JP2002098052A - 密閉型電動圧縮機およびその製造方法 - Google Patents
密閉型電動圧縮機およびその製造方法Info
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Abstract
主軸受とシャフトの間の潤滑油膜が切れて直接接触によ
る摩耗などの表面損傷を起こすことのない信頼性の高い
圧縮機を提供する。 【解決手段】 圧縮機用シャフトを第1研削工程後窒化
処理を行い、更に第2研削工程で表面を研削加工して、
摺動面の硬さを1000HV以上とする。
Description
いられる密閉型電動圧縮機に関するものであり、特にそ
の摺動部品の耐磨耗性向上を図るのに効果のあるもので
ある。
は、圧縮機構がレシプロ式、ローリングピストン式およ
びスクロール式のものがあり、いずれの方法も家庭用、
業務用の冷凍空調分野で使用されている。いずれの方式
の圧縮機も圧縮機構は駆動するシャフトの他にいくつか
の摺動部品で構成されている。ここでは、スクロール式
の圧縮機を例に取り従来の技術を説明する。
を示す。密閉容器1の内部には、固定スクロール2aと
固定スクロール2aに対して旋回運動する可動スクロー
ル2bを噛み合わせた圧縮機構2と軸受部品4を上部に
設けている。そして、可動スクロール2bの軸受2c
を、シャフト5の端部の偏芯軸5aに回転自在に挿入
し、可動スクロール2bをシャフト5の回転運動により
旋回運動させている。シャフト5には電動機7の回転子
7aが取り付けられており、密閉容器1に焼き嵌め固定
された固定子7bとともに軸受部品4の下部に配設され
ている。主軸受8は軸受部品4に環状のブッシュ材を圧
入することにより形成されており、シャフト5に作用す
る径方向の力を支えている。密閉容器1の下方底部には
潤滑油9を貯溜する油だめ10が設けられている。ま
た、密閉容器1の側部には冷媒ガスの吸入管11が設け
られており圧縮機構2へ冷媒ガスを導入している。そし
て、密閉容器1の内部には圧縮側のガス圧力が作用する
構成となっている。シャフト5には潤滑油9を各軸受
部、すなわち主軸受8、偏心軸受6、および各摺動面へ
供給する貫通穴13を設け、かつシャフト5の下端より
潤滑油9を吸い上げるようにしている。16は密閉容器
1の外へ圧縮ガスを出す吐出管である。19は停止時に
可動スクロール2bが逆転するのを防ぐための逆止弁、
20は可動スクロール2bを固定スクロール2aに対し
て旋回運動させるための自転防止用のオルダムリングで
ある。
明する。低圧ガスは吸入管11より戻り、圧縮機構部2
に吸入される。固定スクロール2aに対して可動スクロ
ール2bを自転しないように旋回運動させることによ
り、固定スクロール2aと可動スクロール2bとの間に
形成された複数の圧縮空間が外側から内側に向かって次
第に縮小されて圧縮が行われる。圧縮されたガスは高圧
ガスとなり、一旦マフラー21に吐出された後、密閉容
器1内から吐出管16より密閉容器1外へと吐出され、
再び低圧ガスを循環させ、周知の圧縮サイクルを構成す
る。一方、シャフト5で吸い上げられた潤滑油9は、シ
ャフト5の貫通穴13の中を上昇し、偏心軸受6、主軸
受8および各摺動部を潤滑、冷却して、シャフト5に配
設された微少切り欠き5bから排出され、回転子7aの
連通穴18を通って油だめ10に戻る潤滑サイクルを形
成している。
ズミ鋳鉄材を用い、摺動部には高周波焼入れの表面硬化
処理を行っている。そして、主軸受8は軸受部品4に環
状の裏金付き樹脂複合軸受材あるいは裏金付きメタル軸
受材を圧入することにより形成していた。裏金付き樹脂
複合軸受材は、板厚1.3〜1.8mm程度の鋼板を裏
金に用い、その鋼板上面に多孔質焼結層および樹脂層を
形成した軸受材である。同様に、裏金付きメタル軸受材
は鋼板を裏金に用い、その鋼板上面に銅合金、アルミニ
ウム合金、鉛基ホワイトメタル等の軸受メタル層を形成
した軸受材である。この軸受メタル層はカーボンなどの
硬質物質が分散して含有されている複合タイプである。
性力等のため旋回スクロールには径方向の荷重が作用す
る。この荷重は、その作用する方向がシャフト5の回転
と同じ方向に回転し、偏心軸受6を介して主軸受8で支
持される。すなわち、鋳鉄材料から成るシャフト5は、
ガス圧縮等により発生する非常に大きな荷重で、主軸受
8の内面に押し付けられながら回転運動する。つまり、
シャフト5は常に同じ箇所が主軸受8に押し付けられて
運転する、いわゆる回転荷重となっている。
の構成では、過酷な運転条件において、ガス圧縮等によ
り過大な荷重が発生し主軸受8とシャフト5の間の潤滑
油膜が切れやすくなり、混合潤滑または境界潤滑状態と
なる。そして、そのような状態が続いた場合にはシャフ
ト5の高周波焼き入れによる表面硬化層に摩耗が発生す
ることがあった。
ものであり、耐摩耗性の高いシャフトを提供することを
目的とする。
めに本発明は、研削工程の後に窒化処理を行い、その後
で更に仕上げ研削を行うことで窒化処理による寸法歪の
影響を除去して、耐磨耗性に優れ、かつ寸法精度が得ら
れる製造方法を提供するものである。
後、化合物層の一部を除去しながら仕上げ研削を行い、
その後に第2の窒化処理を行うことにより、窒化処理に
よる寸法歪の影響を少なくし、さらにより確実な窒化処
理を行うことで耐磨耗性に優れ、かつ寸法精度が得られ
る製造方法を提供するものである。
と回転子からなる電動機と、前記回転子に連結されたシ
ャフトを介して駆動される圧縮機構と、前記電動機およ
び圧縮機構を収納する密閉容器とからなる密閉型電動圧
縮機の製造方法であって、前記シャフトは表面を除去す
る第1の研削工程と、第1の研削工程の後で表面を硬化
させる窒化処理工程と、しかる後に表面を直径で0.2
5ミリメートル以下の範囲で除去する第2の研削工程に
より、表面がビッカース硬さ(単位:HV)で1000
HV以上の硬さを有するように製造するものであり、窒
化の拡散層の硬さを安定して有効に使用出来るので、耐
摩耗性が高く精度も良好なシャフトとなり、信頼性の高
い圧縮機を得ることが出来る。
閉型電動圧縮機の製造方法であって、シャフトの材料と
してAl、Cr、MoまたはVの少なくとも一つ以上を
0.2%以上含有する合金を用いたものであり、窒化処
理工程で容易に1000HV以上の硬さを得ることが出
来、第2研削工程後でも安定した表面の硬さとなるため
耐摩耗性の高いシャフトとなり信頼性の高い圧縮機とす
る事が出来る。
閉型電動圧縮機の製造方法であって、シャフトの材料と
して球状黒鉛鋳鉄を用いたものであり、鋼より安価な素
材で加工しやすく従って低価格で耐摩耗性の高いシャフ
トを得ることが出来る。
閉型電動圧縮機の製造方法であって、シャフトの材料と
して下地の硬さが表面から0.04mmの深さにおいて
400HV以上の材料を用いたものであり、この硬さ分
布によりシャフトにかかる荷重を肉厚方向の全体で受け
ることが可能となりより耐摩耗性の高いシャフトとなり
信頼性の高い圧縮機とする事が出来る。
載の密閉型電動圧縮機の製造方法であって、窒化処理工
程の前に高周波焼き入れを行うものであり、高周波焼き
入れの前処理を行うことによりシャフトにかかる荷重を
肉厚方向の全体で受けることが可能となりより耐摩耗性
の高いシャフトとなり信頼性の高い圧縮機を得ることが
出来る。
らなる電動機と、前記回転子に連結されたシャフトを介
して駆動される圧縮機構と、前記電動機および圧縮機構
を収納する密閉容器とからなり、冷媒としてHFC冷媒
を使用する密閉型電動圧縮機の製造方法であって、前記
シャフトは表面を除去する第1の研削工程と、第1の研
削工程の後で表面を硬化させる窒化処理工程と、しかる
後に表面を直径で0.25ミリメートル以下の範囲で除
去する第2の研削工程により、表面が1000HV以上
の硬さを有するように製造するものであり、HFC冷媒
は塩素原子を含まないため極圧剤的潤滑効果に乏しく、
また組み合わされるポリオールエステルの冷凍機油も従
来の鉱油に比べて潤滑性が劣る冷凍サイクルにおいても
シャフトの耐摩耗性が高く信頼性の高い圧縮機を提供す
ることが出来る。
らなる電動機と、前記回転子に連結されたシャフトを介
して駆動される圧縮機構と、前記電動機および圧縮機構
を収納する密閉容器とからなる密閉型電動圧縮機であっ
て、前記シャフトは共晶黒鉛鋳鉄(黒鉛形状「AST
M、D型」主体)からなり、かつ表面が窒化処理されて
HV900以上の硬度を有しているものであり、共晶黒
鉛鋳鉄は球状黒鉛鋳鉄に比べて機械加工性にすぐれてい
るためシャフトの製造コストが安価となり、耐摩耗性が
高く信頼性の高い圧縮機を容易に得ることが出来る。
閉型電動圧縮機であって、窒化処理による化合物層の厚
さを5μm〜20μmとしたものであり、化合物層の厚
さが5μmより薄い場合には信頼性的に不具合が生じる
時があり、また20μmより厚くなるともろいので脱落
しやすくなるので、信頼性が高く脱落しにくい化合物層
とすることが出来る。
密閉型電動圧縮機であって、シャフトの下地硬さを表面
から0.04mmの深さにおいて400HV以上とした
ものであり、この硬さ分布とする事によりシャフトにか
かる荷重を薄い化合物層だけでなく肉厚方向の全体で受
けることが可能となり、より耐摩耗性の高いシャフトと
なり信頼性の高い圧縮機を得ることが出来る。
0記載の密閉型電動圧縮機であって、シャフトが高周波
焼入れされた材料に窒化処理を施したものであり、高周
波焼き入れの前処理を行うことによりシャフトにかかる
荷重を表面の薄い化合物層だけでなく肉厚方向の全体で
受けることが可能となりより耐摩耗性の高いシャフトと
なり信頼性の高い圧縮機を得ることが出来る。
1記載の密閉型電動圧縮機であって、冷媒としてHFC
冷媒を用いたものであり、HFC冷媒は塩素原子を含ま
ないため極圧剤的潤滑効果に乏しく、また組み合わされ
るポリオールエステルの冷凍機油も従来の鉱油に比べて
潤滑性が劣る冷凍サイクルにおいてもシャフトの耐摩耗
性が高く信頼性の高い圧縮機を提供することが出来る。
からなる電動機と、前記回転子に連結されたシャフトを
介して駆動される圧縮機構と、前記電動機および圧縮機
構を収納する密閉容器とからなる密閉型電動圧縮機であ
って、前記シャフトはCrを0.2%以上含む鋳鉄から
なり、かつ表面が窒化処理されて1000HV以上の硬
度を有したものであり、鋳鉄にCrを添加することによ
り窒化処理工程での硬さが得られるため耐摩耗性の高い
シャフトを安定して生産することが出来るので信頼性の
高い安価なスクロール圧縮機を得ることが出来る。
の密閉型電動圧縮機であって、窒化処理による化合物層
の厚さを5μm〜20μmとしたものであり、化合物層
の厚さが5μmより薄い場合には信頼性的に不具合が生
じる時があり、また20μmより厚くなるともろいので
脱落しやすくなるので、化合物層の厚さをこの中間にす
ることにより、信頼性が高く脱落しにくい化合物層とす
ることが出来る。
の密閉型電動圧縮機であって、シャフトの下地硬さが表
面から0.04mmの深さにおいて400HV以上とし
たものであり、この硬さ分布とする事によりシャフトに
かかる荷重を薄い化合物層だけでなく肉厚方向の全体で
受けることが可能となり、より耐摩耗性の高いシャフト
となり信頼性の高い圧縮機を安価に得ることが出来る。
15記載の密閉型電動圧縮機であって、冷媒としてHF
C冷媒を用いたものであり、HFC冷媒は塩素原子を含
まないため極圧剤的潤滑効果に乏しく、また組み合わさ
れるポリオールエステルの冷凍機油も従来の鉱油に比べ
て潤滑性が劣る冷凍サイクルにおいてもシャフトの耐摩
耗性が高く信頼性の高い圧縮機を提供することが出来
る。
からなる電動機と、前記回転子に連結されたシャフトを
介して駆動される圧縮機構と、前記電動機および圧縮機
構を収納する密閉容器とからなる密閉型電動圧縮機の製
造方法で、シャフトや圧縮機構などに使用される摺動部
品が、表面に化合物層と内部に拡散層を生成させる第1
の窒化処理工程と、前記化合物層の一部または前記化合
物層および前記拡散層の一部を除去する表皮除去工程
と、しかる後再度窒化処理を行う第2の窒化処理工程に
より、表面が1000HV以上で下地が表面から0.0
4mmの深さにおいて800HV以上の硬さを有するよ
うに加工したものであり、このような工程で製作するこ
とにより、第2の窒化処理工程は短い時間で1000H
V以上の硬さを小さな変形で得ることが出来、また、硬
さの分布も深いところまで高く維持できるので、非常に
耐摩耗性の高いシャフトを安定して生産することが出来
るので信頼性の高い圧縮機の摺動部品を得ることが出来
る。
の密閉型電動圧縮機の製造方法であって、摺動部品の材
料として、Al、Cr、Mo、Vの内少なくとも一つ以
上の成分を0.2%以上含有する合金を使用したもので
あり、このような元素を添加した材料を用いることによ
り容易に窒化で高い硬さを得ることが出来るので耐摩耗
性が高い摺動部品となり、高負荷でも信頼性の高い圧縮
機を得ることが出来る。
の密閉型電動圧縮機の製造方法であって、一部が除去さ
れた後の摺動部品化合物層の厚さが5μm〜20μmと
なるように切削したものであり、化合物層の厚さが5μ
mより薄い場合には信頼性的に不具合が生じる時があ
り、また20μmより厚くなるともろいので脱落しやす
くなるので、化合物層の厚さをこの中間にすることによ
り、信頼性が高く脱落しにくい化合物層とすることが出
来る。
からなる電動機と、前記回転子に連結されたシャフトを
介して駆動される圧縮機構と、前記電動機および圧縮機
構を収納する密閉容器とからなる密閉型電動圧縮機の製
造方法であって、シャフトや圧縮機構などに使用される
摺動部品を、表面に化合物層と内部に拡散層を生成させ
る第1の窒化処理工程と、前記化合物層の一部または前
記化合物層および前記拡散層の一部を除去すると同時に
仕上げ寸法に加工する研削仕上げ工程と、しかる後再度
窒化処理を行う第2の窒化処理工程により、表面が10
00HV以上で下地が表面から0.04mmの深さにお
いて800HV以上の硬さを有するように加工するもの
であり、この工程を採用することにより、表面および下
地とも硬くする事が出来る。合わせて、第2の窒化処理
工程の前に研削仕上げ加工で形状精度および寸法精度を
確保し第2の窒化処理工程を行うため、第2の窒化処理
工程での変形は抑制され、高精度の高負荷でも耐摩耗性
の高い圧縮機の摺動部品を得ることが出来る。
からなる電動機と、前記回転子に連結されたシャフトを
介して駆動される圧縮機構と、前記電動機および圧縮機
構を収納する密閉容器とからなり、冷媒としてHFC冷
媒を使用する密閉型電動圧縮機の製造方法であって、シ
ャフトや圧縮機構などに使用される摺動部品が、表面に
化合物層と内部に拡散層を生成させる第1の窒化処理工
程と、前記化合物層の一部または前記化合物層および前
記拡散層の一部を除去する表皮除去工程と、しかる後再
度窒化処理を行う第2の窒化処理工程により、表面が1
000HV以上で下地が表面から0.04mmの深さに
おいて800HV以上の硬さを有するものであり、HF
C冷媒は塩素原子を含まないため極圧剤的潤滑効果に乏
しく、また組み合わされるポリオールエステルの冷凍機
油も従来の鉱油に比べて潤滑性が劣る冷凍サイクルにお
いてもシャフトの耐摩耗性が高く信頼性の高い圧縮機を
提供することが出来る。
からなる電動機と、前記回転子に連結されたシャフトを
介して駆動される圧縮機構と、前記電動機および圧縮機
構を収納する密閉容器とからなる密閉型電動圧縮機の製
造方法であって、シャフトや圧縮機構などに使用される
摺動部品が、高周波表面焼き入れ工程、研削加工工程、
窒化処理工程の順に加工され、かつ表面が1000HV
以上で下地が表面から0.04mmの深さにおいて40
0HV以上となるように加工されるものである。このよ
うな工程で製作することにより、表面は硬く下地の硬さ
が深く入る硬さの分布を得ることが出来るので、耐摩耗
性の高い摺動部品となり、高い負荷でも信頼性の高い圧
縮機を得ることが出来る。
の密閉型電動圧縮機の製造方法であって、窒化処理によ
り生成される化合物層の厚さを5μm〜20μmとする
ものであり、化合物層の厚さが5μmより薄い場合には
信頼性的に不具合が生じる時があり、また20μmより
厚くなるともろいので脱落しやすくなるので、化合物層
の厚さをこの中間にすることにより、信頼性が高く脱落
しにくい化合物層とすることが出来る。
の密閉型電動圧縮機の製造方法で、摺動部品の材料とし
てAl、Cr、Mo、Vの内少なくとも一つ以上を0.
2%以上含有する合金を使用したものであり、このよう
な元素を添加した材料を用いることにより容易に窒化で
高い硬さを得ることが出来るので耐摩耗性が高い摺動部
品となり、高い負荷でも信頼性の高い圧縮機を得ること
が出来る。
からなる電動機と、前記回転子に連結されたシャフトを
介して駆動される圧縮機構と、前記電動機および圧縮機
構を収納する密閉容器とからなり、冷媒としてHFC冷
媒が使用される密閉型電動圧縮機の製造方法であって、
シャフトや圧縮機構などに使用される摺動部品を、高周
波表面焼き入れ工程、研削加工工程、窒化処理工程の順
に加工され、かつ表面が1000HV以上で下地が表面
から0.04mmの深さにおいて400HV以上となる
ように加工したものであり、HFC冷媒は塩素原子を含
まないため極圧剤的潤滑効果に乏しく、また組み合わさ
れるポリオールエステルの冷凍機油も従来の鉱油に比べ
て潤滑性が劣る冷凍サイクルにおいてもシャフトの耐摩
耗性が高く信頼性の高い圧縮機を提供することが出来
る。
4、5、または6記載の密閉型電動圧縮機の製造方法
で、シャフトの材料をフェライトとセメンタイトの混合
組織としたものであり、フェライトとセメンタイトの混
合組織の鋼材に窒化処理を行うことにより、窒化後に表
面から0.1mmの深さでの硬さが1000HVを越え
る状態となり、表面を0.25mm研削した後でも表面
の硬さは1000HVを確保した圧縮機用のシャフトを
得ることが出来る。
25記載の密閉型電動圧縮機の製造方法で、摺動部品の
材料をフェライトとセメンタイトの混合組織としたもの
であり、フェライトとセメンタイトの混合組織の鋼材に
窒化処理を行うことにより、窒化後に表面から0.1m
mの深さでの硬さが1000HVを越える状態となり、
表面を0.25mm研削した後でも表面の硬さは100
0HVを確保した圧縮機用の摺動部品を得ることが出来
る。
図面を参照しながら説明する。
実施例におけるスクロール圧縮機用シャフトの要部断面
図、(b)は製作工程図、(c)は窒化処理工程後で第
2研削工程前の断面の硬さ分布曲線図である。ここで図
1(a)に示す圧縮機用シャフト24は、スクロール圧
縮機のシャフトであるため、シャフト以外の圧縮機の構
成は、図6で詳述した従来のスクロール圧縮機と同様な
構成であり、同一機能部品については同一番号を使用す
る。また、従来例と同一の構成および作用の説明は省く
ことにする。
材26を焼嵌めし固定している。カーボン材は、リング
状に成形し焼結したカーボン素材にPb、Sb、Sn、
Cuなどの金属元素を含浸させた後、摺動表面を研削、
研磨して仕上げたものである。環状のカーボン材26の
肉厚は3.5mmとした。軸受部品4にはネズミ鋳鉄材
FC250を用い、シャフト24はAl、Cr、Moを
含む窒化用鋼を用いて製作工程図に従って製作したもの
であり窒化処理後で第2研削工程前の断面の硬さ分布は
図に示す通りとなっており第2の研削工程後の摺動部表
面硬さは、直径で0.25mmすなわち表面から0.1
25mmを研削するのでHV1150となっている。
軸の作用を説明する。固定スクロール(図示せず)に対
して可動スクロール(図示せず)を自転しないように旋
回運動させることにより、固定スクロールと可動スクロ
ールの間に形成される複数の圧縮空間が外側から内側へ
向かって次第に縮小させられ圧縮が行われる。圧縮され
たガスは高圧ガスとなる。この高圧のガス圧力の径方向
成分および慣性力等のため可動スクロールには径方向の
荷重が作用する。この荷重は、偏芯軸24aを介して主
軸受25で支持される。
鋼から成るシャフト24は、ガス圧縮等により発生する
非常に大きな荷重で、主軸受25の内面に押し付けられ
ながら回転運動するため、このシャフト24の回転によ
り主軸受25の内部に形成される油膜の厚さが薄くな
り、潤滑状態が非常に過酷となり、シャフト24と主軸
受25の内面が直接接触する状態、すなわち混合潤滑あ
るいは境界潤滑状態に移行しやすい。
4の摺動部の表面硬さがHV1050を越える硬さにな
る構成としたものであるため、混合潤滑状態あるいは境
界潤滑状態で主軸受25と直接接触することによるシャ
フト24の表面層の磨耗を防止することができるという
作用が生じる。
1、第1研削工程でφ20.1±0.01に加工した後
に窒化処理を行う。その際に窒素が入り込むために約
0.02mm直径が拡大し、全振れで0.08mmの曲
がりが発生する。従って、図1(c)に示す断面の硬さ
分布において表面は直径で最大φ20.13の位置を表
している。この表面からφ20±0.005まで直径の
取り代0.13mmと曲がり0.08mmを含んだ直径
で0.21mm(片側0.105mm)を第2研削工程
で除去加工を行い摺動面として使用している。この場
合、図1(c)の硬さ分布から摺動面の表面は1100
HVの硬さとなっている。また、図1(c)の断面の硬
さ分布に記入したように本工程によれば曲がりを含んで
直径で0.25mmを第2研削工程で除去しても105
0HVの硬さを確保することができる。
寸法公差を抑制することにより、窒化処理工程で発生し
た曲がり、寸法拡大の修正や1000HVをこえる非常
に硬い化合物層の一部または化合物層および拡散層の一
部を除去する研削第2工程では除去加工量が安定するの
で例えばシャフトに砥石を接触させるまでの空研削距離
を短縮することができるので研削第2工程の生産性を向
上できるという作用がある。さらに、研削第2工程での
除去加工量を直径で0.25mm以下と少なくすること
でシャフト24の表面の硬さは1000HV以上(10
50HV)を安定して保つことができ、耐摩耗性の高い
シャフト24を安価に得る事が出来る。
程を実施することにより、軟窒化のように加工完成後に
熱を加えて表面処理を行い、表面を硬くする工程に比べ
てシャフトの直径や曲がりなどの精度を格段に向上させ
ることが出来るので、主軸受25で油膜形成に大きな影
響を及ぼす軸受隙間の不均一や片当たりといった要素を
取り除くことが出来、より信頼性の高いスクロール圧縮
機を提供することが出来るという作用もある。
ましいレベルである。
施すことにより、窒化処理工程で400〜500℃前後
に加熱しても表面から0.05mm程度の下地の硬さを
400HV以上に保つことが出来るので、圧縮機の運転
中の荷重を表面だけでなく下地も含めた肉厚方向の全体
で受けることが可能になるのでより耐摩耗性を向上させ
ることが出来る。
む窒化用鋼で説明したが、それ以外にもVを0.2%以
上含有した合金鋼や球状黒鉛鋳鉄で製作しても同様で耐
摩耗性の高いシャフトが得られるので、信頼性の高いス
クロール圧縮機を提供することが出来る。
実施例におけるスクロール圧縮機用シャフトの要部断面
図、(b)はシャフトの表面近傍断面の硬さ分布を示す
曲線図である。本シャフトは共晶黒鉛鋳鉄で製作されて
おり表面は窒化により1049HVの硬さになってい
る。
は、スクロール圧縮機のシャフトであるため、シャフト
27以外の圧縮機の構成は、図6で詳述した従来のスク
ロール圧縮機と同様な構成であり、同一機能部品につい
ては同一番号を使用する。また、従来例と同一の構成お
よび作用の説明は省くことにする。
材26を焼嵌めして固定している。カーボン材26は、
リング状に成形し焼結したカーボン素材にPb、Sb、
Sn、Cuなどの金属元素を含浸させた後、摺動表面を
研削、研磨して仕上げたものである。環状のカーボンブ
ッシュ材26の肉厚は3.5mmとした。軸受部品4に
はネズミ鋳鉄材FC250を用い、シャフト27には黒
鉛形状がASTM―D型主体の共晶黒鉛鋳鉄を用い製作
したものであり仕上げ加工後に行う窒化処理工程後の摺
動面の表面は図に示すように1049HVの硬さとなっ
ている。
軸の作用を説明する。固定スクロール(図示せず)に対
して可動スクロール(図示せず)を自転しないように旋
回運動させることにより、固定スクロールと可動スクロ
ールの間に形成される複数の圧縮空間が外側から内側へ
向かって次第に縮小させられ圧縮が行われ、圧縮された
ガスは高圧ガスとなる。この高圧のガス圧力の径方向成
分および慣性力等のため可動スクロールには径方向の荷
重が作用する。この荷重は、偏心軸27aを介して主軸
受25で支持される。
は、ガス圧縮等により発生する非常に大きな荷重が偏芯
軸27aにかかることから弾性変形が発生し、主軸受2
5の内面に片当たり状態で押し付けられながら回転運動
するため、このシャフトの回転により軸受内部に形成さ
れる油膜の厚さが片当たり部で極端に薄くなり、潤滑状
態が非常に過酷となり、シャフトと主軸受内面が直接接
触する状態、すなわち混合潤滑あるいは境界潤滑状態に
移行しやすい。
摺動部の表面硬さが1049HVを越える硬さになる構
成としたものであるため、主軸受との片当たりにより発
生する局部的な油膜切れによるシャフト5の表面の磨耗
を防止することができるという作用が生じる。
すことにより(表面近傍断面の固さ分布は図示せず)、
表面から0.3mm程度の下地の硬さを400HV以上
に保つことが出来るので、圧縮機の運転中の荷重を表面
だけでなく下地も含めた肉厚方向の全体で受けることが
可能になるのでより耐摩耗性を向上させることが出来
る。
頼性的に不足しており、また20μmより厚くなるとも
ろいので脱落しやすくなりいずれも摺動面としては不適
合であるため、5μm〜20μmの厚さが良い。
実施例におけるスクロール圧縮機用シャフトの要部断面
図、(b)はシャフトの表面近傍断面の硬さ分布を示す
曲線図である。本シャフトはCrを少なくとも0.2%
含む鋳鉄で製作されており表面は窒化により1032H
Vの硬さになっている。
は、スクロール圧縮機のシャフトであるため、シャフト
以外の圧縮機の構成は、図6で詳述した従来のスクロー
ル圧縮機と同様な構成であり、同一機能部品については
同一番号を使用する。また、従来例と同一の構成および
作用の説明は省くことにする。
材26を焼嵌めして固定している。カーボン材26は、
リング状に成形し焼結したカーボン素材にPb、Sb、
Sn、Cuなどの金属元素を含浸させた後、摺動表面を
研削、研磨して仕上げたものである。環状のカーボン材
26の肉厚は3.5mmとした。軸受部品4にはネズミ
鋳鉄材FC250を用い、シャフト28にはCrを0.
2%以上含む特殊な鋳鉄を用いて製作したものであり仕
上げ加工後に行う窒化処理工程により硬化される摺動面
の表面は図に示すように1032HVを越える硬さとな
っている。
軸の作用を説明する。固定スクロール(図示せず)に対
して可動スクロール(図示せず)を自転しないように旋
回運動させることにより、固定スクロールと可動スクロ
ールの間に形成される複数の圧縮空間が外側から内側へ
向かって次第に縮小させられ圧縮が行われ、圧縮された
ガスは高圧ガスとなる。この高圧のガス圧力の径方向成
分および慣性力等のため可動スクロールには径方向の荷
重が作用する。この荷重は、偏心軸受(図示せず)から
偏芯軸28aを介して主軸受25で支持される。
は、ガス圧縮等により発生する非常に大きな荷重が偏芯
軸27aにかかることから弾性変形が発生し、主軸受2
5の内面に片当たり状態で押し付けられながら回転運動
するため、このシャフト27の回転により主軸受25の
内部に形成される油膜の厚さが片当たり部で極端に薄く
なり、潤滑状態が非常に過酷となり、シャフト27と主
軸受25の内面が直接接触する状態、すなわち混合潤滑
あるいは境界潤滑状態に移行しやすい。
8の摺動部の表面硬さがHV1032を越える硬さにな
る構成としたものであるため、主軸受25との片当たり
により発生する局部的な油膜切れによるシャフト28の
表面の磨耗を防止することができるという作用が生じ
る。
すことにより、表面から0.05mmの下地の硬さを4
00HV以上に保つことが出来るので、圧縮機の運転中
の荷重を表面だけでなく下地も含めた肉厚方向の全体で
受けることが可能になるのでより耐摩耗性を向上させる
ことが出来る。
頼性的に不足しており、また20μmより厚くなるとも
ろいので脱落しやすくなりいずれも摺動面としては不適
合となる。
実施例におけるスクロール圧縮機用シャフトの要部断面
図、(b)はシャフトの表面近傍断面の硬さ分布を示す
曲線図である。本シャフトはAl、Cr、Moを含む窒
化用鋼で製作されており、第1の窒化処理を520℃で
60時間行い表面に化合物層と内部に拡散層を形成した
後、化合物層と拡散層の一部を直径で0.35mm研削
加工により除去した後に、第2の窒化処理を行ったもの
である。表面は第2の窒化処理により1128HVの硬
さとなり、下地は深さ0.1mmで第1の窒化処理によ
る拡散層の硬さから、800HVを越える硬さとなって
いる圧縮機のシャフトである。このような工程で製作す
ることにより、第2の窒化処理工程の直前で第1の窒化
処理工程で生成された化合物層の一部または化合物層と
拡散層の一部を除去加工した後でも第1の窒化処理工程
で窒素が多く含まれた拡散層が残留しているために、第
2の窒化処理工程では短時間で窒素濃度が上昇するので
1000HVを越える硬い化合物層を短い時間で形成す
ることができる。また、第1の窒化処理工程で形成され
た拡散層が残留しているので窒化されるのは表面近傍だ
けであるので曲がりや寸法太りといった変形を小さく抑
制することが出来る。また、第1の窒化処理による拡散
層により硬さの分布も深いところまで高く維持できるの
で、表面も下地(深さ0.1mm)も硬く耐摩耗性が高
く曲がりの少ない高精度のシャフトを安定して生産する
ことが出来るので信頼性の高い圧縮機の摺動部品を得る
ことが出来る。
クロール圧縮機のシャフトであるため、シャフト以外の
圧縮機の構成は、図6で詳述した従来のスクロール圧縮
機と同様な構成であり、同一機能部品については同一番
号を使用する。また、従来例と同一の構成および作用の
説明は省くことにする。
材26を焼嵌めして固定している。カーボン材は、リン
グ状に成形し焼結したカーボン素材にPb、Sb、S
n、Cuなどの金属元素を含浸させた後、摺動表面を研
削、研磨して仕上げたものである。環状のカーボン材2
6の肉厚は3.5mmとした。軸受部品4にはネズミ鋳
鉄材FC250を用い、シャフト29にはCrを0.2
%以上含む窒化用鋼を用いて製作したものであり荒加工
後に窒化処理を行い仕上げ加工において表面の化合物層
を除去し、更に窒化処理を行うという製造工程により硬
化される摺動面の表面は図に示すように1128HVの
硬さとなっている。また、内部の下地(深さ0.1m
m)硬さも1回目の窒化処理の拡散層により硬さは80
0HVを越えており、表面、内部とも非常に硬いシャフ
トとなっている。
軸の作用を説明する。固定スクロール(図示せず)に対
して可動スクロール(図示せず)を自転しないように旋
回運動させることにより、固定スクロールと可動スクロ
ールの間に形成される複数の圧縮空間が外側から内側へ
向かって次第に縮小させられ圧縮が行われ、圧縮された
ガスは高圧ガスとなる。この高圧のガス圧力の径方向成
分および慣性力等のため可動スクロールには径方向の荷
重が作用する。この荷重は、偏心軸受(図示せず)から
偏芯軸29aを介して主軸受25で支持される。
ガス圧縮等により発生する非常に大きな荷重が偏芯軸受
29aにかかることから弾性変形が発生し、主軸受25
の内面に片当たり状態で押し付けられながら回転運動す
るため、このシャフト29の回転により軸受内部に形成
される油膜の厚さが片当たり部で極端に薄くなり、潤滑
状態が非常に過酷となり、シャフトと主軸受内面が直接
接触する状態、すなわち混合潤滑あるいは境界潤滑状態
に移行しやすい。
動部の表面硬さが1000HVを越え下地が800HV
を越える硬さになる構成としたものであるため、主軸受
25との片当たりにより発生する局部的な油膜切れによ
るシャフト29の表面の磨耗を防止することができると
いう作用が生じる。
ると信頼性的に不足しており、また20μmより厚くな
るともろいので脱落しやすくなりいずれも摺動面として
は不適合となる。
実施例におけるスクロール圧縮機用シャフトの要部断面
図(b)はシャフトの表面近傍断面の硬さ分布を示す曲
線図である。シャフトは窒化用鋼で製作されており、荒
加工後に高周波焼き入れを行い、その後仕上げ加工を行
い、さらにその後で窒化処理を行うことにより、表面は
1170HVの硬さとなり、下地は深さ0.05mmで
も400〜500℃で窒化処理を行った後冷却、すなわ
ち焼きなましと同様な熱履歴を経た後でも550HV以
上の硬さを有している圧縮機のシャフトである。また、
荒加工後高周波焼き入れを行うため硬化層を深く入れる
ことができる。従って、仕上げ加工を行った後でも硬化
層が残り、0.15mm深さでHV350の硬さを維持
している。このような工程で製作することにより、下地
が0.05mm深さで550HV以上、0.15mm深
さで350HV以上と生材の210HVに比べて硬いた
め窒化処理で形成する化合物層は薄くても良いので短い
時間で形成できる。なおかつ処理時間が短いので曲がり
や寸法太りといった変形が小さくなり、表面も下地も硬
い、耐摩耗性の高い、曲がりの少ない高精度なシャフト
を安定して生産することが出来るので信頼性の高い圧縮
機の摺動部品を得ることが出来る。
は、スクロール圧縮機のシャフトであるため、シャフト
以外の圧縮機の構成は、図6で詳述した従来のスクロー
ル圧縮機と同様な構成であり、同一機能部品については
同一番号を使用する。また、従来例と同一の構成および
作用の説明は省くことにする。
材26を焼嵌めして固定している。カーボン材は、リン
グ状に成形し焼結したカーボン素材にPb、Sb、S
n、Cuなどの金属元素を含浸させた後、摺動表面を研
削、研磨して仕上げたものである。環状のカーボン材2
6の肉厚は3.5mmとした。軸受部品4にはネズミ鋳
鉄材FC250を用い、シャフト30にはCrを0.2
%以上含む窒化用鋼を用いて製作したものであり荒加工
後に高周波焼き入れを行い仕上げ加工を行った後に窒化
処理を行うという製造工程により硬化される摺動面の表
面は図5(b)に示すように1170HVの硬さとなっ
ている。また、内部の下地硬さも高周波焼き入れによる
硬化層が深くはいるため窒化処理時に400〜500℃
前後まで温度を上げた後でも0.05mmの深さで55
0HV以上、0.15mm深さで350HV以上の硬さ
を維持しており、表面、内部とも硬いシャフトとなって
いる。
軸の作用を説明する。固定スクロール(図示せず)に対
して可動スクロール(図示せず)を自転しないように旋
回運動させることにより、固定スクロールと可動スクロ
ールの間に形成される複数の圧縮空間が外側から内側へ
向かって次第に縮小させられ圧縮が行われ、圧縮された
ガスは高圧ガスとなる。この高圧のガス圧力の径方向成
分および慣性力等のため可動スクロールには径方向の荷
重が作用する。この荷重は、偏心軸受6を介して主軸受
25で支持される。
ガス圧縮等により発生する非常に大きな荷重が偏芯軸受
(図示せず)を介して偏芯軸30aにかかることから弾
性変形が発生し、主軸受25の内面に片当たり状態で押
し付けられながら回転運動するため、このシャフト30
の回転により軸受内部に形成される油膜の厚さが片当た
り部で極端に薄くなり、潤滑状態が非常に過酷となり、
シャフト30と主軸受25の内面が直接接触する状態、
すなわち混合潤滑あるいは境界潤滑状態に移行しやす
い。
0の摺動部表面の硬さが1000HVを越え下地が50
0HVを越える硬さになる構成としたものであるため、
主軸受25との片当たりにより発生する局部的な油膜切
れによるシャフト30の表面の磨耗を防止することがで
きるという作用が生じる。
ると信頼性的に不足しており、20μmより厚くなると
もろいので脱落しやすくなりいずれも摺動面としては不
適合となる。
ール圧縮機用の主軸受の構成を示したが、レシプロ圧縮
機およびロータリー圧縮機など、他の圧縮機の軸受で
も、同様な効果が得られる。また、最終工程として研磨
を行い、研削工程や窒化工程で荒れた表面の粗さの山を
微少に削り落として使用することにより更に高い信頼性
を実現することができる。
FC410Aを、冷凍機油には冷媒HFC410Aに対
して溶解度が乏しいアルキルベンゼン油(粘度31.3
mm2/s @40℃)を用いている。このように、冷
媒に対して溶解度の低い冷凍機油を用いることにより、
シャフトと軸受の隙間に形成される油膜が冷媒に溶解し
にくいため洗い流されにくくなる。さらに、冷媒に溶解
しにくいため潤滑油の粘度低下が僅かとなる。したがっ
て、シャフトと主軸受内面が直接接触することが少なく
なるため、信頼性を向上できる。なお、冷凍機油として
HFCs冷媒に対して溶解性が乏しい鉱油(粘度32m
m2/s @40℃)を用いた場合でも、同様な効果が
得られる。
て相溶するエステル油もしくはエーテル油を用いた場合
でも、本実施例のシャフトを採用することにより、信頼
性を著しく向上できることは言うまでもない。
にはHC冷媒に対して溶解性の高い鉱油もしくはアルキ
ルベンゼン油を用いた場合、冷凍機油の粘度低下が著し
く、主軸受の摺動条件が一層過酷となるが、本実施例の
シャフトを採用することにより、耐摩耗性を向上させる
ことが可能であり、高い信頼性を得ることができる。
は、軸受に作用する荷重が非常に大きくなるため主軸受
の摺動条件が一層過酷となるが、本実施例のシャフトを
採用することにより、同様の効果が得られる。
ュ材に用いた場合について説明したが、これに限らず例
えば、裏金付き樹脂複合軸受材、裏金を有する裏金付き
メタル軸受材、あるいは鋳鉄軸受材の場合でも同様な効
果が得られる。さらに、裏金付き樹脂複合軸受材が、裏
金上に形成した多孔質焼結層31中に樹脂層32を含浸
した層を形成したものであっても勿論良い。
おけるスクロール圧縮機用シャフトの組織の一例であ
る。ここで、本組織の材料で製作したスクロール圧縮機
用シャフトは図1(b)に示す製作工程図に従って製作
され、窒化処理後で第2研削工程前の断面の硬さ分布は
図1(c)に示す通りである。第2の研削工程後の摺動
部表面硬さは、直径で0.25mmすなわち表面から
0.125mmを研削するので1150HVとなってい
る。
軸の作用を説明する。固定スクロール(図示せず)に対
して可動スクロール(図示せず)を自転しないように旋
回運動させることにより、固定スクロールと可動スクロ
ールの間に形成される複数の圧縮空間が外側から内側へ
向かって次第に縮小させられ圧縮が行われる。圧縮され
たガスは高圧ガスとなる。この高圧のガス圧力の径方向
成分および慣性力等のため可動スクロールには径方向の
荷重が作用する。この荷重は、偏芯軸を介して主軸受で
支持される。
鋼から成りかつ、フェライトとセメンタイトが混合した
組織であるシャフトは、ガス圧縮等により発生する非常
に大きな荷重で、主軸受の内面に押し付けられながら回
転運動するため、このシャフトの回転により主軸受の内
部に形成される油膜の厚さが薄くなり、潤滑状態が非常
に過酷となり、シャフトと主軸受の内面が直接接触する
状態、すなわち混合潤滑あるいは境界潤滑状態に移行し
やすい。
摺動部の表面硬さが1050HVを越える硬さになる構
成としたものであるため、混合潤滑状態あるいは境界潤
滑状態で主軸受と直接接触することによるシャフトの表
面層の磨耗を防止することができるという作用が生じ
る。
1、第1研削工程でφ20.1±0.01に加工した後
に窒化処理を行う。その際に窒素が入り込むために約
0.02mm直径が拡大し、全振れで0.08mmの曲
がりが発生する。従って、図1(c)に示す断面の硬さ
分布において表面は直径で最大φ20.13の位置を表
している。この表面からφ20±0.005まで直径の
取り代0.13mmと曲がり0.08mmを含んだ直径
で0.21mm(片側0.105mm)を第2研削工程
で除去加工を行い摺動面として使用している。この場
合、図1(c)の硬さ分布から摺動面の表面はHV11
00の硬さとなっている。また、図1(c)の断面の硬
さ分布に記入したように本工程によれば曲がりを含んで
直径で0.25mmを第2研削工程で除去しても105
0HVの硬さを確保することができる。
寸法公差を抑制することにより、窒化処理工程で発生し
た曲がり、寸法拡大の修正や1000HVをこえる非常
に硬い化合物層の一部または化合物層および拡散層の一
部を除去する研削第2工程では除去加工量が安定するの
で例えばシャフトに砥石を接触させるまでの空研削距離
を短縮することができるので研削第2工程の生産性を向
上できるという作用がある。さらに、研削第2工程での
除去加工量を直径で0.25mm以下と少なくすること
でシャフトの表面の硬さは1000HV以上(1050
HV)を安定して保つことができ、耐摩耗性の高いシャ
フトを安価に得る事が出来る。
程を実施することにより、軟窒化のように加工完成後に
熱を加えて表面処理を行い、表面を硬くする工程に比べ
てシャフトの直径や曲がりなどの精度を格段に向上させ
ることが出来、また主軸受25で油膜形成に大きな影響
を及ぼす軸受隙間の不均一や片当たりといった要素を取
り除くことが出来るので、より信頼性の高いスクロール
圧縮機を提供することが出来るという作用もある。
まし後で得られるソルバイトを基本とする組織のものに
窒化処理を行い使用するのが通常であるが、このソルバ
イトを基本とする組織では表面から0.1mmの深さの
硬さは950HV程度となり、1000HVまで安定し
て硬くすることは困難である。しかしながら、フェライ
トとセメンタイトの混合組織では表面から0.1mmの
深さの硬さで1000HV以上を容易に得ることができ
る。
も、ほぼ等粒状の組織を形成するフェライトと球状化セ
メンタイトの混合組織と、ほぼ斑晶状の組織を形成する
フェライトとパーライトの混合組織とがある。
造後の組織調整熱処理の条件を700〜800℃で肉厚
1インチあたり1時間保持後空冷または800〜900
℃で肉厚1インチあたり1時間保持後、1時間あたり2
0〜100℃の早さで冷却を行い650℃から空冷する
ことにより容易に得ることができる。
ンタイトの混合した組織は700〜800℃で肉厚1イ
ンチあたり1時間保持後空冷または、770〜800℃
で肉厚1インチあたり1時間保持後1時間あたり20〜
100℃の早さで冷却を行い650℃から空冷すれば良
い。
組織は、860〜900℃で肉厚1インチあたり1時間
保持後1時間あたり20〜100℃の早さで冷却を行い
650℃から空冷すれば良い。
後に粗加工と第1研削工程を行い、窒化処理を施すこと
により、表面から0.1mmの深さの硬さは1000H
Vを安定して実現することが出来、また、焼き入れ焼き
戻しより柔らかいので粗加工がしやすく出来るので、耐
摩耗性の高いシャフトや圧縮機、摺動部品を安定して精
算することが出来る。
1記載の発明によれば、第1研削工程後に窒化処理を行
い、更に第2研削工程において直径で0.25mm以下
窒化の化合物層を除去加工し、表面が1000HV以上
の硬さを有するシャフトとする事により、耐摩耗性が非
常に高い密閉型電動圧縮機のシャフトを得ることができ
る。従って、あらゆる運転状態でシャフトと主軸受が直
接接触する状態、すなわち混合潤滑あるいは境界潤滑状
態に移行してもわずかな摩耗とする事ができ、信頼性の
高い圧縮機を提供することができる。
共晶黒鉛鋳鉄で製作、加工し、最後に窒化処理を行うこ
とにより表面の硬さを900HV以上にしたので、耐摩
耗性の高いシャフトを少ない工程数で得ることができ
る。さらに、共晶黒鉛鋳鉄は加工性が良好であるため、
更に製造費用が低下し、安価で耐摩耗性の高いシャフト
となる。従って、あらゆる運転状態でシャフトと主軸受
内面が直接接触する状態、すなわち混合潤滑あるいは境
界潤滑状態に移行してもわずかな摩耗とする事ができ、
信頼性の高い圧縮機をシャフトの製作工程数が少なくか
つ加工もしやすい材料で製作するので安価に提供するこ
とができる。
をCrが含まれた鋳鉄で製作し、仕上げ加工後に窒化処
理で表面硬さを1000HV以上にしたことを特徴とす
る密閉型スクロール圧縮機のシャフトである。鋳鉄にC
rを添加することにより窒化処理工程での硬さが実現し
やすくなり、耐摩耗性の高いシャフトを安定して生産す
ることが出来るので信頼性の高いスクロール圧縮機を得
ることができる。さらにCrを含む鋳鉄は球状黒鉛鋳鉄
に比べて加工が容易であるので安価で耐摩耗性の高いス
クロール圧縮機を得ることができる。従って、あらゆる
運転状態でシャフトと主軸受内面が直接接触する状態、
すなわち混合潤滑あるいは境界潤滑状態に移行してもわ
ずかな摩耗とする事ができ、信頼性の高い圧縮機をシャ
フトの製作工程数が少なくかつ加工もしやすい材料で製
作するので安価に提供することができる。
表面に化合物層と内部に拡散層を生成させた後、化合物
層と拡散層の一部を除去加工し、再び窒化処理を行うこ
とにより、表面が1000HV以上の硬さを有し、下地
が800HV以上の硬さとなる摺動部品を得ることがで
きる。このような工程で製作することにより、第2の窒
化処理は短い時間で1000HV以上の硬さを小さな変
形で得ることが出来、また、硬さの分布も深いところま
で高く維持できるので、耐摩耗性の高い摺動部品を安定
した精度で生産することが出来るので信頼性の高い圧縮
機の摺動部品を得ることが出来る。従って、あらゆる運
転状態でシャフトと主軸受内面が直接接触する状態、す
なわち混合潤滑あるいは境界潤滑状態に移行してもほと
んど摩耗しない状態を実現でき、信頼性の高い圧縮機を
提供することができる。
高周波焼き入れを行い研削仕上げ加工した後に窒化を行
い、表面を1000HV以上の硬さとし、下地を400
HV以上の硬さにした事を特徴とする圧縮機の摺動部品
である。このような工程で製作することにより、表面は
硬く下地の硬さが深い硬さの分布を得ることが出来るの
で、耐摩耗性の高い摺動部品を得ることができる。従っ
て、高負荷でも信頼性の高い圧縮機を得ることが出来
る。
間鍛造後に変態点温度の上下で1インチあたり1時間保
持後、空冷あるいは1時間あたり20℃〜100℃の早
さで冷却してフェライトとセメンタイトの混合した組織
とした上で、粗加工と第1研削工程を行い、窒化処理を
施し、第2研削工程で仕上げることにより、容易に10
00HV以上の表面の硬さを得ることができる。この組
織は、焼き入れ焼き戻しの組織に比べて柔らかいので、
粗加工も容易であり、また、組織調整熱処理も安価と出
来るので、製作コストを抑制することが出来る。従っ
て、高負荷でも信頼性が高く、安価なシャフトや圧縮機
および摺動部品を得ることができる。
断面図 (b)製作工程図 (c)窒化処理工程後で第2研削工程前の断面の硬さ分
布曲線図
断面図 (b)表面近傍断面の硬さ分布曲線図
断面図 (b)表面近傍断面の硬さ分布曲線図
断面図 (b)表面近傍断面の硬さ分布曲線図
断面図 (b)表面近傍断面の硬さ分布曲線図
軸 6 偏心軸受 25 主軸受 26 ブッシュ材
Claims (27)
- 【請求項1】固定子と回転子からなる電動機と、前記回
転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機構
と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器とか
らなる密閉型電動圧縮機の製造方法であって、前記シャ
フトは表面を除去する第1の研削工程と、前記第1の研
削工程の後で表面を硬化させる窒化処理工程と、しかる
後に表面を直径で0.25ミリメートル以下の範囲で除
去する第2の研削工程により、表面が1000HV以上
の硬さを有するように製造されることを特徴とする密閉
型電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項2】シャフトの材料としてAl、Cr、Moま
たはVの内から少なくとも一つを0.2%以上含有した
合金を用いたことを特徴とする請求項1記載の密閉型電
動圧縮機の製造方法。 - 【請求項3】シャフトの材料として球状黒鉛鋳鉄を用い
たことを特徴とする請求項1記載の密閉型電動圧縮機の
製造方法。 - 【請求項4】下地の硬さが表面から0.04mmの深さ
において400HV以上の材料をシャフトに用いたこと
を特徴とする請求項1記載の密閉型電動圧縮機の製造方
法。 - 【請求項5】窒化処理工程の前に高周波焼き入れを行う
ことを特徴とする請求項1乃至4記載の密閉型電動圧縮
機の製造方法。 - 【請求項6】固定子と回転子からなる電動機と、前記回
転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機構
と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器とか
らなり、冷媒としてHFC冷媒を使用する密閉型電動圧
縮機の製造方法であって、前記シャフトは表面を除去す
る第1の研削工程と、前記第1の研削工程の後で表面を
硬化させる窒化処理工程と、しかる後に表面を直径で
0.25ミリメートル以下の範囲で除去する第2の研削
工程により、表面が1000HV以上の硬さを有するよ
うに製造されることを特徴とする密閉型電動圧縮機の製
造方法。 - 【請求項7】固定子と回転子からなる電動機と、前記回
転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機構
と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器とか
らなる密閉型電動圧縮機であって、前記シャフトは共晶
黒鉛鋳鉄(黒鉛形状「ASTM、D型」主体)からな
り、かつ表面が窒化処理されて900HV以上の硬度を
有していることを特徴とする密閉型電動圧縮機。 - 【請求項8】シャフトがC3.00%〜3.80%、S
i2.00%〜3.00%、Mn0.40%〜1.20
%、S0.20%以下、P0.20%以下、Ti0.0
7%〜0.20%を含む共晶黒鉛鋳鉄(黒鉛形状「AS
TM、D型」主体)からなることを特徴とする請求項7
記載の密閉型電動圧縮機。 - 【請求項9】窒化処理による化合物層の厚さが5μm〜
20μmであることを特徴とする請求項7記載の密閉型
電動圧縮機。 - 【請求項10】シャフトの下地硬さが表面から0.04
mmの深さにおいて400HV以上である請求項7記載
の密閉型電動圧縮機。 - 【請求項11】シャフトが、高周波焼入れされた材料に
窒化処理を施したものであることを特徴とする請求項7
乃至10記載の密閉型電動圧縮機。 - 【請求項12】冷媒としてHFC冷媒を用いたことを特
徴とする請求項7乃至11記載の密閉型電動圧縮機。 - 【請求項13】固定子と回転子からなる電動機と、前記
回転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機
構と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器と
からなる密閉型電動圧縮機であって、前記シャフトはC
rを0.2%以上含む鋳鉄からなり、かつ表面が窒化処
理されて1000HV以上の硬度を有していることを特
徴とする密閉型電動圧縮機。 - 【請求項14】窒化処理による化合物層の厚さが5μm
〜20μmであることを特徴とする請求項13記載の密
閉型電動圧縮機。 - 【請求項15】シャフトの下地硬さが表面から0.04
mmの深さにおいて400HV以上である請求項13記
載の密閉型電動圧縮機。 - 【請求項16】冷媒としてHFC冷媒を用いたことを特
徴とする請求項13乃至15記載の密閉型電動圧縮機。 - 【請求項17】固定子と回転子からなる電動機と、前記
回転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機
構と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器と
からなる密閉型電動圧縮機の製造方法であって、シャフ
トや圧縮機構などに使用される摺動部品が、表面に化合
物層と内部に拡散層を生成させる第1の窒化処理工程
と、前記化合物層の一部または前記化合物層および前記
拡散層の一部を除去する表皮除去工程と、しかる後再度
窒化処理を行う第2の窒化処理工程により、表面が10
00HV以上で下地が表面から0.04mmの深さにお
いて800HV以上の硬さを有するように加工されるこ
とを特徴とする密閉型電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項18】摺動部品の材料として、Al、Cr、M
o、Vの内少なくとも一つ以上を0.2%以上含んだ合
金を使用したことを特徴とする請求項17記載の密閉型
電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項19】摺動部品が、一部が除去された後の化合
物層の厚さが5μm〜20μmとなるように切削工程に
より切削されることを特徴とする請求項17記載の密閉
型電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項20】固定子と回転子からなる電動機と、前記
回転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機
構と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器と
からなる密閉型電動圧縮機の製造方法であって、シャフ
トや圧縮機構などに使用される摺動部品が、表面に化合
物層と内部に拡散層を生成させる第1の窒化処理工程
と、前記化合物層の一部または前記化合物層および前記
拡散層の一部を除去すると同時に仕上げ寸法に加工する
研削仕上げ工程と、しかる後再度窒化処理を行う第2の
窒化処理工程により、表面が1000HV以上で下地が
表面から0.04mmの深さにおいて800HV以上の
硬さを有するように加工されることを特徴とする密閉型
電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項21】固定子と回転子からなる電動機と、前記
回転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機
構と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器と
からなり、冷媒としてHFC冷媒を使用する密閉型電動
圧縮機の製造方法であって、シャフトや圧縮機構などに
使用される摺動部品が、表面に化合物層と内部に拡散層
を生成させる第1の窒化処理工程と、前記化合物層の一
部または前記化合物層および前記拡散層の一部を除去す
る表皮除去工程と、しかる後再度窒化処理を行う第2の
窒化処理工程により、表面が1000HV以上で下地が
表面から0.04mmの深さにおいて800HV以上の
硬さを有するように加工されることを特徴とする密閉型
電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項22】固定子と回転子からなる電動機と、前記
回転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機
構と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器と
からなる密閉型電動圧縮機の製造方法であって、シャフ
トや圧縮機構などに使用される摺動部品が、高周波表面
焼き入れ工程、研削加工工程、窒化処理工程の順に加工
され、かつ表面が1000HV以上で下地が表面から
0.04mmの深さにおいて400HV以上となるよう
に加工されることを特徴とする密閉型電動圧縮機の製造
方法。 - 【請求項23】窒化処理により生成される化合物層の厚
さを5μm〜20μmとすることを特徴とする請求項2
2記載の密閉型電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項24】摺動部品の材料としてAl、Cr、M
o、Vの内少なくとも一つ以上を0.2%以上含有する
合金を使用したことを特徴とする請求項22記載の密閉
型電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項25】固定子と回転子からなる電動機と、前記
回転子に連結されたシャフトを介して駆動される圧縮機
構と、前記電動機および圧縮機構を収納する密閉容器と
からなり、冷媒としてHFC冷媒が使用される密閉型電
動圧縮機の製造方法であって、シャフトや圧縮機構など
に使用される摺動部品が、高周波表面焼き入れ工程、研
削加工工程、窒化処理工程の順に加工され、かつ表面が
1000HV以上で下地が表面から0.04mmの深さ
において400HV以上となるように加工されることを
特徴とする密閉型電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項26】シャフトの材料をフェライトとセメンタ
イトの混合組織としたことを特徴とする請求項1、2、
4、5または6記載の密閉型電動圧縮機の製造方法。 - 【請求項27】摺動部品の材料をフェライトとセメンタ
イトの混合組織としたことを特徴とする請求項17乃至
25記載の密閉型電動圧縮機の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000288354A JP2002098052A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | 密閉型電動圧縮機およびその製造方法 |
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JP2000288354A JP2002098052A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | 密閉型電動圧縮機およびその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1457284A2 (en) | 2003-03-10 | 2004-09-15 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Manufacturing a sliding part for a compressor |
JP2010084551A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Hitachi Appliances Inc | 冷媒圧縮機 |
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CN112575159A (zh) * | 2019-09-27 | 2021-03-30 | 安徽美芝精密制造有限公司 | 一种旋转式压缩机滑片的制造方法及旋转式压缩机滑片 |
-
2000
- 2000-09-22 JP JP2000288354A patent/JP2002098052A/ja active Pending
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