JP2007241319A - 剥離シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置における感光ドラム上に形成された静電潜像を現像剤を用いて用紙上に現像し、その後定着させるために加熱定着装置の現像剤を加熱溶融するとともに加圧することで用紙に定着させるための定着ローラや定着ベルト等の定着部材から用紙を剥離する、金属板2からなる剥離シート1において、上記現像剤はポリエステル系バインダー樹脂をもつトナーであり、上記剥離シート1は、少なくとも定着部材に接触または近接する金属板2の部位に、厚さ 5〜50μm のシリコーン系粘着剤3を介して、厚さ 10〜200μm のポリテトラフルオロエチレン重合体のフィルム4が貼付されてなる。
【選択図】図2
Description
従来、定着部材や定着部材に用紙を加圧する加圧ローラ等には用紙がローラ等に巻き付き円滑な動作の妨げになるのを防ぐため分離爪が設けられている。この分離爪は、その先端をローラ等の外周面に摺接させながら用紙の端をすくい上げることにより、ローラ等に用紙が巻き付くことを防いでいる。
この分離爪のローラ等との接触部の幅は約 1〜10mmであり、 1本のローラ等に対して 4〜16個配置されている。分離爪はローラ等に対し局部的に接触しているため、どうしてもローラ等を部分的に摩耗させてしまい良好な画像が得られなくなる。また、用紙に対しても局部的に接触するため、用紙に転写された現像剤を掻き取りやすく、さらに掻き取った現像剤が分離爪にも付着することによって用紙が汚れ易くなる場合がある等の問題があった。
そのような問題に対して、例えばローラに対して線接触できる紙剥離装置が提案されている(特許文献1参照)。
ここで、定着部材に接触とは、剥離シートの一辺が定着部材の軸方向に対して線接触することをいい、近接するとは、用紙が定着部材に巻き付くのを防ぐことができる程度に、剥離シートの一辺が定着部材に接近配置されていることをいう。
なお、定着部材とは、未定着の用紙上の現像剤を加熱と同時に加圧することで用紙上に定着させる工程において、用紙と接触可能なローラ状、フィルム状またはベルト状等の種々形状を有する部材をいう。例えば定着ローラや加圧ローラ等である。
また、上記PTFEのフィルムの上記金属板への貼付面は、表面処理が施されていることを特徴とする。
また、上記シリコーン系粘着剤は、ジメチルポリシロキサン生ゴムを含むものであることを特徴とする。
PTFEフィルムが 10μm 未満の厚さでは、現像剤との摩擦によって破れが生じるおそれや僅かな摩耗によって金属薄板が露出するおそれがあり、また、金属薄板への貼付工程でしわになりやすく、取り扱いが困難になる。 200μm を超える厚さになると用紙剥離性が低下する。
定着装置は、ヒータ5aが内蔵され、矢印A方向に回転する定着ローラ5と、この定着ローラ5に接触して矢印B方向に回転する加圧ローラ6と、定着ローラ5および加圧ローラが接触して形成されるニップ部7の付近に配置される剥離シート1とから構成される。剥離シート1はニップ部7を通過した用紙8を定着ローラ5から剥離できるように定着ローラ5に接触または近接する位置に設けられている。
剥離シート1は、図2に示すように、金属板2とシリコーン系粘着剤3を介してフッ素樹脂フィルム4が金属板2表面に貼付されている。フッ素樹脂フィルム4は剥離シート1が定着ローラ5に接触または近接する部位1aを含む部位に貼付される。
また、剥離シート1は、ローラの軸方向長さと略同じ長さの接触幅(L)を有している。接触幅が大きいことによってローラに対する単位面積当たりの接触圧力が小さくなりローラ表面の局部的な摩耗が防止できる。なお、ローラの軸方向長さと略同じ長さとは、上記効果が得られる程度の長さをいい、具体的には少なくともローラの軸方向長さの半分程度以上であって、ローラの軸方向長さと同じか僅かに長ければよい。
厚さ 100μm のステンレス(SUS304CSP)からなる金属薄板を接触幅(L)となる長さ 300mm、幅 40mm にカットして剥離シート基材となる金属薄板を準備した。この剥離シート基材の切断面に生じたバリを丁寧に取り除き、ローラと接触する部位となる角部を曲率半径 R0.01mm〜 R0.03mm程度に丸めた。
フッ素樹脂フィルムとして厚さ 50μm のPTFEフィルム(NTN精密樹脂社製ベアリーFL3090)を準備し、金属薄板に貼り付ける表面に対して金属ナトリウムのアンモニア溶液に浸漬するエッチング処理を行なった。
このフッ素樹脂フィルムのエッチング処理面に、ジメチルポリシロキサン生ゴムを含むシリコーン系粘着剤溶液(信越化学社製KR101)を均一に塗布し 120〜200℃で加熱乾燥した。その後室温まで自然冷却を行ない、約 30μm のシリコーン系粘着剤層を形成した。
このようにしてローラ接触部および裏表面にフッ素樹脂フィルムをシリコーン系粘着剤を介して接着した剥離シートを形成した。なお、剥離シートの全厚さは 230μm である。
試験の結果、実施例1の剥離シートは 30,000 枚の通紙試験終了まで画像低下がみられず、通紙試験終了後に確認したフッ素樹脂フィルムには損傷はなかった。また剥離シートにトナーの付着はなく、さらに定着ローラの摩耗も認められなかった。
実施例1と同一の金属薄板を準備して、この金属薄板に厚さ 50μm のPTFEフィルム(NTN精密樹脂社製ベアリーFL3090)を、その一端が自由端となるように、金属薄板の一辺から 0.5mmの長さ突出させて固定支持した。
この剥離シートを実施例1で用いた試験用複写機にセットし、実施例1と同一の連続通紙による複写試験を行なった。
試験の結果、比較例1の紙剥離装置は 10,000 枚後の確認で金属薄板にトナーの付着が認められた。ただし複写後の用紙に画像低下が認められなかったため引き続き試験を行なったところ、15,000 枚後にプラスチックプレートの変形および複写後の用紙に画像低下が認められた。このため以降の試験は中止した。
フッ素樹脂フィルムをアクリル系粘着剤付きPTFEフィルム(日東電工社製ニトフロン粘着テープ)に代える以外は実施例1と同一の剥離シートを作製した。
この剥離シートを実施例1で用いた試験用複写機にセットし、実施例1と同一の連続通紙による複写試験を行なった。
試験の結果、比較例2の剥離シートは 5,000 枚通紙まで画像低下が認められなかったが、約 9,000 枚通紙までにジャムが発生した。剥離シートを確認したところフッ素樹脂フィルムが金属薄板から剥がれており、さらに金属薄板とフィルムとの剥がれた隙間にトナーが入り込んでいた。
2 金属板
3 シリコーン系粘着剤
4 フッ素樹脂フィルム
5 定着ローラ
6 加圧ローラ
7 ニップ部
8 用紙
Claims (5)
- 複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置における感光ドラム上に形成された静電潜像を現像剤を用いて用紙上に現像し、その後定着させるために加熱定着装置の現像剤を加熱溶融するとともに加圧することで用紙に定着させるための定着ローラや定着ベルト等の定着部材から用紙を剥離する、金属板からなる剥離シートにおいて、
前記現像剤はポリエステル系バインダー樹脂をもつトナーであって、
前記剥離シートは、少なくとも定着部材に接触または近接する前記金属板の部位に、厚さ 5〜50μm のシリコーン系粘着剤を介して、厚さ 10〜200μm のポリテトラフルオロエチレン重合体のフィルムが貼付されてなることを特徴とする剥離シート。 - 前記ポリテトラフルオロエチレン重合体のフィルムは厚さが 40〜80μm であることを特徴とする請求項1記載の剥離シート。
- 前記ポリテトラフルオロエチレン重合体のフィルムの前記金属板への貼付面は、表面処理が施されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の剥離シート。
- 前記シリコーン系粘着剤は、ジメチルポリシロキサン生ゴムを含むものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の剥離シート。
- 複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置における感光ドラム上に形成された静電潜像を現像剤を用いて用紙上に現像し、その後定着させるために加熱定着装置の現像剤を加熱溶融するとともに加圧することで用紙に定着させるための定着ローラや定着ベルト等の定着部材から用紙を剥離する、金属板からなる剥離シートにおいて、
前記現像剤はポリエステル系バインダー樹脂をもつトナーであって、
前記剥離シートは、少なくとも定着部材に接触または近接する前記金属板の部位に、厚さ 5〜50μm のジメチルポリシロキサン生ゴムを含むシリコーン系粘着剤を介して、前記金属板への貼付面に表面処理が施された厚さ 40〜80μm のポリテトラフルオロエチレン重合体のフィルムが貼付されてなることを特徴とする剥離シート。
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JP2007157653A Pending JP2007241319A (ja) | 2007-06-14 | 2007-06-14 | 剥離シート |
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- 2007-06-14 JP JP2007157653A patent/JP2007241319A/ja active Pending
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