JP2003253233A - ホットメルト接着剤粉末分散液 - Google Patents

ホットメルト接着剤粉末分散液

Info

Publication number
JP2003253233A
JP2003253233A JP2002053498A JP2002053498A JP2003253233A JP 2003253233 A JP2003253233 A JP 2003253233A JP 2002053498 A JP2002053498 A JP 2002053498A JP 2002053498 A JP2002053498 A JP 2002053498A JP 2003253233 A JP2003253233 A JP 2003253233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
melt adhesive
hot
fiber
fibers
hot melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002053498A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Ogawa
正則 小川
Kuninori Ito
邦矩 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya Oil Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nagoya Oil Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya Oil Chemical Co Ltd filed Critical Nagoya Oil Chemical Co Ltd
Priority to JP2002053498A priority Critical patent/JP2003253233A/ja
Priority to TW92103987A priority patent/TW200304485A/zh
Priority to AU2003200682A priority patent/AU2003200682A1/en
Publication of JP2003253233A publication Critical patent/JP2003253233A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、耐熱性、強接着性を有するホ
ットメルト接着剤粉末分散液、およびそれを使用した熱
接着性を有する製品を提供することである。 【解決手段】本発明は、上記課題を解決するために、水
にブロック多価イソシアネートを含むホットメルト接着
剤の粉末を分散せしめた分散液であって、該分散液の安
定剤として増粘剤、望ましくはアルカリ増粘タイプの増
粘剤を使用したことを特徴とするホットメルト接着剤粉
末分散液を提供するものである。上記ブロック多価イソ
シアネートを含むホットメルト接着剤は、該ホットメル
ト接着剤の接着温度に加熱すると該ブロック多価イソシ
アネートをブロックしているブロック剤が解離してイソ
シアネート基が解離し、該イソシアネート基の反応によ
り硬化して耐熱性のある強接着を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布、不織布等にホ
ットメルト接着剤の粉末を付着させる場合等に用いられ
るホットメルト接着剤粉末分散液、それを用いた熱接着
性シート、内装材、熱成形性繊維シートおよびカーペッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、布や不織布に熱接着性を与える
ために、該布や不織布の表面にホットメルト接着剤粉末
が塗布される。該ホットメルト接着剤が塗布された不織
布等からは通気性の良好な成形物、例えば自動車等に使
用される内装材が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ホットメルト接着剤粉
末が塗布された不織布等をホットプレスして成形物を製
造する際の成形温度は、通常、ホットメルト接着剤の軟
化点以上に設定される。従ってホットメルト接着剤粉末
が塗布される不織布等が上記軟化点以上の温度の耐熱性
を有していない場合、該不織布等が劣化するという問題
があり、特に自動車用内装材等のようにその外観に美観
性が求められる成形物においては重大な問題となってい
た。ところで軟化点の低いホットメルト接着剤を使用す
ることも考えられるが、そのようなホットメルト接着剤
を使用して得られる成形物は、該ホットメルト接着剤の
軟化点以上の温度では、ホットメルト接着剤が溶融軟化
して該成形物の表面に滲出する等の問題が発生するの
で、該ホットメルト接着剤を使用することは望ましくな
い。そこで本発明の課題は、成形温度が低くかつ成形後
は高い耐熱性を有するホットメルト接着剤の粉末を水に
分散させたホットメルト接着剤粉末分散液、およびそれ
を用いた熱接着性シート、内装材、熱性形成繊維シート
およびカーペットを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するための手段として、水にブロック多価イソシ
アネートを含むホットメルト接着剤の粉末を分散せしめ
たホットメルト接着剤粉末分散液を提供するものであ
る。また更に、水にブロック多価イソシアネートを含む
ホットメルト接着剤の粉末を分散せしめた分散液であっ
て、該分散液の安定剤として増粘剤を使用したホットメ
ルト接着剤粉末分散液を提供するものである。
【0005】例えば本発明のホットメッルト接着剤分散
液に使用される増粘剤としては、アルカリ増粘タイプの
増粘剤があり、更に該アルカリ増粘タイプの増粘剤とし
ては、アルカリ増粘タイプのアクリル系共重合体エマル
ジョンであることが望ましく、あるいは該アルカリ増粘
タイプの増粘剤としては、微架橋型のポリアクリル酸で
あることが望ましい。
【0006】本発明のホットメルト接着剤分散液を使用
すれば、例えば、基材シートの一方の面に、上記ホット
メルト接着剤粉末分散液をスプレー塗布した後、乾燥し
て得られる熱接着性シートを提供することが出来る。な
お基材シートには、合成樹脂が含浸されていることが望
ましく、また該基材シートは通気性を有するものであ
り、該基材シートの一方の面に該ホットメルト接着剤粉
末分散液をスプレー塗布するときに、該基材シートの他
方の面から吸引するのが好ましい。
【0007】また更に本発明のホットメルト接着剤分散
液を使用した上記熱接着性シートを表皮材(3) として、
該表皮材(3) が内装材基材の表面に接着されてなる内装
材(1) 、上記ホットメルト接着剤粉末分散液を繊維にス
プレー混合した後、該繊維をシート状に加工した熱成形
性繊維シート、該熱成形性繊維シートを成形した繊維シ
ート成形物、およびカーペット本体の裏面に、上記ホッ
トメルト接着剤粉末分散液をスプレー塗布した後、乾燥
することによって点状に散在するバッキング層を形成し
たカーペットを提供することが出来る。該カーペットに
おいて、該バッキング層には他のシートが接着していて
もよい。
【0008】
【作用】本発明のブロック多価イソシアネートを含むホ
ットメルト接着剤の粉末を、水に分散させたホットメル
ト接着剤水分散液を塗布した布や不織布等を、該ホット
メルト接着剤の軟化点以上であって、かつ該ブロック多
価イソシアネートの分解温度(ブロック剤が遊離する温
度)以上の温度(接着温度)で加熱する。接着温度では
該ホットメルト接着剤は軟化して接着性が発現すると共
に該ブロック多価イソシアネートが分解してイソシアネ
ート基が遊離して反応硬化する。反応硬化後、本発明の
ホットメルト接着剤の軟化点は、反応前のホットメルト
接着剤の軟化点よりも高くなる。したがって本発明のホ
ットメルト接着剤を使用した成形物は、その成形物を製
造する際の成形温度以上の温度に対する耐熱性を有する
ようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔ホットメルト接着剤粉末分散液〕本発明において用い
られるホットメルト接着剤は、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系
樹脂、または該ポリオレフィン系樹脂の変性物、ポリ塩
化ビニリデン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエス
テル共重合体、ポリアミド、ポリアミド共重合体等の単
独または二種以上の混合物であり、かつカルボキシル
基、水酸基、アミノ基等のイソシアネート基と反応可能
な活性水素を含む官能基が含まれるものであればよい。
本発明においてホットメルト接着剤は更にブロック多価
イソシアネートと共に使用される。
【0010】上記ブロック多価イソシアネートとは、一
分子中にイソシアネート基を少なくとも2個以上有する
多価イソシアネートのイソシアネート基がブロック剤で
ブロックされたものである。該多価イソシアネートとし
ては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルジイソシアネート、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジフェニルジイソシアネート、3,3’−
ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルジイ
ソシアネート、2−クロロ−1,4−フェニルジイソシ
アネート、1−クロロ−2,4−フェニレンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、2,2’,5,5’−テトラメ
チル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、m−
キシリレンジイソシアネート、ω−キシリレンジイソシ
アネート、ω’−キシリレンジイソシアネート等のジイ
ソシアネートが挙げられ、該多価イソシアネートは、そ
れぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用されても
よい。
【0011】上記多価イソシアネートのイソシアネート
基をブロックするブロック剤としては、種々の活性水素
を含む化合物であって、多価イソシアネート化合物のイ
ソシアネート基をブロックすることが出来、かつ所望の
温度で解離してイソシアネート基を遊離することが出来
るものであれば何でもよい。例えば、低級アルコール
(メタノール、エタノール等)、フェノール類、脂肪族
メルカプタン(エチルメルカプタン等)、芳香族メルカ
プタン(β−チオナフトール等)、青酸、第2級芳香族
アミン(N−メチルアニリン等)、オキシム(アセトオ
キシム、シクロヘキサノンオキシム等)、活性メチレン
化合物(ジエチルマロネート、アセチルアセトン、アセ
ト酢酸エチル等)、ラクタム(ε−カプロラクタム
等)、重亜硫酸塩等がブロック剤として用いることがで
きる。
【0012】本発明のホットメルト接着剤は、通常50
〜300メッシュ程度のサイズの粉末とされる。また本
発明において上記ブロック多価イソシアネートは、通
常、上記ホットメルト接着剤の粉末中に含有させて使用
されるが、ホットメルト接着剤粉末の水分散液に、別途
用意したブロック多価イソシアネートのエマルジョンを
加えて本発明のホットメルト接着剤水分散液を調整して
もよい。なお上記ブロック多価イソシアネートの上記ホ
ットメルト接着剤に対する使用量は、該ホットメルト接
着剤の活性水素を有する官能基の種類、および数量より
適宜、検討して決定されるものであるが、通常、ホット
メルト接着剤100重量部に対して、該ブロック多価イ
ソシアネートは1〜100重量部、好ましくは5〜60
重量部使用される。
【0013】本発明のブロック多価イソシアネートは、
加熱によりブロック剤が解離して遊離のイソシアネート
基を有する多価イソシアネートとなり、該イソシアネー
ト基が軟化状態にあるホットメルト接着剤の活性水素を
有する官能基と反応してホットメルト接着剤を架橋す
る。本発明のホットメルト接着剤は、多価イソシアネー
トによって架橋されると、架橋されていない状態のホッ
トメルト接着剤が有する軟化点よりも高い軟化点を有す
るようになる。
【0014】なお本発明において使用されるホットメル
ト接着剤およびブロック多価イソシアネートの組合せと
しては、通常、該ホットメルト接着剤の軟化点の温度よ
りも、該ブロック多価イソシアネートのブロック剤が解
離する温度の方が高い関係にある組合せが選択される。
【0015】本発明において分散安定剤として用いられ
る増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸塩類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ース、メトキシセルロース、アルギン酸塩類、ポリエチ
レンオキサイド、澱粉、変性澱粉等の水溶性高分子があ
るが、特に望ましい増粘剤としてはアルカリ増粘タイプ
の増粘剤がある。上記アルカリ増粘タイプの増粘剤にお
いて、望ましい第1の増粘剤は、アルカリ増粘タイプの
アクリル系共重合体エマルジョンであり、望ましい第2
の増粘剤は、微架橋型のポリアクリル酸である。該アル
カリ増粘タイプのアクリル系共重合体としては、アクリ
ル酸エステルとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体
や、アクリル酸エステルと、該アクリル酸エステルと共
重合可能な他のビニル単量体と、α,β−不飽和カルボ
ン酸との多元共重合体等を使用することができる。
【0016】該アクリル酸エステルとしては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレ
ート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、
2-エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメ
タクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチル
メタクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチル
ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ステアリ
ルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、β−ヒド
ロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、β
−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロキシプ
ロピルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリ
レート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げ
られる。
【0017】該α,β−不飽和カルボン酸としては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、クロトン酸、アトロパ酸、シトラコン酸等が挙げら
れる。
【0018】上記アクリル酸エステルと共重合可能な他
のビニル単量体としては、例えば、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル等のエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン等
のスチレン類、(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基
含有単量体、(メタ)アクリロイルイソシアネート、m
−イソプロペニル−α,α―ジメチルベンジルイソシア
ネート等のイソシアネート基含有単量体、ジアセトンア
クリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N―ビニルア
セトアミド等のアミド基含有単量体、p−スルホン酸ス
チレン、2−(アクリロイルアミノ)−2−メチルプロ
パンスルホン酸等のスルホン基含有単量体、メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカ
プト基含有単量体等が挙げられる。
【0019】上記アクリル系共重合体エマルジョンにお
いて、該α,β−不飽和カルボン酸は、該α,β−不飽
和カルボン酸をアルカリによって塩にしたときに、該ア
クリル系共重合体が水溶性になるのに十分な量で該アク
リル系共重合体に含まれる。該α,β−不飽和カルボン
酸の量は、上記アクリル酸エステル、他のビニル単量体
または該α,β−不飽和カルボン酸の種類によって異な
るが、通常、共重合体中に20〜60重量%、好ましく
は30〜50重量%含まれる。
【0020】上記アクリル系共重合体は、その水溶性に
悪影響を及ぼさない程度に架橋されていてもよい。この
場合には、該共重合体中にジビニルベンゼン、メチレン
ビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロール
プロパンメタクリレート、ジアリルフタレート等の多官
能ビニル単量体を導入する。
【0021】上記アルカリ増粘タイプのアクリル系共重
合体エマルジョンを増粘剤としたホットメルト接着剤粉
末分散液を調製するには、まず、該アクリル系共重合体
エマルジョンおよびホットメルト接着剤の粉末を水に添
加攪拌して、分散液とするのが好ましい。この段階で
は、該アクリル系共重合体エマルジョンは増粘していな
いため、均一に水に分散させることは極めて容易であ
る。なお、該ホットメルト接着剤の粉末は、アクリル系
共重合体エマルジョンと同時に水に添加する必要はな
く、任意の段階で水に添加すればよいが、好ましくは増
粘前に添加する。
【0022】上記ホットメルト接着剤粉末は、通常水に
1〜60重量%の範囲で分散され、また上記アクリル系
共重合体エマルジョンは、アルカリ増粘後の該ホットメ
ルト接着剤分散液の粘度が50〜2000 mPa・s/2
5℃となるように該水に添加される。例えば、エチルア
クリレートとメタクリル酸とを6:4の重量比で共重合
させた共重合体の30重量%エマルジョンを使用する場
合、該エマルジョンの添加量は0.1〜10重量%程度
である。上記のようにアクリル系共重合体エマルジョン
およびホットメルト接着剤の粉末を水に添加し、均一に
混合したら、アルカリを添加する。そうすると、該アク
リル系共重合体に含まれるα,β−不飽和カルボン酸に
由来するカルボン酸が塩となり、該共重合体は水溶性と
なって該分散液を増粘する。
【0023】該アルカリとしては、アンモニア、アミ
ン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類
金属の水酸化物;石灰等のアルカリ土類金属の酸化物;
炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、
燐酸ナトリウム等のアルカリ金属の弱酸塩類等を使用す
ることができる。該アルカリの添加量は、通常分散液の
pHが6〜9程度になるのを目安として決定する。
【0024】このようにアルカリ増粘タイプのアクリル
系共重合体エマルジョンを増粘剤としたホットメルト接
着剤粉末分散液は、塑性流動を示し、該ホットメルト接
着剤粉末の沈降が実質的に防止される。
【0025】一方、望ましい第2の増粘剤である微架橋
型のポリアクリル酸は、通常、以下の析出重合法によっ
て製造することができる。溶媒として、アクリル酸は溶
解し、ポリアクリル酸は溶解しないもの、例えばベンゼ
ン、酢酸エチル、シクロヘキサン、トルエン等の有機溶
剤またはこれらの混合物を使用し、該溶媒中にてアクリ
ル酸、架橋剤及び重合開始剤を混合する。
【0026】架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼ
ン、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、エ
チレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジメ
タクリレート等の多官能ビニル単量体や、アリルサッカ
ロース等の糖類などを使用することができる。該架橋剤
は、アクリル酸に対して通常1%以下、好ましくは0.
05%前後の量で使用される。
【0027】重合開始剤としては、例えば、過酸化ベン
ゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサナート、t−ブ
チルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオ
デカノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド等の過酸化物系重合開始剤や、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メ
チルブチロニトロニトリル、2,2’−アゾビス−2,
4’−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−
2−シクロプロピルプロピオニトリル、2,2’−アゾ
ビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニ
トリル、2−フェニラゾ−4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−
ジメチレンイソブチラミジン等のアゾ系重合開始剤を使
用することができる。
【0028】以上のようにして溶媒中にてアクリル酸を
重合させると、微架橋型のポリアクリル酸が粉状に析出
する。析出したポリアクリル酸は、乾燥させて粉末とす
る。このようにして得られるポリアクリル酸は、水溶性
が維持される程度の低密度で架橋されている。なお、該
ポリアクリル酸の架橋密度が高くなると、該ポリアクリ
ル酸は水膨潤性になって水に溶解し難くなり、架橋密度
が更に高くなると水不溶性になる。
【0029】上記微架橋型のポリアクリル酸を増粘剤と
したホットメルト接着剤粉末分散液を調製するには、ま
ず、該微架橋型のポリアクリル酸およびホットメルト接
着剤の粉末を水に添加攪拌して、分散液とするのが好ま
しい。この段階では、該微架橋型のポリアクリル酸はあ
まり増粘しておらず、また継粉になり難いため、均一に
水に分散させることは比較的簡単である。なお、該ホッ
トメルト接着剤の粉末は、微架橋型のポリアクリル酸と
同時に水に添加する必要はなく、任意の段階で水に添加
すればよいが、好ましくは増粘前に添加する。
【0030】上記ホットメルト接着剤粉末は、通常水に
1〜60重量%の範囲で分散され、また上記微架橋型の
ポリアクリル酸は、最終的に(中和増粘させる場合も含
めて)該ホットメルト接着剤分散液の粘度が50〜20
00 mPa・s/25℃となるように該水に添加される。
【0031】上記のように水に添加した微架橋型のポリ
アクリル酸は、溶解して該水(分散液)を増粘するが、
更に粘度を上げるためには、アルカリで中和する。アル
カリで中和すると、該ポリアクリル酸のポリマー骨格に
沿ってマイナス電荷が発生し、該マイナス電荷が相互に
反発することにより、屈曲・湾曲している該ポリマー骨
格が伸び、該水を更に増粘(または少量で増粘)せしめ
ることができる。
【0032】該アルカリとしては、アンモニアや、トリ
エタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノ
メチルプロパノール、トロメタミン、テトラヒドロキシ
プロピルエチレンジアミン等のアミン類を使用するのが
好ましいが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使
用することもできる。該アルカリの添加量は、通常分散
液のpHが6〜9程度になるのを目安として決定する。
【0033】なお、上記微架橋型のポリアクリル酸中に
おけるカルボキシル基の一部は、アルカリによってあら
かじめ塩にされていてもよいが、中和度が高いと水に分
散したときに継粉になり易いため、中和度は継粉になら
ない程度に低く設定する必要がある。
【0034】このように微架橋型のポリアクリル酸を増
粘剤としたホットメルト接着剤粉末分散液は、塑性流動
を示し、該ホットメルト接着剤粉末の沈降が実質的に防
止される。
【0035】なお、本発明のホットメルト接着剤粉末分
散液における増粘剤として、アルカリ増粘タイプのアク
リル系共重合体エマルジョンと、微架橋型のポリアクリ
ル酸とを併用することもできる。
【0036】上記ホットメルト接着剤粉末分散液には、
例えば高級アルコールサルフェート(Na塩またはアミ
ン塩)、アルキルアリルスルホン酸塩(Na塩またはア
ミン塩)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(Na塩ま
たはアミン塩)、アルキルナフタレンスルホン酸塩縮合
物、アルキルホスフェート、ジアルキルスルホサクシネ
ート、ロジン石鹸、脂肪酸塩(Na塩またはアミン塩)
等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアル
キロールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアマイ
ド、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレン
ソルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性
剤、オクタデシルアミンアセテート、イミダゾリン誘導
体アセテート、ポリアルキレンポリアミン誘導体または
その塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチルアミノエチルアルキルアミドハロゲニ
ド、アルキルピリジニウム硫酸塩、アルキルトリメチル
アンモニウムハロゲニド等のカチオン性界面活性剤等の
界面活性剤の一種または二種以上を分散剤として添加し
てもよい。
【0037】また、上記ホットメルト接着剤粉末分散液
には、更に、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、アルギン酸等のナトリウム、カリウム、リチウム等
のアルカリ金属塩、ポリエチレンオキサイド等の水溶性
合成高分子、トロロアオイ、グルテン、ビロウドアオ
イ、ノリウツギ等の植物性粘質物からなる水溶性天然高
分子等の曳糸性増粘剤;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹
脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フッ素系樹
脂、熱可塑性アクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル、
熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、レゾ
ルシン樹脂、アルキルレゾルシン樹脂等の熱硬化性樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体等の合成樹脂エマルジョン;アクリ
ルゴム、ブチルゴム、ケイ素ゴム、ウレタンゴム、フッ
化物系ゴム、多硫化物系ゴム、グラフトゴム、ブタジエ
ンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソ
ブチレンゴム、ポリブテンゴム、イソブテン−イソプレ
ンゴム、アクリレート−ブタジエンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ピ
リジン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、
アクリロニトリル−クロロプレンゴム、スチレン−クロ
ロプレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレ
ン−水素添加ポリオレフィン−スチレン共重合体、ブタ
ジエン−スチレンプロック共重合体、スチレン−ゴム中
間ブロック−スチレン共重合体等のブロック共重合体等
の合成ゴムまたはエラストマーの粉末またはそれらのエ
マルジョンを添加してもよい。更に必要ならば、炭酸カ
ルシウム、タルク、石膏、シリカ、カーボンブラック、
木粉、クルミ粉、ヤシガラ粉、澱粉等の充填剤、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ
メチルセルロース等のセルロース類、顔料、染料、難燃
剤、防炎剤、防虫剤、防腐剤、老化防止剤、紫外線吸収
剤、蛍光染料、界面活性剤、発泡剤、あるいはパラフィ
ン、ワックス、シリコーン等の軟化剤、撥水剤、撥油
剤、離型剤、可塑剤等を添加してもよい。
【0038】なお、上記ホットメルト接着剤の粉末を水
に分散せしめた分散液が、上記第三成分によってまたは
別途添加されたアルカリによってアルカリ性になってい
る場合には、該分散液に上記アルカリ増粘タイプの増粘
剤を添加混合することにより増粘せしめることができ
る。
【0039】上記ホットメルト接着剤粉末分散液の被塗
面への塗布方法としては、該分散液に直接高圧を加えて
該分散液をエアスプレーする方法が好ましい。かかる方
法によれば、該ホットメルト接着剤粉末分散液の粘度が
高い場合であっても、該分散液を効率よくスプレー塗布
することができる。このとき、該ホットメルト接着剤粉
末分散液は必ずしも攪拌する必要はないが、攪拌しても
よい。塗布量は、通常、固形分として1〜100g/m
2 である。
【0040】なお、上記ホットメルト接着剤粉末分散液
は、あらかじめ高濃度で製造しておき、使用時に水で所
望の濃度に希釈して使用してもよい。
【0041】以上のようにしてスプレー塗布された該ホ
ットメルト接着剤粉末分散液は、構造粘性を有するた
め、被塗面にけばがあっても該けばの間に入り込まず、
該けば表面に付着し、乾燥後には被塗面の表面にホット
メルト接着剤粉末が効率良く付着した状態が得られる。
また、該ホットメルト接着剤粉末分散液は沈降のない状
態で塗布されるため、該ホットメルト接着剤粉末は被塗
面に均一に付着し得る。
【0042】〔熱接着性シート〕本発明の熱接着性シー
トは、上記ホットメルト接着剤粉末分散液を基材シート
の一方の面にスプレー塗布した後、乾燥することにより
得られるものである。かかる熱接着性シートの表面に
は、上述した通りホットメルト接着剤粉末が効率良くか
つ均一に付着している。該熱接着性シートにおいては、
接着圧は点的に及ぼされるから有効かつ均一に働き、ま
た該基材シートが通気性を有する場合には、該通気性も
阻害されない。
【0043】上記基材シートとしては、例えばポリエス
テル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化
ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維
等の合成繊維、パルプ、木綿、羊毛、ヤシ繊維、麻繊
維、竹繊維等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラ
ミック繊維、石綿等の無機繊維、あるいはこれらの繊維
を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再
生繊維等の一種または二種以上の繊維からなる編織物ま
たは不織布、あるいはポリウレタン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル等のプラスチックの連続気泡体シートや多孔性シー
ト等を使用することができる。
【0044】上記基材シートには、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ
素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステ
ル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ウレタン樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体等の熱可塑性合成樹脂および/またはウレタ
ン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、尿素樹
脂、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、アルキルレゾル
シン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステル等のよ
うな熱硬化性合成樹脂が含浸されていてもよい。
【0045】このように基材シートに合成樹脂を含浸せ
しめると、該合成樹脂による目止め効果により、該基材
シートの裏面に斑点状に塗布されているホットメルト接
着剤の軟化物が圧着時に該基材シートの表面に移行して
こない。したがって、該熱接着性シート、例えば表皮材
の表面はこのようなホットメルト接着剤の移行によるブ
ツブツが存在せず、見栄えが向上する。更に該基材シー
トに含浸されている合成樹脂は、該基材シートの剛性を
高め、該基材シートの温度変化や湿度変化に対する寸法
安定性を向上せしめる。
【0046】該合成樹脂の含浸量は、通常2〜500g
/m2 とする。該基材シートに合成樹脂を含浸させるに
は、上記合成樹脂の溶液またはエマルジョンに浸漬する
か、あるいは該溶液またはエマルジョンをスプレーガ
ン、ロールコーター、ナイフコーター等によって該基材
シートの片面または両面に塗布し、その後乾燥させる。
該合成樹脂の溶液またはエマルジョンには、発泡剤が添
加されていてもよい。該合成樹脂として熱硬化性合成樹
脂を含浸させた場合には、上記乾燥の時点で該熱硬化性
合成樹脂を加熱硬化させてもよい。
【0047】また、上記基材シートには、フッ素系、シ
リコーン系の撥水剤、撥油剤や、難燃剤、防炎剤、紫外
線吸収剤等が塗布または含浸されていてもよい。
【0048】上記ホットメルト接着剤粉末分散液のスプ
レー塗布量は、通常固形分として1〜100g/m2
ある。上記基材シートが通気性を有するものである場合
には、該基材シートにおける分散液塗布面と反対の面か
ら吸引するのが好ましい。このように吸引することによ
り、該ホットメルト接着剤粉末のスプレー時の衝撃によ
る跳ね返りを防止し、該ホットメルト接着剤粉末を該基
材シート表面に確実に吸着させることができる。
【0049】上記のように分散液をスプレー塗布した
ら、該基材シートを加熱乾燥する。該加熱乾燥の条件と
しては、使用したホットメルト接着剤の融点以上でかつ
該ホットメルト接着剤に含まれているブロック多価イソ
シアネートのブロック剤が解離する温度以下の温度であ
り、通常70℃以上で1〜10分程度である。該加熱乾
燥によってホットメルト接着剤は溶融し、該基材シート
に仮接着される。該基材シートに熱硬化性合成樹脂が含
浸されている場合は、この加熱乾燥の時点で該熱硬化性
合成樹脂を硬化させてもよい。
【0050】以上のようにして得られる本発明の熱接着
性シートは、自動車内装材の表皮材や、自動車内装材の
基材の裏打ち材、あるいは衣服等の芯材等に使用するこ
とができる。
【0051】本発明の熱接着性シートにあっては、該分
散液塗布面をガスヒーター、蒸気ヒーター、遠赤外線加
熱、電熱加熱等の通常行われる加熱方法によって接着温
度に加熱し、所定の対象物に接着する。上記接着温度は
該ホットメルト接着剤の軟化温度以上でかつ該ブロック
多価イソシアネートの分解温度以上の温度に設定する。
上記熱接着性シートの接着には通常圧着が適用され、ま
た接着と同時に成形を行ってもよい。上記熱接着におい
て、該ブロック多価イソシアネートは分解し、イソシア
ネート基を遊離し、該多価イソシアネート相互あるいは
該ホットメルト接着剤が活性水素を有する官能基を有し
ている場合には該多価イソシアネートと該ホットメルト
接着剤の官能基とが反応し架橋が生成され、耐熱性のあ
る強接着が得られる。
【0052】〔内装材〕本発明の内装材は、上記熱接着
性シートを表皮材として、該表皮材が内装材基材の表面
に接着されてなるものである。上記熱接着性シートを表
皮材として使用する場合、上記基材シートは、人工皮
革、レザー、繊維編織物、不織布、あるいはこれらとポ
リウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレ
ン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体
等のプラスチック発泡体との積層材等とするのが好まし
い。
【0053】上記内装材基材としては、例えばポリエス
テル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リアミド繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、ウレタン
繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、
アセテート繊維、レーヨン、キュプラ等の合成繊維、パ
ルプ、木片等の木質繊維、木綿、羊毛、絹、麻、ケナフ
繊維、ヤシ繊維等天然繊維、ガラス繊維、石綿、セラミ
ック繊維、カーボン繊維、金属繊維等の無機繊維、また
は上記繊維の二種以上の混合繊維、あるいは上記繊維を
使用した製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維
をポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性
ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ウレタン
樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体等の熱可塑性合成樹脂やウレタン
樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、尿素樹
脂、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、アルキルレゾル
シン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステル等のよ
うな熱硬化性合成樹脂、ウレタン樹脂プレポリマー、エ
ポキシ樹脂プレポリマー、メラミン樹脂プレポリマー、
尿素樹脂プレポリマー、フェノール樹脂プレポリマー、
ジアリルフタレートプレポリマー、アクリルオリゴマ
ー、多価イソシアネート、メタクリルエステルモノマ
ー、ジアリルフタレートモノマー等のプレポリマー、オ
リゴマー、モノマー等の合成樹脂前駆体で結着した繊維
シート、該繊維のカードウェブをニードルパンチングに
よって結着したニードルパンチフェルト、該ニードルパ
ンチフェルトに上記合成樹脂および/または合成樹脂前
駆体を含浸せしめた合成樹脂含浸フェルト、上記繊維に
融点200℃以下のポリエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の低融点繊
維の一種または二種以上を混合し所望なればニードルパ
ンチングおよび/または加熱セッティングによって結着
した熱可塑性フェルト、ポリウレタン、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル等の合成樹脂発泡体シート、上記繊維を
補強繊維として混合した繊維補強合成樹脂発泡体シー
ト、上記合成樹脂および/または合成樹脂前駆体を上記
合成樹脂発泡体シートに含浸せしめた合成樹脂含浸合成
樹脂発泡体シート、上記合成樹脂および/または合成樹
脂前駆体を含浸した厚紙や故紙、あるいは上記基材の二
種以上を積層した積層基材等がある。
【0054】上記内装材基材に使用される合成樹脂また
は合成樹脂前駆体には発泡剤が添加されたものであって
もよい。上記内装材基材は、結着剤もしくは含浸剤とし
て使用されている合成樹脂もしくは合成樹脂前駆体また
は低融点繊維等によって成形性を付与される。
【0055】上記内装材基材においては、上記熱硬化性
合成樹脂の初期縮合物を多孔質材料に含浸せしめること
が望ましく、更には該初期縮合物を含浸した多孔質材料
を加熱乾燥すると共に該初期縮合物を若干縮合せしめて
B状態とすることが望ましい。
【0056】該多孔質材料に含浸させた初期縮合物をB
状態とすることにより、該初期縮合物の硬化時間を短く
することができ、短時間のホットプレスにより該内装材
基材に良好な成形性を付与することができると共に、該
内装材基材は長期間の保管が可能となる。かかる内装材
基材においては、ホットプレスによってB状態の熱硬化
性合成樹脂が完全硬化するため、形状保持性および耐熱
性に優れた内装材基材が得られる。
【0057】該熱硬化性合成樹脂の初期縮合物として
は、一価フェノールおよび/または多価フェノールとア
ルデヒドとの初期縮合物であるフェノール系初期縮合物
を使用するのが好ましく、該フェノール系初期縮合物
は、スルホメチル化および/またはスルフィメチル化す
るのが好ましい。
【0058】上記多孔質材料としては、不織布、フェル
ト、編織物、それらの積層物等の繊維集合体;連続気泡
を有するポリウレタン発泡体、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡
体、ポリスチレン発泡体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の
アミノ系樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体等の連続起
泡構造プラスチック発泡体;プラスチックビースの焼結
体等がある。
【0059】上記表皮材を上記内装材基材に接着するに
は、該表皮材の裏面に付着形成されたホットメルト接着
剤粉末を加熱軟化させた上で、両者を貼り合わせる。該
内装材基材を所望の形状に成形する場合、該内装材基材
の成形は、該表皮材を貼り合わせる前、該表皮材を貼り
合わせる時同時に、または該表皮材を貼り合わせた後の
いずれの時点で行ってもよい。
【0060】成形方法としては、ホットプレス方法や、
該内装材基材に熱可塑性の合成樹脂または低融点繊維が
含まれている場合には、通常該内装材基材を加熱して該
熱可塑性合成樹脂または低融点繊維を軟化させた上で冷
間プレス成形する方法、あるいは表皮材が非通気性の場
合には真空成形する方法が適用され、該内装材基材に熱
硬化性の合成樹脂が含まれている場合には、通常該内装
材基材をホットプレス成形する方法が適用される。
【0061】上記表皮材が通気性を有し、かつ内装材基
材に表皮材を貼り合わせてから成形する場合には、該内
装材基材に含まれている空気または該内装材基材に含ま
れている合成樹脂から発生するガス(例えばフェノール
樹脂の場合にはホルマリンガス、多価イソシアネートの
場合には水または炭酸ガス)は、成形時にホットメルト
接着剤粉末(の軟化物)相互の間隙を通過して、表皮材
から順調に外界へ排出されるので、製造される内装材に
はパンク現象が発生せず、また残存ガスによる臭気の問
題も解消される。
【0062】本発明の内装材は、種々の用途に使用する
ことができ、例えば、自動車のトランクルーム内装材や
ダッシュボード内装材等として好適である。該内装材に
おいて、ホットメルト接着剤粉末による接着剤層は点状
に散在しているため、該接着剤層の剛性は内装材の成形
形状や表面の凹凸形状に影響せず、したがって該内装材
の成形形状や凹凸形状がシャープに成形される。また表
皮材が通気性の場合は該接着剤層も通気性を有するの
で、得られる内装材は優れた防音性を有する。
【0063】〔熱成形性繊維シートおよび繊維シート成
形物〕本発明の熱成形性繊維シートは、上記本発明のホ
ットメルト接着剤粉末分散液を繊維にスプレー混合した
後、該繊維をシート状に加工して得られるものであり、
本発明の繊維シート成形物は、該熱成形性繊維シートを
成形したものである。
【0064】該繊維としては、上記熱接着性シートにお
ける基材シートを構成する繊維と同様の繊維を使用する
ことができ、通常綿状体としてホットメルト接着剤粉末
分散液と混合する。該繊維に対する該分散液の混合量
は、5〜40重量%程度であるのが好ましい。該ホット
メルト接着剤粉末分散液は、スプレーによって繊維に混
合されるため、該分散液中のホットメルト接着剤粉末は
繊維に均一に混合され易い。該分散液をスプレーすると
き、該繊維を攪拌すれば、更に均一性を向上させること
ができる。
【0065】上記分散液を混合した繊維は、例えば梳毛
機によってカードウェブとし、該カードウェブを複数層
重ねてフリースとする。該フリースには所望なればニー
ドルパンチングが施され、その後通常は熱処理される。
熱処理は通風乾燥機による熱風加熱等により行われ、該
分散液中のホットメルト接着剤粉末を軟化せしめて繊維
を相互に結着する。
【0066】このようにして製造された繊維シート原反
は所望の寸法に裁断され、該ホットメルト接着剤の軟化
点以上の温度で加熱した上でコールドプレスを行い、繊
維シート成形物とすることができる。なお、該繊維シー
トに非通気性フィルムを積層した場合には、真空成形を
適用することもできる。
【0067】得られた繊維シート成形物は、自動車の天
井材、ドアトリム、リアパーセル、トランクルーム内装
材、あるいは建造物の断熱材、ドア面材等に使用され
る。
【0068】本発明では、上記ホットメルト接着剤粉末
分散液を繊維にスプレーして混合するため、ホットメル
ト接着剤粉末は繊維に均一に混合され易く、したがって
均一な物性の熱成形性繊維シート、更には繊維シート形
成物が得られる。
【0069】〔カーペット〕本発明のカーペットは、カ
ーペット本体の裏面に、上記本発明のホットメルト接着
剤粉末分散液をスプレー塗布した後、乾燥することによ
って点状に散在するバッキング材を形成したものであ
る。本発明におけるカーペットの種類は特に限定される
ことなく、基布にパイル糸をタフティングすることによ
ってパイル部を形成したタフトカーペットであってもよ
いし、繊維層の一方または両方の側からニードルパンチ
ングを行って繊維を絡合および/または起毛させたニー
ドルパンチカーペットであってもよい。
【0070】本発明におけるカーペット本体は、例えば
ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、
ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテ
ート繊維等の合成繊維、パルプ、木綿、絹、羊毛、ヤシ
繊維、麻繊維、ケナフ繊維、竹繊維等の天然繊維、ガラ
ス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿等の無機繊
維、またはこれらの繊維を使用した繊維製品のスクラッ
プを解繊して得られた再生繊維等の一種または二種以上
の繊維によって構成される。
【0071】本発明では、上記カーペット本体の裏面
に、上記ホットメルト接着剤粉末分散液をスプレー塗布
する。このスプレー塗布によれば、ロールコーター、ナ
イフコーター等の装置を使用する場合よりも、必要な量
のバッキング材を効率良くカーペット本体の裏面に塗布
形成することができ、原料コストの低減を図ることがで
きる。
【0072】上記ホットメルト接着剤粉末分散液スプレ
ー塗布量は、通常、固形分として2〜500g/m2
ある。この分散液をカーペット本体の裏面にスプレー塗
布する際、該カーペット本体を表側から吸引するのが好
ましい。このようにして塗布した上記本発明分散液は、
構造粘性を有するため、被塗面にけばがあっても該けば
の間に入り込まず、けば表面に付着する。したがって、
乾燥後には、被塗面表面にホットメルト接着剤粉末が効
率良く付着し、かつ点状散在した状態が得られる。
【0073】カーペット本体の裏面にホットメルト接着
剤粉末分散液をスプレー塗布した後、そのカーペット本
体を乾燥する。乾燥は、該カーペット本体に塗布したホ
ットメルト接着剤の融点以上の温度による加熱下で行う
のが好ましく、通常70℃以上で1〜10分程度であ
る。この乾燥によって、カーペット本体に塗布した熱可
塑性樹脂は、得られるカーペットのバッキング材とな
る。
【0074】このようにして製造されるカーペットにお
いては、バッキング材が点状に散在形成されるため、該
カーペットは通気性に優れたものとなる。特に、該カー
ペットを車両用のフロアカーペットとして使用すると、
優れた吸音性を発揮する。
【0075】本発明のカーペットにおいては、カーペッ
ト本体の裏面に形成されたバッキング材に、更に他のシ
ートを接着してもよい。他のシートの種類としては、カ
ーペットの使用目的に応じて適宜選択することができ、
例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、アクリ
ル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化
ビニリデン繊維、アセテート繊維、レーヨン、キュプラ
等の合成繊維、パルプ、木片等の木質繊維、木綿、羊
毛、絹、麻、ケナフ繊維、ヤシ繊維等の天然繊維、もし
くはガラス繊維、石綿、セラミック繊維、カーボン繊
維、金属繊維等の無機繊維からなる繊維シート、または
上記繊維の二種以上の混合繊維からなる繊維シート、ま
たは上記繊維を使用した製品のスクラップを解繊して得
られた再生繊維をポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチ
レン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル
樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱
可塑性ウレタン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可塑性合成
樹脂やウレタン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル
樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、ア
ルキルレゾルシン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエ
ステル等のような熱硬化性合成樹脂、あるいはウレタン
樹脂プレポリマー、エポキシ樹脂プレポリマー、メラミ
ン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマー、フェノー
ル樹脂プレポリマー、ジアリルフタレートプレポリマ
ー、アクリルオリゴマー、多価イソシアネート、メタク
リルエステルモノマー、ジアリルフタレートモノマー等
のプレポリマー、オリゴマー、モノマー等の合成樹脂前
駆体で結着した繊維シート、該繊維のカードウェブをニ
ードルパンチングによって結着したニードルパンチフェ
ルト、上記ニードルパンチフェルトに上記合成樹脂およ
び/または合成樹脂前駆体を含浸させた合成樹脂含浸繊
維シート、上記繊維に融点200℃以下のポリエチレン
繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリア
ミド繊維等の低融点繊維の一種または二種以上を混合
し、所望なればニードルパンチングおよび/または加熱
セッティングによって結着した熱可塑性フェルト、ポリ
ウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂
発泡体シート、上記繊維を補強繊維として混合した繊維
補強合成樹脂発泡体シート、上記合成樹脂および/また
は合成樹脂前駆体を上記合成樹脂発泡体シートに含浸さ
せた合成樹脂含浸合成樹脂発泡体シート、上記合成樹脂
および/または合成樹脂前駆体を含浸した厚紙や故紙、
あるいは上記繊維シートの二種以上を積層した積層繊維
シート等がある。上記繊維シートに使用される合成樹脂
または合成樹脂前駆体には、発泡剤が添加されてもよ
い。
【0076】上記接着は、カーペットを裏面から加熱し
てバッキング材を軟化させ、該カーペットの裏面側に他
のシートを重ね合わせ、圧着することにより行えばよ
い。本発明のカーペットを特に車両用のフロアカーペッ
トとして使用する場合には、通常フェルト、発泡体シー
ト等からなるサイレンサーをプレス成形型の下型にセッ
トし、該カーペットのバッキング材を軟化させた後、該
プレス成形型に導入し、プレス成形を施す。このような
プレス成形により、該カーペットと該サイレンサーとを
車両のフロア形状に適合する形状に成形し、それと同時
に、該カーペットと該サイレンサーとを接着することが
できる。
【0077】更にこの場合、上記カーペットを裏面から
加熱してバッキング材を軟化させるか、あるいはカーペ
ット本体の裏面にホットメルト接着剤粉末分散液をスプ
レー塗布した後、乾燥させることなく直ちに該カーペッ
トの裏面側にサイレンサーを重ね合わせて圧着加熱乾燥
してフロアカーペット原反とし、該原反を所定寸法に裁
断して熱成形することによってフロアカーペットとして
もよい。熱成形は通常原反裁断物を加熱して冷間プレス
成形するか、あるいは原反裁断物をホットプレス成形す
ることによって行う。
【0078】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定され
るものではない。 〔実施例1〕メチレンジフェニルジイソシアネート(M
DI)とエチレンイミン(アジリジン(ブロック剤))
からなるブロック多価イソシアネート(ブロック剤の解
離温度は130℃)を10重量%含有する粒度200メ
ッシュ全通のポリアミド接着剤粉末(軟化点100℃)
30重量部を、水70重量部に分散させ、均一になるよ
うに攪拌してホットメルト接着剤粉末分散液A(粘度:
120mPa ・s/25℃)を調製した。
【0079】〔実施例2〕上記実施例1と同様にして調
製したポリアミド接着剤粉末分散液に、増粘剤として3
0%固形分のアクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体
のエマルジョン1.8重量部を攪拌しながら加え、該分
散液を攪拌によって均一にした後、更に25%アンモニ
ア水1.5重量部を加えて増粘せしめることによりホッ
トメルト接着剤粉末分散液B(粘度:500mPa ・s/25
℃)を調製した。
【0080】〔比較例1〕実施例1において、ブロック
剤を使用しない他は同様にしてホットメルト接着剤粉末
分散液C(粘度:110mPa ・s/25℃)を調製した。
【0081】上記実施例1、2および比較例1において
調製されたホットメルト接着剤粉末分散液A,B,Cを
それぞれ使用し、以下に示す熱接着性シートの表皮材お
よび内装材を製造した。
【0082】上記分散液A、BおよびCが塗布される表
皮材の材料(基材シート)として、ポリエステル繊維か
らなるニードルパンチ不織布(目付量120g/m2
を使用した。
【0083】図1に示すように、表皮材(3) はロール(1
5)から引き出され、ネット、フェルト等からなる通気性
ベルトコンベア(16)上に導入され、該ベルトコンベア(1
6)裏面に当接されている吸収ボックス(17)によって裏側
から真空吸引された。該吸引ボックス(17)には、バルブ
(19)付きの真空経路(18)が連結している。この状態で該
表皮材(3) 表面に対して上方からスプレー装置(20)によ
って上記ホットメルト接着剤粉末分散液A、B、Cがス
プレーされた。該スプレー装置(20)のスプレータンク(2
1)には該分散液A、B、Cが充填されており、該分散液
A、B、Cは攪拌機(23)によって攪拌されつつ、圧力管
(22)から導入される高圧空気によって加圧され、スプレ
ーされる。
【0084】上記ホットメルト接着剤粉末分散液A、
B、Cは上記スプレーによって上記表皮材(3) の表面に
固形分として15g/m2 (乾燥)の量で塗布された。
このとき、該表皮材(3) は、裏面から吸引ボックス(17)
によって吸引されるため、該分散液A、B、C中のホッ
トメルト接着剤粉末は、該表皮材(3) の表面でスプレー
衝撃によって跳ね返り飛散することなく吸着された。
【0085】上記分散液A、B、Cをスプレー塗布した
後、該表皮材(3) を乾燥室(24)に導入し、120℃で2
分間加熱乾燥するとともに、該ホットメルト樹脂が表皮
材(3) 上に固着され、接着面に点状に散在している接着
層(4) が形成された。該表皮材(3) はカッター(25)によ
って所定寸法にカットされた。
【0086】一方、融点155℃の溶融糸を40%含む
ポリエステル繊維をニードルパンチによって製造した繊
維シート(内装材材料)をクッション層(2) とし、その
上に表皮材(3) を重ねて200℃で60秒加熱すること
により、溶融糸およびホットメルト接着剤を軟化させる
とともに、分散液AおよびBにおいてはブロック多価イ
ソシアネートを解離させ、直ちに下型(27)と上型(28)と
を具備する冷間プレス装置(26)にセットした(図2参
照)。
【0087】該冷間プレス装置(26)により冷間プレスを
行い該クッション層(2) 表面に凹凸を形成するとともに
該接着層(4) を介して該クッション層(2) に接着成形し
た。
【0088】このようにして図3に示されるようにシャ
ープな凹凸が形成された自動車の内装材(1) が形成され
た。
【0089】また上記実施例1、2および比較例1によ
って調製された分散液A,B,Cを用いて接着された該
内装材(1) から試験片(L1 =100mm,L2 =15
0mm,L3 =25mm)を採取し、図4に示すように
して内装材材料(クッション層(2))に10gの荷重
(W)をかけ、105℃および150℃での耐熱性試験
を行なった。その結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】表1により、ブロック多価イソシアネート
を添加したものは耐熱性が良好であり、プレス時の表皮
材表面の美観性も良好であり、しかも接着剤が点状に塗
布されているため吸音性も良好な成形物が得られた。
【0092】〔実施例4〕上記実施例2における増粘剤
およびアンモニア水の替りに0.5%ポリアクリル酸ソ
ーダを使用すること以外、上記実施例2と同様にしてホ
ットメルト接着剤粉末分散液D(粘度600mPa・s
/25℃)を調製し、実施例3と同様にして内装材を製
造したところ、耐熱性、表皮材の美観性および吸音性の
良好な成形物が得られた。
【0093】〔実施例5〕メチレンジフェニルジイソシ
アネート(MDI)とメチルエチルケトオキシム(ブロ
ック剤)からなるブロック多価イソシアネート(ブロッ
ク剤の解離温度は115℃)を8重量%含有する粒度1
00メッシュ全通のカルボキシル基変性エチレン−酢酸
ビニル共重合体(軟化点85℃)粉末15重量部に分散
剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウムからなる
界面活性剤0.1重量部および増粘剤として、n−ブチ
ルメタクリレート−イタコン酸共重合体のエマルジョン
1.5重量部、添加剤として蛍光塗料0.001重量
部、燐−窒素化合物からなる50%防炎剤5重量部を加
え、攪拌しながら更に25%アンモニア水を添加してホ
ットメルト接着剤粉末分散液F(粘度800mPa・s
/25℃)を調製した。また表皮材(基材シート)の材
料としては、ポリエステル繊維とポリプロピレン繊維と
を1:1の重量比で混合した混合繊維(目付量85g/
2 )をニードルパンチによって交絡したものにアルキ
ルレゾルシン樹脂の50%水溶液を塗布量10g/m2
(乾燥)になるように含浸し、その後140℃で3分熱
処理したものを使用し、該表皮材(基材シート)の片面
に上記ホットメルト接着剤粉末分散液Eを実施例3と同
様にして塗布量10g/m2 (乾燥)でスプレー塗布し
た後、95℃で3分間乾燥し、熱接着シート表皮材を作
成した。
【0094】また麻繊維とケナフ繊維とを3:7の重量
比で混合した混合繊維に上記ホットメルト接着剤粉末分
散液Eを該混合繊維に対し30重量比になるようにスプ
レー塗布し同様に95℃で5分間乾燥した後、ニードル
パンチにより該混合繊維を結着製造した繊維シートを内
装材基材とし、該熱接着シート表皮材と内装材とを重
ね、90℃で30秒かけ仮接着した後、所定の寸法に裁
断したものを125℃で2分間加熱プレス成形したとこ
ろ、表皮材表面に合成樹脂による目止め効果により、ホ
ットメルト接着剤のツブツブ等の影響がなく、耐熱性お
よび剛性の良好な寸法安定性のよい成形物が得られた。
【0095】〔実施例6〕繊維製品のスクラップを解繊
して得られた再生繊維の綿状体をミキサー中で攪拌しつ
つ、実施例1、2および4で製造したホットメルト接着
剤粉末分散液A、BおよびDを各々該再生繊維に対する
ポリアミド接着剤粉末の混合比率が20重量%に対する
ポリアミド接着剤粉末の混合比率が20重量%になるよ
うにスプレー塗布し混合した。このようにして該分散液
A、BおよびDを混合した再生繊維は、梳毛機によって
カードウェブとし、該ウェブを10層重ねてフリースと
した。得られたフリースを120℃に加熱した鉄板の間
で2分間圧締し、該フリース中のポリアミド接着剤粉末
を軟化させ、再生繊維相互を結着させた。得られた原反
を所定寸法に裁断し200℃で1分加熱した後、3MP
aの圧力で冷間プレスし、自動車の天井材の基材とし
た。
【0096】〔実施例7〕ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HMDI)とε−カプロラクタム(ブロック剤)
からなるブロック多価イソシアネート(ブロック剤の解
離温度は150℃)を5重量%含有する粒度250メッ
シュ全通のカルボキシル基変性ポリエステル共重合体接
着剤粉末(軟化点130℃)40重量部に、増粘剤とし
てのエチルアクリレート−メタクリル酸共重合体のエマ
ルジョン1重量部および蛍光染料0.001重量部を加
え、攪拌しながら更にアンモニア水2.5重量部を添加
してホットメルト接着剤粉末分散液Fを得た。
【0097】〔実施例8〕また、トリレンジイソシアネ
ート(TDI)とメチルエチルケトオキシム(ブロック
剤)とからなるブロック多価イソシアネート(ブロック
剤の解離温度は150℃)を5重量%含有する粒度25
0メッシュ全通のポリエステル共重合体接着剤粉末(軟
化点135℃)40重量部に、増粘剤として微架橋型ポ
リアクリル酸の部分中和物(日本純薬(株)製、レオジ
ック250H)0.1重量部および蛍光染料0.001
重量部を加え、攪拌しながら更にアンモニア水1.5重
量部を添加してホットメルト接着剤粉末分散液Gを得
た。
【0098】〔実施例9〕アクリル/綿からなるカーペ
ット本体の裏面に、上記分散液FまたはGを塗布量60
g/m2 (乾燥)でスプレー塗布した後、加熱乾燥し、
点状に散在するバッキング材を形成した。このようにし
てバッキング材が形成されたカーペットの裏面に、ポリ
エステル繊維からなる不織布(目付量15g/m2)を重
ね160℃で、熱圧したところ、該不織布とカーペット
本体との接着性の優れたカーペット積層物が製造され
た。
【0099】
【発明の効果】本発明のホットメルト接着剤粉末分散液
は、熱接着性シートや熱成形性繊維シート、あるいはカ
ーペットの製造に有用である。そのような熱接着性シー
トは、自動車内装材の表皮材や、自動車内装材の基材の
裏打ち材、あるいは衣服等の芯材等に有用であり、接着
温度を低くしても耐熱性のある強接着が得られ、したが
って耐熱性に乏しい材料でも使用出来、該熱成形性繊維
シートを成形した繊維シート成形物は、自動車の天井
材、ドアトリム、リアパーセル、トランクルーム内装
材、あるいは建造物の断熱材、ドア面材等に有用であ
り、該カーペットは、特に車両用のフロアカーペットに
有用である。
【図面の簡単な説明】
図1〜図3は本発明の一実施例を示すものである。
【図1】熱接着性シート(表皮材)製造工程を示す概略
側面図
【図2】熱接着性シート(表皮材)を内装材基材(クッ
ション層)に接着する状態を示す概略側面図
【図3】内装材の側断面図
【図4】耐熱性試験説明図
【符号の説明】
1 内装材 3 表皮材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水にブロック多価イソシアネートを含むホ
    ットメルト接着剤の粉末を分散せしめたことを特徴とす
    るホットメルト接着剤粉末分散液。
  2. 【請求項2】水にブロック多価イソシアネートを含むホ
    ットメルト接着剤の粉末を分散せしめた分散液であっ
    て、該分散液の安定剤として増粘剤を使用したことを特
    徴とするホットメルト接着剤粉末分散液。
JP2002053498A 2002-02-28 2002-02-28 ホットメルト接着剤粉末分散液 Pending JP2003253233A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002053498A JP2003253233A (ja) 2002-02-28 2002-02-28 ホットメルト接着剤粉末分散液
TW92103987A TW200304485A (en) 2002-02-28 2003-02-26 Dispersion liquid of hot-melt adhesive powder
AU2003200682A AU2003200682A1 (en) 2002-02-28 2003-02-26 A Hot-melt Adhesive Powder Dispersion

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002053498A JP2003253233A (ja) 2002-02-28 2002-02-28 ホットメルト接着剤粉末分散液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003253233A true JP2003253233A (ja) 2003-09-10

Family

ID=28664912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002053498A Pending JP2003253233A (ja) 2002-02-28 2002-02-28 ホットメルト接着剤粉末分散液

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2003253233A (ja)
AU (1) AU2003200682A1 (ja)
TW (1) TW200304485A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011516621A (ja) * 2008-02-26 2011-05-26 リクアメルト コーポレーション エネルギー付与によって活性化される室温でポンプ移送可能なポリマー組成物と、該組成物を活性化及び塗布するための装置

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05301939A (ja) * 1992-04-28 1993-11-16 Kyokuto Internatl Corp ブロックドイソシアネート分散液
JPH06108030A (ja) * 1992-09-25 1994-04-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The 反応形ホットメルト接着剤
JPH08291275A (ja) * 1995-04-21 1996-11-05 Nagoya Yuka Kk 接着剤
JPH08323283A (ja) * 1995-06-05 1996-12-10 Kobe Steel Ltd 感熱接着性樹脂塗装金属板およびその製造方法
JPH091730A (ja) * 1995-06-16 1997-01-07 Kobe Steel Ltd 感熱接着性樹脂塗装金属板およびその製法
JPH09137149A (ja) * 1995-11-13 1997-05-27 Sanyo Chem Ind Ltd 熱溶融型アクリル系感圧接着剤組成物
JP2000309772A (ja) * 1999-02-26 2000-11-07 Nagoya Oil Chem Co Ltd ホットメルト接着剤粉末分散液、熱接着性シート、内装材、熱成形性繊維シート及びカーペット
JP2000319615A (ja) * 1999-05-07 2000-11-21 Nagoya Oil Chem Co Ltd ホットメルト接着剤粉末分散液、熱接着性シート、内装材、熱成形性繊維シート及びカーペット
JP2001026762A (ja) * 1999-07-13 2001-01-30 Toyobo Co Ltd 反応性ホットメルト接着剤及びそれを用いた接着芯地
JP2001226447A (ja) * 2000-02-14 2001-08-21 Nagoya Oil Chem Co Ltd 樹脂組成物および成形材料および成形物
JP2002060718A (ja) * 2000-07-01 2002-02-26 Degussa Ag コポリアミド熱溶融型接着剤を用いて非導電性成形部品を被覆する方法
JP2004531606A (ja) * 2001-04-25 2004-10-14 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. ホットメルト接着剤組成物及び織物製品の製造方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05301939A (ja) * 1992-04-28 1993-11-16 Kyokuto Internatl Corp ブロックドイソシアネート分散液
JPH06108030A (ja) * 1992-09-25 1994-04-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The 反応形ホットメルト接着剤
JPH08291275A (ja) * 1995-04-21 1996-11-05 Nagoya Yuka Kk 接着剤
JPH08323283A (ja) * 1995-06-05 1996-12-10 Kobe Steel Ltd 感熱接着性樹脂塗装金属板およびその製造方法
JPH091730A (ja) * 1995-06-16 1997-01-07 Kobe Steel Ltd 感熱接着性樹脂塗装金属板およびその製法
JPH09137149A (ja) * 1995-11-13 1997-05-27 Sanyo Chem Ind Ltd 熱溶融型アクリル系感圧接着剤組成物
JP2000309772A (ja) * 1999-02-26 2000-11-07 Nagoya Oil Chem Co Ltd ホットメルト接着剤粉末分散液、熱接着性シート、内装材、熱成形性繊維シート及びカーペット
JP2000319615A (ja) * 1999-05-07 2000-11-21 Nagoya Oil Chem Co Ltd ホットメルト接着剤粉末分散液、熱接着性シート、内装材、熱成形性繊維シート及びカーペット
JP2001026762A (ja) * 1999-07-13 2001-01-30 Toyobo Co Ltd 反応性ホットメルト接着剤及びそれを用いた接着芯地
JP2001226447A (ja) * 2000-02-14 2001-08-21 Nagoya Oil Chem Co Ltd 樹脂組成物および成形材料および成形物
JP2002060718A (ja) * 2000-07-01 2002-02-26 Degussa Ag コポリアミド熱溶融型接着剤を用いて非導電性成形部品を被覆する方法
JP2004531606A (ja) * 2001-04-25 2004-10-14 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. ホットメルト接着剤組成物及び織物製品の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011516621A (ja) * 2008-02-26 2011-05-26 リクアメルト コーポレーション エネルギー付与によって活性化される室温でポンプ移送可能なポリマー組成物と、該組成物を活性化及び塗布するための装置

Also Published As

Publication number Publication date
TW200304485A (en) 2003-10-01
AU2003200682A1 (en) 2003-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1090973B1 (en) Dispersion of hot-melt adhesive particles, heat-bondable sheet, interior material, thermoformable textile sheet, and carpet
JP4440273B2 (ja) 難燃性繊維シートおよびその成形物
TWI285695B (en) Non-flammable fiber sheet and the moldings thereof
US3661674A (en) Method for the manufacture of flexible sheet materials
JP4289721B2 (ja) 成形材料、それを用いた内装材及び成形材料の製造方法
JP3824512B2 (ja) 撥水性熱接着シートの製造方法
JP3619714B2 (ja) スプレー塗布用ホットメルト接着剤粉末分散液、熱接着性シート、内装材、熱成形性繊維シート及びカーペット
JP3537351B2 (ja) 熱接着性シート及び内装材
JP3859847B2 (ja) 内装材
JP2003253233A (ja) ホットメルト接着剤粉末分散液
JP2000014522A (ja) カーペットの製造方法及びカーペット
JPH11263170A (ja) 内装材及びその製造方法
JP2000062543A (ja) 自動車内装材
JP4252589B2 (ja) 内装材
JP2002210856A (ja) 内装材料
JP3743470B2 (ja) 繊維シートおよび繊維シート成形物
JP2006161166A (ja) 成形フェルトの製造方法
JP3679172B2 (ja) 熱接着布
JPH11152456A (ja) 熱接着性シートの製造方法
JP4266265B2 (ja) 樹脂組成物および成形材料および成形物
JP2019059390A (ja) 車両用内装基材
JP2002146089A (ja) 樹脂含浸多孔質体および成形物
JP2011219673A (ja) 熱接着性シート
JP2000198156A (ja) 防水脱気シ―ト
JPH10138353A (ja) 板状体又は成形体及びその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060822

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061018

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080811