバー(洗浄槽7)で覆った装置内のス
テージ2上に固定して、被洗浄基板1中央上方に設置し
たノズル3から洗浄液5を噴出して被洗浄基板1の表面
を洗浄するステップと、装置内に気体を押圧して洗浄後
の廃液を装置外に排出するステップと、ステージ2を回
転させて洗浄液5を除去して被洗浄基板1を乾燥するス
テップとを含んでいる。
【0178】〔実施の形態4〕次に、実施の形態1の洗
浄装置20を用いた連続式洗浄装置90の構成について
説明する。
【0179】従来の連続式洗浄装置100は、例えば、
図20に示すように、被洗浄基板1を投入するローダ部
101と、回転ブラシ(図示しない)で被洗浄基板1を
洗浄するブラシ洗浄部102と、超音波により被洗浄基
板1を洗浄する超音波洗浄部103と、被洗浄基板1を
乾燥させる乾燥部104と、被洗浄基板1を搬出するア
ンローダ部105の5つの装置ユニットから構成され
る。そのため、装置全体が大型化するという問題点があ
った。
【0180】また、洗浄液5は超純水だけでなく、金属
を除去するために弱アルカリ性のアルカリ水素水や有機
物を除去するために弱酸性のオゾン水をブラシ洗浄部や
超音波洗浄部に用いることが多いが、このように複数の
機能水を洗浄液5として使用する場合は、既に使用した
洗浄液5を洗い流す2個のリンス部106・107が必
要になるので、装置ユニットの数は最大7個になる。そ
のため、装置全体がさらに大型化するという問題点があ
った。
【0181】それに対して、本実施形態の連続式洗浄装
置90は、図16に示すように、被洗浄基板1を投入す
るローダ部91と、高圧シャワーで被洗浄基板1を洗浄
する高速液流洗浄部92と、被洗浄基板1を乾燥させる
乾燥部93と、被洗浄基板1を搬出するアンローダ部9
4との4つの機能ブロックから構成される。そして、高
速液流洗浄部92と乾燥部93とが、1つの装置ユニッ
トである前記の洗浄装置20で実現される。それゆえ、
最低限必要な装置ユニットは3個で済む。
【0182】さらに、洗浄効果を高めるために、洗浄液
5として機能水(アルカリ水素水、あるいはオゾン水)
を使用した後で、超純水を高速で噴出して被洗浄基板1
をリンスする構成に変更する場合、リンス部95の追加
が必要となるが、リンス部95は、高速液流洗浄部92
と乾燥部93と同一の装置ユニット、洗浄装置20で実
現できる。そのため、必要なユニットは最大3個で済
み、装置の大幅な小型化が可能になる。
【0183】以上のように、平流しタイプの従来の連続
式洗浄装置100では、大型の被洗浄基板1の面内の均
一性およびタクトタイムは良好であったが、ユニットの
数が多くなり装置が大型化するという問題点があった。
【0184】これに対し、本実施形態では、洗浄時や乾
燥時(およびリンス時)に被洗浄基板1を搬送しないこ
とにより、装置ユニットの個数が5個から3個に減少
し、装置の大幅な小型化が可能になる。
【0185】
【発明の効果】本発明の洗浄装置は、以上のように、洗
浄液噴射手段が、上記洗浄液が被洗浄物表面を150m
/s以上の流速で流れるように、上記洗浄液を噴射する
構成である。
【0186】上記構成によれば、被洗浄物表面に付着し
た粒子に対して、被洗浄物表面を150m/s以上の流
速で流れる洗浄液により、粒径が1μm程度の微小粒子
の付着応力に打ち勝つほど十分大きい剪断応力が加えら
れる。それゆえ、上記構成は、被洗浄物表面から、粒径
が1μm程度の微小粒子を十分に除去することができる
という効果を奏する。
【0187】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、洗浄液噴射時に、上記被
洗浄物の被洗浄面と交差する回転軸を中心として上記被
洗浄物を100〜200rpmの範囲内の回転数で回転
させる回転手段をさらに備える構成である。
【0188】上記構成によれば、被洗浄物を100rp
m以上の回転数で回転させるので、被洗浄物の被洗浄面
全体に満遍なく洗浄液が流れると共に、被洗浄面の中心
部と外周部との洗浄液の流速差が小さくなる。それゆ
え、洗浄液の流速ムラが小さくなるので、被洗浄面内で
洗浄効果が均一となる。その結果、上記構成は、被洗浄
面を均一に洗浄できるという効果を奏する。
【0189】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記洗浄液噴射手段は、
洗浄液を噴射するための洗浄液噴射ノズルを備え、上記
被洗浄物の被洗浄面全体に洗浄液が噴射されるように、
上記被洗浄物の被洗浄面と上記洗浄液噴射ノズルとがな
す角度を所定の角度に保ちながら被洗浄物および洗浄液
噴射ノズルの少なくとも一方を移動させる移動手段がさ
らに設けられている構成である。
【0190】上記構成によれば、洗浄液噴射ノズルの角
度を一定に保つことができるので、ノズルを回転させた
場合と比較して均一な洗浄効果が得られるという効果を
奏する。
【0191】また、本発明の洗浄装置は、上記構成の洗
浄装置において、上記移動手段が、洗浄液噴射ノズルを
移動させるものであることが好ましい。
【0192】上記構成では、洗浄液噴射ノズルを移動さ
せるので、被洗浄物を移動させる必要がなく、それゆ
え、被洗浄物を移動させる空間を確保する必要がない。
そのため、上記構成は、洗浄装置のサイズを小型化でき
るという効果を奏する。
【0193】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物は、基板で
あり、上記洗浄液噴射ノズルは、基板と平行な方向に伸
びたスリット状の洗浄液噴射口を有し、上記洗浄液噴射
口の長手方向の寸法は、上記基板における洗浄される側
の面の少なくとも1方向の寸法より大きく、上記移動手
段は、上記洗浄液噴射口の長手方向と交差する方向に上
記洗浄液噴射ノズルを直線的に移動させる構成である。
【0194】上記構成では、上記移動手段による移動が
直線的であるため、移動手段の構成を簡素化することが
可能となるという効果を奏する。
【0195】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物を入れるた
めの洗浄槽と、洗浄液噴射時に、上記洗浄槽内部を加圧
するための加圧手段とをさらに備え、上記洗浄槽の底面
には、洗浄後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に排出する
ための排液口が設けられている構成である。
【0196】上記構成によれば、加圧手段によって加圧
された洗浄槽内部の気体によって、洗浄槽底部に溜まっ
た洗浄後の洗浄液(廃液)が、排液口を通して洗浄槽外
に押し出される。その結果、上記構成は、洗浄後の洗浄
液(廃液)を効率的に排出できるという効果を奏する。
【0197】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物を入れるた
めの洗浄槽をさらに備え、上記洗浄槽は、その中心軸が
鉛直となるように設けられた円筒形の側板と、この側板
の下端に取り付けられた底板とを備え、上記底板には、
洗浄後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に排出するための
複数の排液口が設けられ、これら排液口は全て、側板の
中心軸と底板との交点を中心とする円上に位置し、か
つ、排液口同士を結ぶ円弧の長さが全て等しい構成であ
る。
【0198】上記構成によれば、より広い領域で均等に
排液を行うことができる。それゆえ、上記構成は、洗浄
槽底部に溜まった洗浄後の洗浄液(廃液)を、滞留させ
ることなく効率的に洗浄槽外へ排出できるという効果を
奏する。
【0199】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物を入れるた
めの洗浄槽と、洗浄液噴射終了後に、洗浄槽内部に発生
した洗浄液のミストを含む気体を減圧吸引するための吸
引手段とをさらに備えている構成である。
【0200】上記構成によれば、洗浄液噴射後に、洗浄
槽内部に発生した洗浄液のミストを含む気体が、吸引手
段によって減圧吸引されることによって洗浄槽外へ除去
される。それゆえ、上記構成は、洗浄液のミストが洗浄
済みの被洗浄物に付着して被洗浄物が汚染されることを
防止できるという効果を奏する。
【0201】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記洗浄槽には、吸引手
段による減圧吸引時に、洗浄槽外から気体を吸入するた
めの気体吸入口が設けられている構成である。
【0202】上記構成によれば、吸引手段による減圧吸
引時に、洗浄槽外から吸入した気体によって洗浄液のミ
ストを吸引手段の方へ押し出すことができるので、より
一層効率的にミストを除去できる。それゆえ、上記構成
は、洗浄液のミストが洗浄済みの被洗浄物に付着して被
洗浄物が汚染されることをより一層確実に防止できると
いう効果を奏する。
【0203】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記気体吸入口が、洗浄
液噴射時に洗浄後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に排出
する排液口の役割を果たすように、上記洗浄槽の底部に
設けられている構成である。
【0204】上記構成によれば、洗浄槽の底部に設けら
れた開口が、洗浄液噴射時には洗浄後の洗浄液を廃液と
して洗浄槽外に排出する排液口として働くと共に、乾燥
時には洗浄槽外から気体を吸入するための気体吸入口と
して働く。それゆえ、上記構成は、洗浄槽の構造を簡素
化することができるという効果を奏する。
【0205】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物を入れるた
めの円柱形の洗浄槽をさらに備え、上記洗浄槽の上面お
よび底面の少なくとも一方には、洗浄槽内部に発生した
洗浄液のミストを含む気体を洗浄槽外に排出するための
複数の排気口が設けられ、これら排気口は全て、洗浄槽
の中心軸上の点を中心とする同一の円上に位置し、か
つ、排気口同士を結ぶ円弧の長さが全て等しい構成であ
る。
【0206】上記構成によれば、洗浄槽内部に発生した
ミストを含む気体を滞留させることなく効率良く排気す
ることができる。その結果、上記構成は、洗浄液のミス
トが洗浄済みの被洗浄物に付着して被洗浄物が汚染され
ることを防止できるという効果を奏する。
【0207】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、洗浄液噴射後に、上記被
洗浄物上に存在する洗浄後の洗浄液を廃液として除去す
ると共に、被洗浄物表面を乾燥させるための乾燥手段を
さらに備え、上記乾燥手段は、加熱された乾燥気体を噴
射する気体噴射手段を含む構成である。
【0208】上記構成によれば、加熱された乾燥気体の
噴射により、洗浄後の洗浄液がミスト状となって被洗浄
物表面から除去されると共に、加熱され乾燥した雰囲気
に被洗浄物表面が曝される。それゆえ、上記構成は、洗
浄後における洗浄液の除去および被洗浄物表面の乾燥を
効率的に行うことができるという効果を奏する。
【0209】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記洗浄液噴射手段は、
洗浄液を噴射するための洗浄液噴射ノズルを備え、上記
気体噴射手段は、洗浄液噴射終了後に、上記洗浄液噴射
ノズルを通して乾燥気体を噴射する構成である。
【0210】上記構成によれば、1つのノズルで洗浄液
の噴射と乾燥気体の噴射とを行うことができるので、装
置構成を簡素化できるという効果を奏する。
【0211】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記気体噴射手段は、加
熱された乾燥気体を噴射するための気体噴射ノズルを備
え、加熱された乾燥気体が上記被洗浄物の被洗浄面全体
に噴射されるように気体噴射ノズルを移動させるノズル
移動手段がさらに設けられている構成である。
【0212】上記構成では、気体噴射ノズルを移動させ
るので、被洗浄物を移動させる空間を確保する必要がな
く、それゆえ、被洗浄物を移動させる空間を確保する必
要がない。その結果、上記構成は、乾燥手段の部分の装
置サイズを小型化でき、装置全体のサイズを小型化でき
るという効果を奏する。
【0213】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、上記被洗浄物は、基板で
あり、上記気体噴射ノズルは、基板と平行な方向に伸び
たスリット状の気体噴射口を有し、上記気体噴射口の長
手方向の寸法は、上記基板における洗浄される側の面の
少なくとも1方向の寸法より大きく、上記ノズル移動手
段は、上記気体噴射ノズルを上記気体噴射口の長手方向
と交差する方向に直線的に移動させる構成である。
【0214】上記構成によれば、上記ノズル移動手段に
よる移動が直線的であるため、ノズル移動手段の構成を
簡素化することが可能となるという効果を奏する。
【0215】また、本発明の洗浄装置は、好ましくは、
上記構成の洗浄装置において、洗浄液噴射終了後に、上
記被洗浄物上に存在する洗浄後の洗浄液を廃液として除
去すると共に、被洗浄物表面を乾燥させるために、洗浄
後の被洗浄基板を、上記被洗浄物の被洗浄面と交差する
回転軸を中心として1,000rpm以上の回転数で回
転させる回転乾燥手段をさらに備える構成である。
【0216】上記構成によれば、洗浄後の被洗浄物を高
速で回転することにより、洗浄後の洗浄液を被洗浄物表
面から遠心力で飛ばすことができる。それゆえ、上記構
成は、洗浄後の洗浄液の高速な除去および乾燥が可能と
なり、タクトタイムを短縮できるという効果を奏する。
【0217】本発明の洗浄方法は、以上のように、洗浄
工程で、上記洗浄液を、被洗浄物表面を150m/s以
上の流速で流れるように、被洗浄物に向かって噴射する
方法である。
【0218】上記方法によれば、被洗浄物表面に付着し
た粒子に対して、被洗浄物表面を150m/s以上の流
速で流れる洗浄液により、粒径が1μm程度の微小粒子
の付着応力に打ち勝つほど十分大きい剪断応力が加えら
れる。それゆえ、上記構成は、被洗浄物表面から、粒径
が1μm程度の微小粒子を十分に除去することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置をその側
面から見た様子を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置をその上
面から見た様子を示す上面図である。
【図3】粒子の付着力および除去のモデルを説明するた
めの断面図である。
【図4】粒子の粒径と付着応力との関係を表すグラフで
ある。
【図5】粒子の粒径による付着応力の変化を計算した計
算例を表すグラフである。
【図6】粒子の粒径と振動応力および付着応力との関係
を表すグラフである。
【図7】粒子の粒径および超音波の周波数によるメガヘ
ルツ洗浄能力の変化を表すグラフである。
【図8】粒子の粒径と剪断応力との関係を表すグラフで
ある。
【図9】洗浄液の流速による高圧シャワー洗浄能力の変
化を表すグラフである。
【図10】図1および図2の洗浄装置における洗浄液お
よび乾燥気体をノズルへ供給するための構成を示すブロ
ック図である。
【図11】図1および図2の洗浄装置の変形例をその上
面から見た様子を示す上面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る洗浄装置をそ
の側面から見た様子を示す側面図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る洗浄装置をそ
の上面から見た様子を示す上面図である。
【図14】本発明の他の実施の形態に係る洗浄装置の構
成を洗浄時の空気の流れと共に示す側面図である。
【図15】本発明の他の実施の形態に係る洗浄装置の構
成を乾燥時の空気の流れと共に示す側面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施の形態に係る連続式
洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【図17】種々の洗浄液噴射速度においてノズル角度を
変化させたときの表面流速の変化を示すグラフである。
【図18】種々の洗浄液噴射速度における、表面流速が
150m/sとなるノズル角度の変化を示すグラフであ
る。
【図19】3種類の噴流領域を説明するための図であ
る。
【図20】従来の連続式洗浄装置の構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 被洗浄基板(被洗浄物、基板) 2 ステージ 3 ノズル(洗浄液噴射手段、洗浄液噴射ノズル、気体
噴射手段、気体噴射ノズル) 4 噴出口(洗浄液噴射口、気体噴射口) 5 洗浄液 6 排液排気口(排液口、排気口) 7 洗浄槽 8 気体吸入口 9 ミスト 10 回転機構(回転手段、回転乾燥手段) 11 移動機構(移動手段、ノズル移動手段) 20 洗浄装置 21 気液分離装置 22 ヒータ(乾燥手段、気体噴射手段) 23 加圧ポンプ(洗浄液噴射手段、乾燥手段、気体噴
射手段) 24 切り替えバルブ 25 洗浄液供給装置(洗浄液噴射手段) 26 乾燥気体供給装置(乾燥手段、気体噴射手段) 27 コントローラ 30 洗浄装置 40 洗浄装置 41 ポンプ(加圧手段、吸引手段) 46 排液・吸気口(排液口、気体吸入口) 48 開口(排気口)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/304 H01L 21/304 643B 643C 651 651B 651L Fターム(参考) 2H088 FA21 FA30 HA01 KA30 MA03 MA20 3B201 AA01 AB33 BB02 BB32 BB43 BB72 BB83 BB90 BB92 CC12 CD11 CD41 4G059 AA08 AB19 AC24

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗浄液を被洗浄物に向かって噴射する洗浄
    液噴射手段を備える洗浄装置において、 上記洗浄液噴射手段は、上記洗浄液が被洗浄物表面を1
    50m/s以上の流速で流れるように、上記洗浄液を噴
    射するものであることを特徴とする洗浄装置。
  2. 【請求項2】洗浄液噴射時に、上記被洗浄物の被洗浄面
    と交差する回転軸を中心として上記被洗浄物を100〜
    200rpmの範囲内の回転数で回転させる回転手段を
    さらに備えることを特徴とする請求項1記載の洗浄装
    置。
  3. 【請求項3】上記洗浄液噴射手段は、洗浄液を噴射する
    ための洗浄液噴射ノズルを備え、 上記被洗浄物の被洗浄面全体に洗浄液が噴射されるよう
    に、上記被洗浄物の被洗浄面と上記洗浄液噴射ノズルと
    がなす角度を所定の角度に保ちながら被洗浄物および洗
    浄液噴射ノズルの少なくとも一方を移動させる移動手段
    がさらに設けられていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の洗浄装置。
  4. 【請求項4】上記移動手段は、洗浄液噴射ノズルを移動
    させるものであることを特徴とする請求項3記載の洗浄
    装置。
  5. 【請求項5】上記被洗浄物は、基板であり、 上記洗浄液噴射ノズルは、基板と平行な方向に伸びたス
    リット状の洗浄液噴射口を有し、 上記洗浄液噴射口の長手方向の寸法は、上記基板におけ
    る洗浄される側の面の少なくとも1方向の寸法より大き
    く、 上記移動手段は、上記洗浄液噴射口の長手方向と交差す
    る方向に上記洗浄液噴射ノズルを直線的に移動させるも
    のであることを特徴とする請求項4記載の洗浄装置。
  6. 【請求項6】上記被洗浄物を入れるための洗浄槽と、 洗浄液噴射時に、上記洗浄槽内部を加圧するための加圧
    手段とをさらに備え、 上記洗浄槽の底面には、洗浄後の洗浄液を廃液として洗
    浄槽外に排出するための排液口が設けられていることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の洗
    浄装置。
  7. 【請求項7】上記被洗浄物を入れるための洗浄槽をさら
    に備え、 上記洗浄槽は、その中心軸が鉛直となるように設けられ
    た円筒形の側板と、この側板の下端に取り付けられた底
    板とを備え、 上記底板には、洗浄後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に
    排出するための複数の排液口が設けられ、 これら排液口は全て、側板の中心軸と底板との交点を中
    心とする円上に位置し、かつ、排液口同士を結ぶ円弧の
    長さが全て等しいことを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれか1項に記載の洗浄装置。
  8. 【請求項8】上記被洗浄物を入れるための洗浄槽と、 洗浄液噴射終了後に、洗浄槽内部に発生した洗浄液のミ
    ストを含む気体を減圧吸引するための吸引手段とをさら
    に備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れか1項に記載の洗浄装置。
  9. 【請求項9】上記洗浄槽には、吸引手段による減圧吸引
    時に、洗浄槽外から気体を吸入するための気体吸入口が
    設けられていることを特徴とする請求項8記載の洗浄装
    置。
  10. 【請求項10】上記気体吸入口が、洗浄液噴射時に洗浄
    後の洗浄液を廃液として洗浄槽外に排出する排液口の役
    割を果たすように、上記洗浄槽の底部に設けられている
    ことを特徴とする請求項9記載の洗浄装置。
  11. 【請求項11】上記被洗浄物を入れるための円柱形の洗
    浄槽をさらに備え、 上記洗浄槽の上面および底面の少なくとも一方には、洗
    浄槽内部に発生した洗浄液のミストを含む気体を洗浄槽
    外に排出するための複数の排気口が設けられ、これら排
    気口は全て、洗浄槽の中心軸上の点を中心とする同一の
    円上に位置し、かつ、排気口同士を結ぶ円弧の長さが全
    て等しいことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    1項に記載の洗浄装置。
  12. 【請求項12】洗浄液噴射後に、上記被洗浄物上に存在
    する洗浄後の洗浄液を廃液として除去すると共に、被洗
    浄物表面を乾燥させるための乾燥手段をさらに備え、 上記乾燥手段は、加熱された乾燥気体を噴射する気体噴
    射手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載
    の洗浄装置。
  13. 【請求項13】上記洗浄液噴射手段は、洗浄液を噴射す
    るための洗浄液噴射ノズルを備え、 上記気体噴射手段は、洗浄液噴射終了後に、上記洗浄液
    噴射ノズルを通して乾燥気体を噴射するものであること
    を特徴とする請求項12記載の洗浄装置。
  14. 【請求項14】上記気体噴射手段は、加熱された乾燥気
    体を噴射するための気体噴射ノズルを備え、 加熱された乾燥気体が上記被洗浄物の被洗浄面全体に噴
    射されるように気体噴射ノズルを移動させるノズル移動
    手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項1
    2に記載の洗浄装置。
  15. 【請求項15】上記被洗浄物は、基板であり、 上記気体噴射ノズルは、基板と平行な方向に伸びたスリ
    ット状の気体噴射口を有し、 上記気体噴射口の長手方向の寸法は、上記基板における
    洗浄される側の面の少なくとも1方向の寸法より大き
    く、 上記ノズル移動手段は、上記気体噴射ノズルを上記気体
    噴射口の長手方向と交差する方向に直線的に移動させる
    ものであることを特徴とする請求項14記載の洗浄装
    置。
  16. 【請求項16】洗浄液噴射終了後に、上記被洗浄物上に
    存在する洗浄後の洗浄液を廃液として除去すると共に、
    被洗浄物表面を乾燥させるために、洗浄後の被洗浄基板
    を、上記被洗浄物の被洗浄面と交差する回転軸を中心と
    して1,000rpm以上の回転数で回転させる回転乾
    燥手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし
    15のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  17. 【請求項17】洗浄液を被洗浄物に向かって噴射するこ
    とにより被洗浄物を洗浄する洗浄工程を含む洗浄方法に
    おいて、 上記洗浄工程では、上記洗浄液を、被洗浄物表面を15
    0m/s以上の流速で流れるように、被洗浄物に向かっ
    て噴射することを特徴とする洗浄方法。
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