JP2003265205A - バックル - Google Patents
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Abstract
および固定操作も簡易に行えるうえ、長期に亘って破損
が少なく、かつ、固定機能の低下を防止できるバックル
を提供する。 【解決手段】 バックル本体11と、このバックル本体
に回動可能に設けられた係止部材31とを備える。バッ
クル本体11は、ベース部12と、このベース部12に
間隔を隔てて設けられベルト2が挿通される少なくとも
2つの挿通孔18,19と、この2つの挿通孔18,1
9の間に設けられベルト2をベース部12から離れる方
向へ屈曲させる起立片20とを備える。係止部材31
は、ベルト2に対してバックルが移動可能な第1の位置
およびベルト2に対してバックルが固定可能な第2の位
置に移動可能で、第2の位置において、ベルト2を押圧
して更に深い屈曲状態に変形させる押圧部33と、ベル
ト3の長さ調整可能な長さ調整手段35とを備える。
Description
る。詳しくは、帯状体の長手方向へ移動可能かつ任意の
位置で固定可能なバックルに関する。
に設けられた第2の部材とを備え、帯状体の長手方向へ
移動可能かつ任意の位置で固定可能なバックルとして、
たとえば、実公平5−31926号公報に開示されたバ
ックル(従来例1)、あるいは、実公平4−9841号
公報に開示されたバックル(従来例2)などが知られて
いる。
体と、ストッパー片とを備えている。バックル本体は、
一対の側枠と、この一対の側枠間の一端側に架け渡され
た取付シャフトと、一対の側枠間の他端側に架け渡され
た捲回シャフトおよび案内シャフトとを備える。ストッ
パー片は、一端側が取付シャフト側の側枠間に回動可能
に支持され、他端側に捲回シャフトとの間にベルトを締
め付ける係止突起を有する。このような構成において、
一方のベルトを取付シャフトに取り付ける。他方のベル
トを捲回シャフトに捲回、反転させたのち、そのベルト
の反転面にストッパー片の係止突起を押し入れると、こ
の係止突起の側面でベルトの反転面が捲回シャフトに圧
接係止される。つまり、ベルトの長さ方向の任意の位置
がバックルに係止される。
体と、ストッパーとを備えている。バックル本体は、一
対の側枠と、この一対の側枠の一端側に形成された一対
の軸受溝と、一対の側枠間の他端側に架け渡された捲回
シャフトおよび案内シャフトとを備える。ストッパー片
は、一端側に設けられた取付シャフトおよび前記軸受溝
に係合される突起軸と、他端側に設けられ捲回シャフト
との間にベルトを締め付ける係止突起を有する。このよ
うな構成において、一方のベルトを取付シャフトに取り
付ける。他方のベルトを捲回シャフトに捲回、反転させ
たのち、そのベルトの反転面にストッパー片の係止突起
を押し入れると、この係止突起の側面でベルトの反転面
が捲回シャフトに圧接係止される。つまり、ベルトの長
さ方向の任意の位置がバックルに係止される。
れのバックルも、ストッパー片の係止突起と捲回シャフ
トとの間にベルトを挟み込んで、ベルトの移動を阻止す
る構造であるため、ストッパー片を回転させたときに、
ストッパー片の係止突起と捲回シャフトとの間隔がベル
トの厚みより適正量だけ小さい寸法に正確に製作する必
要がある。従って、各部品を高精度に製作しなければな
らないから、コストアップにつながる。
フトとの間隔がベルトの厚みより適正量だけ小さい寸法
になっていないと、次のような問題が生じやすい。たと
えば、ストッパー片の係止突起と捲回シャフトとの間隔
がベルトの厚みより極端に小さいと、ストッパー片の回
転時に力が必要なうえ、その力がストッパー片およびこ
れを回動可能に支持するバックル本体に加わるため、こ
れらが破損しやすい。逆に、ストッパー片の係止突起と
捲回シャフトとの間隔がベルトの厚みより極端に大きい
と、ベルトを挟持する力が十分でなく、ベルトの移動を
確実に阻止できない。
と、ストッパー片の係止突起が摩耗などによって滑りや
すくなり、ベルトの移動を確実に阻止できないという問
題も考えられる。つまり、摩耗による固定機能の低下が
発生しやすい。
解消し、各部品を高精度に製作する必要がなく、移動お
よび固定操作も簡易に行えるうえ、長期に亘って破損が
少なく、かつ、固定機能の低下を防止できるバックルを
提供することにある。
1の部材と、この第1の部材に変位可能に設けられた第
2の部材とを備え、帯状体の長手方向へ移動可能かつ任
意の位置で固定可能なバックルであって、前記第1の部
材は、ベース部と、このベース部に間隔を隔てて設けら
れ前記帯状体が挿通される少なくとも2つの挿通部と、
この2つの挿通部の間に設けられ前記帯状体を前記ベー
ス部から離れる方向へ屈曲させる屈曲部とを備え、前記
第2の部材は、前記帯状体に対してバックルが移動可能
な第1の位置および前記帯状体に対してバックルが固定
可能な第2の位置に変位可能で、第2の位置において、
屈曲状態にある前記帯状体の一方側を他方側へ向かって
押圧して更に深い屈曲状態に変形させる押圧部を備え
る、ことを特徴とする。
他方側へ向かって押圧して更に深い屈曲状態に変形させ
るときは、帯状体が屈曲部と押圧部とに接していてもよ
いが、屈曲部と押圧部とで挟まれて強い力で締め付けら
れる必要はなく、バックルが帯状体の長手方向へ移動し
ようとするとき、帯状体の屈曲状態がバックルの移動時
の抵抗となって、バックルの移動を阻止する状態であれ
ばよい。
えば、他方の挿通部に挿通させたのち、屈曲部を経由し
て一方の挿通部から引き出す。ここで、第2の部材を第
1の位置にしておけば、帯状体に対してバックルが移動
可能な状態になっているから、バックルを帯状体の長手
方向の任意の位置へ移動させることができる。なお、バ
ックルに対して帯状体を移動させる用途の場合には、バ
ックルに対して帯状体をその長手方向へ移動させること
ができる。第2の部材を第2の位置に変位させると、第
2の部材の押圧部が屈曲状態にある帯状体の一方側を他
方側へ向かって押圧して更に深い屈曲状態に変形させ
る。そのため、帯状体に対してバックルの移動が阻止さ
れた状態となるから、バックルを帯状体の長手方向の任
意の位置で固定することができる。
ある帯状体の一方側を他方側へ向かって押圧し更に深い
屈曲状態に変形させることによって、バックルを固定す
る構造であるから、つまり、帯状体が屈曲部と押圧部と
で挟まれて強い力で締め付けられて固定される構造では
ないから、従来のように、各部品を高精度に製作する必
要がない。また、このこと、つまり、帯状体が屈曲部と
押圧部とで挟まれて強い力で締め付けられて固定される
構造ではないから、バックルの移動および固定操作も簡
易に行えるうえ、長期に亘って破損が少なく、かつ、固
定機能の低下も防止できる。
挿通部近傍のベース部から他方の挿通部へ向かうに従っ
てベース部から離れる方向へ傾斜状に起立した起立片に
よって構成され、前記押圧部は、第2の位置において、
前記起立片の先端からベース部へ下ろした垂線と略同じ
位置または垂線より起立片内側に突出されていることが
望ましい。このような構成によれば、第2の部材が第2
の位置になった状態では、押圧部は、起立片の先端から
ベース部へ下ろした垂線と略同じ位置、または、垂線よ
り起立片内側に突出されているから、帯状体はZ字状あ
るいは逆S字状に屈曲された状態となるため、バックル
の移動をより確実に阻止することができる。
て35度〜55度の角度で傾斜状に起立されていること
が望ましい。このような構成によれば、起立片はベース
部に対して35度〜55度の角度で傾斜状に起立されて
いるから、バックルの移動阻止機能を維持しつつ、バッ
クルの厚み寸法を抑えることができる。つまり、起立片
の角度を大きくすれば、帯状体のベース部からの屈曲高
さ(すなわち、立ち上がり高さ)も大きくなり、バック
ルの移動時の抵抗が大きくなる。従って、バックルの移
動阻止機能が向上するが、バックルの厚み寸法が厚くな
る。逆に、起立片の角度を小さくすれば、バックルの厚
み寸法を薄くできるが、バックルの移動阻止機能が低下
する。これに対し、起立片をベース部に対して上記角度
範囲内にすれば、上記両機能を同時に満足させることが
できる。
端は、90度以下の角度に形成されていることをが望ま
しい。このような構成によれば、帯状体が屈曲された状
態で当接する起立片の先端および押圧部の先端が、共に
90度以下の角度に形成されているから、これらの先端
角部が帯状体に係止された状態になるため、バックルの
移動阻止機能をより向上させることができる。
の2つの挿通部の間において、前記ベース部に回動可能
に支持されていることが望ましい。このような構成によ
れば、第2の部材を回動操作するだけで、第1の位置お
よび第2の位置に位置変化させることができるから、操
作が簡単で、しかも、スムーズに行える。
材が第2の位置に位置したとき、前記第1の部材のベー
ス部との間に帯状体を挟む挟持部が形成されていること
が望ましい。このような構成によれば、第2の部材が第
2の位置に位置すると、帯状体は、第2の部材の押圧部
により更に深い屈曲状態に変形されると同時に、第2の
部材の挟持部と第1の部材のベース部との間でも挟み込
まれるため、つまり、帯状体とバックルとの抵抗がより
高められる結果、移動阻止機能を更に向上させることが
できる。
は異なる他の帯状体が挿通されるとともに、その挿通さ
れた他の帯状体を長さ方向の任意の位置で移動阻止可能
な長さ調整手段が設けられていることが望ましい。この
ような構成によれば、帯状体の長手方向の任意の位置へ
の移動および固定と、他の帯状体の長さ調整とを1つの
バックルで行うことができるから、従来のリュック構造
に適用すれば、部品点数も削減でき、コストも安くでき
るうえ、操作性も向上させることができる。
よび図9に示す通りである。これは、リュック本体1
と、このリュック本体1の背負部両側に設けられた一対
の背負用ベルト2と、この背負用ベルト2の上部とリュ
ック本体1の上部とを連結する補助ベルト3とを備えて
いる。背負用ベルト2は、リュック本体1に片方の端部
が固定された2本のベルト2A,2Bと、この2本のベ
ルト2A,2Bの端部同士を連結するとともに、ベルト
2Bを長さ調整可能にする連結具2Cとを備える。補助
ベルト3は、2本のベルト3A,3Bと、この2本のベ
ルト3A,3Bを連結するとともに、ベルト3Aを長さ
調整可能にする連結具3Cと、ベルト2Aの長手方向へ
移動可能に設けられベルト3Aの他の端部を連結した連
結具3Dとを備える。
まり、連結具2C、連結具3Cおよび連結具3Dが必要
であるため、部品点数が多く、コストも高くつくうえ、
調整操作もそれぞれの連結具2C,3C,3Dの位置、
つまり、異なる3個所で操作しなければならないので、
操作性に欠けるという課題がある。このように課題に対
しても、本発明のような構成を採用すれば、つまり、第
2の部材に、帯状体とは異なる他の帯状体が挿通される
とともに、その挿通された他の帯状体を長さ方向の任意
の位置で移動阻止可能な長さ調整手段が設けられたバッ
クルを、たとえば、図8および図9の連結具3Dの位置
に採用すれば、部品点数の削減、コスト低減、操作性の
向上が期待できる。すなわち、本発明の構成を図8およ
び図9のリュック構造に採用すれば、連結具3Cを削減
でき、かつ、連結具2Cと本発明のバックルとの2個所
での操作ですむから、従来に比べ、操作性も向上させる
ことができる。
材に前記他の帯状体の長手方向に間隔を隔てて設けられ
前記他の帯状体が挿通される少なくとも2つの挿通部に
よって構成されていることが望ましい。このような構成
によれば、他の帯状体を一方の挿通部を通したのち、反
転して他の挿通部に挿通し、最初の帯状体側へ引き出せ
ば、他の帯状体を任意の長さ位置で固定できる。
挿通部の間の中間部分の断面形状は、少なくとも1つの
角部が鋭角に形成されていることが望ましい。このよう
な構成によれば、他の帯状体が挿通される2つの挿通部
の間の中間部分の断面形状のうち、少なくとも1つの角
部が鋭角に形成されているから、この先端鋭角部が帯状
体に係止された状態になるため、他の帯状体を任意の長
さ位置で確実に固定することができる。
を参照して説明する。図1および図2は、本実施形態の
バックル(固定状態および固定解除状態)10を示して
いる。このバックル10は、前述した図8および図9の
リュック構造において連結具3Dの位置に適用したもの
で、帯状体としてのベルト2(2A)の長手方向へ移動
可能かつ任意の位置で固定可能な機能と、帯状体として
のベルト3(3A)の長さを調整可能な機能とを備え
る。なお、ベルト2,3としては、合成樹脂製糸(たと
えば、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル製など
の糸)を平織、山杉綾織、グログラン織、バスケット
織、変形バスケット織などによって、ある程度の腰(剛
性)を有しかつ所定幅の帯状体に形成したものが用いら
れている。
図4に示すように、合成樹脂の射出成形によって成形さ
れた第1の部材としてのバックル本体11と、このバッ
クル本体11に変位可能、つまり、回動可能に設けられ
た第2の部材としての係止部材31とを備えている。
部12と、このベース部12の幅方向両側に立設された
一対の側壁部15とを備える。ベース部12の長手方向
中間位置には、ベルト2の挿通方向に間隔を隔てて2つ
の貫通孔13,14が形成されている。一対の側壁部1
5間には、その両端側に連結桟16,17がそれぞれ架
け渡されているとともに、一端側にベルト2をベース部
12から離れる方向へ屈曲させる屈曲部としての起立片
20が、また、中央部分に軸受孔21がそれぞれ形成さ
れている。連結桟16,17とベース部12との間には
ベルト2が挿通される挿通部としての挿通孔18,19
がベルト2の長手方向に間隔を隔てて設けられている。
起立片20は、一方の挿通孔19近傍のベース部12か
ら他方の挿通孔18へ向かうに従ってベース部12から
離れる方向へ傾斜状に起立して設けられている。ここで
は、ベース部12に対して35度〜55度の角度で傾斜
状に起立され、かつ、その先端20Aが略90度以下の
角度に形成されている。
の挿通孔18,19の間において、側壁部15の軸受孔
21に回動可能に係合され、かつ、ベルト2に対してバ
ックル10が移動可能な第1の位置(図2の位置)およ
びベルト2に対してバックル10が固定可能な第2の位
置(図1の位置)に回動可能になっている。係止部材3
1には、軸受孔21に回動可能に係合される突起32
と、第2の位置に位置した状態において、屈曲状態にあ
るベルト2の一方側を他方側へ向かって押圧して更に深
い屈曲状態に変形させる押圧部33と、バックル本体1
1のベース部12との間にベルト2を挟む挟持部34
と、ベルト3が挿通されるとともに、その挿通されたベ
ルト3を長さ方向の任意の位置で移動阻止可能な長さ調
整手段35とを備える。
に位置した状態において、起立片20の先端からベース
部12へ下ろした垂線と略同じ位置または垂線より起立
片20の内側に突出され、その先端33Aは、90度以
下の角度、ここでは約60度の鋭角に形成され、かつ、
幅方向の一定間隔位置に溝(凹凸)を備えている。挟持
部34は、係止部材31が第2の位置に位置した状態に
おいて、バックル本体11のベース部12との間でベル
ト2を挟みつける機能を備え、かつ、先端34Aは、角
部に形成されているとともに、幅方向の一定間隔位置に
溝(凹凸)を備えている。長さ調整手段35は、係止部
材31にベルト3の長手方向に間隔を隔てて設けられベ
ルト3が挿通される少なくとも2つの挿通部としての挿
通孔36,37によって構成されている。2つの挿通孔
36,37の間に形成された中間部分38の断面形状
は、少なくとも1つの角部が鋭角に形成されている。具
体的には、中間部分38の外面および内面が、挿通孔3
7から挿通孔36に向かうに従って互いに接近するよう
にかつ弧状に湾曲され、いわゆる、砲弾形状に形成さ
れ、2つの角部38A,38Bが鋭角に形成されてい
る。
ト2,3を通すには、図5に示す手順で行う。ベルト2
を通すには、ベルト2をバックル本体11の挿通孔18
に挿通させたのち、更に押し込むと、ベルト2の先端が
起立片20の内面側に当接したのち、その起立片20の
傾斜に沿って貫通孔14からベース部12の裏面側へ突
出される((a)参照)。続いて、ベース部12の裏面
側へ突出したベルト2の先端を反転したのち、ベルト2
の先端を起立片20の内面に沿って押し込むと、ベルト
2の先端が起立片20の内面に沿って進み、起立片20
と係止部材31との間の隙間からバックル10の表面側
へ突出される((b)参照)。最後に、バックル10の
表面側へ突出したベルト2の先端を反転したのち、ベル
ト2の先端を起立片20の外面に沿って押し込むと、ベ
ルト2の先端が起立片20の外面に沿って進み、挿通孔
19を通って他端側へ突出される((c)参照)。これ
により、ベルト2がバックル10に挿通される。
31の内面側から挿通孔36に挿通させたのち、その先
端を反転して中間部分38の外面側から挿通孔37内に
挿通させ、その先端を係止部材31の内面側から引き出
す。これにより、ベルト2がバックル10に挿通され
る。
2,3を挿通した状態において、係止部材31が図2の
状態、つまり、第1の位置にあるときは、バックル10
内におけるベルト2は、中央部分がゆるやかな山状に屈
曲した状態であるため、バックル10の移動に対する阻
止力は大きくない。従って、この状態において、バック
ル10にベルト2の長手方向への力を加えることによ
り、バックル10をベルト2の長手方向へ移動させるこ
とができる。
位置まで移動させたのち、係止部材31を図1の状態、
つまり、第2の位置に回動させると、係止部材31の押
圧部33は回動しながら、起立片20の先端からベース
部12へ下ろした垂線より起立片20の内側まで突出す
る。すると、図6に示すように、バックル10内でゆる
やかな山状に屈曲していたベルト2は、山状の片側の辺
が更に内側に押し込まれ、より深い屈曲状態に変形され
る。つまり、ベルト2は、起立片20の傾斜外面からそ
の先端を捲回したのち、更に、係止部材31の押圧部3
3を捲回した状態となる。そのため、この部分では逆
「S」字状、あるいは、「Z」字状に屈曲された状態と
なる。その結果、このベルト2の屈曲状態がバックル1
0の抵抗となって、バックル10の移動が阻止された状
態となるから、バックル10をベルト2の長手方向の任
意の位置で固定することができる。なお、ベルト2が逆
「S」字状、あるいは、「Z」字状に屈曲された状態に
おいては、ベルト2と起立片20の内面との間には隙間
dが形成されている。
る場合には、バックル10をベルト2に対して固定する
前に、つまり、係止部材31を第1の位置に位置させた
状態において、ベルト3の長さ調整を行ったのち、係止
部材31を図1の状態、つまり、第2の位置に回動させ
る。ベルト3の長さ調整にあたっては、ベルト3の先端
側(固定端側とは反対側)を係止部材31の長さ調整手
段35に押し込み、ベルト3の固定端側を係止部材31
の長さ調整手段35から引き出す(長くする場合)、あ
るいは、ベルト3の固定端側を係止部材31の長さ調整
手段35に押し込み、ベルト3の先端側を係止部材31
の長さ調整手段35から引き出し(長くする場合)、ベ
ルト3の固定端からバックル10までの長さを任意の長
さに調整する。
る。 (1)係止部材31の押圧部33が屈曲状態にあるベル
ト2の一方側を他方側へ向かって押圧し更に深い屈曲状
態に変形させることによって、バックル10を固定する
構造であるから、つまり、ベルト2が起立片20と押圧
部33とで挟まれて強い力で締め付けられて固定される
構造ではないから、従来のように、各部品を高精度に製
作する必要がない。また、バックル10の固定および移
動操作時も、大きな力で押圧部33を押圧してベルト2
を起立片20へ押し付けたり、大きな力で押し付け状態
を解除する必要もないから、バックル10の固定および
移動操作も簡易に行えるうえ、長期に亘って破損が少な
く、かつ、固定機能の低下も防止できる。
孔19近傍のベース部12から挿通孔18へ向かうに従
ってベース部12から離れる方向へ傾斜状に起立した起
立片20によって構成され、押圧部33は、第2の位置
において、起立片20の先端からベース部12へ下ろし
た垂線と略同じ位置または垂線より起立片内側に突出さ
れている。そのため、係止部材31が第2の位置になっ
た状態では、押圧部33は、起立片20の先端からベー
ス部12へ下ろした垂線と略同じ位置、または、垂線よ
り起立片内側に突出されているから、ベルト2は逆
「S」字あるいは「Z」字状に屈曲された状態となるた
め、バックル10の移動をより確実に阻止できる。
面との間には隙間が形成されているから、起立片20と
押圧部33との位置関係に製作上の誤差が生じても、こ
れらを吸収できる。従って、この構造からも、従来のよ
うに、各部品を高精度に製作する必要がない。
に対して35度〜55度の角度で傾斜状に起立されてい
るから、バックル10の移動阻止機能を維持しつつ、バ
ックル10の厚み寸法を抑えることができる。つまり、
起立片20の角度を大きくすれば、ベルト2のベース部
12からの屈曲高さ(すなわち、立ち上がり高さ)も大
きくなり、バックル10の移動時の抵抗が大きくなるた
め、バックル10の移動阻止機能が向上するが、バック
ル10の厚み寸法が厚くなる。逆に、起立片20の角度
を小さくすれば、バックル10の厚み寸法を薄くできる
が、バックル10の移動阻止機能が低下する。これに対
し、本実施形態では、起立片20をベース部12に対し
て上記角度にしたので、上記両機能を同時に満足させる
ことができる。
の先端が、共に90度以下の角度に形成されているか
ら、これらの先端鋭角部がベルト2に係止された状態に
なるため、バックル10の移動阻止機能をより向上させ
ることができる。しかも、押圧部33の先端33Aに
は、その幅方向一定間隔位置に溝(凹凸)が形成されて
いるから、ベルト2との接触抵抗が大きく、バックル1
0の移動阻止機能をより高めることができる。
の2つの挿通孔18,19の間において、バックル本体
11に回動可能に支持されているから、係止部材31を
回動するだけで、第1の位置および第2の位置に変化さ
せることができるから、操作が簡単で、しかも、スムー
ズに行える。
1が第2の位置に位置したとき、バックル本体11のベ
ース部12との間にベルト2を挟む挟持部34が形成さ
れているから、係止部材31が第2の位置になると、係
止部材31の挟持部34がバックル本体11のベース部
12との間にベルト2を挟み込むため、ベルト2とバッ
クル10との抵抗をより高め、移動阻止機能を向上させ
ることができる。しかも、挟持部34の先端34Aに
は、その幅方向一定間隔位置に溝(凹凸)が形成されて
いるから、ベルト2との接触抵抗が大きく、バックル1
0の移動阻止機能をより高めることができる。
されるとともに、その挿通されたベルト3を長さ方向の
任意の位置で移動阻止可能な長さ調整手段35が設けら
れているから、ベルト2の長手方向の任意の位置への移
動および固定と、ベルト3の長さ調整とを1つのバック
ルで行うことができる。そのため、、従来のリュック構
造において、部品点数を削減できるとともに、コストも
安くできるうえ、操作性も向上させることができる。し
かも、従来のリュック構造では、3つの連結具に伴う問
題だけでなく、調整操作もそれぞれの連結具2C,3
C,3Dの位置、つまり、異なる3個所で操作しなけれ
ばならないので、操作性に欠けるという課題があった
が、本実施形態のバックルによれば、2個所での操作で
すむから、これらの課題も同時に軽減できる。
にベルト3の長手方向に間隔を隔てて設けられベルト3
が挿通される少なくとも2つの挿通孔36,37によっ
て構成されているから、ベルト3を一方の挿通孔36を
通したのち、反転して他の挿通孔37に挿通し、最初の
ベルト3側へ引き出せば、ベルト3を任意の長さ位置で
固定できる。
通孔36,37の間の中間部分38の断面形状は、少な
くとも1つの角部が90度以下に形成されているから、
つまり、ベルト3が屈曲された状態で当接するこれらの
先端が、共に90度以下の角度に形成されているから、
これらの先端角部がベルト3に係止された状態になるた
め、バックル10の移動阻止機能をより向上させること
ができる。
バックルに限定されるものでなく、次のような変形例も
含む。上記実施形態では、バックル10がベルト2の長
手方向に沿って移動する構成であったが、これとは逆
に、ベルト2がバックル10に対して移動してもよい。
上記実施形態では、リュックに適用した例について説明
したが、この例に限られるものでなく、他の用途、たと
えば、帯状体の長手方向へ移動可能かつ任意の位置で固
定可能なバックルにも適用できる。
バックル40として利用できる。このベルト用バックル
40は、上記実施形態のバックル10に対して、係止部
材31に設けられていた長さ調整手段35が省略されて
いる点、ベルト4の片方の端部が連結桟16に固定され
ている点が異なり、他の点は共通である。使用方法は、
ベルト4の一端をバックル本体11に連結桟16に固定
し、ベルト2の他端を挿通孔19を通し、起立片20に
沿わせたのち、係止部材31の押圧部33と起立片20
との間を通し、係止部材31とバックル本体11との隙
間から引き出す。この状態において、ベルト4の他端を
引っ張れば、ベルト4の長さが短くなる。任意の位置
で、係止部材31を回動させると、押圧部33が起立片
20の内側に入り込み、ベルト2の屈曲部がより深く屈
曲された状態となるため、ベルト4の移動が阻止され
る。つまり、その位置に固定される。従って、ベルト用
バックルとして利用しても、前述した(1)〜(7)の
効果が期待できる。
バックル本体11に対して回動可能に支持させたが、係
止部材31をバックル本体11に対してスライド、つま
り、起立片20の内側へ入り込むようにバックル本体1
1のベース部12に沿って平行にスライドさせるように
しても同様な効果が期待できる。また、上記実施形態で
は、連結桟16,17とベース部12との間にベルト2
が挿通される挿通孔18,19を設けたが、これは、完
全に閉じられた孔でなくてもよく、一部が開放された溝
状のものでもよい。要は、ベース部12の所定位置にお
いて、ベルト2を長手方向へ移動可能に案内できれば、
形状は問わない。
ース部12に対して35度〜55度の角度で傾斜状に起
立させたが、傾斜状に起立しなくてもよく、ベース部1
2から略直角に起立させたのち、ベース部12と平行に
伸びる(挿通孔18に向かって平行に伸びる)形状でも
よい。また、上記実施形態では、係止部材31が第2の
位置において、押圧部33を起立片20の先端からベー
ス部12へ下ろした垂線と略同じ位置または垂線より起
立片内側に突出させたが、必ずしも、これに限られな
い。押圧部33を起立片20の先端からベース部12へ
下ろした垂線に対して起立片20とは反対側に僅かずれ
た位置に位置させてもよい。
に、2つの挿通孔36,37を備えた長さ調整手段35
を設けたが、長さ調整手段35の機構(構成)として
は、上記例に限られない。要は、ベルト3を長さ調整可
能に固定できる構造であれば、他の構造であってもよ
い。
精度に製作する必要がなく、移動および固定操作も簡易
に行えるうえ、長期に亘って破損が少なく、かつ、固定
機能の低下を防止できる。
態)を示す斜視図。
視図。
止部材の分解斜視図。
止部材の断面図。
断面図。
示す図。
…バックル本体(第1の部材)、12…ベース部、1
3,14…貫通孔、18,19…挿通孔(挿通部)、2
0…起立片(屈曲部)、31…係止部材(第2の部
材)、33…押圧部、34…挟持部、35…長さ調整手
段、36,37…挿通孔(挿通部)、38…中間部分。
Claims (9)
- 【請求項1】 第1の部材と、この第1の部材に変位可
能に設けられた第2の部材とを備え、帯状体の長手方向
へ移動可能かつ任意の位置で固定可能なバックルであっ
て、 前記第1の部材は、ベース部と、このベース部に間隔を
隔てて設けられ前記帯状体が挿通される少なくとも2つ
の挿通部と、この2つの挿通部の間に設けられ前記帯状
体を前記ベース部から離れる方向へ屈曲させる屈曲部と
を備え、 前記第2の部材は、前記帯状体に対してバックルが移動
可能な第1の位置および前記帯状体に対してバックルが
固定可能な第2の位置に変位可能で、第2の位置におい
て、屈曲状態にある前記帯状体の一方側を他方側へ向か
って押圧して更に深い屈曲状態に変形させる押圧部を備
える、ことを特徴とするバックル。 - 【請求項2】 前記屈曲部は、前記一方の挿通部近傍の
ベース部から他方の挿通部へ向かうに従ってベース部か
ら離れる方向へ傾斜状に起立した起立片によって構成さ
れ、前記押圧部は、第2の位置において、前記起立片の
先端からベース部へ下ろした垂線と略同じ位置または垂
線より起立片内側に突出されていることを特徴とする請
求項1に記載のバックル。 - 【請求項3】 前記起立片は、前記ベース部に対して3
5度〜55度の角度で傾斜状に起立されていることを特
徴とする請求項2に記載のバックル。 - 【請求項4】 前記起立片の先端および押圧部の先端
は、90度以下の角度に形成されていることを特徴とす
る請求項2または請求項3に記載のバックル。 - 【請求項5】 前記第2の部材は、前記第1の部材の2
つの挿通部の間において、前記ベース部に回動可能に支
持されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のい
ずれかに記載のバックル。 - 【請求項6】 前記第2の部材には、その第2の部材が
第2の位置に位置したとき、前記第1の部材のベース部
との間に帯状体を挟む挟持部が形成されていることを特
徴とする請求項5に記載のバックル。 - 【請求項7】 前記第2の部材には、前記帯状体とは異
なる他の帯状体が挿通されるとともに、その挿通された
他の帯状体を長さ方向の任意の位置で移動阻止可能な長
さ調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1
〜請求項6のいずれかに記載のバックル。 - 【請求項8】 前記長さ調整手段は、前記第2の部材に
前記他の帯状体の長手方向に間隔を隔てて設けられ前記
他の帯状体が挿通される少なくとも2つの挿通部によっ
て構成されていることを特徴とする請求項7に記載のバ
ックル。 - 【請求項9】 前記第2の部材に形成された2つの挿通
部の間の中間部分の断面形状は、少なくとも1つの角部
が鋭角に形成されていることを特徴とする請求項7また
は請求項8に記載のバックル。
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