JP2003259932A - 膜状部材の取付構造 - Google Patents

膜状部材の取付構造

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JP2003259932A JP2002060961A JP2002060961A JP2003259932A JP 2003259932 A JP2003259932 A JP 2003259932A JP 2002060961 A JP2002060961 A JP 2002060961A JP 2002060961 A JP2002060961 A JP 2002060961A JP 2003259932 A JP2003259932 A JP 2003259932A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂一体成形したりあるいはテンション付与
するための付帯設備を要せずとも膜状部材を簡単にかつ
低コストでフレームに取り付ける。 【解決手段】 フレーム2と膜状部材1とで弾力性を発
揮する弾性支持面を構成する膜状部材の取付構造におい
て、フレーム2が対向する2辺の少なくとも外側の縁部
の間隔が膜状部材1の装入端よりも広がる拡張縁部2
a,2bを備える一方、膜状部材1にはフレーム2の拡
張縁部2a,2bと幅方向に係合し該拡張縁部2a,2
bに沿って前後方向にスライド可能な横係止部材3a,
3bを備え、横係止部材3a,3bをフレーム2の拡張
縁部2a,2bに係合させてスライドさせて膜状部材1
をフレーム2に装着するのと同時にフレーム2の形状を
利用して膜状部材1にテンションを付与するようにして
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膜状部材の取付構造
に関する。さらに詳述すると、本発明は、椅子の座や背
凭れなどの構造物を膜状の弾性支持要素とこれを支える
フレームとで構成するときの膜状弾性支持要素とフレー
ム、あるいはパーテーション(Partition)の弾力的な
壁材として用いられる弾性膜状面部材(本明細書ではこ
れら膜状の弾性支持要素あるいは面部材などを総称して
膜状部材と呼ぶ)とこれを支えるフレームの取付構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、合板や鋼板、プラスチック板など
の剛体基板と十分な弾力性を発揮する量のウレタンフォ
ームなどのクッション材を使わずに、伸縮性のあるメッ
シュ素材やシート材などの膜状の弾性支持要素とこれを
支えるフレームとで弾力性のある支持構造物(座あるい
は背凭れなど)を構成する技術が提案されている(実公
平8-8673号)。このような膜状弾性支持要素とフレーム
とを組み合わせた弾力性を発揮する支持構造物は、フレ
ームに対して膜状部材にテンションをかけた状態で取り
付けることが一般的である。例えば、図14に示すよう
な膜状部材101の周縁に樹脂から成るフレーム102
を成形して一体化するものの場合、クランプ装置によっ
て一定の張力が付与されている状態の膜状部材101を
フレーム部分を成形する金型内に配置してから樹脂材料
を射出し、フレーム102の成形と同時に膜状部材10
1を固着して一体化するようにしている。フレーム10
2の周縁からはみ出した膜状部材101はフレーム10
2が硬化してから、金型より取り外して切り取る。ま
た、クランプ装置を用いずに膜状部材にテンションをか
けてフレームと膜状部材とを一体化する方法としては、
テンションをかけていない膜状部材を金型内に配置して
おいてからフレームを射出成形し、離型後に成形品を加
熱炉に通すことによって、膜状部材を収縮させてテンシ
ョンをかけるようにした技術も提案されている(特開20
01-78852号)。
【0003】また、射出成形によりフレームと膜状部材
とを一体化する方法以外の膜状部材の取付構造として
は、図15に示すようにフック103で膜状部材101
をフレーム102に引っ掛ける取付方法や、図16に示
すように治具106によりテンションを掛けて支持した
膜状部材101を、長手方向に沿って分割した金属製あ
るいは樹脂製のフレーム104,105で挟み込んで固
定する構造がある。この構造では、テンションをかける
ためにクランプされていた膜状部材101の縁がフレー
ム104、105からはみ出るため、このはみ出し部分
を後で切断する。
【0004】更に、パーテーション(Partition)の分
野においても、近年、面部材として布地のスクリーンを
採用し、軽量化を図ると共に鋼板や板材などの硬質材を
採用する場合に受ける硬質な印象に代えて、柔らかく温
かな印象と触感・材質感を与えることが考えられてい
る。この場合、スクリーンを弛ませずにフレームに取り
付けることが必要であることから、スクリーンの上端と
下端に通される棒状の部材を介してスクリーンを上下方
向に引っ張って支柱に支持させる方法が従来から提案さ
れている。
【0005】例えば、自立可能な2本の支柱の間に、布
製スクリーンの上端と下端の縫製された筒部をそれぞれ
貫通する横桿を引っかけて支持するようにしたものがあ
る(特開2001-152583)。上端側の横桿は、支柱に備え
られた上部支持部材のフランジに引っかけられ、下端側
の横桿はスクリーンによって吊り下げられている。各横
桿は、その両端に円板状のフランジと環状溝とを備え、
この環状溝部分に上部支持部材と支柱に対し摺動可能に
備え付けられている下部押え部材のフランジ部分がそれ
ぞれ嵌め込まれるように係合させられることによって、
左右の支柱に対して着脱自在に取り付けられている。そ
して、吊り下げられたスクリーンの下端の横桿並びに下
部押え部材の自重でスクリーンを上下方向に緊張させる
ようにしている。また、調整ねじを利用した張力調節機
構によりスクリーンの張り具合を調整可能としたスクリ
ーンパネルも提案されている(特開2000-1932)。この
スクリーンパネルは、フレームを構成する一対の桟の間
に可撓性のある面部材例えば布を取付け、一方の桟を調
整ねじの回転により他方の桟から離れるようにあるいは
接近するように調整移動させることによって、面部材の
張り具合を調節可能にするようにしたものである。ここ
で、面部材の張具合を調節する張力調節機構は、左右の
枠材に対して固定される上下の桟を、固定部分と該固定
部分の内側にあって面部材を保持する可動部分との二重
構造とし、少なくとも一方の可動部を調整ねじによって
上下方向に移動可能に支持するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フレー
ムの射出成形と同時に膜状部材をフレームと一体化する
射出成形による取付方法は大型かつ高価な金型やクラン
プ装置などの設備投資が必要となってしまい、コスト高
となる。また、離型後に成形品を加熱してテンションを
かける方法では大型なクランプ装置は必要としないが、
加熱処理を必要とする。また、膜状部材とフレームが一
体化されているため、テンションが弱ってきても調整す
ることが困難であるし、膜状部材をフレームから取り外
して洗濯したり、好みや用途などに応じて交換すること
などはできない。
【0007】さらに、図16に示すテンションを掛けた
膜状部材101をフレーム104,105で挟み込む方
法でもまた、テンションを付与するための手間が掛かる
と共にテンションを付与するための付帯設備が必要にな
ってしまう。しかも、はみ出した膜状部材101をトリ
ミングする作業も必要とする。また、タッカー止めなど
で膜状部材をフレームに取り付ける場合には、テンショ
ンを掛けながらタッカーで止めたりフック103に掛け
たりしなければならないため、作業性が悪く、コスト高
となってしまうし、テンションにばらつきが生じやすく
なる。
【0008】また弾性面部材を使ったスクリーンパネル
においては、いずれも面部材に対しては上下方向には張
力が掛けられて張り詰められているが、左右方向には全
く張力が掛けられてもいなければ支持さえもされていな
いため、面部材の材質によっては、左右両側縁が弛んだ
り、波打ったりする虞があり、安っぽい感じを与えるこ
とがある。即ち、全面を強く張れないために、鋼板を芯
材としたパネル面のような安定感や硬質感を得ることが
できないという不具合がある。しかも、フレームの他
に、張力調節機構などを必要とし、その分だけ重量が増
加すると共に構造が複雑となるし部品点数も多いためコ
スト高ともなる。更には、左右の張力調節機構を同期さ
せて調整作業を進めなければ、桟の内部の可動部が斜め
になったり、こじれを引き起こす虞があるので、調整作
業も簡単ではないし人手を要することとなる。更に、組
み立てのための専用の治具や設備を必要とすると共に、
組み立て作業性に手間がかかりコスト高となる問題を有
している。また、部品点数も多くコスト高となるし、膜
状部材からなる弾力壁材を採用する利点も生かし切れな
い問題を有している。即ち、膜状部材の材質や色、デザ
インなどを消費者の好みなどに応じて自由に変更できな
いなどの問題を有している。
【0009】そこで、本発明は、膜状部材とフレームの
インサート成形のための金型やテンション付与のための
クランプ装置などの特別な設備を必要とせず、手作業に
よって膜状部材のフレームへの取付作業並びに膜状部材
のフレームからの取り外しが簡単に実施できる膜状部材
の取付構造を提供することを目的とする。更に、本発明
は、膜状部材のみの交換も簡単で、膜状部材が汚れたり
損傷した場合にも洗濯したり交換することができ、更に
は好みや用途に合わせて膜状部材の材質や色、デザイン
などを自由に選択・変更できる膜状部材の取付構造を提
供することを目的とする。更に、本発明は、膜状部材と
フレームとの分別廃棄を容易にする膜状部材の取付構造
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、フレームとこれに周縁部が
取り付けられて張り詰められる膜状部材とで弾力性を発
揮する弾性支持面を構成する膜状部材の取付構造におい
て、フレームには対向する2辺の少なくとも外側の縁部
の間隔が膜状部材の装入端よりも広がる拡張縁部を有
し、膜状部材にはフレームの拡張縁部と幅方向に係合し
該拡張縁部に沿って前後方向にスライド可能な横係止部
材を備え、横係止部材をフレームの拡張縁部に係合させ
てスライドさせて膜状部材をフレームに装着するのと同
時にフレームの形状を利用して膜状部材にテンションを
付与するようにしている。ここで、フレームにはさらに
膜状部材の前端と後端を係止する前縁部並びに後縁部を
備え、膜状部材にはフレームの前縁部並びに後縁部に係
止して膜状部材に前後方向の張力を与えて該膜状部材を
固定する縦係止部材とを備え、縦係止部材をフレームの
前縁部及び後縁部に係合させて膜状部材をフレームに装
着するのと同時にテンションを付与することが好まし
い。
【0011】したがって、フレームの拡張縁部に膜状部
材の両側の横係止部材を係合させて拡張縁部に沿って奥
行き方向にスライドさせると、徐々に膜状部材の幅が広
げられ、取付位置にまで達した時には膜状部材のサイズ
およびフレームの拡張縁部間距離並びに前後縁部間距離
によって定まる一定のテンションが付与される。つま
り、膜状部材をフレームの拡張縁部に沿ってスライドさ
せて組み付けようとすると、フレームの左右の拡張縁部
間の間隔が広がることによって、膜状部材が幅方向に引
っ張られて張力が付与され、フレームに膜状部材を取り
付けると同時に所定の幅方向テンションが付与される。
また、フレームの前縁部及び後縁部に係合する縦係止部
材を設けた場合には、縦係止部材をフレームに取り付け
ることで奥行き方向にも張力が付与されると同時に膜状
部材が所定位置に固定される。この場合、横係止部材と
縦係止部材とで膜状部材がフレームに対して前後左右方
向に固定されて外力の付与などに対してもずれが防止さ
れる確実な固定が実施できる一方で、縦係止部材を外し
てから横係止部材を逆方向にスライドさせるだけでフレ
ームから膜状部材を簡単に取り外すことができる。
【0012】更に、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の膜状部材の取付構造を、フレームとこれに
取り付けられる膜状の弾性支持要素とで構成される椅子
の座や背凭れに適用するようにしている。即ち、フレー
ムは椅子の座あるいは背凭れを構成するフレームであ
り、膜状部材は必要な弾力性を発揮させる張力を与えた
状態でフレームに支持されて座面あるいは背凭れ面を構
成する弾性支持要素としている。この場合には、膜状部
材の横係止部材をフレームの拡張縁部に係合させて奥行
き方向にスライドさせ、その後フレームの前縁部と後縁
部に縦係止部材を係止させるだけの簡単な作業で、膜状
部材に座や背凭れとして必要な弾力性を発揮させる張力
を与えた状態でフレームに膜状部材を固定することがで
きる。しかも、フレームの前縁部と後縁部から縦係止部
材を外してから膜状部材を組み立て時とは逆方向にスラ
イドさせるだけの簡単な作業でフレームと膜状部材との
分解が実施できる。したがって、膜状部材の選定により
付与されるテンションを調整して座や背凭れの堅さや弾
力性を変更することができる。また、経年変化などによ
り膜状部材にへたり・弛みが生じても、膜状部材だけを
交換することによって再生できるし、座や背凭れの堅さ
や弾力性を好みのものに交換もできる。加えて、フレー
ムが環状の平板から成る場合、座や背凭れを薄くでき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1〜図8に本発明の膜状部材の取付構造
を椅子の座構造物に適用した実施形態を挙げて説明す
る。尚、本実施形態では、フレーム2は椅子の座枠を構
成し、膜状部材1は必要な弾力性を発揮させる張力を与
えた状態でフレーム2に支持される弾性支持要素であ
り、それ自体で座面を構成するか、あるいはその上にウ
レタンフォームと上張り地を載せて座を構成する際の座
板の代用品として用いられる。
【0015】この座構造物は、フレーム2とこれに周縁
部が取り付けられて張り詰められる膜状部材1とで弾力
性を発揮する弾性支持面を構成するもので、フレーム2
には対向する2辺の少なくとも外側の縁部の間隔が膜状
部材1の装入端よりも広がる拡張縁部2a,2bを備え
る一方、膜状部材1にはフレーム2の拡張縁部2a,2
bと幅方向に係合し該拡張縁部2a,2bに沿って前後
方向にスライド可能な横係止部材3a,3bを備え、横
係止部材3a,3bをフレーム2の拡張縁部2a,2b
に係合させてスライドさせて膜状部材1をフレーム2に
装着するのと同時にフレーム2の形状を利用して膜状部
材1にテンションを付与するようにしている。さらに、
フレーム2には膜状部材1の前端と後端を係止する前縁
部2f並びに後縁部2rを、膜状部材1にはフレーム2
の前縁部2f並びに後縁部2rに係止して膜状部材1に
前後方向の張力を与えて該膜状部材1を固定する縦係止
部材4f、4rを備え、縦係止部材4f、4rをフレー
ム2の前縁部2f及び後縁部2rに係合させて膜状部材
1をフレーム2に装着するのと同時にテンションを付与
するようにしている。ここで、縦係止部材4f、4r
は、場合によっては設けられず、横係止部材3a,3b
と拡張縁部2a,2bとの間にずれ防止手段が設けられ
たり、膜状部材1の縦方向・前後方向のテンションをか
けずにフレーム2の前縁部2f並びに後縁部2rに対し
て膜状部材1の前端並びに後端をずれないように固定す
るだけのずれ防止手段を設けるようにしても良い。例え
ば、横係止部材3a,3bの内面に凸部を形成する一方
でこの凸部と嵌め合わされる凹部を拡張縁部2a,2b
の表面に形成するようにしたり、横係止部材3a,3b
を拡張縁部2a,2bに対してビス止めすることによっ
てずれ防止を図るようにしても良い。尚、本明細書にお
いては、構造物の前後左右に関係なく、膜状部材のスラ
イド方向を基準にし、スライド方向を縦方向ないし前後
方向と呼び、特に膜状部材を装入する方向を奥行き方向
と呼ぶ。また、幅方向ないし左右方向・横方向とはスラ
イド方向と直交する方向を意味するものとして使用して
いる。また、各図における記号Fは椅子の前方側、Rは
後方側を示しており、本実施形態においてはその前後方
向はスライド方向と一致している。
【0016】膜状部材1はフレーム2に装着したときに
伸びて所望のテンションがかかるようにフレーム輪郭形
状よりも小さく形成されている。本実施形態の膜状部材
1は、全体としてほぼ矩形状を成し、四隅が内側に抉ら
れた緩やかな円弧状に形成されて各コーナ部分でフレー
ム2が露出するように設けられている。これによって、
湾曲するコーナ部分での弛みの発生を防ぐようにしてい
る。そして、半円形に抉られたコーナ部分によって四辺
に明瞭に区画された各辺には、横係止部材3a,3bあ
るいは縦係止部材4f,4rが設けられている。
【0017】ここで、膜状部材2としては、少なくとも
拡張縁部2a,2bの間をスライド可能とする程度の伸
縮可能な素材ないし組成・構造でかつ座構造物の弾性支
持要素としての剛性を有するものであれば、その材質な
どには特に限定されないが、メッシュあるいはシート、
フィルム、布地、不織布等の使用が好ましい。特にメッ
シュシートないし繊維補強シートであることが好まし
い。中でも、リサイクル可能なオレフィン系樹脂製ある
いはポリエステル製メッシュシートが好ましく、例え
ば、ポリエステル糸とエラストマ性ポリエステル糸との
織物(例えば、デュポン社製 商品名ダイメトロールと
して知られているメッシュシート)の使用が好ましい。
このポリエステル製メッシュシートは、へたりが少な
い。そして、メッシュシートであることにより、弾力性
や通気性が良好であるので、座り心地の良い快適な座を
得ることができる。また、繊維補強シートとして好適な
ものは、ポリエステルエラストマから成る厚さ1.0m
m程度のシート材であって、その裏面を補強用の布地例
えば120〜240デニールのナイロンまたはポリエス
テル製のタフタで補強したものが挙げられる。補強用布
地によってシート材が補強されることにより、厚さ1.
0mm程度のシート材でも十分な弾力性を有して荷重を
支持することができる。しかしながら、膜状部材1とし
ては、特に上述のメッシュシートや繊維補強シートに限
定されるものではなく、構造物(例えば座)の弾性支持
要素として十分な剛性と弾力性が発揮される材質・構造
・組成のものが適宜使用される。尚、本明細書中で「シ
ート」とは、広さに比べて厚みが薄い形状のものを意味
するが特に厚さ0.1〜2.0mm程度のものを意味し
ており、厚いフィルムも含む概念としている。
【0018】横係止部材3a,3bは、フレーム2の拡
張縁部2a,2bと幅方向に係合し該拡張縁部2a,2
bに沿って前後方向・縦方向にスライド可能なもので、
本実施形態の場合には図1に示すようにフレーム2の両
側の拡張縁部2a,2bの形状に合わせてほぼ直線状に
形成されている。この横係止部材3a,3bは、前後方
向・縦方向にスライド可能な構造及び素材から成る。ま
た、縦係止部材4f、4rは、フレーム2の前縁部2f
並びに後縁部2rに係止して膜状部材1に前後方向の張
力を与えて該膜状部材1を固定するもので、本実施形態
の場合にはフレーム2の前縁部2fと後縁部2rとの形
状に合わせて弓形に形成されている。これら横係止部材
3a,3bあるいは縦係止部材4f,4rは、本実施形
態の場合、フレーム2の各縁部2a,2b,2f,2r
を弾力的に挟み込む「コ」形の断面形状を成す例えばP
ET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロ
ピレン)等のオレフィン系樹脂成形品とし、上辺を下辺
よりも延ばして膜状部材1の縁に縫い付けるようにして
いる。勿論、縦係止部材4f,4rはフレーム2に対し
て摺動させる必要はないので、横係止部材3a,3bと
同じ素材及び構造とする必要はなく、単にフレーム2の
前後縁部2f,2rに引っ掛かり易くかつ外れ難い形状
例えば縦方向に係止するだけのフック形状を有していれ
ば足りる。また、横係止部材3a,3bあるいは縦係止
部材4f,4rは、樹脂成形品には限られず、バネ鋼な
どを折り曲げた所謂板金製品であったり、アルミ押し出
し成形品などであっても構わない。
【0019】このように各横係止部材3a,3bを樹脂
成形品とすることは座の軽量化という点で好ましいばか
りか、構造物の表面に露出する際にも金属のような冷た
さを感じさせない。また、ここでは固着方法として縫製
を採用しているがこれに特に限定されず、各係止部材3
a,3b,4f,4rの材質等に合わせて接着ないしそ
の他の接合手段から適宜選択すればよく、所望の取付強
度が得られるならばいずれかの方法に限定されることは
ない。横係止部材3a,3bや縦係止部材4f,4rの
全てを同じ材質とする必要はないが、テンションをかけ
ながらスライドさせる横係止部材の場合にはフレームに
対して摺動性のよい樹脂製とすることが好ましい。ま
た、膜状部材1とそれに付帯する横係止部材3a,3
b、縦係止部材4f,4r並びに縫製糸ないし接着剤を
PET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプ
ロピレン)等のオレフィン系樹脂で構成すれば、各パー
ツ毎に分離せずにそのまま廃棄したり、あるいは粉砕・
溶融して射出原材料などとしてリサイクルすることがで
きる。
【0020】椅子の座枠として構成されるフレーム2
は、ほぼ矩形の周回する環状枠から成り、座受け部材6
によって支持されている。本実施形態の場合、座受け部
材6は、翼状に左右に広がってフレーム2を支える前後
2箇所の支持板6aと、この2枚の支持板6aを中央で
受け支えるベース6bとによって構成されている。支持
板6aは、図2に示すように両端が持ち上げられるよう
にベース6bに当接する部分の端から上方に折り曲げら
れた形状とされたチャネル材で、着座時に沈んだ膜状部
材1の底が座受部材6のベース6bに付かないようにし
ている。ベース6bは、例えば図2に示すようなチャネ
ル材が用いられたもので、上面に支持板6aが溶接など
により固着されている。本実施形態では、フレーム2並
びに座受部材6とは、共に金属板・鉄板で形成されてい
るが、場合によってはその他の素材例えば合成樹脂や繊
維強化合成樹脂などで形成しても良い。
【0021】また、本実施形態のフレーム2は、椅子の
座として適するように4隅のコーナ部分に緩やかな丸み
が付されている(図1参照)。また、図3に示すよう
に、フレーム前縁部2fは外側に向けて緩やかに膨らま
せられると共に、前側へ垂れ下がるように緩やかな傾斜
が付されるようにして着座者の大腿部裏を圧迫するのを
避けて快適な座り心地が与えられるように設けられてい
る。また、後縁部2rも外側に向けて膨らませるように
湾曲させられている。更に、両側の辺は少なくとも外側
の縁部の間隔が奥行き方向(本実施形態の場合には椅子
の前方側F)に末広がりとなる拡張縁部2a,2bが形
成されている。本実施形態の場合の拡張縁部2a,2b
は、幅が一定の直線状の辺が図示するように中心線に対
して僅かに傾斜して椅子の後方側から前方側に向かうに
つれて徐々に広がるように(テーパ状に)配置されるこ
とによって形成されている。また、本実施形態ではフレ
ーム2を図1及び図3に示すように環状の平板状として
いる。このようにフレーム2を平板状とした場合、座自
体の厚みを薄くすることができると共に椅子の軽量化も
図り得る。
【0022】さらには、フレーム2の裏面の外周側寄り
の部位には、図3に示すように、全周に亘って凹部5が
設けられている。この凹部5は、縦係止部材4r(ある
いはここでは図示していないが縦係止部材4fや横係止
部材3a,3bについても同様)を嵌め込むようにして
係止させた(引っ掛けた)場合に、縦係止部材4rのフ
ック状先端部のフレーム裏面側に周り込んだ部分が凹部
5に収まり、フレーム2の裏面と面一となるか、あるい
はこの裏面よりも凹んだ位置となり、横係止部材3a,
3b及び縦係止部材4f,4rを含めたフレーム2の厚
さを薄くすることが可能となり、外観上も好ましいもの
となる。
【0023】次に、以上のように構成された本実施形態
の膜状部材1をフレーム2に取り付ける際の取付手順に
ついて図4〜図8を参照して説明する。なお、これら図
4〜図8では座受け部材6(支持板6aおよびベース6
b)の図示を省略している。
【0024】まず、膜状部材1は拡張縁部2a,2b間
の間隔が比較的狭いフレーム2の後側からフレーム2の
拡張縁部2a,2bに沿ってスライドさせることによっ
て取り付けられる(図4)。このとき、横係止部材3
a,3bの前端を開いてフレーム2の拡張縁部2a,2
bの後端部に挟み込むように嵌め込む(図5)。この状
態から膜状部材1をさらに前方・奥行き方向へスライド
させると(図6)、フレーム2に沿って横係止部材3
a,3bが移動するため、左右の横係止部材3a,3b
の間隔が広がり、膜状部材1に幅方向のテンションが付
与される。さらに、このまま膜状部材1を奥行き方向へ
スライドさせ、後方側の縦係止部材4rをフレーム2の
後端縁2rに引っ掛かけてから(図7)、図示するよう
に前側の縦係止部材4fを更にフレーム2の前端縁2f
よりも前方へと引っ張り、フレーム2の前縁に縦係止部
材4fを引っ掛ける(図8)。これにより、奥行き方向
にも張力が付与されて取り付けられる。
【0025】膜状部材1をフレーム2に取り付ける作業
は、以上のような簡単な操作にて完了する。このように
してフレーム2に取り付けられた膜状部材1は、横係止
部材3a,3bおよび縦係止部材4f,4rがそれぞれ
フレーム2の縁2a,2b,2f,2rに引っ掛かって
いることから、前後左右方向に適宜テンション(張力)
がかかり、全面に弛みなく張られる。また、膜状部材1
を交換等のために取り外す際には、上述の取付操作とは
逆に、前縁部2fに引っ掛かっている縦係止部材4fを
外してから、左右の横係止部材3a,3bを持って膜状
部材全体を後縁部2r側へとスライドさせれば簡単に外
すことができる。
【0026】図13に、本発明の膜状部材の取付構造を
パーテーションに適用した例について説明する。尚、本
実施形態においては、上述の実施形態と同様の構成につ
いては同一符号を付し、その詳細な説明を省略し、パー
テーション特有の構造等について説明する。
【0027】この実施形態のパーテーション11は、膜
状部材を弾力性を有するパーテーション壁材・膜状面部
材(以下、単に膜状部材と呼ぶ)として採用したもの
で、パーテーション11の輪郭形状を形成するフレーム
2に膜状部材1を張りつめて取り付けることによって構
成され、膜状部材1が有する柔らかく温かな印象と触感
・材質感を与えるものである。
【0028】フレーム2は、膜状部材1の周縁を保持す
ると共にパーテーションとしての形態を定める骨格とし
て機能するもので、任意の枠形状を採りうる。本実施形
態の場合には、フレーム2は平面から成る矩形状の環状
枠であり、その周縁部2a,2b,2f,2rに膜状部
材1の横係止部材3a,3b並びに縦係止部材4f,4
rを嵌め込んで、膜状部材1を張り詰めて取り付けるよ
うに設けられている。フレーム2は、特に大きな荷重を
支えることが想定される用途の場合を除いて、構造的に
はそれほど剛性を有する材質・厚みなどで構成する必要
はないが、通常はアルミニウム合金の型押し材や引き抜
き材、めっき処理が施された鋼板や管材、軽量且つ剛性
に優れる亜鉛ダイキャスト、プラスチック等が主に利用
され、場合によっては木材なども使われる。フレーム2
は、脚部を備えて自立可能とされたり、図示していない
取付具を装備して机やテーブルなどの什器類に支持させ
るようにしても良い。更に、このフレーム2は、幾つか
に分割可能に形成し、ジョイントなどで連結可能とする
ことが好ましい。この場合には、運搬時などに、膜状部
材1とフレーム2とを分離した上に更にフレーム2を分
割してコンパクトに収納できる。
【0029】また、膜状部材1は、椅子の座や背凭れに
用いた上述の実施形態の場合とは異なり、構造材として
の十分な剛性と弾力性が発揮される材質・構造・組成の
ものである必要はなく、一定の張力が与えられる材質・
構造であれば如何なるものでも採用可能であり、パーテ
ーションとしての機能や装飾性などの観点から、相応し
い材質・構造のものが適宜採用される。例えば、パーテ
ーションとしての膜状部材1としては、天然繊維や合成
繊維から成る布地、織物、不織布、メッシュ、フィル
ム、和紙等のほとんどの素材が使用可能である。例え
ば、オレフィン系樹脂製あるいはポリエステル樹脂製の
生地やメッシュシート例えばポリエステル糸とエラスト
マ性ポリエステル糸との織物(デュポン社製 商品名ダ
イメトロールとして知られている)はリサイクル可能で
あり好ましい。しかも、このダイメトロールはへたりが
少なくかつメッシュシートであることにより、弾力性や
通気性が良好であるので、長期の使用にも弛まないし、
視線を遮るパーテーションの働きをしながら、同時に空
気の流通を可能として空調の妨げとならず、心地良い快
適な環境を作り出すことができる。勿論、他の素材であ
ってもメッシュ構造であれば視線の遮蔽と通気性との両
立などの効果を奏することができるし、さらに素材ごと
の独特の感触や光沢などが醸し出す優雅さや清涼感など
が更に快適な環境を作り出すこととなる。また、繊維補
強シートの採用は大きなテンションの付与を可能とし、
その状態において硬質な質感を与えることができる。
【0030】このパーテーション11におけるフレーム
2は、図13において詳しくは図示されていないが例え
ば上フレーム(上辺に該当する部分)2rが下フレーム
(下辺に該当する部分)2fよりも僅かに短く、下フレ
ーム2fから上フレーム2rへ向かうにつれ徐々に幅狭
となる台形形状とされている。即ち、本実施形態のフレ
ーム2では上辺2rから下辺2fへ向かう方向が奥行き
方向であり、フレーム2の両側に下辺2fに向かうほど
の外側の縁部の間隔が広がる所謂拡張縁部2a,2bが
構成されている。一方、膜状部材1には、その両側にフ
レーム2の拡張縁部2a,2bに沿ってスライド可能な
横係止部材3a,3bを備えるとともに、上フレーム2
rおよび下フレーム2fに係止可能な縦係止部材4f,
4rを備えている。また、フレーム2の大きさと膜状部
材1の大きさとの関係は、膜状部材1の伸縮性や取付時
にどの程度のテンションを付与するか等によって異なる
が、テンションがかけられる前の状態で膜状部材1がフ
レーム2より僅かに小さくなるように形成されている。
【0031】このようなパーテーション11において
は、フレーム2に膜状部材1を簡単に取り付けることが
でき、しかも膜状部材1にテンションを付与するのに治
具や装置を必要としないので簡単かつコストが安価とな
る。即ち、フレーム2の上フレーム2r側から膜状部材
1を被せ、横係止部材3a,3bを横フレームの拡張縁
部2a,2bに係止させて所定位置(図13に示すパー
テーション11においては、フレーム2の全面を膜状部
材1が覆い被さる位置)までスライドさせることによっ
て、膜状部材1にテンションがフレーム形状を利用して
かけられる。この場合、両側の拡張縁部2a,2bに沿
ってスライドする横係止部材3a,3bは、それらの間
の間隔を徐々に広げ所定の大きさの幅方向のテンション
を膜状部材1に付与する。また、この所定位置において
上側の縦係止部材4rが上フレーム2rに係止されてい
れば、下側の縦係止部材4fを下フレーム2fに係止さ
せることによって、膜状部材1に高さ方向にも所定のテ
ンションが付与されると共にパーテーション11の組み
立てが完了する。また、パーテーション11を分解した
り、膜状部材1を交換するときには、上述とは逆の操作
を行うことにより簡単に実施できる。
【0032】以上のように構成されるパーテーション1
1は、オフィスで簡単に組み立てられ尚かつ分解可能で
あるので、運搬時の大きさを極端に小さくして搬送コス
トを圧縮できる。しかも、この膜状部材1の取替はオフ
ィスなどで簡単にできるので、オフィス環境等に応じて
あるいはそこで働く人等の好みに合わせて、膜状部材1
の材質や色、デザインなどを自由に選択・変更できる。
また、膜状部材1の壁材が汚れたり損傷した場合にも、
簡単に取り外して洗濯したり交換したりすることができ
る。更には、部品点数も少なく低コストとなる。
【0033】なお、上述の実施形態は本発明の好適な形
態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば本実施形態では金属製の環状フレーム2に
膜状部材1を取り付ける場合について示したが、フレー
ム2はこのような形状に限られることはなく、対向する
2辺の少なくとも外側の縁部の間隔が膜状部材1の装入
端よりも広がる拡張縁部2a,2bを備えていれば足
り、その他の形状上の制約は受けない。例えば、図9に
示すように、フレーム2が前部2f、後部2r、両側部
2a,2bの4つの部材に分割されて構成されることも
ある。このような場合においても、両側部のフレーム2
a,2bをそれらの間の間隔が膜状部材の装入端となる
後部フレーム2r側寄りよりも広い部分が奥行き方向に
存在する形状ないし配置となるように、即ち前部フレー
ム2f側寄りの方が広くなるように(図9では後方側か
ら前方側へ徐々に広がるように)配置されておれば良
い。また、前後のフレーム2f,2rによって前方側縦
係止部材4fと後方側縦係止部材4rとを係止させるこ
とができれば、上述の実施形態の場合と同様、膜状部材
1を簡単に取り付けると同時にテンションを付与するこ
とができる。なお、図9に示すように、前後のフレーム
2f,2rはベース6bによって支持されている。ま
た、拡張縁部2a,2bは少なくとも外側の縁部の間隔
が末広がりとなるように形成されておれば足り、拡張縁
部2a,2bの内側の縁部が互いに平行あるいは逆に奥
行き側に向けて狭まるような関係に設けられていても支
障はない。
【0034】また、フレーム2の形状は本実施形態のよ
うに板状である場合に限らない。例えば、図9に示すよ
うにフレーム2が分割されているような場合には、直管
から成るパイプフレームで拡張縁部2a,2bを構成す
るようにしても良い(図10参照)。この場合には、横
係止部材3a,3bはパイプフレーム2a,2bの周り
に嵌ってスライド可能なパイプを採用しても良いし、あ
るいは図11に示すように、パイプフレームからなる拡
張縁部2a,2bの長手方向にスリット12を設け、該
スリット12を貫通して頭部13を引っ掛かけるT字形
状の横係止部材3a,3bを採用し、管軸方向・長手方
向にスライド可能なようにしても良い。
【0035】また、拡張縁部2a,2bを構成する対向
する2辺も、図示したハの字形に限られず、途中に最大
拡張領域を有する形状、例えば「()」や「O」などの
ような形状でも良い。即ち、フレーム2の拡張縁部2
a,2bは、縁部間の距離が徐々に増していくようにし
たものに限られず、膜状部材1のフレーム2への装入端
を除く部分に膜状部材1にテンションをかけて係止させ
る平行な縁部を有する形状など、少なくとも膜状部材1
をスライドさせることによって横係止部材3a,3bの
間隔が広がるような変位を与えられるものの全てを含
む。即ち、拡張縁部2a,2bのスライド方向に対する
傾き(テーパ)はフレーム2のスライド領域の全域に与
えられる(形成される)必要はなく、一部領域例えば奥
行き端部付近を平行な間隔としても良い。例えば、図1
2に示すように、フレーム自体を緩やかに湾曲させ、フ
レーム2の両側の拡張縁部2a,2b間の間隔は開くが
前側に近付くほどその増加割合が減り、徐々に一定幅に
収束するような形状であっても構わない。
【0036】また、本実施形態においては膜状部材1に
横係止部材3a,3b並びに縦係止部材4f,4rを縫
い付けて固着したが、場合によってはこれら横係止部材
3a,3bを着脱可能に取り付けたり、膜状部材1に対
する取付位置を自由に切り換えられるように取り付ける
ことも可能である。例えば、膜状部材1に対し着脱可能
な留め具(例えばフックのようなものなど)を膜状部材
1の両側付近に複数列設け、これらの中から任意の留め
具列を選択して横係止部材3a,3bに留め付けること
によって横係止部材3a,3bの取付位置を切り換える
ことができる。あるいは、取付位置の異なる複数の係止
部材を膜状部材に設け、あるいは膜状部材に対する複数
の取付位置を有する係止部材を準備し、拡張縁部に係止
する係止部材を選択するか、膜状部材に取り付ける係止
部材の取付位置を選択することにより、両側の横係止部
材3a,3bの取付幅を変更することによって膜状部材
1の取付時のテンションを適宜変更することもできる。
【0037】また、本実施形態では膜状部材1の4辺に
横係止部材3a,3b並びに縦係止部材4f,4rを各
々1つずつ配置した例を示したが、これに限られず、フ
レーム形状に沿って複数あるいは更に細かく分割するよ
うにしてもよい。例えばフレーム並びに膜状部材として
比較的複雑な形状が採用されたような場合、複数に分割
された横係止部材3a,3bを設けることが好ましい。
この場合、複雑な形状のフレーム2に対してもこのよう
な分割された横係止部材3a,3bを用いることにより
拡張縁部の輪郭形状に沿って変形し逸脱することなくス
ライドさせることができるようになる。
【0038】また、本実施形態ではフレーム2の形状を
前広後狭とし、膜状部材1を後方側からフレーム2に被
せてスライドさせる場合について説明したが、これとは
逆に前狭後広としても構わないし、椅子の前後方向では
なく幅方向にテーパを付すように拡張縁部2a,2bを
設けるようにしても良いし、対向する一対のフレームの
辺の一方の外側縁部にのみスライド方向に対する傾きを
設けることにより拡張縁部を構成するようにしても良
い。
【0039】また、本実施形態においては椅子の座に適
用した例を示したが、この取付構造を椅子の背凭れに適
用すれば、座の場合と同様、背凭れを構成する膜状部材
1を簡単に取り付けあるいは取り替えることが可能とな
るし、背凭れを薄くして軽量化を図ることも可能とな
る。さらに、本発明の膜状部材1の取付構造は、これら
椅子の座や背凭れ以外にも膜状部材1を簡便に取り付け
たり取り替えたりすることのある、あらゆる機器や装置
等に適用して好適なものであり、適用範囲が椅子に限定
されるものではない。
【0040】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の膜状部材の取付構造によると、フレームの形状
を利用して膜状部材を取り付けると同時にテンションを
付与することができるので、膜状部材の取付作業にクラ
ンプ装置やインサート成形のための金型などの特別な設
備を必要とせず、手作業で膜状部材の取付とテンション
付与作業が実施できると共に、テンションをかけながら
膜状部材を留め付けるような取付工程や熱処理工程も不
要となる。また、膜状部材の取り外しも、奥行き側の縦
係止部材をフレーム前縁部から取り外して膜状部材を手
前側に引っ張るようにスライドさせるだけの簡単な作業
で実施できる。したがって、少量生産に向いた低コスト
の取付構造であって、製造コストを大幅に削減すること
ができる。
【0041】さらに、膜状部材をスライドさせて係止部
材を引っかけるだけの構造としたので、取付ねじやフッ
ク等を必要とせずその分の部品と手間が省けると共に、
フレームと膜状部材とを容易に分離して分別廃棄でき
る。しかも、膜状部材のへたりなどでテンションが弱っ
てきたときや損傷したときにも膜状部材を交換すること
ができるし、膜状部材が汚れた場合にも簡単に洗濯した
り交換したりすることができるし、好みや用途に合わせ
て膜状部材の材質や色、デザインなどを自由に選択・変
更できる。さらに、組み付けにより付与されるテンショ
ンは膜状部材のサイズや材質、フレーム間の距離によっ
て一義的に定まる一定のものであることから、大量生産
する場合にも作業者の熟練度や設備に関係なく安定した
テンションを付与することができ、品質のばらつきを少
なくできる。
【0042】また、請求項2記載の発明によると、縦係
止部材をフレームに取り付けることで奥行き方向にも張
力が付与される同時に膜状部材が所定位置に固定される
ので、フレームに対して膜状部材が前後左右方向にテン
ションがかかると共にずれるのが防止される。さらに、
縦係止部材を外してから横係止部材を逆方向にスライド
させるだけでフレームから膜状部材を簡単に取り外すこ
とができる。
【0043】請求項3記載の発明によると、座や背凭れ
などの構造物のフレームの成形と膜状部材の取付けとを
金型を使った樹脂成形によって同時に行う一体的取付方
法と比べて、多大な金型投資が不要となることから、少
量生産に向いた低コストの取付構造であって、製造コス
トを大幅に削減することができる。しかも、膜状部材の
選定により付与されるテンションを調整して座や背凭れ
の堅さや弾力性を容易に変更することができる。さら
に、経年変化などにより膜状部材にへたり・弛みが生じ
ても、膜状部材だけを交換することによって再生できる
し、座や背凭れの堅さや弾力性を好みのものに交換もで
きる。加えて、フレームの厚さに構造物の厚さが依存す
るので座や背凭れを薄くできる。また、内枠と外枠によ
って膜状部材を挟み込む構造などと比較しても部品点数
も少なくできることからコストを下げることができる利
点を有する。しかも、膜状部材たる弾性支持要素のフレ
ームへの取付・取り外しは、専用の治具や設備を必要と
せず、手作業あるいは簡単な工具の使用で簡単に実施で
きるので、椅子の購入者あるいは使用者自身が用途や好
みに合わせて膜状部材の材質や色、堅さなどを自由に選
択・変更できるし、膜状部材が汚れたり損傷した場合に
も簡単に取り外して洗濯したり交換したりすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる膜状部材の取付構造を椅子の座
構造物に適用した一実施形態を示す平面図である。
【図2】同座構造物の正面図である。
【図3】同座構造物の左側面図である。
【図4】同座構造物の膜状部材の取付手順を示す平面図
で、組み付け直前の膜状部材とフレームを示す。
【図5】同座構造物の膜状部材の取付手順を示す平面図
で、装入開始時の膜状部材とフレームを示す。
【図6】膜状部材の取付手順を示す平面図で、装入途中
の膜状部材とフレームを示す。
【図7】膜状部材の取付手順を示す平面図で、装入完了
時の膜状部材とフレームを示す。
【図8】膜状部材の取付手順を示す平面図で、膜状部材
の前縁部を引っ張って縦係止部材をフレーム前縁部に引
っかける状態を示す。
【図9】本発明にかかる膜状部材の取付構造を椅子の座
構造物に適用した他の実施形態を示す平面図である。
【図10】拡張縁部と横係止部材の他の実施形態を示す
斜視図である。
【図11】拡張縁部と横係止部材の他の実施形態を示す
横断面図である。
【図12】本発明にかかる膜状部材の取付構造を椅子の
座構造物に適用した更に他の実施形態を示す平面図であ
る。
【図13】本発明の膜状部材の取付構造を適用したパー
テーションの実施形態を示す斜視図である。
【図14】従来の膜状部材を利用した座構造物の一例を
示す部分断面斜視図である。
【図15】従来の膜状部材を利用した座構造物の他の例
を示す部分断面斜視図である。
【図16】従来の膜状部材を利用した座構造物の更に他
の例を示す縦断面図であり、(A)は嵌合前、(B)は
嵌合後をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 膜状部材 2 フレーム 2a,2b フレームの拡張縁部 2f フレームの前縁部 2r フレームの後縁部 3a,3b 横係止部材 4f,4r 縦係止部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームとこれに周縁部が取り付けられ
    て張り詰められる膜状部材とで弾力性を発揮する弾性支
    持面を構成する膜状部材の取付構造において、前記フレ
    ームは対向する2辺の少なくとも外側の縁部の間隔が前
    記膜状部材の装入端よりも広がる拡張縁部を有し、前記
    膜状部材は前記フレームの前記拡張縁部と幅方向に係合
    し該拡張縁部に沿って前後方向にスライド可能な横係止
    部材を備え、前記横係止部材を前記フレームの拡張縁部
    に係合させてスライドさせて前記膜状部材を前記フレー
    ムに装着するのと同時に前記フレームの形状を利用して
    前記膜状部材にテンションを付与することを特徴とする
    膜状部材の取付構造。
  2. 【請求項2】 前記フレームは前記膜状部材の前端と後
    端を係止する前縁部並びに後縁部を有し、前記膜状部材
    は前記フレームの前記前縁部並びに後縁部に係止して前
    記膜状部材に前後方向の張力を与えて該膜状部材を固定
    する縦係止部材とを備え、前記縦係止部材を前記フレー
    ムの前記前縁部及び後縁部に係合させて前記膜状部材を
    前記フレームに装着するのと同時にテンションを付与す
    ることを特徴とする請求項1記載の膜状部材の取付構
    造。
  3. 【請求項3】 前記フレームは椅子の座あるいは背凭れ
    を構成するフレームであり、前記膜状部材は必要な弾力
    性を発揮させる張力を与えた状態で前記フレームに支持
    されて座面あるいは背凭れ面を構成する弾性支持要素で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の膜状部材
    の取付構造。
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JP2011045575A (ja) * 2009-08-27 2011-03-10 Kokuyo Co Ltd 椅子

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JP2010240276A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Toyota Boshoku Corp 車両用シートの面状弾性体の組み付け構造
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