JP2003258379A - 面発光レーザおよび面発光レーザの製造方法 - Google Patents
面発光レーザおよび面発光レーザの製造方法Info
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Abstract
制する。 【解決手段】 p型分布ブラッグ反射層6を構成するp
型Al0.9Ga0.1As層6bの少なくともいずれか1層
を、Al0.9Ga0.1Asスペーサ層10c、Al0.7G
a0.3As酸化ストップ層10bおよびAl0.98Ga
0.02As酸化層10aが順次積層された電流狭窄層10
で置換する。
Description
び面発光レーザの製造方法に関し、特に、分布ブラッグ
反射膜に選択酸化層を設けた面発光レーザに適用して好
適なものである。
を低減するために、分布ブラッグ反射膜の層間に酸化層
を設け、その酸化層を選択的に酸化することにより、電
流狭窄を行なう方法があった。ここで、酸化層を選択的
に酸化するために、酸化層として、分布ブラッグ反射膜
の高アルミ組成層よりもさらにアルミ組成の高い膜が用
いられるが、アルミ組成の高い膜を酸化すると、その部
分が体積収縮を起こし、周囲に歪みを生じさせる。
ブラッグ反射膜の層間にスペーサ層を介して酸化層を形
成し、酸化層の厚みを極力薄くすることにより、体積収
縮の影響を低減させて、周囲に生じる歪みを低下させる
ようにしていた。
とスペーサ層からなる2層構造を分布ブラッグ反射膜の
層間に設ける方法では、酸化層が酸化される際にスペー
サ層も酸化され、体積収縮の低減効果が小さくなるとい
う問題があった。そこで、本発明の目的は、酸化層を酸
化する際にスペーサ層の酸化を抑制することが可能な面
発光レーザおよび面発光レーザの製造方法を提供するこ
とである。
ために、本発明の面発光レーザによれば、活性層と、前
記活性層の上下層に設けられた分布ブラッグ反射層と、
前記分布ブラッグ反射層内の少なくとも一層に設けられ
た酸化層と、前記酸化層の上下面の少なくとも一方に設
けられたスペーサ層と、前記酸化層と前記スペーサ層と
の間に設けられた酸化ストップ層とを備えることを特徴
とする。
層の酸化を抑制することが可能となり、酸化層の厚みを
薄くするためにスペーサ層を設けた場合においても、酸
化層を酸化した際の体積収縮の影響を低減することがで
きる。このため、面発光レーザの特性劣化を抑制しつ
つ、電流狭窄を実現することが可能となり、また面発光
レーザの長寿命化を図ることができる。
層、前記スペーサ層および前記酸化ストップ層の全体の
厚みがλ/(4n)(ただし、λは波長、nは屈折率)
を満たすように設定されることを特徴とする。これによ
り、酸化層の厚みを薄くした場合においても、スペーサ
層の酸化を抑制しつつ、分布ブラッグ反射層の周期性を
維持することが可能となり、面発光レーザの特性劣化を
抑制しつつ、電流狭窄を実現することが可能となる。
ミ組成層と低アルミ組成層とをペアに持つ多層膜、前記
酸化層、前記スペーサ層および前記酸化ストップ層を有
していることを特徴とする。これにより、分布ブラッグ
反射層内に酸化層を設けた場合においても、分布ブラッ
グ反射層の周期性を維持しつつ、酸化層の酸化による体
積収縮を軽減することができ、面発光レーザの特性劣化
を抑制しつつ、電流狭窄を実現することが可能となる。
射層を導波する光波の節側に設けられ、前記スペーサ層
は、前記分布ブラッグ反射層を導波する光波の腹側に設
けられていることを特徴とする。これにより、体積収縮
が酸化層の部分で起こったために、分布ブラッグ反射層
の周期性が乱れた場合においても、そこを導波する光波
への影響を抑制することができ、選択酸化による電流狭
窄を行なった場合においても、面発光レーザの特性劣化
を抑制することができる。
ミ組成層と低アルミ組成層とをペアに持つ多層膜、前記
酸化層、前記スペーサ層および前記酸化ストップ層を有
しており、前記酸化層は、前記分布ブラッグ反射層を導
波する光波の節の位置に設けられ、前記スペーサ層は、
前記酸化ストップ層を介して前記酸化層の上下面に設け
られていることを特徴とする。
酸化層を設けた場合においても、分布ブラッグ反射層の
周期性を維持しつつ、酸化層の体積収縮が起こる部分を
光波の節に一致させることができ、体積収縮が導波光に
及ぼす影響をより一層低減することができる。また、前
記酸化層のアルミ組成がx、前記スペーサ層のアルミ組
成がy、前記酸化ストップ層のアルミ組成がzであると
すると、0≦z<y<x≦1であることを特徴とする。
おけるアルミ組成を変化させるだけで、分布ブラッグ反
射層内に酸化層を設けることが可能となるとともに、酸
化層の酸化に伴うスペーサ層の酸化を抑制することがで
き、面発光レーザの製造工程における整合性を維持しつ
つ、電流狭窄を実現することが可能となる。また、第1
導電型半導体基板上に高アルミ組成層と低アルミ組成層
とをペアに持つ第1導電型ブラッグ反射多層膜を形成す
る工程と、前記第1導電型ブラッグ反射多層膜上に第1
導電型クラッド層を形成する工程と、前記第1導電型ク
ラッド層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に
第2導電型クラッド層を形成する工程と、前記第2導電
型クラッド層上に高アルミ組成層と低アルミ組成層とを
ペアに持つ第2導電型ブラッグ反射多層膜を形成する工
程と、前記低アルミ組成層の間に、スペーサ層、酸化ス
トップ層および酸化層を形成する工程と、少なくとも前
記第2導電型ブラッグ反射多層膜を円盤状または多角形
またはそれらを組み合わせた形状にエッチングすること
により、前記酸化層の側壁を露出させる工程と、前記酸
化層の側壁を酸化性ガスに晒すことにより、前記酸化層
の周囲を酸化する工程とを備えることを特徴とする。
ガスが進入した際に、酸化性ガスが酸化層の界面を介し
てスペーサ層に進入することを抑制することが可能とな
り、酸化層が酸化される際にスペーサ層が酸化されるこ
とを抑制することができる。このため、酸化層とスペー
サ層との間に酸化ストップ層を形成するだけで、酸化層
のみを選択的に酸化することができ、体積収縮の影響を
低減しつつ、電流狭窄を実現することが可能となること
から、面発光レーザの結晶構造に対する歪を低減しつ
つ、面発光レーザのしきい値電流を低下させることが可
能となる。
Ga1-aAs、前記低アルミ組成層の組成はAlbGa
1-bAs、前記酸化層の組成はAlxGa1-xAs、前記
スペーサ層の組成はAlyGa1-yAs、前記酸化ストッ
プ層の組成はAlzGa1-zAsであるとすると、0≦b
≦z<y≦a<x≦1または0≦b≦z<a≦y<x≦
1の関係を満たすことを特徴とする。
おけるアルミ組成を変化させるだけで、分布ブラッグ反
射層の周期性を維持しつつ、分布ブラッグ反射層内に酸
化層を設けることが可能となるとともに、酸化層の酸化
に伴うスペーサ層の酸化を抑制することができ、面発光
レーザの製造工程における整合性を維持しつつ、電流狭
窄を実現することが可能となる。
発光レーザについて、850nm帯AlGaAs系面発
光レーザを例にとって説明する。図1(a)は、本発明
の第1実施形態に係る面発光レーザの概略構成を示す断
面図、図1(b)は、図1(a)のp型分布ブラッグ反
射層6の部分を拡大して示す断面図である。
上には、n型分布ブラッグ反射層2、n型Al0.5Ga
0.5Asクラッド層3、MQW(多重量子井戸)活性層
4、p型Al0.5Ga0.5Asクラッド層5およびp型分
布ブラッグ反射層6が順次形成されている。ここで、M
QW活性層4は、7nmの厚みのGaAs層と10nm
の厚みのAl0.2Ga0.8As層とが交互に積層された3
QW構造から構成され、MQW活性層4の上下面には、
100nmの厚みのn型Al0.5Ga0.5Asクラッド層
3および100nmの厚みのp型Al0.5Ga0.5Asク
ラッド層5がそれぞれ形成されている。
Al0.15Ga0.85As層2aとn型Al0.9Ga0.1As
層2bとをペアとして31、5ペアだけ積層され、各層
の厚みTは、λ/(4n)(ただし、λは波長、nは屈
折率)を満たすように設定される。すなわち、n型Al
0.15Ga0.85As層2aの厚みは50nm、n型Al
0.9Ga0.1As層2bの厚みは40nmに設定される。
Al0.15Ga0.85As層6aとp型Al0.9Ga0.1As
層6bとをペアとして23ペアだけ積層され、各層の厚
みTは、λ/(4n)を満たすように設定される。すな
わち、p型Al0.15Ga0.85As層6aの厚みは50n
m、p型Al0.9Ga0.1As層2bの厚みは40nmに
設定される。
するp型Al0.9Ga0.1As層6bの少なくともいずれ
か1層は、電流狭窄層10で置換され、この電流狭窄層
10は、図1(b)に示すように、Al0.9Ga0.1As
スペーサ層10c、Al0.7Ga0.3As酸化ストップ層
10bおよびAl0.98Ga0.02As酸化層10aが順次
積層された構造を有している。
aのAl組成は、このAl0.98Ga 0.02As酸化層10
aのみを選択的に酸化するために、p型Al0.9Ga0.1
As層6bのAl組成よりも多くなるように設定され
る。また、Al0.7Ga0.3As酸化ストップ層10bの
Al組成は、Al0.9Ga0 .1Asスペーサ層10cの酸
化を抑制するために、p型Al0.9Ga0.1As層6bの
Al組成よりも少なくなるように設定される。
cは、高アルミ組成のp型Al0.9Ga0.1As層6bの
代わりとして、p型分布ブラッグ反射層6の屈折率分布
の周期性を維持するように、高アルミ組成に設定され
る。また、n型Al0.5Ga0.5Asクラッド層3、MQ
W(多重量子井戸)活性層4、p型Al0.5Ga0.5As
クラッド層5およびp型分布ブラッグ反射層6は円盤状
にエッチングされ、Al0.98Ga0.02As酸化層10a
の側壁が露出されている。なお、酸化層までエッチング
されることが好ましい。
aの側壁部分を酸化性ガスに晒して、Al0.98Ga0.02
As酸化層10aをリング状に酸化することにより、A
l0. 98Ga0.02As酸化層10aの周囲にリング状の酸
化領域10a’が形成されている。ここで、Al0.98G
a0.02As酸化層10aを酸化する場合、Al0.7Ga
0.3As酸化ストップ層10bにより、Al0.9Ga0.1
Asスペーサ層10cへの酸化性ガスの進入が妨げられ
るため、高アルミ組成のAl0.9Ga0.1Asスペーサ層
10cの酸化が抑制される。
0aが酸化された場合の体積収縮を抑制するために、A
l0.98Ga0.02As酸化層10aの厚みを薄くしてAl
0.9Ga0.1Asスペーサ層10cを設けた場合において
も、Al0.98Ga0.02As酸化層10aのみを効率よく
酸化することができ、酸化領域10a’を形成する際の
歪を低減することができる。
の厚みを30nmに設定し、Al0. 7Ga0.3As酸化ス
トップ層10bの厚みを10nmに設定した場合、電流
狭窄層10がλ/(4n)の関係を満たすように、Al
0.9Ga0.1Asスペーサ層10cの厚みを20nmに設
定する。これにより、p型分布ブラッグ反射層6を構成
するp型Al0.9Ga0.1As層6bの1層を電流狭窄層
10で置換した場合においても、p型分布ブラッグ反射
層6における屈折率分布の周期性を維持することがで
き、面発光レーザの特性劣化を抑制することができる。
は、光波Wの節側にくるように配置し、Al0.9Ga0.1
Asスペーサ層10cは、光波Wの腹側にくるように配
置する。これにより、Al0.98Ga0.02As酸化層10
aを酸化して酸化領域10a’を形成した場合において
も、酸化領域10a’が光波Wの節側に配置されるよう
にすることができ、酸化領域10a’の部分で体積収縮
が起こった場合においても、酸化領域10a’が光導波
に及ぼす影響を低減することができる。
3、MQW(多重量子井戸)活性層4、p型Al0.5G
a0.5Asクラッド層5およびp型分布ブラッグ反射層
6の側壁には、ポリイミドなどの絶縁膜7が形成され、
p型分布ブラッグ反射層6上および絶縁膜7上には、電
流Iを注入するためのp側電極8が形成されている。こ
こで、p側電極8の中心部には、出射光の損失を減らす
ために開口部が形成されている。
電極9が形成されている。そして、p側電極8から注入
された電流Iは、p型分布ブラッグ反射層6を進むに従
って広がろうとするが、電流狭窄層10に達すると、酸
化領域10a’の内側に狭窄される。このため、p側電
極8から注入された電流IをMQW活性層4の発光領域
に効率よく注入することができ、しきい値電流を低減し
て、面発光レーザの発光効率を向上させることが可能と
なるとともに、発振モードを制御したり、面発光レーザ
の信頼性を向上させたりすることが可能となる。
発光レーザの製造工程を示す断面図である。図2(a)
において、例えば、MOCVD(有機金属化学気相成
長)法により、n型分布ブラッグ反射層2、n型Al
0.5Ga0.5Asクラッド層3、MQW(多重量子井戸)
活性層4、p型Al0.5Ga0.5Asクラッド層5および
p型分布ブラッグ反射層6をn型GaAs基板1上に順
次積層し、p型分布ブラッグ反射層6を構成するp型A
l0.9Ga0.1As層6bの少なくともいずれか1層の代
わりに電流狭窄層10を積層する。
Ga0.1Asスペーサ層10c、Al 0.7Ga0.3As酸
化ストップ層10bおよびAl0.98Ga0.02As酸化層
10aを順次積層する。次に、図2(b)に示すよう
に、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を
用いることにより、n型Al0.5Ga0.5Asクラッド層
3、MQW活性層4、p型Al0.5Ga0.5Asクラッド
層5およびp型分布ブラッグ反射層6を円盤状にエッチ
ングし、電流狭窄層10の側壁を露出させる。
層10の側壁を酸化性ガスGsに晒すことにより、電流
狭窄層10を構成するAl0.98Ga0.02As酸化層10
aをリング状に酸化し、Al0.98Ga0.02As酸化層1
0aの周囲にリング状の酸化領域10a’を形成する。
ここで、図1(a)に示すように、Al0.9Ga0.1As
スペーサ層10cとAl0.98Ga0.02As酸化層10a
との間にAl0.7Ga0.3As酸化ストップ層10bを設
けることにより、Al0.98Ga0.02As酸化層10aを
酸化する際に、Al0.98Ga0.02As酸化層10aに入
り込んだ酸化性ガスGsがAl0.7Ga0 .3As酸化スト
ップ層10bを突き抜けてAl0.9Ga0.1Asスペーサ
層10cに入り込むことを抑制することができ、Al
0.9Ga0.1Asスペーサ層10cの酸化を抑制して、体
積収縮を低減させることが可能となる。
などにより、n型Al0.5Ga0.5Asクラッド層3、M
QW(多重量子井戸)活性層4、p型Al0.5Ga0.5A
sクラッド層5およびp型分布ブラッグ反射層6の側壁
にポリイミドなどの絶縁膜7を形成する。さらに、スパ
ッタ法または蒸着法などにより、p型分布ブラッグ反射
層6上および絶縁膜7上にp側電極8を形成するととも
に、n型GaAs基板1の裏面にn側電極9を形成す
る。
リフトオフ技術を用いることにより、出射光を効率よく
取り出すための開口部をp側電極8に形成する。これに
より、結晶成長時のアルミ組成を変化させるだけで、A
l0.9Ga0.1Asスペーサ層10cとAl0.98Ga0.02
As酸化層10aとの間にAl0.7Ga0 .3As酸化スト
ップ層10bを形成することができ、面発光レーザの製
造工程における整合性を維持しつつ、結晶歪の少ない電
流狭窄を実現することが可能となる。
ラッグ反射層2、n型Al0.5Ga0 .5Asクラッド層
3、MQW(多重量子井戸)活性層4、p型Al0.5G
a0.5Asクラッド層5p型分布ブラッグ反射層6、A
l0.9Ga0.1Asスペーサ層10c、Al0.7Ga0.3A
s酸化ストップ層10bおよびAl0.98Ga0.02As酸
化層10aを結晶成長させるために、MOCVD法を例
にとって説明したが、MBE(分子線エピタキシャル成
長)法またはALE(原子層エピタキシャル成長)法な
どを用いるようにしてもよい。
る面発光レーザの概略構成を示す断面図、図4(b)
は、図4(a)のp型分布ブラッグ反射層16の部分を
拡大して示す断面図である。図4(a)において、n型
GaAs基板11上には、n型分布ブラッグ反射層1
2、n型Al0.5Ga0.5Asクラッド層13、MQW活
性層14、p型Al0. 5Ga0.5Asクラッド層15およ
びp型分布ブラッグ反射層16が順次形成されている。
みのGaAs層と10nmの厚みのAl0.2Ga0.8As
層とが交互に積層された3QW構造から構成され、MQ
W活性層14の上下面には、100nmの厚みのn型A
l0.5Ga0.5Asクラッド層13および100nmの厚
みのp型Al0.5Ga0.5Asクラッド層15がそれぞれ
形成されている。
型Al0.15Ga0.85As層12aとn型Al0.9Ga0.1
As層12bとをペアとして31、5ペアだけ積層さ
れ、各層の厚みTは、λ/(4n)(ただし、λは波
長、nは屈折率)を満たすように設定される。すなわ
ち、n型Al0.15Ga0.85As層12aの厚みは50n
m、n型Al0.9Ga0.1As層12bの厚みは40nm
に設定される。
型Al0.15Ga0.85As層16aとp型Al0.9Ga0.1
As層16bとをペアとして23ペアだけ積層され、各
層の厚みTは、λ/(4n)ように設定される。すなわ
ち、p型Al0.15Ga0.85As層16aの厚みは50n
m、p型Al0.9Ga0.1As層12bの厚みは40nm
に設定される。
成するp型Al0.15Ga0.85As層16aとp型Al
0.9Ga0.1As層16bとのペアが、電流狭窄層20で
置換され、この電流狭窄層20は、図4(b)に示すよ
うに、Al0.98Ga0.02As酸化層20cの上下面にA
l0.9Ga0.1Asスペーサ層20a、20eがそれぞれ
形成されるとともに、Al0.98Ga0.02As酸化層20
cの各上下面とAl0.9Ga0.1Asスペーサ層20a、
20eとの間には、Al0.7Ga0.3As酸化ストップ層
20b、20dがそれぞれ形成された構造を有してい
る。
cのAl組成は、Al0.98Ga0.02As酸化層20cの
みを選択的に酸化するために、p型Al0.9Ga0.1As
層16bのAl組成よりも多くなるように設定される。
また、Al0.7Ga0.3As酸化ストップ層20b、20
dのAl組成は、Al 0.9Ga0.1Asスペーサ層20
a、20eの酸化を抑制するために、p型Al0. 9Ga
0.1As層16bのAl組成よりも少なくなるように設
定される。
a、20eは、p型分布ブラッグ反射層16の屈折率分
布の周期性を保つために、p型Al0.9Ga0.1As層1
6bと同等の高アルミ組成に設定される。このため、p
型Al0.15Ga0.85As層16aとp型Al0.9Ga0.1
As層16bとのペアを電流狭窄層20で置換するため
に、Al0.98Ga0.02As酸化層20cの上下面にAl
0.9Ga0.1Asスペーサ層20a、20eをそれぞれ設
けた場合においても、p型分布ブラッグ反射層16の屈
折率分布の周期性を維持しつつ、電流狭窄を実現する際
の体積収縮を低減することができ、面発光レーザの特性
劣化を抑制しつつ、低しきい値電流化を図ることが可能
となる。
とp型Al0.9Ga0.1As層16bとのペアを電流狭窄
層20で置換することにより、Al0.98Ga0.02As酸
化層10aの中央が光波Wの節側に一致するように、A
l0.98Ga0.02As酸化層10aを配置することができ
る。このため、Al0.98Ga0.02As酸化層20cを酸
化して酸化領域20c’を形成した場合においても、酸
化領域20c’が光波Wの節に配置されるようにするこ
とができ、酸化領域20c’の部分で体積収縮が起こっ
た場合においても、酸化領域20c’が光導波に及ぼす
影響をより一層低減することができる。
13、MQW活性層14、p型Al 0.5Ga0.5Asクラ
ッド層15およびp型分布ブラッグ反射層16は円盤状
にエッチングされ、Al0.98Ga0.02As酸化層20c
の側壁が露出されている。そして、Al0.98Ga0.02A
s酸化層20cの側壁部分を酸化性ガスに晒して、Al
0.98Ga0.02As酸化層20cをリング状に酸化するこ
とにより、Al0. 98Ga0.02As酸化層20c周囲にリ
ング状の酸化領域20c’が形成されている。
cを酸化する場合、Al0.7Ga0.3As酸化ストップ層
20b、20dにより、Al0.98Ga0.02As酸化層2
0cの側壁を介して進入した酸化性ガスが、Al0.98G
a0.02As酸化層20cの界面を介してのAl0.9Ga
0.1Asスペーサ層20a、20eに進入することを抑
制することができ、高アルミ組成のAl0.9Ga0.1As
スペーサ層20a、20eの酸化を抑制することができ
る。
0cが酸化された場合の体積収縮を抑制するために、A
l0.98Ga0.02As酸化層20cの厚みを薄くしてAl
0.9Ga0.1Asスペーサ層20a、20eを設けた場合
においても、Al0.98Ga0 .02As酸化層20cのみを
効率よく酸化することができ、酸化領域20c’を形成
する際の結晶歪を低減することができる。
13、MQW活性層14、p型Al 0.5Ga0.5Asクラ
ッド層15およびp型分布ブラッグ反射層16の側壁に
は、ポリイミドなどの絶縁膜17が形成され、p型分布
ブラッグ反射層16上および絶縁膜17上には、電流I
を注入するためのp側電極18が形成されている。ここ
で、p側電極18の中心部には、出射光の損失を減らす
ために開口部が形成されている。
側電極19が形成されている。そして、p側電極18か
ら注入された電流Iは、p型分布ブラッグ反射層16を
進むに従って広がろうとするが、電流狭窄層20に達す
ると、酸化領域20c’の内側に狭窄される。このた
め、p側電極18から注入された電流IをMQW活性層
14の発光領域に効率よく注入することができ、しきい
値電流を低減して、面発光レーザの高出力化が可能とな
るとともに、面発光レーザの信頼性を向上させることが
可能となる。
帯AlGaAs系面発光レーザを例にとって説明した
が、これ以外の分布ブラック反射膜にAlGaAs系を
用いる面発光レーザにも適用できる。例えば、InAl
GaAs系面発光レーザやAlGaSb系面発光レー
ザ、InGaAs系面発光レーザ、GaInNAs系面
発光レーザなどに適用してもよい。
s基板1、11上に面発光レーザを形成する方法につい
て説明したが、p型GaAs基板上に面発光レーザを形
成するようにしてもよい。また、上述した実施形態で
は、p型分布ブラッグ反射層6、16にのみ電流狭窄層
10、20を設ける構成について説明したが、n型分布
ブラッグ反射層2、12に電流狭窄層を設けてもよく、
p型分布ブラッグ反射層6、16およびn型分布ブラッ
グ反射層2、12の両方に電流狭窄層を設けるようにし
てもよい。
ラッグ反射層2、12として、n型Al0.15Ga0.85A
s層2a、12aとn型Al0.9Ga0.1As層2b、1
2bとを交互に積層し、p型分布ブラッグ反射層6、1
6として、p型Al0.15Ga 0.85As層6a、16aと
p型Al0.9Ga0.1As層6b、16bとを交互に積層
した構造を例にとって説明したが、n型Al0.15Ga
0.85As層2a、12aとn型Al0.9Ga0.1As層2
b、12bとの間、またはp型Al0.15Ga0.85As層
6a、16aとp型Al0.9Ga0.1As層6b、16b
との間に、0.15<c<0.9のAl組成cを有する
グレーティッドインデックス層を設けるようにしてもよ
い。
酸化層の酸化に伴うスペーサ層の酸化を抑制することが
可能となり、面発光レーザの結晶構造に対する歪を低減
しつつ、電流狭窄を実現することが可能となる。
発光レーザの概略構成を示す断面図、図1(b)は、図
1(a)のp型分布ブラッグ反射層6の部分を拡大して
示す断面図である。
工程を示す断面図である。
工程を示す断面図である。
発光レーザの概略構成を示す断面図、図4(b)は、図
4(a)のp型分布ブラッグ反射層16の部分を拡大し
て示す断面図である。
層 10b、20b、20d Al0.7Ga0.3As酸化スト
ップ層 10a、20c Al0.98Ga0.02As酸化層 10a’、20c’ 酸化領域
Claims (8)
- 【請求項1】 活性層と、 前記活性層の上下層に設けられた分布ブラッグ反射層
と、 前記分布ブラッグ反射層内の少なくとも一層に設けられ
た酸化層と、 前記酸化層の上下面の少なくとも一方に設けられたスペ
ーサ層と、 前記酸化層と前記スペーサ層との間に設けられた酸化ス
トップ層とを備えることを特徴とする面発光レーザ。 - 【請求項2】 前記スペーサ層の厚みは、前記酸化層、
前記スペーサ層および前記酸化ストップ層の全体の厚み
がλ/(4n)(ただし、λは波長、nは屈折率)を満
たすように設定されることを特徴とする請求項1記載の
面発光レーザ。 - 【請求項3】 前記分布ブラッグ反射層は、高アルミ組
成層と低アルミ組成層とをペアに持つ多層膜、前記酸化
層、前記スペーサ層および前記酸化ストップ層を有して
いることを特徴とする請求項1または2記載の面発光レ
ーザ。 - 【請求項4】 前記酸化層は、前記分布ブラッグ反射層
を導波する光波の節側に設けられ、前記スペーサ層は、
前記分布ブラッグ反射層を導波する光波の腹側に設けら
れていることを特徴とする請求項3記載の面発光レー
ザ。 - 【請求項5】 前記分布ブラッグ反射層は、高アルミ組
成層と低アルミ組成層とをペアに持つ多層膜、前記酸化
層、前記スペーサ層および前記酸化ストップ層とを有し
ており、 前記酸化層は、前記分布ブラッグ反射層を導波する光波
の節の位置に設けられ、前記スペーサ層は、前記酸化ス
トップ層を介して前記酸化層の上下面に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の面発光レーザ。 - 【請求項6】 前記酸化層のアルミ組成がx、前記スペ
ーサ層のアルミ組成がy、前記酸化ストップ層のアルミ
組成がzであるとすると、 0≦z<y<x≦1 の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
か1項記載の面発光レーザ。 - 【請求項7】 第1導電型半導体基板上に高アルミ組成
層と低アルミ組成層とをペアに持つ第1導電型ブラッグ
反射多層膜を形成する工程と、 前記第1導電型ブラッグ反射多層膜上に第1導電型クラ
ッド層を形成する工程と、 前記第1導電型クラッド層上に活性層を形成する工程
と、 前記活性層上に第2導電型クラッド層を形成する工程
と、 前記第2導電型クラッド層上に高アルミ組成層と低アル
ミ組成層とをペアに持つ第2導電型ブラッグ反射多層膜
を形成する工程と、 前記低アルミ組成層の間に、スペーサ層、酸化ストップ
層および酸化層を形成する工程と、 少なくとも前記第2導電型ブラッグ反射多層膜を円盤状
または多角形またはそれらを組み合わせた形状にエッチ
ングすることにより、前記酸化層の側壁を露出させる工
程と、 前記酸化層の側壁を酸化性ガスに晒すことにより、前記
酸化層の周囲を酸化する工程とを備えることを特徴とす
る面発光レーザの製造方法。 - 【請求項8】 前記高アルミ組成層の組成はAlaGa
1-aAs、前記低アルミ組成層の組成はAlbGa1-bA
s、前記酸化層の組成はAlxGa1-xAs、前記スペー
サ層の組成はAlyGa1-yAs、前記酸化ストップ層の
組成はAlzGa1-zAsであるとすると、 0≦b≦z<y≦a<x≦1 または 0≦b≦z<a≦y<x≦1 の関係を満たすことを特徴とする請求項7記載の面発光
レーザの製造方法。
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JP2011211227A (ja) * | 2011-06-20 | 2011-10-20 | Canon Inc | 面発光レーザ、面発光レーザの製造方法、画像形成装置 |
JP2012019041A (ja) * | 2010-07-07 | 2012-01-26 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 面発光レーザ |
US10054870B2 (en) | 2015-12-11 | 2018-08-21 | Ricoh Company, Ltd. | Surface-emitting laser, surface-emitting laser array, laser device, ignitor, internal combustion engine, optical scanner, image forming apparatus, light transmission module, and light emission system |
-
2002
- 2002-03-06 JP JP2002060713A patent/JP4085655B2/ja not_active Expired - Fee Related
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