JP2003263975A - 密閉型電池 - Google Patents

密閉型電池

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JP2003263975A
JP2003263975A JP2002062967A JP2002062967A JP2003263975A JP 2003263975 A JP2003263975 A JP 2003263975A JP 2002062967 A JP2002062967 A JP 2002062967A JP 2002062967 A JP2002062967 A JP 2002062967A JP 2003263975 A JP2003263975 A JP 2003263975A
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battery
sealing plate
glass
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hermetic sealing
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JP2002062967A
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Tomokazu Mitamura
知一 三田村
Toshiya Kuwamura
俊哉 桑村
Takeshi Inui
武史 乾
Takayuki Tanahashi
隆幸 棚橋
Yasuhiro Suzuki
康弘 鈴木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハーメチック封口板を構成するガラスの焼結
工程における熱影響を排除することによって当該封口板
における耐食性の低下を抑制する共に、構成部品の加工
性を悪化させることがなく、同時に密閉性を向上させる
構造を備えた密閉型電池を提供する。 【解決手段】 有底筒状に形成されて発電要素を収容し
た電池缶の開口部が、封口板にそれを貫通する出力端子
がガラスにより絶縁固定されたハーメチック封口板によ
り封口されてなり、前記封口板がオーステナイト系ステ
ンレス鋼板、ニッケルメッキ鋼板から形成され、前記ガ
ラスが770℃以下で焼結可能であり、アルカリ金属酸
化物・Al23・SiO2を基本組成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電要素を収容し
た電池缶内を外気に対して完全密閉構造として長期間に
わたって安定したエネルギーが取り出せるようにした密
閉型電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウムを活物質とする電池は、安定し
た出力電圧が得られ、幅広い温度範囲で良好な電池特性
を示すことから、外気と遮断する完全密閉構造を採用す
ることで、長期間にわたる安定した使用を可能にしてい
る。この種の電池としては、塩化チオニルリチウム電池
が知られており、反応物質として用いる塩化チオニルが
空気中で分解することから、完全密閉構造を採用してい
る。この構造は、一般的に正極端子はガラスハーメチッ
クシールにより負極と絶縁し、固定することで、気密性
の向上を図っている。
【0003】図4は、完全密閉構造の従来構造を示す断
面図で、有底円筒形に形成された電池缶31内に上部絶
縁リング38及び下部絶縁リング39で絶縁して発電要
素32が収容され、電池缶31の開口端はハーメチック
封口板33によって封口されている。ハーメチック封口
板33は、封口板33aの中央に開口した開口部に電池
缶31内に貫通させて正極端子34が配設され、開口部
にガラス40を充填、焼結することにより正極端子34
が封口板33aに絶縁固定されている。ハーメチック封
口板33はその周囲で電池缶31の開口端に溶接され、
外面側は凹部に樹脂42が充填されるので、電池缶31
内は外気と遮断された完全密閉構造となる。
【0004】さらに、電池缶31内に突出した正極端子
34に発電要素32の正極に接続された正極リード36
が溶接接合され、電池缶31に発電要素32の負極が接
続されて電池缶31が負極端子を構成する。尚、円筒形
に形成された正極端子34は、電池缶31をハーメチッ
ク封口板33によって封口した後、円筒形の筒内を通し
て電池缶31内に電解液を注入する用に供され、電解液
の注入後に内筒は封止栓35により閉じられる。
【0005】リチウムを活物質とする電池では、発電要
素が高電圧を有することから、正負極の電位、構造及び
耐食性を考慮して上で、電池缶、封口板等の材料選定を
行うのが一般的である。このため、完全密閉構造を有す
る電池では、塩化チオニルによる腐食に鑑み、耐食性を
考慮した上で、負極端子を兼ねる電池缶31にはオース
テナイト系ステンレス鋼(SUS304、SUS304
L等)を、この電池缶に溶接され、中心部にガラスが充
填される封口板33aには2相ステンレス鋼(SUS3
29J1、SUS329J2等)を、正極端子34には
耐熱性を有するフェライト系ステンレス鋼(SUH44
6等)を、各々採用しており、ステンレス鋼を主体とす
ることで耐食性を向上させている。
【0006】上記の通り、ハーメチック封口板の製造工
程は正極端子が開口部に配された封口板にガラスを充填
し、このガラスを焼結する工程を有する。この焼結工程
の温度条件によっては、耐食性に富むステンレス鋼であ
っても、焼結時の熱影響により耐食性の低下を招いてし
まう。さらにハーメチック封口板は、腐食性を有する発
電要素によって前記熱影響に起因する耐食性の低下が助
長されることから、密閉性の低下も生じてしまう。一
方、完全密閉構造を有する電池において、密閉性の低下
は保存特性の劣化を引き起こすことから、焼結時の熱影
響は保存特性の劣化も誘引してしまう。このような焼結
時の熱影響、及びこれに起因する耐食性の低下を回避す
るために、高耐食性を呈する金属材料を使用する提案が
成されている。しかしながら、ハーメチック封口板を構
成するガラスと密着性、所定形状とするための加工性の
面から材料の選択肢が少ないことに加え、チタン、タン
タル等の高価な金属材料を使用する必要があることか
ら、コスト面での課題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が目的とすると
ころは、ハーメチック封口板を構成するガラスの焼結工
程における熱影響を排除することによって耐食性の低下
を抑制すると共に、構成部品の加工性を悪化させること
がなく、同時に密閉性を向上させる構造を備えた密閉型
電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、有底筒状に形成されて発電要素を収容した
電池缶の開口部が、封口板にそれを貫通する出力端子が
ガラスにより絶縁固定されたハーメチック封口板により
封口されてなる密閉型電池であって、前記封口板が、オ
ーステナイト系ステンレス鋼板、ニッケルメッキ鋼板か
ら形成され、前記ガラスが770℃以下で焼結可能であ
り、アルカリ金属酸化物・Al23・SiO2を基本組
成とすることを特徴とする。
【0009】本発明に係る密閉型電池のハーメチック封
口板では、出力端子を固定するガラスに、アルカリ金属
酸化物・Al23・SiO2を基本組成とし、且つ77
0℃以下で焼結可能なものを適用している。アルカリ金
属酸化物・Al23・SiO 2を基本組成とするガラス
は耐有機電解液性を有している。密閉型電池は、封口板
の内面側部位でガラスと有機電解液と接する形態をなる
が、耐有機電解液性を有するガラスを適用することで、
前記部位におけるガラス成分の有機電解液への溶出を抑
制すると共に、この溶出に伴うガラスの劣化を防ぎ、ガ
ラス−封口板、ガラス−接続端子との間における密着性
の低下も抑制する。このため、有機電解液への溶出に起
因する電池特性の悪化を招くことが無く、同時に密着性
の低下に起因する封止性能の悪化も抑制する。また、焼
結温度が770℃以下のガラスを用いることで、ガラス
に接する封口板等の他の構成要素に与える熱影響を排除
できる。すなわち、770℃以下での焼結であれば、封
口板が曝される温度環境はフェライトのキュリー変態温
度(770℃)以下となり、鋼材への熱影響を排除でき
る。このため、封口板にオーステナイト系ステンレス
鋼、ニッケル鋼板を用いた場合でも、焼結に伴う熱影響
を排除することができ、耐食性の劣化を引き起こすこと
はない。
【0010】さらに本発明に係る密閉型電池は、オース
テナイト系ステンレス鋼からなる封口板を用いること
で、発電要素及び有機電解液による腐食の発生、封口性
能の悪化を抑制すると共に、チタンやタンタルといった
高価な金属材料の適用する必要が無くなるため、密閉型
電池の製造コストを低減することもできる。
【0011】また、出力端子は正極端子を兼ねるのが一
般的であり、高電位が付加されることを考慮し、フェラ
イト系ステンレス鋼から形成することが好適である。、
そして、封口板と同様の理由により封止性の悪化を防止
すると共に、製造コストを抑制することができる。
【0012】一方、発電要素として正極にフッ化炭素、
二酸化マンガン、リチウム含有金属酸化物を用い、本発
明に係る密閉型構造を適用することで、カシメ構造を採
用した電池に比べて長期の保存特性、信頼性に優れた電
池を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。
尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であ
って、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】図1は、実施形態に係る密閉型電池の構成
を示すもので、有底円筒形に形成された電池缶1内にポ
リプロピレン製の上部絶縁リング8及び下部絶縁リング
9で絶縁して発電要素2を収容し、電池缶1の開口端は
ハーメチック封口板3によって封口されている。前記ハ
ーメチック封口板3は、オーステナイト系ステンレス鋼
(SUS304L)からなる封口板3aの中央に形成さ
れた開口部にTの字状断面に形成され、フェライト系ス
テンレス鋼(SUS444)からなる正極端子(出力端
子)4をガラス5により絶縁固定し、封口板3aの周縁
部と電池缶1の開口端とをレーザ溶接することにより、
電池缶1を封口している。ガラス5は、アルカリ金属酸
化物・Al23・SiO2を基本組成とし、且つ770
℃以下で焼結可能なものである。
【0015】ハーメチック封口板3は、図2(a)に示
すようにカーボン治具12上に、図3(a)(b)
(c)に示すような正極端子4、ガラスペレット5a及
び封口板3aを位置決め配置して、これを670℃に設
定された高温炉内に通してガラスペレット5aを溶融さ
せることにより、封口板3aにガラス5を介して正極端
子4を絶縁固定した状態に製作される。
【0016】正極端子4は、図3(a)に示すように、
一端側にフランジ部14を形成し、電池缶1内に位置す
る側に下部平坦面4bが、外部に露出する側にフランジ
部14を含む大きな上部平坦面4aが形成されている。
また、フランジ部14の下面には断面が三角形の突起部
11がリング状に形成されている。
【0017】また、封口板3aは、図3(c)に示すよ
うに、正極端子4をガラスハーメチックシールする開口
部16が形成され、ガラス5との接着面積を増加させる
ために開口部16の周囲は板面が絞り加工されている。
また、電池缶1の開口端に嵌まり合う周縁部は、電池缶
1との溶接面積の増加及び強度増加を図るべく板面が絞
り加工されている。
【0018】上記正極端子4を封口板3aにガラスハー
メチックシールする用に供されるガラス5は、図3
(b)に示すようにガラスペレット5aにして、図2
(a)に示すようにカーボン治具12上の正極端子4と
封口板3aとの間に配設される。
【0019】このように封口板3aを貫通する正極端子
4をガラス5によりガラスハーメチックシールすると
き、正極端子4がフランジ部14を設けた形態であると
き、ガラス5が溶融して正極端子4及び封口板3aに接
着し、これが冷却により固化するとき、図2(b)に示
すように、正極端子4と封口板3aとに挟まれた部位
と、正極端子4とそのフランジ部14に接着した部位と
では固化時に応力差が生じ、両部位の境目に図示するよ
うにクラック13が発生する恐れがあり、ガラスハーメ
チックシールの気密性を損なうことになる。このクラッ
ク13の発生は、フランジ部14を設けてTの字状断面
の正極端子4を用いた場合に起こり得る課題であって、
これを解決するために正極端子4にはフランジ部14の
内面側にガラス5に向けて突起部11が形成されてい
る。
【0020】前記突起部11が設けられていることによ
り、図2(a)に示すように、カーボン治具12上に正
極端子4を配し、その上にガラス5を置いたとき、ガラ
ス5は突起部11によりフランジ部14に接しない状態
に配設される。この状態でガラス5が溶融したとき、ガ
ラス5はその表面張力により突起部11より下に流下せ
ず、これが焼結、固化したときには、図1(b)に示す
ように、フランジ部14に接しない状態になるのでクラ
ック13が発生する恐れはない。
【0021】上記にように形成されたハーメチック封口
板3に絶縁固定された正極端子4の下部平坦面4bに
は、図1(a)に示すように、発電要素2を構成する正
極極板から上部絶縁リング8外に引き出された正極リー
ド6が溶接接合され、ハーメチック封口板3は電池缶1
の開口端に装着され、封口板3aの周縁部と電池缶1の
開口端に内壁との間がレーザ溶接されて電池缶1内は密
閉される。正極端子4に対する正極リード6の接合は正
極端子4の下部平坦面4bに溶接することにより実施で
きるので、正極端子4を電池缶1内に突出させる必要が
なく、電池缶1内に収容する発電要素2の収容量を増加
させて電池容量の増加をはかることができる。
【0022】尚、発電要素と組み合わされる有機電解液
は、発電要素2を収容し、正極リード6、負極リード7
を正極端子4、電池缶1に接続した後に、電池缶1内に
注液される。この構成は、従来構成における発電要素を
電池缶に収容、封口を実施した後、正極端子に形成され
た円筒形の内筒を通して電池缶内に電解液を注入する工
程、及び注液後に前記内筒をガラスにて封止する工程を
不要とし、正極端子に予め内筒部を形成する工程も不要
とすることから、製造工程の簡素化を実現するものであ
る。
【0023】また、正極端子4の外部露出部分は、フラ
ンジ部14が形成されていることにより正極接続リード
の接合を容易にする大きな接合面積の上部平坦面4aが
形成される。電池に対する正極接続リードの接合はユー
ザの手によりなされる場合が多いので、その作業がより
容易で確実に実施できることが望まれており、従来の丸
棒状のものにリード接合する場合では溶接が困難である
が、平坦な面で溶接するので一般的な溶接機材を用いて
容易に溶接することができる。また、電池上への無駄な
突出がなく、電池の総高を削減することができる。
【0024】さらに、ハーメチック封口板3の上部に形
成される凹部には、図1(a)に示すように、封口板3
aの周縁部をレーザー溶接した後に、樹脂15を充填し
て密閉性の強化が図られている。樹脂15は、二液性エ
ポキシ配合樹脂等を適用することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例として、図1に示す構
成を採用したAAサイズ(直径14mm、総高49.5
mm)の円筒形二酸化マンガンリチウム電池に作成し、
検討を行った。尚、発電要素として、正極に二酸化マン
ガン、負極に金属リチウムを用い、これらをポリプロピ
レン製のセパレータを介して渦巻き状に巻回したものを
用いた。
【0026】本実施例では、アルカリ金属酸化物・Al
23・SiO2を基本組成とするガラスとして、Na2
・Al23・SiO2を含むとガラスペレットを図3
(b)に示す所定形状に形成し、SUS304Lからな
る封口板3a、及びSUS444からなる正極端子4を
図2に示す様に組み合わせ、670℃に設定された環境
下で焼成を行い、ハーメチック封口板3を得た。このハ
ーメチック封口板3を、上述した発電要素2及び有機電
解液が収容された電池缶1の開口部に配置し、ハーメチ
ック封口板3の周縁にレーザ溶接を施すことで本発明に
係る電池Aを得た。
【0027】比較例として、SrO・B23・SiO2
を含み、図3(b)に示す形状を有するガラスペレット
を使用し、電池Aと同様の構成にて980℃に設定され
た環境下で焼成を行うことでハーメチック封口板を形成
した。この封口板を用い、他の構成は電池Aと同様にし
たものを比較電池Bとする。また、PbO・B23・S
iO2を含み、図3(b)に示す形状を有するガラスペ
レットを使用し、電池Aと同様の構成にて560℃に設
定された環境下で焼成を行うことでハーメチック封口板
を形成した。さらに、比較電池Bと同様に、得られたハ
ーメチック封口板を使用し、他の構成は電池Aと同様に
したものを比較電池Cとする。尚、比較例として使用し
たSrO・B23・SiO2は、塩化チオニルリチウム
電池に用いられる周知のガラス材料であり、PbO・B
23・SiO2は、ディスプレーパネルのシール部分に
適用されるガラスであり、焼結温度が低い点に特徴を有
する。
【0028】本実施例に係る電池A、及び比較電池B、
Cについて各々100個を作成し、得られた電池を温度
85℃、湿度80%の環境下に放置した。これら電池に
対して、電池作成の直後、及び所定期間が経過した後に
開路電圧を測定し、各電池における平均値を算出した。
得られた結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、比較電池B及び
比較電池Cは、電池作成後に比較して1週間の保存であ
っても開路電圧の低下が認められる。これに対して、電
池Aは、電池作成後の開路電圧を維持しており、高温環
境下での保存における特性の劣化は認められない。
【0031】このような現象を解析するために、4週間
保存後の比較電池B、比較電池Cについて分解調査を行
った。その結果、焼結温度の高いガラスを用いた比較電
池Bの場合は、SUS444からなる正極端子に腐食の
痕跡が認められた。このことから、比較電池Bの開路電
圧の低下は、正極端子の腐食によるものと考えられる。
尚、本発明者らは、比較電池Bにおいて正極端子4の材
質をフェライト系ステンレス鋼SUS444に替えて、
フェライト系ステンレス鋼SUH446を用いた電池で
も本実施例と同様の検討を行った。その結果、比較電池
Bと同様に正極端子の腐食が認められた、また、本実施
例における発電要素に替えて、電解液に塩化チオニルに
四塩化アルミニウムリチウムを溶解させた電解液を含む
発電要素を用い、正極端子4にフェライト系ステンレス
鋼SUH446を用いた電池でも本実施例と同様の検討
を行った。その結果、塩化チオニルを発電要素に用いた
電池では、正極端子の腐食は認められなかった。このこ
とから、二酸化マンガンを活物質とする電池では、電解
液に起因する腐食が発生したと考えられる。
【0032】一方、比較電池Cでは、ガラスの焼結温度
が低いことからハーメチック封口板の作成に起因する正
極端子(SUS444)の耐食性の劣化は認められず、
腐食の痕跡は見られなかった。しかし、保存試験後の電
池を分解した際にガラス部分に腐食の痕跡が見られた。
この腐食部分に付着した有機電解液を分析した結果、電
解液へのPb溶出が確認された。このことから、比較電
池Cの開路電圧の低下は、正極端子の腐食に起因するも
のでなく、ガラスの腐食(Pb溶出)に起因するものと
推察される。
【0033】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、ハー
メチック封口板を構成するガラスの焼結工程における熱
影響を排除することによって耐食性の低下を抑制すると
共に、構成部品の加工性を悪化させることがなく、同時
に密閉性を向上させる構造を備えた密閉型電池を提供す
ることを可能にし、その工業的価値は大なるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る密閉型電池の構成を示す断面図
【図2】(a)はハーメチック封口板の製作方法を示す
断面図 (b)はクラックの発生を説明する断面図
【図3】(a)は正極端子の構成を示す斜視図 (b)はガラスペレットの構成を示す斜視図 (c)は封口板の構成を示す斜視図
【図4】従来技術に係る密閉型電池の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 電池缶 2 発電要素 3 ハーメチック封口板 3a 封口板 4 正極端子(出力端子) 4a 上部平坦面 4b 下部平坦面 5 ガラス 11 突起部 14 フランジ部
フロントページの続き (72)発明者 乾 武史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 棚橋 隆幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 康弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA17 EE04 FF03 GG05 HH00 HH09 KK04 5H024 AA03 CC02 DD01 DD03 EE01 EE06 HH00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状に形成されて発電要素を収容し
    た電池缶の開口部が、封口板にそれを貫通する出力端子
    がガラスにより絶縁固定されたハーメチック封口板によ
    り封口されてなる密閉型電池であって、 前記封口板がオーステナイト系ステンレス鋼板、ニッケ
    ルメッキ鋼板から形成され、前記ガラスが770℃以下
    で焼結可能であり、アルカリ金属酸化物・Al 23・S
    iO2を基本組成とすることを特徴とする密閉型電池。
  2. 【請求項2】 出力端子が、フェライト系ステンレス鋼
    から形成される請求項1に記載の密閉型電池。
  3. 【請求項3】 発電要素が、正極にフッ化炭素、二酸化
    マンガン、リチウム含有金属酸化物の何れかを用いてな
    る請求項1に記載の密閉型電池。
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