JP3870256B2 - 廃タイヤのトレッド部のスチール線除去方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤのトレッド部に埋め込まれたスチール線の除去方法及びその装置に関するものである。更に詳しくは、本発明は、廃棄タイヤ(以下、廃タイヤという)のトレッド部のスチール線を誘導加熱によって加熱し、タイヤのトレッド部からスチール線を分離する方法、その装置、これらの手段による廃タイヤの再資源化方法、及びそのリサイクル技術に関するものである。本発明は、特に、廃タイヤのマテリアルリサイクル化を実現することを可能にする新しい技術として有用である。
【0002】
【従来の技術】
現在、日本国内で、年間一億本余の廃タイヤが排出される。この廃タイヤは、出所が限定されているため、回収が容易であり、その約9割は何らかの形でリサイクルされている。リサイクルの現状は、まず、廃タイヤの5割強が、セメント工場や発電の燃料として用いられている。このリサイクル方法は、いわゆるサーマルリサイクルと呼ばれている方法である。
【0003】
また、比較的程度の良い廃タイヤは、その接地面(外面)を削り落とした後、新たにゴムを張り付けて接地面のパターンを再生し、いわゆる更生タイヤとして用いられている。このリサイクル方法は、廃タイヤからタイヤへのリユースに係るものであり、廃タイヤの約2割ほどが、この方法でリサイクルされている。
更に、廃タイヤの1割強は、例えば、舗装マット、ホース、ゴム板等、種々のゴム製品に再生されている。このリサイクル方法は、マテリアルリサイクルと呼ばれている方法である。
【0004】
これらのリサイクル方法のうち、資源の有効利用の立場からは、廃タイヤからタイヤを再生するリユースが理想的なリサイクル方法である。これに続いて、廃タイヤを他のゴム製品に再生するカスケード型のマテリアルリサイクルが望ましい方法である。サーマルリサイクルは、一応、リサイクルと呼ばれているものの、処分業者がセメント工場等に廃棄料を払って処分しているものである。従って、この方法は、焼却処分と呼んだ方が妥当であり、リサイクルとは言い難い面がある。また、タイヤ中のスチール線は、重量でその10パーセント以上であり、しかも、燃えないために、上記サーマルリサイクルでは、焼却灰の量を著しく増大させ、その処理が問題になる。また、上記焼却灰の中には亜鉛等の重金属も含まれるため、これらによる環境への負荷も大きくなるという問題がある。このように、サーマルリサイクルは、上記の諸問題を内包していることから、リユースあるいはマテリアルリサイクルへの転換が望まれている。
【0005】
ところで、マテリアルリサイクルの基本は、まず、タイヤを細かくすることから出発する。タイヤは、これを切断し、破砕し、次いで、磁力選別等の手段を繰り返し、スチール線を除去し、あるいは繊維分を取り除き、舗装材やマット材に用いられる。更に、これを粉砕して、より商品価値の高いゴム粉へと加工される場合もある。ここで問題となるのは、タイヤにおけるスチール線あるいはワイヤの存在である。まず、タイヤの切断において、ゴムの様な柔らかく弾力性に富んだものと、鋼の様に硬く高強度のものとは、基本的に使用される切断用の刃物の材質や形状が異なる。そのために、効率的なタイヤの切断が出来ないばかりか、刃物の寿命が維持できない。また、タイヤの破砕において、スチール線を除去するために現在多く用いられている方法は、切断されたタイヤをクラッシャーで機械的に強撹拌した後、磁力等でスチール分を拾い出すことを繰り返す方法である。しかし、もともと、スチール線は、タイヤを強化させるために混入させた物であり、簡単にタイヤから分離することは困難である。
【0006】
従って、このような撹拌・分離を繰り返す方法では、それらにの処理に時間がかかり、完全なゴムとスチールの分離も困難である。また、このような方法では、分離コストが高くなり、これらのことがマテリアルリサイクルへの転換が進まない大きな要因でもあることから、これらの方法に代わる低コストのスチール線の分離技術の確立が強く望まれていた。更に、サーマルリサイクルにおいても、ゴムは確かに高発熱量の良質燃料であるが、高発熱量であるが故に燃焼温度が高温となる。そのために、タイヤの燃焼時にスチール線が溶解され、溶融した鉄が炉の耐火物を浸食したり、ボイラー内に堆積して、燃焼トラブルの大きな要因となる。そこで、予めタイヤからスチール線を除去しておくことが望ましい。このように、従来、廃タイヤの処理技術が種々提案されている。しかし、廃タイヤのサーマルリサイクルをリユースあるいはマテリアルリサイクルへの転換を実現化することを可能とするものはほとんどなく、当該技術分野では、それを可能とする新しいリサイクル技術を開発することが強く要請されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、簡便な操作でタイヤのトレッド部のスチール線を除去することが可能な新しいスチール線除去技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた。その結果、本発明者らは、タイヤを切断する前に、まず、トレッド部のスチール線を簡便な操作で抜き取る方法を確立することに成功した。それにより、本発明者らは、タイヤの切断や粉砕を容易にすると共に、従来方法によるスチール線の除去工程(タイヤチップのクラッシャーによる破砕と磁気分離の繰り返し等の工程)を完全に省くこと、及び分離コストの大幅な低下を計り、タイヤのマテリアルリサイクル化を促進させることに成功して、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、簡便な操作によりタイヤのトレッド部からスチール線を分離、除去する方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、タイヤのトレッド部からスチール線を除去するスチール線除去装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記方法で除去、分離したトレッド部の金属及び/又はゴム部分を再資源化する廃タイヤのリサイクル方法及びそのリサイクル製品を提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、上記スチール線除去装置を構成要素として構築される廃タイヤのトータル・リサイクル・システムを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)タイヤのトレッド部から、スチール線を除去する方法であって、
(a)タイヤを分割してサイドウォール部及びビード部を除きトレッド部を含む部分を得る、
(b)上記トレッド部の内面と外面を反転させて裏返す、
(c)上記裏返したトレッド部を誘導加熱する、
(d)上記加熱により膨化したトレッド部の内面を切開する、及び
(e)スチール線を除去する、
ことを含むことを特徴とするスチール線除去方法。
(2)上記タイヤのトレッド部が、タイヤをその円周方向に分割し、サイドウォール部及びビード部を除外したものである前記(1)記載の方法。
(3)反転させて裏返したトレッド部を、固定装置に取り付けて誘導加熱する前記(1)記載の方法。
(4)反転させて裏返したトレッド部を、回転ドラム、又は回転ロールに取り付けて回転させながら誘導加熱する前記(1)記載の方法。
(5)上記回転ロールが、トレッド部のサイズに応じてロール間の距離を任意に調整できる一対の回転ロールである前記(4)記載の方法。
(6)上記トレッド部のスチール線を誘導加熱して、トレッド部のスチール線混入部分を膨化させる前記(1)記載の方法。
(7)上記トレッド部の膨化した部分を円周方向に沿って1枚又は2枚以上の切断刃を用いて切断して切開する前記(1)記載の方法。
(8)スチール線を、スチール線除去手段で除去する前記(1)記載の方法。
(9)タイヤのトレッド部から、スチール線を除去する装置であって、
(a)タイヤを分割してサイドウォール部及びビード部を除いて得られるトレッド部を含む部分を用いて、該トレッド部の内面と外面を反転させて裏返したトレッド部を取り付ける固定手段、
(b)上記トレッド部を誘導加熱する誘導加熱手段、
(c)上記加熱により膨化したトレッド部の内面を切断して切開する切断手段、
(d)スチール線を除去するスチール線除去手段、
を含むことを特徴とするスチール線除去装置。
(10)上記固定手段が、回転ドラム、又は回転ロールを有する前記(9)記載の装置。
(11)上記回転ロールが、トレッド部のサイズに応じてロール間の距離を任意に調整できる一対の回転ロールである前記(10)記載の装置。
(12)上記一対の回転ロールが、駆動ロールと移動ロールからなる前記(11)記載の装置。
(13)上記誘導加熱手段が、高周波誘導コイルを上記トレッド部に近接させて当該トレッド部のスチール線を加熱する可動部を有する前記(9)記載の装置。
(14)上記切断手段が、トレッド部の膨化した部分を円周方向に沿って同時的に切開するための複数枚の切断刃を有する前記(9)記載の装置。
(15)上記スチール線除去手段が、ブラシ手段を有する前記(9)記載の装置。
(16)前記(1)から(8)のいずれかに記載の方法で除去、分離したトレッド部の金属及び/又はゴム部分を用いてリサイクル製品を再生して再資源化することを特徴とする廃タイヤのリサイクル方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、廃タイヤのトレッド部のスチール線の除去技術に係るものである。
本発明の、タイヤのトレッド部からスチール線を除去する方法は、(1)タイヤからトレッド部を含む部分を分割する、(2)上記トレッド部の内面と外面を反転させて裏返す、(3)上記トレッド部を誘導加熱する、(4)上記加熱により膨化した部分を切開する、及び(5)スチール線を除去する、ことから構成される。
【0011】
本発明の方法について、図面の記載に基づいて具体的に説明する。
タイヤは、図1で示すように、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3に分かれる。この内、ビード部とトレッド部にはスチール線4が組み込まれている。本発明で問題とするのは、タイヤのトレッド部のスチール線の分離である。本発明において、上記トレッド部のスチール線の分離は、好適には、図1で示すように、まず、最初に、タイヤを円周方向に沿って、トレッド部と、サイドウォール部及びビード部に3分割することから出発する。ここで切り取ったトレッド部は、円筒リング状の形をしている。本発明では、この円筒リングの外側を外面ないし接地面7、内側を内面8と呼ぶことにする。上記タイヤの分割方法は、上記方法に制限されるものではなく、上記トレッド部を含む部分を適宜の方法で分割すればよい。
【0012】
次に、図2で示すように、円筒リング状のトレッド部1を反転させて、内面8を外側に、外面の接地面7を内側に裏返す。この反転させて裏返したトレッド部1を、図2のように、好適には、大小一対のロールの外側に位置させて固定する。ここで、大きいロールは、電動機等の駆動機構に直結しており、回転駆動できる。これを駆動ロール5と呼ぶ。また、小さいロールは、駆動機構は持たないが、左右に移動できる機構を持っている。これを移動ロール6と呼ぶこととする。これらの構成は、好適な一例を示すものであり、本発明は、これらに制限されるものではない。
【0013】
次に、図3で示すように、移動ロールを図面上の右方向に移動させ、円筒リング状のトレッド部を軽く引っ張る。更に、これに引っ張りを加えて緊張状態に保った後、図4で示すように、駆動ロールをゆっくり回転させる。次に、回転しているトレッド部に高周波誘導コイル9を近づけ、これによりトレッド部に埋め込まれたスチール線を加熱する。この場合、誘導加熱装置として、例えば、周波数50kHz以上、数10KWレベルの出力の高周波焼き入れ装置が使用されるが、これに制限されるものではなく、これと同効の誘導加熱性能を有する装置であれば同様に使用することができる。また、加熱コイルの形状も制限されない。上記高周波誘導コイルによるトレッド部の加熱方法としては、例えば、上記高周波誘導コイルを固定し、これに回転しているトレッド部を近づける方法、あるいは、固定手段に固定したトレッド部に上記高周波誘導コイルを近づける方法等、適宜の方法が採用される。しかし、その方法は特に制限されるものではない。加熱されたスチール線に接触するゴムは分解してガス化し、加熱により風船状に膨化した部分10が生じる。ゴムがガス化して生じた隙間は、相隣り合うスチール線で生じた各々の隙間と合体して、図5で示すように、風船状に膨れ、空洞11が生じる。これにより、トレッド部1のゴムとスチール線4が分離する。
【0014】
次に、図6で示すように、トレッド部の加熱がその円周方向に沿って一周したとき、トレッド部の内面が風船状に膨れた状態となるので、これに刃物台13に取り付けられた刃物12を接触させて、風船部を切開して切り裂く。刃物12は、図7で示すように、トレッド部の膨らんだ内面の部分の両端を同時に切断して切開できるように、刃物台の両端に刃物12を形成することが好ましい。この場合、刃物の枚数、その形成位置等は、特に制限されるものではない。次いで、上記操作により切り取った内面の部分を取り去れば、容易にスチール線が除去できる状態となる。次いで、その表面をブラシ等の適宜の手段で掃き取れば、タイヤからスチール線が容易に分離できる。これらの構成は、好適な一例を示すものであり、本発明はこれらに制限されるものではなく、適宜設計変更することが可能である。
【0015】
次に、本発明のスチール線除去装置について具体的に説明する。
本発明の装置は、(1)反転させて裏返したトレッド部を取り付ける固定手段、及び(2)上記トレッド部を誘導加熱する誘導加熱手段、を構成要素として含み、更に、(3)上記加熱により膨化した部分を切断する切断手段、及び(4)スチール線を除去するスチール線除去手段、を任意の手段として含むことを特徴としている。上記反転させて裏返したトレッド部を取り付ける固定手段としては、好適には、上記方法で使用した、図2に示される大小一対の駆動ロール5及び移動ロール6が例示される。しかし、これに限らず、固定方式あるいは可動方式の適宜の形態及び機能を有する固定手段を用いることができる。次に、上記トレッド部を誘導加熱する誘導加熱手段としては、好適には、図4に示される、可動方式の高周波誘導コイル9を有するものが例示される。しかし、これに限らず、固定方式の高周波誘導コイルを有するものを含む適宜のタイプの誘導加熱手段を使用することができる。
【0016】
本発明においては、上記装置に、上記加熱により膨化した部分を切開する切断手段、及びスチール線を除去するスチール線除去手段を付加することができる。これらの手段は、好適には、トレッド部の膨化した部分を円周方向に沿って切断して切開するための1枚又は2枚以上の切断刃を有する切断手段、及びトレッド部からスチール線を除去するためのブラシ手段等が例示される。しかし、これらに限らず、これらと同効の機能を有するものであれば適宜の手段を採用することができる。本発明においては、上記固定手段、誘導加熱手段、切断手段及びスチール線除去手段を適宜組み合わせることにより、手動又は自動で作動するスチール線除去装置の基本システムを構築することができる。この場合、上記切断工程ないしスチール線除去工程を、手動で操作することも適宜可能である。
【0017】
更に、本発明においては、上記装置に、上記誘導加熱処理前の廃タイヤ洗浄手段、同選別手段、処理後のトレッド部のゴム部分の研掃手段、同トレッド部の金属及び/又はゴム部分を分別する分別手段、それらの回収手段、二次加工手段及び自動化手段等を付加することができる。それにより、廃タイヤのトレッド部の金属及び/又はゴム部を再資源化するための廃タイヤのトータル・リサイクル・システムを構築することができる。これらの洗浄、選別、研掃、分別、回収ないし二次加工手段及び自動化手段は、当該技術分野において用いられる通常の手段を適宜利用することが可能であり、それらの方法及び装置は特に制限されない。
【0018】
タイヤを誘導加熱し、内面を膨らませ、切り裂き、スチール線を掻き出すことは、その操作自体が容易ではなく極めて困難である。しかしながら、上記したように、タイヤのトレッド部を分割し、これを反転させてその内面を外側に裏返すことによって、簡単な操作で、誘導、加熱、膨化した部分の切り出し、及びスチール線の掻き出し操作が固定手段上で容易に行えるようになる。また、タイヤは、幅、直径、ホイール径等、種々の形や大きさがあり、廃タイヤを処理するには、予めタイヤを種別毎に分類して、サイズや形状毎に処理することが必要である。しかし、本発明では、トレッド部のサイズに応じてロール間の距離を任意に調整できる一対のロールを用いることによって、異なったタイヤサイズのものでも一台の装置で対応することが可能となる。なお、本発明では、誘導加熱によって、トレッド部のゴム部よりスチール線を分離せしめるが、この場合、スチール線に接する部分のゴムのある程度の変質は避け難い場合があり得る。そこで、スチール線を掻き落とし後の工程として、更に、ロール表面で、ワイヤーブラシ等によるゴム部分の研掃工程を加えれば、変質部分を容易に除去することが可能となる。以上のように、本発明は、従来、分離が極めて困難であった廃タイヤからのスチール線の分離を、簡単な装置で、能率的に行うことを可能にするものである。本発明は、廃タイヤのマテリアルリサイクル化を促進せしめることを可能にするものとして有用である。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、タイヤのトレッド部からスチール線を除去する方法及びその装置に係るものである。本発明により奏される格別の作用効果は以下の通りである。
(1)廃タイヤのトレッド部からスチール線を簡便な操作で分離、除去することができる。
(2)従来、分離が困難であった廃タイヤからのスチール線の分離を簡単な装置を用いて、高効率で分離、除去することが可能である。
(3)廃タイヤのマテリアルリサイクルを促進することができる。
(4)廃タイヤのトレッド部の金属及びゴム部分を再資源化することができる。
(5)廃タイヤの新しいリサイクル方法を提供することができる。
(6)上記リサイクル方法で再資源化された金属及びゴム部分から再生されたリサイクル製品を提供することができる。
(7)廃タイヤのトータル・リサイクル・システムを確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、タイヤのトレッド部と、サイドウォール部及びビード部に3分割する一例を示す断面図である。
【図2】図2は、タイヤを反転させて裏返し、一対の駆動ロール及び移動ロールに取り付ける方法の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、移動ロールを右方向に移動させ、トレッド部を引っ張った状態にする方法を示す説明図である。
【図4】図4は、トレッド部をロール上で回転させながら誘導加熱する方法の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、加熱により風船状に膨れて空洞化したトレッド部の部分を示す断面図である。
【図6】図6は、風船状に膨らんだ部分を刃物で切り裂く方法の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、トレッド部の膨化した部分の両端を2枚の刃物で切り裂く方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 スチール線
5 駆動ロール
6 移動ロール
7 接地面
8 内面
9 高周波誘導コイル
10 加熱により風船状に膨化した部分
11 空洞
12 刃物
13 刃物台
Claims (16)
- タイヤのトレッド部から、スチール線を除去する方法であって、
(1)タイヤを分割してサイドウォール部及びビード部を除きトレッド部を含む部分を得る、
(2)上記トレッド部の内面と外面を反転させて裏返す、
(3)上記裏返したトレッド部を誘導加熱する、
(4)上記加熱により膨化したトレッド部の内面を切開する、及び
(5)スチール線を除去する、
ことを含むことを特徴とするスチール線除去方法。 - 上記タイヤのトレッド部が、タイヤをその円周方向に分割し、サイドウォール部及びビード部を除外したものである請求項1記載の方法。
- 反転させて裏返したトレッド部を、固定装置に取り付けて誘導加熱する請求項1記載の方法。
- 反転させて裏返したトレッド部を、回転ドラム、又は回転ロールに取り付けて回転させながら誘導加熱する請求項1記載の方法。
- 上記回転ロールが、トレッド部のサイズに応じてロール間の距離を任意に調整できる一対の回転ロールである請求項4記載の方法。
- 上記トレッド部のスチール線を誘導加熱して、トレッド部のスチール線混入部分を膨化させる請求項1記載の方法。
- 上記トレッド部の膨化した部分を円周方向に沿って1枚又は2枚以上の切断刃を用いて切断して切開する請求項1記載の方法。
- スチール線を、スチール線除去手段で除去する請求項1記載の方法。
- タイヤのトレッド部から、スチール線を除去する装置であって、
(1)タイヤを分割してサイドウォール部及びビード部を除いて得られるトレッド部を含む部分を用いて、該トレッド部の内面と外面を反転させて裏返したトレッド部を取り付ける固定手段、
(2)上記トレッド部を誘導加熱する誘導加熱手段、
(3)上記加熱により膨化したトレッド部の内面を切断して切開する切断手段、
(4)スチール線を除去するスチール線除去手段、
を含むことを特徴とするスチール線除去装置。 - 上記固定手段が、回転ドラム、又は回転ロールを有する請求項9記載の装置。
- 上記回転ロールが、トレッド部のサイズに応じてロール間の距離を任意に調整できる一対の回転ロールである請求項10記載の装置。
- 上記一対の回転ロールが、駆動ロールと移動ロールからなる請求項11記載の装置。
- 上記誘導加熱手段が、高周波誘導コイルを上記トレッド部に近接させて当該トレッド部のスチール線を加熱する可動部を有する請求項9記載の装置。
- 上記切断手段が、トレッド部の膨化した部分を円周方向に沿って同時的に切開するための複数枚の切断刃を有する請求項9記載の装置。
- 上記スチール線除去手段が、ブラシ手段を有する請求項9記載の装置。
- 請求項1から8のいずれかに記載の方法で除去、分離したトレッド部の金属及び/又はゴム部分を用いてリサイクル製品を再生して再資源化することを特徴とする廃タイヤのリサイクル方法。
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