JP2003254408A - 差動制限機構 - Google Patents
差動制限機構Info
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Landscapes
- Retarders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 摩擦クラッチの過剰な磨耗を防止し、差動機
構の機能を正常に保つ。 【解決手段】 回転ケース5を回転させるエンジンの駆
動力をサイドギア27,29から車輪側に配分する差動
機構7の差動を制限する摩擦クラッチ9,9をギア2
7,29の噛み合い反力によって締結する差動制限機構
であって、ケース5に突き当て部11,11を設け、そ
の隙間を、クラッチ9,9の磨耗が所定値に達するとケ
ース5とギア27,29とが突き当たるように設定し
た。
構の機能を正常に保つ。 【解決手段】 回転ケース5を回転させるエンジンの駆
動力をサイドギア27,29から車輪側に配分する差動
機構7の差動を制限する摩擦クラッチ9,9をギア2
7,29の噛み合い反力によって締結する差動制限機構
であって、ケース5に突き当て部11,11を設け、そ
の隙間を、クラッチ9,9の磨耗が所定値に達するとケ
ース5とギア27,29とが突き当たるように設定し
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デファレンシャ
ル装置に用いられた差動制限機構に関する。
ル装置に用いられた差動制限機構に関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭46−8207号公報に図8のよ
うなデファレンシャル装置1001が記載されている。
うなデファレンシャル装置1001が記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置1001は、エ
ンジンの駆動力によって回転するデフケース1003、
ベベルギア式の差動機構1005、一対のコーンクラッ
チ1007、各コーンクラッチ1007を押圧するコイ
ルばね1009などから構成されている。
ンジンの駆動力によって回転するデフケース1003、
ベベルギア式の差動機構1005、一対のコーンクラッ
チ1007、各コーンクラッチ1007を押圧するコイ
ルばね1009などから構成されている。
【0004】差動機構1005は、ピニオンシャフト1
011上に支承されたピニオンギア1013、ピニオン
ギア1013とそれぞれ噛み合ったサイドギア101
5,1017から構成されている。
011上に支承されたピニオンギア1013、ピニオン
ギア1013とそれぞれ噛み合ったサイドギア101
5,1017から構成されている。
【0005】ピニオンシャフト1011は、ボルト10
19によってデフケース1003に固定され、抜け止め
が施されている。また、各サイドギア1015,101
7は左右の車軸1021,1023にそれぞれスプライ
ン連結されている。
19によってデフケース1003に固定され、抜け止め
が施されている。また、各サイドギア1015,101
7は左右の車軸1021,1023にそれぞれスプライ
ン連結されている。
【0006】各コーンクラッチ1007は、それぞれク
ラッチ部材1025とテーパーリング1027の間に形
成されており、クラッチ部材1025は左右の車軸10
21,1023にそれぞれスプライン連結され、テーパ
ーリング1027はデフケース1003に固定されてい
る。
ラッチ部材1025とテーパーリング1027の間に形
成されており、クラッチ部材1025は左右の車軸10
21,1023にそれぞれスプライン連結され、テーパ
ーリング1027はデフケース1003に固定されてい
る。
【0007】また、各クラッチ部材1025にはオイル
溝1029が形成されており、テーパーリング1027
との摩擦面を潤滑している。
溝1029が形成されており、テーパーリング1027
との摩擦面を潤滑している。
【0008】デフケース1003を回転させるエンジン
の駆動力は、ピニオンシャフト1011からピニオンギ
ア1013を介してサイドギア1015,1017に配
分され、各車軸1021,1023から車輪側に伝達さ
れる。
の駆動力は、ピニオンシャフト1011からピニオンギ
ア1013を介してサイドギア1015,1017に配
分され、各車軸1021,1023から車輪側に伝達さ
れる。
【0009】このとき、サイドギア1015,1017
の噛み合いスラスト力は、クラッチ部材1025を介し
て各コーンクラッチ1007を押圧し、トルク感応型の
差動制限力を発生させ、大きな駆動力が掛かる発進時や
加速時などに車両の操縦性や安定性を向上させる。
の噛み合いスラスト力は、クラッチ部材1025を介し
て各コーンクラッチ1007を押圧し、トルク感応型の
差動制限力を発生させ、大きな駆動力が掛かる発進時や
加速時などに車両の操縦性や安定性を向上させる。
【0010】また、コイルばね1009は、リテーナ1
031,1031を介して左右のクラッチ部材1025
を押圧し、各コーンクラッチ1007にイニシャルトル
クを与えており、車両の発進性、加速性、悪路走破性な
どの低下を防止する。
031,1031を介して左右のクラッチ部材1025
を押圧し、各コーンクラッチ1007にイニシャルトル
クを与えており、車両の発進性、加速性、悪路走破性な
どの低下を防止する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コーンクラッ
チや多板クラッチのような摩擦クラッチを用いた差動制
限機構では、例えば、上記のようなオイル溝1029を
設けて潤滑を促進し、あるいは、摩擦面に浸炭焼き入れ
や窒化処理のような表面硬化処理を施しても、摩擦面の
磨耗は避けられず、長期にわたって使用するうちに、ま
た、大きなトルクや差回転を与えると、オイル溝や浸炭
層や窒化層が限界値以上に磨耗し、正常な機能が得られ
なくなる。
チや多板クラッチのような摩擦クラッチを用いた差動制
限機構では、例えば、上記のようなオイル溝1029を
設けて潤滑を促進し、あるいは、摩擦面に浸炭焼き入れ
や窒化処理のような表面硬化処理を施しても、摩擦面の
磨耗は避けられず、長期にわたって使用するうちに、ま
た、大きなトルクや差回転を与えると、オイル溝や浸炭
層や窒化層が限界値以上に磨耗し、正常な機能が得られ
なくなる。
【0012】そこで、この発明は、摩擦クラッチの磨耗
が所定値以上に進行することを防止し、デファレンシャ
ル装置の差動配分機能を正常に保つ差動制限機構の提供
を目的とする。
が所定値以上に進行することを防止し、デファレンシャ
ル装置の差動配分機能を正常に保つ差動制限機構の提供
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の差動制限機構
は、回転ケースに入力する原動機の駆動力を一対の出力
側サイドギアから車輪側に配分する差動機構の差動制限
用摩擦クラッチを、前記サイドギアの噛み合い反力によ
って締結する差動制限機構であって、前記回転ケース側
と前記サイドギアとの間に、互いに突き当たる突き当て
部を設け、前記摩擦クラッチの磨耗が所定値に達する
と、前記突き当て部で前記回転ケースと前記サイドギア
とが突き当たるように、この突き当て部の隙間を設定し
たことを特徴とする。
は、回転ケースに入力する原動機の駆動力を一対の出力
側サイドギアから車輪側に配分する差動機構の差動制限
用摩擦クラッチを、前記サイドギアの噛み合い反力によ
って締結する差動制限機構であって、前記回転ケース側
と前記サイドギアとの間に、互いに突き当たる突き当て
部を設け、前記摩擦クラッチの磨耗が所定値に達する
と、前記突き当て部で前記回転ケースと前記サイドギア
とが突き当たるように、この突き当て部の隙間を設定し
たことを特徴とする。
【0014】このように、本発明の差動制限機構では、
摩擦クラッチの摩擦面に形成されたオイル溝や浸炭層や
窒化層が稼働中に所定値まで磨耗すると、回転ケースと
サイドギアの間に設けられた突き当て部が互いに突き当
たり、摩擦クラッチの磨耗がそれ以上進行することを防
止する。
摩擦クラッチの摩擦面に形成されたオイル溝や浸炭層や
窒化層が稼働中に所定値まで磨耗すると、回転ケースと
サイドギアの間に設けられた突き当て部が互いに突き当
たり、摩擦クラッチの磨耗がそれ以上進行することを防
止する。
【0015】この突き当てによって、摩擦クラッチの焼
き付きが回避され、差動機構による駆動力の差動配分機
能が正常に保たれる。
き付きが回避され、差動機構による駆動力の差動配分機
能が正常に保たれる。
【0016】このように差動機構が正常に保たれるか
ら、ドライバーは、摩擦クラッチが磨耗限界に達した後
も、車両をそのまま乗り続けることが可能であり、ま
た、差動制限力の変化によって摩擦クラッチの磨耗限界
を検知することができるから、任意の機会に摩擦クラッ
チを修理、交換することが可能になる。
ら、ドライバーは、摩擦クラッチが磨耗限界に達した後
も、車両をそのまま乗り続けることが可能であり、ま
た、差動制限力の変化によって摩擦クラッチの磨耗限界
を検知することができるから、任意の機会に摩擦クラッ
チを修理、交換することが可能になる。
【0017】なお、突き当て部の隙間は、例えば、摩擦
クラッチのオイル溝深さ、浸炭層や窒化層の厚さなどそ
れぞれの磨耗限界値に応じて設定すればよい。
クラッチのオイル溝深さ、浸炭層や窒化層の厚さなどそ
れぞれの磨耗限界値に応じて設定すればよい。
【0018】請求項2の発明は、請求項1に記載された
差動制限機構であって、前記突き当て部が、前記サイド
ギアに形成された凸部であることを特徴としており、請
求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
差動制限機構であって、前記突き当て部が、前記サイド
ギアに形成された凸部であることを特徴としており、請
求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0019】また、サイドギアには表面硬化処理が施さ
れているから、突き当て部においても充分な耐久性が得
られる。
れているから、突き当て部においても充分な耐久性が得
られる。
【0020】請求項3の発明は、請求項1に記載された
差動制限機構であって、前記突き当て部が、前記回転ケ
ースに形成された凸部であることを特徴としており、請
求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
差動制限機構であって、前記突き当て部が、前記回転ケ
ースに形成された凸部であることを特徴としており、請
求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0021】また、回転ケースには表面硬化処理が施さ
れているから、突き当て部においても充分な耐久性が得
られる。
れているから、突き当て部においても充分な耐久性が得
られる。
【0022】請求項4の発明は、請求項1に記載された
差動制限機構であって、前記突き当て部が、前記回転ケ
ースと前記サイドギアとの間に配置されたワッシャであ
ることを特徴としており、請求項1の構成と同等の作用
・効果を得ることができる。
差動制限機構であって、前記突き当て部が、前記回転ケ
ースと前記サイドギアとの間に配置されたワッシャであ
ることを特徴としており、請求項1の構成と同等の作用
・効果を得ることができる。
【0023】また、突き当て部にワッシャを用いたこの
構成では、回転ケースやサイドギアに突き当て部を形成
するための変更を施す必要がないから、それだけ低コス
トに実施できる。
構成では、回転ケースやサイドギアに突き当て部を形成
するための変更を施す必要がないから、それだけ低コス
トに実施できる。
【0024】また、ワッシャには表面硬化処理が施され
ているから、突き当て部でも充分な耐久性が得られる。
ているから、突き当て部でも充分な耐久性が得られる。
【0025】請求項5の発明は、請求項1に記載された
差動制限機構であって、前記摩擦クラッチが、前記回転
ケースと前記サイドギアとの間に配置され、回転ケース
に支持されたテーパーリングと、前記テーパーリングと
前記サイドギアとの間に形成された円錐摩擦面からなる
コーンクラッチであり、前記突き当て部が、前記テーパ
ーリングに形成されていることを特徴としており、請求
項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
差動制限機構であって、前記摩擦クラッチが、前記回転
ケースと前記サイドギアとの間に配置され、回転ケース
に支持されたテーパーリングと、前記テーパーリングと
前記サイドギアとの間に形成された円錐摩擦面からなる
コーンクラッチであり、前記突き当て部が、前記テーパ
ーリングに形成されていることを特徴としており、請求
項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0026】また、テーパーリングに突き当て部を設け
たこの構成では、回転ケースやサイドギアに突き当て部
を形成するための変更を施す必要がないから、それだけ
低コストに実施できる。
たこの構成では、回転ケースやサイドギアに突き当て部
を形成するための変更を施す必要がないから、それだけ
低コストに実施できる。
【0027】また、テーパーリングには表面硬化処理が
施されているから、突き当て部でも充分な耐久性が得ら
れる。
施されているから、突き当て部でも充分な耐久性が得ら
れる。
【0028】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1によってデ
ファレンシャル装置1及びこれに用いられた差動制限機
構3の説明をする。以下の説明の中で、左右の方向は図
1での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は
図示されていない。
ファレンシャル装置1及びこれに用いられた差動制限機
構3の説明をする。以下の説明の中で、左右の方向は図
1での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は
図示されていない。
【0029】デファレンシャル装置1は差動制限機構
3,3とデフケース5(回転ケース)とベベルギア式の
差動機構7によって構成されており、各差動制限機構3
はコーンクラッチ9(摩擦クラッチ)と凸部11(突き
当て部)によって構成されている。
3,3とデフケース5(回転ケース)とベベルギア式の
差動機構7によって構成されており、各差動制限機構3
はコーンクラッチ9(摩擦クラッチ)と凸部11(突き
当て部)によって構成されている。
【0030】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、このデフキャリヤにはオイル溜
りが設けられている。
内部に配置されており、このデフキャリヤにはオイル溜
りが設けられている。
【0031】デフケース5はカバー13とケーシング本
体15から構成され、カバー13はボルト17によって
ケーシング本体15の左側開口部に固定されている。
体15から構成され、カバー13はボルト17によって
ケーシング本体15の左側開口部に固定されている。
【0032】デフケース5の左右のボス部19,21は
ベアリングによってデフキャリヤに支承されている。ま
た、デフケース5にはリングギアが固定されており、こ
のリングギアと噛み合うドライブピニオンギアは動力伝
達系を介してトランスミッション側に連結されている。
エンジン(原動機)の駆動力はトランスミッションとこ
の動力伝達系とを介してデフケース5を回転駆動する。
ベアリングによってデフキャリヤに支承されている。ま
た、デフケース5にはリングギアが固定されており、こ
のリングギアと噛み合うドライブピニオンギアは動力伝
達系を介してトランスミッション側に連結されている。
エンジン(原動機)の駆動力はトランスミッションとこ
の動力伝達系とを介してデフケース5を回転駆動する。
【0033】差動機構7はピニオンシャフト23、ピニ
オンシャフト23上で回転自在に支承されたピニオンギ
ア25、左右からピニオンギア25と噛み合った出力側
サイドギア27,29などから構成されている。
オンシャフト23上で回転自在に支承されたピニオンギ
ア25、左右からピニオンギア25と噛み合った出力側
サイドギア27,29などから構成されている。
【0034】左サイドギア27のボス部31はスプライ
ン部33に連結された左車軸を介して左車輪側に連結さ
れ、右サイドギア29のボス部35はスプライン部37
に連結された右車軸を介して右車輪側に連結されてい
る。
ン部33に連結された左車軸を介して左車輪側に連結さ
れ、右サイドギア29のボス部35はスプライン部37
に連結された右車軸を介して右車輪側に連結されてい
る。
【0035】ピニオンシャフト23の端部はケーシング
本体15に設けられた貫通孔39に係合し、スプリング
ピン41によって抜け止めされている。
本体15に設けられた貫通孔39に係合し、スプリング
ピン41によって抜け止めされている。
【0036】また、ピニオンギア25とケーシング本体
15との間には球面ワッシャ43が配置されており、ピ
ニオンギア25の背面を支持し、その遠心力と噛み合い
反力とを受けている。
15との間には球面ワッシャ43が配置されており、ピ
ニオンギア25の背面を支持し、その遠心力と噛み合い
反力とを受けている。
【0037】左のコーンクラッチ9は左のテーパーリン
グ45と左サイドギア27にそれぞれ形成された円錐摩
擦面47,49によって構成されており、右のコーンク
ラッチ9は右のテーパーリング45と右サイドギア29
にそれぞれ形成された円錐摩擦面47,49によって構
成されている。
グ45と左サイドギア27にそれぞれ形成された円錐摩
擦面47,49によって構成されており、右のコーンク
ラッチ9は右のテーパーリング45と右サイドギア29
にそれぞれ形成された円錐摩擦面47,49によって構
成されている。
【0038】各テーパーリング45には複数個の凸部5
1が周方向等間隔に形成されている。左テーパーリング
45はカバー13に形成された凸部53に凸部51を係
合して回り止めされており、右テーパーリング45はケ
ーシング本体15に形成された凸部53に凸部51を係
合して回り止めされている。
1が周方向等間隔に形成されている。左テーパーリング
45はカバー13に形成された凸部53に凸部51を係
合して回り止めされており、右テーパーリング45はケ
ーシング本体15に形成された凸部53に凸部51を係
合して回り止めされている。
【0039】各テーパーリング45には、円錐摩擦面4
7を含めて、浸炭処理の後焼き入れが施されている。ま
た、円錐摩擦面47には多数のオイル溝が形成されてお
り、オイルを均等に分散させ、オイルの保持性を高めて
おり、磨耗と発熱を防止して耐久性を向上させると共
に、下記の差動制限力を安定させている。
7を含めて、浸炭処理の後焼き入れが施されている。ま
た、円錐摩擦面47には多数のオイル溝が形成されてお
り、オイルを均等に分散させ、オイルの保持性を高めて
おり、磨耗と発熱を防止して耐久性を向上させると共
に、下記の差動制限力を安定させている。
【0040】凸部11はカバー13とケーシング本体1
5の各凸部53の先端に一体形成されており、各凸部1
1の先端と各サイドギア27,29との間には所定のギ
ャップG1(隙間)が設けられている。
5の各凸部53の先端に一体形成されており、各凸部1
1の先端と各サイドギア27,29との間には所定のギ
ャップG1(隙間)が設けられている。
【0041】デフケース5を回転させるエンジンの駆動
力はピニオンシャフト23からピニオンギア25を介し
てサイドギア27,29に配分され、左右の車輪側に伝
達される。
力はピニオンシャフト23からピニオンギア25を介し
てサイドギア27,29に配分され、左右の車輪側に伝
達される。
【0042】発進時、加速時、悪路走行中などに車輪間
に駆動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力はピニオン
ギア25の自転によって左右の車輪に差動配分される。
に駆動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力はピニオン
ギア25の自転によって左右の車輪に差動配分される。
【0043】また、車両の走行中は、前進走行と後進走
行の両方で、ピニオンギア25との噛み合いによってサ
イドギア27,29に生じる噛み合い反力により各コー
ンクラッチ9が押圧され締結される。
行の両方で、ピニオンギア25との噛み合いによってサ
イドギア27,29に生じる噛み合い反力により各コー
ンクラッチ9が押圧され締結される。
【0044】伝達トルクに比例して大きくなるサイドギ
ア27,29噛み合い反力により各コーンクラッチ9が
締結されると、トルク感応型の差動制限機能が得られ、
差動機構7の差動が制限される。
ア27,29噛み合い反力により各コーンクラッチ9が
締結されると、トルク感応型の差動制限機能が得られ、
差動機構7の差動が制限される。
【0045】例えば、デファレンシャル装置1に大きな
駆動力が掛かる発進時や加速時などには、トルク感応型
の差動制限力が強化され、車両の操縦性や安定性が大き
く向上する。
駆動力が掛かる発進時や加速時などには、トルク感応型
の差動制限力が強化され、車両の操縦性や安定性が大き
く向上する。
【0046】また、凸部11と各サイドギア27,29
の間に設けられた上記のギャップG1は、各コーンクラ
ッチ9の円錐摩擦面47,49に形成されたオイル溝と
浸炭層が所定値(磨耗限界値)まで磨耗すると、凸部1
1と各サイドギア27,29が突き当たるような値に設
定されている。
の間に設けられた上記のギャップG1は、各コーンクラ
ッチ9の円錐摩擦面47,49に形成されたオイル溝と
浸炭層が所定値(磨耗限界値)まで磨耗すると、凸部1
1と各サイドギア27,29が突き当たるような値に設
定されている。
【0047】この凸部11と各サイドギア27,29と
の突き当てによって、各コーンクラッチ9(円錐摩擦面
47,49)の磨耗が所定値以上に進行することが防止
されている。
の突き当てによって、各コーンクラッチ9(円錐摩擦面
47,49)の磨耗が所定値以上に進行することが防止
されている。
【0048】また、デフケース5には開口55,57,
59,61が設けられており、ボス部19,21の内周
には螺旋状のオイル溝が設けられている。オイル溜りの
オイルは、デフケース5の回転に伴ってこれらの開口5
5,57,59,61と螺旋状のオイル溝からデフケー
ス5に流出入し、コーンクラッチ9,9(円錐摩擦面4
7,49)、各ギア25,27,29の噛み合い部、ピ
ニオンシャフト23とピニオンギア25との摺動面、球
面ワッシャ43などを充分に潤滑・冷却し、耐久性を高
めている。
59,61が設けられており、ボス部19,21の内周
には螺旋状のオイル溝が設けられている。オイル溜りの
オイルは、デフケース5の回転に伴ってこれらの開口5
5,57,59,61と螺旋状のオイル溝からデフケー
ス5に流出入し、コーンクラッチ9,9(円錐摩擦面4
7,49)、各ギア25,27,29の噛み合い部、ピ
ニオンシャフト23とピニオンギア25との摺動面、球
面ワッシャ43などを充分に潤滑・冷却し、耐久性を高
めている。
【0049】こうして、デファレンシャル装置1と差動
制限機構3が構成されている。
制限機構3が構成されている。
【0050】この差動制限機構3では、上記のように凸
部11(デフケース5)と各サイドギア27,29との
突き当てによって各コーンクラッチ9(円錐摩擦面4
7,49)の磨耗が所定値以上に進行することが防止さ
れるから、焼き付きが回避され、差動機構7の差動配分
機能が正常に保たれる。
部11(デフケース5)と各サイドギア27,29との
突き当てによって各コーンクラッチ9(円錐摩擦面4
7,49)の磨耗が所定値以上に進行することが防止さ
れるから、焼き付きが回避され、差動機構7の差動配分
機能が正常に保たれる。
【0051】従って、ドライバーは、各コーンクラッチ
9が磨耗限界に達した後も、車両をそのまま乗り続ける
ことが可能であり、また、差動制限力の変化によって各
コーンクラッチ9の磨耗限界を検知することができるか
ら、任意の機会にコーンクラッチ9を修理、交換するこ
とが可能になる。
9が磨耗限界に達した後も、車両をそのまま乗り続ける
ことが可能であり、また、差動制限力の変化によって各
コーンクラッチ9の磨耗限界を検知することができるか
ら、任意の機会にコーンクラッチ9を修理、交換するこ
とが可能になる。
【0052】また、デフケース5には表面硬化処理が施
されているから、凸部11(突き当て部)において充分
な耐久性が得られる。
されているから、凸部11(突き当て部)において充分
な耐久性が得られる。
【0053】[第2実施形態]図2によってデファレン
シャル装置101及びこれに用いられた差動制限機構1
03の説明をする。
シャル装置101及びこれに用いられた差動制限機構1
03の説明をする。
【0054】以下、第1実施形態のデファレンシャル装
置1と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しなが
ら、相違点を説明する。
置1と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しなが
ら、相違点を説明する。
【0055】デファレンシャル装置101はデフケース
5と差動機構7と差動制限機構103,103によって
構成されており、各差動制限機構103はコーンクラッ
チ9と凸部105(突き当て部)によって構成されてい
る。
5と差動機構7と差動制限機構103,103によって
構成されており、各差動制限機構103はコーンクラッ
チ9と凸部105(突き当て部)によって構成されてい
る。
【0056】凸部105はサイドギア27(ボス部3
1)の左端部とサイドギア29(ボス部35)の右端部
とにそれぞれ一体形成されており、各凸部105の先端
とデフケース5との間には所定のギャップG2(隙間)
が設けられている。
1)の左端部とサイドギア29(ボス部35)の右端部
とにそれぞれ一体形成されており、各凸部105の先端
とデフケース5との間には所定のギャップG2(隙間)
が設けられている。
【0057】これらのギャップG2は各コーンクラッチ
9の円錐摩擦面47,49に形成されたオイル溝と浸炭
層が所定値まで磨耗すると、凸部105とデフケース5
が突き当たるような値に設定されており、この突き当て
によって、各コーンクラッチ9(円錐摩擦面47,4
9)の磨耗が所定値以上に進行することが防止される。
9の円錐摩擦面47,49に形成されたオイル溝と浸炭
層が所定値まで磨耗すると、凸部105とデフケース5
が突き当たるような値に設定されており、この突き当て
によって、各コーンクラッチ9(円錐摩擦面47,4
9)の磨耗が所定値以上に進行することが防止される。
【0058】こうして、デファレンシャル装置101と
差動制限機構103が構成されている。
差動制限機構103が構成されている。
【0059】この差動制限機構103では、凸部105
(サイドギア27,29)とデフケース5との突き当て
によって、各コーンクラッチ9(円錐摩擦面47,4
9)の過剰な磨耗が防止され、差動機構7の機能が正常
に保たれる。
(サイドギア27,29)とデフケース5との突き当て
によって、各コーンクラッチ9(円錐摩擦面47,4
9)の過剰な磨耗が防止され、差動機構7の機能が正常
に保たれる。
【0060】従って、ドライバーは、各コーンクラッチ
9が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続けるこ
とが可能であり、また、差動制限力の変化によって各コ
ーンクラッチ9の磨耗限界を検知することができるか
ら、任意の機会にコーンクラッチ9を修理、交換するこ
とが可能になる。
9が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続けるこ
とが可能であり、また、差動制限力の変化によって各コ
ーンクラッチ9の磨耗限界を検知することができるか
ら、任意の機会にコーンクラッチ9を修理、交換するこ
とが可能になる。
【0061】また、サイドギア27,29には表面硬化
処理が施されているから、凸部105(突き当て部)に
おいて充分な耐久性が得られる。
処理が施されているから、凸部105(突き当て部)に
おいて充分な耐久性が得られる。
【0062】[第3実施形態]図3によってデファレン
シャル装置201及びこれに用いられた差動制限機構2
03の説明をする。
シャル装置201及びこれに用いられた差動制限機構2
03の説明をする。
【0063】以下、第1,2実施形態のデファレンシャ
ル装置1,101と同機能の部材に同一の符号を与えて
引用しながら、相違点を説明する。
ル装置1,101と同機能の部材に同一の符号を与えて
引用しながら、相違点を説明する。
【0064】デファレンシャル装置201はデフケース
5と差動機構7と差動制限機構203,203によって
構成されており、各差動制限機構203はコーンクラッ
チ9とワッシャ205(突き当て部)によって構成され
ている。
5と差動機構7と差動制限機構203,203によって
構成されており、各差動制限機構203はコーンクラッ
チ9とワッシャ205(突き当て部)によって構成され
ている。
【0065】ワッシャ205はデフケース5とサイドギ
ア27(ボス部31)との間と、デフケース5とサイド
ギア29(ボス部35)との間にそれぞれ配置されてお
り、各ワッシャ205とデフケース5との間には所定の
ギャップG3(隙間)が設けられている。
ア27(ボス部31)との間と、デフケース5とサイド
ギア29(ボス部35)との間にそれぞれ配置されてお
り、各ワッシャ205とデフケース5との間には所定の
ギャップG3(隙間)が設けられている。
【0066】これらのギャップG3は各コーンクラッチ
9の円錐摩擦面47,49に形成されたオイル溝と浸炭
層が所定値まで磨耗すると、ワッシャ205とデフケー
ス5が突き当たるような値に設定されており、この突き
当てによって各コーンクラッチ9(円錐摩擦面47,4
9)の磨耗が所定値以上に進行することが防止される。
9の円錐摩擦面47,49に形成されたオイル溝と浸炭
層が所定値まで磨耗すると、ワッシャ205とデフケー
ス5が突き当たるような値に設定されており、この突き
当てによって各コーンクラッチ9(円錐摩擦面47,4
9)の磨耗が所定値以上に進行することが防止される。
【0067】また、ワッシャ205の材料はSPCC
(冷間圧延鋼)であり、窒化処理によって耐摩擦性が高
められている。
(冷間圧延鋼)であり、窒化処理によって耐摩擦性が高
められている。
【0068】こうして、デファレンシャル装置201と
差動制限機構203が構成されている。
差動制限機構203が構成されている。
【0069】この差動制限機構203では、ワッシャ2
05(デフケース5)とサイドギア27,29との突き
当てによって、各コーンクラッチ9(円錐摩擦面47,
49)の過剰な磨耗が防止され、差動機構7の機能が正
常に保たれる。
05(デフケース5)とサイドギア27,29との突き
当てによって、各コーンクラッチ9(円錐摩擦面47,
49)の過剰な磨耗が防止され、差動機構7の機能が正
常に保たれる。
【0070】従って、ドライバーは、各コーンクラッチ
9が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続けるこ
とが可能であり、また、差動制限力の変化によって各コ
ーンクラッチ9の磨耗限界を検知することができるか
ら、任意の機会にコーンクラッチ9を修理、交換するこ
とが可能になる。
9が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続けるこ
とが可能であり、また、差動制限力の変化によって各コ
ーンクラッチ9の磨耗限界を検知することができるか
ら、任意の機会にコーンクラッチ9を修理、交換するこ
とが可能になる。
【0071】また、突き当て部にワッシャ205を用い
たこの構成は、デフケース5やサイドギア27,29に
突き当て部を形成するための変更が必要ないから、それ
だけ低コストに実施できる。
たこの構成は、デフケース5やサイドギア27,29に
突き当て部を形成するための変更が必要ないから、それ
だけ低コストに実施できる。
【0072】また、表面硬化処理を施したワッシャ20
5を用いたことにより、突き当て部で充分な耐久性が得
られる。
5を用いたことにより、突き当て部で充分な耐久性が得
られる。
【0073】[第4実施形態]図4によってデファレン
シャル装置301及びこれに用いられた差動制限機構3
03の説明をする。
シャル装置301及びこれに用いられた差動制限機構3
03の説明をする。
【0074】以下、第1,2,3実施形態のデファレン
シャル装置1,101,201と同機能の部材に同一の
符号を与えて引用しながら、相違点を説明する。
シャル装置1,101,201と同機能の部材に同一の
符号を与えて引用しながら、相違点を説明する。
【0075】デファレンシャル装置301はデフケース
5と差動機構7と差動制限機構303,303によって
構成されており、各差動制限機構303はコーンクラッ
チ9と突き当て部305によって構成されている。
5と差動機構7と差動制限機構303,303によって
構成されており、各差動制限機構303はコーンクラッ
チ9と突き当て部305によって構成されている。
【0076】突き当て部305は各コーンクラッチ9の
テーパーリング45にそれぞれ形成されており、各突き
当て部305とサイドギア27,29との間には所定の
ギャップG4(隙間)が設けられている。
テーパーリング45にそれぞれ形成されており、各突き
当て部305とサイドギア27,29との間には所定の
ギャップG4(隙間)が設けられている。
【0077】これらのギャップG4は各コーンクラッチ
9の円錐摩擦面47,49に形成されたオイル溝と浸炭
層が所定値まで磨耗すると、突き当て部305とサイド
ギア27,29が突き当たるような値に設定されてお
り、この突き当てによって各コーンクラッチ9(円錐摩
擦面47,49)の磨耗が所定値以上に進行することが
防止される。
9の円錐摩擦面47,49に形成されたオイル溝と浸炭
層が所定値まで磨耗すると、突き当て部305とサイド
ギア27,29が突き当たるような値に設定されてお
り、この突き当てによって各コーンクラッチ9(円錐摩
擦面47,49)の磨耗が所定値以上に進行することが
防止される。
【0078】こうして、デファレンシャル装置301と
差動制限機構303が構成されている。
差動制限機構303が構成されている。
【0079】この差動制限機構303では、デフケース
5側のテーパーリング45(突き当て部305)とサイ
ドギア27,29との突き当てによって、各コーンクラ
ッチ9(円錐摩擦面47,49)の過剰な磨耗が防止さ
れ、差動機構7の機能が正常に保たれる。
5側のテーパーリング45(突き当て部305)とサイ
ドギア27,29との突き当てによって、各コーンクラ
ッチ9(円錐摩擦面47,49)の過剰な磨耗が防止さ
れ、差動機構7の機能が正常に保たれる。
【0080】従って、ドライバーは、各コーンクラッチ
9が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続けるこ
とが可能であり、また、差動制限力の変化によって各コ
ーンクラッチ9の磨耗限界を検知することができるか
ら、任意の機会にコーンクラッチ9を修理、交換するこ
とが可能になる。
9が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続けるこ
とが可能であり、また、差動制限力の変化によって各コ
ーンクラッチ9の磨耗限界を検知することができるか
ら、任意の機会にコーンクラッチ9を修理、交換するこ
とが可能になる。
【0081】また、テーパーリング45に突き当て部3
05を設けたこの構成は、デフケース5やサイドギア2
7,29に突き当て部を形成するための変更が必要ない
から、それだけ低コストに実施できる。
05を設けたこの構成は、デフケース5やサイドギア2
7,29に突き当て部を形成するための変更が必要ない
から、それだけ低コストに実施できる。
【0082】また、テーパーリング45には表面硬化処
理が施されているから、突き当て部305で充分な耐久
性が得られる。
理が施されているから、突き当て部305で充分な耐久
性が得られる。
【0083】[第5実施形態]図5と図6によってデフ
ァレンシャル装置401及びこれに用いられた差動制限
機構403の説明をする。
ァレンシャル装置401及びこれに用いられた差動制限
機構403の説明をする。
【0084】以下、第1,2,3,4実施形態のデファ
レンシャル装置1,101,201,301と同機能の
部材に同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明
する。
レンシャル装置1,101,201,301と同機能の
部材に同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明
する。
【0085】デファレンシャル装置401は差動機構7
と差動制限機構403,403とデフケース405によ
って構成されており、各差動制限機構403は多板クラ
ッチ407(摩擦クラッチ)と突き当て部105によっ
て構成されている。
と差動制限機構403,403とデフケース405によ
って構成されており、各差動制限機構403は多板クラ
ッチ407(摩擦クラッチ)と突き当て部105によっ
て構成されている。
【0086】デフケース405は一体に形成されてお
り、左右のボス部409,411をベアリングによって
デフキャリヤに支承されている。また、デフケース40
5にはリングギアが固定されており、このリングギアと
噛み合うドライブピニオンギアは動力伝達系を介してト
ランスミッション側に連結されている。エンジン(原動
機)の駆動力はトランスミッションとこの動力伝達系と
を介してデフケース405を回転駆動する。
り、左右のボス部409,411をベアリングによって
デフキャリヤに支承されている。また、デフケース40
5にはリングギアが固定されており、このリングギアと
噛み合うドライブピニオンギアは動力伝達系を介してト
ランスミッション側に連結されている。エンジン(原動
機)の駆動力はトランスミッションとこの動力伝達系と
を介してデフケース405を回転駆動する。
【0087】差動機構7のピニオンシャフト23はボス
413を中心にして放射状に配置され、それぞれの先端
をデフケース405に形成された貫通孔415に係合し
ている。また、各ピニオンシャフト23はスプリングピ
ン417によってボス413に固定され、抜け止めされ
ている。
413を中心にして放射状に配置され、それぞれの先端
をデフケース405に形成された貫通孔415に係合し
ている。また、各ピニオンシャフト23はスプリングピ
ン417によってボス413に固定され、抜け止めされ
ている。
【0088】各多板クラッチ407はデフケース405
と各サイドギア27,29の間に配置されており、それ
ぞれのアウタープレート419はデフケース405のス
プライン部421に連結されており、インナープレート
423は各サイドギア27,29のスプライン部425
に連結されている。
と各サイドギア27,29の間に配置されており、それ
ぞれのアウタープレート419はデフケース405のス
プライン部421に連結されており、インナープレート
423は各サイドギア27,29のスプライン部425
に連結されている。
【0089】これらのアウタープレート419とインナ
ープレート423の両面には、窒化処理が施されている
と共に、多数のオイル溝が形成されてオイルの保持性を
高めており、オイルを均等に分散させ、磨耗と発熱を防
止して耐久性を向上させ、下記の差動制限力を安定させ
ている。
ープレート423の両面には、窒化処理が施されている
と共に、多数のオイル溝が形成されてオイルの保持性を
高めており、オイルを均等に分散させ、磨耗と発熱を防
止して耐久性を向上させ、下記の差動制限力を安定させ
ている。
【0090】なお、アウタープレート419とインナー
プレート423は、鉄系合金のプレートの両面にペーパ
ーの摩擦材料を貼り付けたものでもよい。
プレート423は、鉄系合金のプレートの両面にペーパ
ーの摩擦材料を貼り付けたものでもよい。
【0091】凸部105は、上記のように、サイドギア
27,29(ボス部31,35)の左端と右端にそれぞ
れ一体形成されており、各凸部105の先端とデフケー
ス405との間には所定のギャップG5(隙間)が設け
られている。
27,29(ボス部31,35)の左端と右端にそれぞ
れ一体形成されており、各凸部105の先端とデフケー
ス405との間には所定のギャップG5(隙間)が設け
られている。
【0092】これらのギャップG5は各多板クラッチ4
07のアウタープレート419とインナープレート42
3のオイル溝と表面硬化層(あるいは、ペーパーの摩擦
材料)が所定値まで磨耗すると、凸部105とデフケー
ス405が突き当たるような値に設定されており、この
突き当てによって、各多板クラッチ407の磨耗が所定
値以上に進行することが防止される。
07のアウタープレート419とインナープレート42
3のオイル溝と表面硬化層(あるいは、ペーパーの摩擦
材料)が所定値まで磨耗すると、凸部105とデフケー
ス405が突き当たるような値に設定されており、この
突き当てによって、各多板クラッチ407の磨耗が所定
値以上に進行することが防止される。
【0093】また、デフケース405には開口427,
429,431が設けられており、ボス部409,41
1の内周には螺旋状のオイル溝が設けられている。オイ
ル溜りのオイルは、デフケース405の回転に伴ってこ
れらの開口427,429,431と螺旋状のオイル溝
からデフケース405に流出入し、多板クラッチ40
7,407(アウタープレート419とインナープレー
ト423の摩擦面)、各ギア25,27,29の噛み合
い部、ピニオンシャフト23とピニオンギア25との摺
動面、球面ワッシャ43などを充分に潤滑・冷却し、耐
久性を高めている。
429,431が設けられており、ボス部409,41
1の内周には螺旋状のオイル溝が設けられている。オイ
ル溜りのオイルは、デフケース405の回転に伴ってこ
れらの開口427,429,431と螺旋状のオイル溝
からデフケース405に流出入し、多板クラッチ40
7,407(アウタープレート419とインナープレー
ト423の摩擦面)、各ギア25,27,29の噛み合
い部、ピニオンシャフト23とピニオンギア25との摺
動面、球面ワッシャ43などを充分に潤滑・冷却し、耐
久性を高めている。
【0094】こうして、デファレンシャル装置401と
差動制限機構403が構成されている。
差動制限機構403が構成されている。
【0095】この差動制限機構403では、凸部105
(サイドギア27,29)とデフケース405との突き
当てによって、各多板クラッチ407の過剰な磨耗が防
止され、差動機構7の機能が正常に保たれる。
(サイドギア27,29)とデフケース405との突き
当てによって、各多板クラッチ407の過剰な磨耗が防
止され、差動機構7の機能が正常に保たれる。
【0096】従って、ドライバーは、各多板クラッチ4
07が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続ける
ことが可能であり、また、差動制限力の変化によって各
多板クラッチ407の磨耗限界を検知することができる
から、任意の機会に多板クラッチ407を修理、交換す
ることが可能になる。
07が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続ける
ことが可能であり、また、差動制限力の変化によって各
多板クラッチ407の磨耗限界を検知することができる
から、任意の機会に多板クラッチ407を修理、交換す
ることが可能になる。
【0097】また、サイドギア27,29には表面硬化
処理が施されているから、凸部105(突き当て部)に
おいて充分な耐久性が得られる。
処理が施されているから、凸部105(突き当て部)に
おいて充分な耐久性が得られる。
【0098】[第6実施形態]図7によってデファレン
シャル装置501及びこれに用いられた差動制限機構5
03の説明をする。
シャル装置501及びこれに用いられた差動制限機構5
03の説明をする。
【0099】以下、第5実施形態のデファレンシャル装
置401と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しな
がら、相違点を説明する。
置401と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しな
がら、相違点を説明する。
【0100】デファレンシャル装置501は差動機構7
とデフケース405と差動制限機構503,503によ
って構成されており、各差動制限機構503は多板クラ
ッチ407と突き当て部505によって構成されてい
る。
とデフケース405と差動制限機構503,503によ
って構成されており、各差動制限機構503は多板クラ
ッチ407と突き当て部505によって構成されてい
る。
【0101】凸部505は、デフケース405に形成さ
れており、各凸部505とサイドギア27,29(ボス
部31,35)との間には所定のギャップG6(隙間)
が設けられている。
れており、各凸部505とサイドギア27,29(ボス
部31,35)との間には所定のギャップG6(隙間)
が設けられている。
【0102】これらのギャップG6は、第5実施形態で
のギャップG5と同様に、各多板クラッチ407のアウ
タープレート419とインナープレート423のオイル
溝と窒化層(あるいは、ペーパーの摩擦材料)が所定値
まで磨耗すると、凸部505とサイドギア27,29が
突き当たるような値に設定されており、この突き当てに
よって各多板クラッチ407の磨耗が所定値以上に進行
することが防止される。
のギャップG5と同様に、各多板クラッチ407のアウ
タープレート419とインナープレート423のオイル
溝と窒化層(あるいは、ペーパーの摩擦材料)が所定値
まで磨耗すると、凸部505とサイドギア27,29が
突き当たるような値に設定されており、この突き当てに
よって各多板クラッチ407の磨耗が所定値以上に進行
することが防止される。
【0103】こうして、デファレンシャル装置501と
差動制限機構503が構成されている。
差動制限機構503が構成されている。
【0104】この差動制限機構503では、デフケース
405の凸部505とサイドギア27,29との突き当
てによって、各多板クラッチ407の過剰な磨耗が防止
され、差動機構7の機能が正常に保たれる。
405の凸部505とサイドギア27,29との突き当
てによって、各多板クラッチ407の過剰な磨耗が防止
され、差動機構7の機能が正常に保たれる。
【0105】従って、ドライバーは、各多板クラッチ4
07が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続ける
ことが可能であり、また、差動制限力の変化によって各
多板クラッチ407の磨耗限界を検知することができる
から、任意の機会に多板クラッチ407を修理、交換す
ることが可能になる。
07が磨耗限界に達した後も車両をそのまま乗り続ける
ことが可能であり、また、差動制限力の変化によって各
多板クラッチ407の磨耗限界を検知することができる
から、任意の機会に多板クラッチ407を修理、交換す
ることが可能になる。
【0106】また、デフケース405には表面硬化処理
が施されているから、凸部505(突き当て部)におい
て充分な耐久性が得られる。
が施されているから、凸部505(突き当て部)におい
て充分な耐久性が得られる。
【0107】なお、本発明では、摩擦クラッチにコーン
クラッチを用いた構成で、回転ケースの凸部、サイドギ
アの凸部、回転ケースとサイドギアとの間に配置された
ワッシャなどを突き当て部にしてもよい。また、摩擦ク
ラッチは、コーンクラッチや多板クラッチの他に、単板
クラッチでもよい。
クラッチを用いた構成で、回転ケースの凸部、サイドギ
アの凸部、回転ケースとサイドギアとの間に配置された
ワッシャなどを突き当て部にしてもよい。また、摩擦ク
ラッチは、コーンクラッチや多板クラッチの他に、単板
クラッチでもよい。
【0108】また、本発明の差動制限機構を用いたデフ
ァレンシャル装置は、フロントデフ(エンジンの駆動力
を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)と、リ
ヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデフ
ァレンシャル装置)と、センターデフ(エンジンの駆動
力を前輪と後輪に配分するデファレンシャル装置)のい
ずれにも用いることができる。
ァレンシャル装置は、フロントデフ(エンジンの駆動力
を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)と、リ
ヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデフ
ァレンシャル装置)と、センターデフ(エンジンの駆動
力を前輪と後輪に配分するデファレンシャル装置)のい
ずれにも用いることができる。
【0109】
【発明の効果】本発明の差動制限機構では、回転ケース
とサイドギアの間に設けた突き当て部によって、摩擦ク
ラッチの磨耗が過剰に進行することが防止され、差動機
構の機能が正常に保たれる。
とサイドギアの間に設けた突き当て部によって、摩擦ク
ラッチの磨耗が過剰に進行することが防止され、差動機
構の機能が正常に保たれる。
【0110】従って、車両をそのまま乗り続けることが
可能であり、また、差動制限力の変化によって摩擦クラ
ッチの磨耗限界を検知することができるから、任意の機
会に摩擦クラッチを修理、交換することが可能になる。
可能であり、また、差動制限力の変化によって摩擦クラ
ッチの磨耗限界を検知することができるから、任意の機
会に摩擦クラッチを修理、交換することが可能になる。
【0111】請求項2の差動制限機構は、請求項1の構
成と同等の効果を得ることができる。
成と同等の効果を得ることができる。
【0112】また、サイドギアには表面硬化処理が施さ
れているから、突き当て部で充分な耐久性が得られる。
れているから、突き当て部で充分な耐久性が得られる。
【0113】請求項3の差動制限機構は、請求項1の構
成と同等の効果を得ることができる。
成と同等の効果を得ることができる。
【0114】また、回転ケースには表面硬化処理が施さ
れているから、突き当て部で充分な耐久性が得られる。
れているから、突き当て部で充分な耐久性が得られる。
【0115】請求項4の差動制限機構は、請求項1の構
成と同等の効果を得ることができる。
成と同等の効果を得ることができる。
【0116】また、突き当て部にワッシャを用いたこの
構成では、突き当て部を形成するために回転ケースやサ
イドギアを変更する必要がなく、それだけ低コストに実
施できる。
構成では、突き当て部を形成するために回転ケースやサ
イドギアを変更する必要がなく、それだけ低コストに実
施できる。
【0117】また、表面硬化処理を施したワッシャによ
って、突き当て部で充分な耐久性が得られる。
って、突き当て部で充分な耐久性が得られる。
【0118】請求項5の差動制限機構は、請求項1の構
成と同等の効果を得ることができる。
成と同等の効果を得ることができる。
【0119】また、テーパーリングに突き当て部を設け
たこの構成では、突き当て部を形成するために回転ケー
スやサイドギアを変更する必要がなく、それだけ低コス
トに実施できる。
たこの構成では、突き当て部を形成するために回転ケー
スやサイドギアを変更する必要がなく、それだけ低コス
トに実施できる。
【0120】また、テーパーリングには表面硬化処理が
施されているから、突き当て部で充分な耐久性が得られ
る。
施されているから、突き当て部で充分な耐久性が得られ
る。
【図1】第1実施形態の断面図である。
【図2】第2実施形態の断面図である。
【図3】第3実施形態の断面図である。
【図4】第4実施形態の断面図である。
【図5】第5実施形態の断面図であり、図6のA−A断
面図である。
面図である。
【図6】図5のB矢視図である。
【図7】第6実施形態の断面図である。
【図8】従来例の断面図である。
1 デファレンシャル装置
3,3 差動制限機構
5 デフケース(回転ケース)
7 ベベルギア式の差動機構
9,9 コーンクラッチ(摩擦クラッチ)
11,11 凸部(回転ケース側に形成された突き当て
部) 27,29 出力側サイドギア 45 テーパーリング 47,49 コーンクラッチの円錐摩擦面 101 デファレンシャル装置 103,103 差動制限機構 105,105 凸部(サイドギア側に形成された突き
当て部) 201 デファレンシャル装置 203,203 差動制限機構 205 ワッシャ(突き当て部) 301 デファレンシャル装置 303,303 差動制限機構 305 テーパーリングに形成された突き当て部 401 デファレンシャル装置 403,403 差動制限機構 405 デフケース(回転ケース) 407,407 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 501 デファレンシャル装置 503,503 差動制限機構 505 凸部(回転ケース側に形成された突き当て部) G1〜G6 ギャップ(突き当て部の隙間)
部) 27,29 出力側サイドギア 45 テーパーリング 47,49 コーンクラッチの円錐摩擦面 101 デファレンシャル装置 103,103 差動制限機構 105,105 凸部(サイドギア側に形成された突き
当て部) 201 デファレンシャル装置 203,203 差動制限機構 205 ワッシャ(突き当て部) 301 デファレンシャル装置 303,303 差動制限機構 305 テーパーリングに形成された突き当て部 401 デファレンシャル装置 403,403 差動制限機構 405 デフケース(回転ケース) 407,407 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 501 デファレンシャル装置 503,503 差動制限機構 505 凸部(回転ケース側に形成された突き当て部) G1〜G6 ギャップ(突き当て部の隙間)
フロントページの続き
(72)発明者 塩浜 洋史
栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士産
業株式会社内
Fターム(参考) 3J027 FA34 FA38 FB01 HB07 HB16
HC21 HC29 HD01 HE03 HF06
HG03 HG04 HH01 HH05
Claims (5)
- 【請求項1】 回転ケースに入力する原動機の駆動力を
一対の出力側サイドギアから車輪側に配分する差動機構
の差動制限用摩擦クラッチを、前記サイドギアの噛み合
い反力によって締結する差動制限機構であって、 前記回転ケース側と前記サイドギアとの間に、互いに突
き当たる突き当て部を設け、 前記摩擦クラッチの磨耗が所定値に達すると、前記突き
当て部で前記回転ケースと前記サイドギアとが突き当た
るように、この突き当て部の隙間を設定したことを特徴
とする差動制限機構。 - 【請求項2】 請求項1に記載された発明であって、 前記突き当て部が、前記サイドギアに形成された凸部で
あることを特徴とする差動制限機構。 - 【請求項3】 請求項1に記載された発明であって、 前記突き当て部が、前記回転ケースに形成された凸部で
あることを特徴とする差動制限機構。 - 【請求項4】 請求項1に記載された発明であって、 前記突き当て部が、前記回転ケースと前記サイドギアと
の間に配置されたワッシャであることを特徴とする差動
制限機構。 - 【請求項5】 請求項1に記載された発明であって、 前記摩擦クラッチが、前記回転ケースと前記サイドギア
との間に配置され、回転ケースに支持されたテーパーリ
ングと、前記テーパーリングと前記サイドギアとの間に
形成された円錐摩擦面からなるコーンクラッチであり、 前記突き当て部が、前記テーパーリングに形成されてい
ることを特徴とする差動制限機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002059054A JP2003254408A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 差動制限機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002059054A JP2003254408A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 差動制限機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003254408A true JP2003254408A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28668859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002059054A Pending JP2003254408A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 差動制限機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003254408A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7604562B2 (en) | 2005-08-31 | 2009-10-20 | Engineering Center Steyr Gmbh & Co. Kg | Drive axle for a light vehicle |
JP2010038209A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 | デファレンシャル装置 |
-
2002
- 2002-03-05 JP JP2002059054A patent/JP2003254408A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7604562B2 (en) | 2005-08-31 | 2009-10-20 | Engineering Center Steyr Gmbh & Co. Kg | Drive axle for a light vehicle |
JP2010038209A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 | デファレンシャル装置 |
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