JP2003258482A - ポリイミド多孔質膜複合材料および電磁波吸収体 - Google Patents

ポリイミド多孔質膜複合材料および電磁波吸収体

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JP2003258482A
JP2003258482A JP2002052068A JP2002052068A JP2003258482A JP 2003258482 A JP2003258482 A JP 2003258482A JP 2002052068 A JP2002052068 A JP 2002052068A JP 2002052068 A JP2002052068 A JP 2002052068A JP 2003258482 A JP2003258482 A JP 2003258482A
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polyimide porous
polyimide
porous film
film
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Nobuo Oya
修生 大矢
Shigeru Yao
滋 八尾
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波吸収材を主材とし、プラスチック等を
マトリックスとしてシ−ト状に成形した電磁波吸収体と
して満足な電磁波吸収量を呈するフィルム状電磁波吸収
体、特に、耐熱性とともに電磁波吸収特性を有する電磁
波吸収フィルムの製造は困難であるとされており、耐熱
性の高いポリイミド多孔質膜を基材とするハイブリッド
材料であるポリイミド多孔質膜複合材料および電磁波吸
収体を提供する。 【解決手段】 両面に貫通した非直線性細孔を有するポ
リイミド多孔質膜の細孔内に少なくとも1種の物質を物
理的および/または化学的相互作用により充填保持され
てなるポリイミド多孔質膜複合材料および前記のポリイ
ミド多孔質膜複合材料を用いた電磁波吸収体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド多孔質
膜を基材とするハイブリッド材料であるポリイミド多孔
質膜複合材料および電磁波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多孔質膜内細孔に異なる物質を充
填保持することによって新たな機能を発現するする試み
がなされている。例えば、ベ−スとなる多孔質膜とし
て、セラミックスおよびポリマ−系多孔質膜を用いたも
のが知られている。これらの多孔質膜は、耐熱性、化学
的安定性、機械的物性、寸法安定性のいずれかが劣り、
材料設計の自由度が少ないことが知られている。
【0003】近来、レ−ダや通信機器等では使用周波数
がミリ波帯の高い領域に移行されつつあり、これに伴い
電磁波吸収シ−トの開発が要求されている。
【0004】最近、長さ100〜1000μm、コイル
直径1〜10μm、コイルピッチ0〜1μmのマイクロ
コイル状カ−ボン繊維が10GHz前後の周波数帯の電
磁波吸収材として開発されている。このマイクロコイル
状カ−ボン繊維は、ニッケル粉末触媒を塗布したグラフ
ァイト基板を内部に配置した反応管にアセチレン系原料
ガス(アセチレンに水素、窒素、チオフェン等の不純物
を混合)を上方から、かつ温度約750℃で流動接触さ
せて基板上に炭素繊維をコイル状に成長させ、これを研
削剥離し、更に必要に応じ粉砕機で粉砕することにより
得られる。かかるマイクロコイル状カ−ボン繊維が電磁
波を吸収する機構は、マイクロコイル状カ−ボン繊維が
電磁気的にコイルとして作用しレンツの法則に従いコイ
ル内に誘導起電力による誘導電流が流れジュ−ル熱損失
が発生し、かかる現象が電磁波の円偏波のために増大さ
れる結果であるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電磁波吸収材を主材と
し、プラスチック等をマトリックスとしてシ−ト状に成
形した電磁波吸収体は公知であるが、満足な電磁波吸収
量を呈するフィルム状電磁波吸収体、特に、耐熱性とと
もに電磁波吸収特性を有する電磁波吸収フィルムの製造
は困難であるとされている。この発明の目的は、耐熱性
の高いポリイミド多孔質膜を基材とするハイブリッド材
料であるポリイミド多孔質膜複合材料および電磁波吸収
体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、両面に貫通
した非直線性細孔を有するポリイミド多孔質膜の細孔内
に少なくとも1種の物質を物理的および/または化学的
相互作用により充填保持されてなるポリイミド多孔質膜
複合材料に関する。また、この発明は、前記のポリイミ
ド多孔質膜複合材料を用いた電磁波吸収体に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の好ましい態様を
列記する。 1)少なくとも1種の物質が、金属である上記のポリイ
ミド多孔質膜複合材料。 2)金属が、ポリイミド多孔質膜の内壁に被覆された状
態である上記のポリイミド多孔質膜複合材料。 3)金属が、電解メッキ等によって厚みを増し細孔内の
空隙をすべて埋めてなる上記のポリイミド多孔質膜複合
材料。
【0008】この発明における両面に貫通した非直線性
細孔を有するポリイミド多孔質膜は、例えばポリイミド
前駆体0.3〜60重量%と溶媒99.7〜40重量%
からなる溶液を調製し、前記溶液をフィルム状に流延
し、溶媒置換速度調整材を介して凝固溶媒に接触させる
ことによってポリイミド前駆体を析出、多孔質化した
後、該ポリイミド前駆体多孔質フィルムを熱処理或いは
化学処理することによって得ることができる。
【0009】前記のポリイミド前駆体とは、テトラカル
ボン酸成分とジアミン成分の好ましくは芳香族化合物に
属するモノマ−を重合して得られたポリアミック酸或い
はその部分的にイミド化したものであり、熱処理或いは
化学処理することで閉環してポリイミド樹脂とすること
ができる。ポリイミド樹脂とは、後述のイミド化率が約
50〜100%、特に80〜100%の耐熱性ポリマ−
である。
【0010】ポリイミド前駆体の溶媒として用いる有機
溶媒は、パラクロロフェノ−ル、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、テトラメチル尿素、フェノ−ル、クレゾ−ル
などが挙げられる。
【0011】テトラカルボン酸成分とジアミン成分は、
上記の有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、対数粘
度(30℃、濃度;0.5g/100mL NMP)が
0.3以上、特に0.5〜7であるポリイミド前駆体が
製造される。また、重合を約80℃以上の温度で行った
場合に、部分的に閉環してイミド化したポリイミド前駆
体が製造される。
【0012】ジアミンとしては、特に制限はないが、好
適にはパラ−フェニレンジアミン(以下、p−PDAと
略記することもある)、メタ−フェニレンジアミンなど
の芳香族ジアミンが挙げられる。また、前記のジアミン
成分としては、ジアミノピリジンであってもよく、具体
的には、2,6−ジアミノピリジン、3,6−ジアミノ
ピリジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4−ジアミ
ノピリジンなどが挙げられる。ジアミン成分は上記の各
ジアミンを2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0013】前記のテトラカルボン酸成分としては、好
適にはビフェニルテトラカルボン酸成分が挙げられ、例
えば3,3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもあ
る)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもあ
る)が好ましいが、2,3,3’,4’−又は3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、あるい
は2,3,3’,4’− 又は3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸の塩またはそれらのエステル
化誘導体であってもよい。ビフェニルテトラカルボン酸
成分は、上記の各ビフェニルテトラカルボン酸類の混合
物であってもよい。
【0014】また、上記のテトラカルボン酸成分は、ビ
フェニルテトラカルボン酸成分の一部あるいは全部をピ
ロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)スルホン,ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エ−テル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
チオエ−テルあるいはそれらの酸無水物、塩またはエス
テル化誘導体などの芳香族テトラカルボン酸類で置き換
えてもよい。またこれら芳香族テトラカルボン酸成分の
一部あるいは全部を脂環族テトラカルボン酸、あるいは
それらの酸無水物、塩またはエステル化誘導体で置き換
えてもよい。
【0015】重合されたポリイミド前駆体は、前記有機
溶媒に0.3〜60重量%、好ましくは1〜30重量%
の割合で溶解してポリイミド前駆体溶液に調製される
(重合溶液をそのまま用いても良い)。また、調製され
たポリイミド前駆体溶液の溶液粘度は10〜10000
ポイズ、好ましくは40〜3000ポイズである。溶液
粘度が10ポイズより小さいと多孔質膜を作製した際の
フィルム強度が低下するので適当でなく、10000ポ
イズより大きいとフィルム状に流延することが困難とな
るので、上記範囲が好適である。
【0016】ポリイミド前駆体溶液は、フィルム状に流
延された後、例えば少なくとも片面に溶媒置換速度調整
材を配した積層フィルムとされる。ポリイミド前駆体溶
液の流延積層フィルムを得る方法としては特に制限はな
いが、該ポリイミド前駆体溶液を基台となるガラス等の
板上或いは可動式のベルト上に流延した後、流延物表面
を溶媒置換速度調整材で覆う方法、該ポリイミド前駆体
溶液をスプレ−法或いはドクタ−ブレ−ド法を用いて溶
媒置換速度調整材上に薄くコ−ティングする方法、該ポ
リイミド前駆体溶液をTダイから押出して溶媒置換速度
調整材間に挟み込み、両面に溶媒置換速度調整材を配し
た3層積層フィルムを得る方法などの手法を用いること
ができる。
【0017】溶媒置換速度調整材としては、前記多層フ
ィルムを凝固溶媒と接触させてポリイミド前駆体を析出
させる際に、ポリイミド前駆体の溶媒及び凝固溶媒が適
切な速度で透過する事が出来る程度の透過性を有するも
のが好ましい。溶媒置換速度調整材の膜厚は5〜500
μm、好ましくは10〜100μmであり、フィルム断
面方向に貫通した0.01〜10μm、好ましくは0.
03〜1μmの孔が十分な密度で分散しているものが好
適である。溶媒置換速度調整材の膜厚が上記範囲より小
さいと溶媒置換速度が速すぎる為に析出したポリイミド
前駆体表面に緻密層が形成されるだけでなく凝固溶媒と
接触させる際にシワが発生する場合があるので適当でな
く、上記範囲より大きいと溶媒置換速度が遅くなる為に
ポリイミド前駆体内部に形成される孔構造が不均一とな
る。
【0018】溶媒置換速度調整材としては、具体的に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、セルロ−スなどを材料とした不織布或いは多孔膜な
どが用いられ、特にポリオレフィン製の微多孔質膜を用
いた際に、製造されたポリイミド多孔質フィルム表面の
平滑性に優れるので好適である。
【0019】前記のポリイミド前駆体流延物は、溶媒置
換速度調整材を介して凝固溶媒と接触させることでポリ
イミド前駆体の析出、多孔質化を行う。ポリイミド前駆
体の凝固溶媒としては、エタノ−ル、メタノ−ル等のア
ルコ−ル類、アセトン、水等のポリイミド前駆体の非溶
媒またはこれら非溶媒99.9〜50重量%と前記ポリ
イミド前駆体の溶媒0.1〜50重量%との混合溶媒を
用いることができる。非溶媒及び溶媒の組合わせには特
に制限はないが、凝固溶媒に非溶媒と溶媒からなる混合
溶媒を用いた場合に析出したポリイミド前駆体の多孔質
構造が均一となるので好適である。
【0020】多孔質化されたポリイミド前駆体フィルム
は、ついで熱処理或いは化学処理が施される。ポリイミ
ド前駆体フィルムの熱処理は、溶媒置換速度調整材を取
り除いたポリイミド前駆体多孔質フィルムをピン、チャ
ック或いはピンチロール等を用いて熱収縮が生じないよ
うに固定し、大気中にて280〜500℃で5〜60分
間行われる。
【0021】ポリイミド前駆体多孔質フィルムの化学処
理は、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物を脱水剤として
用い、トリエチルアミン等の第三級アミンを触媒として
行われる。また、特開平4−339835号公報のよう
に、イミダ−ル、ベンズイミダゾ−ル、もしくはそれら
の置換誘導体を用いても良い。
【0022】ポリイミド前駆体多孔質フィルムの化学処
理は、ポリイミド多孔質フィルムを複層構成で製造する
場合に好適に用いられる。複層ポリイミド多孔質フィル
ムは、例えば溶媒置換速度調整材として用いるポリオレ
フィン微多孔膜表面をポリイミド多孔質層との界面接着
性を改良するためにプラズマ、電子線或いは化学処理し
た後、ポリイミド前駆体溶液流延物と複層化し、凝固溶
媒との接触によってポリイミド前駆体溶液流延物を析
出、多孔質化し、次いで化学処理を行うことで製造する
ことができる。複層ポリイミド多孔質フィルムの化学処
理は、積層する溶媒置換速度調整材の融点或いは耐熱温
度以下の温度範囲で行われることが好ましい。
【0023】熱処理あるいは化学処理したポリイミド多
孔質フィルムのイミド化率は、50%以上、好ましくは
75%以上である。イミド化率が50%より小さいと、
加熱使用時に電池内で脱水による水分を発生させる可能
性があるため適当でない。
【0024】イミド化率は赤外吸収スペクトルを用いる
方法(ATR法)により、740cm-1或いは1780
cm-1のイミド基の特性吸収と、内部標準としてのフェ
ニル基の1510cm-1の吸収との吸光度比を計算によ
り求め、別に求めたイミド化率100%のポリイミドフ
ィルムにおける対応する吸光度比との比率として百分率
(%)の単位にて示した。
【0025】このようにして製造されるポリイミド多孔
質フィルムは、前記製造条件の選択によっても多少異な
るが、両面に貫通した非直線性細孔を有し、好適には空
孔率が10〜85%、平均孔径が0.05〜1μmであ
る。空孔率が低すぎると機能が十分でなく、また大きす
ぎると機械的強度が悪くなる。また、平均孔径が小さす
ぎると有機または無機材料の充填が困難となり、平均孔
径が大きすぎると機械的強度が小さくなるので好ましく
ない。また、該ポリイミド多孔質フィルムは単層或いは
複層のいずれの構成であってもよく、フィルム全体の膜
厚が5〜100μm、ポリイミド多孔質層の耐熱温度は
200℃以上、また、105℃で8時間熱処理した際の
熱収縮率は±1%以下であるものが好ましい。
【0026】この発明における電解質液との親和性を有
する材料として、電解質液との親和性を有するポリマ−
の前駆体が挙げられる。
【0027】この発明のポリイミド多孔質膜複合材料お
よびその一例である電磁波吸収体は、例えば、細孔内に
パラジウムなどの金属触媒を担持させた後、無電解金属
メッキすることによって得ることができる。
【0028】前記の無電解メッキ法で金属被覆層( 銅、
ニッケル、コバルト、錫、銀、金、白金など)を析出さ
せる際に、アルカリ処理、酸処理、無電解メッキ液浸
漬、乾燥の各工程からなるのが好ましい。
【0029】前記の無電解メッキ法におけるアルカリ処
理工程は、カ性ソ−ダの濃度が3〜50g/l、特に5
〜10g/l 、又アルカリ液中に非イオン系界面活性
剤又は陰イオン系界面活性剤を0.1〜10g/l、特
に1〜2g/l併用することが好ましい。処理温度は室
温〜70℃、特に室温〜50℃、処理時間が30秒〜1
5分、特に1〜2分で行う。アルカリ処理後は水洗を充
分行う。
【0030】無電解メッキ法において酸処理を行わなく
てもよいが、活性化又は酸化皮膜の除去の観点から行う
のが好ましく、酸処理工程は98%硫酸の濃度が3〜5
0g/l、特に5〜20g/l、温度が10〜50℃、
特に20〜30℃で、処理時間が1〜2分間行う。酸処
理後は水洗を充分行う。
【0031】前記の無電解メッキ法の無電解液浸漬工程
は、例えば銅被覆層を析出させる場合では硫酸銅、塩化
銅、硝酸銅、酢酸銅のうちの一つを5〜30g/lの濃
度、特に10〜15g/lの濃度、エチレンジアミンテ
トラ酢酸、ロッセル塩などの錯化剤20〜100g/l
の濃度、特に40〜50g/lの濃度、ホルムアルデヒ
ド2〜30g/lの濃度、特に7〜18g/lの濃度、
安定剤少量の溶液をカ性ソ−ダ、カ性カリでpHを1
2.4〜13.0程度に調整し、温度20〜70℃で1
0〜100分間、空気撹拌を行いながら浸漬する。その
後水洗を充分行うことが好ましい。
【0032】前記の無電解メッキ法における乾燥工程
は、空気又は窒素気流中で100〜350℃で1時間以
上処理する。
【0033】前記のパラジウムなどの金属触媒、無電解
メッキメッキ法で金属被服層を形成した後に更にその上
に電気メッキ法によって金属メッキ( 銅、ニッケル、コ
バルト、錫、亜鉛、鉄、銀、金、白金など )を施してポ
リイミド多孔質膜複合材料を製造する。
【0034】金属メッキ法としては、例えば金属イオン
を含む溶液中へメッキする金属箔積層ポリイミド多孔質
フィルムを陰極として浸漬し、これと向かい合わせて陽
極を浸漬して直流を流すことにより、金属被服層を析出
させ形成する方法を挙げることができる。
【0035】前記の電気メッキ法としては、例えば酸性
浴の組成が硫酸銅200〜300g/l、硫酸30〜9
0g/lおよび光沢剤少量であり、そしてメッキ操作条
件として温度20〜30℃、陰極電流密度2〜8A/d
m2、空気撹拌、陰極効率95〜100%、陽極/陰極
面積比1:1、陰極がロ−ル銅、常時濾過、電圧6V以
下の条件であることが好ましい。
【0036】この発明においては、好適には電気金属メ
ッキによって金属層の厚みを増して細孔内を金属で充填
し尽くすことが好ましい。
【0037】この発明によれば、所望の金属がサブナノ
スケ−ルで複合化したポリイミド/金属ハイブリッド材
料を得ることができる。また、この発明によって、ポリ
イミド多孔質膜の細孔構造および電解メッキなどの金属
積層条件を変化させることによって、さらに電磁波吸収
材料粉末をポリイミド前駆体溶液中に分散させることに
より、誘電率および透磁率を設計した広い周波数帯域に
適応可能な電磁波吸収体を得ることができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0039】参考例1 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物とp−フェニレンジアミンとをモル比が0.996
で且つ該モノマー成分の合計重量が12重量%になるよ
うにNMPに溶解し、40℃、6時間重合を行ってポリ
イミド前駆体を得たポリイミド前駆体溶液を、鏡面研磨
を施したSUS板上に流延し、媒置換速度調整材として
透気度550秒/100ccのポリオレフィン製微多孔
膜(宇部興産社製;UP−3025)で表面を覆い、該
積層物をイソプラパノ−ル中に8分間浸漬し、ポリイミ
ド前駆体の析出、多孔質化を行った。
【0040】析出したポリイミド前駆体多孔質フィルム
を水中に15分間浸漬した後、SUS板及び溶媒置換速
度調整材から剥離し、ピンテンタ−に固定した状態で、
大気中にて430℃、10分間熱処理を行った。ポリイ
ミド多孔質フィルムのイミド化率は75%であり、フィ
ルム断面方向に貫通孔を有していた。得られたポリイミ
ド多孔質フィルムの膜厚、透気度、空孔率、平均孔径、
突刺強度、熱収縮率の測定結果を次に示す。 膜厚:35μm 平均孔径:0.25μm 熱収縮率:0.13%
【0041】上記評価の方法は以下に従って行った。 膜厚:接触式厚み計により測定 空孔率:所定の大きさに切取った多孔質フィルムの膜厚
及び重量を測定し、目付重量から空孔率を次式によって
求めた。式中のSは多孔質フィルムの面積、dは膜厚、
wは測定した重量、Dはポリイミドの密度を意味し、ポ
リイミドの密度は1.34とした。 空孔率=S×d×D/w×100
【0042】平均孔径:多孔質フィルム表面の走査型電
子顕微鏡写真より、50点以上の開孔部について孔面積
を測定し、該孔面積の平均値から次式に従って孔形状が
真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。式中
のSaは孔面積の平均値を意味する。 平均孔径=2×(Sa/π)1/2
【0043】熱収縮率:所定の長さに目盛りを記した試
料を、無拘束状態で105℃に設定したオ−ブン中で8
時間静置し、取出した後の寸法を測定した。熱収縮率は
次式に従う。式中のL1はオ−ブンから取出した後のフ
ィルム寸法を意味し、L0は初期のフィルム寸法を意味
する。 熱収縮率=L1/L0x100
【0044】実施例1 参考例1で得られたポリイミド多孔質膜を有機金属パラ
ジウム錯体溶液で浸漬し、取り出した後に乾燥し、30
0℃の熱処理を施すことで細孔壁面に金属パラジウム粒
子を担持した。この材料を適切な銅系無電解液中に浸漬
することにより、無電解銅メッキを行いポリイミド多孔
質内壁に銅箔を積層させた。必要に応じ、続いて電解銅
メッキを施すことにより、銅箔の厚みを制御することが
可能であることを確認した。
【0045】実施例2 実施例1で作成した材料の電磁シ−ルド効果を測定し
た。その結果、およそ50MHz〜80MHzの周波数
範囲でおよそ50〜60dBの電界シ−ル効果があるこ
と、および500MHz以上の周波数帯域で50dB以
上の磁界シ−ルド効果があることを確認した。
【0046】実施例3 ポリアミック酸溶液中にフェライト粉末を分散させた溶
液を用い参考例1と同様にして、厚み35μmのポリイ
ミド多孔質膜を作成した。この多孔質膜を有機金属パラ
ジウム錯体溶液で浸漬し、300℃の熱処理を施すこと
で細孔壁面に金属パラジウム粒子を担持した。この材料
を適切な銅系無電解メッキ液中に浸漬することにより、
無電解メッキを行いポリイミド多孔質内壁に銅箔を積層
させた。必要に応じ、続いて電解メッキを施すことによ
り、銅箔の厚みを制御することが可能であることを確認
した。
【0047】実施例4 実施例3で作成した材料の電磁シ−ルド効果を測定し
た。その結果、実施例2と比較して、10kHz〜10
MHzおよび1〜5GHzの周波数帯域で磁界シ−ルド
効果があることを確認した。
【0048】
【発明の効果】この発明によれば、放熱性が高く、吸収
体内部の温度上昇が改善可能で、その特性を設計可能な
ポリイミド多孔質複合材料が得られる。また、この発明
によれば、既存の吸収体より薄型化できフレキシブルで
ハンドリングが容易で、スペ−ス的に厳しい条件下での
適応が可能な電磁波吸収体が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面に貫通した非直線性細孔を有するポリ
    イミド多孔質膜の細孔内に少なくとも1種の物質を物理
    的および/または化学的相互作用により充填保持されて
    なるポリイミド多孔質膜複合材料。
  2. 【請求項2】少なくとも1種の物質が、金属である請求
    項1に記載のポリイミド多孔質膜複合材料。
  3. 【請求項3】金属が、ポリイミド多孔質膜の内壁に被覆
    された状態である請求項2に記載のポリイミド多孔質膜
    複合材料。
  4. 【請求項4】金属が、電解メッキ等によって厚みを増し
    細孔内の空隙をすべて埋めてなる請求項2に記載のポリ
    イミド多孔質膜複合材料。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載のポリイミド多孔質膜
    複合材料を用いた電磁波吸収体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007227906A (ja) * 2006-01-25 2007-09-06 Toray Ind Inc 導電性基板およびその製造方法
KR100835658B1 (ko) * 2006-09-05 2008-06-09 최재철 전자파 흡수체 및 그 시공방법
JP2015076526A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 旭化成せんい株式会社 ノイズ抑制シート

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