JP2017215308A - サンプリングユニット - Google Patents

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【課題】分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂を容易に使い分けてサンプリングすることができるサンプリングユニットを提供する。【解決手段】サンプリングユニット2は、気相成分分析装置の加熱部に導入される試料を採取する。試料採取ロッド26と試料採取片28とを備え、試料採取片28は、表面を被覆する下塗り層と、該下塗り層の表面を被覆する樹脂被膜層とを備える。樹脂被膜層を形成する樹脂の極性が異なる複数種の試料採取片28を備え、各試料採取片28は試料採取ロッド26の先端に着脱自在に装着される。【選択図】図3

Description

本発明は、気体・液体中の微量成分を吸着させ、該微量成分を加熱により熱脱着させて、ガスクロマトグラフ−質量分析等の分析法に用いる試料を採取するサンプリングユニットに関する。
従来、発生ガス分析、熱分解ガスクロマトグラフ−質量分析等の熱分析法に用いる液体試料又は微粉末の固体試料を直接採取するサンプリングユニットとして、金属製マイクロコイルを試料採取ロッドに溶着したサンプリングユニットが提案されている(非特許文献1参照)。
金子毅ら、「マイクロコイルを用いるGC用サンプリングデバイスの試作とその応用」、BUNSEKI KAGAKU、Vol.4、No.5、pp.365-369(2015)
非特許文献1記載のサンプリングユニットにおいて、前記金属製マイクロコイルの表面を不活性化し、樹脂により被覆することが考えられる。このようにするときには、不活性化された前記金属製マイクロコイルの表面を被覆する樹脂の極性が異なれば該樹脂に吸着される試料も異なるため、分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂を使い分けてサンプリングすることにより試料中の各種成分を選択的に分析することができると考えられる。
しかしながら、前記従来のサンプリングユニットにおいて、前記金属製マイクロコイルは前記試料採取ロッドに溶着されているため、分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂を使い分けてサンプリングするためには、樹脂の極性毎に異なる前記サンプリングユニットを準備しなければならないという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂を容易に使い分けてサンプリングすることができるサンプリングユニットを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のサンプリングユニットは、気相成分分析装置の加熱部に導入される試料を採取し、該加熱部内で加熱されることにより該試料を気化させるサンプリングユニットであって、試料採取ロッドと、試料採取片とを備え、該試料採取片は、表面を被覆して不活性化する下塗り層と、該下塗り層の表面を被覆し該試料を吸着する樹脂被膜層とを備え、該樹脂被膜層を形成する樹脂の極性が異なる複数種の該試料採取片を備え、該試料採取片は該試料採取ロッドの先端に着脱自在に装着されることを特徴とする。
本発明のサンプリングユニットは、試料採取ロッドと、試料採取片とを備え、該試料採取片は、表面を被覆して不活性化する下塗り層と、該下塗り層の表面を被覆し該試料を吸着する樹脂被膜層とを備える。前記樹脂被膜層は、分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂を使い分けることにより試料中の各種成分を選択的に分析することができる。
このとき、本発明のサンプリングユニットによれば、前記樹脂被膜層を形成する樹脂の極性が異なる複数種の前記試料採取片を備え、各試料採取片は前記試料採取ロッドの先端に着脱自在に装着されるようになっているので、必要に応じて各試料採取片を交換することができ、分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂を容易に使い分けてサンプリングすることができる。
本発明のサンプリングユニットにおいて、前記試料採取片は金属製コイルであり、前記試料採取ロッドは鋭利な先端を備え、該金属製コイルは該試料採取ロッドの先端に着脱自在に装着されることが好ましい。前記試料採取片が金属製コイルであり、前記試料採取ロッドが鋭利な先端を備える構成によれば、該金属製コイルの内側に該試料採取ロッドの先端を押し込み、該金属製コイルを試料採取ロッドの先端に嵌合させることにより、容易に着脱自在に装着することができる。
ところで、本発明のサンプリングユニットにおいて、前記樹脂被膜層を形成する樹脂を分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂として、該樹脂の極性の相違により複数種の前記試料採取片を備える場合、該試料採取片は外見上からは、該樹脂の極性の相違を判別することができないという問題がある。
そこで、本発明のサンプリングユニットにおいて、前記コイル状試料採取片は、前記樹脂被膜層を形成する樹脂の極性毎に、前記加熱部で加熱されたときに分子構造を維持可能な無機顔料により識別可能に着色されていることが好ましい。
この結果、前記試料採取片は、前記樹脂被膜層を形成する樹脂の極性を外見から容易に判別することができ、分析対象に対して適切な樹脂被膜層を備える該試料採取片を、誤りなく確実に用いることができる。また、前記樹脂被膜層の着色に用いられる無機顔料は、前記加熱部で加熱されたときに分子構造を維持可能であるので、該無機顔料が分析の障害となることを避けることができる。
また、本発明のサンプリングユニットにおいて、前記樹脂被膜層の着色に用いられる前記無機顔料としては、例えば、セラミック顔料、複合酸化物顔料、ベンガラ、塩基性クロム酸鉛、チタン白、亜鉛華、カーボンからなる群から選択される1種以上の顔料を用いることができる。また、前記セラミック顔料としては、Co−Cr−Fe系顔料、Co−Mn−Fe系顔料、アンチモンスズグレー、ジルコングレー、Zn−Cr−Fe系顔料、Zn−Al−Cr−Fe系顔料、ナポリ黄、プラセオジム黄、バナジウムスズ黄、バナジウムジルコニウム黄、Zr−Ti−V−In系顔料、クロムチタン黄、Zr−Si−Cd−S系顔料、Zr−Y−V系顔料、ピーコック、ビクトリアグリーン、クロムグリーン、Cr系顔料、Co−Cr系顔料、紺青、海碧、Co−Zn−Si系顔料、Co−Si系顔料、バナジウムジルコニウム青、クロムスズライラック、ライラック、クロムスズピンク、陶試紅、サーモンピンク、クロムアルミナピンク、ファイアーレッドからなる群から選択される1種以上の顔料を用いることができる。
気相成分分析装置の一構成例を示す模式的断面図。 本発明のサンプリングユニットの一構成例を示す模式的断面図。 本発明のサンプリングユニットの他の構成例を示す模式的断面図。 本発明のサンプリングユニットの要部を拡大して示す側面図。 本発明のサンプリングユニットを用いて採取した試料の分析例を示すクロマトグラムであり、図5Aは樹脂被膜層を形成する樹脂として極性の無い樹脂を用いた場合のクロマトグラム、図5Bは樹脂被膜層を形成する樹脂として中程度の極性を有する第1の樹脂を用いた場合のクロマトグラム、図5Cは樹脂被膜層を形成する樹脂として中程度の極性を有する第2の樹脂を用いた場合のクロマトグラム、図5Dは樹脂被膜層を形成する樹脂として大きな極性を有する樹脂を用いた場合のクロマトグラム。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、ガスクロマトグラフ−質量分析等の分析法に用いる気相成分分析装置1は、恒温槽10と、恒温槽10の上方に設けられた加熱部11と、加熱部11の開口端を閉塞するセプタム12と、恒温槽10の外部で加熱部11に接続されたキャリヤガス導入管13と、恒温槽10の内部に配置されたキャピラリーカラム等の分離カラム14と、質量分析計等からなる検出部15とを備えている。分離カラム14は、一方の端部で加熱部11の下端に接続され、他方の端部で検出部15に接続されている。また、加熱部11は、内部にヒータ16が配設され、下部にはスプリットベント管17が接続されている。
気相成分分析装置1によれば、セプタム12に穿刺されたサンプリングユニット2により導入される試料を加熱部11内でヒータ16により加熱することにより、複数の化合物の混合物からなる気相成分を生成させる。生成した気相成分は、キャリヤガス導入管13から導入されるキャリヤガスにより分離カラム14に導入される。
このとき、スプリットベント管17は、開閉弁18を開弁することにより加熱部11で生成した気相成分の一部を排出して、分離カラム14に導入される該気相成分の量を調整することができる。尚、前記気相成分の量が微量である場合は、スプリットベント管17の開閉弁18を閉弁することにより、生成した該気相成分の全量を分離カラム14に導入してもよい。
また、恒温槽10は所定の温度に加熱されており、前記気相成分は、前記所定の温度下で分離カラム14により該気相成分を構成する各化合物に分離される。そして、分離された各化合物が、検出部15で検出される。
本実施形態のサンプリングユニット2は、例えば、図2Aに示すように、筒状のシリンダ20と、シリンダ20の内壁に沿って摺動自在の押動部材としてのプランジャ21と、シリンダ20の先端部に取り付けられた筒状の接続部22と、接続部22を介して、シリンダ20の先端部に接続された筒状のニードル23とからなるシリンジ24を備える。
プランジャ21は先端にガスケット25を備え、ガスケット25に試料採取ロッド26の基端部が固定されている。接続部22には、ゴム製のシール部材27が配設されており、試料採取ロッド26はシール部材27を貫通して設けられている。試料採取ロッド26は、プランジャ21により進退されることにより、ニードル23から出没自在とされており、試料採取ロッド26の先端にはコイル状試料採取片28が着脱自在に装着されている。
また、シリンダ20は、ガスケット25とシール部材27との間にシリンダ20の内部空間20aと外部とを連通する連通孔29を備え、ガスケット25の基端部側に螺着された抜け止め部30を備える。抜け止め部30は先端部がシリンダ20の内部に突出しており、ガスケット25が当接することにより、プランジャ21の抜け止めとして作用する。抜け止め部30は、シリンダ20の一部を溶融させて内部に突起させるようにしてもよく、ネジ等の先端をシリンダ20の内部に突出させるようにしてもよい。
サンプリングユニット2は、図2Aに示すように、プランジャ21を押動して試料採取ロッド26を前進させることにより、試料採取ロッド26の先端及び該先端に装着されているコイル状試料採取片28をニードル23から突出させることができる。また、サンプリングユニット2は、図2Bに示すように、プランジャ21を引いて試料採取ロッド26を後退させることにより、試料採取ロッド26の先端及び該先端に装着されているコイル状試料採取片28をニードル23内に収容することができる。
サンプリングユニット2では、前述のように、プランジャ21を押動する際にはシリンダ20の内部空間20a内の空気が連通孔29から外部に流出し、プランジャ21を引く際には外部の空気が連通孔29から内部空間20a内に流入する。従って、サンプリングユニット2では、プランジャ21の操作を容易に行うことができる。
また、本実施形態のサンプリングユニット2は、図3A及び図3Bに示すように、シール部材27及び連通孔29を備えない構成とすることもできる。
図4に示すように、試料採取ロッド26は、その先端部26aが基端部側から先端に向かって次第に縮径されて鋭利な先端を備えるように構成されており、例えば、基端側の径が0.3mmであり、先端部26aの先端から1mmとなる位置の径が0.13mm〜0.15mmとなっている。このとき、コイル状試料採取片28は、内径が0.1mmとなるように構成されており、コイル状試料採取片28の内側に試料採取ロッド26の先端部26aを押し込んで嵌合させることにより、先端部26aに着脱自在に装着することができる。
コイル状試料採取片28は、ステンレス等の金属製コイルと、該金属製コイルの表面を被覆して不活性化する下塗り層と、該下塗り層の表面を被覆する樹脂被膜層とを備える。前記下塗り層は、前記金属製コイルの表面を被覆して不活性化することができるものであればどのようなものであってもよいが、例えば、ケイ素被膜層、石英被膜層、チタン被膜層等を挙げることができる。
前記下塗り層は、前記ケイ素被膜層又は、前記石英被膜層であることがさらに好ましい。前記ケイ素被膜層又は、前記石英被膜層は、大気中の水分との反応により表面にシラノール基が形成され、該シラノール基が前記樹脂被膜層を形成する樹脂と化学結合を形成することができる。
前記樹脂被膜層は、試料を吸着することができる樹脂からなり、分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂を用いることができる。例えば、極性の無い樹脂としては、ジメチルポリシロキサン等を挙げることができ、中程度の極性を有する樹脂としては、シアノプロピルフェニルジメチルポリシロキサン、ポリエチレングリコールとジメチルポリシロキサンとの混合物等を挙げることができ、大きな極性を有する樹脂としては、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
また、本実施形態のサンプリングユニット2は、前記樹脂被膜層を形成する樹脂がそれぞれ異なる極性を備える複数のコイル状試料採取片28を備えており、各コイル状試料採取片28は該樹脂の極性毎に識別可能に着色されている。前記着色は、前記樹脂層を形成する樹脂に、加熱部11で加熱されたときに分子構造を維持可能な無機顔料を混合することにより行うことができる。
前記無機顔料は100〜400℃の温度で加熱されたときに分子構造を維持可能であることが好ましく、このような無機顔料として、例えば、セラミック顔料、複合酸化物顔料、ベンガラ、塩基性クロム酸鉛、チタン白、亜鉛華、カーボン等を用いることができる。また、前記セラミック顔料としては、Co−Cr−Fe系顔料、Co−Mn−Fe系顔料、アンチモンスズグレー、ジルコングレー、Zn−Cr−Fe系顔料、Zn−Al−Cr−Fe系顔料、ナポリ黄、プラセオジム黄、バナジウムスズ黄、バナジウムジルコニウム黄、Zr−Ti−V−In系顔料、クロムチタン黄、Zr−Si−Cd−S系顔料、Zr−Y−V系顔料、ピーコック、ビクトリアグリーン、クロムグリーン、Cr系顔料、Co−Cr系顔料、紺青、海碧、Co−Zn−Si系顔料、Co−Si系顔料、バナジウムジルコニウム青、クロムスズライラック、ライラック、クロムスズピンク、陶試紅、サーモンピンク、クロムアルミナピンク、ファイアーレッド等を用いることができる。
本実施形態のサンプリングユニット20は、試料を採取したコイル状試料採取片28の内側に試料採取ロッド26の先端部26aを押し込んで嵌合させた後、試料採取ロッド26を後退させ、先端部26a及びコイル状試料採取片28をニードル23内に収容する。次に、先端部26a及びコイル状試料採取片28がニードル23内に収容されている状態で、図1に示すように、サンプリングユニット2のニードル23を気相成分分析装置1のセプタム12に穿刺した後、先端部26a及びコイル状試料採取片28をニードル23から露出させ、加熱部11内で加熱することにより樹脂層に吸着された試料を熱脱着させて気相成分を生成させる。そして、生成した気相成分を分離カラム14に導入してガスクロマトグラフィーを行う。
また、コイル状試料採取片28に採取した試料がポリマーである場合には、コイル状試料採取片28を試料採取ロッド26に装着することなく、そのまま熱分解装置に導入し、該ポリマーを熱分解させることにより生成した気相成分を分離カラム14に導入してガスクロマトグラフィーを行うことができる。
次に、本発明の実施例を示す。
〔実施例1〕
本実施例では、内径1mm、長さ10mmのステンレス製コイルの表面にケイ素被膜層を形成し、該ケイ素被膜層上に、無極性の樹脂としてのジメチルポリシロキサンからなる厚さ2μmの樹脂被膜層を形成することにより、コイル状試料採取片28を調製した。本実施例のコイル状試料採取片28は、前記樹脂層に無機顔料としてチタン白が混合されることにより、白色に着色されている。
次に、20ミリリットルの容積の容器に10ミリリットルの赤ワイン(Chateau Cure-Bon 1998 French)を入れ、密封して50℃に加温し、該容器のヘッドスペースに本実施例で調製したコイル状試料採取片28を60分間保持して該赤ワインの香気を試料として吸着させた。
次に、前記コイル状試料採取片28の内側に、図3Aに示すサンプリングユニット20の試料採取ロッド26の先端部26aを押し込んで嵌合させた後、図3Bに示すように、試料採取ロッド26を後退させ、先端部26a及びコイル状試料採取片28をニードル23内に収容した。
次に、先端部26a及びコイル状試料採取片28がニードル23内に収容されている状態で、図1に示すように、サンプリングユニット2のニードル23を、気相成分分析装置1のセプタム12に穿刺した。
次に、図3Aに示すように、先端部26a及びコイル状試料採取片28をニードル23から露出させ、加熱部11内で加熱することにより、樹脂層に吸着された試料を熱脱着させ、気相成分を生成させた。前記熱脱着のための加熱は、40℃から毎分40℃の昇温速度で180℃まで昇温し、180℃に3分間保持することにより行った。
次に、スプリットベント管17の開閉弁18を開弁することにより、前記熱脱着により生成した気相成分の量を調整し、生成量の1/5の気相成分を分離カラム14に導入した。分離カラム14に導入した気相成分は、分離カラム14の加熱部11側の端部から300mmの部分を液体窒素に浸漬することによりトラップしたのち、液体窒素から出し、恒温槽10内の温度を40℃から毎分20℃の昇温速度で300℃まで昇温し、300℃に10分間保持することによりガスクロマトグラフィーを行った。
分離カラム14としては、内径0.25mm、長さ30mで内面に1μmの厚さのジメチルポリシロキサン層を備える金属キャピラリーカラム(フロンティア・ラボ株式会社製)を用いた。結果を図5Aに示す。
図5Aから、本実施例で調製したコイル状試料採取片28を装着したサンプリングユニット2を用いることにより、コイル状試料採取片28に吸着された試料から、a〜iの化合物が分離されていることがわかる。a〜iの化合物はそれぞれ、a:エチルヘキサノエート、b:フェネチルアルコール、c:エチルオクタノエート、d:エチルノナノエート、e:エチルデカノエート、f:

、g:2−ヘプタデカノン、h:ペンタデカナール、i:メチルパルミテートである。
〔実施例2〕
本実施例では、内径1mm、長さ10mmのステンレス製コイルの表面にケイ素被膜層を形成し、該ケイ素被膜層上に、中程度の極性を有する樹脂としてのシアノプロピルフェニルジメチルポリシロキサンからなる厚さ2μmの樹脂被膜層を形成することにより、コイル状試料採取片28を調製した。本実施例のコイル状試料採取片28は、前記樹脂層に無機顔料としてバナジウムジルコニウム青が混合されることにより、青色に着色されている。
本実施例では、本実施例で調製したコイル状試料採取片28を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、ガスクロマトグラフィーを行った。結果を図5Bに示す。
図5Bから、本実施例で調製したコイル状試料採取片28を装着したサンプリングユニット2を用いることにより、コイル状試料採取片28に吸着された試料から、実施例1と同一のa〜hの化合物に加え、i:メチルパルミテートに代えて、j:2−ヘプタデカノン及び、k:ヘプタデカナールが分離されていることがわかる。
〔実施例3〕
本実施例では、内径1mm、長さ10mmのステンレス製コイルの表面にケイ素被膜層を形成し、該ケイ素被膜層上に、中程度の極性を有する樹脂としてのプロピレングリコールとジメチルポリシロキサンとの混合物からなる厚さ2μmの樹脂被膜層を形成することにより、コイル状試料採取片28を調製した。本実施例のコイル状試料採取片28は、前記樹脂層に無機顔料としてクロムチタン黄が混合されることにより、黄色に着色されている。
本実施例では、本実施例で調製したコイル状試料採取片28を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、ガスクロマトグラフィーを行った。結果を図5Cに示す。
図5Cから、本実施例で調製したコイル状試料採取片28を装着したサンプリングユニット2を用いることにより、コイル状試料採取片28に吸着された試料から、実施例1と同一のb〜dの化合物が分離されていることがわかる。
〔実施例4〕
本実施例では、内径1mm、長さ10mmのステンレス製コイルの表面にケイ素被膜層を形成し、該ケイ素被膜層上に、大きな極性を有する樹脂としてのプロピレングリコールからなる厚さ2μmの樹脂被膜層を形成することにより、コイル状試料採取片28を調製した。本実施例のコイル状試料採取片28は、前記樹脂層に無機顔料としてカーボンが混合されることにより、黒色に着色されている。
本実施例では、本実施例で調製したコイル状試料採取片28を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、ガスクロマトグラフィーを行った。結果を図5Dに示す。
図5Dから、本実施例で調製したコイル状試料採取片28を装着したサンプリングユニット2を用いることにより、コイル状試料採取片28に吸着された試料から、実施例1と同一のb〜dの化合物が分離されていることがわかる。
実施例1〜4から、本発明のサンプリングユニットによれば、前記樹脂被膜層として、分析対象に応じて異なる極性を備える樹脂を使い分けることにより試料中の各種成分を選択的に分析することができることが明らかである。
尚、本実施形態では、前記試料採取片がコイル状試料採取片28である場合について説明しているが、該試料採取片は試料採取ロッド26の先端に着脱自在に装着される構成を備えていればよく、コイル状試料採取片28に限定されることはない。
1…気相成分分析装置、 2…サンプリングユニット、 11…加熱部、 20…シリンダ、 21…プランジャ、 23…ニードル、 24…シリンジ、26…試料採取ロッド、 28…試料採取片。

Claims (5)

  1. 気相成分分析装置の加熱部に導入される試料を採取し、該加熱部内で加熱されることにより該試料を気化させるサンプリングユニットであって、
    試料採取ロッドと、試料採取片とを備え、
    該試料採取片は、表面を被覆して不活性化する下塗り層と、該下塗り層の表面を被覆し該試料を吸着する樹脂被膜層とを備え、
    該樹脂被膜層を形成する樹脂の極性が異なる複数種の該試料採取片を備え、該試料採取片は該試料採取ロッドの先端に着脱自在に装着されることを特徴とするサンプリングユニット。
  2. 請求項1記載のサンプリングユニットにおいて、前記試料採取片は金属製コイルであり、前記試料採取ロッドは鋭利な先端を備え、該金属製コイルは該試料採取ロッドの先端に着脱自在に装着されることを特徴とするサンプリングユニット。
  3. 請求項1又は請求項2記載のサンプリングユニットにおいて、前記試料採取片は、該樹脂被膜層を形成する樹脂の極性毎に、該加熱部で加熱されたときに分子構造を維持可能な無機顔料により識別可能に着色されていることを特徴とするサンプリングユニット。
  4. 請求項3記載のサンプリングユニットにおいて、前記無機顔料は、セラミック顔料、複合酸化物顔料、ベンガラ、塩基性クロム酸鉛、チタン白、亜鉛華、カーボンからなる群から選択される1種以上の顔料であることを特徴とするサンプリングユニット。
  5. 請求項4記載のサンプリングユニットにおいて、前記セラミック顔料は、Co−Cr−Fe系顔料、Co−Mn−Fe系顔料、アンチモンスズグレー、ジルコングレー、Zn−Cr−Fe系顔料、Zn−Al−Cr−Fe系顔料、ナポリ黄、プラセオジム黄、バナジウムスズ黄、バナジウムジルコニウム黄、Zr−Ti−V−In系顔料、クロムチタン黄、Zr−Si−Cd−S系顔料、Zr−Y−V系顔料、ピーコック、ビクトリアグリーン、クロムグリーン、Cr系顔料、Co−Cr系顔料、紺青、海碧、Co−Zn−Si系顔料、Co−Si系顔料、バナジウムジルコニウム青、クロムスズライラック、ライラック、クロムスズピンク、陶試紅、サーモンピンク、クロムアルミナピンク、ファイアーレッドからなる群から選択される1種以上の顔料であることを特徴とするサンプリングユニット。
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