JP2003261684A - スルホン酸基含有重合体の回収方法 - Google Patents

スルホン酸基含有重合体の回収方法

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JP2003261684A
JP2003261684A JP2002061035A JP2002061035A JP2003261684A JP 2003261684 A JP2003261684 A JP 2003261684A JP 2002061035 A JP2002061035 A JP 2002061035A JP 2002061035 A JP2002061035 A JP 2002061035A JP 2003261684 A JP2003261684 A JP 2003261684A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料
電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信
号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利
用可能なスルホン酸基含有重合体の回収方法を得る。 【解決手段】 (1)濃度95.5〜99.5重量%の
硫酸中で、硫酸の1/5〜1/60重量倍の重合体のス
ルホン化を行う工程および(2)スルホン化後の反応液
中の硫酸/水の割合を94/6〜85/15(重量比)
とした後にスルホン化重合体を凝固する工程を含むこと
を特徴とするスルホン酸基含有重合体の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一次電池用電解
質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、
表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデン
サー、イオン交換膜などに利用可能なスルホン酸基含有
重合体の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スルホン酸基含有重合体の製造方法とし
ては、例えばPolymer Preprints, Japan, vol.42, No.
3, p.730(1993); Polymer Preprints, Japan, vol.42,
No.3,p.736(1994); Polymer Preprints, Japan, vol.4
2, No.7, p.2490(1993).等に開示されているように、ス
ルホン酸基を有しない重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、
クロロスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの
スルホン化剤を用いてスルホン化させることが知られて
いる。特に、硫酸を用いてスルホン化する方法が簡便な
スルホン化法として一般的に用いられている。しかしな
がら、この方法を用いる場合、反応条件によっては、反
応溶液の溶液粘度が異常に高く、攪拌、取扱いが困難と
なり、反応器からの移送が困難であり、工業的なスケー
ルでのスルホン重合体の回収等の後処理ができないとい
う問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
的課題を背景になされたもので、スルホン化反応後の溶
液粘度を適正な範囲にコントロールが可能で、スルホン
酸基含有重合体の回収を工業的に容易に行うことができ
る方法を提供することにある。つまり、本発明の方法に
よれば、驚くべきことにスルホン化反応後、硫酸を水で
希釈することにより重合体溶液がスラリー状となり、溶
液粘度が極端に低下し、スルホン化重合体の回収が非常
に容易に行うことができることを見出し本発明に至っ
た。さらに、スルホン化反応後の硫酸/水の割合を本発
明の範囲とすることによりスルホン化反応がそれ以上進
行せず、反応液をクエンチするのに要した時間によって
スルホン酸等量が変化する問題点も無くなることも合わ
せて見出した。
【0004】
【課題を解決する具体的手段】本発明はスルホン化され
た重合体を回収する際に、(1)濃度95.5〜99.
5重量%の硫酸中で、硫酸の1/5〜1/60重量倍の
重合体のスルホン化を行う工程および(2)スルホン化
後の反応液中の硫酸/水の割合を94/6〜90/10
(重量比)とした後にスルホン化重合体を凝固する工程
を含むことを特徴とするスルホン酸基含有重合体の回収
方法を提供するものである。本発明のスルホン化ポリマ
ーの回収方法は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレ
ン、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリーレンエーテ
ル、ポリアリーレン等のポリマーに好適に使用できる
が、特にポリアリーレン系重合体に対して有効に使用す
ることができる。この際、本発明におけるポリアリーレ
ン系重合体としては、下記一般式(A)で表されるモノ
マー(A)と、下記一般式(B−1)〜(B−4)から
選ばれる少なくとも1種のモノマー(B)とを反応させ
て得られる重合体を用いることが好ましい。
【0005】(A)
【化1】 式(A)中、R〜R'は互いに同一でも異なっていても
よく、フッ素原子を除くハロゲン原子または−OSO2
Z(ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基ま
たはアリール基を示す。)で表される基を示す。Zが示
すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げら
れ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル
基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p
−トリル基などが挙げられる。R1〜R8は互いに同一で
も異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキ
ル基、フッ素置換アルキル基、アリル基およびアリール
基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または
基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙
げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。フッ素置
換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフ
ルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオ
ロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘ
キシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基、ペン
タフルオロエチル基などが好ましい。アリル基として
は、プロペニル基などが挙げられ、アリール基として
は、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げ
られる。Xは2価の電子吸引性基を示し、電子吸引性基
としては、例えば−CO−、−CONH−、−(C
2p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C
(CF32−、−COO−、−SO−、−SO2−など
が挙げられる。なお、電子吸引性基とは、ハメット(Ha
mmett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.0
6以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をい
う。Yは2価の電子供与性基を示し、電子供与性基とし
ては、例えば−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡
C−および下記式
【化2】 で表される基などが挙げられる。
【0006】nは0または正の整数であり、上限は通常
100、好ましくは80である。上記一般式(A)で表
されるモノマーとして具体的には、例えば4,4'−ジク
ロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリ
ド、ビス(クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2
−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニル、ビス
(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロ
ロフェニル)スルホン、これらの化合物において塩素原
子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、
さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン
原子が3位に置換した化合物などが挙げられる。また上
記一般式(A)で表されるモノマーとして具体的には、
例えば4,4'−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフェニ
ルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロベンゾイルアミ
ノ)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフ
ェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス
(4−クロロフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキ
シレート、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル〕ジフェ
ニルエーテル、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)
−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル〕ジフ
ェニルエーテル、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニ
ル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、これ
らの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原
子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物におい
て4位に置換したハロゲン原子が3位に置換した化合
物、さらにこれらの化合物においてジフェニルエーテル
の4位に置換した基の少なくとも1つが3位に置換した
化合物などが挙げられる。
【0007】さらに上記一般式(A)で表されるモノマ
ーとしては、2,2−ビス[4−{4−(4−クロロベ
ンゾイル)フェノキシ}フェニル]−1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−{4−(4−
クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スルホン、
および下記式で表される化合物が挙げられる。
【化3】
【0008】上記一般式(A)で表されるモノマーは、
例えば以下に示す方法で合成することができる。まず電
子吸引性基で連結されたビスフェノールを対応するビス
フェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スル
ホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイド
などの誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金
属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加
える。通常、アルカリ金属はフェノールの水酸基に対
し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量を使
用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用であ
る。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトー
ルなどの水と共沸する溶媒を共存させて、電子吸引性基
で活性化されたフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換さ
れた芳香族ジハライド化合物、例えば、4,4'−ジフル
オロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノ
ン、4,4'−クロロフルオロベンゾフェノン、ビス(4
−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェ
ニル)スルホン、4−フルオロフェニル−4'−クロロ
フェニルスルホン、ビス(3−ニトロ−4−クロロフェ
ニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,
6−ジフルオロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼ
ン、デカフルオロビフェニル、2,5−ジフルオロベン
ゾフェノン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベ
ンゼンなどを反応させる。反応性から言えば、フッ素化
合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応を考慮
した場合、末端が塩素原子となるように芳香族求核置換
反応を組み立てる必要がある。活性芳香族ジハライドは
ビスフェノールに対し、2〜4倍モル、好ましくは2.
2〜2.8倍モルの使用である。芳香族求核置換反応の
前に予め、ビスフェノールのアルカリ金属塩としていて
もよい。反応温度は60℃〜300℃で、好ましくは8
0℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜10
0時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。最
も好ましい方法としては、下記式
【化4】 (式中、Yは一般式(A)に関して定義した通りであ
る。)で示される活性芳香族ジハライドとして反応性の
異なるハロゲン原子を一個づつ有するクロロフルオロ体
を用いることであり、フッ素原子が優先してフェノキシ
ドと求核置換反応が起きるので、目的の活性化された末
端クロロ体を得るのに好都合である。
【0009】または特開平2−159号公報に記載のよ
うに求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせ、目的
の電子吸引性基、電子供与性基からなる屈曲性化合物の
合成方法がある。具体的には電子吸引性基で活性化され
た芳香族ビスハライド、例えば、ビス(4−クロロフェ
ニル)スルホンをフェノールとで求核置換反応させてビ
スフェノキシ置換体とする。次いで、この置換体を例え
ば、4−クロロ安息香酸クロリドとのフリーデルクラフ
ト反応から目的の化合物を得る。ここで用いる電子吸引
性基で活性化された芳香族ビスハライドは上記で例示し
た化合物が適用できる。フェノール化合物は置換されて
いてもよいが、耐熱性や屈曲性の観点から、無置換化合
物が好ましい。なお、フェノールの置換反応にはアルカ
リ金属塩とするのが、好ましく、使用可能なアルカリ金
属化合物は上記に例示した化合物を使用できる。使用量
はフェノール1モルに対し、1.2〜2倍モルである。
反応に際し、上述した極性溶媒や水との共沸溶媒を用い
ることができる。ビスフェノキシ化合物を塩化アルミニ
ウム、3フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのルイス酸のフリ
ーデルクラフト反応の活性化剤存在下に、アシル化剤と
して、クロロ安息香酸クロライドを反応させる。クロロ
安息香酸クロライドはビスフェノキシ化合物に対し、2
〜4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルの使用であ
る。フリーデルクラフト活性化剤は、アシル化剤のクロ
ロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに対し、
1.1〜2倍当量使用する。反応時間は15分〜10時
間の範囲で、反応温度は−20℃から80℃の範囲であ
る。使用溶媒は、フリーデルクラフト反応に不活性な、
クロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることがで
きる。
【0010】また、一般式(A)において、nが2以上で
あるモノマー(A)は、例えば、一般式(A)において電
子供与性基Bであるエーテル性酸素の供給源となるビス
フェノールと、電子吸引性基Aである、>C=O、−S
2−、および/または>C(CF32とを組み合わし
た、具体的には2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,
1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)ケトン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)スルホンなどのビスフェノールのアルカリ金属塩と
過剰の4,4-ジクロロベンゾフェノン、ビス(4-クロロフ
ェニル)スルホンなどの活性芳香族ハロゲン化合物との
置換反応をN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルア
セトアミド、スルホランなどの極性溶媒存在下で前記単
量体の合成手法に順次重合して得られる。このようなモ
ノマー(A)の例示としては、下記式で表される化合物な
どを挙げることができる。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】 上記において、nは2以上、好ましくは2〜100であ
る。
【0014】次に一般式(B−1)〜(B−4)で表さ
れるモノマーについて説明する。(B−1)
【化8】 式中、RおよびR'は互いに同一でも異なっていてもよ
く、上記一般式(A)中のRおよびR'と同様の基を示
す。R9〜R15は互いに同一でも異なっていてもよく、
水素原子、フッ素原子およびアルキル基からなる群より
選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。R9
15が示すアルキル基としては、上記一般式(A)中の
1〜R8が示すアルキル基と同様のものが挙げられる。
mは0、1または2を示す。Xは上記一般式(A)でX
として示したものと同様の群から選ばれた2価の電子吸
引性基を示す。Yは上記一般式(A)でYとして示した
ものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示
す。Wはフェニル基、ナフチル基および下記式(C−
1)〜(C−3)で表される基からなる群より選ばれる
少なくとも1種の基を示す。
【0015】上から(C−1)、(C−2)、(C−
3)
【化9】 式中、Aは電子供与性基または単結合を示す。電子供与
性基としては、上記一般式(A)でYとして示したもの
と同様の群から選ばれた2価の電子供与性基が挙げられ
る。R16およびR17は水素原子、アルキル基およびアリ
ール基からなる群より選ばれる原子または基を示す。R
16およびR17が示す、アルキル基およびアリール基とし
ては、上記一般式(A)中のR1〜R8が示すアルキル基
およびアリール基と同様のものが挙げられる。R18〜R
26は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フ
ッ素原子およびアルキル基からなる群より選ばれる少な
くとも1種の原子または基を示す。qは0または1を示
す。上記一般式(B−1)で表されるモノマーとして
は、下記式で表される化合物が挙げられる。
【化10】 より具体的には、一般式(B−1)で表される化合物と
しては、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】また、上記のような化合物において、塩素
原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き換えた化合物も
例示することができる。
【0019】上から(B−2)、(B−3)、(B−
4)
【化13】
【0020】式(B−2)〜(B−4)中、Rおよび
R'は互いに同一でも異なっていてもよく、上記一般式
(A)中のRおよびR'と同様の基を示す。R27〜R34
は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ
素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール
基または下記一般式(D)で表される基を示す。
【0021】(D)
【化14】 式(D)中、R35〜R43は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フッ素
置換アルキル基を示す。R27〜R34、R35〜R43が示す
アルキル基、フッ素置換アルキル基としては、R1〜R8
が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基と同様の基が
挙げられる。またR27〜R34が示すアリール基として
は、R1〜R8が示すアリール基と同様の基が挙げられ
る。Xは上記一般式(A)でXとして示したものと同様
の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示す。Yは上記
一般式(A)でYとして示したものと同様の群から選ば
れた2価の電子供与性基を示す。
【0022】上記一般式(B−2)で表されるモノマー
として具体的には、例えばp−ジクロロベンゼン、p−
ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロ
トルエン、2,5−ジメチルスルフォニロキシベンゼ
ン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、2,5−ジクロロ
ベンゾトリフルオライド、1,4−ジクロロ−2,3,5,
6−テトラフルオロベンゼン、およびこれらの化合物に
おいて塩素原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き換え
た化合物などが挙げられる。上記一般式(B−3)で表
されるモノマーとして具体的には、例えば4,4'−ジメ
チルスルフォニロキシビフェニル、4,4'−ジメチルス
ルフォニロキシ−3,3'−ジプロペニルビフェニル、
4,4'−ジブロモビフェニル、4,4'−ジヨードビフェ
ニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジ
メチルビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ
−3,3'−ジフルオロビフェニル、4,4'−ジメチルス
ルフォニロキシ−3,3'5,5'−テトラフルオロビフェ
ニル、4,4'−ジブロモオクタフルオロビフェニル、
4,4'−ジメチルスルフォニロキシオクタフルオロビフ
ェニルなどが挙げられる。上記一般式(B−4)で表さ
れるモノマーとして具体的には、例えばm−ジクロロベ
ンゼン、m−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,
4−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,
6−ジクロロトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロ
キシトルエン、2,6−ジメチルスルフォニロキシトル
エン、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,5
−ジクロロベンゾトリフルオライド、1,3−ジブロモ
−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、およびこれ
らの化合物において塩素原子を臭素原子またはヨウ素原
子に置き換えた化合物などが挙げられる。また、分子量
調節剤としては4−クロロベンゾフェノンのような片末
端ハロゲン化合物(フッ素を除く)を用いて、所定の分
子量に調整できる。
【0023】ポリアリーレン系重合体は上記モノマーを
触媒の存在下に反応させるが、使用される触媒は、遷移
金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、
遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位
子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金
属錯体(銅塩を含む)、ならびに還元剤を必須成分と
し、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加し
てもよい。ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケ
ル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチル
アセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、
臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化
合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化
コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバル
ト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニ
ッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。また、配位子成
分としては、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリ
ジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる。これら
のうち、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジン
が好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独
で、あるいは2種以上を併用することができる。
【0024】さらに、配位子が配位された遷移金属錯体
としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホ
スフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィ
ン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィ
ン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、
塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル
(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビ
ピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビ
ス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス
(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられ
る。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホ
スフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好
ましい。上記触媒系に使用することができる還元剤とし
ては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マ
グネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられ
る。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好
ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させ
ることにより、より活性化して用いることができる。
【0025】また、上記触媒系において使用することの
できる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリ
ウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリ
ウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カ
リウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム
などのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウ
ム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチル
アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸
テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物な
どが挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ
化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモ
ニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0026】各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷
移金属錯体が、上記モノマーの総計1モルに対し、通
常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜
0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反
応が十分に進行しないことがあり、一方、10モルを超
えると、分子量が低下することがある。触媒系におい
て、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配
位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通
常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルであ
る。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となること
があり、一方、100モルを超えると、分子量が低下す
ることがある。また、還元剤の使用割合は、上記モノマ
ーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好
ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重
合が十分進行しないことがあり、100モルを超える
と、得られる重合体の精製が困難になることがある。さ
らに、「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記モ
ノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100
モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001
モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であるこ
とがあり、、100モルを超えると、得られる重合体の
精製が困難となることがある。使用することのできる重
合溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、シクロヘ
キサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げら
れる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの重合
溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。重
合溶媒中における上記モノマーの総計の濃度は、通常、
1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。ま
た、重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好
ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通
常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間であ
る。このようにして上記一般式(A)で表されるモノマ
ー(A)と、上記一般式(B−1)〜(B−4)で表さ
れるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー
(B)を重合させることにより、ポリアリーレンを含む
重合溶液が得られる。
【0027】次に、スルホン化反応は、スルホン酸基を
有しない上記共重合体に、硫酸をスルホン化剤として用
い、スルホン酸基を導入することにより得ることができ
る。
【0028】このスルホン化の反応条件としては、上記
スルホン酸基を有しない共重合体を、無溶剤下、あるい
は溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤
としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、
N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系
極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化
水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、
通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃
である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000
時間、好ましくは1〜200時間である。
【0029】このようにして得られる、スルホン酸基含
有共重合体中の、スルホン酸基量は、0.5〜3ミリグ
ラム当量/g、好ましくは0.8〜2.8ミリグラム当
量/gである。0.5ミリグラム当量/g未満では、プ
ロトン伝導性が上がらず、一方3ミリグラム当量/gを
超えると、親水性が向上し、水溶性ポリマーとなってし
まうか、また水溶性に至らずとも耐久性が低下する。上
記のスルホン酸基量は、モノマー(A)とモノマー(B)
の使用割合、さらにモノマー(A)の種類、組合せを変
えることにより、容易に調整することができる。
【0030】また、このようにして得られる本発明のス
ルホン酸基含有共重合体のスルホン化前の前駆体のポリ
マーの分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、
1万〜50万、好ましくは2万〜40万、更に好ましく
は5万〜30万である。1万未満では、成形フィルムに
クラックが発生するなど、塗膜性が不十分であり、また
強度的性質にも問題がある。一方、50万を超えると、
スルホン化及び回収時の溶液粘度が高く取扱いが困難と
なり、また、スルホン酸基含有共重合体の加工性が不良
となる問題がある。
【0031】本発明のスルホン酸基含有共重合体の分子
量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、2万〜10
0万、好ましくは5万〜80万、更に好ましくは10万
〜60万である。
【0032】本発明において、スルホン化反応は濃度9
5.5〜99.5重量%の硫酸中で実施する。硫酸濃度
が95.5重量%未満ではスルホン化反応速度が極端に
遅く、目的のスルホン酸等量のポリマーを得ることが困
難であり、99.6重量%以上の濃度の硫酸中では、ス
ルホン化速度が速すぎ、スルホン酸等量のコントロール
が困難である。スルホン化の際の重合体/硫酸比は1/
5〜1/60の重量比で反応を行うことが好ましい。硫
酸量が5重量倍未満では、反応溶液の粘度が高すぎ取扱
いが困難であり、60重量倍を超えると硫酸量が多すぎ
るため、後処理の負荷が大きくなる。
【0033】スルホン化工程の後、水あるいは希硫酸を
用いて、スルホン化後の反応液中の硫酸/水の割合が9
4/6〜85/15(重量比)、好ましくは94/6〜
90/10(重量比)、更に好ましくは94/6〜92
/8(重量比)となるように、硫酸を希釈する。この
際、希釈熱が発生するが、反応液の温度は25℃以下に
制御することが必要である。希釈工程において、水ある
いは希硫酸を一気に添加するとポリマーが部分的に凝固
してしまうため、少量ずつ添加することが好ましい。上
記のとおり適切に希釈されたスルホン化後の反応液はス
ラリー状となる。通常、スルホン化反応液の粘度は数万
〜数十万mPa・S以上であるが、本発明の方法により反応
後の硫酸濃度を希釈することにより、反応液の粘度は数
千mPa・s以下となる。このように、スラリー状となった
反応液は溶液粘度が極端に低下するため、反応器からの
移送が容易となる。この反応液をイオン交換水等の大量
の水、メタノールなどの貧溶剤中に添加することにより
ポリマーを凝固させ、回収することができる。
【0034】以下、本発明を実施例により、さらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限される
ものではない。
【実施例】[測定]スルホン酸等量 得られたスルホン酸基含有重合体の水洗水が中性になる
まで洗浄し、フリーの残存している酸を除いて充分に水
洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶
解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの
標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸等
量を求めた。分子量の測定 スルホン化前の前駆体重合体の重量平均分子量は、溶剤
としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、
ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン化物の分
子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−
メチルー2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用
い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)によって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
【0035】[参考例 ポリアリーレンの合成] (オリゴマーの調製)撹拌機、温度計、冷却管、Dean-S
tark管、窒素導入の三方コックをとりつけた1Lの三つ
口のフラスコに、2.2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,
1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールA
F)67.3g(0.20モル)、4,4'-ジクロロベンゾフェノン
(4,4'-DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.
9g(0.52モル)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA
c)300mL、トルエン150mLをとり、オイルバス中、
窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応
により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管
で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生
成がほとんど認められなくなった。反応温度を130℃か
ら徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に1
50℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃
で10時間反応を続けた後、4,4'-DCBP10.0g(0.040
モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液
を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、
濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物
を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに
溶解した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化
合物95g(収率85%)を得た。得られた重合体のGPC
(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子
量は4,200、重量平均分子量は8,300であった。また、得
られた重合体はTHF、NMP、DMAc、スルホラン
などに可溶で、Tgは110℃、熱分解温度は498℃であっ
た。得られた重合体は式(I): …(I) で表される構造を有することが推定され、該構造と上記
の数平均分子量とから、nの平均値は7.8と求められ
た。 (ポリアリーレン系共重合体の合成)上記で得られた式
(I)のオリゴマー28.4g(2.87mmol)、
2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシ)フェノキ
シベンゾフェノン(DCPPB)29.2g(67.1
mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル
ジクロリド1.37g(2.1mmol)、よう化ナト
リウム1.36g(9.07mmol)、トリフェニル
ホスフィン7.34g(28.0mmol)、亜鉛末1
1.0g(168mmol)をフラスコにとり、乾燥窒
素置換した。N-メチル−2−ピロリドン130mlを加
え、80℃に加熱し、4時間攪拌し、重合をおこなっ
た。重合溶液をTHFで希釈し、塩酸/メタノールで凝
固回収し、メタノール洗滌を繰り返し、THFで溶解、
メタノールへ再沈殿による精製し、濾集した重合体を真
空乾燥し目的の共重合体50.7g(96%)を得た。
GPC(THF)で求めたポリスチレン換算の数平均
分子量は40000、重量平均分子量は145000で
あった。
【0036】実施例1 上記で得た共重合体25gを攪拌装置、温度計を取り付
けた1000mlのセパラブルフラスコに入れ、濃度9
6.4%硫酸250mlを加え、内温を25℃に保ちな
がら窒素気流下で24時間攪拌した。反応時間中、反応
溶液の粘度が非常に高く、反応時間6時間の時点で反応
溶液の粘度を測定(25℃)したところ500000mP
a・sであった。24時間の反応終了後、濃度88%の硫
酸150mlを加え、反応後の重合体溶液中の硫酸/水
の割合が93/7(重量比)となる様に希釈した。希釈
後、重合体溶液はスラリー状となり、溶液粘度は100
0mPa・s以下となった。得られた溶液を大量のイオン交
換水の中に注ぎ入れ、重合体を沈殿させた。この際、重
合体溶液がスラリー状となり、溶液粘度が低下したこと
により、重合体の沈殿操作は容易であった。洗浄水のp
Hが5になるまで重合体の洗浄を繰り返した。乾燥し
て、29g(96%)のスルホン酸基含有重合体を得
た。スルホン酸基含有重合体のGPC(NMP)で求めたポリス
チレン換算の数平均分子量は67,000、重量平均分
子量は277,000であった。本スルホン酸基含有重
合体のスルホン酸等量は2.1mg等量/gであった。な
お、スルホン化反応後、硫酸希釈後のポリマー溶液の一
部をサンプリングし、更に12時間内温を25℃に保ち
ながら、窒素気流下で攪拌し、反応させた。この溶液を
大量のイオン交換水の中に投入し、重合体を沈殿させ、
上記と同様にして、洗浄・乾燥を実施した。このスルホ
ン酸基含有重合体のGPC(NMP)で求めたポリスチ
レン換算の数平均分子量は67,000、重量平均分子
量は276,000であり、スルホン酸等量は2.1mg等
量/gであり、硫酸希釈後はスルホン化反応は進行して
いないことが確認された。
【0037】比較例1 参考例で得た共重合体25gを攪拌装置、温度計を取り
付けた1000mlのセパラブルフラスコに入れ、濃度
96.4%硫酸250mlを加え、内温を25℃に保ち
ながら窒素気流下で24時間攪拌した。反応時間中、反
応溶液の粘度が非常に高く、反応時間6時間の時点で反
応溶液の粘度を測定(25℃)したところ500000
mPa・sであった。24時間の反応終了後、重合体を沈殿
させるため、イオン交換水に重合体溶液移液させようと
したが、粘度が高く非常に操作が困難であり、移液に1
時間以上を要した。イオン交換水中で凝固させ、洗浄水
のpHが5になるまで重合体の洗浄を繰り返した。こう
して得られた、スルホン酸基含有重合体のGPC(NM
P)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は67,
000、重量平均分子量は280,000であった。本
スルホン酸基含有重合体のスルホン酸等量は2.1mg
等量/gであった。なお、24時間スルホン化反応後の
ポリマー溶液の一部をサンプリングし、更に12時間内
温を25℃に保ちながら、窒素気流下で攪拌し、反応さ
せた。この溶液を大量のイオン交換水の中に投入し、重
合体を沈殿させ、上記と同様にして、洗浄・乾燥を実施
した。このスルホン酸基含有重合体のGPC(NMP)
で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は70,00
0、重量平均分子量は305,000、スルホン酸等量
は2.5g等量/gであり、スルホン化反応が更に進行し
ていることが確認された。
【0038】比較例2 参考例で得た共重合体25gを攪拌装置、温度計を取り
付けた1000mlのセパラブルフラスコに入れ、濃度
96.4%硫酸250mlを加え、内温を25℃に保ち
ながら窒素気流下で24時間攪拌した。反応時間中、反
応溶液の粘度が非常に高く、反応時間6時間の時点で反
応溶液の粘度を測定(25℃)したところ500000
mPa・sであった。24時間の反応終了後、濃度60重量
%の硫酸150mlを加え、反応後の重合体溶液の硫酸
/水の割合を83/17(重量比)となるように希釈し
た。希釈の間に、重合体が沈殿し、膨潤した塊となり後
処理が不可能となった。
【0039】
【発明の効果】本発明によると、スルホン化反応後の溶
液粘度を適正な範囲にコントロールが可能で、スルホン
酸基含有重合体の回収を工業的に容易に行うことができ
る。また、本発明の方法により、スルホン化反応を完全
に停止させることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)濃度95.5〜99.5重量%の
    硫酸中で、硫酸の1/5〜1/60重量倍の重合体のス
    ルホン化を行う工程および(2)スルホン化後の反応液
    中の硫酸/水の割合を94/6〜85/15(重量比)
    とした後にスルホン化重合体を凝固する工程を含むこと
    を特徴とするスルホン酸基含有重合体の回収方法。
  2. 【請求項2】 スルホン化される重合体が重量分子量5
    00,000以下のポリアリーレン系重合体であること
    を特徴とする請求項1記載のスルホン酸基含有重合体の
    回収方法。
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