JP2003253420A - 鋼の軟窒化法 - Google Patents

鋼の軟窒化法

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JP2003253420A
JP2003253420A JP2002051577A JP2002051577A JP2003253420A JP 2003253420 A JP2003253420 A JP 2003253420A JP 2002051577 A JP2002051577 A JP 2002051577A JP 2002051577 A JP2002051577 A JP 2002051577A JP 2003253420 A JP2003253420 A JP 2003253420A
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Kiyoshi Yaegashi
清 八重樫
Toshinori Kanai
俊憲 金井
Kikuo Osawa
菊雄 大沢
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化合物層を迅速に形成し且つ高品位の化合物
層を形成する事ができる鋼の軟窒化法を提供する。 【解決手段】 有機アルカリ及び又はその塩:5〜40
質量部、グリコールエーテル:10〜50質量部、キレ
ート剤:0.1〜5.0質量部の組成物を水で希釈した
予備洗浄液を用いて洗浄した後軟窒化用の塩浴に浸漬す
る鋼の軟窒化法。軟窒化用の塩浴から取り出した鋼を、
有機アルカリ及び又はその塩:5〜40質量部、グリコ
ールエーテル:10〜50質量部、キレート剤:0.1
〜5.0質量部の組成物を水で希釈した仕上洗浄液を用
いて洗浄し乾燥する鋼の軟窒化法。仕上洗浄液を用いた
後の乾燥は100トール以下の減圧乾燥とすることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】例えばシアン酸ナトリウムや
シアン酸カリウム等が主成分の450〜650℃の溶融
塩(塩浴)中に鋼を例えば2時間浸漬して加熱すると、
鋼の表面には窒素と炭素を含有する化合物層が形成され
るが、この化合物層が形成された鋼は疲れ強さや耐摩耗
性が著しく優れている。この方法は軟窒化法あるいはタ
フトライド法と称せられて広く実施されている。本発明
は、鋼のこの軟窒化法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】軟窒化
法においては、成分、厚さが均一な前記化合物層が短時
間に形成されることが好ましい。前段階の鋼の成形、加
工で鋼の表面にはプレス油や防錆油が付着していが、鋼
の表面にこれ等の汚損物が存在すると、軟窒化の化合物
層の成分、厚さは不均一になり、また化合物層の形成速
度は遅くなる。従ってこれ等の汚損物は、軟窒化処理の
前に、洗浄等により除去しておく事が重要である。
【0003】トリクロロエチレンやフロン等の非水系洗
浄剤は強い洗浄力を有する。従って軟窒化処理の予備洗
浄に用いることが考えられる。しかしこれ等の非水系洗
浄剤は人体に有害であるため、またオゾン層を損なうた
めに、その使用は規制されている。非水系洗浄剤の代替
として水系のアルカリ洗浄剤が知られている。しかし水
系のアルカリ洗浄剤を予備洗浄で用いた場合は、予備洗
浄後の鋼の表面に短時間で錆を発生させるという問題点
がある。
【0004】本発明は、軟窒化処理前の予備洗浄におけ
るこの問題点の解決を第一の課題としている。即ち、ト
リクロロエチレンやフロン等の非水系洗浄剤を用いない
で、鋼の表面の汚損物を十分に除去する事が可能であ
り、かつ洗浄後から溶融塩に浸漬する迄の間に、鋼の表
面に錆が発生する事を十分に防止することが可能な予備
洗浄方法の提供を第一の課題としている。
【0005】鋼の軟窒化法では、鋼の表面に前記の化合
物層を形成するが、この化合物層の組織は網目状で微細
な凹凸構造を有している。鋼の軟窒化法ではこの化合物
層が形成された後で鋼を塩浴から取り出し、これに仕上
洗浄を施し、付着している塩浴成分を水洗により除去す
る。しかし仕上水洗で用いた水は化合物層の微細な凹凸
構造に浸入し、化合物層の表面から除去され難い。この
ため化合物層を形成した鋼の表面には、水が微細な凹凸
構造に浸入し、且つ残留した水に起因する錆が発生し易
いという問題点がある。
【0006】軟窒化法で得られた化合物層は疲れ強さや
耐摩耗性が優れているが、錆が発生すると、疲れ強さや
耐摩耗性が顕著に損なわれる。トリクロロエチレンやフ
ロン等の非水系洗浄剤を用いて化合物層の凹凸に浸入し
ている水を置換すると、化合物層の表面には水が滞留し
ないために錆は発生し難いが、既に述べた如く、これ等
の使用は好ましくない。本発明は更にこの問題点を解決
するもので、即ち塩浴から取り出した後の仕上洗浄にお
ける問題点の解決を第二の課題としている。即ち非水系
洗浄剤を使用しないで、化合物層の表面の錆の発生を十
分に防止することができる新たな仕上洗浄法の提供を第
二の課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)塩浴を
用いる鋼の軟窒化法において、塩浴浸漬前の鋼の予備洗
浄が、 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液により洗
浄する予備洗浄であることを特徴とする、鋼の軟窒化法
である。
【0008】また(2)塩浴を用いる鋼の軟窒化法にお
いて、塩浴浸漬前の鋼の予備洗浄が、アルカリ水溶液で
洗浄したのち、直ちに 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液に接触さ
せる予備洗浄であることを特徴とする、鋼の軟窒化法で
ある。
【0009】また(3)塩浴を用いる鋼の軟窒化法にお
いて、塩浴浸漬前の鋼の予備洗浄が、アルカリ水溶液で
洗浄したのち、直ちに 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液に接触さ
せ、その後に水蒸気洗浄を行う予備洗浄であることを特
徴とする、鋼の軟窒化法である。
【0010】また(4)塩浴を用いる鋼の軟窒化法にお
いて、塩浴浸漬後の鋼の仕上洗浄が、 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液により洗
浄する仕上洗浄であることを特徴とする、鋼の軟窒化法
である。
【0011】また(5)塩浴を用いる鋼の軟窒化法にお
いて、塩浴浸漬後の鋼の仕上洗浄が、水で洗浄したの
ち、直ちに 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液に接触さ
せる仕上洗浄であることを特徴とする、鋼の軟窒化法で
ある。
【0012】また(6)塩浴浸漬前の鋼の予備洗浄が前
記(1)〜(3)のいずれかの予備洗浄であり、かつ塩
浴浸漬後の鋼の仕上洗浄が前記(4)若しくは(5)の
いずれかの仕上洗浄である、鋼の軟窒化法である。
【0013】また(7)塩浴を用いる鋼の軟窒化法にお
いて、前記(1)〜(3)のいずれかの予備洗浄工程
と、塩浴軟窒化工程と、冷却工程と、前記(4)若しく
は(5)の仕上げ洗浄工程と、乾燥工程と、からなる処
理工程により行うことを特徴とする、鋼の軟窒化法であ
る。
【0014】また(8)乾燥工程が、100トール以下
の圧力下で行う減圧乾燥であることを特徴とする前記
(7)の鋼の軟窒化法である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、塩浴を用いる鋼の軟窒化
法の模式説明図である。処理する鋼は、450〜650
℃の塩浴槽2に浸漬して化合物層を形成するが、塩浴槽
2に浸漬する前に、鋼に付着したプレス油や防錆油等の
汚損物は、予備洗浄1において、除去しておく事が好ま
しい。
【0016】この予備洗浄1としては、アルカリ水溶液
で洗浄し、必要に応じてその後更に水洗を施すのが慣用
である。しかしながらアルカリ水溶液を用い、必要に応
じてその後水洗する慣用の方法では、予備洗浄1の終了
後約5分以上が経過すると鋼の表面には薄い錆が発生す
る。
【0017】塩浴槽2に浸漬する前に鋼に薄い錆が発生
すると、塩浴槽2において化合物層の形成速度が遅くな
り、また化合物層の成分や厚さが不均一となりその性能
が損なわれる。従って鋼は予備洗浄1が完了後、約5分
以内に塩浴槽2に浸漬する事となる。多数の処理ロット
数の鋼を同一の塩浴槽2に順次浸漬する際には、先行す
る処理ロットが塩浴槽2から取り出された後で、後行す
る処理ロットを塩浴槽2に浸漬する。従ってこの際に
は、後行する処理ロットの予備洗浄1は、予備洗浄後約
5分以内に塩浴槽2に浸漬できるように、先行する処理
ロットが塩浴槽2から取り出される時刻を予測して行な
うことになるが、このような先行する処理ロットの進行
状況に追従させる予備洗浄は極めて煩瑣である。
【0018】本発明では、図1の予備洗浄は、有機アル
カリ及び又はその塩:5〜40質量部、グリコールエー
テル:10〜50質量部、キレート剤:0.1〜5.0
質量部の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液を
用いて行い、あるいは従来と同様のアルカリ水溶液で洗
浄した後に更にこの洗浄処理液に接触させる事により行
なう。この方法で予備洗浄を行なうと、予備洗浄終了後
4時間が経過しても鋼の表面に錆が発生する事がない。
従って本発明によると塩浴槽で4時間分処理するロット
数の鋼に一括して一度に予備洗浄1を施し、その後は予
備洗浄が完了した処理ロッドを順次塩浴槽に浸漬すれば
よい。従って予備洗浄作業を極めて簡易に行なう事がで
きる。
【0019】水で希釈して本発明の予備洗浄液を作る組
成物に含有されている有機アルカリは、洗浄力を与える
とともに予備洗浄後の鋼に防錆力を付与する。有機アル
カリとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、
モノプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、モルホリン及び/またはその等の塩等を用いること
ができる。その含有量が5質量部未満では防錆力が小さ
い。しかし40質量部では効果が飽和し、それ以上の格
別の効果の向上がない。
【0020】鋼の表面の僅かな汚損物や僅かな錆は鋼の
軟窒化の能率を妨げ、また化合物層の性能を損なう。有
機アルカリ及び/又はその塩は洗浄力を有しかつ防錆力
を有する。しかしこの成分のみでは軟窒化における洗浄
力と防錆力が尚不十分である。本発明ではグリコールエ
ーテル及びキレート剤を更に含有せしめる事により、軟
窒化の能率を更に高め且つ化合物層の性能を更に向上さ
せる。
【0021】グリコールエーテルとしては、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、3メトキ
シブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテートなどを用いることができる。
【0022】グリコールエーテルは分子内にエーテル基
や水酸基といった極性基を有するために、一般的な油の
ほか、極性汚れに対しても溶解性が優れている。10質
量部未満では洗浄力が不十分である。しかし50質量部
超含有せしめても効果の格別の向上はない。
【0023】水で希釈して本発明の予備洗浄液を作る組
成物にはまた、キレート剤を0.1〜5.0質量部含有
せしめる。洗浄中の予備洗浄液には水道水からきたカル
シウムイオンや汚損物からきた鉄イオン等が含まれ、洗
浄作業を妨げる。このため金属封鎖作用を有するキレー
ト剤を含有させる。キレート剤としてはグルコン酸、ク
エン酸、コハク酸などの有機酸及びその塩、トリポリリ
ン酸ソーダなどの縮合リン酸塩、エチレンジアミン四酢
酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ビドロキ
シエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエ
チレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテ
トラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノ
二酢酸(HIDA)及びそれらのナトリウム塩などを用
いることができる。0.1質量部未満では効果が不十分
であるが、5.0質量部超含有させても効果の格別の向
上はない。
【0024】本発明の予備洗浄1においては、上記の組
成物を水で希釈した洗浄処理液を用いる。希釈の程度
は、組成物/水で例えば1/5〜1/100とする事が
できる。
【0025】本発明では、予備洗浄1を、従来と同様の
アルカリ水溶液で洗浄した後で本発明の予備洗浄液と接
触させ、その後更に水蒸気洗浄を施すことにより行なう
こともできる。この水蒸気洗浄は、例えば60℃以上の
水蒸気を吹きつける事により行なうが、処理される鋼は
予備洗浄されると同時に加熱される。従って予備洗浄後
の鋼の表面に残留した水分は蒸発し易く鋼の表面は乾燥
状態となりやすく、塩浴槽2に挿入する鋼は錆が一層発
生し難くなる。
【0026】軟窒化法では、鋼を塩浴2に浸漬し鋼の表
面に化合物層を形成する。化合物層が形成した鋼は塩浴
から取り出し直ちに水洗して、図1の急冷3を行なうと
共に仕上洗浄4により塩浴成分を鋼の表面から除去す
る。この際に形成した化合物層の組織には微細な凹凸が
ある。急冷や水洗で用いた水はこの凹凸に浸入し凹凸内
に捉えられる。この際水洗したままで放置して置くと化
合物層の凹凸に捉えられて表面に残留した水分は化合物
層と反応して錆を発生させる。
【0027】水洗した後でトリクロロエチレンやメチル
エチルケトン等の非水系溶剤を用いて、化合物層の組織
の凹凸内の水を置換して除去する方法があるが、処理方
法が煩瑣であり且つ処理コストも高い。水洗した後で処
理材を加熱して凹凸内の残留水分を追い出す処理方法も
考えられるが、加熱すると、化合物層と凹凸内の水との
錆形成反応が促進される。特開平7−301266号に
は水洗した後で処理材を減圧下に保持して乾燥する方法
が記載されている。この方法によると化合物層の凹凸内
の水の除去は通常の場合よりも促進される。しかし水洗
において用いた水が通常の水道水あるいは蒸留水の場合
は、凹凸内に残留した水の防錆作用が不十分であり、こ
のため減圧下に保持しても錆の発生を完全に防止する事
は難しい。
【0028】本発明者等は、本発明の予備洗浄で用いた
と同じ組成物を水で希釈した洗浄処理液を仕上洗浄4で
用いると、化合物層の錆の発生が顕著に防止できる事を
知得した。この際の希釈の程度は、組成物/水で例えば
1/5〜1/100とする事ができる。本発明のこの仕
上洗浄処理液は、塩浴から取り出した直後の鋼に急冷3
と仕上洗浄4とを兼ねて水の代わりに直ちに使用しても
よいが、塩浴から取り出した直後の急冷は通常の水道水
や蒸留水を用い、その後にこの仕上洗浄処理液を使用す
ることもできる。またこの仕上洗浄液を使用すると大気
中に放置して乾燥させても錆の発生は顕著に防止される
が、更に100トール以下の圧力下で減圧乾燥すると、
錆の発生は一層防止される。
【0029】本発明の仕上洗浄処理液が化合物層の錆発
生防止に極めて有効である理由は必ずしも詳かでない
が、本仕上洗浄処理液に含有された成分が、水洗水の含
有成分として化合物層の凹凸に捉えられた際に、化合物
層に対して強い防錆力を発揮した事によるものと想考さ
れる。
【0030】
【発明の実施の形態及び実施例】<予備洗浄の実施例>
供試鋼としてJIS G4202のSACM645の直径15mm、長さ
150mmの棒鋼20本を1組にして8組を作成した。
同じ組内の棒鋼には同じ予備洗浄を施した。表1の試験
番号はこの組の番号である。
【0031】尚表1の予備洗浄欄で、アルカリ洗浄液は
通常のアルカリ水溶液(日本パーカライジング(株)製、
商品名ファインクリーナーW1118を1/5000に水で
希釈した洗浄液)で、予備洗浄液Aは本発明の予備洗浄
液で、モノエタノールアミン:30質量部、エチレング
リコールモノブチルエーテル:20質量部、グルコン酸
ソーダ:0.5質量部の組成物を、組成物/水で2/1
00に希釈した予備洗浄液、予備洗浄液Bは有機アルカ
リが不十分な比較液でありモノエタノールアミン:2.
5質量部で他の成分及び水との希釈は予備洗浄液Aと同
じ洗浄液、予備洗浄液Cはグリコールエーテルが不十分
な比較例であり、組成物のエチレングリコールモノブチ
ルエーテルが5.0質量部で他の成分及び水との希釈は
予備洗浄液Aと同じ成分の洗浄液、予備洗浄液Dはキレ
ート剤が不十分な比較例であり、組成物のグルコン酸ソ
ーダ:0.06質量部で他の成分及び水との希釈度は予
備洗浄液Aと同じ洗浄液である。
【0032】表1の如く、本発明の予備洗浄液を使用し
ない、試験番号4〜8は、予備洗浄後10分で発錆があ
り、予備洗浄後60分ではほぼ全数の供試材が発錆して
いる。一方試験番号1〜3の本発明例では予備洗浄後1
0分では発錆は全くなく、60分経過しても殆ど発錆が
ない。
【0033】<仕上洗浄の実施例>予備洗浄の実施例と
同様に、供試鋼としてJIS G4202のSACM645の直径15m
m、長さ150mmの棒鋼20本を1組にして、表2の
試験番号9〜18の10組を作成し、同じ組内の棒鋼に
は同じ処理を施した。尚全ての供試鋼は表1の試験番号
2の予備洗浄を施し、予備洗浄後30分後にNaCNO
を主成分とする550℃の塩浴に2時間浸漬したもので
あるが、塩浴に浸漬する前の供試鋼には、発錆は全くな
かった。各供試材はその後塩浴から取り出し、直ちに表
2に示す仕上洗浄をそれぞれ施した。
【0034】尚表2の仕上洗浄液Eは本発明例で、モノ
エタノールアミン:30質量部、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル:20質量部、グルコン酸ソーダ:
0.5質量部の組成物を、組成物/水で2/100に希
釈した処理液、仕上洗浄液Fは組成物のモノエタノール
アミンが2.5質量部で本発明よりも少ないが他の成分
及び水との希釈は仕上洗浄液Eと同じ洗浄液、仕上洗浄
液Gは組成物のエチレングリコールモノブチルエーテル
が5.0質量部で本発明よりも少ないが他の成分及び水
との希釈は仕上洗浄液Eと同じ成分の洗浄液、仕上洗浄
液Hは組成物のグルコン酸ソーダが0.06質量部で本
発明より少ないが他の成分及び水との希釈は仕上洗浄液
Eと同じ成分の洗浄液である。尚表2の減圧下乾燥欄の
なしは大気下での乾燥、有は80トールの減圧下での乾
燥である。
【0035】表2で番号9は減圧下乾燥のない本発明例
であり番号10は減圧下乾燥を行なった本発明例であ
る。仕上洗浄後120分及び仕上洗浄後240分で錆の
発生状況を検査したが、番号9及び番号10の何れの供
試鋼にも錆の発生は全くなかった。試験番号11〜16
は本発明とは異なる仕上洗浄液を用いた例である。この
際には仕上洗浄後120分で錆の発生がみられる。尚試
験番号11〜16の内11,13,15は減圧乾燥のな
い場合で、錆の発生が特に多いが、減圧乾燥を行なった
12,14,16は試験番号11,13,15よりも錆
の発生が少ない。試験番号17,18は格別の仕上洗浄
液を用いないで水道水で仕上洗浄した従来例である。こ
の際にも、減圧乾燥を行なわない試験番号17では多く
の供試材に錆が発生しているが、減圧乾燥した試験番号
18では試験番号17よりも錆の発生が少ない。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の鋼の軟窒化法によると、塩浴浸
漬前の鋼の表面に軟窒化反応を妨げる汚損物や錆がない
ために、塩浴浸漬により性能の優れた均一な化合物層を
迅速に形成することができる。また、塩浴から取り出し
た化合物層を有する鋼の錆の発生を有効に防止する事が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、塩浴を用いる鋼の軟窒化法の模式説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沢 菊雄 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 Fターム(参考) 4H003 DA09 EB06 EB08 EB13 EB14 EB15 EB16 ED29 ED31 FA01 FA03 FA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩浴を用いる鋼の軟窒化法において、塩
    浴浸漬前の鋼の予備洗浄が、 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液により洗
    浄する予備洗浄であることを特徴とする、鋼の軟窒化
    法。
  2. 【請求項2】 塩浴を用いる鋼の軟窒化法において、塩
    浴浸漬前の鋼の予備洗浄が、アルカリ水溶液で洗浄した
    のち、直ちに 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液に接触さ
    せる予備洗浄であることを特徴とする、鋼の軟窒化法。
  3. 【請求項3】 塩浴を用いる鋼の軟窒化法において、塩
    浴浸漬前の鋼の予備洗浄が、アルカリ水溶液で洗浄した
    のち、直ちに 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液に接触さ
    せ、その後に水蒸気洗浄を行う予備洗浄であることを特
    徴とする、鋼の軟窒化法。
  4. 【請求項4】 塩浴を用いる鋼の軟窒化法において、塩
    浴浸漬後の鋼の仕上洗浄が、 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液により洗
    浄する仕上洗浄であることを特徴とする、鋼の軟窒化
    法。
  5. 【請求項5】 塩浴を用いる鋼の軟窒化法において、塩
    浴浸漬後の鋼の仕上洗浄が、水で洗浄したのち、直ちに 有機アルカリ及び/又はその塩 5〜40質量部 グリコールエーテル 10〜50質量部 キレート剤 0.1〜5.0質量部 の割合で含む組成物を水で希釈した洗浄処理液に接触さ
    せる仕上洗浄であることを特徴とする、鋼の軟窒化法。
  6. 【請求項6】 塩浴浸漬前の鋼の予備洗浄が請求項1か
    ら請求項3のいずれかの予備洗浄であり、かつ塩浴浸漬
    後の鋼の仕上洗浄が請求項4若しくは請求項5のいずれ
    かの仕上洗浄である、鋼の軟窒化法。
  7. 【請求項7】 塩浴を用いる鋼の軟窒化法において、請
    求項1から請求項3のいずれかの予備洗浄工程と、塩浴
    浸漬工程と、冷却工程と、請求項4若しくは請求項5の
    仕上げ洗浄工程と、乾燥工程と、からなる処理工程によ
    り行うことを特徴とする、鋼の軟窒化法。
  8. 【請求項8】 乾燥工程が、100トール以下の圧力下
    で行う減圧乾燥であることを特徴とする請求項7の鋼の
    軟窒化法。
JP2002051577A 2002-02-27 2002-02-27 鋼の軟窒化法 Pending JP2003253420A (ja)

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