JP2003263059A - ベルト用剥離シート - Google Patents

ベルト用剥離シート

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JP2003263059A
JP2003263059A JP2002063396A JP2002063396A JP2003263059A JP 2003263059 A JP2003263059 A JP 2003263059A JP 2002063396 A JP2002063396 A JP 2002063396A JP 2002063396 A JP2002063396 A JP 2002063396A JP 2003263059 A JP2003263059 A JP 2003263059A
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belt
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release sheet
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JP2002063396A
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Masahiko Mizutani
正彦 水谷
Takumi Hayashi
工 林
Masaaki Ohashi
正明 大橋
Satoru Fukuzawa
覚 福澤
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着ベルトや加圧ベルトなどのベルト用剥離
シートであって、剥離シートの波打ち現象を抑え、剥離
シートと支持部材とを均一に接合するとともに、ベルト
との線接触が十分にでき、またその接触部において定着
ベルトを傷つけず、優れた紙剥離性能を長期間維持でき
る。 【解決手段】 電子写真装置の定着ベルトから用紙を剥
離するためのシート状剥離部と、この剥離部を支持する
支持部とからなる剥離シートにおいて、上記支持部と上
記剥離部とがレーザースポット溶接により接合されてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式の複写
機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に設置さ
れる定着ベルトまたは加圧ベルトから用紙を剥離するベ
ルト用剥離シートに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機、プリンタ、ファ
クシミリ等の画像形成装置には、用紙に転写されたトナ
ー等の現像剤を定着させるための定着装置が組込まれて
いる。従来の定着装置は内部にヒータを有する定着ロー
ラに加圧ローラを圧接しながら回転させ、定着ローラと
加圧ローラとのニップ部に、表面にトナーが静電付着し
た用紙を通過させることによって、トナーを加熱ととも
に加圧して用紙に定着させている。これは、加熱された
トナーが溶融し、加圧ローラで圧縮されることで用紙の
繊維にからみつき定着されるものである。しかし、溶融
したトナーは定着ローラにとっては接着剤のような作用
を引き起こし、定着ローラ表面に用紙を張り付かせるこ
とがある。この場合、紙詰まりを引き起こし、重大な故
障の原因となる恐れがある。そのような問題を未然に防
止するために、定着ローラや加圧ローラには用紙をロー
ラ表面から強制的に引き離す役割の分離爪が設置されて
いる。
【0003】分離爪のローラとの接触部の幅は 1〜5mm
程度であり、1本のローラに対して4〜16 個配置されて
いる。分離爪はローラに対し局部的に接触しているた
め、どうしてもローラを部分的に摩耗させてしまい良好
な画像が得られなくなる。また、用紙に対しても局部的
に接触するため、用紙に転写されたトナーを掻き取りや
すく、さらに掻き取ったトナーが分離爪にも付着するこ
とによって用紙が汚れ易くなる場合がある等の問題があ
った。
【0004】そのような問題に対して、特開昭 59-1886
81 にローラに対して線接触できる紙剥離装置が提案さ
れている。また、特開平 11-184300 には、片面にフッ
素系樹脂が形成された耐熱性プラスチックスシートまた
は金属シートを基材として、この基材をフッ素系樹脂形
成面を外側にして二つ折りにして積層体を形成した剥離
シートが提案されている。
【0005】近年、加熱エネルギーの省力化によりベル
ト定着あるいはフィルム定着と呼ばれる定着装置が開発
されている。このものは定着ローラの代わりに環状の樹
脂フィルムを用いるものであり、薄肉のために加熱エネ
ルギーが小さく昇温スピードが速いため、省エネととも
にウォーミングアップ時からの立上り所要時間も短くな
るという利点がある。なお、これより便宜上ベルト定着
あるいはフィルム定着をベルト定着と呼び、定着ベルト
あるいは定着フィルムを定着ベルトと呼ぶ。ベルト定着
式の定着装置であっても、用紙の定着部への張り付きの
問題は発生する。特開 2001-235959 には、定着ベルト
にも使用できる剥離シートの開示がある。従来の剥離シ
ートは、金属シート等を基材とする場合、多くは剥離シ
ートと、この剥離シートを支持する支持部材とを接着剤
によって接合している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、剥離シートと
支持部材とが接着剤により接合されている場合、長時
間、高温下での使用や、高温と低温とが繰り返される温
度サイクル下での使用により、剥離シートが接合部から
剥がれるという問題が発生する。また、接着剤を均一に
塗布するのは難しく、部位において接着力が異なり、部
分的に剥がれてしまい、剥離シートが波打ちを生じ、用
紙が剥離できない状態となってしまうという問題があ
る。剥離シートと支持部材とを別個に作製して両者を接
合する場合、上記接合部に生じる接着性の問題ととも
に、生産工数の増加と製品コストの増大という問題が発
生する。
【0007】一方、上記特開昭 59-188681 に記載の紙
剥離装置は、フッ素樹脂等からなる厚さ 0.05mm 以上の
プラスチックプレートを金属製ベースプレートに固定支
持するものであり、金属製ベースプレートからわずかに
突出させたプラスチックプレート先端を定着ローラに線
接触させている。このため、プラスチックプレート先端
部が塑性変形によってめくれてしまい紙剥離性能が低下
するという問題がある。また、特開平 11-184300 に記
載の片面にフッ素樹脂が形成された基材をフッ素樹脂形
成面を外側にして二つ折りにした積層体は、定着ローラ
接触断面での湾曲が大きくなるという問題がある。
【0008】特に、近年の電子写真装置に採用されるト
ナーは、発色性を向上させるため、トナーの構成要素の
一つであるバインダー樹脂も、透明度の高いポリエステ
ル系に移行しており、ポリエステル系バインダー樹脂を
もつトナーは、非常に粘着性が高いため、特開昭59-188
681に記載の紙剥離装置にあっては、金属製ベースプレ
ートや金属製ベースプレートとプラスチックプレートと
の接合部にトナーが付着するという問題がある。また特
開平11-184300に記載の積層体の場合、定着ローラとの
線接触が困難になり、剥離が困難になるという問題があ
る。
【0009】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、定着ベルトや加圧ベルトなどのベル
ト用剥離シートであって、剥離シートの波打ち現象を抑
え、剥離シートと支持部材とを均一に接合するととも
に、ベルトとの線接触が十分にでき、またその接触部に
おいて定着ベルトを傷つけず、優れた紙剥離性能を長期
間維持できるベルト用剥離シートを提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真装置
の定着ベルトから用紙を剥離するためのシート状剥離部
と、この剥離部を支持する支持部とからなる剥離シート
において、上記支持部と上記剥離部とがレーザースポッ
ト溶接により接合されてなることを特徴とする。また、
本発明は、電子写真装置の定着ベルトから用紙を剥離す
るためのシート状剥離部と、この剥離部を支持する支持
部とからなる剥離シートにおいて、上記支持部は、剥離
部を形成するシートの一端部を折り曲げ、該折り曲げら
れた部位同士を接合してなることを特徴とする。
【0011】本発明において、圧縮接合とは、接合する
部位の一方に凹部を設け、他方をこの凹部に圧縮力によ
り塑性変形を生じさせつつ圧入して両者を接合すること
をいう。凹部は孔部であってもよい。また、凹部を設け
ず両者同時に圧縮力で塑性変形させ凹凸接合してもよ
い。
【0012】支持部材と剥離シートとをレーザースポッ
ト溶接することにより、接合力が熱的に安定するととも
に、部位による接合力のばらつきもなく、剥離シートが
剥がれたり、波打ちを発生しなくなる。そのことによ
り、ベルト用剥離シートはベルトから用紙をスムーズに
剥離することができる。
【0013】また、一枚のシートを折り曲げ、該折り曲
げ部を圧縮接合して支持部とすることにより、支持部が
一体化される。また、接合力が熱的に安定するととも
に、部位による接合力のばらつきもなく、剥離シートが
剥がれたり、波打ちを発生しなくなる。そのことによ
り、本発明のベルト用剥離シートは用紙をスムーズに剥
離することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】剥離シートを用いたベルト式定着
装置の一例を図1を用いて説明する。図1はベルト式定
着装置の概要図である。ベルト式定着装置は、定着ロー
ラ9とテンションローラとして機能する加熱ローラ8
と、加圧ローラ10とを備えている。加熱ローラ8と定
着ローラ9との間には環状の樹脂フィルムである定着ベ
ルト7が張設され、定着ローラ9と加圧ローラ10とで
ニップ部11が形成されている。未定着トナーを担持し
た用紙12は定着ベルト7を介してニップ部11で加熱
加圧され、未定着トナーの定着が行なわれる。定着ロー
ラ9は芯金を有し、また、十分な広さのニップ巾を確保
するために、発泡シリコンゴム等の柔らかい耐熱性があ
る断熱性弾性部材を外周部に有している。加熱ローラ8
は、ヒータが内蔵されたアルミニウム、ステンレス、炭
素鋼または銅等の金属円筒状の薄肉ローラである。加圧
ローラ10は、アルミニウム、ステンレス、炭素鋼また
は銅等の芯金の表層にフッ素樹脂、シリコンゴム等の耐
熱離型層を被覆した構成としている。また、加圧ローラ
自体を中空とし、この中空部にヒーターを設けてもよ
い。
【0015】剥離シート1は、定着ベルト7と加圧ロー
ラ10とのニップ部11の付近に配置される。すなわ
ち、剥離シート1の先端辺2aはニップ部11を通過し
た用紙12を定着ベルトから剥離できるように定着ベル
ト7に接触または近接する位置に設けられている。ここ
で、定着ベルトに接触とは、図1に示すように、剥離シ
ートの先端辺2aが定着ベルトの長手方向に対して線接
触することをいい、近接するとは、用紙が定着ベルトに
巻き付くのを防ぐことができる程度に、剥離シートの先
端辺2aが定着ベルトに接近配置されていることをい
う。
【0016】本発明に係るベルト用剥離シートの一例を
図2により説明する。図2はベルト用剥離シートを剥離
部側からみた部分拡大斜視図である。剥離シート1は、
支持部5とシート状剥離部2とがレーザースポット溶接
にて接合されている。6はレーザースポット部を示す。
このレーザースポット部6の数は、シート状剥離部2の
波打ち現象を抑えるために、シート状剥離部2が定着ベ
ルトに接触または近接する先端辺2aと平行に複数個設
けることが好ましく、スポット部6同士の間隔は、レー
ザースポット溶接が可能となる範囲で狭い方が好まし
い。具体的には、先端辺2aの接触幅の長さLが 300mm
程度のシート状剥離部2の場合、スポット部6同士の
間隔L1は略 10mm 程度が好ましい。また、支持部5お
よびシート状剥離部2は、ともにレーザースポット溶接
が可能となる金属板で作製することが好ましい。
【0017】レーザースポット溶接に用いるレーザーと
しては、金属同士を溶接したり、加工したりすることの
できる固体レーザー、例えばYAGレーザー、ルビーレ
ーザー等が好ましい。特にYAGレーザーが、微小加工
に向くため本発明に好適である。YAGレーザーは、レ
ーザー発振に寄与する活性イオンNd3+が添加されたイ
ットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる人工結
晶を励起させて得られるレーザーである。YAGレーザ
ー溶接機としてミヤチテクノス社製のパルスYAGレー
ザー溶接機がある。
【0018】本発明に係る他のベルト用剥離シートの一
例を図3により説明する。図3は他のベルト用剥離シー
トを剥離部側からみた部分拡大斜視図である。剥離シー
ト1は、一枚のシートを曲げ部2bで折り曲げ、この折
り曲げられて重ね合わされた部位2cおよび2dを相互
に圧縮接合してシート状剥離部2を支持する支持部5を
形成する。圧縮接合は重ね合わせ部位2cに開けられた
孔6aに、重ね合わせ部位2dが凸形状6bになるまで
圧入することによりなされる。または、あらかじめ凸形
状6bを作製しておいて、孔6aおよび凸形状6bを相
互に圧縮接合してもよく、凹部を設けず両者同時に圧縮
力で塑性変形させ凹凸接合してもよい。
【0019】孔6aの数は、シート状剥離部2の波打ち
現象を抑えるために、シート状剥離部2が定着ベルトに
接触または近接する先端辺2aと平行に複数個設けるこ
とが好ましく、孔6a同士の間隔は、狭いことが好まし
い。具体的には、接触幅Lの長さが 300mm 程度のシー
ト状剥離部2の場合、孔6a同士の間隔は略 10mm 程度
が好ましい。
【0020】圧縮接合は一般的なプレス加工ができる形
状であれば採用できる。圧縮接合部における接合例を図
4に示す。図4(a)は孔6aと凸形状6bとの組み合
わせの例である。図4(b)は孔6aと孔6cとの組み
合わせの例であり、孔の形状としては、星型、花びら形
状などを採用できる。図4(c)は凸形状6dの凹部と
凸形状6eとの組み合わせの例である。
【0021】支持部5の長さM1は、シート状剥離部2
の長さM2を支持できる長さであればよい。また、支持
部5における重ね合わせは、図3に示すように折り曲げ
部2bでの一回の折り曲げでなく、複数回の折り曲げで
あってもよい。さらに、支持部5を定着装置に調整固定
するための調整孔(図示省略)などを設けてもよい。
【0022】剥離シートを形成する素材としては、金属
板、例えば、鉄板、ステンレス板、アルミニウム板、銅
板等を好適に用いることができる。また、板厚さは 35
〜300μm の範囲が好ましく、40〜100μm の範囲が最も
好ましい。 35μm 未満では剥離力を確保するための定
着ベルトへの圧接力を与えることができなくなるおそれ
があり、 300μm をこえると剥離すべき用紙がシート状
剥離部2の先端に突き当たってしまい、ジャミングの発
生原因となるおそれがある。
【0023】上述したいずれのベルト用剥離シートの場
合でも、シート状剥離部2の先端辺2aは用紙剥離性能
が向上するように、表面に潤滑性被膜を塗布するか、ま
たは貼付けることが好ましい。特にフッ素樹脂フィルム
を貼付けることが用紙剥離性と高温耐久性に優れるため
好ましい。図5はシート状剥離部2の先端にフッ素樹脂
フィルムを貼付けた剥離シート1の部分拡大斜視図であ
り、図6は図5のA部の拡大断面図である。図6に示す
ように、フッ素樹脂フィルム4はシート状剥離部2が定
着ベルトに接触または近接する金属板表面に、シリコー
ン系粘着剤3を介して貼付けられている。
【0024】また、シート状剥離部2は、定着ベルトの
幅方向長さと略同じ長さの接触幅Lを有している。接触
幅が大きいことによって定着ベルトに対する単位面積当
たりの接触圧力が小さくなりベルト表面の局部的な摩耗
が防止できる。なお、定着ベルトの幅方向長さと略同じ
長さとは、上記効果が得られる程度の長さをいい、具体
的には少なくとも定着ベルトの幅方向長さの半分程度以
上であって、定着ベルトの幅方向長さと同じか僅かに長
ければよい。
【0025】フッ素樹脂フィルム4の厚さは 10〜200μ
m の範囲が好ましく、より好ましい範囲は 20〜80μm
である。 10μm 未満の厚さでは、トナー等現像剤との
摩擦によって破れが生じるおそれや僅かな摩耗によって
金属生地が露出するおそれがある。また、金属生地への
貼付工程でしわになりやすく、取り扱いが困難になる。
200μm をこえる厚さになると用紙剥離性が低下する。
【0026】フッ素樹脂フィルム4の材質は、ポリテト
ラフルオロエチレン重合体(以下、PTFEと略称す
る)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(以下、PFAと略称する)、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(以下、FEPと略称する)およびテトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体(以下、ETFEと略称
する)、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデン
フルオライド、ポリビニルフルオライド、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体の公知のフッ素樹脂か
らなるフィルムが使用できる。
【0027】上記したフッ素樹脂フィルムの中でも、P
TFE、PFA、FEP、ETFEからなるフィルムは
トナーに対する非粘着性に優れており、また、耐熱性も
十分に有しているので本発明のベルト用剥離シートに好
適である。なお、フッ素樹脂フィルムをケッチェンブラ
ックやアセチレンブラック等のカーボン微粉末を配合し
たフッ素樹脂から形成することによって、静電気による
用紙剥離性の低下を防止することもできる。
【0028】フッ素樹脂フィルムは、金属板への貼付面
に表面処理を施すことが好ましい。ここで表面処理と
は、フッ素樹脂フィルムを後述するシリコーン系粘着剤
を介して金属板に接着する際、接着効果を高める処理で
ある。例えばコロナ放電処理、スパッタエッチング処
理、プラズマエッチング処理、金属ナトリウムによるT
OS処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
【0029】本発明に用いるシリコーン系粘着剤とは、
例えばSiO2単位と(CH33SiO単位とからなる
共重合体とジオルガノポリシロキサン生ゴムを縮合させ
て得た粘着剤が挙げられる。このシリコーン系粘着剤を
用いることにより、フッ素樹脂フィルムを剥離部に強固
に接着可能であり、特に重要なことは定着温度に対して
も接着力が維持できる。また粘着剤層を薄くすることが
でき、粘着剤層によって剥離部の厚さが剥離機能を損な
うほど厚くなることがない。シリコーン系粘着剤層の厚
さは 5〜50μm の範囲の厚さであればよく、 5μm より
薄いと接着力が十分に得られず、50μm より厚いと剥離
部の厚さが相対的に厚くなることにより用紙剥離性が低
下するため好ましくない。
【0030】
【実施例】実施例1 厚さ 150μm のステンレス(SUS304CSP)板
を、幅(L) 300mm、長さ 40mm にカットしてシート状
剥離部を作製した。次いで、厚さ 1mm の同材質からな
る板を、幅 300mm、長さ 60mm にカットして支持部を作
製した。支持部とシート状剥離部を接合長さが 25mm に
なるように重ね合わせて、スポット径 0.5mm、スポット
間隔 5mm でYAGレーザースポット溶接を行ない全長
75mm の剥離シートを得た。得られた剥離シートを、高
温 190℃と低温 -20℃の環境下に、2時間毎に 100回繰
返し放置したが、シート状剥離部と支持部は強固に固着
したままであり、シートの波打ちも発生しなかった。
【0031】実施例2 厚さ 300μm のSUS304CSP板を、幅(L) 300
mm、長さ 160mmにカットした。次に支持部長さ(M1
60mm 、剥離部長さ(M2) 40mm になるように折り曲げ
て、プレス加工で圧縮接合して図3に示す剥離シートを
作製した。圧縮接合部における接合は、図4(a)に示
す孔6aと凸形状6bとの組合せとし、孔6aの孔径は
φ2.0mm 、凸形状6bの径 φ1.98mm 、孔6aの間隔
5mm にて圧縮接合した。得られた剥離シートを実施例1
と同一の評価試験を行なったが波打ちの発生はなかっ
た。
【0032】実施例3 厚さ 100μm のSUS304CSP板を、幅(L) 300
mm、長さ 40mm にカットし、切断面のバリを丁寧に取り
除くとともに定着ベルトと接触する部位のエッジを曲率
半径 R0.01mm〜 R0.03mm程度に丸めシート状剥離部を作
製した。次いで、厚さ 1mm の同材質からなる板を、幅
300mm、長さ 60mm にカットして支持部を作製した。支
持部とシート状剥離部を接合長さが 25mm になるように
重ね合わせて、スポット径 0.5mm、スポット間隔 5mm
でYAGレーザースポット溶接を行ない全長75mm の剥
離シートを得た。
【0033】次いで、シート状剥離部の表面に厚さ 50
μm のPTFEフィルム(NTN精密樹脂社製ベアリー
FL3090)を以下の手順で貼付けた。 (1) PTFEフィルムの貼付け面を金属ナトリウム
のアンモニア溶液に浸漬してエッチング処理を行なっ
た。 (2) PTFEフィルムのエッチング処理面に、ジメ
チルポリシロキサン生ゴムを含むシリコーン系粘着剤溶
液(信越化学社製KR101)を均一に塗布し 120〜20
0℃で加熱乾燥し、室温まで自然冷却した後、約 30μm
のシリコーン系粘着剤層を形成した。 (3) PTFEフィルムの粘着剤層を表向きにして、
フィルムがシワにならないように平滑な板上に敷き、次
に剥離シートを石油ベンジンで十分に脱脂した後、PT
FEフィルムの中央部にシート先端部を配置した。 (4) このシート先端部を境界としてフィルムを剥離
部表面に貼付けた。上記手順で、シート表面にPTFE
フィルムをシリコーン系粘着剤を介して接着した剥離シ
ートを得た。なお、シート状剥離部の全厚さは 230μm
である。
【0034】この剥離シートを試験用プリンター(定着
温度 190℃、A4複写速度 57 枚/分)の定着部にセッ
トし、画像比率 30%のラインチャートを原稿とし、A
4普通紙を用いて、5,000 枚の連続通紙による複写試験
を 30,000 枚まで行なった。5,000 枚毎に試験機を止
め、複写済みの用紙を目視によって画像低下の有無を確
認した。さらに剥離シートを定着部から取り外し、PT
FEフィルムの摩耗、トナー付着の有無および定着ベル
トの摩耗状況を確認した。試験の結果、実施例3の剥離
シートは 30,000 枚の通紙試験終了まで画像低下がみら
れず、通紙試験終了後に確認したPTFEフィルムには
損傷はなかった。またシート状剥離部にトナーの付着は
なく、さらに定着ベルトの摩耗も認められなかった。
【0035】実施例4 厚さ 400μm のSUS304CSP板を、幅(L) 300
mm、長さ 160mmにカットした。次に支持部長さ(M1
60mm 、剥離部長さ(M2) 40mm になるように折り曲げ
て、プレス加工で圧縮接合して図3に示す剥離シートを
作製した。圧縮接合部における接合は、図4(c)に示
す組合せとし、6d、6eの径は φ2.4mm 、間隔 5mm
にて圧縮接合した。この剥離シートの剥離部に実施例3
と同じPTFEフィルムを実施例3と同じ処理、方法で
貼付け形成した。その後実施例3と同様の評価試験を行
なったが、30,000 枚の通紙試験終了まで画像低下がみ
られず、通紙試験終了後に確認したPTFEフィルムに
は損傷はなかった。またシート状剥離部にトナーの付着
はなく、さらに定着ベルトの摩耗も認められなかった。
【0036】比較例1 厚さ 150μm のステンレス(SUS304CSP)板
を、幅(L) 300mm、長さ 40mm にカットしてシート状
剥離部を作製した。次いで、厚さ 1mm の同材質からな
る板を、幅 300mm、長さ 60mm にカットして支持部を作
製した。支持部とシート状剥離部を接合長さが25mmにな
るように重ね合せて、シリコンゴム系接着剤(信越化学
製RTV−KE1800ABC)にて相互に接合し、実
施例1と同一の評価試験を行なった。その結果、剥離シ
ートの接合部全体が剥がれた。
【0037】比較例2 厚さ 100μm のPTFE(NTN精密樹脂社製ベアリー
FL3090)板を、幅(L) 300mm、長さ 40mm にカ
ットし、切断面のバリを丁寧に取り除くとともに定着ベ
ルトと接触する部位のエッジを曲率半径 R0.01mm〜 R0.
03mm程度に丸めシート状剥離部を作製した。次いで、厚
さ 1mm の同材質からなる板を、幅 300mm、長さ 60mm
にカットして支持部を作製した。この支持部に対しシー
ト状剥離部の先端部が自由端となるように、5.0mmの長
さを突出させて接着剤(信越化学社製KR101)で固
定支持した。この剥離シートを実施例3で用いた試験用
プリンターにセットし、実施例3と同様の連続通紙によ
る複写試験を行なった。試験の結果、比較例2の剥離シ
ートは 10,000 枚後の確認でシート状剥離部にトナーの
付着が認められた。ただし複写後の用紙に画像低下が認
められなかったため引き続き試験を行なったところ、1
5,000 枚後にシート状剥離部先端の変形および複写後の
用紙に画像低下が認められた。このため以降の試験は中
止した。
【0038】
【発明の効果】請求項1に係るベルト用剥離シートは、
支持部とシート状剥離部とがレーザースポット溶接によ
り接合されているので、接合力が熱的に安定するととも
に、部位による接合力のばらつきがなくなる。その結
果、シート状剥離部が剥がれたり、波打ち現象が発生し
たりしなくなるので定着ベルトから用紙をスムーズに剥
離できる。
【0039】請求項2に係るベルト用剥離シートは、定
着ベルトから用紙を剥離するためのシート状剥離部と、
この剥離部を支持する支持部とからなる剥離シートにお
いて、上記支持部は、シート状剥離部の一端部を折り曲
げ、該折り曲げられた部位同士を圧縮接合してなるので
剥離部と支持部との一体化が容易に図れる。また、接合
力が熱的に安定するとともに、部位による接合力のばら
つきがなくなる。その結果、シート状剥離部が剥がれた
り、波打ち現象が発生したりしなくなるので定着ベルト
から用紙をスムーズに剥離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】剥離シートを用いたベルト式定着装置の概要図
である。
【図2】第1の発明の剥離シートを剥離部側からみた斜
視図である。
【図3】第2の発明の剥離シートを剥離部側からみた斜
視図である。
【図4】第2の発明の剥離シートの圧縮接合部における
接合例を示す図である。
【図5】樹脂フィルムが貼付けられた第1の発明の剥離
シートの斜視図である。
【図6】樹脂フィルムが貼付けられた第2の発明の剥離
シートの斜視図である。
【符号の説明】
1 剥離シート 2 シート状剥離部 3 シリコーン系粘着剤 4 フッ素樹脂フィルム 5 支持部 6 レーザースポット部 7 定着ベルト 8 加熱ローラ 9 定着ローラ 10 加圧ローラ 11 ニップ部 12 用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 正明 三重県員弁郡東員町大字穴太970 NTN 精密樹脂株式会社内 (72)発明者 福澤 覚 三重県員弁郡東員町大字穴太970 NTN 精密樹脂株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA16 AA31 BA11 BA12 BA16 BA19 BA20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真装置の定着ベルトから用紙を剥
    離するためのシート状剥離部と、この剥離部を支持する
    支持部とからなる剥離シートにおいて、 前記支持部と前記剥離部とがレーザースポット溶接によ
    り接合されてなることを特徴とするベルト用剥離シー
    ト。
  2. 【請求項2】 電子写真装置の定着ベルトから用紙を剥
    離するためのシート状剥離部と、この剥離部を支持する
    支持部とからなる剥離シートにおいて、 前記支持部は、剥離部を形成するシートの一端部を折り
    曲げ、該折り曲げられた部位同士を接合してなることを
    特徴とするベルト用剥離シート。
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