JP2003260455A - 廃タイヤのトレッド部のスチール線除去方法及びその装置 - Google Patents

廃タイヤのトレッド部のスチール線除去方法及びその装置

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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃タイヤのトレッド部のスチール線除去方
法、その装置及びそのリサイクル方法を提供する。 【解決手段】 タイヤのトレッド部からスチール線を除
去する方法であって、タイヤからトレッド部を含む部分
を分割する、上記トレッド部の内面と外面を反転させて
裏返す、上記裏返したトレッド部を誘導加熱する、上記
加熱により膨化した部分を切開する、スチール線を除去
する、ことを特徴とするスチール線除去方法、上記スチ
ール線を除去する装置であって、反転させて裏返したト
レッド部を取り付ける固定手段、上記トレッド部を誘導
加熱する誘導加熱手段、上記加熱により膨化した部分を
切断して切開する切断手段、スチール線を除去するスチ
ール線除去手段、を含む装置、及び上記方法で分離した
トレッド部の金属及び/又はゴム部分を再資源化する廃
タイヤのリサイクル方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤのトレッド
部に埋め込まれたスチール線の除去方法及びその装置に
関するものである。更に詳しくは、本発明は、廃棄タイ
ヤ(以下、廃タイヤという)のトレッド部のスチール線
を誘導加熱によって加熱し、タイヤのトレッド部からス
チール線を分離する方法、その装置、これらの手段によ
る廃タイヤの再資源化方法、及びそのリサイクル技術に
関するものである。本発明は、特に、廃タイヤのマテリ
アルリサイクル化を実現することを可能にする新しい技
術として有用である。
【0002】
【従来の技術】現在、日本国内で、年間一億本余の廃タ
イヤが排出される。この廃タイヤは、出所が限定されて
いるため、回収が容易であり、その約9割は何らかの形
でリサイクルされている。リサイクルの現状は、まず、
廃タイヤの5割強が、セメント工場や発電の燃料として
用いられている。このリサイクル方法は、いわゆるサー
マルリサイクルと呼ばれている方法である。
【0003】また、比較的程度の良い廃タイヤは、その
接地面(外面)を削り落とした後、新たにゴムを張り付
けて接地面のパターンを再生し、いわゆる更生タイヤと
して用いられている。このリサイクル方法は、廃タイヤ
からタイヤへのリユースに係るものであり、廃タイヤの
約2割ほどが、この方法でリサイクルされている。更
に、廃タイヤの1割強は、例えば、舗装マット、ホー
ス、ゴム板等、種々のゴム製品に再生されている。この
リサイクル方法は、マテリアルリサイクルと呼ばれてい
る方法である。
【0004】これらのリサイクル方法のうち、資源の有
効利用の立場からは、廃タイヤからタイヤを再生するリ
ユースが理想的なリサイクル方法である。これに続い
て、廃タイヤを他のゴム製品に再生するカスケード型の
マテリアルリサイクルが望ましい方法である。サーマル
リサイクルは、一応、リサイクルと呼ばれているもの
の、処分業者がセメント工場等に廃棄料を払って処分し
ているものである。従って、この方法は、焼却処分と呼
んだ方が妥当であり、リサイクルとは言い難い面があ
る。また、タイヤ中のスチール線は、重量でその10パ
ーセント以上であり、しかも、燃えないために、上記サ
ーマルリサイクルでは、焼却灰の量を著しく増大させ、
その処理が問題になる。また、上記焼却灰の中には亜鉛
等の重金属も含まれるため、これらによる環境への負荷
も大きくなるという問題がある。このように、サーマル
リサイクルは、上記の諸問題を内包していることから、
リユースあるいはマテリアルリサイクルへの転換が望ま
れている。
【0005】ところで、マテリアルリサイクルの基本
は、まず、タイヤを細かくすることから出発する。タイ
ヤは、これを切断し、破砕し、次いで、磁力選別等の手
段を繰り返し、スチール線を除去し、あるいは繊維分を
取り除き、舗装材やマット材に用いられる。更に、これ
を粉砕して、より商品価値の高いゴム粉へと加工される
場合もある。ここで問題となるのは、タイヤにおけるス
チール線あるいはワイヤの存在である。まず、タイヤの
切断において、ゴムの様な柔らかく弾力性に富んだもの
と、鋼の様に硬く高強度のものとは、基本的に使用され
る切断用の刃物の材質や形状が異なる。そのために、効
率的なタイヤの切断が出来ないばかりか、刃物の寿命が
維持できない。また、タイヤの破砕において、スチール
線を除去するために現在多く用いられている方法は、切
断されたタイヤをクラッシャーで機械的に強撹拌した
後、磁力等でスチール分を拾い出すことを繰り返す方法
である。しかし、もともと、スチール線は、タイヤを強
化させるために混入させた物であり、簡単にタイヤから
分離することは困難である。
【0006】従って、このような撹拌・分離を繰り返す
方法では、それらにの処理に時間がかかり、完全なゴム
とスチールの分離も困難である。また、このような方法
では、分離コストが高くなり、これらのことがマテリア
ルリサイクルへの転換が進まない大きな要因でもあるこ
とから、これらの方法に代わる低コストのスチール線の
分離技術の確立が強く望まれていた。更に、サーマルリ
サイクルにおいても、ゴムは確かに高発熱量の良質燃料
であるが、高発熱量であるが故に燃焼温度が高温とな
る。そのために、タイヤの燃焼時にスチール線が溶解さ
れ、溶融した鉄が炉の耐火物を浸食したり、ボイラー内
に堆積して、燃焼トラブルの大きな要因となる。そこ
で、予めタイヤからスチール線を除去しておくことが望
ましい。このように、従来、廃タイヤの処理技術が種々
提案されている。しかし、廃タイヤのサーマルリサイク
ルをリユースあるいはマテリアルリサイクルへの転換を
実現化することを可能とするものはほとんどなく、当該
技術分野では、それを可能とする新しいリサイクル技術
を開発することが強く要請されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、簡便な操作
でタイヤのトレッド部のスチール線を除去することが可
能な新しいスチール線除去技術を開発することを目標と
して鋭意研究を積み重ねた。その結果、本発明者らは、
タイヤを切断する前に、まず、トレッド部のスチール線
を簡便な操作で抜き取る方法を確立することに成功し
た。それにより、本発明者らは、タイヤの切断や粉砕を
容易にすると共に、従来方法によるスチール線の除去工
程(タイヤチップのクラッシャーによる破砕と磁気分離
の繰り返し等の工程)を完全に省くこと、及び分離コス
トの大幅な低下を計り、タイヤのマテリアルリサイクル
化を促進させることに成功して、本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち、本発明は、簡便な操作によりタ
イヤのトレッド部からスチール線を分離、除去する方法
を提供することを目的とするものである。また、本発明
は、タイヤのトレッド部からスチール線を除去するスチ
ール線除去装置を提供することを目的とするものであ
る。また、本発明は、上記方法で除去、分離したトレッ
ド部の金属及び/又はゴム部分を再資源化する廃タイヤ
のリサイクル方法及びそのリサイクル製品を提供するこ
とを目的とするものである。更に、本発明は、上記スチ
ール線除去装置を構成要素として構築される廃タイヤの
トータル・リサイクル・システムを提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)タイヤのトレッド部から、スチール線を除去する
方法であって、(a)タイヤからトレッド部を含む部分
を分割する、(b)上記トレッド部の内面と外面を反転
させて裏返す、(c)上記裏返したトレッド部を誘導加
熱する、(d)上記加熱により膨化した部分を切開す
る、及び(e)スチール線を除去する、ことを含むこと
を特徴とするスチール線除去方法。 (2)上記タイヤのトレッド部が、タイヤをその円周方
向に分割し、サイドウォール部及びビード部を除外した
ものである前記(1)記載の方法。 (3)反転させて裏返したトレッド部を、固定装置に取
り付けて誘導加熱する前記(1)記載の方法。 (4)反転させて裏返したトレッド部を、回転ドラム、
又は回転ロールに取り付けて回転させながら誘導加熱す
る前記(1)記載の方法。 (5)上記回転ロールが、トレッド部のサイズに応じて
ロール間の距離を任意に調整できる一対の回転ロールで
ある前記(4)記載の方法。 (6)上記トレッド部のスチール線を誘導加熱して、ト
レッド部のスチール線混入部分を膨化させる前記(1)
記載の方法。 (7)上記トレッド部の膨化した部分を円周方向に沿っ
て1枚又は2枚以上の切断刃を用いて切断して切開する
前記(1)記載の方法。 (8)スチール線を、スチール線除去手段で除去する前
記(1)記載の方法。 (9)タイヤのトレッド部から、スチール線を除去する
装置であって、(a)反転させて裏返したトレッド部を
取り付ける固定手段、(b)上記トレッド部を誘導加熱
する誘導加熱手段、を構成要素として含み、(c)上記
加熱により膨化した部分を切断して切開する切断手段、
(d)スチール線を除去するスチール線除去手段、を任
意の手段として含むことを特徴とするスチール線除去装
置。 (10)上記固定手段が、回転ドラム、又は回転ロール
を有する前記(9)記載の装置。 (11)上記回転ロールが、トレッド部のサイズに応じ
てロール間の距離を任意に調整できる一対の回転ロール
である前記(10)記載の装置。 (12)上記一対の回転ロールが、駆動ロールと移動ロ
ールからなる前記(11)記載の装置。 (13)上記誘導加熱手段が、高周波誘導コイルを上記
トレッド部に近接させて当該トレッド部のスチール線を
加熱する可動部を有する前記(9)記載の装置。 (14)上記切断手段が、トレッド部の膨化した部分を
円周方向に沿って同時的に切開するための複数枚の切断
刃を有する前記(9)記載の装置。 (15)上記スチール線除去手段が、ブラシ手段を有す
る前記(9)記載の装置。 (16)前記(1)から(8)のいずれかに記載の方法
で除去、分離したトレッド部の金属及び/又はゴム部分
を用いてリサイクル製品を再生して再資源化することを
特徴とする廃タイヤのリサイクル方法。 (17)前記(16)記載のリサイクル方法で再資源化
された金属及び/又はゴム部分から再生されたリサイク
ル製品。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明は、廃タイヤのトレッド部のスチール
線の除去技術に係るものである。本発明の、タイヤのト
レッド部からスチール線を除去する方法は、(1)タイ
ヤからトレッド部を含む部分を分割する、(2)上記ト
レッド部の内面と外面を反転させて裏返す、(3)上記
トレッド部を誘導加熱する、(4)上記加熱により膨化
した部分を切開する、及び(5)スチール線を除去す
る、ことから構成される。
【0011】本発明の方法について、図面の記載に基づ
いて具体的に説明する。タイヤは、図1で示すように、
トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3に分か
れる。この内、ビード部とトレッド部にはスチール線4
が組み込まれている。本発明で問題とするのは、タイヤ
のトレッド部のスチール線の分離である。本発明におい
て、上記トレッド部のスチール線の分離は、好適には、
図1で示すように、まず、最初に、タイヤを円周方向に
沿って、トレッド部と、サイドウォール部及びビード部
に3分割することから出発する。ここで切り取ったトレ
ッド部は、円筒リング状の形をしている。本発明では、
この円筒リングの外側を外面ないし接地面7、内側を内
面8と呼ぶことにする。上記タイヤの分割方法は、上記
方法に制限されるものではなく、上記トレッド部を含む
部分を適宜の方法で分割すればよい。
【0012】次に、図2で示すように、円筒リング状の
トレッド部1を反転させて、内面8を外側に、外面の接
地面7を内側に裏返す。この反転させて裏返したトレッ
ド部1を、図2のように、好適には、大小一対のロール
の外側に位置させて固定する。ここで、大きいロール
は、電動機等の駆動機構に直結しており、回転駆動でき
る。これを駆動ロール5と呼ぶ。また、小さいロール
は、駆動機構は持たないが、左右に移動できる機構を持
っている。これを移動ロール6と呼ぶこととする。これ
らの構成は、好適な一例を示すものであり、本発明は、
これらに制限されるものではない。
【0013】次に、図3で示すように、移動ロールを図
面上の右方向に移動させ、円筒リング状のトレッド部を
軽く引っ張る。更に、これに引っ張りを加えて緊張状態
に保った後、図4で示すように、駆動ロールをゆっくり
回転させる。次に、回転しているトレッド部に高周波誘
導コイル9を近づけ、これによりトレッド部に埋め込ま
れたスチール線を加熱する。この場合、誘導加熱装置と
して、例えば、周波数50kHz以上、数10KWレベ
ルの出力の高周波焼き入れ装置が使用されるが、これに
制限されるものではなく、これと同効の誘導加熱性能を
有する装置であれば同様に使用することができる。ま
た、加熱コイルの形状も制限されない。上記高周波誘導
コイルによるトレッド部の加熱方法としては、例えば、
上記高周波誘導コイルを固定し、これに回転しているト
レッド部を近づける方法、あるいは、固定手段に固定し
たトレッド部に上記高周波誘導コイルを近づける方法
等、適宜の方法が採用される。しかし、その方法は特に
制限されるものではない。加熱されたスチール線に接触
するゴムは分解してガス化し、加熱により風船状に膨化
した部分10が生じる。ゴムがガス化して生じた隙間
は、相隣り合うスチール線で生じた各々の隙間と合体し
て、図5で示すように、風船状に膨れ、空洞11が生じ
る。これにより、トレッド部1のゴムとスチール線4が
分離する。
【0014】次に、図6で示すように、トレッド部の加
熱がその円周方向に沿って一周したとき、トレッド部の
内面が風船状に膨れた状態となるので、これに刃物台1
3に取り付けられた刃物12を接触させて、風船部を切
開して切り裂く。刃物12は、図7で示すように、トレ
ッド部の膨らんだ内面の部分の両端を同時に切断して切
開できるように、刃物台の両端に刃物12を形成するこ
とが好ましい。この場合、刃物の枚数、その形成位置等
は、特に制限されるものではない。次いで、上記操作に
より切り取った内面の部分を取り去れば、容易にスチー
ル線が除去できる状態となる。次いで、その表面をブラ
シ等の適宜の手段で掃き取れば、タイヤからスチール線
が容易に分離できる。これらの構成は、好適な一例を示
すものであり、本発明はこれらに制限されるものではな
く、適宜設計変更することが可能である。
【0015】次に、本発明のスチール線除去装置につい
て具体的に説明する。本発明の装置は、(1)反転させ
て裏返したトレッド部を取り付ける固定手段、及び
(2)上記トレッド部を誘導加熱する誘導加熱手段、を
構成要素として含み、更に、(3)上記加熱により膨化
した部分を切断する切断手段、及び(4)スチール線を
除去するスチール線除去手段、を任意の手段として含む
ことを特徴としている。上記反転させて裏返したトレッ
ド部を取り付ける固定手段としては、好適には、上記方
法で使用した、図2に示される大小一対の駆動ロール5
及び移動ロール6が例示される。しかし、これに限ら
ず、固定方式あるいは可動方式の適宜の形態及び機能を
有する固定手段を用いることができる。次に、上記トレ
ッド部を誘導加熱する誘導加熱手段としては、好適に
は、図4に示される、可動方式の高周波誘導コイル9を
有するものが例示される。しかし、これに限らず、固定
方式の高周波誘導コイルを有するものを含む適宜のタイ
プの誘導加熱手段を使用することができる。
【0016】本発明においては、上記装置に、上記加熱
により膨化した部分を切開する切断手段、及びスチール
線を除去するスチール線除去手段を付加することができ
る。これらの手段は、好適には、トレッド部の膨化した
部分を円周方向に沿って切断して切開するための1枚又
は2枚以上の切断刃を有する切断手段、及びトレッド部
からスチール線を除去するためのブラシ手段等が例示さ
れる。しかし、これらに限らず、これらと同効の機能を
有するものであれば適宜の手段を採用することができ
る。本発明においては、上記固定手段、誘導加熱手段、
切断手段及びスチール線除去手段を適宜組み合わせるこ
とにより、手動又は自動で作動するスチール線除去装置
の基本システムを構築することができる。この場合、上
記切断工程ないしスチール線除去工程を、手動で操作す
ることも適宜可能である。
【0017】更に、本発明においては、上記装置に、上
記誘導加熱処理前の廃タイヤ洗浄手段、同選別手段、処
理後のトレッド部のゴム部分の研掃手段、同トレッド部
の金属及び/又はゴム部分を分別する分別手段、それら
の回収手段、二次加工手段及び自動化手段等を付加する
ことができる。それにより、廃タイヤのトレッド部の金
属及び/又はゴム部を再資源化するための廃タイヤのト
ータル・リサイクル・システムを構築することができ
る。これらの洗浄、選別、研掃、分別、回収ないし二次
加工手段及び自動化手段は、当該技術分野において用い
られる通常の手段を適宜利用することが可能であり、そ
れらの方法及び装置は特に制限されない。
【0018】タイヤを誘導加熱し、内面を膨らませ、切
り裂き、スチール線を掻き出すことは、その操作自体が
容易ではなく極めて困難である。しかしながら、上記し
たように、タイヤのトレッド部を分割し、これを反転さ
せてその内面を外側に裏返すことによって、簡単な操作
で、誘導、加熱、膨化した部分の切り出し、及びスチー
ル線の掻き出し操作が固定手段上で容易に行えるように
なる。また、タイヤは、幅、直径、ホイール径等、種々
の形や大きさがあり、廃タイヤを処理するには、予めタ
イヤを種別毎に分類して、サイズや形状毎に処理するこ
とが必要である。しかし、本発明では、トレッド部のサ
イズに応じてロール間の距離を任意に調整できる一対の
ロールを用いることによって、異なったタイヤサイズの
ものでも一台の装置で対応することが可能となる。な
お、本発明では、誘導加熱によって、トレッド部のゴム
部よりスチール線を分離せしめるが、この場合、スチー
ル線に接する部分のゴムのある程度の変質は避け難い場
合があり得る。そこで、スチール線を掻き落とし後の工
程として、更に、ロール表面で、ワイヤーブラシ等によ
るゴム部分の研掃工程を加えれば、変質部分を容易に除
去することが可能となる。以上のように、本発明は、従
来、分離が極めて困難であった廃タイヤからのスチール
線の分離を、簡単な装置で、能率的に行うことを可能に
するものである。本発明は、廃タイヤのマテリアルリサ
イクル化を促進せしめることを可能にするものとして有
用である。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、タイヤ
のトレッド部からスチール線を除去する方法及びその装
置に係るものである。本発明により奏される格別の作用
効果は以下の通りである。 (1)廃タイヤのトレッド部からスチール線を簡便な操
作で分離、除去することができる。 (2)従来、分離が困難であった廃タイヤからのスチー
ル線の分離を簡単な装置を用いて、高効率で分離、除去
することが可能である。 (3)廃タイヤのマテリアルリサイクルを促進すること
ができる。 (4)廃タイヤのトレッド部の金属及びゴム部分を再資
源化することができる。 (5)廃タイヤの新しいリサイクル方法を提供すること
ができる。 (6)上記リサイクル方法で再資源化された金属及びゴ
ム部分から再生されたリサイクル製品を提供することが
できる。 (7)廃タイヤのトータル・リサイクル・システムを確
立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、タイヤのトレッド部と、サイドウォー
ル部及びビード部に3分割する一例を示す断面図であ
る。
【図2】図2は、タイヤを反転させて裏返し、一対の駆
動ロール及び移動ロールに取り付ける方法の一例を示す
説明図である。
【図3】図3は、移動ロールを右方向に移動させ、トレ
ッド部を引っ張った状態にする方法を示す説明図であ
る。
【図4】図4は、トレッド部をロール上で回転させなが
ら誘導加熱する方法の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、加熱により風船状に膨れて空洞化した
トレッド部の部分を示す断面図である。
【図6】図6は、風船状に膨らんだ部分を刃物で切り裂
く方法の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、トレッド部の膨化した部分の両端を2
枚の刃物で切り裂く方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部 3 ビード部 4 スチール線 5 駆動ロール 6 移動ロール 7 接地面 8 内面 9 高周波誘導コイル 10 加熱により風船状に膨化した部分 11 空洞 12 刃物 13 刃物台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA11 BA02 BA05 BA07 CA02 CA12 CA22 CB12 CB33 4F301 AA05 BF02 BF10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤのトレッド部から、スチール線を
    除去する方法であって、(1)タイヤからトレッド部を
    含む部分を分割する、(2)上記トレッド部の内面と外
    面を反転させて裏返す、(3)上記裏返したトレッド部
    を誘導加熱する、(4)上記加熱により膨化した部分を
    切開する、及び(5)スチール線を除去する、ことを含
    むことを特徴とするスチール線除去方法。
  2. 【請求項2】 上記タイヤのトレッド部が、タイヤをそ
    の円周方向に分割し、サイドウォール部及びビード部を
    除外したものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 反転させて裏返したトレッド部を、固定
    装置に取り付けて誘導加熱する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 反転させて裏返したトレッド部を、回転
    ドラム、又は回転ロールに取り付けて回転させながら誘
    導加熱する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記回転ロールが、トレッド部のサイズ
    に応じてロール間の距離を任意に調整できる一対の回転
    ロールである請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記トレッド部のスチール線を誘導加熱
    して、トレッド部のスチール線混入部分を膨化させる請
    求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記トレッド部の膨化した部分を円周方
    向に沿って1枚又は2枚以上の切断刃を用いて切断して
    切開する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 スチール線を、スチール線除去手段で除
    去する請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 タイヤのトレッド部から、スチール線を
    除去する装置であって、(1)反転させて裏返したトレ
    ッド部を取り付ける固定手段、(2)上記トレッド部を
    誘導加熱する誘導加熱手段、を構成要素として含み、
    (3)上記加熱により膨化した部分を切断して切開する
    切断手段、(4)スチール線を除去するスチール線除去
    手段、を任意の手段として含むことを特徴とするスチー
    ル線除去装置。
  10. 【請求項10】 上記固定手段が、回転ドラム、又は回
    転ロールを有する請求項9記載の装置。
  11. 【請求項11】 上記回転ロールが、トレッド部のサイ
    ズに応じてロール間の距離を任意に調整できる一対の回
    転ロールである請求項10記載の装置。
  12. 【請求項12】 上記一対の回転ロールが、駆動ロール
    と移動ロールからなる請求項11記載の装置。
  13. 【請求項13】 上記誘導加熱手段が、高周波誘導コイ
    ルを上記トレッド部に近接させて当該トレッド部のスチ
    ール線を加熱する可動部を有する請求項9記載の装置。
  14. 【請求項14】 上記切断手段が、トレッド部の膨化し
    た部分を円周方向に沿って同時的に切開するための複数
    枚の切断刃を有する請求項9記載の装置。
  15. 【請求項15】 上記スチール線除去手段が、ブラシ手
    段を有する請求項9記載の装置。
  16. 【請求項16】 請求項1から8のいずれかに記載の方
    法で除去、分離したトレッド部の金属及び/又はゴム部
    分を用いてリサイクル製品を再生して再資源化すること
    を特徴とする廃タイヤのリサイクル方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のリサイクル方法で再
    資源化された金属及び/又はゴム部分から再生されたリ
    サイクル製品。
JP2002065051A 2002-03-11 2002-03-11 廃タイヤのトレッド部のスチール線除去方法及びその装置 Expired - Lifetime JP3870256B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012513299A (ja) * 2008-12-23 2012-06-14 フオルクスヴアーゲン アクチエンゲゼルシヤフト 廃タイヤの処理時に発生する繊維群を処理する方法及び該方法を実施するための設備
CN111590786A (zh) * 2020-04-13 2020-08-28 肇庆骏鸿实业有限公司 一种带束刮胶机

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