JP2003258330A - 変位拡大機能を備えた圧電アクチュエータ及びこれを備えた電子機器 - Google Patents

変位拡大機能を備えた圧電アクチュエータ及びこれを備えた電子機器

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JP2003258330A
JP2003258330A JP2002061948A JP2002061948A JP2003258330A JP 2003258330 A JP2003258330 A JP 2003258330A JP 2002061948 A JP2002061948 A JP 2002061948A JP 2002061948 A JP2002061948 A JP 2002061948A JP 2003258330 A JP2003258330 A JP 2003258330A
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朗弘 飯野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、簡単な構造で機構が大型化
することなく、支持が容易である変位拡大機能を備えた
圧電アクチュエータを提供することにある。 【解決手段】 本発明の変位拡大機能を備えた圧電アク
チュエータは、一端を固定した二つの圧電素子と、該二
つの圧電素子の他端側に両端を固着すると共に、中央部
の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型たわみ部材とか
らなるものであって、前記圧電素子の駆動によって前記
たわみ部材の両端距離を伸縮させ屈曲させることにより
中央部に大きな変位を得るもので、一端を固定した二つ
の圧電素子は、長手方向に伸縮機能を有する圧電素子で
あって、該伸縮動作によってたわみ部材を屈曲させるも
の、若しくは、長手方向に屈曲機能を有する圧電素子で
あって、該屈曲動作によってたわみ部材を屈曲させるも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度位置決め用
アクチュエータとしての圧電アクチュエータに関し、特
に光通信分野あるいは情報記録装置等において使用され
て好適な光路切換え、調整機能を備えたアクチュエータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】小型で駆動力の強い高精度位置決め用ア
クチュエータとして、圧電アクチュエータが用いられて
いる。この圧電アクチュエータの駆動源として用いられ
る代表的な圧電素子の形態は図7に示されるものであ
る。Aに示した圧電素子は分極方向が厚み方向である板
状の圧電体を、分極方向が交互に反対となるように複数
積層させ、分極方向が向き合った接触面電極と背中合わ
せになった接触面電極間に電圧を印加することで、圧電
縦効果によって該圧電素子が積層方向に伸縮させるもの
である。
【0003】Bの圧電素子は1)に示したように分極方
向が厚み方向である二枚の板状の圧電体を、分極方向が
180度異なる状態で重ね合わせた形態であり、電極間
に電圧を印加すると分極方向は反対であるため一方の圧
電体は伸び、他方の圧電体は縮む。2)に示したように
板状の圧電体の一端を固定した状態で上板が縮み下板が
延びた場合は4)に示したように板状の圧電体の他端は
上に反りかえり、反対に上板が延び下板が縮んだ場合は
3)に示したように板状の圧電体の他端は下に反りかえ
る。
【0004】このような圧電素子を駆動源にした圧電ア
クチュエータは、一般に得られる変位が極めて小さいた
め用途が限定されていた。また、大きな変位を得ようと
して考え出された圧電アクチュエータもいくつかあり、
その例として図8に示したような(A)ムーニーアクチ
ュエータ,(B)シンバルアクチュエータと呼ばれるも
のがある。これは電圧の印加により縮む圧電素子の両側
に真鍮製のエンドキャップを取り付けた構造で、圧電素
子の縮みにより弾性体であるエンドキャップの端部間距
離が狭められ中央部分が膨らまされるという動作をす
る。この圧電アクチュエータの駆動源となる圧電素子と
しては先の図7Aに示した棒状の圧電素子を用いること
が出来るし、同心円状に層を重ねた円板状の圧電素子を
用いることも出来る。この圧電アクチュエータは両側に
エンドキャップを備えた構造であるため反対方向の2つ
の変位を同時に得ることが出来るため、変位変換効率の
よいアクチュエータであるが、支持構造が難しいという
難点をもっていた。
【0005】この他、従来公知の拡大機構付き圧電アク
チュエータとしては図9に(a)乃至(f)に示したよ
うなものもある。(a)は平行平板を用い、圧電素子の
横方向変位を自由端先端で拡大して得る平行平板式並進
機構であり、(b)は放射平板を備え、上部に回転変位
を生じさせる放射平板式回転機構、(c)は弾性体に切
込み部を設けてこの原理により変位を拡大させるてこ式
変位拡大機構、(d)は棒状の圧電素子の両端に弾性ヒ
ンジを介して一方は固定、他方は被変位部材に接続する
構造で、横方向変位を許容しつつ変位を伝達する弾性ヒ
ンジ式機構、(e)は弾性部材の両側に同方向の伸縮動
作をする圧電素子を設けた対称型・平行平板式並進機
構、そして(f)は(b)の放射平板式回転機構を両側
に持ち、大きな回転力を得る対称型・放射平板式回転機
構である。しかし、これらのものは変位拡大機構を備え
るため大型化してしまうという問題を伴うものであっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡単
な構造で機構が大型化することなく、支持が容易である
変位拡大機能を備えた圧電アクチュエータを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の変位拡大機能を
備えた圧電アクチュエータは、一端を固定した二つの圧
電素子と、該二つの圧電素子の他端側に両端を固着する
と共に、中央部の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型
たわみ部材とからなるものであって、前記圧電素子の駆
動によって前記たわみ部材の両端距離を伸縮させ屈曲さ
せることにより中央部に大きな変位を得る。一端を固定
した二つの圧電素子は、長手方向に伸縮機能を有する圧
電素子であって、該伸縮動作によってたわみ部材を屈曲
させるもの、若しくは、長手方向に屈曲機能を有する圧
電素子であって、該屈曲動作によってたわみ部材を屈曲
させるものである。
【0008】また、本発明の変位拡大機能を備えた圧電
アクチュエータは、中央部で一方の側を固定した弾性部
材と、該弾性部材の他方側の両端部に両端を固定すると
共に中央部の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型たわ
み部材と、前記弾性部材の一方側の両端部に固定された
圧電素子からなるものであって、前記圧電素子の駆動に
よって前記弾性部材を山形又は谷形に変形させて前記た
わみ部材を屈伸させることにより、該たわみ部材の中央
部に大きな変位を得ることを特徴とする。そして、この
場合に変位拡大機能を高めるため弾性部材とたわみ部材
を矩形でなく円板状とし、圧電素子は円環状又は円板状
である形態をとることができる。
【0009】また、本発明の変位拡大機能を備えた更に
異なる圧電アクチュエータは、一端が固定された二つの
圧電素子と、該圧電素子の両他端部に両端が固着される
と共に中央部の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型た
わみ部材とからなるものであって、前記圧電素子のせん
断駆動によって前記圧電素子の両他端部間距離が狭ま
り、前記たたわみ部材の両端距離を狭めて屈曲させるこ
とにより中央部に大きな変位を得ることを特徴とする。
【0010】また、本発明では、一端を固定した長手方
向形状を有する圧電素子の他端側の側面部にたわみ部材
の両端部を固着して長手方向と直交する方向に変位を得
る用に構成することで高さ寸法を取れない条件において
有利な形態とする。更には変位拡大機能を高める為に、
本発明はたわみ部材に切込みをいれて屈曲容易部を形成
する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の変位拡大機能を備えた圧
電アクチュエータは、光通信の分野において使用されて
いる光路切換えスイッチのミラー、ファイバー、又はレ
ンズの駆動用、あるいは、CD−ROM等の情報記録装
置の読み取りヘッドの位置決め用のアクチュエータとし
て開発された。この光スイッチは図6の(A)に図示し
たように2本の光ケーブルに伝搬される光信号を切換え
伝達するものである。この最も単純な2×2スイッチは
図中上段に示すように2組の出射端1,2と受光端1,
2が夫々対向すると共に、光路がクロスする空間にミラ
ー5が配置され、図中下段に示すように該ミラー5が変
位して2つの位置を取り、退避位置にあるときは出射端
1から出た光は受光端1に、出射端2から出た光は受光
端2にそれぞれ受光され、該ミラー5が飛び出した位置
にあるときは出射端1から出た光はミラーに反射されて
受光端2に、出射端2から出た光は受光端1にそれぞれ
受光される仕組みとなっている。すなわち、ミラー5の
位置によって2つの光信号路の切換えがなされる。この
光スイッチにおけるミラーの位置駆動に圧電アクチュエ
ータを用いようとするものである。このように圧電アク
チュエータを用いることで高速で精密な位置決めが可能
となる。
【0012】光通信の分野において使用されている光路
切換えスイッチは、このように単純なものでは無く多数
のケーブル間での切換え用に、図6の(B)に示すよう
なn×nスイッチが使用されることが多い。このn×n
スイッチは、n個の出射端群が並列して並び、それとは
異なる(一般には直交)向きにn個の受光端群が並列し
て並んでおり、両端群の光軸が交わる位置に、すなわち
マトリックス状にミラー群を配置した構成となってい
る。このミラー群の個々のミラーは先のミラー5と同様
に変位して2つの位置を取り、退避位置にあるときは出
射端から出た光は通過させ、該ミラーが飛び出した位置
にあるときは出射端から出た光はミラーに反射されて受
光端に受光される仕組みとなっている。
【0013】いまマトリックス状に配置されたミラー群
の内のi行j列の位置にあるミラーが飛び出した状態に
あるとすると出射端iから出た光は受光端jに受光され
る。このように、i番目の出射側光ファイバーの信号を
j番目の受光側光ケーブルに送りたいときには御互いの
光軸の交点にあるミラーを飛び出した状態にすればよ
い。このようにn×nスイッチを用いることで、n本の
通信回線を自由に切換え接続することが出来る。この場
合、この光スイッチにおけるミラー群の位置駆動に圧電
アクチュエータを用いようとするものであるが、n×n
個のミラーを配置駆動することになるため、それを駆動
するアクチュエータも同数配置する必要がある。装置が
大型化しないためにもここに用いるアクチュエータは、
簡単な構造で機構が大型化することなく、支持が容易で
安定し、必要な変位を確保出来る変位拡大機能を備えた
ものであることが求められる。また、CD−ROM等の
読み取りヘッドを駆動することにより、高密度な情報を
検出することができる。
【0014】図1に本発明の最もシンプルな形態を示
す。長手方向に伸縮する板状の圧電素子を二つ用い、長
手方向の一端を固定部材に固着し、該二つの圧電素子
A,A'の他端側にコの字状の屈曲型たわみ部材2の両端
を固着すると共に、該屈曲型たわみ部材2の中央部の位
置に被変位部材であるミラー5を取り付けた構造として
いる。二つの圧電素子の一端を固定部材に固着して支持
する構成をとっていることにより機構が安定した支持状
態に置かれている。前記圧電素子A,A'の駆動によって
該圧電素子A,A'の他端部の位置が変位するが、その他
端部にはコの字状のたわみ部材2の両端が固着されてい
るので、このたわみ部材2の両端部も一緒に変位させら
れる。
【0015】いま、図に示した状態より圧電素子A,A'
が伸びたとすると、コの字状のたわみ部材2の両端間の
距離は狭められ、ミラー5を取り付けてある中央部分は
山形に湾曲させられ、ミラー5を上方に押し上げる。反
対に図に示した状態より圧電素子A,A'が縮んだとする
と、コの字状のたわみ部材2の両端間の距離は広げら
れ、ミラー5を取り付けてある中央部分は谷形に湾曲さ
せられ、ミラー5を下方に押し下げる。すなわち、コの
字状のたわみ部材2の両端間の距離を伸縮させて屈曲さ
せることにより中央部に大きな変位を得ることができる
圧電アクチュエータを実現した。
【0016】図2に示した例は長手方向に伸縮する板状
の圧電素子を三つ用い、長手方向の一端を固定部材に固
着し、該三つの圧電素子A,A',Bの他端側にコの字状
の屈曲型たわみ部材2の両端を固着すると共に、該屈曲
型たわみ部材2の中央部の位置に被変位部材であるミラ
ー5を取り付けた構造としている。先の例と異なるのは
二つの圧電素子A,A'の組と一つの圧電素子Bとの伸縮
作用でたわみ部材2を屈曲変位させる点である。その構
成は図2のBから分かるように圧電素子の自由端に固着
するたわみ部材2の端部は圧電素子の固定端に近い方で
はなく図中で黒く塗りつぶした遠い方の端部である。こ
のようにすることで圧電素子の長手寸法を大きくでき大
きな変位を得ることができる利点がある。
【0017】しかしそのようにすると両側に固定された
圧電素子は中央部で重なってしまうため、一方の側に固
定された圧電素子はAとA'の二つに分割し他方側に固
定された圧電素子Bを挟むような配置でたわみ部材2の
端部を固着するようにしている。前記圧電素子A,A'と
圧電素子Bの駆動によって該圧電素子の他端部の位置が
変位するが、その他端部にはコの字状のたわみ部材2の
両端が固着されているので、このたわみ部材2の両端部
も一緒に変位させられる。
【0018】いま、図2のAに示した状態より圧電素子
が縮んだとすると、コの字状のたわみ部材2の両端間の
距離は狭められ、ミラー5を取り付けてある中央部分は
山形に湾曲させられ、ミラー5を上方に押し上げる。反
対に図に示した状態より圧電素子A,A'が伸びたとする
と、コの字状のたわみ部材2の両端間の距離は広げら
れ、ミラー5を取り付けてある中央部分は谷形に湾曲さ
せられ、ミラー5を下方に押し下げる。すなわち、この
例も先の例と同様にコの字状のたわみ部材2の両端間の
距離を伸縮させて屈曲させることにより中央部に大きな
変位を得ることができる圧電アクチュエータである。こ
の例は長い圧電素子を用いることで大きな変位を得るこ
とが出来るにもかかわらず、構造的に大きくなることが
ない。
【0019】図3に示す例は固定部に一端を固着した二
つのバイモルフ形圧電素子1の他端部にコの字状の屈曲
型たわみ部材2の両端を固着すると共に、該屈曲型たわ
み部材2の中央部の位置に被変位部材であるミラー5を
取り付けた構造としている。この例が図1に示したもの
と異なるのは圧電素子がバイモルフ型である点である。
バイモルフ型圧電素子は図7のBに示して説明したよう
に重ねられた二枚の圧電部材の一方が伸び他方が縮むこ
とにより湾曲動作するものである。前記左右の圧電素子
1の駆動によって該圧電素子の他端部の位置が左右に変
位するが、その他端部にはコの字状のたわみ部材2の両
端が固着されているので、このたわみ部材2の両端部も
一緒に変位させられる。
【0020】いま、図に示した状態より左右の圧電素子
1の他端部間距離が狭まったとすると、コの字状のたわ
み部材2の両端間の距離は狭められ、ミラー5を取り付
けてある中央部分は山形に湾曲させられ、ミラー5を上
方に押し上げる。反対に図に示した状態より左右の圧電
素子1の他端部間距離が広がったとすると、コの字状の
たわみ部材2の両端間の距離も広げられ、ミラー5を取
り付けてある中央部分は谷形に湾曲させられ、ミラー5
を下方に押し下げる。すなわち、この構成によってコの
字状のたわみ部材2の両端間の距離を伸縮させて屈曲さ
せることにより中央部に大きな変位を得ることができる
圧電アクチュエータを実現した。バイモルフ型は圧電ア
クチュエータの中でも大きな変位が得られるので、本発
明のアクチュエータも更に大きな変位を得ることができ
る。
【0021】図4に示す例も固定部に一端を固着した二
つのバイモルフ形圧電素子1の他端部にコの字状の屈曲
型たわみ部材2の両端を固着すると共に、該屈曲型たわ
み部材2の中央部の位置に被変位部材であるミラー5を
取り付けた構造としたものであるが、この例が図3に示
したものと異なるのはたわみ部材2の両端を固着する位
置がバイモルフ型圧電素子の端面では無くその端部の側
面となっている点である。この位置関係は図の上面図と
側面図を参照するとよく判る。またたわみ部材2の形状
を先の例のコの字状ではなく中央部を高い平坦部両端を
低い平坦部としその間を傾斜部で繋いだ形状のものを用
いているが、これは先の例と同じコの字状のものであっ
ても良い。
【0022】前記二つの圧電素子1,1の駆動によって
該圧電素子の他端部の位置が端面図において左右に変位
するが、その他端側部にはたわみ部材2の両端が固着さ
れているので、このたわみ部材2の両端部も一緒に変位
させられる。いま、図に示した状態より二つの圧電素子
1,1の他端部間距離が狭まったとすると、たわみ部材
2の両端間の距離は狭められ、図示していないミラーを
取り付けてある中央平坦部分は山形に湾曲させられ、ミ
ラーを上方に押し上げる。反対に図に示した状態より二
つの圧電素子1,1の他端部間距離が広がったとする
と、たわみ部材2の両端間の距離も広げられ、傾斜部の
傾斜は引き伸ばされて小さくされる。それに伴って中央
平坦部の位置が低くされそこに取り付けられたミラーを
下方に押し下げる。すなわち、この構成によってたわみ
部材2の両端間の距離を伸縮させて屈曲させることによ
り中央部に大きな変位を得ることができる圧電アクチュ
エータを実現した。この例はバイモルフ型圧電素子の側
面部に変位拡大機構を取り付けたものであるため、出力
変位方向が圧電素子の長手方向と直交する関係にあり高
さ寸法を取れない条件において有利な形態である。
【0023】図5の(A)に示した例は中央部の支柱で
一方の側を固定した弾性部材4と、該弾性部材4の他方
側の両端部に両端を固定すると共に中央部の位置に被変
位部材を取り付ける湾曲型たわみ部材2と、前記弾性部
材4の一方側の両端部に固定された圧電素子1からなる
ものである。前記湾曲型たわみ部材2と前記弾性部材4
の形状は矩形、若しくは円板状のものが用いられる。前
者の場合圧電素子1は矩形、後者の場合は円環状若しく
は円板状のものが用いられる。後者のものは前者の矩形
形状のものに比べ、変位を大きくとれる利点がある。
【0024】前記圧電素子1の駆動によって前記弾性部
材4が図の(A)において左右外方向に広げられると、
図の(B)に示すように前記弾性部材4は谷形に変形さ
せられる。該弾性部材4の上面端部に固着された前記た
わみ部材2の両端間距離は狭められ、該たわみ部材2は
山形に湾曲させられることにより、該たわみ部材2の中
央部はより高い位置に変位させられる。反対に前記弾性
部材4が図の(A)において左右外方向に狭められる
と、図の(C)に示すように前記弾性部材4は山形に変
形させられる。該弾性部材4の上面端部に固着された前
記たわみ部材2の両端間距離は広げられ、該たわみ部材
2は左右に引き伸ばされることにより、該たわみ部材2
の中央部はより低い位置に変位させられる。
【0025】図5の(D)に示した例は中央部が固定さ
れた断面コの字状の圧電素子1と、該圧電素子1の両先
端部に両端が固着されると共に中央部の位置にミラー等
の被変位部材を取り付ける屈曲型たわみ部材2とからな
るものである。前記屈曲型たわみ部材2の形状は矩形で
あっても円板状であってもよい。前者の場合、断面コの
字状とせず、左右に二つの圧電素子を用いても良く、後
者の場合は全体を円筒形としても良い。ただし、断面コ
の字状とすると、一体的に圧電素子を形成することがで
き、また、複数の圧電素子を一体で形成できるという利
点がある。この例においては前記屈曲型たわみ部材2に
は切込み溝が設けられ、屈曲し易いように構成されてい
る。前記圧電素子1が図5の(E)に示したようにせん
断駆動によって両側の先端部間距離が狭まると、前記た
わみ部材2の両端距離がこれに伴って狭められ該たわみ
部材2の中央部が山形に屈曲させられることにより、大
きな変位を得ることができる。
【0026】前記屈曲型たわみ部材2の形状が矩形であ
って、圧電素子1の形状がコの字状部材である例では、
たわみ部材2の取付け位置を図示のようではなく、圧電
素子先端部側面に取り付ける変形例もある。この形態は
図4に示した例と同様に、出力変位方向が圧電素子の長
手方向と直交する関係にあり高さ寸法を取れない条件に
おいて有利な形態となる。以上の説明において、本発明
の圧電アクチュエータは図6に示した光通信分野に使用
される光スイッチの変位駆動用のものを念頭に説明して
きたが、これに限らず、高精度の位置決め用アクチュエ
ータとして、CD−ROM等の記録装置などの各種電子
機器に採用することが出来るものである。
【0027】
【発明の効果】本発明の変位拡大機能を備えた圧電アク
チュエータは、一端を固定した二つの圧電素子と、該二
つの圧電素子の他端側に両端を固着すると共に、中央部
の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型たわみ部材とか
らなるものであるから、単純な構成でありながら圧電素
子の駆動によってたわみ部材の両端距離を伸縮させて屈
曲させることにより中央部に大きな変位を得ることがで
きる。また、本発明の変位拡大機能を備えた圧電アクチ
ュエータにおける圧電素子は、長手方向に伸縮機能を有
する圧電素子若しくはバイモルフ型圧電素子のように屈
曲機能を有するバイモルフ型圧電素子であって、二つの
素子の一端を固定部材に固着する構成を採用したことに
より、支持構造が極めて安定し変位動作も安定する。
【0028】中央部で一方の側を固定した弾性部材と、
該弾性部材の他方側の両端部に両端を固定すると共に中
央部の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型たわみ部材
と、前記弾性部材の一方側の両端部に固定された圧電素
子からなる本発明の変位拡大機能を備えた圧電アクチュ
エータは、支柱による固定で支持構造がしっかりしてい
るだけでなく、前記圧電素子の駆動によって前記弾性部
材を山形又は谷形に変形させて前記たわみ部材を屈伸さ
せるという単純な機構で、該たわみ部材の中央部に大き
な変位を得ることができる。そして、弾性部材とたわみ
部材が円板状であり、圧電素子は円環状又は円板状であ
る構成を採用することで更に効果的な変位拡大機構を実
現できる。
【0029】また、一端が固定された二つの圧電素子
と、該圧電素子の両他端部に両端が固着されると共に中
央部の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型たわみ部材
とからなる本発明の変位拡大機能を備えた圧電アクチュ
エータは、圧電素子の両先端部にたわみ部材の両端が固
着されるという構造によって支持構造がしっかりしてい
るだけでなく、前記圧電素子のせん断駆動によって前記
圧電素子の両先端部間距離が狭まり、前記たわみ部材の
両端距離を狭めて屈曲させるという単純な機構で、該た
わみ部材の中央部に大きな変位を得ることができる。
【0030】また、本発明では、一端を固定した長手方
向形状を有する圧電素子の他端側の側面部にたわみ部材
の両端部を固着して長手方向と直交する方向に変位を得
る用に構成することにより、高さ寸法を取れない条件に
おいて有利な形態を実現させた。更には本発明はたわみ
部材に切込みをいれて屈曲容易部を形成することによ
り、変位拡大機能を高めることを実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す図であり、A
は側面図、Bは背面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示す上面図、側面
図そして端面図である。
【図5】(A)は本発明の第5の実施の形態を示す側面
図であり、(B)(C)はその動作態様を示す図であ
る。(D)は本発明の第6の実施の形態を示す側面図で
あり、(E)はその動作態様を示す図である。
【図6】本発明が適用される光通信分野で使用されてい
る光スイッチの基本構成を説明する図である。
【図7】本発明に使用される圧電素子の代表例を示す図
である。
【図8】従来の圧電アクチュエータの例を示す図であ
る。
【図9】従来の拡大機能付き圧電アクチュエータを示す
図である。
【符号の説明】
1,A,A',B 圧電素子 2 たわみ部材 4 弾性部材 5 ミラー
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 聖士 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 春日 政雄 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 2H041 AA16 AB13 AC08 AZ02 5H680 AA06 AA19 BB13 BB20 BC10 CC01 DD01 DD15 DD23 DD24 DD27 DD34 DD53 DD65 DD82 DD97 FF31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端を固定した二つの圧電素子と、該二
    つの圧電素子の他端側に両端を固着すると共に、中央部
    の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型たわみ部材とか
    らなるものであって、前記圧電素子の駆動によって前記
    たわみ部材の両端距離を伸縮させて屈曲させることによ
    り中央部に大きな変位を得ることを特徴とする変位拡大
    機能を備えた圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 一端を固定した二つの圧電素子は、長手
    方向に伸縮機能を有する圧電素子であって、該伸縮動作
    によってたわみ部材の両端距離を変化させ、該たわみ部
    材を屈曲させるものである請求項1に記載の変位拡大機
    能を備えた圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 一端を固定した二つの圧電素子は、屈曲
    機能を有する圧電素子であって、該屈曲動作によってた
    わみ部材の両端距離を変化させ、該たわみ部材を屈曲さ
    せるものである請求項1に記載の変位拡大機能を備えた
    圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 中央部で一方の側を固定した弾性部材
    と、該弾性部材の他方側の両端部に両端を固定すると共
    に中央部の位置に被変位部材を取り付ける屈曲型たわみ
    部材と、前記弾性部材の一方側の両端部に固定された圧
    電素子からなるものであって、前記圧電素子の駆動によ
    って前記弾性部材を山形又は谷形に変形させて前記たわ
    み部材を屈伸させることにより、該たわみ部材の中央部
    に大きな変位を得ることを特徴とする変位拡大機能を備
    えた圧電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 弾性部材とたわみ部材は円板状であり、
    圧電素子は円環状又は円板状である請求項4に記載の変
    位拡大機能を備えた圧電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 一端が固定された二つの圧電素子と、該
    圧電素子の両他端部に両端が固着されると共に中央部の
    位置に被変位部材を取り付ける屈曲型たわみ部材とから
    なるものであって、前記圧電素子のせん断駆動によって
    前記圧電素子の両先端部間距離が狭まり、前記たわみ部
    材の両端距離を狭めて屈曲させることにより中央部に大
    きな変位を得ることを特徴とする変位拡大機能を備えた
    圧電アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 一端を固定した長手方向形状を有する圧
    電素子の他端側の側面部にたわみ部材の両端部を固着し
    て長手方向と直交する方向に変位を得ることを特徴とす
    る請求項1又は6に記載の変位拡大機能を備えた圧電ア
    クチュエータ。
  8. 【請求項8】 たわみ部材に切込みをいれて屈曲容易部
    とする請求項1乃至7のいずれかに記載の変位拡大機能
    を備えた圧電アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の圧電
    アクチュエータを備えたことを特徴とする電子機器。
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