JP2003254262A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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Takao Mizuno
隆夫 水野
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睦憲 松永
Yuichi Yanase
裕一 柳瀬
Yoichi Murai
洋一 村井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体潤滑材としての表面皮膜の密着性向上及
び該表面皮膜が摩耗しても低摩擦係数を維持するスクロ
ール部材を有するスクロール圧縮機を提供する。 【解決手段】 固定及び旋回スクロール部材とフレーム
部材とを有するスクロール圧縮機の摺動部を構成する部
材の少なくとも一方の部材表面には、膜厚が1μmない
し20μm程度の表面潤滑材としての表面皮膜を形成
し、その表面粗さRzの値が1μmないし10μmの凹
凸となる表面粗さ加工を施し、他方部材の表面には、そ
れより小さい値の表面粗さ加工を施すものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動ガスとして例
えば冷媒ガスを用いた冷凍空気調和機に関するもので、
特に、冷凍空気調和機の主機であるスクロール圧縮機に
おける固定または旋回スクロール部材及びフレーム部
材、摺動部の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール圧縮機は、作動ガス
を圧縮するための固定スクロール部材及び旋回スクロー
ル部材と、旋回スクロール部材を旋回運動自在に支持す
る台板を有するフレーム部材と、を備えており、旋回ス
クロール部材が自転することなく旋回運動するに当っ
て、両スクロール部材の鏡板面間もしくは鏡板面とラッ
プ面間で、また、旋回スクロール部材の鏡板背面とフレ
ーム部材の台板面間で摺動部を構成している。
【0003】従来のスクロール圧縮機の前記した摺動部
に関して、特開昭58−57002号公報には、摺動部
の耐摩耗性となじみ性とを満足させる方法として、高周
波焼き入れと化成処理(リューブライト処理)との組合せ
を実施するという方法が開示されている。また、特開平
2001−304149号公報には、スクロールの鏡板
摺動面に複数の凹部を設け、この凹部に油膜を確保する
ことにより、摺動面の焼付きを防ぎ、耐摩耗性及び信頼
性を向上させる方法が開示されている。
【0004】さらに、特開平9−126166号公報に
は、隙間を縮小させる表面処理の効果を充分発揮させ、
取扱いガスの洩れを低減し、高性能のスクロール圧縮機
を提供することを目的として、旋回スクロール部材と固
定スクロール部材の両方にリン酸マンガン塩処理を施
し、その処理層の厚さを固定スクロール部材側より旋回
スクロール部材側でより厚くするという技術が開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクロ
ール圧縮機のスクロール部材の鏡板面にリン酸マンガン
皮膜を施した場合、比較的平滑な面に皮膜を施すことに
なるため、被覆材料の洗浄等が不十分であると、皮膜の
密着性が弱くなるおそれがあり、また、皮膜が摩耗して
母材が露出するようになるとその露出の程度如何によっ
ては摩擦係数が高くなるおそれもある。さらに、前記特
開2001−304149号公報に開示の技術のよう
に、鏡板部に凹部を設けるためには、アルミニウム合金
に硬質アルマイト処理を行い、さらにマスキングを行う
ことから、マスキング工程、エッチング工程等が必要に
なり、工程数が増加してしまうという問題が生じる。
【0006】最近の冷凍空気調和機では、使用する冷媒
混合油の変化により、冷媒自体の有する潤滑効果が期待
できなくなっていることに加えて、圧縮機も高速摺動性
能の要求が高くなってきている関係上、スクロール部材
における摺動部に関し、より一段と高い摺動面の低摩擦
化及び耐焼付き性能の向上が望まれている。
【0007】本発明は、上記した実状に鑑みてなされた
もので、その目的は、スクロール圧縮機の信頼性向上の
意図のもとに、密着性の優れた摺動状態を改善する表面
皮膜を有するスクロール部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明によるスクロール圧縮機は、請求項1ないし
4に記載されたところを特徴とするものであるが、独立
項としての請求項1に係る発明によるスクロール圧縮機
は、作動ガスを圧縮するための固定スクロール部材及び
旋回スクロール部材と、旋回スクロール部材を旋回運動
自在に支持する台板を有するフレーム部材と、を備え、
両スクロール部材の鏡板面間もしくは鏡板面とラップ面
間で、また、旋回スクロール部材の鏡板背面とフレーム
部材の台板面間で摺動部を構成し、該摺動部を構成する
少なくとも一方の部材の母材金属表面に膜厚が1μmな
いし20μm程度のリン酸マンガン皮膜、二硫化モリブ
デン皮膜、PTFE皮膜、二硫化モリブデン及び、また
はPTFEを含む皮膜及びDLC皮膜といった、摺動状
態を改善する表面皮膜(以下単に「表面皮膜」と呼称する)
を形成してなるスクロール圧縮機において、摺動部を構
成する前記一方の部材の母材金属表面には、JIS規格
B0601−1994に定義される、粗さ曲線からその
平均線の方向に基準長さ8mmだけ抜き取り、この抜き
取り部分の平均線から、最も高い山頂から5番目までの
山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番
目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和である10
点平均粗さRz(以下単に「表面粗さRz」と呼称する)の
値が1μmないし10μmの凹凸となる表面粗さ加工を
施すと共に、他方の部材の母材金属表面には、前記一方
の部材の表面粗さRzより小さい値の表面粗さRzの凹
凸となる表面粗さ加工を施したことを特徴とするもので
ある。
【0009】前記目的を達成するため、従属項としての
請求項2に係る発明によるスクロール圧縮機は、請求項
1に記載のものにおいて、表面皮膜がリン酸マンガン皮
膜であることを特徴とするものである。
【0010】同じく、従属順としての請求項3に係る発
明によるスクロール圧縮機は、請求項1または2に記載
のものにおいて、固定スクロール部材、旋回スクロール
部材及びフレーム部材の部材金属が、いずれも鉄系の材
料であり、炭素鋼または鋳鉄であることを特徴とするも
のである。
【0011】同じく、従属項としての請求項4に係る発
明によるスクロール圧縮機は、請求項2または3に記載
のものにおいて、母材金属表面にリン酸マンガン皮膜を
形成してなる前記少なくとも一方の部材を、その母材の
一部が露出するまで研磨し、母材に対してリン酸マンガ
ンの面積比率が30%ないし80%の範囲内にあるよう
にしたことを特徴とするものである。
【0012】同じく、従属項としての請求項5に係る発
明によるスクロール圧縮機は、請求項1または2に記載
のものにおいて、摺動部を構成する前記少なくとも一方
の部材が、固定スクロール部材及びフレーム部材である
ことを特徴とするものである。
【0013】同じく、従属項としての請求項4に係る発
明によるスクロール圧縮機は、請求項1または2に記載
のものにおいて、摺動部を構成する前記少なくとも一方
の部材が、旋回スクロール部材であることを特徴とする
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1に示されるスクロール圧縮機に基づいて説明する。固
定スクロール部材または旋回スクロール部材の少なくと
も一方にリン酸マンガン皮膜を施したスクロール圧縮機
において、前記リン酸マンガン処理を施した母材の摺動
面の表面粗さを、相対する摺動面の表面粗さよりも大き
くする。具体的には、固定スクロール部材と旋回スクロ
ール部材の鏡板及びラップの摺動面、または旋回スクロ
ール部材の鏡板背面とフレーム部材の台座面の摺動面に
おいて、例えば、旋回スクロール部材の摺動面である鏡
板面やラップ面に表面粗さRzが1〜10μmの凹凸と
なるような表面粗さ加工を行い、リン酸マンガン皮膜を
施して、固定スクロール部材の摺動面である鏡板面やラ
ップ面には表面粗さRzを、前記旋回スクロール部材の
表面粗さRzよりも小さい値となる構成とする。また、
旋回スクロール部材の鏡板背面とフレーム部材の台板面
間での摺動部においても、前記と同様の表面粗さ加工や
リン酸マンガン皮膜を形成した構成とする。このよう
に、摺動面の一方の表面粗さRzの値が1μmないし1
0μmの凹凸となるように表面粗さ加工を施すことによ
り、該表面粗さが有する凹凸のアンカー効果によって、
該表面粗さ上に施すリン酸マンガン皮膜の密着性が向上
する。
【0015】図7に示すように、一方の表面粗さRzを
0.8μmとして、もう一方の表面粗さRzの値を変化
させると、表面粗さRzの値が1μmないし10μmの
範囲内にあるとき摩擦係数は低くなる。リン酸マンガン
皮膜を施す母材金属の表面粗さRzの値が1μmないし
10μmの範囲内であれば、リン酸マンガン皮膜は母材
の有する凹凸に倣って形成されるため、リン酸マンガン
皮膜を施した表面には、母材の表面粗さによる凹凸が存
在する。その凹凸とリン酸マンガンの有する凹凸によっ
て、潤滑油の保油効果、冷却効果及び弾性流体潤滑効果
が得られることから、摩擦係数が低減され、耐焼付き性
能の向上が認められた。なお、リン酸マンガン皮膜が摩
耗した場合においても、母材の有する表面粗さによる凹
凸内にリン酸マンガンが存在することによって、潤滑油
の保油効果が得られ、摩擦係数の低減効果が長期に渡り
得られる。
【0016】前記表面粗さRzの値が固定スクロール部
材の摺動面と、旋回スクロール部材の摺動面との間で差
が小さく、しかも両部材ともその表面粗さRzの値が1
μmよりも小さい場合は、リン酸マンガン皮膜を設ける
前工程の洗浄等が不十分であると、リン酸マンガン皮膜
の密着性が弱くなるおそれがある。また、表面に凹凸が
少ないために、弾性流体潤滑効果が得られにくく、上記
の摩擦係数低減や耐焼付き性能の向上効果が少ない。ま
た、表面粗さRzの値が10μmをこえるような場合
は、凹部が深くなるため、摺動面に均一な油膜が得られ
にくくなってしまう。
【0017】所定の表面粗さRzの表面粗さ加工を施し
た母材金属表面に、リン酸マンガン皮膜を形成した部材
については、あらかじめリン酸マンガン皮膜を機械加工
等により母材の一部が露出するまで削り取ってもよい。
その際、リン酸マンガンの占める母材との面積比率が3
0%ないし80%の範囲内にあるようにすることが望ま
しい。リン酸マンガンの面積比率が30%よりも少ない
場合は、潤滑油の保持効果が得られにくく、80%より
も多い場合はなじみが進行するまでに母材の露出部分に
応力が集中しやすくなってしまう。
【0018】以下、表面皮膜がリン酸マンガン皮膜であ
り、母材金属が鋳鉄である場合の本発明の一実施例を図
面に従って述べるが、本発明はこれに限定されるもので
はない。例えば、表面皮膜についていえば、本発明を実
施するに当ってリン酸マンガン皮膜のほかに二硫化モリ
ブデン皮膜、PTFE皮膜、二硫化モリブデン及び、ま
たはPTFEを含む皮膜及びDLC皮膜といった、摺動
状態を改善する表面皮膜を用いることができる。
【0019】図1は、固定スクロール部材11、旋回ス
クロール部材12及びフレーム部材13を有する本発明
に係るスクロール圧縮機1の断面模式図である。図2
は、固定スクロール部材11の鏡板面21とラップ面2
5及び旋回スクロール部材12の鏡板面22とラップ面
26における両スクロール部材の鏡板面間もしくは鏡板
面とラップ面間で、また、旋回スクロール部材12の鏡
板背面23とフレーム部材13の台板面24間で構成さ
れる摺動部を示す図である。各摺動部における母材金属
の表面粗さRzの一例を下記の表1に示す。なお、本発
明における表面粗さRzは、株式会社東京精密製Sur
fcom1400Aを用いて測定したものである。
【表1】
【0020】摩擦係数及び焼付き荷重を測定するため
に、図3に示す試験片を作成して、冷媒と冷凍機油を混
合して、実際のスクロール圧縮機の環境を模擬した摩擦
試験機によって摩擦係数及び焼付き荷重を測定した。こ
の実施例では、固定スクロール部材及びフレーム部材を
模擬したディスク状試験片31には、表面粗さRzの値
が0.5μmの凹凸となるような表面粗さ加工を施し、
旋回スクロール部材を模擬したリング状試験片32に
は、表面粗さRzの値が4.2μmの凹凸となるような
表面粗さ加工を施した。リング状試験片32には、前記
表面粗さ加工を施した後に、リン酸マンガン皮膜を約5
μmの膜厚で形成した。全ての試験片にはFC250を
用いた。
【0021】比較例として、ディスク状試験片31に
は、表面粗さRzの値が0.8μmの凹凸となるような
表面粗さ加工を施し、リング状試験片32には、表面粗
さRzの値が0.4μmの凹凸となるような比較的表面
粗さの差が小さいものを用いて、両試験片に対しリン酸
マンガン皮膜を5μmの膜厚で形成した。摩擦試験は、
毎分回転数550rpmで、荷重ステップ0.5kgf
/cm、保持時間3minで行い、摩擦トルクの急激
な上昇をもって焼付きとして実験を中止した。
【0022】図4は、上記試験片及び試験機を用いて摩
擦係数を測定した結果を示すものである。本実施例の表
面粗さの組合せ例では、PV値が7MPa・m/sにお
いても摩擦係数は0.01以下と非常に小さい摩擦係数
を示した。試験終了後のリン酸マンガン皮膜を形成した
リング状試験片を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察
した結果、母材であるFC250は部分的に露出してい
るが、表面粗さによる凹み部分にはリン酸マンガン皮膜
が多く残存しており、良好な密着性が得られるものであ
った。
【0023】比較例である両試験片ともに表面粗さが1
μmより小さい値で、かつ、表面粗さの差が小さい場合
は、PV値が5MPa・m/sにおいて摩擦係数が高く
なり、信頼性の点で劣ってしまう。試験終了後のリング
状試験片を上記と同様にSEMにより観察すると、初期
の表面粗さが小さいためにリン酸マンガン皮膜の残存が
非常に少なく、母材であるFC250がほぼ全面に露出
してしまっており、密着性の点で劣ってしまうものであ
った。
【0024】また、ディスク状試験片31の摺動面の表
面粗さRzの値が8.3μmの凹凸となり、ディスク状
の試験片32の摺動面の表面粗さRzの値が3.2μm
の凹凸となるように、それぞれ表面粗さ加工を施し、摺
動面の形状を図5に示すように、表面粗さRzの値が小
さい方にリン酸マンガン皮膜15を設け、前記実施例と
同様の試験を行った結果、表面粗さRzの値が大きい方
の表面粗さによる弾性流体潤滑効果によって、前記実施
例と同等の摩擦係数及び耐焼付き性を示した。
【0025】もう一つの実施例として、図6に示すよう
に、一方のディスク状試験片31の摺動面に表面粗さR
zの値が6.0μmの凹凸となるような表面粗さ加工を
施した後、膜厚が5μmのリン酸マンガン皮膜15を設
け、リン酸マンガンと母材の面積比率がリン酸マンガン
40%、母材60%となるように母材の一部が露出する
まで研磨を行い、他方のリング状試験片32には0.5
μmの凹凸となるように、それぞれ表面粗さ加工を施
し、前記実施例と同様の試験を行った結果、初期のなじ
みを速やかに進行させることができ、該表面粗さの凹部
に存在するリン酸マンガンの油保持効果によって前記実
施例と同等の摩擦係数及び耐焼付き性が得られた。
【0026】前記した試験片で実施したような表面粗さ
の組合わせは、固定スクロール部材と旋回スクロール部
材との間で構成される摺動部についても、旋回スクロー
ル部材の鏡板背面とフレーム部材の台板面間で構成され
る摺動部についても、何ら変更を加えることなく、その
まま適用できるものである。
【0027】図1は、本発明の実施対象である固定スク
ロール部材、旋回スクロール部材及びフレーム部材を用
いたスクロール圧縮機の構造を示す断面模式図である。
旋回スクロール部材鏡板における母材金属の表面粗さR
zの値が1μmないし10μmの凹凸となるような表面
粗さ加工を施し、固定スクロール部材鏡板における母材
金属の表面粗さRzの値が前記旋回スクロール部材鏡板
における母材金属の表面粗さRzの値が小さいものとし
て、旋回スクロール部材にリン酸マンガン皮膜を施すこ
とで、リン酸マンガン皮膜の密着性が向上し、リン酸マ
ンガン皮膜が摩耗した場合においても摩擦係数が低減さ
れ、耐焼付き性能が極めて良好なスクロール部材を有す
るスクロール圧縮機が得られる。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、スクロー
ル圧縮機における摺動部を構成するところの固定スクロ
ール部材及び旋回スクロール部材の鏡板面またはラップ
面並びに旋回スクロール部材鏡板背面またはフレーム部
材の台板面の少なくとも一方に表面粗さRzの値が1μ
mないし10μmの凹凸となるような表面粗さ加工を施
し、摺動状態を改善する表面皮膜を設け、他方は前記表
面粗さRzの値よりも小さい値の表面粗さ加工を施すこ
とで、摺動状態を改善する表面皮膜の密着性に優れ、該
表面皮膜が摩耗しても摩擦係数の低く耐焼付き性の優れ
たスクロール部材を備えたスクロール圧縮機が実現され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の対象であるスクロール圧縮機の
縦断面図である。
【図2】図1のスクロール部材及びフレーム部材が構成
している摺動部を示す要部断面図である。
【図3】本発明の実施例を模擬するディスク状試験片及
びリング状試験片の説明図である。
【図4】本発明の一実施例に係る摩擦係数測定結果を示
すグラフ図である。
【図5】本発明の一実施例に係る表面粗さの組合わせ例
である。
【図6】本発明の一実施例に係る表面粗さの組合わせ例
である。
【図7】本発明の一実施例に係る表面粗さと摩擦係数の
関係図である。
【符号の説明】
1 スクロール圧縮機 11 固定スクロール部材 12 旋回スクロール部材 13 フレーム部材 21 固定スクロール部材鏡板 22 旋回スクロール部材鏡板 23 旋回スクロール部材鏡板背面 24 フレーム部材代板面 25 固定スクロール部材ラップ 26 旋回スクロール部材ラップ 31 ディスク状試験片 32 リング状試験片 15 リン酸マンガン皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 30/00 C23C 30/00 C F04C 29/00 F04C 29/00 U (72)発明者 水野 隆夫 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 松永 睦憲 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 柳瀬 裕一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 村井 洋一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB01 BB44 BB50 CC04 CC38 3H039 AA05 AA12 BB04 BB07 BB11 CC04 CC31 CC35 CC41 4K026 AA02 BA05 BB03 BB04 CA23 EA02 EB00 4K044 AA02 AB10 BA12 BA17 BA18 BA19 BA21 BB10 BC01 BC05 BC06 CA07 CA13 CA16 CA18 CA67

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動ガスを圧縮するための固定スクロー
    ル部材及び旋回スクロール部材と、旋回スクロール部材
    を旋回運動自在に支持する台板を有するフレーム部材
    と、を備え、両スクロール部材の鏡板面間もしくは鏡板
    面とラップ面間で、また、旋回スクロール部材の鏡板背
    面とフレーム部材の台板面間で摺動部を構成し、該摺動
    部を構成する少なくとも一方の部材の母材金属表面に膜
    厚が1μmないし20μm程度の表面皮膜を形成してな
    るスクロール圧縮機において、 摺動部を構成する前記少なくとも一方の部材の母材金属
    表面には、表面粗さRzの値が1μmないし10μmの
    凹凸となる表面粗さ加工を施すと共に、他方の部材の母
    材金属表面には、前記一方の部材の表面粗さRzより小
    さい値の表面粗さRzの凹凸となる表面粗さ加工を施し
    たことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記表面皮膜がリン酸マンガン皮膜であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 前記固定スクロール部材、旋回スクロー
    ル部材及びフレーム部材の母材金属が、いずれも鉄系の
    材料であり、炭素鋼または鋳鉄であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 母材金属表面にリン酸マンガン皮膜を形
    成してなる前記少なくとも一方の部材を、その母材の一
    部が露出するまで研磨し、母材に対してリン酸マンガン
    の面積比率が30%ないし80%の範囲内にあるように
    したことを特徴とする請求項2または3に記載のスクロ
    ール圧縮機。
  5. 【請求項5】 摺動部を構成する前記少なくとも一方の
    部材が、固定スクロール部材及びフレーム部材であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のス
    クロール圧縮機。
  6. 【請求項6】 摺動部を構成する前記少なくとも一方の
    部材が、旋回スクロール部材であることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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