JP2003255258A - ガルバノスキャナの制御装置、及び、その調整方法 - Google Patents

ガルバノスキャナの制御装置、及び、その調整方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガルバノスキャナのミラーの整定特定の変化
による影響を抑えて、レーザ加工における加工精度を向
上させる。 【解決手段】 デジタル計算器30とアナログ回路42
の組合せにより指令電圧パターンを生成し、条件によっ
てデジタル計算器30の処理を変更することにより指令
電圧パターンを変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミラーを駆動して
レーザ照射位置を走査するガルバノスキャナの制御装
置、及び、その調整方法に係り、特に、レーザ光線を照
射してプリント配線基板等に複数の穴開け加工を行なう
レーザドリルマシンに用いるのに好適な、ガルバノスキ
ャナの制御装置、これを用いたガルバノスキャナ、及
び、その調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザにより加工を行なう際、ガルバノ
スキャナによって照射位置を移動させる方法を採ると、
高速な加工が可能となる。
【0003】図1は、一般的なレーザドリルマシンの構
成例である。本構成例は、図示しないレーザ発振器から
照射される、例えばパルス状のレーザ光線11を、所定
の方向(図1では紙面に垂直な方向)に走査するための
第1ミラー15を含む第1ガルバノスキャナ14と、該
第1ガルバノスキャナ14によって紙面に垂直な方向に
走査されたレーザ光線12を、前記第1ガルバノスキャ
ナ14による走査方向と垂直な方向(図1では紙面と平
行な方向)に走査するための第2ミラー17を含む第2
ガルバノスキャナ16と、前記第1及び第2ガルバノス
キャナ14、16により2方向に走査されたレーザ光線
13を、加工対象物10の表面に対して垂直な方向に偏
向するためのf−θレンズ18とを備えている。
【0004】このガルバノスキャナにおいて、図示しな
いレーザ発振器から出力されたレーザ光線11は、第1
ミラー15、第2ミラー17で反射された後、f−θレ
ンズ18を通過して加工対象物10に集光される。第1
ミラー15、第2ミラー17は、異なる方向に回転させ
ることが可能で、これらのミラーの回転角度(単に角度
又はミラー角度と称する)を変えることにより、レーザ
光線を加工対象物10の任意の位置に照射して加工を行
なうことができる。
【0005】基板の穴開け等では高いスループットが要
求されるため、加工対象物10を移動させる方法に比べ
て、レーザ光線を移動させることにより、高速に処理を
行なうことが可能な、ガルバノスキャナを用いることが
多い。
【0006】一方で、ガルバノスキャナのミラー角度の
僅かな変化が加工面に大きく投影されるため、精度良く
加工を行なうためには、ミラー角度に高い位置決め精度
が要求される。
【0007】ガルバノスキャナの制御装置は、レーザ照
射の際に、レーザ照射位置が目標精度に収まる範囲とな
るよう、ミラー角度が整定するように調整される。しか
し、ガルバノスキャナは、動作角度、周囲温度、経年変
化等によって、駆動特性が変化し、ミラーの整定特性に
影響を与えるため、高い加工精度を維持することは難し
い。
【0008】近年、高速化、高精度化の要求に伴い、ガ
ルバノスキャナを高速に駆動させる上、許容される整定
範囲が小さくなってきている。このため、スループット
を低下させずにガルバノスキャナの駆動特性の変化に対
応する必要が生じてきた。
【0009】従来、加工精度の悪化に対する対策とし
て、ガルバノスキャナの整定の遅れを待ってから加工を
行なう方法や、ガルバノスキャナの駆動速度を遅くして
整定特性の変化が起きないようにする対策が採られてい
たが、いずれも加工精度を改善するとスループットが低
くなってしまっていた。
【0010】これに対して、出願人は既に特願2001
−275328で、デジタル計算器とアナログ回路を組
合わせ、ガルバノスキャナの制御装置の指令値生成をデ
ジタル計算器で行ない、指令パターンを細かく変更させ
て整定特性の微調整に利用すると共に、アナログのフィ
ードバック制御回路を用いて高速でフィードバック制御
を行なう方法を提案している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにデジタル計算器で指令値生成を行い、アナログ回路
でフィードバック制御を行う場合には、次のような動作
上の問題点があった。
【0012】(1)ミラー角度の現在位置がデジタル計
算器に入力されていないため、電源投入時やアナログ回
路がエラーで停止した場合、ミラー角度の現在位置が不
定になり、適切な指令パターンを生成できない。
【0013】(2)デジタル計算器がエラーで停止した
場合、(1)と同じ理由で、指令パターンが不連続にな
る。
【0014】(3)(1)、(2)の結果、例えばミラ
ーが危険速度で回転したり、駆動電流が許容値を上回っ
てしまって、ガルバノスキャナを破損する恐れがある。
【0015】(4)(3)を防止するため、例えば駆動
電流が過大となったときにミラーの駆動をエラー停止す
るような安全機能を設けると、(1)又は(2)の状態
に戻り、連続的にエラーを発生して、正常復帰できなく
なる。
【0016】又、次のような調整上の問題点もあった。
【0017】(5)制御装置の調整を、アナログ回路と
デジタル計算器の両方で同時に行なう必要があり、調整
に双方の知識や技術が要求される。
【0018】一方、特許第2692409号では、デジ
タル計算器を用いることなく、指令値生成をアナログ回
路のスルーレートリミッタ回路を利用して行なう方法が
記載されており、この方法によれば、上記のデジタル計
算器とアナログ回路を組合わせた場合に発生する問題点
は生じないが、デジタル計算器を用いていないため、条
件によって制御パラメータを細かく変更して精度向上を
図るような処理はできなかった。
【0019】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、アナログのガルバノドライバとデジ
タル計算器による指令パターン生成を利用することによ
り、スループットの低下を抑えながら精度良く加工でき
るようにすることを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、ミラーを駆動
してレーザ照射位置を走査するガルバノスキャナの制御
装置において、デジタル計算器とアナログ回路の組合せ
により指令パターンを生成し、条件によってデジタル計
算器の処理を変更することにより指令電圧パターンを変
更するようにして、前記課題を解決したものである。
【0021】又、前記指令パターンの変更によってミラ
ー動作の整定特性を改善するようにしたものである。
【0022】又、前記デジタル計算器の処理の一部をア
ナログ回路の擬似逆関数としたものである。
【0023】又、前記アナログ回路をスルーレートリミ
ッタ回路としたものである。
【0024】又、前記デジタル計算器の処理の一部をス
ルーレートリミッタとしたものである。
【0025】又、前記アナログ回路によるスルーレート
リミッタ回路の制限速度を、デジタル計算器によるスル
ーレートリミッタの制限速度より速くして、アナログ回
路でぎりぎりまで速めたものを、デジタル計算器で鈍ら
せるようにしたものである。
【0026】本発明は、又、前記の制御装置を用いたガ
ルバノスキャナを提供するものである。
【0027】本発明は、又、前記の制御装置を調整する
に際して、予め条件を変えてガルバノスキャナを動作さ
せ、ミラーの整定特性を観察することによって、それぞ
れの条件でのデジタル計算器の処理を決定するようにし
たものである。
【0028】あるいは、前記の制御装置を調整するに際
して、レーザ照射を行なった結果の精度を測定して、デ
ジタル計算器の処理を決定するようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0030】本実施形態は、図2に示す如く、図示され
ていない上位のシステムから入力されるミラー20の目
標角度に応じて指令値を演算し、指令値の波形(指令パ
ターン)を生成するデジタル計算器30と、該デジタル
計算器30から出力される指令値をアナログの指令電圧
に変換するD/A変換器40と、該D/A変換器40か
ら入力されるアナログの指令に制限を加えるアナログの
スルーレートリミッタ回路42と、該スルーレートリミ
ッタ回路42から入力されるアナログの指令電圧、及
び、モータ22によって駆動されるミラー20の回転角
を検出するための角度センサ24から入力されるミラー
の計測角度信号から、電流指令を出力するアナログのフ
ィードバック制御回路50と、該フィードバック制御回
路50から入力される電流指令に応じて駆動電流を作り
出し、モータ22を駆動するパワーアンプ52とを含ん
で構成されている。
【0031】前記スルーレートリミッタ回路42は、図
3に例示する如く、3つの抵抗R0とオペアンプOP1
で構成される加算器43と、2つの抵抗R1、R2とオ
ペアンプOP2で構成される増幅器44と、可変抵抗V
R1とコンデンサC1とオペアンプOP3で構成される
積分器45で構成されている。
【0032】前記デジタル計算器30におけるデジタル
処理の好ましい例の1つは、図4にブロック線図で示す
如く、減算器31と、固定ゲイン(K1)32と、リミ
ッタ33と、可変ゲイン(K3)34と、第1及び第2
の離散フィルタ35、36とを含んでいる。
【0033】なお、各ブロックは、スルーレートリミッ
タ回路42のパラメータを利用して、次の手順1のよう
に構成することが望ましい。ここで、デジタル計算機3
0の処理周期をTとする。
【0034】[手順1] (1)固定ゲインをK2=(R2/R1)とする。
【0035】(2)リミッタ33の上下限を、増幅器4
4の出力可能電圧の上下限とする。
【0036】(3)第1の離散フィルタ35をT/(1
−z-1)とする。
【0037】(4)K2=VR1×C1として、第2の
離散フィルタ36をK2/(T×K1)×{(1−
-1)+1}とする。
【0038】(5)可変ゲインK3は、指令パターンの
調整に利用する。
【0039】この手順1によれば、デジタル計算器30
の内部に、図5に示す如く、デジタルスルーレートリミ
ッタ30Aと、実装されているアナログのスルーレート
リミッタ回路42の擬似逆関数30Bが構築される。デ
ジタル計算器30の内部に構築された擬似逆関数30B
は、実装されているアナログのスルーレートリミッタ回
路42の処理を相殺するため、デジタル計算器30の内
部に構築されたデジタルスルーレートリミッタ30Aの
出力が、最終的に指令電圧パターンとなる。このデジタ
ルスルーレートリミッタ30Aの設定は、デジタル計算
器30の連続動作中も任意に変更できる。
【0040】又、デジタル計算器30での望ましい処理
の他の例を図6にブロック線図で示す。この構成例で
は、第2の離散フィルタ36の代わりに、第2の固定ゲ
イン(K2/K1)37と加算器38が設けられてい
る。
【0041】本構成例は、図4に示した構成例と全く同
じ働きを示すが、より簡略化した表現であり、実装上望
ましい。なお、各パラメータの導出方法は、図4と同じ
である。
【0042】以下、図2を参照して、本実施形態の作用
を説明する。
【0043】前記ミラー20の目標角度は、図示されて
いない上位のシステムから、デジタル計算器30に入力
される。該デジタル計算器30では、目標角度に応じて
指令値のパターンを生成する。演算結果は、D/A変換
器40によりアナログの指令電圧となり、アナログのス
ルーレートリミッタ回路42を通過して最終的な指令電
圧パターンとなる。
【0044】一方、ミラー20の角度は、角度センサ2
4により計測され、アナログのフィードバック制御回路
50に入力される。
【0045】フィードバック制御回路50では、指令電
圧パターンと計測角度信号から電流指令を出力する演算
がなされる。例えば、指令電圧パターンから計測角度信
号を減算してPID演算を行なうように構成する方法が
一般的である。
【0046】該フィードバック制御回路50から出力さ
れる電流指令に従った駆動電流がパワーアンプ52で作
り出され、これにより、モータ22が駆動され、ミラー
20が回転する。
【0047】次に、前記スルーレートリミッタ回路42
の作用について、図3を参照して、詳しく説明する。
【0048】該スルーレートリミッタ回路42は、増幅
器44の出力電圧が、オペアンプOP2の出力可能電圧
の範囲内であれば、後出図8に示す如く、一次遅れフィ
ルタとして動作する。この場合、可変抵抗VR1を変更
すると、積分器45での積分速度が変わり、一次遅れフ
ィルタの時定数が変わる。
【0049】一方、増幅器44の出力電圧がオペアンプ
OP2の出力可能電圧の範囲を超えた場合は、増幅器4
4の出力電圧が一定となる。この結果、積分器45への
入力電圧が一定となるため、スルーレートリミッタの出
力の変化率が一定となる。この場合は、可変抵抗VR1
を変更すると出力の変化率が変わる。
【0050】続いて、デジタル計算器30の作用につい
て、詳しく説明する。
【0051】このデジタル計算器30では、ガルバノス
キャナの動作条件を判断して、予め条件に応じて設定さ
れた指令波形を出力する。指令波形の例を図7に示す。
従来の方式では、スルーレートリミッタ回路42への入
力は、実線Bのような単純なステップ入力がなされてい
た。これに対して、動作条件によってミラー20の整定
が乱れた場合には、デジタル計算器30より出力する指
令波形を変更することにより、整定状態を改善すること
ができる。即ち、ガルバノスキャナのミラー20の動作
が整定時にオーバーシュートを起こすような条件では、
一点鎖線Aのように変化率の遅い指令波形を、逆に、ミ
ラー20の動作が整定時にアンダーシュートを起こすよ
うな条件では、二点鎖線Cのように急激に大きな値を出
力するような指令波形を用いる。
【0052】A〜Cの波形を生成する望ましい方法は、
前記手順1によりデジタル計算器30の処理を構成し、
可変ゲインK3により波形を調整することである。K3
の値と波形の傾向は、次のような関係がある。
【0053】 波形A:K3<1/(VR1×C1) 波形B:K3=1/(VR1×C1) 波形C:K3>1/(VR1×C1)
【0054】図8は、可変抵抗VR1を変更した時のス
ルーレートリミッタ回路42のステップ応答をシミュレ
ーションした結果である。これに対して、図9乃至図1
1は、スルーレートリミッタ回路42の設定は変えず
に、デジタルスルーレートリミッタ30Aの設定を変更
した場合に生成される、デジタル計算器30が出力する
指令パターンと、最終的にスルーレートリミッタ回路4
2を通過して生成される指令電圧パターンをシミュレー
ションした結果である。デジタル計算器30の処理によ
り、スルーレートリミッタ回路42の可変抵抗値を変更
した場合と同様の指令電圧パターンが生成される。
【0055】図11は、スルーレートリミッタ回路42
より速い変化率にデジタルスルーレートリミッタ30A
を設定した場合で、十分に応答していない。このため、
スルーレートリミッタ回路42は変化率を速く(可変抵
抗VR1を小さく)しておき、デジタル処理で鈍らせた
方がよい。
【0056】上記の作用を実現するような、可変抵抗V
R1及び可変ゲインK3の望ましい設定方法の例を次の
手順2に示す。
【0057】[手順2] (1)オシロスコープ等で、図12に示す如く、目標角
度と角度センサ24のエラー信号をモニタしながら、ガ
ルバノスキャナの制御装置の調整を行なう。望ましい調
整状態は、図12に実線aで示すように、オーバーシュ
ートもアンダーシュートもなく、レーザ照射時刻までに
整定範囲内に収まる調整である。デジタル計算器30か
らの出力はステップ出力として、フィードバック制御回
路50とスルーレートリミッタ回路42を同時に適切に
調節する。
【0058】(2)このときの動作条件を条件aとし
て、望ましい整定状態を実現するVR1をVRaとして
記録しておく。
【0059】(3)前に動作角度や動作温度等の条件を
変更して整定が乱れた場合には、VR1のみの調整によ
り望ましい整定状態にする。一方、図12に実線bで示
すように、オーバーシュートを起こした場合には、VR
1を大きくして動作速度を緩やかにするとよい。逆に、
図12に実線cで示すようにアンダーシュートを起こし
た場合には、VR1を小さくして動作速度を速くすると
よい。
【0060】(4)条件bで望ましい整定状態を実現す
るVR1をVRb、条件cで望ましい整定状態を実現す
るVR1をVRc…等として記録しておく。
【0061】(5)全ての条件で事前調整を行なった
後、最終的にVR1は、全てのVR*より小さく、且
つ、ミラーが危険速度で回転したり駆動電流が許容値を
上回ったりすることのないように設定して、スルーレー
トリミッタ回路42の調整を終了する。
【0062】(6)デジタル計算器30の処理を前記手
順1に従って構成する。連続動作中はデジタル計算器3
0で、条件によって可変ゲインK3を以下のように算出
しながら処理を行なう。
【0063】 条件a:K3=1/(VRa×C1) 条件b:K3=1/(VRb×C1) 条件c:K3=1/(VRc×C1) ・・・
【0064】又、可変抵抗VR1及び可変ゲインK3の
別の設定方法の例を次の手順3に示す。本例は、手順2
で示した方法に比べて簡易的であり、ガルバノスキャナ
を実装した後に経時変化等で精度が悪化した場合などに
用いるのに有効である。
【0065】[手順3] (1)デジタル計算器30からの出力はステップ出力と
して、フィードバック制御回路50とスルーレートリミ
ッタ回路42を同時に適切に調節する。
【0066】(2)望ましい整定状態を実現するVR1
をVRaとして記録しておく。
【0067】(3)VR1は、全てのVR*より小さ
く、且つ、ミラー20が危険速度で回転したり駆動電流
が許容値を上回ったりすることのないように設定する。
【0068】(4)可変ゲインをK3=1/(VRa×
C1)とする。
【0069】(5)実装して加工を行なった結果、加工
精度が悪くなる条件があればK3を変更して精度良く加
工できるようにする。目標加工位置に対して行き過ぎた
箇所を加工している場合にはK3を大きくする。逆に、
目標加工位置に対して到達しない箇所を加工している場
合には、K3を小さくする。
【0070】勿論、手順2と手順3を複合して利用する
ことも可能である。
【0071】なお、前記実施形態においては、スルーレ
ートリミッタ回路42が、加算器43と増幅器44と積
分器45を用いて構成されていたが、アナログのスルー
レートリミッタ回路の構成はこれに限定されない。又、
スルーレートリミッタ回路の代わりに一次フィルタのみ
であってもよい。更に、前記デジタル計算器30の構成
も、図4又は図6に示した構成に限定されない。
【0072】なお、前記実施形態においては、本発明
が、レーザドリルマシンに適用されていたが、本発明の
適用対象はこれに限定されず、ガルバノスキャナを用い
るものであれば、例えばマーキングマシン等、他の機械
にも同様に適用できることは明らかである。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、ガルバノスキャナのミ
ラーの整定特性の変化による影響を抑えることができ、
レーザ加工における加工精度を向上させることができ
る。
【0074】この際、アナログ回路のスルーレートリミ
ッタ回路により、指令波形の最大変化率を制限できるの
で、ミラーが危険速度で回転したり、駆動電流が許容値
を上回ったりすることがない。
【0075】更に、手順2に示した設定方法によれば、
アナログ回路とデジタル計算器のプログラムを交互に変
更しながら調整するような作業が発生せず、作業の分担
が可能になる。
【0076】又、手順3に示した設定方法によれば、一
旦実装した後、精度の悪い条件が見つかった場合や、経
時変化により精度が悪化した場合に、容易に精度の改善
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象の一例であるレーザドリルマ
シンの要部構成を示す正面図
【図2】本発明に係るガルバノスキャナの制御装置の実
施形態の構成を示すブロック線図
【図3】前記実施形態で用いられているスルーレートリ
ミッタ回路の構成例を示す回路図
【図4】同じくデジタル計算器での処理の例を示すブロ
ック線図
【図5】同じくデジタル計算器での指令パターン生成処
理の概念を示すブロック図
【図6】前記デジタル計算器での処理の他の例を示すブ
ロック線図
【図7】前記デジタル計算器で生成される指令パターン
の例を示す線図
【図8】前記スルーレートリミッタ回路の出力のシミュ
レーション結果を示す線図
【図9】本発明による指令パターン生成結果の一例を示
す線図
【図10】同じく他の例を示す線図
【図11】同じく更に他の例を示す線図
【図12】前記デジタル計算器の可変抵抗及び可変ゲイ
ンの望ましい設定方法を説明するためのエラー信号のモ
ニタ例を示す線図
【符号の説明】
10…加工対象物 11、12、13…レーザ光線 14、16…ガルバノスキャナ 15、17、20…ミラー 22…モータ 24…角度センサ 30…デジタル計算器 30A…デジタルスルーレートリミッタ 30B…スルーレートリミッタ回路擬似逆関数 31…減算器 32…固定ゲイン(K1) 33…リミッタ 34…可変ゲイン(K3) 35、36…離散フィルタ 38…加算器 40…D/A変換器 42…スルーレートリミッタ回路(アナログ) 43…加算器 44…増幅器 45…積分器 50…フィードバック制御回路(アナログ) 52…パワーアンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 研太 神奈川県平塚市久領堤1番15号 住友重機 械工業株式会社平塚事業所内 Fターム(参考) 2H045 AB54 BA13 4E068 CA08 CB02 CD06 CD08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミラーを駆動してレーザ照射位置を走査す
    るガルバノスキャナの制御装置において、 デジタル計算器とアナログ回路の組合せにより指令パタ
    ーンを生成し、 条件によってデジタル計算器の処理を変更することによ
    り指令パターンを変更することを特徴とするガルバノス
    キャナの制御装置。
  2. 【請求項2】前記指令パターンの変更によってミラー動
    作の整定特性を改善することを特徴とする請求項1に記
    載のガルバノスキャナの制御装置。
  3. 【請求項3】前記デジタル計算器の処理の一部がアナロ
    グ回路の擬似逆関数であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のガルバノスキャナの制御装置。
  4. 【請求項4】前記アナログ回路がスルーレートリミッタ
    回路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載のガルバノスキャナの制御装置。
  5. 【請求項5】前記デジタル計算器の処理の一部がスルー
    レートリミッタであることを特徴とする請求項4に記載
    のガルバノスキャナの制御装置。
  6. 【請求項6】前記アナログ回路によるスルーレートリミ
    ッタ回路の制限速度が、デジタル計算器によるスルーレ
    ートリミッタの制限速度より、速いことを特徴とする請
    求項5に記載のガルバノスキャナの制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載の制御装
    置を用いたガルバノスキャナ。
  8. 【請求項8】請求項1乃至6のいずれかに記載のガルバ
    ノスキャナの制御装置を調整するに際して、予め条件を
    変えてガルバノスキャナを動作させ、ミラーの整定特性
    を観察することによって、それぞれの条件でのデジタル
    計算器の処理を決定することを特徴とするガルバノスキ
    ャナの制御装置の調整方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至6のいずれかに記載のガルバ
    ノスキャナの制御装置を調整するに際して、 レーザ照射を行なった結果の精度を測定して、デジタル
    計算器の処理を決定することを特徴とするガルバノスキ
    ャナの制御装置の調整方法。
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