JP2003254954A - 試料採取器 - Google Patents
試料採取器Info
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Abstract
とができ、しかも安価で試料の熱脱着が容易な試料採取
器を提供する。 【解決手段】試料中に配置し、該試料に含まれる有機成
分を固相吸着することにより濃縮して採取した後、該有
機成分を熱脱着せしめてガスクロマトグラフィーにより
分析する。表面が不活性化された金属管2と、金属管2
の外周面を被覆し該有機成分を吸着する試料吸着層3と
を備える。試料吸着層3は、有機シリコン系ポリマー、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリウレタン、二酸化珪素からなる群から選択される少
なくとも1種の材料からなる。
Description
有機成分をガスクロマトグラフィーにより分析するため
に試料採取する試料採取器に関するものである。
機成分を分析する方法として、ガスクロマトグラフィー
による方法が知られている。
主成分として含む以外に、味覚に関わる有機成分を含ん
でいる。前記有機成分は、葡萄に由来する脂肪酸、その
エステル等、数十種類の有機化合物の混合物であり、ガ
スクロマトグラフィーはこのような混合物を気化させ
て、分離、分析する手段に適している。
合、ガスクロマトグラフィー等により分析するときに
は、前処理として、該有機成分を濃縮する必要がある。
出法により行うことができる。前記溶媒抽出法は、前記
赤ワイン等の液体試料に、ヘキサン等の揮発性有機溶媒
を添加して撹拌することにより、該液体試料中の有機成
分を該揮発性有機溶媒中に移行させるものである。前記
操作によれば、前記液体試料は、水相と、前記揮発性有
機溶媒を含む有機相とに別れるので、該有機相を分離し
た後、該揮発性有機溶媒を蒸発させることにより、前記
有機成分を濃縮することができる。
要するため、分析者による誤差が生じやすいとの問題が
ある。また、前記溶媒抽出法は、自動化が難しい。
ことができ、自動化が可能な試料採取器が種々提案され
ている。
は、シリンジの先端に取着された細径の中空ニードルの
内表面に有機成分を吸着する固定相をコーティングした
試料採取器が開示されている。前記公報記載の試料採取
器は、ニードルを液体試料中に差し込んでプランジャー
を操作し、該液体試料を吸引することにより、前記固定
相に該液体試料中の有機成分を吸着させるものである。
量的な試料採取を行うことができる。しかし、前記固定
相は、前記ニードルの内表面にコーティングされたもの
であり、吸着される有機成分の量が限定されるので、ガ
スクロマトグラフィーに十分な量の有機成分を採取する
ことができないことがある。
は、磁気攪拌機(マグネットスターラー)の撹拌子(ス
ターラーバー)に有機成分を吸着する固定相をコーティ
ングした試料採取器が開示されている。前記スターラー
バーは、例えば、棒状の磁石の表面にガラスがコーティ
ングされたものであり、前記公報記載の試料採取器は該
スターラーバーのガラス層上にさらに前記固定相をコー
ティングしたものである。
ラー上に載置された容器に液体試料を入れ、前記スター
ラーバーにより該液体試料を撹拌しながら、前記固定相
に該液体試料中の有機成分を吸着させる。従って、前記
試料採取器によれば、簡単な操作で定量的な試料採取を
行うことができる上、ガスクロマトグラフィーに十分な
量の有機成分を採取することも可能である。
成分を吸着して採取した後、ガスクロマトグラフ装置に
付属する加熱炉中で200〜300℃の高温に加熱され
ることにより該有機成分が熱脱着される。そして、前記
有機成分をガスクロマトグラフ装置に導入することによ
り、該有機成分を分析することができる。
1公報記載の試料採取器は、前記磁石に前記ガラス層が
コーティングされているために高価であり、しかも前記
有機成分の熱脱着のために室温から高温に急熱される
と、膨張係数の小さな該ガラス層が該磁石の加熱膨張に
追随できず、破壊されやすいとの不都合がある。
記熱脱着の際に、50℃程度の比較的低い温度から20
0〜300℃の熱脱着温度まで、毎分10℃程度の速度
で昇温しなければならないが、このようにすると熱脱着
に長時間を要する上、分析精度、再現性が低くなる。ま
た、一度の分析を行った後、次の分析を行うためには、
加熱炉の温度を50℃程度まで下げる冷却操作を行わね
ばならないとの問題もある。
合を解消して、簡単な操作でガスクロマトグラフィーに
十分な量の試料を定量的に採取することができ、しかも
安価で試料の熱脱着が容易な試料採取器を提供すること
を目的とする。
めに、本発明の試料採取器は、試料中に配置し、該試料
に含まれる有機成分を固相吸着することにより濃縮して
採取した後、該有機成分を熱脱着せしめてガスクロマト
グラフィーにより分析する試料採取器において、表面が
不活性化された金属管と、該金属管の外周面を被覆し該
有機成分を吸着する試料吸着被覆層とを備えることを特
徴とする。
れた金属管の外周面に微量有機成分を吸着する試料吸着
層が設けられているので、液体または気体の試料中に配
置することにより、該試料吸着層に該試料中の有機成分
を吸着させることができる。従って、本発明の試料採取
器によれば、簡単な操作で定量的な試料採取を行うこと
ができる上、前記試料吸着層によりガスクロマトグラフ
ィーに十分な量の有機成分を採取することができる。
をガラスでコーテイングする必要がなく、表面が不活性
化された金属管の外周面に単に前記試料吸着層が設けら
れているだけであるので、安価であり、ガスクロマトグ
ラフ装置の加熱炉で急熱しても破壊されることがない。
従って、本発明の試料採取器によれば、前記有機成分の
熱脱着を容易に行うことができ、前記加熱炉を冷却する
ことなく連続して複数の試料の分析を行うことができ
る。
脱着の際には、前記金属管の中空部に加熱された気体が
流入するので、前記試料吸着層は伝熱効果に優れている
該金属管により内面側から加熱されることになり、加熱
が促進されて前記熱脱着が急速に行われる。この結果、
前記微量有機成分の分析において、優れた再現性を得る
ことができる。
ー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリウレタン等のポリマー、二酸化珪素等の無機質
被覆材からなる群から選択される少なくとも1種の材料
により形成することができる。前記有機シリコン系ポリ
マーとしては、メチル基、フェニル基等を分子構造中に
有するポリメチルシリコン、ポリフェニルシリコン、シ
リコーンオイル等を挙げることができる。また、前記試
料吸着層を形成する材料は、対象となる前記微量有機成
分に応じて適宜選択することができ、前記群から選択さ
れる材料を1種だけ用いてもよく、2種以上組み合わせ
て用いてもよい。
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本実施形態の試料採取器の構成を示す斜視図、図2
は本実施形態の試料採取器により採取された試料の分析
例を示すクロマトグラムである。
1は、表面が不活性化された金属管2と、金属管2の外
周面を被覆する試料吸着層3とからなる。金属管2は、
表面に珪素膜を形成することにより不活性化されてお
り、さらに該珪素膜の最表面を二酸化珪素(SiO2)
膜としている。また、試料吸着層3はポリメチルシリコ
ン等の有機シリコン系ポリマーにより形成され、金属管
2の表面に形成されている前記二酸化珪素膜と化学的に
結合せしめられている。図示しないが、試料吸着層3は
金属管2の両端面にも形成されている。
前記有機シリコン系ポリマー製のチューブで被覆するこ
とにより形成されていてもよい。試料吸着層3は、採取
しようとする試料の成分に応じて、さらに、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリウレタ
ン等の各種ポリマー、二酸化珪素等の無機質被覆材等の
材料の1種または2種以上を組み合わせて形成されてい
てもよい。
中に浸漬され、該液体試料中で所定時間撹拌されること
により、前記有機成分が試料吸着層3に吸着される。前
記有機成分を吸着した試料採取器1は、次いで、ガスク
ロマトグラフ装置に付属する加熱炉中で加熱されること
により、前記有機成分が熱脱着される。試料採取器1か
ら熱脱着された前記有機成分は、ガスクロマトグラフ装
置に導入され、分析が行われる。
mm、外径1.2mmのチタン管の表面を二酸化珪素膜
で不活性化した金属管2の外周面と両端面とにポリメチ
ルシリコンからなる試料吸着層3を形成して試料採取器
1とした。試料吸着層3は前記外周面では1mm、両端
面では0.5mmの厚さを備え、前記二酸化珪素層と化
学的に結合している。
た小型容器をマグネットスターラー上に載置し、該小型
容器に本実施例の試料採取器1とスターラーバーとを投
入して、15分間撹拌し、試料採取器1を十分に赤ワイ
ンに接触させ、赤ワイン中の微量有機成分を試料吸着層
3に吸着させた。前記撹拌後、試料採取器1を取り出
し、蒸留水で水洗した。
クロマトグラフ装置に接続されたパイロライザー(フロ
ンティア・ラボ株式会社製)に収容した。前記パイロラ
イザーは予め100℃に設定されており、試料採取器1
の収容後、温度を250℃まで急激に上昇させる。この
結果、試料吸着層3に吸着された前記微量有機成分が熱
脱着され、瞬時に前記ガスクロマトグラフ装置に導入さ
れる。
m、内径0.25mmの金属キャピラリーカラムと、該
金属キャピラリーカラムを収容する恒温槽と、該金属キ
ャピラリーカラムの後端部に接続された検出器としての
質量分析計とを備えている。前記金属キャピラリーカラ
ムは、内面に化学結合された膜厚0.25mmのポリエ
チレングリコール被膜が形成されている。前記ガスクロ
マトグラフ装置では、前記金属キャピラリーカラムの先
端部が液体窒素に浸漬されて冷却されており、前記熱脱
着された前記微量有機成分はこの部分に導入されてトラ
ップされる。
成分を、前記金属キャピラリーカラムの先端部にトラッ
プさせた後、前記液体窒素による冷却を停止し、該金属
キャピラリーカラムに毎分1ミリリットルのキャリヤガ
スを流通させながら、該金属キャピラリーカラムが収容
されている恒温槽の温度を40℃から250℃まで毎分
10℃の速度で昇温させた。そして、前記操作により分
離された前記微量有機成分の各成分を、前記金属キャピ
ラリーカラムの後端部に接続された質量分析計により検
出した。
クロマトグラムの各ピークに対応する化合物名を表1に
示す。
1によれば、赤ワイン等の液体試料中の微量有機成分を
ガスクロマトグラフィーに十分な量で採取することがで
き、該微量有機成分をガスクロマトグラフ装置で分析す
ることにより、各成分を分離することができることが明
らかである。
フ装置に導入して分析すると、主成分である水とエタノ
ールとが検出されるだけであり、表1のエタノール以外
の微量有機成分はほとんど検出されない。
斜視図。
析例を示すクロマトグラム。
Claims (2)
- 【請求項1】試料中に配置し、該試料に含まれる有機成
分を固相吸着することにより濃縮して採取した後、該有
機成分を熱脱着せしめてガスクロマトグラフィーにより
分析する試料採取器において、表面が不活性化された金
属管と、該金属管の外周面を被覆し該有機成分を吸着す
る試料吸着層とを備えることを特徴とする試料採取器。 - 【請求項2】前記試料吸着層は、有機シリコン系ポリマ
ー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリウレタン、二酸化珪素からなる群から選択され
る少なくとも1種の材料からなることを特徴とする請求
項1記載の試料採取器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002057571A JP3567154B2 (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 試料採取器 |
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Publications (2)
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JP2003254954A true JP2003254954A (ja) | 2003-09-10 |
JP3567154B2 JP3567154B2 (ja) | 2004-09-22 |
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JP2002057571A Expired - Lifetime JP3567154B2 (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 試料採取器 |
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-
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- 2002-03-04 JP JP2002057571A patent/JP3567154B2/ja not_active Expired - Lifetime
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