JP2003254870A - 二輪自動車における前後輪連動ブレーキシステムの検査装置及び検査方法 - Google Patents

二輪自動車における前後輪連動ブレーキシステムの検査装置及び検査方法

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JP2003254870A JP2002057330A JP2002057330A JP2003254870A JP 2003254870 A JP2003254870 A JP 2003254870A JP 2002057330 A JP2002057330 A JP 2002057330A JP 2002057330 A JP2002057330 A JP 2002057330A JP 2003254870 A JP2003254870 A JP 2003254870A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業者の熟練度に依存することなく高精度な検
査結果を得ることができ、前後輪連動ブレーキシステム
の検査時間を短縮して、検査効率を向上させることがで
きる前後輪連動ブレーキシステムの検査装置及び検査方
法を提供する。 【解決手段】二輪自動車の前後の車輪を夫々に対応する
支持ローラに支持させ、両輪にアンチロックブレーキシ
ステム及び連動ブレーキシステムを作用させる。アンチ
ロックブレーキシステムが作用する車輪を支持するロー
ラの回転速度に関する値を測定手段20,31により測
定する。測定手段20,31により得られた値に基づい
てアンチロックブレーキシステムの初回のOFFに伴い
発生する両輪の回転速度の増減に伴う夫々のピーク値の
差を演算手段44により求める。演算手段44によって
得られたピーク値の差が所定範囲内にあるか否かを判定
手段45により判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンチロックブレ
ーキシステムを備える二輪自動車に設けられた前後輪連
動ブレーキシステムを検査する検査装置及び検査方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アンチロックブレーキシステム
(以下ABSと言う)を備える二輪自動車の前後輪連動
ブレーキシステム(以下CBSと言う)の作動を検査す
る装置として、特開2001−281108号公報に示
されるものが知られている。
【0003】この検査装置は、前輪を着座させて支持す
る一対の前輪支持ローラと、後輪を着座させて支持する
一対の後輪支持ローラとを備え、一方の前輪支持ローラ
と一方の後輪支持ローラとは、互いに同期して回転する
ように連結されている。また、他方の前輪支持ローラ及
び他方の後輪支持ローラには、夫々のローラの回転速度
を測定する測定手段が設けられている。更に、一方の後
輪支持ローラはクラッチを介して駆動モータに連結され
ている。
【0004】このように構成された検査装置において、
二輪自動車のCBSの検査を行なうときには、先ず、テ
スト車両の前輪及び後輪を夫々一対の前輪支持ローラと
後輪支持ローラとに載置し、前記駆動モータにより後輪
支持ローラを回転させる。これにより、後輪を介して両
後輪支持ローラが同期回転し、さらにこの回転が一方の
前輪支持ローラを介して前輪及び他方の前輪支持ローラ
に伝達されるので、全ローラーが同期回転する。
【0005】続いて、前記測定手段から得られるローラ
の回転速度が所定の速度となったとき、一方の後輪支持
ローラと駆動モータとの間の前記クラッチがOFF状態
になり、作業者が後輪のブレーキを全入力する。なお、
テスト車両は後輪ブレーキを作動させることにより前輪
ブレーキが連動する。そして、前記クラッチにより駆動
モータの駆動力から切り離された各ローラは慣性で回転
を続行する一方、後輪のブレーキ入力による後輪と前輪
との減速で徐々に各ローラの回転速度が低下する。その
後、後輪と前輪とブレーキの作動によって各ローラが停
止するので、後輪と前輪との停止時間及び停止距離が求
められる。そして後輪と前輪とのブレーキ性能差と予め
実走測定で定められた値とを比較することで、CBSの
性能の良否が判定される。なお、CBSの作動は、前輪
のABSが作動したときのキックバックを作業者が体感
することによって確認される。
【0006】しかし、前記従来の検査装置では、停止時
間及び停止距離を判定に用いることから、ブレーキ入力
した後に各ローラの回転が停止しければ判定結果が得ら
れず、検査時間が比較的長くかかる不都合がある。ま
た、CBSの作動確認が作業者の体感によって行なわれ
るので、作業者に熟練が要求され、高い検査精度が望め
ない不都合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解消し
て、本発明は、作業者の熟練度に依存することなく高精
度な検査結果を得ることができ、しかも、前後輪連動ブ
レーキシステムの検査に掛かる時間を短縮して、検査効
率を向上させることができる二輪自動車における前後輪
連動ブレーキシステムの検査装置及び検査方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、アンチロックブレーキシステムを備え
る二輪自動車に設けられた前後輪連動ブレーキシステム
を検査するものであり、その装置は、二輪自動車の前輪
を支持すべく互いに軸線が平行に配置された回転自在の
一対の前輪支持ローラと、二輪自動車の後輪を支持すべ
く互いに軸線が平行に配置された回転自在の一対の後輪
支持ローラと、一方の前輪支持ローラと一方の後輪支持
ローラとの夫々に連結されて各ローラを介して前輪の回
転速度と後輪の回転速度とを各別に測定する測定手段
と、前輪と後輪とを回転させ、前輪と後輪とが連動して
その夫々にアンチロックブレーキシステムが作動したと
きに各測定手段により得られた値に基づいて、前輪のア
ンチロックブレーキシステムによる初回のブレーキOF
F時に発生する前輪の速度変化に伴うピーク値と、後輪
のアンチロックブレーキシステムによる初回のブレーキ
OFF時に発生する後輪の速度変化に伴うピーク値との
差を求める演算手段と、該演算手段によって得られた両
ピーク値の差が所定範囲内にあるか否かを判定する判定
手段とを備えることを特徴とする。
【0009】また、本発明の方法は、一対の前輪支持ロ
ーラに支持された二輪自動車の前輪を回転させると共
に、一対の後輪支持ローラに支持された二輪自動車の後
輪を回転させて、一方の車輪のブレーキを全入力するこ
とによりアンチロックブレーキシステム及び前後輪連動
ブレーキシステムを作動させるブレーキ入力工程と、該
ブレーキ入力工程における前輪の回転速度と後輪の回転
速度とを夫々の支持ローラを介して測定する測定工程
と、該測定工程により得られた値に基づいて、前輪のア
ンチロックブレーキシステムが作動した初回のブレーキ
OFF時に発生する前輪の速度変化に伴うピーク値と、
後輪のアンチロックブレーキシステムが作動した初回の
ブレーキOFF時に発生する後輪の速度変化に伴うピー
ク値との差を求める演算工程と、該演算工程によって得
られた両ピーク値の差が、所定範囲内にあるときを良と
判定し、所定範囲外であるとき不良と判定する良否判定
工程とを備えることを特徴とする。
【0010】本発明によって二輪自動車の前後輪連動ブ
レーキシステム(CBS)を検査するときには、先ず、
前輪と後輪とを、夫々に対応する一対の前輪支持ローラ
と一対の後輪支持ローラに着座支持させて回転させる。
次いで、二輪自動車の検査対象となるABS及びCBS
が作動する車輪(前輪又は後輪)のブレーキを全入力し
てABS及びCBSを作動させる(ブレーキ入力工
程)。具体的には、例えば、前輪ブレーキの入力に応じ
て後輪ブレーキが連動する場合、作業者が前記支持ロー
ラ上で二輪自動車のエンジンを駆動し、所定の検査開始
速度になったときに二輪自動車のギヤをニュートラルに
して前輪のブレーキを全入力する。これによって、前輪
が急ブレーキ状態となるので、前輪と前輪支持ローラと
の間にスリップ現象が発生し前輪ABSが作動を開始す
る。一方、前輪ブレーキが全入力されることにより、C
BSが作動して後輪ブレーキが自動的に入力される。そ
して、前輪と同様に後輪ABSが作動を開始する。
【0011】前輪ABSと後輪ABSとが共に作動する
ことによって、前輪と後輪との夫々においてブレーキの
ON・OFFが繰り返されるので、それに応じて両車輪
の回転速度が増減し、両車輪の回転挙動が伝達された前
輪支持ローラの回転速度と後輪支持ローラの回転速度と
が各測定手段により測定される(測定工程)。そして、
各測定手段から得られた夫々の測定値に基づき、前記演
算手段によって、前輪の回転速度の増減に伴うピーク値
と、後輪の回転速度の増減に伴うピーク値とが求められ
る。続いて、演算手段は両ピーク値の差を求める(演算
工程)。そして、前記判定手段によって演算手段から得
られた両ピーク値の差が所定範囲内にあるか否かを判定
する(判定工程)。両ピーク値の差は、前輪ブレーキに
対する後輪ブレーキの利き具合を示すものであり、両ピ
ーク値の差が所定範囲を外れているときには前輪ブレー
キに対して後輪ブレーキが過剰に作動しているか、或い
は前輪ブレーキに対して後輪ブレーキの作動が不十分で
あることが考えられる。従って、前記演算手段によって
算出された両ピーク値の差を、前記判定手段による判定
に用いることで、ブレーキ入力から車輪が停止するまで
の経過時間を採取することなく、CBSの良否を判定す
ることができる。
【0012】更に、前記演算工程においては、ABSが
作動した前輪の初回のブレーキOFF時のピーク値と、
ABSが作動した後輪の初回のブレーキOFF時のピー
ク値との差を良否判定に使用する。これは、ABSが作
動を開始した初期においては、最も車速変化が大きく、
車輪の回転速度に対応する加速と減速との変動が比較的
大きいために、前輪と後輪とのABSの作動状況が明確
に現れるからである。これによって、判定精度を十分に
維持して効率良くCBSの検査を行なうことができ、早
期に検査を終了させることができるので、検査時間を飛
躍的に短縮することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本実施形態の装置構成を示す説明
的平面図、図2は図1に示す装置の要部を示す説明的側
面図、図3は本実施形態の検査手段を模式的に示すブロ
ック図、図4及び図5は判定手段において用いられるピ
ーク値を示す線図である。
【0014】参照して本実施形態の二輪自動車の検査装
置1の構成を説明すれば、図1及び図2において、2は
ベース、3は該ベース2上に設けられて二輪自動車(図
示せず)の後輪R側に設けられた後輪用機台、4はその
前輪F側に設けられた前輪用機台である。
【0015】図1に示すように、後輪用機台3は、二輪
自動車の後輪Rを着座支持する一対の後輪支持ローラ
5、6を備えている。後輪Rの前側に位置する第1の後
輪支持ローラ5は、その回転軸7が一対の軸受け8を介
して回転自在に支持されている。後輪Rの後側に位置す
る第2の後輪支持ローラ6は、その回転軸9が第1の後
輪支持ローラ5の回転軸7と平行に、一対の軸受け10
を介して回転自在に支持されている。第1の後輪支持ロ
ーラ5は、第2の後輪支持ローラ6よりも大径に形成さ
れており、これによって、第1の後輪支持ローラ5の回
転慣性力が第2の後輪支持ローラ6よりも大きく設定さ
れている。
【0016】第1の後輪支持ローラ5と第2の後輪支持
ローラ6とは所定間隔を存して並設され、更に、図2に
示すように、第2の後輪支持ローラ6は、後輪Rに接す
る位置が第1の後輪支持ローラ5と同一の高さとなるよ
うに前記軸受け10により支持されている。
【0017】図1に示すように、第1の後輪支持ローラ
5の回転軸7の一方端には電磁ブレーキ11が連結され
ており、該電磁ブレーキ11の作動により第1の後輪支
持ローラ5に掛かる負荷の調整が可能となっている。
【0018】第2の後輪支持ローラ6の回転軸9の一端
部にはクラッチ12を介してプーリ13が設けられてい
る。該プーリ13はベルト14を連動部材としてベース
2上に設けられたスタータ作動用モータ15のプーリ1
6に従動する。クラッチ12がONとされたときには、
プーリ13が回転軸9に連結され、スタータ作動用モー
タ15による第2の後輪支持ローラ6の駆動が可能とな
る。
【0019】また、第2の後輪支持ローラ6の回転軸9
の他端部には、クラッチ17を介してモータ18が連結
されている。クラッチ17がONとされたときには、回
転軸9とモータ18の駆動軸19とが接続され、モータ
18による第2の後輪支持ローラ6の駆動が可能とな
る。
【0020】更に、第2の後輪支持ローラ6の回転軸9
の一端部には、回転軸9の回転速度を測定する第1ロー
タリーエンコーダ20(本発明における測定手段)が設
けられ、回転軸9の他端部には、クラッチ17とモータ
18との間に位置して回転軸9の回転トルクを測定する
第1トルクメータ21が設けられている。後述するが、
第1トルクメータ21は制動力の検査時に使用され、第
1ロータリーエンコーダ20は、アンチロックブレーキ
システム(ABS)及び前後輪連動ブレーキシステム
(CBS)の検査時に使用される。
【0021】前輪用機台4は、二輪自動車の前輪Fを着
座支持する一対の前輪支持ローラ22、23を備えてい
る。前輪Fの前側に位置する第1の前輪支持ローラ22
は、その回転軸24が一対の軸受け25を介して回転自
在に支持されている。前輪Fの後側に位置する第2の前
輪支持ローラ23は、その回転軸26が第1の前輪支持
ローラ22の回転軸24と平行に、一対の軸受け27を
介して回転自在に支持されている。第1の前輪支持ロー
ラ22は、第2の前輪支持ローラ23よりも大径に形成
されており、これによって、第1の前輪支持ローラ22
の回転慣性力が第2の前輪支持ローラ23よりも大きく
設定されている。
【0022】第1の前輪支持ローラ22と第2の前輪支
持ローラ23とは所定間隔を存して並設され、更に、図
2に示すように、第2の前輪支持ローラ23は、前輪F
に接する位置が第1の前輪支持ローラ22と同一の高さ
となるように前記軸受け27により支持されている。な
お、第1の後輪支持ローラ5と第1の前輪支持ローラ2
2とは同一形状とされ、第2の後輪支持ローラ6と第2
の前輪支持ローラ23とは同一形状とされている。
【0023】第2の前輪支持ローラ23の回転軸26の
一端部には、クラッチ28を介してモータ29が連結さ
れている。クラッチ28がONとされたときには、回転
軸26とモータ29の駆動軸30とが接続され、モータ
29による第2の前輪支持ローラ23の駆動が可能とな
る。
【0024】第2の前輪支持ローラ23の回転軸26の
他端部には、回転軸26の回転速度を測定する第2ロー
タリーエンコーダ31(本発明における測定手段)が設
けられ、回転軸26の一端部側には、前記クラッチ28
とモータ29との間に位置して回転軸26の回転トルク
を測定する第2トルクメータ32が設けられている。後
述するが、第2トルクメータ32は制動力の検査時に使
用され、第2ロータリーエンコーダ31はアンチロック
ブレーキシステム(ABS)及び前後輪連動ブレーキシ
ステム(CBS)の検査時に使用される。
【0025】更に、第1の前輪支持ローラ22の回転軸
24の一端部には、回転軸24の回転速度を測定する第
3ロータリーエンコーダ33が設けられている。後述す
るが、第3ロータリーエンコーダ33は、二輪自動車に
搭載された速度計の検査時に使用される。
【0026】前輪用機台4は、車輪間距離の異なる二輪
自動車にも対応可能とするために、後輪用機台3に向か
って進退自在とされている。即ち、前輪用機台4は、図
2に示すように、ベース2に設けられたスライドレール
34に沿って案内されるガイド部材35と、モータ36
によって回転されるボール螺子37に螺合する螺合部材
38とを備えている。これにより、前輪用機台4は、モ
ータ36によるボール螺子37を回転させることで、ス
ライドレール34に沿って後輪用機台3に向かって進退
される。
【0027】また、第1の前輪支持ローラ22と第1の
後輪支持ローラ5とは、連結手段39を介して同期して
回転されるようになっている。連結手段39は、第1の
後輪支持ローラ5の回転軸7に連結された第1ギヤボッ
クス40と、第1の前輪支持ローラ22の回転軸24に
連結された第2ギヤボックス41とを備え、第1ギヤボ
ックス40と第2ギヤボックス41とを互いに連結する
連結シャフト42によって回転軸7と回転軸24とが同
期回転するようになっている。なお、第1ギヤボックス
40及び第2ギヤボックス41は、傘歯車を組み合わせ
てなる周知のものであり、また、連結シャフト42は、
前述した前輪用機台4の進退動に第2ギヤボックス41
を追従させるために第2ギヤボックス41側においてス
プライン嵌合するスプラインシャフトが採用されてい
る。
【0028】図3に示すように、前記第1ロータリーエ
ンコーダ20、第2ロータリーエンコーダ31、第3ロ
ータリーエンコーダ33、第1トルクメータ21、及び
第2トルクメータ32は、検査手段43に接続されてお
り、各測定値が検査手段43に入力されるようになって
いる。検査手段43は、各測定値から各検査に応じた演
算を行なう演算手段44と、各検査の良否を判定する判
定手段45とを備えている。更に、検査手段43には、
判定手段45による判定結果や測定情報を表示する表示
手段46と、作業者が二輪自動車に搭乗した状態で操作
するための作業者用操作手段47が接続されている。な
お、演算手段44によって行なわれる演算処理及び判定
手段45によって行なわれる判定処理については後述す
る。
【0029】次に、本実施形態の検査装置1による二輪
自動車の検査について説明する。検査装置1によって検
査を行なう二輪自動車は多種に及ぶが、先ず、図示しな
いが、前輪ブレーキと後輪ブレーキとの夫々にABSが
作動し、前輪ブレーキと後輪ブレーキとを連動させるC
BSが作動する二輪自動車の検査について説明する。こ
の種の二輪自動車は、運転者がハンドルに設けられた右
ブレーキレバーのみを操作したとき、前輪ブレーキが作
動し、それに連動して後輪ブレーキが作動する。また、
運転者がブレーキペダルのみを操作したときにも、前輪
ブレーキが作動し、それに連動して後輪ブレーキが作動
する。更に、前輪ブレーキと後輪ブレーキとは共にAB
Sが作動する。
【0030】この種の二輪自動車に対する検査は、前輪
制動力検査、後輪制動力検査、速度計検査、前輪ABS
・CBS検査、及び、後輪ABS・CBS検査の順序で
行なわれる。
【0031】前輪制動力検査は次のように行なわれる。
検査開始時には、作業者が二輪自動車に乗った状態で二
輪自動車の後輪Rを第1の後輪支持ローラ5及び第2の
後輪支持ローラ6に着座させると共に、前輪Fを第1の
前輪支持ローラ22及び第2の前輪支持ローラ23に着
座させる。このとき、二輪自動車はエンジンが停止さ
れ、ギヤがニュートラルの状態とされている。一方、検
査装置1は、前記クラッチ12がOFFの状態で、プー
リ13と回転軸9とが切り離され、モータ15、プーリ
16、ベルト14により発生する負荷を回転軸9及び第
2の後輪支持ローラ6にかけない状態になっている。ま
た、クラッチ17はONとされ、回転軸9とモータ18
とが接続される。これにより、モータ18により回転軸
9を介して第2の後輪支持ローラ6を駆動可能な状態に
なっている。
【0032】そして、作業者が二輪自動車に乗った状態
で右ブレーキレバーのみを操作して前輪ブレーキを全入
力し、この状態を維持して作業者用操作手段47(図3
示)の図示しないフロントブレーキ制動力検査開始ボタ
ンを押す。これにより、モータ18、29が作動し、所
定の時間第2の後輪支持ローラ6と第2の前輪支持ロー
ラ23との回転を駆動する。このとき、作業者によって
二輪自動車の右ブレーキレバーから前輪ブレーキが全入
力されていることによって、前輪Fと、CBSの作動に
よる後輪Rとの回転が阻止され、第2の前輪支持ローラ
23及び第2の後輪支持ローラ6と前輪F及び後輪Rと
の間に摩擦が発生する。これにより、モータ18、29
と第2の後輪支持ローラ6の回転軸9と第2の前輪支持
ローラ(26)の回転軸26とにひずみが発生し、トル
クメータ28、21により、前輪ブレーキが全入力され
た際の第2の前輪支持ローラ23と第2の後輪支持ロー
ラ6とに掛かるトルクが計測され、図3に示す前記検査
手段43に入力される。検査手段43においては前記判
定手段45によってトルクメータ28、21により測定
されたトルク値と所定のトルク値(予め設定された判定
値)とが比較され、測定したトルクの最大値が所定のト
ルク値を越えていれば前記表示手段46に「OK」を表
示させ、測定したトルクの最大値が所定のトルク値以下
であれば十分な制動力が得られていないとして表示手段
46に「NG」を表示させる。そして、制動力が「N
G」である場合には、二輪自動車を検査装置1から降ろ
してブレーキの調整が行なわれ、制動力が「OK」であ
る場合には、続いて後輪制動力検査が行なわれる。
【0033】後輪制動力検査は、モータ18、29を停
止させて第2の後輪支持ローラ6と第2の前輪支持ロー
ラ(26)の回転を停止させた後に行なわれる。そし
て、検査作業は、作業者が右ブレーキレバーを開放した
状態でブレーキペダルを踏むことにより後輪ブレーキを
全入力とする以外は上述した前輪制動力検査と同様であ
るので説明を省略する。
【0034】後輪制動力検査が終了した後、続いて速度
計検査が行なわれる。速度計検査においては二輪自動車
の搭載された速度計の良否が検査される。図1を参照す
れば、検査装置1は次に示す状態とされる。即ち、前記
クラッチ12がOFFの状態で、プーリ13と回転軸9
とが切り離され、モータ15、プーリ16、ベルト14
により発生する負荷が回転軸9及び第2の後輪支持ロー
ラ6に掛からない状態になっている。前記クラッチ17
はOFFとされて、回転軸9とモータ18及びトルクメ
ータ21とが切り離され、モータ18及びトルクメータ
21により発生する負荷が回転軸9及び第2の後輪支持
ローラ6に掛からない状態とされる。同じく、前記クラ
ッチ28はOFFとされ、モータ29及びトルクメータ
32により発生する負荷が回転軸26及び第2の前輪支
持ローラ23に掛からない状態とされる。
【0035】そして、作業者は二輪自動車のエンジンを
始動させ、次いで、二輪自動車に備えられた速度計を観
察しながらアクセル調整する。そして、二輪自動車の速
度計が所定の速度(例えば40km/h)を示したとき、前
記作業者用操作手段47(図3示)に備えられた図示し
ない速度計検査ボタンを押す。一方、図3に示すよう
に、前記検査手段43においては、第3ロータリーエン
コーダ33から得られる第1の後輪支持ローラ22の回
転速度が、演算手段44によって車速に換算される。そ
して、判定手段45は、速度計検査ボタンが押された時
点の二輪自動車の速度計に表示される値と演算手段44
によって算出された車速との差が、予め設定された許容
範囲内にあれば前記表示手段46に「OK」を表示さ
せ、許容範囲内になければ二輪自動車の速度計が精度不
十分として表示手段46に「NG」を表示させる。
【0036】続いて、前輪ABS・CBS検査が行なわ
れる。前輪ABS・CBS検査においては、速度計検査
に継続して二輪自動車のエンジンによる駆動を維持さ
せ、作業者がアクセルを調整して所定の検査開始速度
(例えば60km/h)に合わせる。このとき、作業者は、
二輪自動車に備えられた速度計の表示ではなく、前記検
査手段43を介して表示手段46に表示される車速を確
認してアクセル調整を行なう。二輪自動車のエンジンに
よる駆動を維持することで、各支持ローラ5、22、
6、23の回転が維持されるので、所定の検査開始速度
までの速度上昇時間を飛躍的に短縮させることができ
る。
【0037】そして、車速が所定の検査開始速度になっ
たとき、作業者は二輪自動車のアクセルを戻してギヤを
ニュートラルの状態にすると同時に、右ブレーキレバー
を操作して前輪ブレーキを全入力する(本発明における
ブレーキ入力工程)。これにより二輪自動車は前輪Fに
急ブレーキが掛けられた状態となる。検査装置1におい
ては、図2に示すように、第1の後輪支持ローラ5及び
第1の前輪支持ローラ22の回転慣性力が第2の後輪支
持ローラ6及び第2の前輪支持ローラ23の回転慣性力
より大きくしてあるので、前輪ブレーキが全入力された
ことにより、前輪Fと第1の前輪支持ローラ22との間
にスリップ現象が発生し前輪ABSが作動を開始する。
一方、第2の前輪支持ローラ23は前輪Fの回転挙動に
追従する。なお、第1の後輪支持ローラ5は、前記連結
手段39によって第1の前輪支持ローラ22と同期して
回転されており、後輪Rに対しても路面の状況が再現さ
れる。また、二輪自動車の前輪ブレーキが入力されたこ
とによってCBSが作動し後輪ブレーキが作動する。更
に、二輪自動車の後輪Rは前輪Fに追従してABSが作
動する。このときにも、前輪Fの場合と同様に、第2の
後輪支持ローラ6は後輪Rの回転挙動に追従する。
【0038】検査手段43においては、常時第2の前輪
支持ローラ23と第2の後輪支持ローラ6との回転速度
を第2ロータリーエンコーダ31と第1ロータリーエン
コーダ20とによって測定し(本発明おける測定工
程)、測定した値から演算手段44によって前輪F側と
後輪R側との夫々の減速度(加速度)を算出する処理を
演算手段44により行なっている(本発明における演算
工程)。このとき得られた減速度(加速度)に対応する
波形を図4に示す。図4において、実線により示す波形
は前輪F側、即ち第2の前輪支持ローラ23の回転数に
基づいて算出された減速度(加速度)の波形であり、一
点鎖線により示す波形は後輪R側、即ち第2の後輪支持
ローラ6の回転数に基づいて算出された減速度(加速
度)の波形である。
【0039】図4に示すように、第2の前輪支持ローラ
23の回転数に基づいて算出された減速度(加速度)の
波形においては、前輪ブレーキが全入力されたと同時に
上昇(減速)し、第1ピーク値aを介して下降(加速)
する。第1ピーク値aはABSが作動して前輪ブレーキ
が初回OFFの状態となった時点の第2の前輪支持ロー
ラ23の回転速度の変化に対応し、それに続く下降は、
第1の前輪支持ローラ22の回転慣性が前輪Fを介して
第2の前輪支持ローラ23に伝達されたものである。
【0040】そして、再びブレーキがONの状態となる
と第2ピーク値bが現れ、第2の前輪支持ローラ23が
減速する。次いで、再びブレーキがOFFの状態となる
と第3ピーク値cが現れ、第2の前輪支持ローラ23が
加速する。その後、ABSの作動により、前輪ブレーキ
はON・OFFが数回繰り返される。
【0041】第2の後輪支持ローラ6の回転数に基づい
て算出された減速度(加速度)の波形においては、CB
Sが作動して後輪ブレーキが前輪ブレーキに連動し、後
輪R側のABSが作動することによって第2の後輪支持
ローラ6の回転速度の変化に応じたものとなる。そし
て、ABSが作動して後輪ブレーキが初回OFFの状態
となった時点の第1ピーク値dが現れる。
【0042】検査手段43の判定手段45においては、
前輪F側の減速度(加速度)の波形から第1ピーク値
a、第2ピーク値b、及び第3ピーク値cを採取して前
輪ABSの作動の良否が判定され、前輪F側の減速度
(加速度)の波形における第1ピーク値aと後輪R側の
減速度(加速度)の波形における第1ピーク値dとを採
取してCBSの作動の良否が判定される。
【0043】即ち、前輪F側の減速度(加速度)の波形
における第1ピーク値aについては、予め設定された第
1合格エリアA(図4中二点鎖線により囲まれた領域)
が設けられる。該第1合格エリアAは第2ロータリーエ
ンコーダ31(図1参照)の測定値に基づいて演算手段
44により算出された減速度が0.5Gに達した時(ブ
レーキの作動に基づく減速であるとみなされた時)が時
間的基点とされ、所定時間内の許容減速度の上限と下限
とによって定められている。前輪F側の減速度(加速
度)の波形における第2ピーク値bについては、予め設
定された第2合格エリアBが設けられる。該第2合格エ
リアBは第1ピーク値aが現れた時が時間的基点とさ
れ、所定時間内の許容減速度の上限と下限とによって定
められている。同じように、前輪F側の減速度(加速
度)の波形における第3ピーク値cについては、予め設
定された第3合格エリアCから設けられる。該第3合格
エリアCは第2ピーク値bが現れた時が時間的基点とさ
れ、所定時間内の許容減速度の上限と下限とによって定
められている。
【0044】判定手段45は、第1ピーク値a、第2ピ
ーク値b、及び第3ピーク値cを夫々第1合格エリア
A、第2合格エリアB、及び第3合格エリアC内にある
か否かで前輪ABSの作動の良否判定を行なう。即ち、
全てのピーク値a、b、cが、夫々の合格エリアA、
B、C内にあるとき、前記表示手段46を介して「AB
SOK」の表示を行ない、何れか一つでも合格エリアか
ら外れている場合には前記表示手段46を介して「AB
S NG」の表示を行なう。
【0045】同時に、演算手段44においては、前輪F
側の減速度(加速度)の波形における第1ピーク値aと
後輪R側の減速度(加速度)の波形における第1ピーク
値dとの差(本実施形態においては前輪側第1ピーク値
aに対する後輪側第1ピーク値dの割合)を算出し(本
発明における演算工程)、判定手段45においてはここ
で算出された値が所定範囲I(前輪側第1ピーク値aの
65%〜15%)内にあるか否かでCBSの作動の良否
判定を行なう(本発明における判定工程)。ここで指定
された所定範囲Iは、前輪Fに対して後輪Rが連動され
るタイミング及び強さから最も適したブレーキの連動配
分となるように考慮して定められたものである。そし
て、後輪側第1ピーク値dが、所定範囲I内にあれば前
記表示手段46を介して「CBS OK」の表示を行な
い、所定範囲Iから外れている場合には前記表示手段4
6を介して「CBS NG」の表示を行なう。
【0046】このように、本実施形態においては、前輪
F側の減速度(加速度)の波形のうち、第1ピーク値
a、第2ピーク値b、及び第3ピーク値cを採取して前
輪ABSの作動の良否を判定し、前輪F側の減速度(加
速度)の波形のうち第1ピーク値aと後輪R側の減速度
(加速度)の波形のうち第1ピーク値dとを採取してC
BSの作動の良否を判定するので、前輪ABS・CBS
検査が開始されて比較的初期の段階で検査を終了させる
ことができ、検査時間を飛躍的に短縮させることができ
る。
【0047】また、前輪F側の減速度(加速度)の波形
においては、第3ピーク値cの後にもピーク値が現れる
が、周知のABS特性により、通常第3ピーク値cの後
に現れるピーク値は比較的加速と減速との変動が小さ
い。それに対して、ABS作動初期の第1ピーク値a、
第2ピーク値b、及び第3ピーク値cの現れる時期は、
最も車速変化が大きいので、ABSの作動不良が明確に
現れる。これによって、本実施形態においては、前輪F
側の減速度(加速度)の変化が比較的大きく見られる第
1ピーク値a、第2ピーク値b、及び第3ピーク値cに
基づいて良否を判定することで、高い判定精度を維持し
つつ判定時間の短縮を実現したものである。なお、本発
明においては、第1ピーク値a、第2ピーク値b、及び
第3ピーク値cに加えて、それ以降に現れるピーク値を
ABSの良否判定に用いることを妨げるものではない。
【0048】続いて、後輪ABS・CBS検査が行なわ
れる。後輪ABS・CBS検査においては、前輪ABS
・CBS検査に継続して二輪自動車のエンジンによる駆
動を維持させ、作業者がアクセルを調整して所定の検査
開始速度(例えば60km/h)に合わせる。このとき、二
輪自動車のエンジンによる駆動を維持することで、各支
持ローラ5、22、6、23の回転が維持され、所定の
検査開始速度までの速度上昇時間を飛躍的に短縮させる
ことができる。
【0049】そして、車速が所定の検査開始速度になっ
たとき、作業者は二輪自動車のアクセルを戻してギヤを
ニュートラルの状態にすると同時に、ブレーキペダルを
踏んで後輪ブレーキを全入力する(本発明におけるブレ
ーキ入力工程)。これにより二輪自動車は後輪Rに急ブ
レーキが掛けられた状態となる。検査装置1において
は、図2に示すように、第1の後輪支持ローラ5及び第
1の前輪支持ローラ22の回転慣性力が第2の後輪支持
ローラ6及び第2の前輪支持ローラ23の回転慣性力よ
り大きくしてあるので、後輪ブレーキが全入力されたこ
とにより、後輪Rと第1の後輪支持ローラ5との間にス
リップ現象が発生し後輪ABSが作動を開始する。一
方、第2の後輪支持ローラ6は後輪Rの回転挙動に追従
する。なお、第1の前輪支持ローラ22は、前記連結手
段39によって第1の後輪支持ローラ5と同期して回転
されており、前輪Fに対しても路面の状況が再現され
る。また、二輪自動車の後輪ブレーキが入力されたこと
によってCBSが作動し前輪ブレーキが作動する。更
に、二輪自動車の前輪Fは後輪Rに追従してABSが作
動する。このときにも、第2の前輪支持ローラ23は前
輪Fの回転挙動に追従する。
【0050】検査手段43においては、前輪ABS・C
BS検査と同様に、常時第2の後輪支持ローラ6と第2
の前輪支持ローラ23との回転速度を第1ロータリーエ
ンコーダ20と第2ロータリーエンコーダ31とによっ
て測定し(本発明における測定工程)、測定した値から
演算手段44によって後輪R側と前輪F側との夫々の減
速度(加速度)を算出する処理を行なっている(本発明
における演算工程)。このとき得られた減速度(加速
度)に対応する波形を図5に示す。図5において、一点
鎖線により示す波形は後輪R側、即ち第2の後輪支持ロ
ーラ6の回転数に基づいて算出された減速度(加速度)
の波形であり、実線により示す波形は前輪F側、即ち第
2の前輪支持ローラ23の回転数に基づいて算出された
減速度(加速度)の波形である。
【0051】図5に示すように、第2の後輪支持ローラ
6の回転数に基づいて算出された減速度(加速度)の波
形においては、後輪ブレーキが全入力されたと同時に上
昇(減速)し、第1ピーク値eを介して下降(加速)す
る。第1ピーク値eはABSが作動して後輪ブレーキが
初回OFFの状態となった時点の第2の後輪支持ローラ
6の回転速度の変化に対応し、それに続く下降は、第1
の後輪支持ローラ5の回転慣性が後輪Rを介して第2の
後輪支持ローラ6に伝達されたものである。
【0052】そして、再びブレーキがONの状態となる
と第2ピーク値kが現れ、第2の後輪支持ローラ6が減
速する。次いで、再びブレーキがOFFの状態となると
第3ピーク値gが現れ、第2の後輪支持ローラ6が加速
する。その後、ABSの作動により、後輪ブレーキはO
N・OFFが数回繰り返される。
【0053】第2の前輪支持ローラ23の回転数に基づ
いて算出された減速度(加速度)の波形は、CBSが作
動して前輪ブレーキが後輪ブレーキに連動し、前輪F側
のABSが作動することによって第2の前輪支持ローラ
23の回転速度の変化に応じたものとなる。そして、A
BSが作動して前輪ブレーキが初回OFFの状態となっ
た時点の第1ピーク値hが現れる。
【0054】そして、検査手段43の判定手段45にお
いては、前述した前輪ABS・CBS検査と同様にして
良否判定が行なわれる。即ち、判定手段45は、第1ピ
ーク値e、第2ピーク値k、及び第3ピーク値gが夫々
第1合格エリアE、第2合格エリアK、及び第3合格エ
リアG内にあるか否かで前輪ABSの作動の良否判定を
行ない、全てのピーク値e、k、gが、夫々の合格エリ
アE、K、G内にあるとき、前記表示手段46を介して
「ABS OK」の表示を行ない、何れか一つでも合格
エリアから外れている場合には前記表示手段46を介し
て「ABS NG」の表示を行なう。
【0055】同時に、演算手段44においては、後輪R
側の減速度(加速度)の波形における第1ピーク値eと
前輪F側の減速度(加速度)の波形における第1ピーク
値hとの差(本実施形態においては後輪側第1ピーク値
eに対する前輪側第1ピーク値hの割合)を算出し(本
発明における演算工程)、判定手段45においてはここ
で算出された値が所定範囲J(後輪側第1ピーク値eの
100%〜35%)内にあるか否かでCBSの作動の良
否判定を行なう(本発明における判定工程)。そして、
前輪側第1ピーク値hが、所定範囲J内にあれば前記表
示手段46を介して「CBS OK」の表示を行ない、
所定範囲Jから外れている場合には前記表示手段46を
介して「CBS NG」の表示を行なう。
【0056】なお、本実施形態においては、前輪ブレー
キと後輪ブレーキとの夫々にABSが作動し、しかも、
前輪ブレーキのみの入力でCBSが作動して後輪ブレー
キが連動し、後輪ブレーキのみの入力でCBSが作動し
て前輪ブレーキが連動する二輪自動車を検査対象とし
た。それ以外に、前輪ブレーキと後輪ブレーキとの夫々
にABSが作動し、前輪ブレーキのみの入力ではCBS
は作動せず、後輪ブレーキのみの入力でCBSが作動し
て前輪ブレーキが連動する二輪自動車を検査対象とする
ことができる。この二輪自動車を検査する場合には、前
述した前輪ABS・CBS検査においてCBSの判定を
省略することで容易に対応することができる。
【0057】また、本実施形態では、前輪ABS・CB
S検査及び後輪ABS・CBS検査において二輪自動車
のエンジンにより後輪Rを回転駆動させたが、それに限
らず、例えば、作業者が二輪自動車のギヤをニュートラ
ルの状態として第2の後輪支持ローラ6をモータ18等
によって回転駆動させてもよい。この場合には、第2の
後輪支持ローラ6の駆動により所定の検査開始速度(例
えば60km/h)になったとき、作業者がブレーキを入力
する直前にクラッチ17をOFFとする。
【0058】また、図1及び図2を参照して、本実施形
態の検査装置1は、モータ36によってボール螺子37
を回転させるだけで前輪用機台9を適切な位置に移動さ
せることができるので、二輪自動車の機種によって前輪
Fと後輪Rとの間隔距離が異なる場合であっても容易に
対応させることができる。
【0059】更に、モータ15は通常使用することはな
いが、二輪自動車の機種によってはセルモータがなく、
キック及び押しがけでしかエンジン始動できない場合に
は、クラッチ12をONとしてモータ15によって、第
2の後輪支持ローラ6及び後輪Rを介してエンジンを始
動させることができるようになっている。
【0060】また、本実施形態の検査装置1において
は、図示しないが、前輪及び後輪の走行状態を安定させ
る補助ローラや、検査する二輪自動車の排ガスを屋外に
排出するダクト等が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の装置構成を示す説明的平
面図。
【図2】図1に示す装置の要部を示す説明的側面図。
【図3】本実施形態の装置構成を模式的に示すブロック
図。
【図4】判定手段において用いられるピーク値を示す線
図。
【図5】判定手段において用いられるピーク値を示す線
図。
【符号の説明】
1…検査装置、F…前輪、R…後輪、5…第1の後輪支
持ローラ(後輪支持ローラ)、6…第2の後輪支持ロー
ラ(後輪支持ローラ)、20…第1ロータリーエンコー
ダ(測定手段)、22…第1の前輪支持ローラ(前輪支
持ローラ)、23…第2の前輪支持ローラ(前輪支持ロ
ーラ)、31…第2ロータリーエンコーダ(測定手
段)、44…演算手段、45…判定手段、a,d,e,
h…ピーク値、I,J…所定範囲。
フロントページの続き (72)発明者 金子 雅彦 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3D046 AA03 BB28 HH36 MM24 MM29 MM32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンチロックブレーキシステムを備える二
    輪自動車に設けられた前後輪連動ブレーキシステムを検
    査する検査装置であって、 二輪自動車の前輪を支持すべく互いに軸線が平行に配置
    された回転自在の一対の前輪支持ローラと、 二輪自動車の後輪を支持すべく互いに軸線が平行に配置
    された回転自在の一対の後輪支持ローラと、 一方の前輪支持ローラと一方の後輪支持ローラとの夫々
    に連結されて各ローラを介して前輪の回転速度と後輪の
    回転速度とを各別に測定する測定手段と、 前輪と後輪とを回転させ、前輪と後輪とが連動してその
    夫々にアンチロックブレーキシステムが作動したときに
    各測定手段により得られた値に基づいて、前輪のアンチ
    ロックブレーキシステムによる初回のブレーキOFF時
    に発生する前輪の速度変化に伴うピーク値と、後輪のア
    ンチロックブレーキシステムによる初回のブレーキOF
    F時に発生する後輪の速度変化に伴うピーク値との差を
    求める演算手段と、 該演算手段によって得られた両ピーク値の差が所定範囲
    内にあるか否かを判定する判定手段とを備えることを特
    徴とする二輪自動車における前後輪連動ブレーキシステ
    ムの検査装置。
  2. 【請求項2】アンチロックブレーキシステムを備える二
    輪自動車に設けられた前後輪連動ブレーキシステムを検
    査する方法であって、 一対の前輪支持ローラに支持された二輪自動車の前輪を
    回転させると共に、一対の後輪支持ローラに支持された
    二輪自動車の後輪を回転させて、一方の車輪のブレーキ
    を全入力することによりアンチロックブレーキシステム
    及び前後輪連動ブレーキシステムを作動させるブレーキ
    入力工程と、 該ブレーキ入力工程における前輪の回転速度と後輪の回
    転速度とを夫々の支持ローラを介して測定する測定工程
    と、 該測定工程により得られた値に基づいて、前輪のアンチ
    ロックブレーキシステムが作動した初回のブレーキOF
    F時に発生する前輪の速度変化に伴うピーク値と、後輪
    のアンチロックブレーキシステムが作動した初回のブレ
    ーキOFF時に発生する後輪の速度変化に伴うピーク値
    との差を求める演算工程と、 該演算工程によって得られた両ピーク値の差が、所定範
    囲内にあるときを良と判定し、所定範囲外であるとき不
    良と判定する良否判定工程とを備えることを特徴とする
    二輪自動車における前後輪連動ブレーキシステムの検査
    方法。
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