JP2003257992A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JP2003257992A
JP2003257992A JP2002059925A JP2002059925A JP2003257992A JP 2003257992 A JP2003257992 A JP 2003257992A JP 2002059925 A JP2002059925 A JP 2002059925A JP 2002059925 A JP2002059925 A JP 2002059925A JP 2003257992 A JP2003257992 A JP 2003257992A
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Shunji Mashita
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャネルドープによる薄膜トランジスタのし
きい値電圧のシフトのバラツキを抑える。 【解決手段】 多結晶シリコン薄膜半導体層のチャネル
領域に、直接不純物を注入する薄膜トランジスタの製造
方法において、上記チャネル領域へ不純物を注入する工
程の前に、フッ酸で洗浄する工程を導入することによっ
て、大気中の汚染によって上記チャネル領域へ入りこん
でいる不純物が減少して、チャネルドープ領域21形成
に伴うしきい値電圧のシフトのバラツキを抑えた薄膜ト
ランジスタの製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置やイ
メージセンサ等に応用される薄膜トランジスタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭用ビデオカメラのビューファ
インダーやノート型パソコンなどに液晶表示装置が搭載
されているが、これらの液晶表示装置の中でも高画質表
示が可能なアクティブマトリックス型液晶表示装置が特
に注目されている。このアクティブマトリックス型液晶
表示装置には、画素電極のスイッチング素子として、薄
膜トランジスタ(Thin Film Trasist
or:以下、TFTと略記する)がよく用いられてい
る。
【0003】このような従来のTFTの例が、論文AM
−LCD‘95 Digest pp−15−18,1
995に記載されている。従来のTFTの一例として図
2に示すようなTFTについて、以下に説明する。
【0004】まず、ガラス基板1上に、半導体層2の前
駆体として例えば非晶質シリコン層を形成し(図2
(a))、次に熱処理・レーザー照射により半導体層2
として多結晶シリコン層を形成する(図2(b))。そ
の後、フォトリソグラフィー法とエッチングを用いて、
上記半導体層2を島状に加工する(図2(c))。次
に、上記半導体層2上にゲート絶縁層4を形成してか
ら、例えばイオンドーピング法を用いて、上記半導体層
2のチャネル領域に直接不純物を注入しチャネルドープ
領域21を形成する(図2(d))。その後、上記ゲー
ト絶縁層4の上にゲート電極5を形成し加工する。そし
て、例えばイオンドーピング法を用いて半導体層2の一
部領域にソース・ドレイン領域3を形成する(図2
(e))。更に、層間絶縁層6、コンタクトホールを形
成した(図2(f))後、ソース・ドレイン電極7を形
成し(図2(g))、TFTが完成する。
【0005】以上のように構成された従来のTFTにお
いては、チャネルドープ領域21に用いる不純物として
例えばホウ素等が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成のトランジスタでは、半導体層のチャネル領
域に直接不純物を注入してチャネルドープ領域を形成す
る工程(以降,チャネルドープと略記する)の前に、半
導体層が大気中で汚染されるため、チャネルドープの際
には、上記汚染による多量の不純物(以降、汚染不純物
と略記する)が上記チャネル領域に存在して、上記チャ
ネルドープ領域の形成によるTFTのしきい値電圧のシ
フトが大きくなり、上記チャネルドープによる上記しき
い値電圧のシフトのバラツキが大きくなってしまうとい
う課題を有していた。
【0007】これは、チャネルドープを行う前に、半導
体層が大気中で汚染されて、大気中にある不純物が上記
半導体層のチャネル領域へ多量に入りこんでいるため
に、チャネルドープ領域を形成する時には、上記チャネ
ル領域で、上記チャネルドープで注入される不純物と多
量の汚染不純物とが混在しており、その結果、上記チャ
ネルドープによって生じるTFTのしきい値電圧のシフ
トが汚染不純物により大きくなり、かつ、上記汚染不純
物による上記シフトの大きさのバラツキが大きくなるの
で、上記チャネルドープによる上記しきい値電圧のシフ
トのバラツキが大きくなることが原因であった。
【0008】本発明はかかる点に鑑み、チャネルドープ
によるしきい値電圧のシフトのバラツキを抑えた薄膜ト
ランジスタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、多結晶シリコン薄膜半導体層のチャネル
領域へ直接不純物を注入する工程の前に、フッ酸で洗浄
する工程を導入することを特徴とする薄膜トランジスタ
である。
【0010】それにより、半導体層のチャネル領域に直
接不純物を注入してチャネルドープ領域を形成する工程
の前にフッ酸で洗浄する工程を導入することで、大気中
の汚染によって上記半導体層のチャネル領域へ入りこん
でいる不純物が減少して、チャネルドープ領域の形成に
伴うTFTのしきい値電圧のシフトが小さくなり、チャ
ネルドープによる上記しきい値電圧のシフトのバラツキ
を抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、表面が絶縁性の基板上に形成した多結晶シリコン薄
膜半導体層のチャネル領域に、直接不純物を注入する薄
膜トランジスタの製造方法において、上記チャネル領域
へ不純物を注入する工程の前に、フッ酸で洗浄する工程
を導入することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
法としたものであり、これは大気中の汚染によって上記
多結晶シリコン薄膜半導体層のチャネル領域へ入りこん
でいる不純物が減少して、チャネルドープ領域の形成に
伴うTFTのしきい値電圧のシフトが小さくなり、チャ
ネルドープによる上記しきい値電圧のシフトのバラツキ
を抑えた薄膜トランジスタを作製できるという作用を有
する。
【0012】本発明の請求項2に記載の発明は、フッ酸
で洗浄する工程が多結晶シリコン薄膜半導体層の表面が
撥水するまで洗浄する工程であることを特徴とする請求
項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法としたもので
あり、これは、上記多結晶シリコン層の大気中の汚染に
より上記多結晶シリコン層上に自然に形成された上記多
結晶シリコン層の酸化膜が除去されて、かつ上記汚染に
より多量に大気中から上記酸化膜と上記多結晶シリコン
層のチャネル領域へ入りこんでいる不純物が減少して、
チャネルドープによるしきい値電圧のシフトのバラツキ
を抑えた薄膜トランジスタを作製できるという作用を有
する以下本発明の実施の形態について、図1を用いて説
明する。
【0013】(実施の形態1)まず、ガラス基板1上
に、半導体層2の前駆体として、プラズマCVD法によ
り膜厚50nmの非晶質シリコン層を成膜し(図1
(a))、450℃で1時間の熱処理により上記非晶質
シリコン層中の水素含有量を減少させる。これは、次の
結晶化工程で水素が突沸してシリコン層が損傷するのを
防ぐためである。そして、例えば波長308nmのXe
Clレーザを300mJ/cm2程度のエネルギ−密度
で照射し、結晶化させて半導体層2として多結晶シリコ
ン層を形成する(図1(b))。その後、上記多結晶シ
リコン層の表面が撥水するまでフッ酸洗浄を行う(図1
(c))。
【0014】次に、アクセプターとなるホウ素を上記多
結晶シリコン層のチャネル領域に直接注入して、チャネ
ルドープ領域21を形成する(図1(d))。この時、
例えばイオン・ドーピング法を用いて上記ホウ素を注入
することにより、その後400℃程度の熱処理によって
充分に上記ホウ素等の不純物を活性化することができ
る。ここで、イオンドーピング法とは、例えば高周波放
電プラズマを使いガスを分解し、少なくとも注入すべき
元素を含むイオンを生成して、上記イオンに対し質量分
離を伴わない加速電圧をかけることにより、上記イオン
を加速し活性半導体薄層に導入する方法であり、上記ホ
ウ素は、上記イオンドーピング法のガスとして水素ガス
で希釈したボロンガスを使用している。
【0015】ここで、子細に検討した結果、図3・図4
に示すような結果が得られた。まず、多結晶シリコン層
を形成した後、ホウ素を上記多結晶シリコン層のチャネ
ル領域に直接注入し、チャネルドープ領域を形成する条
件で作成した薄膜トランジスタ(以降、フッ酸洗浄無し
TFTと略記する)、及び上記多結晶シリコン層を形成
した後、フッ酸洗浄を上記多結晶シリコン層の表面が撥
水するまで行って、次にホウ素を上記多結晶シリコン層
のチャネル領域に直接注入し、チャネルドープ領域を形
成する条件で作成した薄膜トランジスタ(以降、フッ酸
洗浄有りTFTと略記する)を作成した。図3は、フッ
酸洗浄無しTFTとフッ酸洗浄有りTFTの間でチャネ
ルドープによるしきい値電圧のシフト量のバラツキを比
較した図を示す。また、図4は、チャネルドープ領域を
形成する前にフッ酸洗浄を行わなかった場合とフッ酸洗
浄を行った場合に於ける半導体層表面の状態を模式的に
比較した図を示す。
【0016】図3に示されているように、フッ酸洗浄無
しTFTでは、上記しきい値電圧のシフト量は4.9V
の範囲内で大きなバラツキが見られたのに対して、フッ
酸洗浄有りTFTでは、上記しきい値電圧のシフト量は
1.9Vの範囲内でバラツキが小さく見られた。その理
由としては、フッ酸洗浄無しTFTでは、多結晶シリコ
ン層の形成後、上記多結晶シリコン層が大気中で汚染さ
れている、即ち上記多結晶シリコン層の上に自然に上記
多結晶シリコン層の酸化膜が形成され、かつ大気中の不
純物が上記酸化膜と上記多結晶シリコン層のチャネル領
域へ多量に入りこんでいる(図4(a))ので、次の上
記チャネルドープ領域を形成する際には、上記チャネル
領域で上記チャネルドープ領域形成で注入される不純物
と多量の上記汚染で入りこんだ不純物とが混在してお
り、その結果、上記チャネルドープによって生じるTF
Tのしきい値電圧のシフトが汚染不純物により大きくな
り、かつ、上記汚染不純物による上記シフトの大きさの
バラツキが大きくなるので、上記チャネルドープによる
上記しきい値電圧のシフトのバラツキが大きくなる。
【0017】これに対して、フッ酸洗浄有りTFTで
は、上記多結晶シリコン層の形成後、上記多結晶シリコ
ン層が大気中で汚染されている、即ち上記多結晶シリコ
ン層の上に自然に上記多結晶シリコン層の酸化膜が形成
され、かつ大気中の不純物が上記酸化膜と上記多結晶シ
リコン層のチャネル領域へ多量に入りこんでいるが、上
記多結晶シリコン層表面が撥水するまでフッ酸洗浄を行
うことにより、上記酸化膜が除去され、かつ多量に上記
チャネル層へ入りこんでいた不純物が減少する(図4
(b))ので、次の上記チャネルドープ領域を形成する
際には、上記チャネル領域で上記チャネルドープ領域形
成で注入される不純物と少量の上記汚染で入りこんだ不
純物とが混在しており、その結果、汚染不純物の影響を
ほとんど受けないために、上記チャネルドープによって
生じるTFTのしきい値電圧のシフトは小さくなり、か
つ、上記汚染不純物による上記シフトの大きさのバラツ
キが小さくなるので、上記チャネルドープによる上記し
きい値電圧のシフトのバラツキが小さくなることが挙げ
られる。
【0018】次に、子細に検討した結果、図には示して
いないが、次のような結果が得られた。多結晶シリコン
層を形成した後、フッ酸洗浄を行って、次にホウ素を上
記多結晶シリコン層のチャネル領域に直接注入し、チャ
ネルドープ領域を形成する条件で作成した薄膜トランジ
スタに於いて、上記フッ酸洗浄を上記多結晶シリコン層
の表面が撥水しない所まで行ったTFT(以降、p−S
i層表面撥水無しTFTと略記する)と上記多結晶シリ
コン層の表面が撥水する所まで行ったTFT(以降、p
−Si層表面撥水有りTFTと略記する)を作製した。
p−Si層表面撥水無しTFTでは、チャネルドープに
よるしきい値電圧のシフト量では大きなバラツキが見ら
れたのに対して、p−Si層表面撥水有りTFTでは、
上記しきい値電圧のシフト量ではバラツキが小さく見ら
れた。その理由として、p−Si層表面撥水無しTFT
では、上記多結晶シリコン層の形成後、上記多結晶シリ
コン層が大気中で汚染されている、即ち上記多結晶シリ
コン層の上に自然に上記多結晶シリコン層の酸化膜が形
成され、かつ大気中の不純物が上記酸化膜と上記多結晶
シリコン層のチャネル領域へ多量に入りこんでいるが、
上記多結晶シリコン層表面が撥水しない所までしかフッ
酸洗浄を行わないことにより、上記酸化膜が完全には除
去されないで、かつ多量に上記チャネル層へ入りこんで
いた不純物が大きく減少しないので、次の上記チャネル
ドープ領域を形成する際には、上記チャネル領域に於い
て上記チャネルドープ領域形成で注入される不純物とか
なり多量に残っている上記汚染で入りこんだ不純物とが
混在しており、その結果、上記チャネルドープによって
生じるTFTのしきい値電圧のシフトはかなり大きく、
かつ、上記汚染不純物による上記シフトの大きさのバラ
ツキがかなり大きいので、上記チャネルドープによる上
記しきい値電圧のシフトのバラツキがかなり大きくな
る。
【0019】これに対して、p−Si層表面撥水有りT
FTでは、上記多結晶シリコン層の形成後、上記多結晶
シリコン層が大気中で汚染されている、即ち上記多結晶
シリコン層の上に自然に上記多結晶シリコン層の酸化膜
が形成され、かつ大気中の不純物が上記酸化膜と上記多
結晶シリコン層のチャネル領域へ多量に入りこんでいる
が、上記多結晶シリコン層表面が撥水するまでフッ酸洗
浄を行うことにより、上記酸化膜が完全に除去され、か
つ多量に上記チャネル層へ入りこんでいた不純物が大き
く減少するので、次の上記チャネルドープ領域を形成す
る際には、上記チャネル領域で上記チャネルドープ領域
形成で注入される不純物と少量の上記汚染で入りこんだ
不純物とが混在しており、その結果、汚染不純物の影響
をほとんど受けないために、上記チャネルドープによっ
て生じるTFTのしきい値電圧のシフトは小さくなり、
かつ、上記汚染不純物による上記シフトの大きさのバラ
ツキが小さくなるので、上記チャネルドープによる上記
しきい値電圧のシフトのバラツキが小さくなることが挙
げられる。
【0020】この際、上記p−Si層表面撥水無しTF
Tと 上記p−Si層表面撥水有りTFTに於いて、フ
ッ酸洗浄を上記多結晶シリコン層の表面が撥水しない所
まで行ったか、又は上記フッ酸洗浄を上記表面が撥水す
る所まで行ったかの確認は、上記p−Si層表面撥水無
しTFTと 上記p−Si層表面撥水有りTFTの作製
工程内に於けるゲート絶縁膜の形成工程の前に、上記多
結晶シリコン層の接触角を測定する方法を用いて行なっ
た。従って、上記半導体層表面が撥水するまで行うフッ
酸洗浄の条件として、フッ酸濃度が低い条件で洗浄した
上記半導体層を持つ薄膜トランジスタは、大気中の汚染
によって上記半導体層のチャネル領域へ入りこんでいる
不純物が減少して、チャネルドープ領域の形成に伴うT
FTのしきい値電圧のシフトが小さくなり、チャネルド
ープによる上記しきい値電圧のシフトのバラツキを抑え
ることができる。
【0021】次に、フォトリソグラフィーおよびエッチ
ングを用いて上記半導体層2を島状に加工する(図1
(e))。そして上記半導体層2の上に、ゲート絶縁層
4として、例えば正珪酸エチル(Si(OC254
テトラエトキシシラン)を含むガスを用いたプラズマC
VD法により膜厚100nmのSiO2を形成する。次
に、ゲート電極5として膜厚200nmのTaをスパッ
タ法により成膜し、フォトリソグラフィーおよびエッチ
ングを用いて加工する。次に、ゲート電極5をマスクと
して、ドナーとなる燐を半導体層2の一部領域に注入し
ソース・ドレイン領域3を形成する。この時、例えばイ
オン・ドーピング法を用いてドナーとなる燐を注入する
ことで、その後の400℃程度の熱処理によって充分に
上記の燐等の不純物を活性化することができる。ここ
で、上記の燐は、上記イオンドーピング法のガスとして
水素ガスで希釈したホスフィンガスを使用している。
(図1(f))そして、層間絶縁層6として例えば常圧
CVD法により膜厚300nmのSiO2を形成した
後、フォトリソグラフィーおよびエッチングによってコ
ンタクトホールを形成する(図1(g))。さらに、ソ
ース・ドレイン電極7として例えば膜厚700nmのT
iを成膜し,加工して薄膜トランジスタが完成する(図
1(h))。
【0022】以上のように構成されたこの実施の形態1
の薄膜トランジスタには、次の効果がある。表面が絶縁
性の基板上に形成した多結晶シリコン薄膜半導体層のチ
ャネル領域に、直接不純物を注入する薄膜トランジスタ
において、上記チャネル領域へ不純物を注入する工程の
前に、フッ酸で洗浄する工程を導入することにより、大
気中の汚染によって上記半導体層のチャネル領域へ入り
こんでいる不純物が減少して、チャネルドープ領域の形
成に伴うTFTのしきい値電圧のシフトが小さくなり、
チャネルドープによるしきい値電圧のシフトのバラツキ
を抑えた薄膜トランジスタが得られる。
【0023】なお、実施の形態1では、チャネルドープ
領域を形成するアクセプターとしてホウ素を用いたが、
これはチャネルドープ領域を形成できてアクセプターや
ドナーとして働くものならば何でもよく、アクセプター
としてはアルミニウム等やドナーとしては燐や砒素等で
もよい。
【0024】なお、実施の形態1では、フッ酸洗浄とチ
ャネルドープ領域形成の工程位置として半導体層の前駆
体の結晶化工程の次にフッ酸洗浄工程、その次にチャネ
ルドープ領域形成工程の順番で用いたが、これはフッ酸
洗浄工程がチャネルドープ領域形成の工程の前であり、
かつ上記半導体層の表面が撥水するまで上記フッ酸洗浄
が可能である工程位置ならばどこでもよい。
【0025】なお、実施の形態1では、半導体層の前駆
体の形成方法としてプラズマCVD法を用いたが、減圧
CVD法,スパッタ法,真空蒸着法,または光CVD法
など、所定のシリコン膜を形成できるものなら何でもよ
い。
【0026】なお、実施の形態1では、半導体層の前駆
体をレーザ照射による結晶化の前に熱処理をしている
が、これは前駆体膜中の水素濃度が充分小さくレーザ照
射時にシリコン膜の損傷がなければ熱処理を行なう必要
はない。
【0027】なお、実施の形態1では、半導体層の前駆
体を結晶化するためにXeClレーザ光を照射したが、
これは前駆体を結晶化できる方法ならば何でもよく、K
rFレーザー光やArイオンレーザ光等のレーザー光照
射や炉による熱アニール等でもよい。
【0028】なお、実施の形態1では、ゲート絶縁層の
形成方法として正珪酸エチル(Si(OC254,テ
トラエトキシシラン)を含むガスを用いたプラズマCV
D法を用いたが、これは所定の酸化シリコン膜を形成で
きるものならば何でもよく、テトラエチルシラン(Si
(C254)やトリエトキシシラン(SiH(OC2
53)を含むガスを用いたプラズマCVD法や減圧CV
D法、常圧CVD法等でもよい。
【0029】なお、実施の形態1では、ゲート電極とし
てTaを用いたが、金属なら何でもよく、Al、Mo、
Ti、Crやこれらを主成分とする合金金属等でもよ
い。
【0030】なお、実施の形態1では、所定の元素を導
入する方法としてイオン・ドーピング法を用いたが、こ
れは所定の元素を導入できる方法ならば何でもよく、イ
オン注入法やプラズマドーピング法等でもよい。
【0031】なお、実施の形態1では、ソース・ドレイ
ン領域を形成するドナーとして燐を用いたが、これはn
チャネルの薄膜トランジスタを作製する場合には砒素な
どドナーとして働くものなら何でもよく、pチャネルの
薄膜トランジスタを作製する場合にはアルミニウムやほ
う素などアクセプターとして働くものならば何でもよ
い。
【0032】なお、実施の形態1では、ソース電極およ
びドレイン電極としてチタンTiを用いたが、これは電
極として働くものなら何でもよく、例えばクロムCr、
タンタルTa,モリブデンMo、アルミニウムAl等の
金属や不純物を大量にドープした多結晶シリコンやIT
O等の透明導電層等でもよい。
【0033】なお、実施の形態1では、層間絶縁層とし
て常圧CVD法により形成したSiO2を用いたが、こ
れは絶縁層として働くものなら何でもよく、例えば減圧
CVD法,プラズマCVD法,スパッタ法,またはEC
R−CVD法等の成膜手法を用いて形成した窒化シリコ
ンや酸化タンタル等でもよい。
【0034】なお、実施の形態1では、ガラス基板を用
いたが、これは表面が絶縁性のものならば何でもよく、
プラスチック基板や表面に酸化シリコンを形成した結晶
シリコン基板や金属板等でもよい。
【0035】
【発明の効果】多結晶シリコン薄膜半導体層のチャネル
領域に、直接不純物を注入する薄膜トランジスタにおい
て、上記チャネル領域へ不純物を注入する工程の前に、
フッ酸で洗浄する工程を導入することによって、大気中
の汚染によって上記半導体層のチャネル領域へ入りこん
でいる不純物が減少して、チャネルドープ領域の形成に
伴うTFTのしきい値電圧のシフトが小さくなり、チャ
ネルドープによる上記しきい値電圧のシフトのバラツキ
を抑えることができるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における薄膜トランジス
タの作製工程の断面図
【図2】従来例における薄膜トランジスタの作製工程の
断面図
【図3】フッ酸洗浄の有るTFTとフッ酸洗浄の無いT
FTとの間に於けるチャネルドープによる薄膜トランジ
スタ(=TFT)のしきい値電圧のシフト量のバラツキ
を比較した図
【図4】フッ酸洗浄を行わなかった場合とフッ酸洗浄を
行った場合に於ける半導体層表面の状態を模式的に比較
した図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 半導体層 3 ソース・ドレイン領域 4 ゲート絶縁層 5 ゲート電極 6 層間絶縁層 7 ソース・ドレイン電極 21 チャネルドープ領域
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 JA24 KA04 KA07 KA10 MA01 MA05 MA07 MA08 MA09 MA13 MA18 MA27 MA30 NA24 NA29 5F110 AA14 BB01 BB10 CC02 DD01 DD02 DD05 EE03 EE04 EE44 FF02 FF30 FF32 GG02 GG13 GG25 GG32 GG42 GG43 GG45 GG47 GG51 GG58 GG60 HJ01 HJ12 HJ13 HJ18 HJ23 HL03 HL04 HL07 HL08 NN02 NN23 NN24 NN34 NN35 PP03 PP29 PP35 PP38 QQ11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が絶縁性の基板上に形成した多結晶
    シリコン薄膜半導体層のチャネル領域に、直接不純物を
    注入する薄膜トランジスタの製造方法において、前記チ
    ャネル領域へ不純物を注入する工程の前に、前記チャネ
    ル領域をフッ酸で洗浄する工程を有することを特徴とす
    る薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記チャネル領域をフッ酸で洗浄する工
    程が、多結晶シリコン薄膜半導体層の表面が撥水するま
    で洗浄することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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