JP2003255559A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

平版印刷版の製版方法

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JP2003255559A
JP2003255559A JP2002059293A JP2002059293A JP2003255559A JP 2003255559 A JP2003255559 A JP 2003255559A JP 2002059293 A JP2002059293 A JP 2002059293A JP 2002059293 A JP2002059293 A JP 2002059293A JP 2003255559 A JP2003255559 A JP 2003255559A
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Tadao Toyama
忠夫 登山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体上の親水性層の親水性が高くかつ支持
体との結合力が優れ、特に印刷汚れ性が改善されてい
て、厳しい印刷条件においても、汚れが生じない印刷物
が得られる平版印刷版を提供する。 【解決手段】 親水性グラフトポリマー鎖が存在する親
水性表面を有する支持体上に、画像形成層を有する平版
印刷版用原版を、画像露光後、少なくとも一種の非還元
糖アルカリ金属塩を含有するアルカリ性現像液を用いて
現像処理することを含む平版印刷版の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新規な親水性層を
有する平版印刷版用支持体上に画像形成層を有する平版
印刷版用原版を用いた平版印刷版の製版方法に関し、特
に、感度及び汚れ性に優れた、ポジ型およびネガ型の両
方の形態を採ることができる平版印刷版用原版を用いた
平版印刷版の製版方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、平版印刷版に用いる親水性基板又
は親水性層としては、陽極酸化されたアルミニウム基
板、若しくはさらに親水性を上げるために陽極酸化され
たアルミニウム基板をシリケート、ポリビニルホスホン
酸(特開平7−1853号公報)、ポリビニル安息香酸
などの下塗り剤で処理した基板又は親水性層が用いられ
てきた。これらアルミニウム支持体を用いた親水性基板
若しくは親水性層に関する研究が盛んに行われている。
また、特開昭59−101651号公報には、感光性層
の下塗り層としてスルホン酸基を有するポリマーを使用
する技術が記載されている。 【0003】一方、アルミニウムの様な金属支持体を用
いずPET(ポリエチレンテレフタレート)、セルロー
スアセテートなどのフレキシブルな支持体を用いたとき
の親水性層に関しては、特開平8−292558号に記
載の親水性ポリマーと疎水性ポリマーとからなる膨潤親
水層、EP0709228号に記載のマイクロポーラス
な親水性架橋シリケート表面を有するPET支持体、特
開平8−272087号、及び特開平8−507727
号に記載の親水性ポリマーを含有し加水分解されたテト
ラアルキルオルソシリケートで硬化された親水性層、等
の技術が知られている。これらの親水性層により、印刷
時に汚れの生じない印刷物が得られる平版印刷版を得る
ことができるが、実用的な観点から、より親水性が高い
親水性層を有し、より厳しい印刷条件においても、汚れ
の生じない印刷物が得られる平版印刷版が望まれてい
た。 【0004】これに対して、従来のアルミニウムを支持
体とする平版印刷版原版用の現像液のアルカリ剤として
は、アルカリ金属珪酸塩が用いられてきたが、その理由
は、現像中にアルミニウム基版表面と珪酸イオンが反応
して、基板表面に親水性の層を形成することによって汚
れが生じにくい印刷版が得られるためである。かかる現
像液としてSiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.5
(即ち[SiO2]/[Na2O]が1.0〜1.5)で
あって、SiO2 の含有量が1〜4質量%の珪酸酸ナト
リウムの水溶液を使用し、しかもポジ型感光性平版印刷
版の処理量に応じて連続的または断続的にSiO2/N
2Oのモル比が0.5〜1.5(即ち[SiO2]/
[Na2O]が0.5〜1.5)の珪酸ナトリウム水溶
液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間タ
ンク中の現像液を交換する事なく、多量のポジ型感光性
平版印刷版を処理することができる旨、特開昭54−6
2004号公報に開示されている。 【0005】また、特公昭57−7427号公報は、
[SiO2]/[M]が0.5〜0.75(即ち[Si
2]/[M2O]が1.0〜1.5)であって、SiO
2の濃度が1〜4質量%であるアルカリ金属珪酸塩の現
像液を用い、補充液として用いるアルカリ金属ケイ酸塩
の[SiO2]/[M]が0.25〜0.75(即ち
[SiO2]/[M2O]が0.5〜1.5)であり、か
つ該現像液および該補充液のいずれもがその中に存在す
る全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも
20%のカリウムを含有していることことからなる現像
方法を開示している。しかしながら、現像液の主成分で
ある珪酸塩は、アルカリ性領域では安定であるが、中性
ではゲル化、不溶化し、また蒸発乾固するとフッ化水素
酸のような強烈な酸にしか溶けなくなる欠点を持ってい
る。またアルミニウムやカルシウムのような多価イオン
と不溶性の塩を形成するため、自動現像液中でも珪酸カ
ルシウムやシリカを主成分とする固いカスが析出するこ
とがあり、特に本発明で用いるポリエステルフイルムな
どの非金属支持体にキズや凹みを付ける問題があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、前記従来における諸問題を解決することであり、す
なわち、支持体上の親水性層の親水性が高くかつ支持体
との結合力が優れ、特に印刷汚れ性が改善され、厳しい
印刷条件においても、汚れが生じない印刷物が得られる
とともに支持体にキズや凹みのない平版印刷版を提供す
ることである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、例えば、PETフィ
ルム表面をグロー処理(酸素のプラズマを真空中で照
射)を施し、PETフィルム表面にラジカル等の活性種
を誘起させ、これによって反応を開始する親水性基を有
するモノマーを加え重合させる表面グラフト重合により
得た高分子化合物の層、すなわち、高分子鎖の末端が支
持体基板に化学結合された親水性層を用いた平版印刷版
用原版を画像露光後、特定の組成を持った非珪酸塩系の
現像液で現像した場合に、従来のアルカリ金属珪酸塩を
含有する現像液で処理するときと比較して、厳しい印刷
条件下においても汚れが生じない印刷物が得られること
を見いだし、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち本発明は、親水性グラフトポリマ
ー鎖が存在する親水性表面を有する支持体上に、画像形
成層を有する平版印刷版用原版を、画像露光後、少なく
とも一種の非還元糖アルカリ金属塩を含有するアルカリ
性現像液を用いて現像処理することを含む平版印刷版の
製版方法である。本発明において、現像浴に処理量や稼
動時間などに応じて現像補充液を補充しながら現像処理
することができる。従って本発明の好ましい実施態様に
よれば、さらに、少なくとも一種の非還元糖アルカリ金
属塩を含有するアルカリ性現像補充液を用いて現像処理
する上記製版方法がある。本発明で用いるアルカリ性現
像液、あるいはアルカリ性現像補充液はpH値が10.
0〜13.8の範囲であることが好ましい。 【0009】本発明者らは、上記のように非常に高い親
水性を発現する技術として、支持体基板の表面にグラフ
トした親水性ポリマーを使用することを特徴とした親水
性層を使用した支持体を見出し、この上に画像形成層を
有する平版印刷版用原版を画像露光後、更に特定の組成
のアルカリ金属珪酸塩を含有する現像液で現像すること
で問題を解決した。すなわち、該親水性層は親水性官能
基を有する高分子化合物からなり、かつそれが支持体表
面に化学結合しているが、このように、親水性官能基を
有する高分子化合物が支持体表面と該高分子鎖の末端で
直接結合するか、もしくは支持体表面に化学的に結合さ
れている幹高分子化合物を介して化学結合により支持体
表面に結合されていることを特徴とする親水性層を使用
した平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版用原版を画
像露光後、非珪酸塩系現像液を用いて、あるいは非珪酸
塩系現像液と非珪酸塩系現像補充液とを用いて現像処理
することにより、問題を解決することが可能となった。 【0010】また、従来から親水性層の親水性を上げる
ためには親水層中の保水量を高めれば良いことが分かっ
ている。しかし、従来の親水性層では保水量を高めよう
とすると、膜の膨潤性が大きくなり膜の構造が弱くなり
膜強度が低下する、もしくは支持体と親水性層との密着
性が悪くなることが問題であった。本発明の特徴であ
る、親水性官能基を有する高分子化合物が支持体表面に
直接化学的に結合した親水性層として、表面親水性グラ
フトポリマーの形態を採用した場合、該ポリマー鎖は支
持体表面に結合した以外は束縛のない構造をしており、
水が入り込みやすく保水量が大きい特徴を有する。実
際、文献などでは表面親水性グラフトポリマーは水を多
く吸収し大きく膨潤することが報告されている。また一
方、表面親水性グラフトポリマーはポリマー鎖の末端が
支持体表面に直接化学結合しているため膨潤しても支持
体との密着性が悪くなることはない。このようにして、
従来の技術ではトレードオフの関係にあった保水性と密
着性の関係を解決することにより、本発明の効果が発揮
されたものと考えられる。 【0011】さらに本発明に用いられる平版印刷版用支
持体及びそれを用いた平版印刷版用原版は高分子化合物
が直接化学結合している支持体表面(固体表面)が粗面
化されていることが好ましい。後述のように固体表面に
凹凸を付与することにより、非画像部領域の親水性が高
く、疎水性/親水性のディスクリミネーションの程度が
増強され、印刷時の汚れ性に優れるという特長を有す
る。一方、アルカリ金属珪酸塩を含む現像液は従来より
アルミニウムを基板とする平版印刷版用原版の現像液と
して用いられてきたが、特定の組成を持った非珪酸塩系
のアルカリ金属珪酸塩を含む現像液と前記親水性層を有
する支持体上に画像形成層を設けた平版印刷版用原版と
を組み合わせることによって、著しく親水性が向上し、
前記問題を解決することが可能になった。 【0012】 【発明の実施の形態】以下に本発明に用いる平版印刷版
用支持体及びそれを用いた平版印刷版用原版について詳
細に説明する。 〔親水性グラフトポリマー鎖が存在する親水性表面を有
する支持体〕本発明に用いる支持体における親水性表面
とは、親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面のこと
を指す。これは親水性グラフトポリマー鎖が直接支持体
表面に結合しているものでもよく、また支持体表面にグ
ラフトポリマーが結合しやすい中間層を設けてその層の
上に親水性ポリマーがグラフトされているものでも良
い。また親水性グラフトポリマー鎖が幹高分子化合物に
結合したポリマー、もしくは親水性グラフトポリマー鎖
が幹高分子化合物に結合しかつ、架橋しうる官能基が導
入されたポリマーを用いて、塗布或いは塗布架橋により
支持体表面上に配置されたものであってもよい。もしく
は、ポリマー末端に架橋性基を有する親水性ポリマーと
架橋剤とを塗布或いは塗布架橋により支持体表面上に配
置されたものであってもよい。 【0013】本発明に用いる親水性ポリマーの特徴は、
ポリマーの末端が支持体表面もしくは支持体表面層に結
合していることが特徴であり、実質的に架橋されていな
い構造を有する。このことにより親水性ポリマー部の運
動性が制限されず、高い運動性を保持できる特徴を有
し、高い親水性が発現されたものと考えられる。本発明
に用いる親水性グラフトポリマー鎖の分子量の範囲は、
Mw500〜500万の範囲であり、好ましい分子量は
Mw1000〜100万の範囲であり、さらに好ましく
はMw2000〜50万の範囲である。 【0014】本発明においては、親水性グラフトポリマ
ー鎖が直接支持体表面もしくは支持体表面上に設けた中
間層の上に結合しているものを「表面グラフト」と称
し、親水性グラフトポリマー鎖がポリマー架橋膜構造の
中に導入されているものを用いる場合は「親水性グラフ
ト鎖導入架橋親水層」と称する。また本発明では支持体
もしくは支持体上に中間層を設けた材料を基材と称す
る。 【0015】(表面グラフトの作成方法)基材上にグラ
フトポリマーからなる親水性基を有する表面を作成する
方法としては、基材とグラフトポリマーとを化学結合に
て付着させる方法と、基材を基点として重合可能な2重
結合を有する化合物を重合させグラフトポリマーとする
2つの方法がある。基材とグラフトポリマーとを化学結
合にて付着させる方法を説明すると、ポリマーの末端も
しくは側鎖に基材と反応する官能基を有するポリマーを
使用し、これと、基材表面の官能基とを化学反応させる
ことでグラフトさせることが出来る。基材と反応する官
能基としては特に基材表面の官能基と反応するものであ
れば特に限定はないが、例えばアルコキシシランのよう
なシランカップリング基、イソシアネート基、アミノ
基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸
基、エポキシ基、アリル基、メタクリロイル基、アクリ
ロイル基などを挙げることが出来る。ポリマーの末端も
しくは側鎖に反応性官能基を有するポリマーとして特に
有用な化合物は、トリアルコキシシリル基をポリマー末
端に有する親水性ポリマー、アミノ基をポリマー末端に
有する親水性ポリマー、カルボキシル基をポリマー末端
に有する親水性ポリマー、エポキシ基をポリマー末端に
有する親水性ポリマー、イソシアネート基をポリマー末
端に有する親水性ポリマーである。またこの時に使用さ
れる親水性ポリマーとしては親水性であれば特に限定さ
れないが、具体的にはポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ-2-アクリルアミド
-2-メチルプロパンスルホン酸およびそれらの塩、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルアセトアミドなどを挙げる
ことが出来る。その他、以下の表面グラフト重合で使用
される親水性モノマーの重合体、もしくは親水性モノマ
ーを含む共重合体を有利に使用することができる。 【0016】基材を基点として重合可能な2重結合を有
する化合物を重合させグラフトポリマーを形成させる方
法は、一般的には表面グラフト重合と呼ばれる。表面グ
ラフト重合法とは、プラズマ照射、光照射、加熱などの
方法で基材表面上に活性種を与え、基材と接するように
配置された重合可能な2重結合を有する化合物を重合に
よって基材と結合させる方法である。 【0017】本発明を実現するための表面グラフト重合
法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用する
ことができる。たとえば、新高分子実験学10、高分子
学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135に
は表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズ
マ照射グラフト重合法が記載されている。また、吸着技
術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、
p203、p695には、γ線、電子線などの放射線照
射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重合法
の具体的方法としては特開昭63−92658号公報、
特開平10−296895号公報および特開平11−1
19413号公報に記載の方法を使用することができ
る。プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト
重合法においては上記記載の文献、およびY.Ikad
a et al, Macromolecules vo
1.19, page 1804(1986)などの記載
の方法にて作成することができる。具体的にはPETな
どの高分子表面をプラズマ、もしくは電子線にて処理
し、表面にラジカルを発生させ、その後、その活性表面
と親水性官能基を有するモノマーとを反応させることに
よりグラフトポリマー表面層、即ち、親水性基を有する
表面層を得ることができる。 【0018】光グラフト重合は上記記載の文献のほかに
特開昭53−17407号公報(関西ペイント)や、特
開2000−212313号公報(大日本インキ)記載
のように、フィルム基材の表面に光重合性組成物を塗布
し、その後、水性ラジカル重合化合物とを接触させ光を
照射することによっても作成することができる。 【0019】(表面グラフト重合するのに有用な重合可
能な2重結合を有する化合物の説明)親水性グラフトポ
リマー鎖を形成するのに有用な化合物は、重合可能な2
重結合を有しておりかつ親水性の性質を兼ね備えている
ことが必要である。これらの化合物としては分子内に2
重結合を有している、親水性ポリマー、親水性オリゴマ
ー、親水性モノマーのいずれの化合物でも良い。特に有
用な化合物は親水性モノマーである。本発明で有用な親
水性モノマーとは、アンモニウム、ホスホニウムなどの
正の荷電を有するモノマーもしくはスルホン酸基、カル
ボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を
有するか負の荷電に解離しうる酸性基を有するモノマー
が挙げられるが、その他にも、例えば、水酸基、アミド
基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基、など
の非イオン性の基を有する親水性モノマーを用いること
もできる。本発明において、特に有用な親水性モノマー
の具体例としては、次のモノマーを挙げることが出来
る。例えば(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金
属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ
金属塩およびアミン酸塩、アリルアミンもしくはそのハ
ロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそ
のアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸も
しくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスチ
レンスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミ
ン塩、2−スルホエチレン(メタ)アクリレート、3−
スルホプロピレン(メタ)アクリレートもしくはそのア
ルカリ金属塩およびアミン塩、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸もしくはそのアルカリ金属
塩およびアミン塩、アシッドホスホオキシポリオキシエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルア
ミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシ
ル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基もしくはそれら
の塩、2−トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トもしくはそのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシル
基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基もしくはそれらの
塩、などを使用することができる。また2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−
ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルアセトアミド、アリルアミンもしく
はそのハロゲン化水素酸塩、ポリオキシエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートなども有用である。 【0020】(親水性グラフト鎖導入架橋親水層の作成
方法)本発明に用いる親水性グラフト鎖が導入された架
橋親水層は、一般的にグラフト重合体の合成法として公
知の方法を用いてグラフトポリマーを作成し、それを架
橋することで作成することができる。具体的にはグラフ
ト重合体の合成は“グラフト重合とその応用”井手文雄
著、昭和52年発行、高分子刊行会、および“新高分子
実験学2、高分子の合成・反応”高分子学会編、共立出
版(株)1995、に記載されている。 【0021】グラフト重合体の合成は基本的に1.幹高
分子から枝モノマーを重合させる、2.幹高分子に枝高
分子を結合させる、3.幹高分子に枝高分子を共重合さ
せる(マクロマー法)の3つの方法に分けられる。これ
らの3つの方法のうち、いずれも使用して本発明の親水
性表面を作成することができるが、特に製造適性、膜構
造の制御という観点からは「3.マクロマー法」が優れ
ている。マクロマーを使用したグラフトポリマーの合成
は前記の“新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高
分子学会編、共立出版(株)1995に記載されてい
る。また山下雄他著“マクロモノマーの化学と工業”ア
イピーシー、1989にも詳しく記載されている。具体
的にはアクリル酸、アクリルアミド、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルアセト
アミドなど、上記の有機架橋親水層として具体的に記載
した親水性モノマー使用して文献記載の方法に従い親水
性マクロマーを合成することができる。 【0022】本発明で使用される親水性マクロマーのう
ち特に有用なものは、アクリル酸、メタクリル酸などの
カルボキシル基含有のモノマーから誘導されるマクロマ
ー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、ビニルスチレンスルホン酸、およびその塩のモノマ
ーから誘導されるスルホン酸系マクロマー、アクリルア
ミド、メタクリルアミドなどのアミド系マクロマー、N
−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの
N−ビニルカルボン酸アミドモノマーから誘導されるア
ミド系マクロマー、ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールモノメタ
クリレートなどの水酸基含有モノマーから誘導されるマ
クロマー、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリ
エチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコ
ールアクリレートなどのアルコキシ基もしくはエチレン
オキシド基含有モノマーから誘導されるマクロマーであ
る。またポリエチレングリコール鎖もしくはポリプロピ
レングリコール鎖を有するモノマーも本発明のマクロマ
ーとして有用に使用することができる。 【0023】これらのマクロマーのうち有用な分子量は
400〜10万の範囲、好ましい範囲は1000〜5
万、特に好ましい範囲は1500〜2万の範囲である。
分子量が400以下では効果を発揮できず、また10万
以上では主鎖を形成する共重合モノマーとの重合性が悪
くなる。 【0024】これらの親水性マクロマーを合成後、親水
性グラフト鎖が導入された架橋親水層を作成する一つの
方法は、上記の親水性マクロマーと反応性官能基を有す
る他のモノマーと共重合させ、グラフト共重合ポリマー
を合成し、その後、合成したグラフト共重合ポリマーと
ポリマーの反応性官能基と反応する架橋剤とを支持体上
に塗布し、熱により反応させて架橋させ作成することが
できる。もしくは親水性マクロマーと光架橋性基、もし
くは重合性基を有するグラフトポリマーを合成し、それ
を支持体上に塗布して光照射により反応させて架橋させ
作成することができる。 【0025】このようにして、基材上に親水性グラフト
ポリマー鎖が存在する親水性表面を設けることができ
る。親水性表面を形成する層の膜厚は目的により選択で
きるが、一般的には0.001μm〜10μmの範囲が
好ましく、0.01μm〜5μmの範囲がさらに好まし
く、0.1μm〜2μmの範囲が最も好ましい。膜厚が
薄すぎると耐キズ性が低下する傾向があり、厚すぎる場
合にはインキ払い性が悪化する傾向にある。基材表面の
親水性が高い場合にはグラフトポリマーは基材表面を完
全に覆っている必要はない。この場合にはグラフトポリ
マーは基材の全表面積に対して0.01%以上、好まし
くは0.1%以上、更に好ましくは1%以上である。 【0026】〔支持体〕本発明において、親水性グラフ
トポリマーが存在する親水性表面を形成するのに使用さ
れる支持体には、特に制限はなく、寸度的に安定な板状
物であり、必要な可撓性、強度、耐久性等を満たせばい
ずれのものも使用できるが、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、ア
ルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例
えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオ
ン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロー
ス、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルア
セタール等)、上記のごとき金属がラミネート若しくは
蒸着された、紙若しくはプラスチックフィルム等が挙げ
られる。本発明の支持体としては、ポリエステルフィル
ム又はアルミニウム板が好ましい。更にアルミニウムが
ラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムも
好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板
及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合
金板であり、アルミニウム合金に含まれる異元素には、
ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜
鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の
異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明に
おいて特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであ
るが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困
難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。 【0027】このように本発明に適用されるアルミニウ
ム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用
の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができ
る。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ
0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm
〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mm
である。 【0028】(支持体の表面性状)グラフトポリマーか
らなる親水性表面を形成するのに使用される支持体は、
親水性表面の親水性の向上、或いは、その上に設けられ
る画像形成層との密着性の観点から、親水性表面が形成
される面が粗面化されたものを用いることが好ましい。
以下に、本発明で用いられる支持体表面(固体表面)の
好ましい表面性状の例について説明する。本発明に用い
られる支持体の好ましい粗面化の状態としては、2次元
粗さパラメータの中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1
μm、最大高さ(Ry)が1〜10μm、十点平均粗さ
(Rz)が1〜10μm、凹凸の平均間隔(Sm)が5
〜80μm、局部山頂の平均間隔(S)が5〜80μ
m、最大高さ(Rt)が1〜〜10μm、中心線山高さ
(Rp)が1〜10μm、中心線谷深さ(Rv)が1〜
10μmの範囲が挙げられ、これらのひとつ以上の条件
を満たすものが好ましく、全てを満たすことがより好ま
しい。 【0029】上記2次元粗さパラメータは以下の定義に
基づくものである。 中心線平均粗さ(Ra):粗さ曲線から中心線の方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取りの中心線と
粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値。 最大高さ(Ry):粗さ曲線からその平均線の方向に基
準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底
線の間隔を、粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値。 十点平均粗さ(Rz):粗さ曲線からその平均値の方向
に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線か
ら縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目ま
での山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い
谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平
均値との和をマイクロメートル(μm)で表した値。 凹凸の平均間隔(Sm):粗さ曲線からその平均線の方
向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において
一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線
の和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値を表し
た値。 局部山頂の平均間隔(S):粗さ曲線からその平均線の
方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分におい
て隣り合う局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、
この多数の局部山頂の間隔の算術平均値を表した値。 最大高さ(Rt):粗さ曲線から基準長さだけ抜き取っ
た部分の中心線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ
ときの2直線の間隔の値。 中心線高さ(Rp):粗さ曲線からその中心線方向に測
定長さLを抜き取り、この抜き取り部分の中心線に平行
で最高の山頂を通る直線との間隔の値。 中心線谷深さ(Rv):粗さ曲線からその中心線方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心
線に平行で最深の谷底を通る直線との間隔の値。 【0030】〔凹凸表面の作成方法〕 (作成法の種類)固体表面に粗面を設けるためには、様
々な手段を採用することができる。例えば、固体表面を
サンドブラスト加工やブラシ加工などで機械的にこす
り、表面を削って凹部を形成し、粗面を設けることがで
きる。また、機械的エンボス加工でも凹凸を設けること
ができる。さらに、グラビア印刷などで表面に凸部を形
成して粗面を設けてもよい。固体微粒子(マット剤)を
含有する層を、塗布あるいは印刷のような手段で固体表
面に形成して粗面を設けてもよい。固体微粒子は、高分
子フィルムを作成する段階で高分子フィルム中に含有さ
せ(内添し)、高分子フィルム表面に凹凸を形成するこ
ともできる。さらに、溶剤処理、コロナ放電処理、プラ
ズマ処理、電子線照射処理、X線照射処理等を用いて粗
面を形成することもできる。以上の手段を組み合わせて
実施してもよい。サンドブラスト加工もしくは樹脂の印
刷により粗面を形成する手段もしくは固体微粒子を添加
して凹凸を形成する手段が、特に好ましく実施できる。 【0031】(固体微粒子法)上記固体微粒子として
は、金属微粒子、金属酸化物微粒子、有機または無機の
高分子または低分子微粒子などの様々な種類の物質を利
用できる。微粒子の具体例としては、銅粉、スズ粉、鉄
粉、酸化亜鉛粉、酸化珪素粉、酸化チタン粉、酸化アル
ミニウム粉、二硫化モリブデン粉、炭酸カルシウム粉、
クレー、マイカ、コーンスターチ、窒化ホウ素、シリコ
ーン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒
子、アクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、アクリ
ロニトリル共重合体樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛および
ベヘン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子の平
均粒子径は、0.05μm以上であることが好ましく、
0.1μm以上であることがさらに好ましい。微粒子を
シート表面に付着させる、あるいは微粒子含有層をシー
ト表面に設ける場合、微粒子の平均粒子径は粗面の凹凸
の大きさとほぼ対応する。微粒子をシート中に内添する
場合、粗面の凹凸の大きさは微粒子の平均粒子径とシー
トの厚さにより決定される。従って、後者の場合は最適
な凹凸の大きさを得るため、シートと微粒子の組み合わ
せにより実験的に最適な粒子径を決定する必要がある。 【0032】支持体表面に固体微粒子を固定して凹凸を
形成する方法の具体例としては、フィルム形成の前に固
体微粒子を添加しフィルムを形成する方法、固体微粒子
をバインダーに分散させた液を塗布乾燥させる方法、フ
ィルム形成後に微小粒子を機械的圧力でフィルム中に押
し込む方法、フィルム形成後に固体微粒子を電着する方
法等が挙げられる。フィルム形成の前に固体微粒子を添
加しフィルムを形成する方法の具体的な方法としては次
のような例を挙げることができる。固体微粒子として顔
料を配合したPETマスターバッチを溶融押出し後、冷
却ドラム上に成膜し、次いで縦方向・横方向の順に延伸
し、最後に熱処理することにより、凹凸のあるPETフ
ィルムが得られる。顔料には酸化チタン、アルミナ、シ
リカのうち、1種または2種以上を配合したものを用い
ることができる。フィルムの中心線平均表面粗さは配合
する顔料の粒径と配合量で調整できる。例えば、顔料の
粒径が1〜10μm程度のものを0.5〜5質量%程度
配合することにより調整でき、顔料の粒径が大きい程、
配合量が多い程中心線平均表面粗さは増大する。目的の
凹凸表面を得るためには、顔料の粒径を決定し、配合量
を調整する必要がある。 【0033】(サンドブラスト法)サンドブラストとは
細かい粒度の研削材を高分子フィルム表面に高速投射す
ることによりフィルム表面に凹凸をつける方法である。
サンドブラスト処理は公知の方法でよく、例えばカーボ
ンランダム(炭化珪素粉)、金属粒子等を圧搾空気と共
にフィルム表面に強力に吹き付け、その後水洗乾燥を経
て目的を達成することができる。サンドブラスト処理に
よるフィルムの中心線平均表面粗さの制御は、吹き付け
る粒子の粒径、処理量(面積当たりの処理頻度)により
行うことができ、粒子の粒径が大きくなる程、処理量が
多くなる程、フィルム表面の中心線平均表面粗さは大き
くなる。 【0034】さらに詳しくは、サンドブラスト処理は、
研削材を圧縮空気でフィルム表面に吹き付けることによ
り表面処理を行うものであり、それによって形成される
凹凸は、サンドブラスト処理の条件により調整される。
処理条件としてはサンドブラスト吹き出しノズルから研
削材を吹き出してフィルムに吹き付けるのであるが、研
削材の吹き出し量(ブラスト量)、サンドブラスト吹き
出しノズルとフィルムとの角度及び間隔(ブラスト角
度、ブラスト距離)を調整する必要がある。そして、エ
アチャンバーから送り出す圧縮空気によってホッパー内
の研削材をサンドブラスト吹き出しノズルから吹き出さ
せてフィルム表面に吹き付けることにより、適正化した
処理条件でサンドブラスト処理をするのである。これら
の方法は具体的にはたとえば、特開平8−34866号
公報、特開平11−90827号公報、特開平11−2
54590号公報などに公知の方法として記載されてい
る。 【0035】ここで、かかるサンドブラスト処理におけ
る処理条件は、処理後に研削材や被研削物がフィルム表
面に残らず、また、フィルムの強度が低下しないような
条件にする必要があるが、かかる処理条件は経験的に適
宜設定することができる。具体的には、研削材としては
けい砂その他の研削材が用いられるが、特には粒径が
0.05〜10mm、更には0.1〜1mmのけい砂を
用いることが好ましい。また、ブラスト距離は100〜
300mmとするのが好ましく、ブラスト角度は45〜
90度、更には45〜60度とするのが好ましい。ま
た、ブラスト量は1〜10kg/minとすることが好
ましい。サンドブラスト処理により、ポリイミドフィル
ム表面に該研削材や被研削物が残らないようにし、更に
研削深さを制御するためである。なお、研削深さは0.
01〜0.1μmにとどめることが好ましく、それによ
りフィルムの強度が低下しないようにすることができ
る。 【0036】(親水性層および画像形成層の膜厚) 親水性層:0.001g/m2から10g/m2まで、好
ましくは0.01g/m2から5g/m2まで、少なすぎ
ると親水性の効果が発現せず、多すぎると画像形成層と
の密着が悪くなり、耐刷性が低下する。 画像形成層:0.1g/m2から10g/m2まで、好ま
しくは0.5g/m2から5g/m2まで、少なすぎると
耐刷性が低下し、多すぎると印刷物の細線再現性が悪く
なる。 【0037】〔画像形成層の説明〕 (感光性層若しくは感熱性層)本発明において、親水性
表面を有する支持体上に設けられる画像形成層とは、感
光性層若しくは感熱性層を意味し、ポジ作用感応性組成
物又はネガ作用感応性組成物を含有してなる層である。 【0038】(ポジ作用感応性組成物)本発明におい
て、ポジ作用感応性組成物としては、以下に示す従来公
知のポジ作用感応性組成物〔(a)〜(d)〕を用いる
ことが好ましいが、なかでも(a)と(b)が最も好適
なポジ作用感応性組成物である。 (a)キノンジアジドとノボラック樹脂とを含有してな
る従来から用いられているコンベンショナルポジ作用感
光性組成物。 (b)水不溶性かつアルカリ可溶性の高分子化合物およ
び光熱変換剤を含み、光または熱の作用によりアルカリ
性水溶液に対する溶解性が増大するレーザー感応性ポジ
組成物。 (c)熱分解性スルホン酸エステルポリマーもしくは酸
分解性カルボン酸エステルポリマーと赤外線吸収剤とを
含有してなるレーザー感応性ポジ組成物。 (d)酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性化合物と
酸発生剤との組み合わせを含有してなる化学増幅型ポジ
作用感光性組成物。 上記(a)〜(d)で示したポジ作用感応性組成物で用
いられる化合物を以下に説明する。 【0039】<キノンジアジド>好適なキノンジアジド
化合物類としては、o−キノンジアジド化合物を挙げる
ことができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド
化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有
する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すもの
であり、種々の構造の化合物を用いることができる。つ
まり、o−キノンジアジドは熱分解によりアルカリ可溶
性化合物の溶解抑制能を失うことと、o−キノンジアジ
ド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の
効果により、感材系の溶解性を助ける。本発明に用いら
れるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.
コーサー著「ライト-センシティブ・システムズ」(Jphn
Wiley & Sons. Inc.) 第339〜352頁に記載の化
合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ
化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キ
ノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミ
ドが好適である。また、特公昭43−28403号公報
に記載されているようなベンゾキノン−(1,2)−ジ
アジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,
2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロ
ール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,04
6,120号及び同第3,188,210号等に記載さ
れているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン
酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド
−5−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアル
デヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。 【0040】さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジ
ド−4−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹
脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド
−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン
樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の
有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特
許関連の文献に報告があり知られている。例えば、特開
昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開
昭48−63803号、特開昭48−96575号、特
開昭49−38701号、特開昭48−13354号、
特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、
特公昭49−17481号、米国特許第2,797,2
13号、同第3,454,400号、同第3,544,
323号、同第3,573,917号、同第3,67
4,495号、同第3,785,825号、英国特許第
1,227,602号、同第1,251,345号、同
第1,267,005号、同第1,329,888号、
同第1,330,932号、ドイツ特許第854,89
0号等に記載されているものを挙げることができる。 【0041】本発明において、o−キノンジアジド化合
物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分
中、1〜50質量%程度であり5〜30質量%が好まし
く、10〜30質量%がさらに好ましい。これらの化合
物は単独で使用することができるが、数種の混合物とし
て使用してもよい。o−キノンジアジド化合物の含有量
が1質量%未満であると画像の記録性が悪化し、一方、
50質量%を超えると画像部の耐久性が劣化したり感度
が低下したりする。 【0042】<ノボラック樹脂、あるいは水に不溶であ
り且つアルカリ可溶性高分子化合物>本発明に用いる平
版印刷版用原版の感光性層を形成する主たる成分である
水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶な高分子
化合物とは、高分子化合物の主鎖又は側鎖に、以下のよ
うな酸基構造を有するものを指す。フェノール性水酸基
(−Ar−OH)、カルボン酸基(−CO2H)、スル
ホン酸基(−SO3H)、リン酸基(−OPO3H)、ス
ルホンアミド基(−SO2NH−R)、置換スルホンア
ミド系酸基(活性イミド基)(−SO2NHCOR、−
SO2NHSO2R、−CONHSO2R)。ここで、A
rは置換基を有していてもよい2価のアリール基を表
し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を有す
る。なかでも、好ましい酸基として、(a−1)フェノ
ール性水酸基、(a−2)スルホンアミド基、(a−
3)活性イミド基が挙げられ、特に(a−1)フェノー
ル性水酸基を有するアルカリ可溶性高分子化合物(以
下、「フェノール性水酸基を有する樹脂」という。)が
最も好ましく用いることができる。 【0043】(a−1)フェノール性水酸基を有するア
ルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、フェノー
ルとホルムアルデヒドとの縮重合体(以下、「フェノー
ルホルムアルデヒド樹脂」という。)、m−クレゾール
とホルムアルデヒドとの縮重合体(以下、「m−クレゾ
ールホルムアルデヒド樹脂」という。)、p−クレゾー
ルとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−/p−混合ク
レゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、フェノール
とクレゾール(m−、p−、またはm−/p−混合のい
ずれでもよい)とホルムアルデヒドとの縮重合体等のノ
ボラック樹脂、および、ピロガロールとアセトンとの縮
重合体を挙げることができる。あるいは、フェノール基
を側鎖に有するモノマーを共重合させた共重合体を用い
ることもできる。用いるフェノール基を有するモノマー
としては、フェノール基を有するアクリルアミド、メタ
クリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、またはヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体
的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミ
ド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、
N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−
(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−
(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒ
ドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニ
ルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレー
ト、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒド
ロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニ
ルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒド
ロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−
ヒドロキシフェニル)エチルアクリルレート、2−(3
−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4
−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2
−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−
(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、
2−(N′−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エ
チルアクリレート、2−(N′−(4−ヒドロキシフェ
ニル)ウレイド)エチルメタクリレート等を好適に使用
することができる。 【0044】高分子の重量平均分子量は5.0×102
〜2.0×105で、数平均分子量が2.0×102
1.0×105のものが、画像形成性の点で好ましい。
また、これらの樹脂を単独で用いるのみならず、2種類
以上を組み合わせて使用してもよい。組み合わせる場合
には、米国特許第4123279号明細書に記載されて
いるような、t−ブチルフェノールとホルムアルデヒド
との縮重合体や、オクチルフェノールとホルムアルデヒ
ドとの縮重合体のような、炭素数3〜8のアルキル基を
置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの
縮重合体を併用してもよい。 【0045】更に、米国特許第4123279号明細書
に記載されているように、t−ブチルフェノールホルム
アルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド
樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基とし
て有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併
用してもよい。かかるフェノール性水酸基を有する樹脂
は、1種類あるいは2種類以上を組み合わせ使用しても
よい。 【0046】(a−2)スルホンアミド基を有するアル
カリ可溶性高分子化合物の場合、この高分子化合物を構
成するための主たるモノマーである(a−2)スルホン
アミド基を有するモノマーとしては、1分子中に、窒素
原子上に少なくとも一つの水素原子が結合したスルホン
アミド基と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上
有する低分子化合物からなるモノマーが挙げられる。そ
の中でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロキ
シ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基また
は置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好
ましい。具体的には、m−アミノスルホニルフェニルメ
タクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。 【0047】(a−3)活性イミド基を有するアルカリ
可溶性高分子化合物の場合、この高分子化合物を構成す
るための主たるモノマーである、活性イミド基を分子内
に有するモノマーとしては、具体的には、N−(p−ト
ルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トル
エンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用するこ
とができる。 【0048】本発明において、これらのアルカリ可溶性
化合物の含有量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形
分中、10〜90質量%程度であり、20〜85質量%
が好ましく、30〜80質量%がさらに好ましい。アル
カリ可溶性化合物の含有量が10質量%未満であると感
光性層若しくは感熱性層の耐久性が悪化し、また、90
質量%を越えると感度、耐久性の両面で好ましくない。
また、これらのアルカリ可溶性化合物は、1種類のみで
使用してもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて
使用してもよい。 【0049】<光熱変換物質>本発明に用いる平版印刷
版用原版をIRレーザーなどで画像記録する場合には、
該光エネルギーを熱エネルギーに変換するための光熱変
換物質を該平版印刷版用原版のどこかに含有させておく
ことが好ましい。該光熱変換物質を含有させておく部分
としては、例えば、親水性層、支持体表面層、支持体の
いずれかもしくは支持体表面層と支持体との間に添加し
てもよい。 【0050】本発明に用いる平版印刷版用原版におい
て、含有させてもよい光熱変換物質としては、紫外線、
可視光線、赤外線、白色光線等の光を吸収して熱に変換
し得る物質ならば全て使用でき、例えば、カーボンブラ
ック、カーボングラファイト、顔料、フタロシアニン系
顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸
化クロム、硫化鉄、硫化クロム等が挙げられる。特に、
好ましいのは、波長760nmから1200nmの赤外
線を有効に吸収する染料、顔料または金属である。 【0051】染料としては、市販の染料及び文献(例え
ば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ま
しい染料としては、例えば、特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に
記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,
875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。 【0052】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ
(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号
(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチン
チアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同5
8−220143号、同59−41363号、同59−
84248号、同59−84249号、同59−146
063号、同59−146061号に記載されているピ
リリウム系化合物、特開昭59−216146号記載の
シアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別
の染料の例として、米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤
外吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち
特に好ましものとしては、シアニン色素、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げ
られる。 【0053】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類として
は、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、
赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、
金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。
具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン
系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔
料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニ
トロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブ
ラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいも
のはカーボンブラックである。 【0054】これらの染料又は顔料は、光熱変換物質含
有層全固形分の0.01〜50質量%、好ましくは0.
1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜1
0質量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10質量
%の割合で使用することができる。顔料又は染料の添加
量が0.01質量%未満であると感度が低くなり、また
50質量%を越えると光熱変換物質含有層の膜強度が弱
くなる。 【0055】<熱分解性スルホン酸エステルポリマー若
しくは酸分解性カルボン酸エステルポリマーと赤外線吸
収剤とを含有してなるレーザー感応性ポジ組成物>特開
平10−282672号、EP652483号、特開平
6−502260号公報に記載のスルホン酸エステルポ
リマー、およびカルボン酸エステルポリマーを使用する
ことができる。具体的なポリマーとしてはポリスチレン
スルホン酸シクロヘキシルエステル、ポリスチレンスル
ホン酸イソプロピルエステル、ポリスチレンスルホン酸
1−メトキシ−2−プロピルエステル、などの2級スル
ホン酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸t−ブチル
エステル、ポリメタクリル酸テトラヒドロピラニルエス
テルなど酸分解性基で保護されたアクリル酸エステルな
どを挙げることができる。 【0056】<酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性
化合物と酸発生剤との組み合わせを含有してなる化学増
幅型ポジ作用感光性組成物>酸分解性基で保護されたア
ルカリ可溶性化合物とは酸の作用により分解し、アルカ
リ可溶性となる化合物である。酸分解性基としてはt−
ブチルエステル、t−ブチルカーバメート、アルコキシ
エチルエステルなど良く知られた保護基を使用すること
ができる。 【0057】<酸発生剤>ポジ作用感応性組成物におい
て使用される酸発生剤は、熱若しくは光により酸を発生
する化合物であり、一般的には、光カチオン重合の光開
始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、
光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている公知の
光により酸を発生する化合物およびそれらの混合物等を
挙げる事ができ、これらを適宜選択して使用することが
できる。例えばジアゾニウム塩、オニウム塩、ハロゲン
化物、スルホン酸エステルなどを挙げることができる。
本発明において、酸発生剤の添加量は、感光性層若しく
は感熱性層の全固形分に対し、通常0.001〜40質
量%程度であり、0.01〜20質量%が好ましく、
0.1〜5質量%がさらに好ましい。 【0058】(ネガ作用感応性組成物)本発明におい
て、ネガ作用感応性組成物としては、以下に示す従来公
知のネガ作用感応性組成物((g)〜(j))を用いる
ことができるが、特に(g)と(j)が好ましい。 (g)光架橋性基を有するポリマー、アジド化合物を含
有してなるネガ作用感応性組成物。 (h)ジアゾ化合物を含有してなるネガ作用感応性組成
物。 (i)光もしくは熱重合開始剤、付加重合性不飽和化合
物、アルカリ可溶性高分子化合物を含有してなる光もし
くは熱重合性ネガ作用感応性組成物。 (j)アルカリ可溶性高分子化合物、酸発生剤、酸架橋
性化合物を含有してなるネガ作用感応性組成物。 上記(g)と(j)で示したネガ作用感応性組成物で用
いられる化合物を以下に説明する。 【0059】「光架橋性基を有するポリマー」ネガ作用
感応性組成物において使用される光架橋性基を有するポ
リマーは、水性アルカリ現像液に対して親和性を持つ光
架橋性基を有するポリマーが好ましく、例えば、US5
064747号に記載の分子の主鎖又は側鎖に−CH=
CH−CO−のような光架橋性基を有するポリマー;特
公昭54−15711号に記載の桂皮酸基とカルボキシ
ル基を有する共重合体;特開昭60−165646号に
記載のフェニレンジアクリル酸残基とカルボキシル基を
有するポリエステル樹脂;特開昭60−203630号
に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフェノール性水
酸基を有するポリエステル樹脂;特公昭57−4285
8号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とナトリウム
イミノジスルホニル基を有するポリエステル樹脂;特開
昭59−208552号に記載の側鎖にアジド基とカル
ボキシル基を有する重合体等が使用できる。本発明にお
いて、光架橋性基を有するポリマーの含有量は、感光性
層若しくは感熱性層の全固形分中、5〜100質量%程
度であり、10〜95質量%が好ましく、20〜90質
量%が好ましい。 【0060】「酸架橋性化合物」ネガ作用感応性組成物
において使用される酸架橋性化合物とは、酸の存在下で
架橋する化合物を指し、例えば、ヒドロキシメチル基、
アセトキシメチル基、若しくはアルコキシメチル基でポ
リ置換されている芳香族化合物及び複素環化合物が挙げ
られるが、その中でも好ましい例として、フェノール類
とアルデヒド類を塩基性条件下で縮合させた化合物が挙
げられる。前記の化合物のうち好ましいものとしては、
例えば、フェノールとホルムアルデヒドを前記のように
塩基性条件下で縮合させた化合物、同様にして、m−ク
レゾールとホルムアルデヒドから得られる化合物、ビス
フェノールAとホルムアルデヒドから得られる化合物、
4,4′−ビスフェノールとホルムアルデヒドから得ら
れる化合物、その他、GB第2,082,339号にレ
ゾール樹脂として開示された化合物等が挙げられる。こ
れらの酸架橋性化合物は、重量平均分子量が500〜1
00,000で数平均分子量が200〜50,000の
ものが好ましい。 【0061】他の好ましい例としては、EP-A第0,
212,482号に開示されているアルコキシメチル又
はオキシラニルメチル基で置換された芳香族化合物、E
P-A第0,133,216号、DE-A第3,634,
671号、DE第3,711,264号に開示された単
量体及びオリゴマー、メラミン-ホルムアルデヒド縮合
物並びに尿素-ホルムアルデヒド縮合物、EP-A第0,
212,482号に開示されたアルコキシ置換化合物等
がある。 【0062】さらに他の好ましい例は、例えば、少なく
とも2個の遊離N−ヒドロキシメチル、N−アルコキシ
メチル又はN−アシルオキシメチル基を有するメラミン
−ホルムアルデヒド誘導体である。このなかでは、N−
アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。また、低分子
量又はオリゴマーシラノールは、ケイ素含有架橋剤とし
て使用できる。これらの例は、ジメチル−及びジフェニ
ル−シランジオール、並びに既に予備縮合され且つこれ
らの単位を含有するオリゴマーであり、例えば、EP-
A第0,377,155号に開示されたものを使用でき
る。 【0063】「光熱変換剤」ネガ作用感応性組成物にお
いて使用される光熱変換剤は、前記ポジ作用感応性組成
物で用いられる光熱変換剤と同様である。 「酸発生剤」ネガ作用感応性組成物において使用される
酸発生剤は、前記ポジ作用感応性組成物で用いられる酸
発生剤と同様である。 【0064】「アルカリ可溶性高分子化合物」ネガ作用
感応性組成物において使用されるアルカ可溶性高分子化
合物は、前記ポジ作用感応性組成物に用いられるアルカ
リ可溶性高分子化合物と同様である。そのほか、つぎの
様な高分子を使用することができる。側鎖にカルボン酸
基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615
号、特公昭54−34327号、特公昭58−1257
7号、特公昭54−25957号、特開昭54−927
23号、特開昭59−53836号、特開昭59−71
048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル
酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合
体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エ
ステル化マレイン酸共重合体等がある。 【0065】また同様に、側鎖にカルボン酸基を有する
酸性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する
付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用
である。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレ
ート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加
重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)
アクリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他
の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。
この他に水溶性有機高分子として、ポリビニルピロリド
ンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化
皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミド
や2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパ
ンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用であ
る。また特公平7−120040号、特公平7−120
041号、特公平7−120042号、特公平8−12
424号、特開昭63−287944号、特開昭63−
287947号、特開平1−271741号、特開平1
1−352691号に記載のポリウレタン樹脂も本発明
の用途には有用である。 【0066】これら高分子重合体は側鎖にラジカル反応
性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上させる
ことができる。付加重合反応し得る官能基としてエチレ
ン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、又光照
射によりラジカルになり得る官能基としては、メルカプ
ト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、オ
ニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、イ
ミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能基
としては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチ
リル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましいが、
又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸基、カ
ルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、ウレイ
レン基、スルホン酸基、アンモニオ基から選ばれる官能
基も有用である。組成物の現像性を維持するため、本発
明の高分子重合体は適当な分子量、酸価を有することが
好ましい。前述の現像液で現像させるため、重量平均分
子量が5000から30万で、酸価0.2〜5.0me
q/gの高分子重合体を使用することが好ましい。 【0067】これらの有機高分子重合体は全組成中に任
意な量を混和させることができる。しかし90質量%を
超える場合には、形成される画像強度等の点で好ましい
結果を与えない。好ましくは10〜90質量%、より好
ましくは30〜80質量%である。また光重合可能なエ
チレン性不飽和化合物と有機高分子重合体は、質量比で
1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より好まし
い範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましくは3/7
〜7/3である。 【0068】〔その他の成分〕本発明に用いる平版印刷
版用原版の感光性層若しくは感熱性層には、種々の平版
印刷版の特性を得るため、必要に応じて上記以外に種々
の化合物を添加してもよい。 【0069】本発明に用いる平版印刷版用原版の感光性
層若しくは感熱性層には、可視光域に大きな吸収を持つ
染料を画像の着色剤として使用することができる。具体
的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#10
3、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイ
ルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラッ
クBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−50
5(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピ
ュアブルー、クリスタルバイオレット(CI4255
5)、メチルバイオレット(CI42535)、エチル
バイオレット、ローダミンB(CI145170B)、
マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブル
ー(CI52015)など、あるいは特開昭62−29
3247号公報に記載されている染料を挙げることがで
きる。これらの染料は、画像形成後、画像部と非画像部
の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。尚、
添加量は、感光性層若しくは感熱性層の全固形分に対
し、0.01〜10質量%の割合である。 【0070】また、本発明に用いる平版印刷版用原版の
感光性層若しくは感熱性層には、現像条件に対する処理
の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公
報や特開平3−208514号公報に記載されているよ
うな非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号
公報、特開平4−13149号公報に記載されているよ
うな両性界面活性剤を添加することができる。非イオン
界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレ
ート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオ
レート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性界面
活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)
グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、
2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−
N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第
一工業(株)製)等が挙げられる。上記非イオン界面活
性剤及び両性界面活性剤の平版印刷版用原版の感光性層
若しくは感熱性層に占める割合は、0.05〜15質量
%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%であ
る。 【0071】更に本発明に用いる平版印刷版用原版の感
光性層若しくは感熱性層には必要に応じ、塗膜の柔軟性
等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチ
ルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン
酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタアクリ
ル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。 【0072】これら以外にも、前述のオニウム塩やハロ
アルキル置換されたs−トリアジン、及びエポキシ化合
物、ビニルエーテル類、さらには特開平8−27655
8号に記載のヒドロキシメチル基を持つフェノール化合
物、アルコキシメチル基を有するフェノール化合物等を
添加してもよい。 【0073】本発明において、感光性層若しくは感熱性
層は、通常前記各成分を溶媒に溶かして、親水性層上に
塗布することにより形成される。ここで使用する溶媒と
しては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メ
チルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メ
トキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテ
ート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメト
キシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テト
ラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエ
ン、水等を挙げることができるがこれに限定されるもの
ではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用さ
れる。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃
度は、好ましくは1〜50質量%である。また塗布、乾
燥後に得られる親水性層上の塗布量(固形分)は、用途
によって異なるが、平版印刷版用原版についていえば一
般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方
法としては、種々の方法を用いることができるが、例え
ば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カー
テン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード
塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少
なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記
録膜の皮膜特性は低下する。 【0074】本発明における平版印刷版用原版の感光性
層若しくは感熱性層には、塗布性を良化するための界面
活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載
されているようなフッ素系界面活性剤を添加することが
できる。好ましい添加量は、感光性層若しくは感熱性層
の全固形分中、0.01〜1質量%さらに好ましくは
0.05〜0.5質量%である。 【0075】〔露光〕上記のようにして得られた平版印
刷版用原版を画像露光し、後述する現像液及び補充液を
用いて現像処理を行う。像露光に用いられる活性光線の
光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク
灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビ
ーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep
-UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)
も使用される。レーザービームとしてはヘリウム・ネオ
ンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、
ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマレーザ
ー等が挙げられる。またレーザー直描型印刷版において
は近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好まし
く、固体レーザー、半導体レーザーが特に好ましい。 【0076】〔現像液および現像補充液〕露光処理を行
った後、必要に応じて加熱処理を行った後、以下に述べ
る現像液、あるいは更に現像補充液を用いて現像処理を
行う。本発明に用いられる現像液および現像補充液(以
後、断りのない限り現像液と総称する)において、主成
分として非還元糖のアルカリ金属塩から選ばれる少なく
とも一つの塩を含む。かかる非還元糖のアルカリ金属塩
とは、非還元糖とアルカリ金属水酸化物を混合して、脱
水することにより得られるが、非還元糖水溶液とアルカ
リ金属水酸化物の水溶液を混合することによって容易に
得られる。かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基や
ケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元
基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基
と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還
元した糖アルコールに分類され、何れも本発明に好適に
用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロース
やトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖
体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられ
る。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リ
ビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マ
ンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリ
シットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に二
糖類の水素添加で得られるマルチトールおよびオリゴ糖
の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用
いられる。一方、非還元糖のアルカリ金属塩を形成する
ためのアルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げら
れる。 【0077】本発明において現像液に用いられる非還元
糖のアルカリ金属塩は、非還元糖の融点以上の温度でア
ルカリ金属水酸化物と混合、加熱することによって得ら
れる。更には、非還元糖とアルカリ金属水酸化物とを混
合した水溶液を作成し、これをスプレードライ法や、凍
結乾燥法によって水分を除去することによって得られ
る。これらの中で本発明に好ましい非還元糖のアルカリ
金属塩は、糖アルコールとサッカロースの金属塩であ
り、特にD−ソルビット・カリウム塩、D−ソルビット
・ナトリウム塩、サッカロース・カリウム塩、サッカロ
ース・ナトリウム塩が適度なpH領域に緩衝作用がある
ことと、低価格であることで好ましい。これらの非還元
糖のアルカリ金属塩は、単独もしくは二種以上を組み合
わせて使用でき、それらの現像液中に占める割合は0.
1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、1〜20
質量%である。この範囲以下では十分な緩衝作用が得ら
れず、またこの範囲以上の濃度では、また原価アップの
問題が出てくる。尚、還元糖のアルカリ金属塩はその水
溶液が褐色に変色し、pHも徐々に低下がるので本用途
には使用できない。 【0078】 【pH調整剤】本発明に用いる現像液の好ましいpH範
囲は10.0〜13.8であり、特に11.5〜13.
5の範囲が好ましい。所望のpHを得るためには、主成
分の非還元糖のアルカリ金属塩に加えて、種々アルカリ
剤や酸が用いられる。かかるアルカリ剤としては、水酸
化カリウム、同ナトリウム、同リチウム、同アンモニウ
ム、燐酸三ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、
燐酸二ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸
ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナ
トリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウムなどの無機アルカリ剤
が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組
み合わせて用いられる。これらの中で好ましいのは水酸
化ナトリウム、同カリウムである。また、燐酸三ナトリ
ウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カリウムなども
それ自身に緩衝作用があるので好ましい。 【0079】pH調整用の酸としては、酢酸、蓚酸、酒
石酸、琥珀酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機カルボン酸
や、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸が用いられるが、アルカ
リ側で緩衝作用を示す糖類以外の弱酸が好ましい。弱酸
としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のも
のが好ましい。このような弱酸としては、Pergam
onPress社発行のIONISATION CON
STANTS OFORGANIC ACIDS IN
AQUEOUS SOLUTIONなどに記載されて
いるものから選ばれ、例えば2,2,3,3,-テトラフルオロ
プロパノール-1(pKa 12.74)、トリフルオロエ
タノール(同12.37)、トリクロロエタノール(同
12.24)などのアルコール類、ピリジン−2−アル
デヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒド
(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸(同
13.0)、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(同12.8
4)、カテコール(同12.6)、没食子酸(同12.
4)、スルホサリチル酸(同11.7)、3,4-ジヒドロ
キシスルホン酸(同12.2)、3,4-ジヒドロキシ安息
香酸(同11.94)、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン
(同11.82)、ハイドロキノン(同11.56)、ピ
ロガロール(同11.34)、o-クレゾール(同10.
33)、レゾルソノール(同11.27)、p-クレゾー
ル(同10.27)、m-クレゾール(同10.09)な
どのフェノール性水酸基を有する化合物、2−ブタノン
オキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.4
2)、1,2-シクロヘプタンジオンヂオキシム(同12.
3)、2-ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同1
2.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタ
ンジアミド ジオキシム(同11.37)、アセトフェノ
ンオキシム(同11.35)などのオキシム類、アデノ
シン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニ
ン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサン
チン(同12.1)、キサンチン(同11.9)などの核
酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸
(同12.32)、1-アミノ-3、3、3-トリフルオロ安息香
酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸
(同12.10)、1,1-エチリデンジホスホン酸(同1
1.54)、1,1-エチリデンジホスホン酸1-ヒドロキシ
(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.8
6)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオ
アミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)な
どの弱酸が挙げられる。これらの弱酸の中で好ましいの
は、スルホサリチル酸、サリチル酸である。 【0080】本発明に用いられる現像液および補充液に
は、親水性の向上、現像性の促進や現像カスの分散、画
像部の親インキ性を高める目的、および現像時の画像部
の安定性向上の目的で必要に応じて種々界面活性剤や有
機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、ア
ニオン系、カチオン系、非イオン系および両性界面活性
剤が挙げられる。界面活性剤の好ましい例としては、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン
ポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン
脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル
類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロ
ピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸
部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪
酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオ
キシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセ
リン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド
類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールア
ミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、糖
アルコールのエチレンオキシドを付加物などの非イオン
性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロ
キシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩
類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンス
ルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ア
ルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン
酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエ
ーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリ
ウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリ
ウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸ア
ルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテ
ル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン
酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の
部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の
部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合
物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、
第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキル
アミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチ
オン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカル
ボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、
イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以
上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるも
のは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポ
リオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替
えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含され
る。 【0081】また分子内にパーフルオロアルキル基を含
有するフッ素系の界面活性剤も好ましく用いられる。か
かるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、
パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン
型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、パー
フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチ
オン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイド、
パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフ
ルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パー
フルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パ
ーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基含有オ
リゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有
ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。 【0082】これらの界面活性剤の中でノニオン界面活
性剤が好ましく、中でも、糖アルコールのエチレンオキ
シド付加化合物が好ましい。これらは、水酸基を4以上
有する糖アルコールに5モル以上のエチレンオキシドを
付加して得られる化合物であり、糖アルコールの具体的
な例としては、D,L−トレイット、エリトリット、
D,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−
ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、
D,L−タリット、ズルシット、アロズルシットなどで
あり、更に糖アルコールを縮合したジ、トリ、テトラ、
ペンタおよびヘキサグリセリンなども挙げられる。これ
らのエチレンオキシド化合物には必要に応じてプロピレ
ンオキシドを溶解性が許容できる範囲でブロック共重合
させてもよい。これらのエチレンオキシド付加化合物は
単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。エチ
レンオキシド付加化合物は現像過程において、画像部に
吸着して現像液の画像部への侵入を緩慢にして現像の安
定化に効果を示すものと考えられる。エチレンオキシド
付加モル数が5未満ではこの現像安定化効果が小さい。
好ましいエチレンオキシド付加モル数は5〜50であ
り、より好ましくは5〜30モルである。50モルを越
えるとポジ型PS版の現像速度が遅くなるだけでなく、
現像液への溶解度が小さくなり、ネガ型PS版の現像を
促進するのに十分な量を濃縮液に添加することができな
い。これらの水溶性エチレンオキシド付加化合物の添加
量は、現像液または現像補充液(使用液)に対して0.
0001〜5質量%が適しており、より好ましくは0.
001〜2質量%である。 【0083】上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以
上を組み合わせて使用することができ、現像液または現
像補充液中に0.001〜10質量%、より好ましくは
0.01〜5質量%の範囲で添加される。 【0084】本発明に用いられる現像液および現像補充
液には、場合により有機溶剤を添加することができる。
有機溶剤としては、水に対する溶解度が約10質量%以
下のものが適しており、好ましくは5質量%以下のもの
から選ばれる。例えば、1−フェニルエタノール、2−
フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノー
ル、4−フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2
−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フ
ェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、
o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジ
ルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベン
ジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシク
ロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノールおよび
4−メチルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノー
ルアミンおよびN−フェニルジエタノールアミンなどを
挙げることができる。有機溶剤の含有量は使用液の総質
量に対して0.1〜5質量%である。その使用量は界面
活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増
すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好まし
い。これは界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多
く用いると有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な
現像性の確保が期待できなくなるからである。 【0085】本発明に用いられる現像液および現像補充
液には、更に還元剤が加えられてもよい。これらは印刷
版の汚れを防止するものであり、特に感光性ジアゾニウ
ム塩化合物を含むネガ型感光性平版印刷版を現像する際
に有効である。好ましい有機還元剤としては、チオサリ
チル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、
レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化
合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどの
アミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤
としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸
水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ流酸および亜ジチオン
酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩などを挙げることができる。これらの還元剤のう
ち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。
これらの還元剤は使用時の現像液または現像補充液に対
して好ましくは、0.05〜5質量%の範囲で含有され
る。 【0086】本発明に用いられる現像液および現像補充
液には、更に親水性の向上などを目的に有機カルボン酸
を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は炭素
原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボ
ン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、
カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などが
あり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン酸で
ある。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸で
も、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香族カルボ
ン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具体的
には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−
ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−ア
ミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−iso−プロ
ピル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−s
ec−ブチル安息香酸、p−n−ブチル安息香酸、2,
4−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子
酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナトフエ酸、
1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキ
シナフトエ酸は特に有効である。上記脂肪族および芳香
族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカ
リウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好まし
い。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は
格別な制限はないが、0.1質量%より低いと効果が十
分でなく、また10質量%以上ではそれ以上の効果の改
善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に溶解
を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使用時
の現像液または現像補充液に対して0.1〜10質量%
であり、より好ましくは0.5〜4質量%である。 【0087】本発明に用いるられ現像液および現像補充
液には、更に必要に応じて、消泡剤および硬水軟化剤な
どを含有させることもできる。硬水軟化剤としては例え
ば、ポリリン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩お
よびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジ
エチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミ
ンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ
酢酸、ニトロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサ
ンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ルテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれら
のナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、ア
ミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテ
トラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペ
ンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミン
ヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチ
レンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒ
ドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナト
リウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げるこ
とができる。 【0088】このような硬水軟化剤は、そのキレート化
力と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適
値が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現
像液に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜
0.5質量%の範囲である。この範囲より少ない添加量
では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲
より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでて
くる。 【0089】本発明に用いられる現像液および現像補充
液の残余の成分は水であるが、更に必要に応じて当業界
で知られた種々の添加剤を含有させることができる。例
えば、特開昭58−75152号公報記載のNaCl、
KCl、KBrなどの中性塩、特開昭58−12133
6号公報記載の〔Co(NH36〕Cl3などの錯体、
特開昭55−25100号公報記載の周期律表第IIa
族、第IIIa族またはIIIb族の元素のイオン化可能な化
合物、米国特許第4,374,920号公報記載のテト
ラメチルデシンジオール、特開昭60−213943号
公報記載の非イオン性界面活性剤、特開昭55−959
46号公報記載のp−ジメチルアミノメチルポリスチレ
ンのメチルクロライド4級化合物などのカチオニックポ
リマー、特開昭56−142528号公報記載のビニル
ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル
酸ソーダの共重合体などの両性高分子電解質、特開昭5
7−192952号公報記載のチオサリチル酸、システ
イン、チオジグリコール酸などのアルカリ可溶性メルカ
プト化合物またはチオエーテル化合物、特開昭58−5
9444号公報記載の塩化リチウムなどの無機リチウム
化合物、特公昭50−34442号公報記載の安息香酸
リチウムなどの有機リチウム化合物、特開昭59−75
255号公報記載のSi、Tiなどを含む有機金属界面
活性剤、特開昭59−84241号公報記載の有機ほう
素化合物、ヨーロッパ特許101010号公報記載のテ
トラアルキルアンモニウムオキサイドなどの4級アンモ
ニウム塩、特開昭63−226657号公報記載のジヒ
ドロ酢酸ナトリウムなどの殺菌剤などが挙げられる。 【0090】本発明に用いられる現像液および現像補充
液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液として
おき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬
上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出
を起こさない程度が適当である。 【0091】かかる現像処理された平版印刷版用原版は
水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガ
ムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護
ガム液で後処理を施される。本発明ではこれらの後処理
を種々組み合わせて用いることができる。上記現像及び
後処理は自動現像機を用いて行うことが好ましい。この
自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、平版
印刷版用原版を搬送する装置と、各処理液槽およびスプ
レー装置からなり、露光済みの平版印刷版用原版を水平
に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレ
ーノズルから吹き付けて現像および後処理するものであ
る。また、処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイド
ロールなどによって浸漬搬送させて現像処理する方法
や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗
し、その廃水を現像液原液の希釈水として再利用する方
法も知られている。 【0092】このような自動処理においては、各処理液
に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充
しながら処理することができる。また、実質的に未使用
の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用で
きる。このような処理によって得られた平版印刷版はオ
フセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられ
る。 【0093】 【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明の範囲はこれらによって限定されるもので
はない。 【実施例1】ポジ型感光性平版印刷版用原版 (親水性層の作成)支持体表面層(支持体兼用)として
膜厚188μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(A4100、東洋紡(株)社製)を用い、グロ
ー処理として平版マグネトロンスパッタリング装置(芝
浦エレテック製CFS−10−EP70)使用を使用
し、下記の条件で酸素グロー処理を行った。 (初期真空:9X10E−6torr。酸素圧力:6.8X
10E−3torr,RFグロー1.5KW、処理時間60
sec)次に、グロー処理したフィルムを窒素バブルした
アクリル酸水溶液(10Wt%)に70℃で7時間浸漬
した。浸漬した膜を水にて8時間洗浄することによるア
クリル酸が表面にグラフトポリマー化された親水性層を
得た。得られた親水性層の接触角(空中水滴、協和界面
科学(株)製、CA−Z)を測定したところ、12°で
あった。このようにして作製した親水性層上にポジの感
光層として以下の画像形成層を塗布し、ポジ型感光性平
版印刷版用原版を作製し、露光、現像および印刷性評価
を行った。 【0094】(画像形成層処方)上記の基板の表面に下
記感光液Iを塗布し、乾燥後の塗布質量が2.5g/m
2となるように感光層を設けた。 感光液I 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物 (米国特許第3,635,709号明細書の実施例1に記載されているもの) 45質量部 クレゾールホルムアルデヒドノボラック樹脂 110質量部 2−(p−メトキシフェニル)−4,6− ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン 2質量部 オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製) 1質量部 メガファック F−177 (大日本インキ化学工業(株)製 フッ素系界面活性剤) 0.4質量部 メチルエチルケトン 1000質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 1000質量部 【0095】このようにして作製した感光層の表面に、
下記のようにしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマ
ット層を設けたポジ型平版印刷版用原版を得た。マット
層形成用樹脂液としてメチルメタクリレート/エチルア
クリレート/アクリル酸(仕込質量比 65:20:1
5)共重合体の一部をナトリウム塩とした12%水溶液
を準備し、回転霧化静電塗装機で霧化頭回転数25,0
00rpm、樹脂液の送液量は40ml/分、霧化頭へ
の印加電圧は−90kv、塗布時の周囲温度は25℃、
相対湿度は50%とし、塗布後2.5秒で塗布面に蒸気
を吹き付けて湿潤させ、ついで湿潤した3秒後に温度6
0℃、湿度10%の温風を5秒間吹き付けて乾燥させ
た。マットの高さは平均約6μm、大きさは平均約30
μm、塗布量は150mg/m2であった。このように
して得られた平版印刷版原版を1,003mm×800
mmの大きさに裁断したものを多数枚用意し、これらに
原稿フィルムを通して1mの距離から3kwのメタルハ
ライドランプを用いて、60秒間露光した。 【0096】以下の現像液a及び現像補充液aを準備し
た。 [現像液a] D−ソルビトール・カリウム塩 5.1 質量% テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.07質量% 水 94.83質量% [現像補充液a] D−ソルビトール・カリウム塩 5.1 質量% 水酸化カリウム 0.7 質量% テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.07質量% 水 94.13質量% 【0097】浸漬型現像槽を有する市販の自動現像機P
S−900D(富士写真フイルム(株)製)の現像槽
に、上記現像液a(pH約13.0)を20リットル仕
込み、30℃に保温した。PS−900Dの第二浴目に
は水道水を8リットル、第三浴目にはFP−2W(富士
写真フイルム(株)製):水=1:1希釈したフィニッシ
ング液を8リットル仕込んだ。このような条件の下で、
前述の露光済みの平版印刷版原版を、1日当り100版
づつ、1ヶ月間処理した。尚、この間、平版印刷版原版
の処理および空気中の炭酸ガスによる現像液活性度の低
下を上記現像補充液aを補充することにより補い、現像
液の活性度を一定に保った。このようにして得られた平
版印刷版をハイデルKOR−D印刷機で印刷した。その
結果、各印刷版から非画像部に汚れのない良好な印刷物
が4,000枚得られた。 【0098】 【比較例1】厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイ
ロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を
用いその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。1
0%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッ
チングした後、流水で水洗後20%HNO3で中和洗
浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦
波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160ク
ーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行っ
た。その表面粗さを測定したところ0.6μ(Ra表
示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中
に浸漬し55℃で2分間デスマットした後、20%H2
SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、
電流密度2A/dm2において厚さが2.7g/m2にな
るように陽極酸化し、基板を作製した。尚、この時の裏
面の陽極酸化皮膜はアルミニウム板の中央部で約0.2
g/m2、端部で約0.5g/m2であった。このように
して作成した基板に、実施例1と全く同じ方法で感光層
とマット層を設けアルミニウム基板の平版印刷版用原版
を作成し、実施例1と同様にして露光した。ついで、下
記現像原液bを水道水で9倍希釈した現像液と、下記現
像補充液原液bを5倍希釈した補充液を用いた他は全て
実施例1と同じ条件で現像、版面保護処理を行って平版
印刷版を得た。 【0099】 [現像液原液b] [SiO2]/[K2O]モル比1.2、 SiO2 12.2質量%のケイ酸カリウム水溶液 1000質量部 ポリオキシエチレン(付加モル数n=12)ソルビトール 2質量部 [現像補充液原液b] [SiO2]/[K2O]モル比0.8、 SiO2 11.4質量%のケイ酸カリウム水溶液 1000質量部 ポリオキシエチレン(付加モル数n=12)ソルビトール 4質量部 【0100】このようにして得られた平版印刷版と実施
例1の印刷版を並べてハイデルKOR−D印刷機で印刷
した。何れの印刷版からも汚れのない印刷物が得られた
が、湿し水の供給目盛りを絞り、印刷版版上の湿し水量
を減らしていくと、比較例1の印刷版の方が水目盛り8
0で印刷物に汚れが発生したのに対して、実施例1の印
刷版では、水目盛り70に下げるまで汚れは発生しなか
った。 【0101】 【実施例2】ネガ型感熱性平版印刷版用原版 支持体および親水性層は、実施例1と同様のものを使用
した。但し、画像形成層である感熱層は下記処方の組成
物を塗布し、ネガ型感光性平版印刷版用原版を作製し、
露光、現像および印刷性を評価した。 【0102】(画像形成層処方)IRG22(IR染
料、日本化薬製)0.1g、下記架橋剤A0.21g、
フェノール−ホルムアルデヒドノボラック(重量平均分
子量12000)2.1g、ジフェニルヨードニウム−
9,10―ジメトキシアントラセンスルホネート0.0
2g、メガファックF−176(大日本インキ化学工業
(株)製フッ素系界面活性剤)0.06g、メチルエチ
ルケトン15g、2−メトキシ−1−プロパノール12
gからなる組成物を、前記実施例1と同様の支持体に塗
布したものを実施例2のネガ型感熱性平版印刷版用原版
とした。 【0103】(架橋剤Aの合成)1−〔α−メチル−α
−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン2
0gを水酸化カリウム水溶液(10%)100mlに溶
解させた。この反応液にホルマリン(37%)60ml
を室温で撹拌しながら1時間かけて滴下した。反応液を
室温にてさらに6時間撹拌した後、硫酸水溶液中に投入
し、晶析させた。得られたペースト状沈殿をよく水洗し
た後、メタノール30mlを用いて再結晶することによ
り、白色粉末を得た。収量20g。得られた化合物は、
NMRにより1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシ
フェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕ベンゼンのヘキサメチロール化
合物であることがわかった。逆相HPLC(カラム:S
himpac CLC−ODS(島津製作所製)、溶
媒:メタノール/水=60/40→90/10)による
ヘキサメチロール化合物の純度は92%であった。 こ
のヘキサメチロール化合物20gをメタノール1000
mlに加温溶解させ、濃硫酸1mlを加え12時間加熱
還流した。反応液を冷却後、炭酸カリウム2gを加え、
さらに撹拌後、濃縮し、酢酸エチル300mlを加え、
水洗、乾燥後、溶媒を留去し、白色固体を得た。収量2
2g。得られた化合物は、NMRにより1−〔α−メチ
ル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−
〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベ
ンゼンのヘキサメトキシメチ親水性層の親水性が高くか
つ支持体との結合力が優れ、厳しい印刷条件において
も、汚れが生じない印刷物が得られる、ボジ型またはネ
ガ型の平版印刷版用原版を提供することである。逆相H
PLC(カラム:Shimpac CLC−ODS(島
津製作所製)、溶媒:メタノール/水=60/40→9
0/10)によるヘキサメトキシメチル化合物の純度は
90%であった。 【0104】次に下記の現像液cおよび現像補充液cを
準備した。 [現像液c] D−ソルビトール 3.4 質量% 水酸化ナトリウム 0.26 質量% 炭酸ナトリウム 1.05 質量% テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.03 質量% 水 95.26 質量% [現像補充液c] D−ソルビトール 3.4 質量% 水酸化ナトリウム 1.44 質量% テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.03 質量% 水 95.13 質量% 【0105】浸漬型現像槽を有する市販の自動現像機P
S−900NP(富士写真フイルム(株)製)の現像槽
に、上記の現像液cを22リットル仕込んだ。別に、現
像補充液供給タンクには上記の現像補充液cを5リット
ルを入れた。上記で得られたネガ型平版印刷版用原版
を、ヒートモードレーザとしての半導体レーザ(波長8
25nm、ビーム径:1/e2=6μm)を用い、線速
度8m/secで版面出力110mWに調節し、露光し
た。露光後110℃で1分間加熱処理した後、準備した
自動現像機PS−900NPに通して処理した。次いで
富士写真フイルム(株)製ガムGU−7(1:1)で版
面を処理し、ハイデルKOR−D機で印刷した。非画像
部に汚れのない良好な印刷物が6,000枚得られた。
この様な条件の下で、前述のレーザー露光済みの平版印
刷版原版を、1日当り100版づつ、1ヶ月間処理し
た。尚、この間、平版印刷版原版の処理および空気中の
炭酸ガスによる現像液活性度の低下を現像補充液cを補
充することにより補い、現像液の活性度を一定に保っ
た。このようにして得られた平版印刷版をハイデルKO
R−D印刷機で印刷したところ、各印刷版からも引き続
き非画像部に汚れのない良好な印刷物が6000〜70
00枚得られた。 【0106】 【実施例3〜7】ポジ型感光性平版印刷版用原版 〔(支持体1〜5+親水性層)の作製〕下記の表面凹凸
支持体1〜5を使用し、その上に次の光グラフト方法を
用いてアクリル酸が表面にグラフトポリマー化された親
水性層を得た。得られた親水性層の接触角(空中水滴、
協和界面科学(株)製、CA−Z)を測定したところ、
10°であった。 【0107】(光グラフト方法)アクリル酸50g、過
ヨウ素酸ナトリウム0.03g、水200gからなる光
グラフト重合溶液をパイレックス(登録商標)製のガラ
ス容器に入れ、その中に下記PETフィルムを浸漬し
た。次に容器をArガスで置換し、その後400Wの高圧
水銀灯(理工科学産業(株)製UVL-400P)を使用し、ガ
ラス容器を水銀灯から10cmの距離を離して30分間光
照射した。反応した膜を40℃の温水にて8時間洗浄し
た。 【0108】〔表面凹凸支持体1〜5〕 (支持体例1)表面粗さRa(中心線平均粗さ)0.7μ、R
y(最大高さ粗さ)7μである膜厚188μのサンドブラス
トしたPETフィルム(パナック工業(株)社製) (支持体例2)平均粒径1.2μmのシリカを3.5質
量%配合して作成した中心線平均表面粗さが0.18μ
mである膜厚188μmPETフィルム (支持体例3)平均粒径3.5μmのアルミナを1.0
質量%配合した中心線平均粗さが0.28μmでフィル
ム厚さ188μmのPETフィルム (支持体例4、5)下記表1に示す2次元の表面粗さを
有する188μ厚みのサンドブラスト処理されたPETフィル
ム 【0109】 【表1】【0110】上記のようにして作製した親水性層上にポ
ジの感光層として、実施例1で用いた画像形成層を塗布
したものを実施例3〜7のポジ型平版印刷版用原版とし
た。また実施例1と同様の操作により、露光、現像およ
び印刷性評価を行った。印刷性の評価結果を表2に示
す。非画像部に汚れのない良好な印刷物が20,000
枚得られた。 【0111】 【表2】 【0112】 【比較例2】実施例1のポジ型感光性平版印刷版原版を
用い、比較例1の現像液原液bを水道水で9倍希釈した
現像液と、現像補充液原液bを5倍希釈した補充液を用
いた他は、全て実施例1と同じ条件で現像、版面保護処
理を行って平版印刷版を得た。このようにして得られた
平版印刷版と実施例1の印刷版を並べてヘイデルKOR
−D印刷機で印刷した。いずれの印刷版からも汚れのな
い印刷物が得られたが、湿し水の供給目盛りを絞り、印
刷版版上の湿し水を減らしていくと、比較例2の印刷版
の方が水目盛り80で印刷物に汚れが発生したのに対し
て、実施例1の印刷版では水目盛り70に下げるまで汚
れは発生しなかった。 【0113】 【比較例3】比較例1のポジ型感光性平版印刷版原版を
用いた他は、全て実施例1と同じ条件で現像、版面保護
処理を行って平版印刷版を得た。このようにして得られ
た平版印刷版と実施例1の印刷版を並べてハイデルKO
R−D印刷機で印刷した。いずれの印刷版からも汚れの
ない印刷物が得られたが、湿し水の給水目盛りを絞り、
印刷版版上の湿し水を減らしていくと、比較例3の印刷
版の方が水目盛り80で印刷物に汚れが発生したのに対
して、実施例1の印刷版では水目盛り70に下げるまで
汚れは発生しなかった。また、比較例3の印刷版では印
刷前に版面に触れた素手の指紋状の印刷汚れが生じた
が、実施例1の印刷版では指紋状汚れが発生しなかっ
た。 【0114】 【発明の効果】本発明の製版方法によれば、採用する平
版印刷版用原版において、支持体表面と直接化学的に結
合し、かつ親水性官能基を有する高分子化合物からなる
親水性層を有する平版印刷版用支持体上に、画像形成層
が設けられていて、更に好ましくは前記支持体表面が粗
面化されていることにより、親水性層の親水性がより高
くかつ支持体との結合力が優れ、そこへ非還元糖アルカ
リ金属塩を含有した現像液にて現像処理することによ
り、特に印刷汚れ性が著しく改善され、厳しい印刷条件
においても、汚れが生じない印刷物が得られる平版印刷
版を提供することができる。また、本発明の製版方法に
よれば、従来、現像液に用いられてきたアルカリ珪酸塩
が不要となり、廃液の中和処理や焼却処理性が向上す
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 親水性グラフトポリマー鎖が存在する親
    水性表面を有する支持体上に、画像形成層を有する平版
    印刷版用原版を、画像露光後、少なくとも一種の非還元
    糖アルカリ金属塩を含有するアルカリ性現像液を用いて
    現像処理することを含む平版印刷版の製版方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066138A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用セパレータ及びその製造方法及びそれを用いた固体高分子型燃料電池

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006066138A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用セパレータ及びその製造方法及びそれを用いた固体高分子型燃料電池

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