JP2018146947A - 剥離部材 - Google Patents

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和夫 廣瀬
洋志 柳川
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Abstract

【課題】剥離部(金属板)の波打ち現象を抑え、ローラとの線接触が十分にでき、かつ、用紙のジャミングによる変形を防止でき、優れた用紙剥離性能を発揮できる剥離部材を提供する。【解決手段】剥離部材1は、一枚の金属板からなり、該金属板の先端部であり、ローラに接触または近接させる剥離部2と、該先端部以外の部分である支持部3とを有し、支持部3は、通紙面3aに凹み部4を有し、通紙面3aに凸部がなく、剥離部2は、通紙面2aおよび反通紙面2bに凹凸部がなく、通紙面2a、3aには、シリコーン系粘着剤を介して非粘着性樹脂フィルム5が貼り付けられている。【選択図】図3

Description

本発明は複写機やレーザービームプリンタなどの電子写真装置に設置される各種ローラやベルトから用紙を剥離する剥離部材に関し、特に定着ローラ、定着ベルトなどの定着部材用の剥離部材に関する。
複写機やレーザービームプリンタなどの電子写真装置には、感光ドラム上に形成された静電潜像をトナーなどの現像剤を用いて用紙上に現像し、その後定着させるために加熱定着装置が設けられている。加熱定着装置は、現像剤を加熱溶融するとともに加圧することで用紙に定着させるための定着ローラや定着ベルトなどの定着部材を有している。この定着部材や、定着部材に用紙を加圧する加圧ローラなどには、用紙がローラなどに巻き付き円滑な動作の妨げになるのを防ぐために、現像剤が定着された用紙をローラなどから剥離するシート状の剥離部材が用いられている。
電子写真装置のローラに線接触できる剥離部材として、ローラから用紙を剥離する、金属薄板からなる剥離シートを、レーザースポット溶接により金属製の支持部材に接合してなる剥離部材が提案されている(特許文献1参照)。この剥離部材は、剥離シートによるローラとの線接触が可能であり、該ローラの局部的な摩耗などを防止できる。
また、電子写真装置の分離板(剥離部材)として、分離板の先端部を圧延し、その両端部に相手ローラとのギャップを設けるために、該分離板と同一金属板からなる突き当て部を設けた分離板が提案されている(特許文献2参照)。
その他、分離板の低コスト化を目的に、剥離シートと支持部材とを一体化した分離板や(特許文献3参照)、剥離シートの板金を長手方向に曲げることで剛性を高めた低コストの分離板が提案されている(特許文献4参照)。
特開2002−91222号公報 特開2006−171551号公報 特開2003−122173号公報 特開2007−034019号公報
特許文献1の剥離部材は、薄板である剥離シートを金属製ベースプレートである支持部材により支持して該剥離シート先端部の精度を担保する構造であるため、簡易な形状であり、薄型化や小型化が可能である。また、支持部材と剥離シートとがレーザースポット溶接により接合されているので、剥離シートと支持部材とを接着剤により接合する場合と比較して、接合力が熱的に安定する。このため、薄板である剥離シートを用いながら、この剥離シートの波打ち現象の発生を抑制できる。なお、波打ち現象とは、剥離シートと支持部材とが、部分的に剥がれて剥離シートに波打ちを生じ、用紙がスムーズに剥離できない状態となる現象をいう。
しかし、支持部材にレーザースポット溶接で剥離シートを溶接するには、レーザー照射装置や専用治具などの設備が必要になり、製造コストが高くなる。また、剥離シートと支持部材の材質によっては、十分な接合強度を確保した溶接が困難であり、波打ち現象を抑制できないおそれがある。
また、特許文献2の剥離部材は、金属製ベースプレートである支持部材の長手方向の端部を圧延して、剥離シートの薄い金属板状態に加工するが、先端部の厚みを均一にするため、波打ち現象の発生を容易には抑制することができない。ここでの波打ち現象は、端部を圧延する際、はみ出した部位が影響して先端部の稜線が波打ち、用紙がスムーズに剥離できない状態となる現象である。
また、特許文献3の剥離部材は、剥離シートの薄板金の長手方向の片面をプレスでヘミング曲げした後、レーザースポット溶接により折り曲げた薄板金どうしを接合させて剛性を高め、支持部材レス化を図った分離板である。しかし、プレス加工時に用いる潤滑油が板金間から除去できず、非粘着性樹脂フィルムの貼り付けが上手くできない場合や、貼り付け後に滲み出た潤滑油により画像不具合を生じるおそれがある。
また、特許文献4の剥離部材は、剥離シートの薄板金の長手方向の片面を曲げることで剛性を確保し、金属製ベースプレートである支持部材レスを行なうものであるが、薄板である剥離シートは、厚紙がジャミングした際、厚紙によって大きく変形するおそれがある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、剥離部(金属板)の波打ち現象を抑え、ローラとの線接触が十分にでき、かつ、用紙のジャミングによる変形を防止でき、優れた用紙剥離性能を発揮できる剥離部材を提供することを目的とする。
本発明の剥離部材は、電子写真装置のローラから用紙を剥離する剥離部材であって、該剥離部材は、一枚の金属板からなり、該金属板の先端部であり、ローラに接触または近接させる剥離部と、該先端部以外の部分である支持部とを有し、上記支持部は、通紙面に凹み部を有し、該通紙面に凸部がなく、上記剥離部は、通紙面および反通紙面に凹凸部がないことを特徴とする。また、上記金属板の厚みが0.05〜0.5mmであることを特徴とする。
ここで「接触する」とは、剥離部の一辺(先端部)が、ローラの軸方向に対して線接触することをいう。また「近接する」とは、用紙がローラに巻き付くことを防止できる程度に、剥離部の一辺(先端部)がローラに接近配置されていることをいう。なお、電子写真装置のローラとは、例えば、感光ドラム、定着ローラ(ベルトロールを含む)、加圧ローラ(ベルトロールを含む)などである。
上記凹み部の形状は、点状の凹部、線状の凹溝、またはこれらの組み合わせからなる形状であることを特徴とする。
上記点状の凹部は、大きさがφ1mm〜φ10mmで、通紙面からの深さが0.05mm〜5mmであることを特徴とする。また、上記線状の凹溝は、溝幅が0.05mm〜5mmで、通紙面からの深さが0.05mm〜5mmであることを特徴とする。
上記線状の凹溝は、上記金属板において、通紙方向上流側の最先端部から4mm以内の長辺側全域および通紙方向下流側の最先端部から1mm以内の長辺側全域には形成されていないことを特徴とする。
上記線状の凹溝が、通紙方向または上記金属板の長手方向に途切れることなく連続して形成されていることを特徴とする。
上記線状の凹溝が、上記金属板の長手方向略全長にわたり形成されていることを特徴とする。
上記凹み部の形状は、上記点状の凹部と、上記線状の凹溝との組み合わせからなる形状であり、該線状の凹溝として、金属板の長手方向に沿った凹溝と、通紙方向に沿った凹溝とを有し、これらの溝で囲まれる領域内に上記点状の凹部を複数有することを特徴とする。
上記剥離部材は、少なくとも上記剥離部の通紙面にシリコーン系粘着剤を介して非粘着性樹脂フィルムが貼り付けられており、上記非粘着性樹脂フィルムは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂、およびテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)樹脂から選ばれる少なくとも一つのフッ素樹脂フィルムであることを特徴とする。
本発明の剥離部材は、一枚の金属板からなり、該金属板の先端部であり、ローラに接触または近接させる剥離部と、該先端部以外の部分である支持部とを有し、この支持部において通紙面に凹み部を有するので、曲げ剛性や、ねじり剛性が高まり、別部材の支持部材を必要としない。よって、レーザー溶接のような専用治具やレーザー発生装置が不要であり、安価に剥離部材を製造できる。また、熱による影響もなく、複数部材を接合する場合に問題となる部位による結合力のばらつきもなく、波打ち現象が起こらない。また、厚紙がジャミングしても先端部である剥離部が変形し難い。このため、長期間にわたり剥離部を安定してローラに接触または近接でき、用紙をスムーズに剥離できる。さらに、レーザー溶接時に発生するアーク玉が通紙面に溶着し用紙が引っ掛かるといった不具合も発生しない。
また、先端部である剥離部が、通紙面および反通紙面に凹凸部のない平板状であり、支持部においても通紙面側には凸部はなく平面であるので、ローラ間、またはローラとベルト間の最狭部へ挿入することができ、剥離性に優れる。
また、剥離部材を構成する金属板の厚みが0.05〜0.5mmであるので、剥離力を確保するためのローラへの圧接力を与えることができ、かつ、ジャミングの発生を防止できる。
また、凹み部の形状が、点状の凹部、線状の凹溝、またはこれらの組み合わせからなる形状であるので、曲げ剛性や、ねじり剛性を向上させやすい。特に、線状の凹溝として、金属板の長手方向に沿った凹溝と、通紙方向に沿った凹溝とを有し、これらの溝で囲まれる領域内に点状の凹部を複数有する形状とすることで、曲げ剛性やねじり剛性に優れる。
さらに、上記線状の凹溝は、通紙方向または上記金属板の長手方向に途切れることなく連続して形成されているので、途切れて形成されている場合に比べて、曲げ剛性や、ねじり剛性を向上させやすい。
また、少なくとも剥離部の通紙面にシリコーン系粘着剤を介して非粘着性樹脂フィルムが貼り付けられているので、剥離部に強固に接着でき、定着温度においても接着効果が維持でき、高温耐久性に優れる。また、粘着剤によるクッション効果も期待できる。さらに、この非粘着性樹脂フィルムは、PTFE樹脂、PFA樹脂、FEP樹脂、およびETFE樹脂から選ばれる少なくとも一つのフッ素樹脂フィルムであるので、トナーの付着防止効果が非常に高く、用紙との低摩擦特性に優れる。
本発明の剥離部材を用いた定着装置の概略図である。 本発明における剥離部材の一例を示す一部斜視図である。 非粘着性樹脂フィルムありの剥離部材の一部斜視図である。 図3の剥離部材の断面図(端面図)である。 図3の剥離部材の断面図(固定状態)である。 本発明の剥離部材の製造工程を示す概略図である。 実施例2の剥離部材を示す一部斜視図である。 実施例3の剥離部材を示す一部斜視図である。 実施例4の剥離部材を示す一部斜視図である。 実施例5の剥離部材を示す一部斜視図である。 比較例2の剥離部材を示す一部斜視図である。
本発明の剥離部材を用いた定着装置を図1に基づいて説明する。図1は剥離部材を用いたヒートローラ方式の定着装置の概略図である。定着装置は、ヒータ6aが内蔵され、矢印A方向に回転する定着ローラ6と、この定着ローラ6に接触して矢印B方向に回転する加圧ローラ7と、定着ローラ6および加圧ローラ7が接触して形成されるニップ部8の付近に配置される剥離部材1とから構成される。用紙9上に形成されたトナー像がニップ部8で定着されて定着された画像となる。剥離部材1の支持部3の端部が、他部材である本体支持部材11にボルト12で固定されている。ニップ部8を通過した用紙9を定着ローラ6から剥離できるように、剥離部材1の先端部である剥離部2が、定着ローラ6に接触または近接する位置に配置されている。
本発明の剥離部材の一例を図2に基づいて説明する。図2は剥離部材の一部斜視図である。図2に示すように、剥離部材1は、一枚の薄い金属板(略長尺平板)からなり、この金属板は先端部である剥離部2と、この金属板における先端部以外の部分であり、剥離部2と一体の支持部3とから構成される。剥離部材1の平面形状は、略長方形である。図中の黒矢印が通紙方向であり、剥離部材1の長手方向とは直交している。剥離部2の最先端部2cは、通紙方向上流側であり、該剥離部の一長辺側(支持部と反対側)の端部である。剥離部2は、通紙面2aおよび反通紙面2bに凹凸部のない平板状である。支持部3は、通紙面3aに凹み部4を有する。支持部3の通紙面3aには、凹み部4を構成する凹み(4a、4b、4c)が形成されるが、元の金属板表面より突出した凸部は存在しない。支持部3の通紙面3aと、剥離部2の通紙面2aとは、連続する平面であり、これらで剥離部材1における通紙面を構成している。剥離部材1は、先端部である剥離部2を、定着ローラなどの各種ローラに接触または近接する位置に配置して、ローラから剥がれた用紙の端部を拾い取る(図1参照)。
剥離部2は、金属板の先端部であり、金属板においてこれ以外の部分が支持部3となる。剥離部2の通紙方向の幅(最先端部2cから支持部3までの距離に相当)は、1mm〜10mmが好ましく、より好ましい範囲は3mm〜6mmであり、さらに好ましい範囲は4mm〜5mmである。また、剥離部2には凹み部を有さず、長手方向にプレスで所定の寸法に切断する。これにより、使用時の変形などを防止でき、先端部となる剥離部2の精度に優れる。特に、最先端部2cの精度に優れる。
支持部3は、凹み部4を有する。凹み部4は、金属板に型押し加工を施すことで形成される部位である。この型押し加工は、通紙面3aに凸状型を押し込んで通紙面3aに凹み形状を形成する加工であり、反通紙面3b側にこの凹みに対応する凸部が形成される。また、反通紙面3b側から凹み部形状の型押し加工(エンボス加工)を行うことで通紙面3aに凹み形状を形成することもできる。凹み部4は、金属板の支持部3において曲げ剛性や、ねじり剛性を向上させることができ、その凹み部の形状はこれを達成できるものであれば特に限定されない。
凹み部4における形状としては、例えば、点状の凹部、線状の凹溝、またはこれらの組み合わせからなる形状が挙げられる。図2に示す形態では、点状の凹部4aと、線状の溝4bと4cが形成されている。より詳細には、線状の凹溝として、金属板の長手方向に沿った凹溝4cと、通紙方向に沿った凹溝4bとを有し、これらの溝で囲まれる領域内に点状の凹部4aを複数有する。このような形状とすることで、金属板の曲げ剛性とねじり剛性に優れ、先端部である剥離部の稜線が波打つこと等を防止できる。
点状の凹部4aは、その平面形状が円、四角、三角など形状に拘らず、大よそφ1mm〜φ10mmの大きさであることが好ましく、より好ましくはφ3mm〜φ6mmの大きさである。通紙面からの深さは、0.05mm〜5mmが好ましく、0.1mm〜2mmがより好ましい。この点状の凹部4aは、通常、同形状の凹部を複数個配置することが好ましい。また、その配列は、ランダム配置、長手方向や通紙方向に沿って整列した配置、長手方向には一例に配置して通紙方向には千鳥状に配置する(またはその逆)など、任意の配置とできる。
線状の凹溝4b、4cは、溝幅が0.05mm〜5mmであることが好ましい。また、通紙面からの深さは、0.05mm〜5mmが好ましく、0.1mm〜2mmがより好ましい。線状の凹溝4b、4cは、金属板において、通紙方向上流側の端部(最先端部2c)から4mm以内の長辺側全域、および、通紙方向下流側の最先端部(端部3c)から1mm以内の長辺側全域には形成されないことが好ましい。
線状の凹溝4b、4cは、その断面形状を任意の形状とすることができ、例えば、断面矩形の角溝、断面円弧状の円弧溝(R溝)、断面三角形の三角溝などとできる。また、通紙面において、線状の凹溝4b、4cは、該凹溝の長さ方向に途切れることなく連続して設けられることが好ましい。すなわち、図2で示すように、通紙方向に沿って凹溝4bが途切れることなく連続して形成され、金属板の長手方向に沿って凹溝4cが途切れることなく連続して形成されることが好ましい。また、線状は、直線状以外に曲線状などであってもよい。長手方向に沿った凹溝4cと、通紙方向に沿った凹溝4bとを組み合わせることが、曲げ剛性とねじり剛性に優れるため好ましい。
これらの凹み部4を形成する加工方法は特に限定されない。製造時間を短縮でき、製造コストを低減できることから、プレスなどにより、凹み形状の全パターンを一度に形成することが好ましい。
支持部3において、剥離部2と反対側の端部3c(通紙方向下流側の端部)に、本体支持部材への固定部である凹部3dが、長手方向に沿って離間して複数個形成されている。凹部3dの個数および間隔は適宜設定する。凹部3dは絞り加工などにより形成する。凹部3dは、端部3cの外側に開放された形状を有する。凹部3dの絞り加工による長手方向の変形は、所定の寸法に切断することで対応することが好ましく、これにより、絞り加工時に支持部の精度を悪化させることはない。凹部3dにはボルト固定用のボルト穴3eを有し、凹部3dの深さはボルトの頭の高さより深くすることが好ましい(後述の図5参照)。
剥離部材1を構成する金属板の材質としては、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス鋼などを使用できる。特に、ステンレス鋼であれば錆びることがなく、加工が容易であり安価なため好ましい。金属板の厚みは、0.05mm〜0.5mmが好ましく、0.1mm〜0.5mmがより好ましく、0.2mm〜0.3mmがさらに好ましい。0.05mm未満では剥離力を確保するためのローラへの圧接力を与えることができなくなるおそれがあり、また、貼り付ける非粘着性樹脂フィルムが切れるおそれがある。一方、0.5mmをこえると剥離すべき用紙が剥離部2の最先端部2cに突き当たってしまい、ジャミングの発生原因となるおそれがある。
剥離部2は、ローラなどの軸方向長さと略同じ長さの接触幅を有している。接触幅が大きいことによってローラに対する単位面積当たりの接触圧力が小さくなりローラ表面の局部的な摩耗が防止できる。なお、ローラの軸方向長さと略同じ長さとは、上記効果が得られる程度の長さをいい、具体的には少なくともローラの軸方向長さの半分程度以上であって、望ましくはローラの軸方向長さと同じか僅かに長い長さである。
剥離部2の通紙面および支持部3の凹み部が形成された通紙面には、少なくとも用紙剥離性能が向上するように、潤滑性被膜を塗布するか、または非粘着性樹脂フィルムを貼り付けることが好ましい。特に、非粘着性樹脂フィルムを貼り付けることが用紙剥離性能と高温耐久性に優れるため好ましい。
図3および図4に、図2の剥離部材に非粘着性樹脂フィルムを貼り付けした例を示す。図3は非粘着性樹脂フィルムを有する剥離部材の一部斜視図であり、図4(a)は剥離部材のボルト固定部を含む断面図(端面図)であり、図4(b)は該固定部がない部位で、凹み部として点状の凹部を含む断面図(端面図)であり、図4(c)は該固定部がない部位で、凹み部として通紙方向に沿った線状の凹溝を含む断面図(端面図)である。図3および図4に示す例では、非粘着性樹脂フィルム5が、剥離部2の最先端部2cを覆いつつ、通紙面2aから反通紙面にわたり貼り付けられている。さらに、非粘着性樹脂フィルム5は、剥離部2の通紙面2aから支持部3の通紙面3aにわたり貼り付けられている。剥離部2の通紙面2aには凹凸部がなく、支持部3の通紙面3aにも凸部がないので、非粘着性樹脂フィルム5が貼り付けされる通紙面の全体が平面であり、該樹脂フィルム表面もこれに沿って凸のない平面となる。非粘着性樹脂フィルム5は、少なくとも剥離部2の通紙面2aに貼り付けされていれば用紙剥離性能の向上を図れるが、トナーの付着による汚れなどを防止するため、図のように支持部3の凹み部が形成された通紙面3aにも設けることが好ましい。
非粘着性樹脂フィルムは、現像剤の付着が防止できる程度に非粘着性を有する樹脂フィルムであり、例えば、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、および、PTFE樹脂、PFA樹脂、FEP樹脂、ETFE樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体樹脂、ポリビニリデンフルオライド樹脂、ポリビニルフルオライド樹脂などの公知のフッ素樹脂からなるフィルムが使用できる。特に、PTFE樹脂、PFA樹脂、FEP樹脂、またはETFE樹脂からなるフッ素樹脂フィルムは、カラートナー(ポリエステル系バインダー樹脂を用いたトナーなど)に対する非粘着性にも優れており、また、耐熱性も十分に有する。なお、トナーに対する非粘着性を確保可能な範囲であれば、非粘着性樹脂フィルムをケッチェンブラックやアセチレンブラックなどのカーボン微粉末を配合した非粘着性樹脂から形成することによって、静電気による用紙剥離性能の低下を防止することもできる。
フッ素樹脂などの非粘着性樹脂フィルムの厚さは10μm〜200μmの範囲が好ましく、より好ましい範囲は40μm〜80μmである。10μm未満の厚さでは、現像剤との摩擦によって破れが生じるおそれや、僅かな摩耗によって先端部(剥離部)が露出するおそれがある。また、剥離部材への貼り付け工程で皺になりやすく、取り扱いが困難になる。200μmをこえる厚さになると用紙剥離性能が低下する。
剥離シートへの非粘着性樹脂フィルムの貼り付けは、粘着剤、特に、シリコーン系粘着剤を貼り付け面に介在させて行なうことが好ましい。例えば、剥離部材への貼り付け面にシリコーン系粘着剤が予め付けられた非粘着性樹脂フィルムを用いる。シリコーン系粘着剤を介在させることで、剥離部材に強固に接着され定着温度においても接着効果が維持でき、粘着剤によるクッション効果も期待できる。その他、接着効果を高めるため、剥離部材への貼り付け面に、例えば、プラズマエッチング処理、金属ナトリウムによるTOS処理などの表面処理を施すことが望ましい。
シリコーン系粘着剤層の厚さは5μm〜50μmの範囲の厚さであればよい。5μmより薄いと接着効果が十分に得られない。また、50μmより厚いと剥離部材の厚さが相対的に厚くなることにより用紙剥離性能が低下するおそれがある。また、剥離部材への非粘着性樹脂フィルムの貼り付けは、粘着剤を介在させずに、加熱圧着する方法などでもよい。
剥離部材と本体支持部材との固定構造を図5に基づいて説明する。図5に示すように、剥離部材1の支持部3の端部が、本体支持部材11にボルト12で固定されている。ボルト12は、支持部3の凹部3dのボルト穴3eを通して本体支持部材11に固定される。ボルト締結時において、ボルト12の頭が凹部3dから突出しないようにすることで、用紙剥離性能の低下を防止できる。剥離部が単なる薄板等である場合は、ローラに近接させる先端部精度を確保するため、支持部材で先端部である剥離部近傍までを支持する必要がある。これに対して、本発明における剥離部材は、剥離部2および支持部3を一枚の金属板で構成し、支持部の剛性を高めた構造を有するので、支持部3のみを本体支持部材11で支持すれば、安定して剥離部2も支持される。
図2〜図5では、凹み部4の形状として、点状の凹部と線状の凹溝とを組み合わせた形態を示したが、点状の凹部のみが形成された形態でもよく、線状の凹溝のみが形成された形態でもよい。いずれの形態であっても、曲げ剛性やねじり剛性を高めることができる。
例えば、線状の凹溝のみが形成された形態において、該凹溝は、金属板の長手方向略全長にわたって形成されることが好ましい。略全長にわたる状態は、金属板の長辺側一方の端部から他方の端部までの連続した状態だけをいうのではなく、不連続の状態も含む。つまり、凹溝が、金属板の長手方向に沿って複数形成されていてもよい。金属板の長手方向における凹溝の長さ(長手方向に沿った複数の凹溝にあってはその合計長さ)は、金属板の長手方向全長に対して60%以上の長さであり、より好ましくは70%以上の長さであり、さらに好ましくは80%以上の長さである。特に、凹溝としては、金属板の長手方向全長に対して80%以上の長さであり、かつ、連続した一本の凹溝であることが好ましい。
一方、凹溝が金属板の長手方向に沿って複数形成された形態では、該長手方向における凹溝と凹溝の間の部位(接合部)の数が多い方が好ましい。つまり、金属板の厚みが維持された部位を多く設けることで、金属板の曲げ剛性とねじり剛性に優れ、先端部である剥離部の稜線が波打つこと等を防止できる。また、凹溝は、金属板の長手方向に沿って複数列平行に形成されていてもよい。
<複写試験>
[実施例1]
厚さ0.3mmのステンレス(SUS304CSP)コイルを順送プレス型にて所定の寸法に加工した。製造工程を図6に基づき説明する。図6は製造工程の概略図である。(A)〜(F)は概略の加工順である。まず、(A)に示す鋼板10上に剥離部材の外寸にプレス代を含めたプレス型で打ち抜き、(B)に示す複数の点状の凹部4aと線状の凹溝4b、4cを形成した。次に(C)に示す絞り加工で凹部3dを形成した。次に(D)でボルト固定用のボルト穴3eをプレス型で打ち抜き、(E)で支持部3の凹部3dと剥離部2の最先端部2cを所定の寸法にカットした。最後に(F)で鋼板10より剥離部2と支持部3を有する剥離部材1を打ち抜いた。
次いで、剥離部2の通紙面と支持部3の通紙面に、フッ素樹脂フィルムを貼り付けした。フッ素樹脂フィルムとしては、厚さ50μmのPTFEフィルム(NTN精密樹脂社製ベアリーFL3090)を準備し、剥離部材に貼り付けする表面に対して金属ナトリウムのアンモニア溶液に浸漬するエッチング処理を行なった。このフッ素樹脂フィルムのエッチング処理面に、ジメチルポリシロキサン生ゴムを含むシリコーン系粘着剤溶液(信越化学社製KR101)を均一に塗布し、120〜200℃で加熱乾燥した。その後室温まで自然冷却を行ない、約30μmのシリコーン系粘着剤層を形成した。
貼り付け工程は、フッ素樹脂フィルムを、粘着剤層を有する表面を表向きにして皺にならないように平滑な板上に敷き、次に、剥離部の最先端部を面取りして石油ベンジンで十分に脱脂した後、フッ素樹脂フィルムの略中央部に角部を丸めたローラ近接部(剥離部の最先端部)を配置した。このローラ近接部を境界としてフィルムを剥離部材の表面に貼り付けした。このようにして、図3に示すように金属板にフッ素樹脂フィルムをシリコーン系粘着剤を介して接着した剥離部材を得た。
この剥離部材を本体支持部材とともに試験用複写機(定着温度190℃、A4複写速度57枚/分)の定着部にセットした。この試験用複写機を用い、画像比率30%のラインチャートを原稿とし、A4普通紙を用いて、5000枚の連続通紙による複写試験を30000枚まで行なった。5000枚毎に試験機を止め、複写済みの用紙を目視によって画像低下の有無を確認した。さらに、剥離部材を定着部から取り外し、フッ素樹脂フィルムの摩耗、トナー付着の有無および定着ローラの摩耗状況を確認した。
試験の結果、実施例1の剥離部材は、30000枚の通紙試験終了まで画像低下がみられず、通紙試験終了後に確認したフッ素樹脂フィルムには損傷はなかった。また、剥離部にトナーの付着はなく、さらに定着ローラの摩耗も認められなかった。また、ジャミングによる変形も認められなかった。
[比較例1]
厚さ0.2mmのステンレス(SUS304CSP)からなる金属薄板を接触幅(L)となる長さ310mm、幅25mmにカットしてその内幅5mm長さ310mmを直角に曲げた。次に曲げた側の金属薄板の5ヶ所にボルトの頭が、完全に金属薄板の20mm幅の面より出ない程度に凹部を設け、凹部の底面にボルト穴を設けた。この薄板を本体支持部材にボルトで固定し、実施例1と同じようにフッ素樹脂フィルムを貼り付けして、実施例1と同一の評価試験を行なった。その結果、通常の用紙では特に画像低下は認められなかったが、厚紙を通紙したところ、先端部が変形した。また、ジャミング時に用紙を引き抜いたところ、支持部位から大きく変形してしまった。
<強度試験>
厚さ0.2mmのステンレス(SUS304CSP)からなる金属薄板を長さ310mm、幅25mmにカットした後、プレス加工などを施して、各種凹溝が形成された実施例2〜5の剥離部材1a〜1d、および、凹溝がない比較例2の剥離部材13をそれぞれ作製した(図7〜図11参照)。
剥離部材1a(実施例2)、剥離部材1b(実施例3)、剥離部材1c(実施例4)には、凹溝4cが、金属部材の長手方向に沿って複数形成され、さらに、通紙方向に3列形成されている。各剥離部材1a〜1cにおいて、各凹溝4cの長手方向長さは互いに等しくなっている。各剥離部材における凹溝4cと凹溝4cの間の部分(接合部)の長手方向の長さをそれぞれWa、Wb、Wcとすると、これらの関係は、Wc、Wb、Waの順に長くなっている。つまり、剥離部材1a〜1cにおいて、金属部材の長手方向全長に対する凹溝の長さ(凹溝4cの合計長さ)は、1a、1b、1cの順に長くなっている。
一方、剥離部材1d(実施例5)には、凹溝4cが、金属部材の長手方向に沿って途切れることなく連続して形成され、さらに、通紙方向に3列形成されている。そのため、金属部材の長手方向全長に対する凹溝の長さ(凹溝4cの合計長さ)は、剥離部材1dの方が剥離部材1a〜1cよりも長くなっている。
強度試験では、作製した各剥離部材を長辺側両端部で固定し、通紙方向上流側の長辺側中央部を垂直方向から押し付けて、板金を20mm変形(沈み込んだ)させる圧力を測定した。
試験の結果、各剥離部材の強度は、比較例2、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5の順に大きかった。つまり、金属部材の長手方向全長に対する凹溝の長さが長いほど、強度が大きい結果となった。
本発明の剥離部材は、剥離部(金属板)の波打ち現象を抑え、ローラとの線接触が十分にでき、かつ、用紙のジャミングによる変形を防止でき、優れた用紙剥離性能を発揮できるので、電子写真装置に設置される定着ローラなどの各種ローラから用紙を剥離するための剥離部材として好適に利用できる。
1 剥離部材
2 剥離部
3 支持部
4 凹み部
5 非粘着性樹脂フィルム
6 定着ローラ
7 加圧ローラ
8 ニップ部
9 用紙
10 鋼板(金属板)
11 支持部材
12 ボルト
13 剥離部材

Claims (10)

  1. 電子写真装置のローラから用紙を剥離する剥離部材であって、
    該剥離部材は、一枚の金属板からなり、該金属板の先端部であり、前記ローラに接触または近接させる剥離部と、該先端部以外の部分である支持部とを有し、
    前記支持部は、通紙面に凹み部を有し、該通紙面に凸部がなく、前記剥離部は、通紙面および反通紙面に凹凸部がないことを特徴とする剥離部材。
  2. 前記金属板の厚みが0.05mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1記載の剥離部材。
  3. 前記凹み部の形状は、点状の凹部、線状の凹溝、またはこれらの組み合わせからなる形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の剥離部材。
  4. 前記点状の凹部は、大きさがφ1mm〜φ10mmで、通紙面からの深さが0.05mm〜5mmであることを特徴とする請求項3記載の剥離部材。
  5. 前記線状の凹溝は、溝幅が0.05mm〜5mmで、通紙面からの深さが0.05mm〜5mmであることを特徴とする請求項3または請求項4記載の剥離部材。
  6. 前記線状の凹溝は、前記金属板において、通紙方向上流側の最先端部から4mm以内の長辺側全域および通紙方向下流側の最先端部から1mm以内の長辺側全域には形成されていないことを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項記載の剥離部材。
  7. 前記線状の凹溝が、通紙方向または前記金属板の長手方向に途切れることなく連続して形成されていることを特徴とする請求項3から請求項6までのいずれか1項記載の剥離部材。
  8. 前記線状の凹溝が、前記金属板の長手方向略全長にわたり形成されていることを特徴とする請求項3から請求項7までのいずれか1項記載の剥離部材。
  9. 前記凹み部の形状は、前記点状の凹部と、前記線状の凹溝との組み合わせからなる形状であり、該線状の凹溝として、前記金属板の長手方向に沿った凹溝と、通紙方向に沿った凹溝とを有し、これらの溝で囲まれる領域内に前記点状の凹部を複数有することを特徴とする請求項3から請求項8までのいずれか1項記載の剥離部材。
  10. 前記剥離部材は、少なくとも前記剥離部の通紙面にシリコーン系粘着剤を介して非粘着性樹脂フィルムが貼り付けられており、
    前記非粘着性樹脂フィルムは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、およびテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体樹脂から選ばれる少なくとも一つのフッ素樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項記載の剥離部材。
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